価値創造教育コンファレンス(会議)へのメッセージ

価値創造教育コンファレンス(会議)へのメッセージ     
    (2016年9月29日〜10月1日 ケニヤ ナイロビ大学)

ケニア政府の教育カリキュラム開発委員会とナイロビ大学教育学部の共催による「価値創造教育コンファレンス(会議)」が、9月29日から10月1日まで同大学で行われた。これは、創価教育思想を学術的に考察する国際会議で、「持続可能な開発のための価値創造教育」をテーマに実施。これには、創価大学創立者として池田名誉会長がメッセージを贈り、「生命尊厳の『平和の世紀』『人道の世紀』『共生の世紀』は、アフリカの〝教育の太陽〟が勢いよく天空に昇り、民衆の大地に豊かな人材の森を広げゆくとき、いよいよ到来するのではないでしょうか」と、会議の成功へ万感の期待を寄せた。

アフリカから〝教育の太陽〟を

 貴国の最高峰の知性の先生方が集われての意義深きコンファレンスの開催を心よりお喜び申し上げます。
 世界経済や社会秩序、さらには自然環境までが、刻々と変化する激動の時代にあって、人類の幸福と平和を可能にするために、教育はいかにあるべきか。
 この最重要の課題について、多様な視点から討議されるこのたびの会議は、誠に時宜を得た試みでありましょう。
 わが創価大学も、尊敬する先生方から、アフリカ社会が育んでこられた偉大な理念や哲学、そして伝統の英知を、さらに学んでまいりたい――そう強く願っております。
 創価大学は、光栄にも、1988年5月、日本の大学として初めて貴ナイロビ大学と学術交流協定を結ぶことができました。
 以来、互いに研究者を派遣し合うとともに、貴大学で有意義なスワヒリ語研修を実施していただくなど、およそ30年にわたる学術・教育の活発な往来によって、幾多の人材を薫陶し、実り多き成果を積み重ねることができました。
 現在、日本の文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されている創価大学において、アフリカとの学術交流の門が、貴大学との友情から大きく開かれたことに感謝は尽きません。
 また、お懐かしいケニア作家協会のインダンガシ会長とは、アフリカや世界の文学をめぐる対談を重ね、日本さらに世界の多くの青年たちと分かち合えたことは、私にとって忘れ得ぬ歴史であります。
 この場をお借りしまして、先生方のご厚情に、改めて御礼を申し上げます。

「自他共の幸福」を目指す貢献的人生
 「創価教育」の父、すなわち「価値創造教育」の創始者である牧口常三郎先生は、1930年、教育の目的を「子どもの幸福」と明快に宣言しました。思想も人権も抑圧された、軍国主義下の日本にあって、人間が人間らしく輝く、知性と人格の完成を目指した教育理念は、まさに独創的な慧眼でありました。
 先生は、教育者は学生と共に学びながら、その可能性を引き出し、伸ばし、十全に開花させていくことこそ、その崇高な使命であり、責務であると教えております。そして、一人一人が自らの使命に目覚め、才能を発揮しながら、善悪の価値判断を身に付け、他者に尽くす貢献的人生のあり方を示しました。
 牧口先生は、第二次世界大戦中、日本の軍部政府の弾圧にも屈することなく、平和と人道の信念を貫き通し、73歳で獄死を遂げております。
 思えば、貴国の建国の父・ケニヤッタ初代大統領は、教育について論じられる中で、こう記されました。
 「アフリカ人にとっては他の人びととの正しい関係と、他の人びとへの正しいおこないが人生の理想である」(『ケニア山のふもと』野間寛二郎訳、理論社刊)と。そして、その理想を実現するのが教育の目的であると結論されたのであります。
 この精神は、まさに「自他共の幸福」を目指す創価教育の理念と深く響き合うものであり、平和共生の社会実現への羅針盤と言ってよいでありましょう。
 私はこれまで、創価学園の生徒をはじめ、多くの青年たちに、「他人の不幸の上に自分の幸福を築くことはしない」との指針を贈ってきました。
 仏法では、万物万象は相資相依――互いに支え、支えられる関係にあると捉えており、従って人間もまた、周りの人々や環境と、切っても切れない関係で結ばれていることを明かしております。ゆえに、自分が幸福であるためには、周りの人々も幸福であり、社会や自然環境も、平和で安穏であらねばならない――自分だけの幸福など、決してあり得ないことを教えているのであります。
 この生命観は、家族を慈しみ、地域の共同体や自然環境を大切にしてきた、アフリカの伝統精神と共鳴し合っております。

思いやりの心輝く「ウブントゥ」の精神
 私が出会いを重ね、創価大学の名誉ある一員ともなっていただいた、南アフリカのマンデラ大統領は、語られていました。
 「アフリカには『ウブントゥ』という概念がある。これは『私たちは他者を通してのみ人間として存在する』という意味だ。『他の人々の功績や貢献のお陰で、自分はこの世で何かを成し遂げることができる』という考え方である」(『信念に生きる ネルソン・マンデラの行動哲学』グロービズ経営大学院訳、英治出版刊)と。
 お互いを思いやり、深い感謝をもって、協力し合う麗しい絆と心――これこそ、アフリカの民衆が、長い歴史の中で輝き光らせてきた「ウブントゥ」の精神でありましょう。まさに、マンデラ大統領が体現されたように、21世紀の教育は、「自他共の幸福」を可能にしゆく、この「ウブントゥ」の精神こそが、大きな柱となっていかねばならない――私は、そう強く実感する一人であります。
 「21世紀はアフリカの世紀」――これは若き日から、私の人生を貫いてきた信条であり、希望であります。
 この生命尊厳の「平和の世紀」「人道の世紀」「共生の世紀」は、アフリカの“教育の太陽”が勢いよく天空に昇り、民衆の大地に豊かな人材の森を広げゆくとき、いよいよ到来するのではないでしょうか。
 私も、本日お集まりの諸先生方と共に、「ハランベー」(スワヒリ語の「共に協力して働こう」)の心を、いやまして発揮しながら、平和と共生の価値創造の教育の発展のために、まい進しゆくことをここにお誓いいたします。
 最後に、貴国ケニアと、貴ナイロビ大学のますますの栄光と発展、そして、すべての参加者の皆さま方のさらなるご健勝を心よりお祈り申し上げ、お祝いのメッセージとさせていただきます。アサンテ・サーナ!(スワヒリ語で「ありがとうございます!」)
2016-12-30 : スピーチ・メッセージ等 :
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