「核兵器なき世界への連帯」展へのメッセージ

「核兵器なき世界への連帯」展へのメッセージ      (2013.9.24 広島市NTTクレドホール)

 創価学会インタナショナル(SGI)が核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の協力を得て制作した「核兵器なき世界への連帯──勇気と希望の選択」展の日本語版初公開となる広島展が24日、広島市のNTTクレドホールで開幕した(後援=広島市、広島平和文化センターほか)。開幕式には岸田文雄外務大臣が祝辞を寄せ、広島県の湯崎英彦知事、広島市の松井一実市長をはじめ、約200人の来賓が参加した。池田大作SGI会長はメッセージを贈り、「私たち民衆の“勇気と希望の選択”こそが、厳しい現実の壁を突き破る原動力となる」と訴えた。会期は今月29日まで。
 創価学会の平和運動の原点。それは核兵器を“絶対悪”として指弾した戸田第2代会長の原水爆禁止宣言(1957年9月)である。
 恩師の遺訓を胸に刻み、核兵器の廃絶を世界に訴え続けてきた池田SGI会長。2006年8月に発表した国連提言では、民衆の力を結集するために、「核兵器廃絶へ向けての世界の民衆の行動の10年」を提唱した。この提言を受け、SGIでは07年9月、国際キャンペーン「核兵器廃絶への民衆行動の10年」を開始。「核兵器なき世界への連帯」展は、同キャンペーンの一環として、ICANの協力を得て新たに制作された。
 昨年8月、広島での核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会に合わせて、英語版を初公開。以来、ノルウェー・オスロでのICAN市民社会フォーラム(本年3月)や、スイス・ジュネーブ国連欧州本部での核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会(本年4月~5月)など、7カ国・7都市で開催してきた。
 人道的側面からのアプローチで核兵器を禁止しようとする動きが今、国内外で生まれている。
 先のNPT再検討会議準備委員会では、核兵器の非人道性を訴える共同声明が、75カ国の賛同で提出された。また先月の広島市の平和記念式典で松井市長は「原爆は、非人道兵器の極みであり『絶対悪』」と強く訴えた。
 あす26日からは国連総会で核軍縮に関するハイレベル会合が開催される予定である。
 日本語版として初公開となる広島での「核兵器なき世界への連帯」展──。永遠の平和原点の地から、核兵器禁止条約の実現を求める“民衆の声”を力強く発信する。



池田SGI会長のメッセージ


最も苦しんだ原点の地から「核兵器は絶対悪」の叫び高く

 永遠の平和原点の地、ここ広島におきまして、「核兵器なき世界への連帯──勇気と希望の選択」展の日本語版初公開の機会を賜りましたことは、戸田城聖第2代会長の「原水爆禁止宣言」を胸に刻んで平和運動に取り組んできた私ども創価学会、ならびにSGI(創価学会インタナショナル)にとりまして、このうえない喜びであります。
 今回の開催にあたりごご協力をいただいたすべての関係者の皆さまに、192カ国・地域のSGIを代表し、心からの御礼を申し上げます。
 私どもがICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)と共同制作したこの新展示を、昨夏の英語版初公開に引き続き、再び広島の地から開始させていただくことにしたのは、なぜか──
 それは、被爆者の方々をはじめ、広島の皆さま方が世界に発信し続けてこられた、「核兵器による悲劇を誰にも味わわせてはならない」「人類と核兵器は共存できない」とのメッセージこそが、核兵器の拡散がかつてないほど進み、その脅威が乱反射する現代にあって、私たち人間が国や民族の違いを超えて共有していくべき平和の根本精神であるからです。

非人道性の観点
 折しも世界では今、核兵器の問題をめぐって、大きな潮目の変化が生じつつあります。
 冷戦時代以来の抑止論的な安全保障観に終始する論議から脱却して、「核兵器の非人道性」の観点を、核軍縮と拡散防止に関する協議の中心軸に据えるこ
とを求める国際的な動きです。
 ご存じのように、昨年5月、ノルウェーやスイスなどを中心とした16カ国が、核兵器がもたらす人道上の深刻な懸念を強調した上で、「すべての国家
は、核兵器を非合法化し、核兵器のない世界を実現するための努力を強めなければならない」と訴える共同声明を発表しました。
 以来、このテーマに関する共同声明が積み重ねられ、今や、賛同の輪は80カ国に広がりをみせるまでになっています。
 こうした「核兵器の非人道性」に焦点を当てたアプローチが伸展した背景の一つには、国際赤十字・赤新月《せきしんげつ》運動による積極的な呼び掛けがありましたが、
その提唱の淵源にあったものこそ、原爆投下によって広島の人々が被った未曽有の惨禍にほかならなかったのであります。
 赤十字国際委員会のケレンベルガー総裁(当時)は2010年4月に行った演説で、広島で被爆者の救援にあたった最初の外国人医師であるマルセル・ジュノー氏の体験証言──“すさまじい破壊力で、人家があった痕跡すら消え去ってしまった町の光景”“病院に避難した1000人の患者のうち、600人がすぐに絶命したこと”“路面電車や列車までもが吹き飛ばされた惨状や、生存者が痛みに耐えかねて体をのけぞらせていた様子を目撃した人の話を聞いたこと”などを詳しく紹介した上で、次のような警鐘を鳴らされました。
 「我々は、人道に関する共通の価値を否定し、国際人道法のもっとも基本的な原則に抵触し、人類の生存の持続を脅かしうるこの兵器のおそるべき影響に対して無関心であることは許されません」(梅林宏道監修『イアブック「核軍縮・平和2011」』ピースデポ)と。
 その意味で、今年の平和記念式典において、核兵器は「絶対悪」であるとの明確なメッセージが、ここ広島の地から力強く発信されたことは、誠に重要な意義があります。
 核兵器に対する認識はこの精神に軸足を置いたものへと根本的に変革させていかねばならないと思うからであります。
 今、広がりをみせつつある「核兵器の非人道性」を厳しく問う国際社会の動きを、核兵器の禁止と全廃の実現につなげていくためには、保有国を含めた、更に多くの国々の決断と政策転換が欠かせません。

民衆の力を結集
 その最大の後押しとなるのが、「核兵器による悲劇を誰にも味わわせてはならない」との広島の心を共有する、世界の幅広い民衆の連帯であります。
 「核兵器のない世界」を求める私たち民衆の“勇気と希望の選択”こそが、厳しい現実の壁を突き破る原動力となるのです。
 私どもは、この民衆の力を結集するための一助となるべく、今回の展示を企画いたしました。
 「環境」「経済」「人権」「ジェンダー(社会的性差)」「科学」など、さまざまな角度から、核兵器の存在が世界に及ぼす悪影響を浮き彫りにし、核兵器の問題を自分自身に深く関わる問題として見つめ直す機会を提供しながら、「核兵器のない世界」を求める民衆の連帯の裾野を大きく広げていくことを、最大の主眼としております。
 「核兵器のない世界」の建設は、単に、核兵器の脅威をなくすだけではない。平和と共生に基づく時代を民衆の手で開く挑戦にほかなりません。
 そして、それは、将来の世代を含め、すべての人々が尊厳ある生を送ることのできる「持続可能な地球社会」の創出へとつながる道です。
 そのために、近くは、広島への原爆投下から70年を迎える2015年を目指し、核兵器の禁止に向けての具体的な動きを加速させるべく、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)やパグウォッシュ会議、平和首長会議、ユネスコ(国連教育科学文化機関)をはじめ、志を同じくする諸団体や多くの方々と力を合わせながら、国際世論を幅広く喚起してまいりたいと願うものです。
 結びに、ご臨席の皆さま方のご健勝とともに、さまざまな面でご協力をいただきました各団体の益々のご発展をお祈り申し上げ、私のメッセージとさせていただきます。
2013-09-26 : スピーチ・メッセージ等 :
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