随筆 民衆凱歌の大行進 No.3 東北の城 福光の春

随筆 民衆凱歌の大行進 No.3 (2014.3.11付)

東北の城 福光の春

不屈の「みちのく魂」よ 世界に燦たれ!
胸に生き抜く力あり 心に希望の光あり


 妙法を
  唱え生き抜け
   恐れなく
  幸の光彩
   友を照らして

 未曽有の東日本大震災から3年──。
 あまりにも多くの生命が突然に奪われ、あまりにも多くの方々が傷つき、苦しまれた大災害であった。
 私は、亡くなられた全ての方々のご冥福を祈念するとともに、いやまして強く深く、追善回向の題目を送り続けていきたい。
 私の胸から、偉大な東北の大勇と忍耐の友の姿が離れることはない。
 どれほどの苦難を耐え抜いてこられたことか。
 どれほどの試練に立ち向かってこられたことか。
 よくぞ、生き抜いてくださった。自身のため、家族のため、友のため、地域のために戦い抜いてくださった。
 我らの生命には、何ものにも壊されない「心の財」がある。いかなる嵐にも消えない「勇気の炎」がある。
 凍てついた友の悲嘆をとかし、暖かな蘇生の春を呼ぶ「希望の光」がある。
 その尊貴なる命の輝きを示し切っているのが、わが敬愛してやまない東北の「凱歌の人々」だ。
 皆様こそ、日本の柱だ。世界の宝だ。不撓不屈の「人間の底力」を人類史に刻み残した、崇高なる魂の王者・女王なのである。
 私の心は、東北の久遠の同志と共にある。これからもずっと、皆様方と苦楽を共にし、祈り、歩み、生き抜いていく決心である。

「青年は勇気なり」
 我らの東北の民衆城は、堂々と聳えたり。
 尊き東北の福光の春は、冬を越えて近づけり。
 今月の2日、人間共和の理想郷・岩手の天地で、「新生・東北総会」の意義を込めた本部幹部会のメーン行事が盛大に開催された。
 さらに、宮城、福島、青森、秋田、山形の各会場を同時中継で結び、「みちのく魂」に燃えるあの友この友が、心一つに喜び勇んで集ってくれた。
 震災後に入会した青年たちの姿も多かったと聞く。
 岩手が生んだ青春詩人・石川啄木は歌った。
 「此処にあつまれる者は皆青年なり、/常に世に新しきものを作り出す青年なり。/青年は勇気なり」
 みずみずしい「開拓」の精神を抱いた青年の勇気と行動こそが地域を変える。社会を動かし、「希望」の夜明けを開くのだ。
 私のもとには、被災地で苦闘されている方々から、“青年の応援がありがたかった”“乙女の励ましに支えられ、一歩を踏み出す勇気が出た”等々、感謝の声がたくさん届いている。
 若き君だちよ! 苦難に耐えて、本当に立派に成長してくれた。ありがとう!
 震災直後から、被災地の友にエールを送り続けてくださった、アルゼンチンの人権の闘士エスキベル博士は熱い期待を寄せられた。
 「創価の青年たちの運動から、平和、文化、そして幸福の大きな波動が生まれることは間違いないでしょう」
 この博士の信頼に応えるように、今、わが青年部が「核兵器廃絶運動」「アジアの友好と安定」、そして東日本大震災の「心の復興」を主要項目に掲げた平和運動「SOKAグローバルアクション」を、全国各地で展開している。
 3月21日は、「東北青年部の日」──。
 若き君らがいれば、わが人材城は難攻不落である。
 20年前のその日、私が詠んだ歌を、今再び皆様に捧げたい。

 偉大なる
  東北勝ちたり
   築きたり
  万年までも
   崩れぬ城をば

「強くあれ」が願い
 「震災から三年──」 最愛の人を亡くされた方にとって、故郷や生活の場を失った方、原発事故で避難を余儀なくされた方にとって、その苦しみや悲しみに一区切りがつくものではないであろう。
 日蓮大聖人は、病で逝去した夫の命日を迎えた妙心尼御前を気遣われ、“決して忘れることはできないでしょう”──
とその心に寄り添われている。
 その夫のことを、大聖人は「娑婆最後のぜんちしき(善知識)なりけり」(御書1482㌻)と讃えられた。
 夫の死は、どれほど辛く悲しいことか。だが、その夫は生前、病ゆえに妙心尼の信心を強くし、逝去後も、信心の成長を励ます善知識となってくれている。
 貴女《あなた》よ、夫との絆を胸に強くあれ、幸せであれ──そう願われる御本仏の御心が拝されてならない。
 福島県相馬市に、鍼灸師をされている母がいる。津波で夫を失った。共に暮らす娘の悲しみも深かった。父の写真額の前に座ると思い出が溢れる。あの温かい励ましの声を聞けないと思うと、涙が込み上げた。
 そんな時、一本のカセットテープを地元の同志が届けてくれた。再生すると、聞き覚えのある声が──。
 「地区の皆さんのためなら、何でもやらせていただきます!」
 会合で力強く決意発表をする、父の懐かしい声たった。娘は泣きながら笑って、言った。
 「私、前に進めそうだよ」
 共に広布の道を歩んだ金の歴史。同志との励まし合い。それが家族を支えた。
 苦しんで、悲しんで、涙を流して、それでも歯を食いしばって祈り抜いていく。その先に、「負けない力」「生き抜く力」が、必ずや湧き起こってくるはずだ。

大理想に向かって
 「学会は人材をもって城となす」と、わが師・戸田先生は宣言された。
 60年前の昭和29年(1954年)春4月。私がお供をして、杜の都・仙台を一望する青葉城址に上った折のことだ。
 青葉城を造営した伊達政宗公が、東北を舞台に大国を築くとともに、海を越えて世界と交流する雄図を抱いたことは名高い。
 その契機の一つが、1611年(慶長16年)に起こった巨大地震「慶長三陸地震」だといわれる。大津波が東北沿岸を襲い、甚大な被害を被った。
 政宗公が支倉常長ら遣欧使節をメキシコ及びスペイン、ローマヘ送ったのは、大地震から3年目。異国と友好を結び、貿易交渉をするためであった。それを復興につなげる期待もあったのであろう。
 遣欧使節がメキシコのアカプルコ港に着いたのは、400年前(1614年)の1月のことであった。
 思えば戸田先生は、亡くなる直前の3月、「メキシコに行った夢を見たよ」と、楽しそうに世界広布への思いを語ってくださった。
 恩師が愛された仙台市とアカプルコ市が、国際姉妹都市協定を結んでいることにも、深い縁《えにし》を感じる。
 創価の大理想は、世界の平和である。民衆の安穏であり、人類の幸福だ。それを、我らは広宣流布と呼ぶ。
 広布とは、また無限なる使命の長征であり、三世永遠の生命の旅路である。
 逝去された同志も、次の使命を果たすため、ご家族の側《そば》に新しい生を受けていかれるに違いない。なればこそ、我らは生ある限り、使命を果たし抜くのだ。
        ◇
 東北と東京を結んだ今回の本部幹部会──。
 東京で司会役の大任を爽やかに務めてくれたのは、仙台出身の女子高等部のメンバーである。
 未来部の友たちが、災害を乗り越えて、いじらしいまでに凜々しく育ってくれていることが、うれしい。
 2030年の学会創立100周年を伸び盛りの青年として飾るのが、震災前後に生まれた子どもたちだ。
 慟哭を超えて大成しゆく東北の若人が躍り出るその時を、私は思い描く。
 黄金の未来のリーダーたちに、私は申し上げたい。
 栄光あれ! 勝利あれ! そして、父母に孝養あれ!
        ◇
 東北が生んだ文豪・高山樗牛は叫んだ。「人間社会に於て滅びざるものは、独り人道のみ」と。
 人間が最も人間らしく、支え合い、守り合い、不屈の民衆の連帯を育み、断じて滅びざる「人道」の世界を創り広げていくのが、わが誉れの東北家族である。
 「新生・東北」は、また「新星・東北」として、人間世紀の明日を導き、地球文明の希望の星と輝くのだ。
 さあ、師弟誓願の日「3・16」から、「4・2」「5・3」へ!

 東北の城に福光の春よ、爛漫たれ! 永遠に仰がれゆく民衆勝利の人材城を、世界の同志と共に、さらに断固と築こうではないか!

 ひたぶるに
  友が走りて
    開きたる
  世界広布の
   新たな夜明けよ


石川啄木の言葉は小田切秀雄編『啄木詩歌』(第三文明社)。高山樗牛は『樗牛全集第2巻』(博文館)。
2014-03-11 : 随筆 民衆凱歌の大行進 :
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