随筆 民衆凱歌の大行進 No.13 地域広布の英雄へ

随筆 民衆凱歌の大行進 No.13 (2014.10.28付)

地域広布の英雄へ

わが愛する街を常寂光の都に!
笑顔輝き 心通う 朗らかな集いを
ここに民衆の「対話と連帯のオアシス」

 
 あの町に
  また この街に
    たゆまざる
  宝友《とも》の陰徳
   菊花《きっか》と薫らむ

 先日(10月12日)、久方ぶりで聖教新聞社に足を運び、懐かしき「言論会館」で勤行を行った。
 御宝前には、その日の聖教新聞と一緒に、日本全国の尊き「無冠の友」(配達員)の方々の芳名を収めたCD、また代表として表彰された「優秀無冠の友」の名簿がお供えされている。
 壁には、かつて通信員の方々へ私がお贈りしたメッセージが掲げられてあった。今年は、聖教が誇る通信員制度の発足60周年でもある。
 私も妻も、聖教新聞の一層の大発展を強盛に祈念した。そして「無冠の友」「通信員」「新聞長」をはじめ、聖教を支えてくださっている全ての方々に届けと、真剣に題目を送った。

「躍進の年」へ!
 この新宿区信濃町の現在の場所に、聖教新聞社の社屋(現・第一別館)が落成したのは、昭和36年(1961年)であった。私の会長就任の翌年であり、「躍進の年」と銘打った年である。新たな「言論城」の誕生と同時に、広宣流布の「躍進」は加速した。
 今再び、世界広宣流布新時代の「躍進の年」を、創価の “人間主義の旗” たる聖教を高らかに掲げて、動き、語り、颯爽とスタートしていきたい。
        ◇
 アフリカの正義の厳窟王・マンデラ氏や、東西冷戦を終結させた立役者・ゴルバチョフ氏など、多くの世界の指導者を迎えてきた聖教新聞社の7階からは、信濃町周辺の街並みが一望できる。
 今、日本中、世界中の宝友が勇み集われる広宣流布大誓堂を中心とする総本部を、陰に陽に守り支えてくださっている地元の皆さんに感謝は尽きない。
 先日も、この本陣・新宿で入会したタイの青年の体験を伺った。日本に来て創価学会の話を聞いたところ、実は祖母がタイ創価学会のメンバーで、幼いころから題目に親しみを覚えていた。晴れて7月に入会し、今、任用試験に向けて教学に挑戦の日々である。
 国境を超え、世代を超えて、題目の音声《おんじょう》が地球に轟く時代である。
 この青年は、信心の正しさを知り、求道の心に燃えて入会できたのは、地区の皆さんが共に勤行・唱題し、温かく面倒を見てくれたお陰ですと、笑顔で語っているという。

「地区制」30年
 SGI(創価学会インタナショナル)の人間主義の活動にも深い理解を寄せてくださっていたブラジルの文豪アマード氏は、こう洞察されていた。
 「勇気と愛情、英雄たちの心はこの二つからできている」
 勇気──それは、正義を貫き、師子の如く真実を叫び抜く魂である。
 愛情──それは、同苦の心で、仏の如く民衆を守り抜く慈悲である。
 この心を漲《みなぎ》らせて戦い続ける真の英雄、人間主義のヒーロー、ヒロインは、いずこにいるか。
 私は、広宣流布の一切の起点たる「地区」を担い支えてくださる、偉大なリーダーの方々を思い起こさずにはいられない。
 地区部長・地区婦人部長を中心に、異体同心で前進する姿こそ、広布の組織の理想である。
 現在の「地区制」が発足したのは、30年前の昭和59年(1984年)1月のことであった。
 壮年部の地区部長、婦人部の地区担当員(現・地区婦人部長)、そして男女青年部に新進気鋭の「地区リーダー」が、各地に誕生したのである。
 わが創価の地区が盤石ならば地域も栄え、未来も輝く。その勢いは必ず一閻浮提へ波動する。
 ここに日本の広宣流布の大発展の軌道が敷かれたと確信した私は、翌月から、18年ぶりのブラジル訪問をはじめ北南米へ1カ月を超える広布旅に飛び出したのである。
 「地区広布」即「世界広布」──身近な人と人との絆、自分の住む近隣地域を大切にする行動を広げることが、必ず世界をも変える。創価の師弟は、常にこの心意気で前進してきた。
 さらに地区を励まし支える「支部」のリーダーの方々も、そして最前線の「ブロック」の皆様方も、「わが地域の幸福と安穏は我らの手で!」と、誇りも高く立ち上がってくれている。
 中でも、「白ゆり長」「副白ゆり長」の誕生から10周年の今年、あらためて尊きブロックの婦人部リーダーの皆様方の日々のご苦労を心から労い、讃嘆したい。
 また、広宣流布の最前線に立つ “黄金柱” として、堂々と、満々たる闘魂で戦っておられる壮年ブロック長たちの雄姿が、いつも私の目に浮かんでくる。
 五濁悪世の末法にあって、民衆の救済を誓願し、慈折広布に邁進されゆく尊貴な民衆指導者の皆様方! いつも、いつも、本当に、ありがとう!

人と人を結べ!
 今夏、日本では豪雨による災害が相次いだ。被災された方々に、重ねて心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を懸命に祈る毎日である。
 世界各地でも、近年、自然災害の脅威は増加している。そんな中、災害等への地域社会の抵抗力・回復力──すなわち、「レジリエンス」を高めていこうとする動きが活発化している。
 最近の研究では、「レジリエンス」が強いとされる地域コミュニティーの共通点の一つとして、ある重要な力を持ったリーダーの存在が認められている。
 その力とは、「人びとを結びつける力」という。政治的、経済的、社会的な立場の異なる様々な人びととの間に協力関係を築き、相互の交流を橋渡しする能力である。
 いわゆる剛腕でもない。一人で全ての決断を下し、采配を振るうタイプでもない。多種多様な人々が互いに理解し合うために、その “橋渡し” を務められる「通訳型リーダー」ともいうべき存在なのだ。
 わが友である、ブラジルの大音楽家アマラウ・ビエイラ氏は、東日本大震災に屈しない東北の方々を讃えておられた。
 「人と人の間に生まれた最強の連帯感と、同苦と助け合いの心は、全人類の称賛に値するものであります」と。

座談会の先駆性
 ジャズ発祥の地といわれるアメリカ・ニューオーリンズを襲ったハリケーン「カトリーナ」(2005年)の災害にあって、いち早く復興を遂げた地域には、ある特色があったという。
 そこには、日頃から、「対話」を促すリーダー的な人がいて、住民を結びつけていたというのだ。
 思うに、今ほど地域社会に対話の場が求められている時代はない。我らが、愛する街で朗らかに行っている「座談会」は、実に先駆的で模範の広場なのである。
 SGI芸術部長で、ジャズ界の王者と輝くハービー・ハンコック氏とウェイン・ショーター氏が力強く語られていた。
 「私たちは学会活動を通し、メンバーが互いに応援し、支え合い、つながり合うことの価値を学ぶことができます。それは決して、上から下へのトップダウンではありません」
 「座談会は、相手の立場に立ち、男女や人種や世代の違い、文化的・地理的な環境の違いによって生じる問題の本質を深く理解していくのに役立ちます」
 両氏とも、多様な人びとが共存し、「オーケストラ」や「サラダボウル」にも譬えられるアメリカ社会にあって、長年にわたり地区部長や地区幹事として献身し、まさに地域を大切にされてきただけに、その言葉には千鈞の重みがある。

“希望の列車”で
 「地区座談会の模範たれ」──30年前、私は、大切な地区を担うリーダーの皆様に呼び掛けた。
 座談会は、多くの同志たち仲間たちを乗せて、幸福へと運ぶ “希望の列車” である。地域の人びとを結び、いかなる困難にも災害にも負けない団結力を培い高めゆく、偉大な集いなのである。
 わが地域の座談会が、ますます楽しく、皆で朗らかに語り合いながら、笑顔を輝かせ、心と心を通わせる「地域のオアシス」となることを、深く祈念してやまない。
 第二次世界大戦の中、ナチスの非道な迫害を受けた経験を持ち、生涯にわたり「人間」を見つめ続けた哲学者ハンナ・アーレントは綴った。
 「人間が活動する能力をもつという事実は、本来は予想できないことも、人間には期待できるということ、つまり、人間は、ほとんど不可能な事柄をなしうるということを意味する」
 すなわち、人間には、苦難を乗り越える底力があるのだ。絶望に屈せず、希望を紡ぎ、逞しく連帯して未来を切り開く勇気と智慧があるのだ。この人間の善の可能性を信じ抜いてこそ、未聞の大偉業も遂行できる。

今いる場所で勝利
 日蓮大聖人は、命にも及ぶ佐渡流罪の只中に、悠然と門下に仰せになられた。
 「我等が如く悦び身に余りたる者よも・あらじ、されば我等が居住して一乗を修行せんの処《ところ》は何《いず》れの処にても候へ常寂光の都為《た》るべし」(御書1343㌻)と。
 世界のあの地、この地で、大聖人に直結して、広布は今、同時進行で伸展している。
 広宣流布の師匠と同じ誓願に一人立ち、不可能と思われた世界への広布拡大を成し遂げたのが、我ら創価の誇りだ。
 十方の諸天善神を強く揺り動かし、あらゆる障魔に打ち勝ちながら、わが愛する地域を発展させ、断固として「常寂光の都」へと輝かせゆこうではないか!

 いにしえの
  縁《えにし》の友と
   わが天地
  仲良く楽しく
     幸の宝土に

アマードの言葉は 『革命児プレステス』 神代修訳(弘文堂新社)、アーレントは 『人間の条件』 志水速雄訳(筑摩書房)。
2014-12-30 : 随筆 民衆凱歌の大行進 :
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