ブラジル作家連盟「在外会員」称号授与式への謝辞

ブラジル作家連盟「在外会員」称号授与式への謝辞     (2015.6.18 ブラジル池田文化会館) 

 ペンの偉業に栄冠!──池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長が「ブラジル作家連盟」の「在外会員」に就任した。人間主義の価値を高める偉大な言論闘争を讃えたもので、同連盟初の栄誉である。
 称号授与式は18日午後5時(現地時間)から、サンパウロ市のブラジル池田文化会館で盛大に執り行われ、同連盟のドゥルヴァウ・デ・ノローニャ・ゴヨス・ジュニオル会長、ジョアキン・マリア・ボテリョ前会長らが出席。
 代理の池田SGI副会長に証書が手渡された。
 「素晴らしい授与式でした。特に池田博士の謝辞に感銘を受けました。一つ一つの言葉が心に染み込んできました。博士が語られた『寛容の精神』は今、世界に最も必要なものです」
 厳粛な式典を終えたノローニャ会長は、ほおを紅潮させてこう語った。
 その感動は、ノローニャ会長自身が人間の価値を信じ、「寛容の精神」で、より良い未来を築きたいと願い続ける一人だからこそ、生まれたのであろう。
 「池田博士は知性が高いだけでなく、心が広い。言葉に魂があります。ゆえに、人々の胸を打つメッセージを発信することができるのでしょう。『在外会員』の称号を贈ることができ、格別の思いです」


ノローニャ会長の授与の辞

偉大な人間主義者を迎えたい

 ご列席の皆さま。
 本日、ブラジルのサンパウロ市に集まっていただいたのは、偉大な人間主義者であり、仏法の師匠かつ代表者である池田大作博士に、ブラジル作家連盟からの“受けるに値する表彰”を授与するためです。
 池田博士は、1947年に創価学会に入信し、75年に世界の恒久平和を推進する団体である創価学会インタナショナル(SGI)を発足されました 。
 池田博士はSGIについて、次のように示されています。
 ──現在、全世界が直面している問題を解決する唯一の方途ととして、民族・宗教・思想的な差異を乗り越えた幅広い連帯をつくること。差異へのこだわりを超え、ともに社会の平和と幸福を目指していくことを目的とする2014年の「SGIの日」記念提言で 、池田博士は一人一人の無限の可能性を引き出すエンパワーメント(内発的な力の開花)を基礎に置く「人間革命」が、個人の内面の変化だけでなく、厳しい現実を突き破るための価値の創造に結実してこそ、“社会的な変化”を起すことができると呼び掛けられました。
 さらに、博士は「他者に尽くす行為が放つ光がそのまま、自身の尊厳を照らし返す光となっていく」とつづられています 。
 作家として、池田博士は「悲哀に沈む友の心に、希望の火をともし、勇気を燃え上がらせる」働きかけをされています。
 博士は、「あの胸に、この胸に、人間讃歌の音律を響かせ、共に正義の大道を歩み抜くために」筆を執ります。
 ブラジル作家連盟は、ブラジルで最も歴史が古い作家協会であると同時に、人間主義に直結した価値の促進に向けた、長い伝統を有しています。
 歴史的にみますと、本連盟は法の支配、民主的な自由、人権、経済と社会的発展、そして、ブラジル文化遺産の保護のために行動してきました。
 ガプリエル・ガルシア・マルケス(コロンビア出身のノーベル賞作家)は指摘しています。“ラテンアメリカとカリブには、世界を動かす決定的なエネルギーがある。それは、全ての原料が存在する以前の巨大な文化遺産である”と。
 実は、私たちが今いる場所に暮らしていたブラジルの原住民のトゥピ・グアラニー族の神話に、文字の神である女性のアスチーが存在していました。
 アスチーに限らず、ポエムの神ピセーや物語の神グァイピラ、雄弁の神グラサイー、そして、名誉、善意と正義の神パラジャスがいました。これら全てが女性です。
 このような気高い価値観に加え、ブラジルで使われているポルトガル語には、トゥピ・グアラニーの言葉から約2万2000語が加わったことで豊かになりました。それらの多くの言葉は、国土の自然環境に対する敬意を表し、本連盟も、この考えを貫きたいと思っております。
 しかし、この文化遺産、それに伴う多様な影響は、国際的に、そして多くの場合、地元でも評価されていません。われわれの多くの人間主義者たちはノーベル賞を受賞できず、われわれの大いなる志も評価されないこともあります。
 今の世の中は、いわゆるグローバル化の運動による文化的差異の撲滅の脅威にさらされています。これは卑劣な自己中心主義に影響され、商業的な利益を目指す、文化的に優位である誤った認識をもつ少数派が推進していることです。
 その中で、 池田博士の人間主義的な価値を推進される声は、善意ある人間の願いを代弁しています。
 このような理由から、本連盟は本日、池田大作博士に謹んで「在外会員」称号を授与させていただきます(大拍手)。

池田大作SGI会長の謝辞
(代読)

「慈悲の声」響かせ 不屈の言論を
民衆と共に希望の讃歌 高らかに


多様な文化が融合するブラジルの大地
文学は寛容の心育む力


 一、本日、私は、偉大な歴史と伝統を誇り、文化と言論の大光を、世界へ、未来へ送りゆかれる、貴・ブラジル作家連盟より、最高に栄えある「在外会員」の称号を賜りました。
 ブラジルを愛してやまぬ言論人の一人として、これに勝る光栄はございません。誠に誠にありがとうございました(大拍手)。
 私には、この栄誉を謹んでご報告申し上げたい敬愛する方々がおります。その方々をご紹介しつつ、貴・作家連盟に連ならせていただく意義を、3点にわたり、述べさせていただきたいと思います。

宇宙的広がりと偉大な創造力

 一、その第一の方は、わが恩師・戸田城聖先生であります。
 師は、「信なき言論は煙のごとし」と喝破した言論の闘士であり、戦時中は、日本の軍部政府による2年間の投獄にも断じて屈しませんでした。
 70年前、終戦の年に出獄した師は、平和への新たな民衆運動を起こし、「人間革命」の哲理とともに、「地球民族主義」という人類の共生のビジョンを、私たち青年に示されていたのであります。
 実は恩師は、ブラジルを深く敬愛し、青年時代、貴国への移住を希望されたこともあるほどです。
 地球民族主義の一つの原型を、恩師は、多様な民族が融合する貴国の人間共和に見いだしていたといっても、決して過言ではありません。
 ノローニャ・ゴヨス会長は、ブラジル文学の特徴を、「壮大にして、民族、文化の多様性の上からも豊かな表現に富む」と洞察されています。
 まさしく、宇宙的なスケールの広がりを持ち、多様性から偉大な創造力を発揮してきたブラジル文学は、人類の宝であります。
 私が貴国を初めて訪問したのは1960年10月。
 その3カ月前、世界各地の文学者がブラジルに集い合いました。
 その折、ブラジル文学界の代表は、日本の作家を大事に迎えてくださり、“東洋的なものも持っているブラジルは、西洋と東洋の文化を融合させる地となって、新たな文化を創造したい”との大志を熱く語られたという交流の秘話もあります。〈『作家の自伝15 川端康成』日本図書センターを参照〉
 一、こうした開かれたブラジル文化の核心の一つは、「寛容」の精神であるといえないでしょうか。
 世界との対話を広げてこられたノローニャ・ゴヨス会長は、「寛容は、人類と環境にとってよりよき未来を志向する上で、さまざまな差異を尊重し合うために必要不可欠であります」と強調されております。私もまったく同感であります。
 この点、文学には、あらゆる違いを超え、同じく「生老病死」の苦悩に立ち向かう人間として、理解と共感を深め、寛容の心を育む力があります。
 私の恩師も、青年たちと、世界文学を教材として、心広々と人類の精神遺産から学び合いながら、地球文明の未来を展望してくださいました。
 会長が尊敬される哲学者ボルテールは、「寛容の精神は兄弟をつくり、不寛容の精神は怪物をつくるかもしれません」(高橋安光編訳 『ヴォルテール書簡集』法政大学出版局)と喝破しておりました。
 “不寛容の怪物” に、断じて世界を蹂躙させてはなりません。
 私たちは、貴・作家連盟に脈打つ寛容の精神を掲げて、地球民族の兄弟姉妹の連帯を、さらに創り、広げていきたいと思うのであります。

アタイデ総裁
一緒に人類の歴史を変えましょう

自由のために
 一、第二に、私がご報告申し上げたい方は、ブラジル文学アカデミーの故・アタイデ総裁であります。
 アタイデ総裁は、ジャーナリストとして、迫害にも怯まず、一生涯、信念のペンを振るい、「世界人権宣言」の起草にも携わられた、人道の巨人であられました。
 94歳の総裁が、獅子のごとき気迫と情熱で、私に「一緒に戦いましょう。力を合わせて、人類の歴史を変えましょう!」と呼び掛けてくださったことを、昨日のように思い起こします。
 総裁と私が対談の中で語り合った、二つの “人権の武器” があります。
 その一つは、万人に最高の尊厳なる生命を見いだし、一人一人が自身の特性を最高に輝かせていけるように励ましていく「慈悲の声」であります。
 そして、もう一つは、生命を差別し、抑圧する悪に挑み、自由と平等を擁護していく「正義の言論」であります。
 仏法においては「声仏事(仏の仕事)を為《な》す」(御書708㌻)とも、「仏は文字に依《よ》って衆生を度し給うなり」(同153㌻)とも説かれます。
 アタイデ総裁の不撓不屈の言論闘争を偲びつつ、「慈悲の声」と「正義の言論」を、私もまた、命の限り響かせていきたいと、決意を新たにしております。

明日は新しい日
 一、そして第三に、私が本日の栄誉を一緒に分かち合いたい方々とは、わがブラジルSGI(創価学会インタナショナル)の同志たちであります。
 貴・作家連盟の一員であられた文豪ジョルジェ・アマード先生も、「民衆とともに」という信条を持たれ、SGIの人間主義の民衆運動に、深い共鳴を寄せてくださっておりました。アマード先生は宣言されました。
 「民衆の歌には、はてしない希望がある。その叫び声のなかには希望がある」(神代修訳 『希望の騎士 革命児プレステス』弘文堂新社)と。
 私が大好きなブラジルの友には、「明日は新しい日になる」という陽気で前向きな希望が漲っています。ブラジルの民衆精神こそ、大いなる希望(エスペランサ)の太陽そのものでありましょう。
 今、世界で、どれほど多くの人々が、また、どれほど多くの青年たちが、「希望の灯火《ともしび》」となる精神の滋養を必要としていることでしょうか。栄光輝く貴・作家連盟の先生方と共々に、私たちは、民衆のはてしない希望の讃歌を、いよいよ轟かせていこうではありませんか!
 結びに、貴・作家連盟のますますのご発展と、ブラジル文学の更なる興隆を強く祈って、私の謝辞とさせていただきます。
 ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変にありがとうございました!」)(大拍手)
2015-07-03 : スピーチ・メッセージ等 :
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