フィリピン国立イサベラ大学 「名誉人文学博士号」授与式への謝辞

フィリピン国立イサベラ大学 「名誉人文学博士号」授与式への謝辞
         (2014.4.24 創価大学本部棟)

 フィリピン共和国の国立イサベラ大学から創価大学創立者の池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に、「名誉人文学博士号」が贈られた。これは、哲学者、教育者、詩人としての傑出した平和・文化への貢献を讃えたもの。授与式は24日、東京・八王子市の創価大学本部棟で行われ、イサベラ大学のアレス・M・ママワグ学長、ウィリアム・C・メドラノ副学長、エドムンド・C・グンパル副学長が列席し、厳粛に行われた。

ママワグ学長のあいさつ

「教育こそ人間を自由にする」
池田博士の哲学はわが大学の指標と一致


 技術が進歩し、多様な文化が交わり合っている現代にあって、国立イサベラ大学は、国際的に競争力のある卒業生の輩出だけを目的にしているわけではありません。
 私どもは健全な倫理観を持つ人間、池田博士の言葉を借りるならば「人間と自然の『かけがえのなさ』を、頭で、心で、肌で、全身でつかんでいる人間」(池田大作著『君が世界を変えていく』朝日出版社)の薫陶、育成に信念をもって取り組んでおります。
 今、数々の紛争、対立が局所的にも世界的にも起きています。各国政府は、増大する腐敗、貧困、戦争と必死に格闘しております。その全てにおいて、克服の鍵を握るのは教育です。
 池田博士は教育を、「平和と社会変革の基盤」と位置付けておられます。
 イサベラ大学もまた一貫して、教育を知識それ自体だけでなく、平和、文化推進のための強力な手段へと変革し、倫理的価値観を備えた機関や個人と国際的な関係を築き、広げてまいりました。
 池田博士の思想・哲学、またその事績は、人類の進歩のために不可欠な要素であるだけでなく、人間性を育てるために欠かすことができないものです。
 このような理由から、イサベラ大学は、卓越した学究的平和建設者であられる池田博士に、本学が贈る最高の賞讃と栄誉となる称号を授与させていただく運びとなりました。
 「平和・文化・教育」は、まさに今、私たちが苦心するこの世界を形作るのに、不可欠な要素です。
 池田博士のご行動は、一人一人の内発的な力の開花と、人間同士の連帯の構築に特色が表れています。そして、そのご行動はこれら三つの重要な要素の推進を促すものです。
 学術界に身を置く私どもは、池田博士の次のような主張を心に刻んでおります。
 「教育こそが人間を自由にするのであります。知性こそが、人類がそこで語り合える普遍的舞台であります。教育は人を偏見から解放します。暴力的熱狂から心を解放させます」(『池田大作全集』第101巻所収)
 これは、学生たちを何よりも、平和を訴える人間へと育て上げるわが大学の指標と一致しています。
 また、池田博士はこのようにもおっしゃっています。
 「真の勇気と信念をもった『一人』が立ち上がれば、必ず社会を変え、国を変え、世界に変革の波を起こすことができる」(J・K・ガルブレイス、池田大作著『人間主義の大世紀を』潮出版社)
 そして私たちも同じ信念で卒業生を輩出してきました。
 私たちは、池田博士がこれまでに世界中の学術機関から300を超える名誉学位を受章しておられることを、よく存じ上げております。しかし、それでもなお、世界に変革をもたらす博士のご貢献を讃えたいのです(大拍手)。
 博士の模範的な人生とご功績を考える時、イサベラ大学は、個人を讃えるために贈る栄誉として、本学最高の賞である「名誉人文学博士号」を授与できますとを、誇りに思います。
 このたびの授与の実現にご尽力いただいた全ての方々に心から感謝申し上げ、ごあいさつとさせていただきます(大拍手)。

グンパル副学長の授章の辞

60年にわたり人間主義で平和建設を導いた

 フィリピン共和国の国立イサベラ大学は、池田博士が世界に多大な変化を及ぼしたご功績を、ここに顕彰いたします。
 数々の賞を受けられた平和の提唱者、多くの著作を持つ作家、哲学者、学術機関の創立者、利他主義の模範である池田博士は、間違いなく、世界からの賞讃に値する人物です。
 池田博士は、哲学者として非暴力へと向かう世界の潮流を固く信じ、約60年もの間、人間主義による平和社会の建設を導いてこられました。
 池田博士は、一人一人の人間が持つ独創的かつ創造的な可能性を育み、平和と社会貢献への意識と、クローバルな視野を養うという理念に基づいた創価教育機関の創立者であります。
 池田博士は、対話は平和の礎であるとの揺るぎない信念から、1970年代より、世界の政治、文化、教育、学術など多岐にわたる分野の要人と対話を結んでおられます。
 健筆家であられる博士はこれまでに、仏法哲学から随筆、詩歌、童話、写真集に至るまで、多数の著作を出版しておられます。
 その模範的な人生とご貢献を讃え、フィリピン共和国の国立イサベラ大学は、誇りを持って池田大作博士に、「名誉人文学博士号」を授与いたします(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

世界へ新たな創造の活力を 希望の英知の結集をさらに

培った力は民衆のために
社会貢献こそ知性の府の使命
知勇兼備の真の世界市民たれ


 一、今、私の心には、麗しきカガヤンの天地に輝く貴イサベラ大学に勇んで入学した新入生のように、貴校の行進曲が新鮮に轟きわたっております。
 「いざ行進せん 我らの朗らかな歌を歌い
 おお 共に来たれ イサベラ大学の友よ」
 「共々に叫び この素晴らしき探求を謳わん
 地平まぶしく 我らの旗高し」と。
 何と力強い向学と連帯の讃歌でありましょうか。
 「卓越性と献身の文化」を誇る伝統を心に深く刻みつつ、本日、私は謹んで、名誉ある貴大学のスクラムに連ならせていただきます(大拍手)。
 尊き「名誉人文学博士号」の栄誉を、新入生を迎え、みずみずしい息吹で前進しゆく創価大学・創価女子短期大学の友と一緒に拝受できますことは、何ものにも代え難い喜びであります。誠に誠にありがとうございます(大拍手)。

大樹を育む聖業
 一、貴イサベラ大学の淵源は、1918年、エチャゲの地に開学した農学校にあります。
 4部屋の建物に、10人の教師で、100人の学生を迎え入れ、その尊き歩みを開始されたのです。以来、1世紀、フィリピン共和国をリードし、アジアの学術界を牽引する知性の府として大発展を遂げられました。
 教育の種は、時とともに、鮮やかな花を咲かせ、豊かな実りをもたらしながら、仰ぎみる大樹へと林立していくものであります。
 これほどロマンあふれる聖業があるでしょうか。
 1918年といえば、私の人生の師匠である、戸田城聖先生が、故郷の北海道で、青年教育者として第一歩を踏み出した年でもあります。
 国家主義の教育ではなくして、あくまでも「子どもの幸福」を願い、一人一人の尊厳なる生命の可能性を最大に薫発していった恩師の挑戦は、今、創価の学舎《まなびや》から巣立った幾千の教育者たちに受け継がれております。
 この恩師が敬愛してやまなかったアジアの大指導者の一人が、貴国フィリピンのマグサイサイ大統領でありました。
 恩師から託されて、創価の平和と文化と教育の機関紙・聖教新聞を、インドのネルー首相、中国の周恩来総理らと共に、マグサイサイ大統領へお送りしたことも、忘れ得ぬ思い出です。
 この偉大なる“民衆の大統領”は、語られております。
 「公務において私が求めた唯一の報酬は、民衆の信頼を得ることである」と。
 そして大統領は、「皆が共に」進むことが、堅固な社会を建設すると、一貫して訴えられたのであります。
 「皆が共に」──これは、貴イサベラ大学と、わが創価大学が深く共有する原点であります。

大学教育の原点
 一、本日は、この原点を、より具体的に敷衍しつつ、あらためて再確認しておきたいのであります。
 それは第1に、大学は「民衆と共に」ということであります。
 貴大学では、「教育が行き届かない全ての人に開放し、サービスを提供する」との哲学のもと、教職員が人々の中に分け入って、さまざまな教育活動、奉仕活動を展開されております。私は心からの共鳴を禁じ得ません。
 大学に学ぶ機会を得た青年たちは、そこで培った英知と力を、大学で学べなかった人々のために還元し、共々に幸福と平和の価値を創造していく──これは、大学の第一の使命であるといっても過言ではないでしょう。

地域に根ざして
 一、第2のポイントは、大学は「地域と共に」ということです。貴大学は、地域に根ざした教育活動を、一方通行で終わらせるのではなく、市民の積極的参加を促し、共に地域の発展に参画してこられました。まさに、民衆のエンパワーメント(能力開花)と、持続可能な開発のための大学としてのビジョンを実現する模範の取り組みであります。
 さらにまた、森林の植樹や農業の技術支援などを通して、自然環境の保全や、地域の産業の振興にも、多大な貢献を果たされております。
 ママワグ学長が、卒業する学生たちに贈られている励ましの言葉が、私の胸に迫ってまいります。
 「さあ、あなたの人生、あなたの地域社会、そして、あなたの国を築いていきなさい。自らが社会の“問題”ではなく、“解決策”となっていくのです」と。
 真の世界市民とは、グローバルな視野に立ちながら、自らの地域の課題に挑戦し打開しゆく、知勇兼備の行動の人であることを強く銘記したいのであります。

青年よダイヤモンドの如く輝け
栄光開く鍛えの道を


共々に学び成長
 一、第3は、大学は「学生が教職員と共に」ということです。
 先日、発刊された、アメリカの著名な教育哲学者であるヒックマン博士、ガリソン博士と私との鼎談集(『人間教育への新しき潮流──デューイと創価教育』第三文明社)でも、このテーマが話題となりました。
 すなわち、理想の大学教育のためには、学生と教員と職員とが一体となって、一人の人間として、共に学び合い、共に成長しゆく環境こそが、極めて重要だという点であります。
 「健全な倫理観を持つ、有能な人材の育成」を、その使命に掲げられる貴大学には、まさにそうした優れた気風が漲っております。
 ママワグ学長は、気高き人生の師から、人々の生命に“ダイヤモンドの原石”を見いだして、磨き上げていく信念を受け継がれております。
 ダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けません。大学とは、学生も教員も職員も、互いに求道の同志として、ダイヤモンドの如く、真摯に誠実に、錬磨し合い、尊厳なる生命を最高最大に発光させゆく場とはいえないでしょうか。

不屈の翼で飛翔
 一、そして、最後に申し上げたいのは、大学は常に「希望と共に」という点であります。
 自然災害の多い島に生まれ育ったママワグ学長は、幼くしてお母様を亡くされるなど、試練の青春を送られました。
 しかし、「学びの力」によって、その逆境を乗り越え、使命と栄光の人生を切り開いてこられました。
 学長は、いかなる環境にあろうとも、「教育という翼によって、人々は羽ばたき、新しい世界を見ることができるのです」と語られております。
 世界の前途に多くの難問が立ちはだかる今、大学はいやまして“希望の英知”を結集し、人類へ新たな創造の活力を贈っていかねばなりません。
 貴イサベラ大学の行進曲は、私たちに勇気ある飛翔を呼びかけております。
 「来たれ! そして戦わん!
 勝利に向かい前進せん! 声高らかに!」と。
 貴大学と創価大学が共々に、21世紀の天空高く、不屈の翼を広げて、この地球上に永遠のパガサ(希望)を創り広げてゆくことを、ここに決意し合って、私の御礼とさせていただきます。
 誉れの母校たる貴大学の無窮の大発展と、わが心にいつも光り輝くフィリピン共和国のいよいよのご繁栄を、心からお祈り申し上げます。
 マラミン・サラマッポ!(フィリピン語で「誠にありがとうございました」)(大拍手)
2014-04-27 : スピーチ・メッセージ等 :
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