アメリカ創価大学 第9回卒業式へのメッセージ

アメリカ創価大学 第9回卒業式へのメッセージ
(2013.5.24 アメリカ創価大学・創価芸術センター)

 平和創出の地球市民を育成するアメリカ創価大学(SUA)の第9回卒業式が24日午後2時(現地時間)、カリフォルニア州オレンジ郡アリソビエホ市の同大学・創価芸術センターで晴れやかに挙行された。これには、創立者・池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長がメッセージを贈り、使命ある人生の開拓のため、人類の平和と幸福の創造のため、共々に学び抜き、不断の挑戦を続けようと念願し、晴れの門出を祝福した。式典では世界的ジャズピアニストのハービー・ハンコック氏が記念講演。SUAのハブキ学長、ダナム理事長、創大の馬場学長(SUA理事)、卒業生の家族、支援者、同窓生ら約1000人が出席した。

名誉会長のメッセージ

真剣と誠実と忍耐で勝て


使命の人生の大開拓を
積極果敢にチャンスを創り出せ

自らの突破力を信じよ
ガンジー
希望を失わない者こそ真の指導者

 一、私にとって、また私たちにとって「宝の中の宝」と光り輝く、アメリカ創価大学(SUA)9期生の皆さん! 無上の栄光と喜びと誇りに満ちた、晴れの卒業式、誠におめでとうございます(大拍手)。
 この4年間、本当によく学び抜き、目覚ましい成長を遂げました。かけがえのない友と励まし合い、互いに鍛え合いながら、母校の伝統を一段と深化させ、発展させてくれました。
 青春の勝利の劇を飾った皆さん一人一人を、私は最大に讃え、「わが誉れの9期生を見よ!」と、声高らかに宣言したいのであります(大拍手)。
 ご家族の皆様方、ご友人の方々にも、心よりお祝い申し上げます。学生をわが子のように愛し、育んでくださった教員・職員の方々、さらに、ご来賓と支援者の皆様をはじめ、SUAを陰に陽に支えてくださっている全ての方々に、厚く厚く御礼申し上げます。
 忙しい中、遠路はるばる後輩たちの祝福に駆けつけてくれた、私の誇りである卒業生の皆さん! そして新時代へ信頼のバトンを受け継ぐ在学生の皆さん! きょうは本当にありがとう!(大拍手)

正確な認識力と友の心動かす力
 一、時代の大転換期に生きゆく9期生の門出にあたり、第1に、「創価の学の光で、チャンスを創り出せ!」と申し上げたい。
 今日の大発展したSUAの姿を、是非ともご覧いただきたかったお一人が、忘れ得ぬモンゴメリー博士(ハーバード大学名誉教授)であります。アメリカ創価大学の「環太平洋平和文化研究センター」の初代所長も務めてくださいました。
 博士が提案してくださった、SUAのプログラム「ラーニング・クラスター」が、今、多角的に見事な研究成果を収めていることも、何とうれしいことでしょうか。
 博士は鋭く語っておられました。
 「現代世界の諸問題の解決に必要なのは、一つは『ものごとの正確な認識力』であり、一つは『人の心を動かす力』である。そして大学は、その両面にわたって貢献することができる」と。
 まさに、いずれも、わがSUAに生き生きと脈動している力であります。この息吹の中で、皆さんが身につけてきた「創価の学の光」を、これから躍り出る、それぞれの使命の大舞台で、いやまして強め、深めていっていただきたいのであります。
 一、思えば、モンゴメリー博士は「チャンスを逃がすな」をモットーとされていました。
 チャンスは待つものではありません。つかむものです。いな、積極果敢に自ら創り出すものです。
 人生においても、社会においても、先の見えない深い闇さえ照らし晴らして、チャンスを創り、活路を開いていく希望こそ、皆さんが錬磨している「創価の学の光」なのであります。
 私自身、戸田城聖先生の弟子として、今も「探究」即「創造」の歩みを続けております。
 どうか、使命ある人生の開拓のため、そして、人類の平和と幸福の創造のため、共々に断固として学び抜きながら、平和と共生の旭光を輝かせていこうではありませんか!(大拍手)

自分らしく生命の凱歌を
 一、第2に申し上げたいのは、「真剣と誠実と忍耐で勝て! 生命の凱歌を轟かせよ!」ということであります。
 わが敬愛するアメリカには、デューイ博士の教育哲学、エマソンやソローらのアメリカ・ルネサンスの文学、キング博士の人権闘争、そして、ジャズ音楽をはじめとする偉大な精神の宝があります。
 そのジャズ音楽の魅力と創造性について、私は、敬愛してやまない長年の友人であるウエイン・ショーター氏、ハービー・ハンコック氏と、てい談を重ねてきました。今回の卒業式に、ハンコック氏が祝賀に出席くださることは、この上ない喜びです。
 ハンコック氏は、てい談の中で、こう語られました。
 「アメリカで生まれたジャズも一曲一曲は未完成と言えます。演奏の度ごとに完成へと向かっていく不断の挑戦です。だからこそ人々を引きつけてやまないのです」
 私たちの日々の歩みも、未完成から完成への「不断の挑戦」といってよいでありましょう。
 自分でなければ奏でられない人生の曲を、縁する人々とのセッション(共演)の中で響かせゆく挑戦において大切なことは、何か。てい談の中で、ハンコック氏は、巨匠マイルス・デイビス氏から学んだ教えとして、周囲の評価にとらわれることなく、自ら為すべきことに真剣に打ち込んでいくことの大切さを訴えておられました。
 真剣にベストを尽くし、努力と創意工夫を重ねていく青年ほど強いものはありません。
 人がどう言おうが、自分は自分らしく、誠実を貫き通していけばよいのです。
 思うようにいかぬ時も歯を食いしばり、忍耐強く、わが道を断固として進み抜いていただきたい。その人が最後に勝つ。悔いのない生命の凱歌を轟かせていけるのです。

楽観主義で進め善の連帯広げよ
 一、第3に申し上げたいのは、「不屈の楽観主義で、世界市民の“善”の連帯を広げゆけ!」ということであります。
 先日、私は皆さん方の創立者として、南アフリカの国立クワズール・ナタール大学から名誉社会科学博士号を拝受しました。
 非暴力の大英雄マハトマ・ガンジーが、不当な差別と闘う決意をした人権闘争の原点の地・ピーターマリッツバーグ市に立つ大学であります。
 マハトマの彫像を、ここアメリカ創価大学に贈ってくださった令孫アルン・ガンジー博士の妹君エラ・ガンジー博士とご一緒の受章となりました。
 「決して希望を失わない者のみが、指導者になることができる」とは、マハトマ・ガンジーの不動の信念でした。
 マハトマは、長年にわたる激しい独立の闘争にあっても、常に温かな笑顔と明るいユーモアで、民衆を朗らかに励まし続けたのであります。
 自他共に、生命の尊厳を信じ、人間の善なる可能性を信じ抜く「不屈の楽観主義」こそ、難題が山積する人類の未来を開きゆく“カギ”といってよいでありましょう。
 一、私の大切な友人であり、冷戦終結の立役者であったゴルバチョフ氏も、「世界を正しくしようとする人は楽観主義でなければなりません」と強調されていました。
 さらに、「私の信念は、“どんな難しい状況にあっても、必ず何らかの解決策はある”ということです。ただし、その解決策を見出すためには、しっかりと考えて、倦まず弛まず働いていかなくてはなりません」とも、若き創価の友に語られました。
 21世紀の命運を担い立つ皆さんです。世界市民の熱願が結集した、この尊き民衆立の大学で学んだ皆さんです。
 いかなる時も、自らの突破力を信じてもらいたい。不可能と思える障害が現れても、「使命ある私に乗り越えられないわけがない!」と、頭を上げて胸を張り、倦まず弛まず、良き学友と励まし合いながら、前進し抜いていってください。
 地球文明の未来へ贈る私の最大の宝こそ、皆さん一人一人です。
 私は、どんなことがあっても、皆さんの勝利を信じ、祈り、見守り続けていく決心です。
 一、結びに、私が若き日から愛読してきたホイットマンの詩の一節を贈りたい。
 「思いっきりはためかせるがいい、おお、海よ、民族それぞれの多様な旗を」
 「だがあなた自身と人間の魂のため、とくに一つの旗だけは、何にもまして残しておけ、すべての民族のために織り上げられた精神の信号旗、死よりも高く高揚する人間の旗じるし」(酒本雅之訳『草の葉(中)』岩波文庫)
 わが誉れの卒業生、万歳!
 愛する9期生に健康あれ! 幸福あれ! 栄光あれ! と叫んで、私の祝辞とさせていただきます。
 本日は、本当におめでとう!(大拍手)

ジャズピアニスト ハービー・ハンコック氏の記念講演

苦労も失敗も最高の友人
感謝と笑顔の創造者に

人生の師との出会いが自身の可能性を開いた

 一、本日は、私が人生から導き出した結論を、いくつかご紹介したいと思います。
 SUAの創立者であり、私が人生の師匠と仰ぐ池田博士の「人間革命」という個人変革を原動力とした社会変革のビジョンは、音楽家としてだけでなく、究極的には一人の人間として、私が意思決定をする規範となってきました。
 一人一人が限りない可能性を持っていることを池田博士に学び、博士と同じ倫理観、信念、理念を実践していく中で、「どうすれば自分の夢を追う直接の結果として、他者の人生の向上に寄与できるか」を問うようになりました。
 私たちは皆、巨人たちの肩に乗っています。これは、私のジャズ音楽家としての人生から言えることです。ジャズは競争的なものではなく、協調的なものです。そして、師弟関係の共有のモデルの上に進化していくものです。私にとって、音楽的な成長の鍵は、師匠たちが積み上げ、引き継いでくれた経験から学ぶことなのです。
 一、ここで、人生に大きな影響を与えた、もう一人の師匠の話をしたいと思います。
 1963年に私をバンドに誘ってくれたマイルス・デイビスさんです。彼は熟練の音楽家として、また優れた指導者として、私の可能性を見いだし、癖や習慣を改めてくれました。腹の底から深く強烈な、偽りのない情熱を呼び起こしてくれました。彼の天賦の才は私が作ってきた音楽、そして、きょうこの日にも作り続けていく音楽に多大な影響を及ぼしています。
 本物の巨匠だけが、真実の答えにいたる道を授けることができるのです。
 自分が他人にとってどのような「師」になりたいか、考え始めるのに早すぎることはありません。そのような考えが、自分自身の他人に対する行動に影響を与え、残りの人生の確固たる基盤を形成するからです。
 私は、尊敬をもって師匠を自分の人生に迎え入れ、その結果として知恵と強さを見いだしています。

お金で買えない人間的価値こそ
 一、これから世界に出ていく皆さんは、試練を避けないでください。試練の中でこそ学び、成長し、強い確信を得ることができるからです。そして、挑戦の中で必ず他の人々をも、その行動へ後押ししてください。なぜなら、「私」のことだけではなく、「私たち」が重要であるからです。
 どうか、将来に対して先入観を持たないでください。自身に問いを発し、情報を集め、賢人の意見を聞き、そして自身の心に従ってください。苦しみ、葛藤したっていいのです。苦労は最高の友人になり得るのです。
 目的を見失わないでください。勇気は、共感は、寛容は、智慧は、そして“何のため”の重要さを認識する姿勢は、お金では買えません。これらの抽象的な資質が人生に価値を与えるのです。
 私はこれまでの人生を通し、失敗とは敵ではなく、友であるということを学びました。
 人生の困難と出あえるという意味で、一番大切な友かもしれません。そこから立ち上がるか、倒れたままでいるのか──立ち上がるほかはありません。
 失敗を、次の戦いに勝つためのきっかけにしてください。一時の戦いに負けることはあっでも、人生という戦いに負けるべきではないからです。でも、この戦いとは、誰に対してなのでしょうか。
 それは、あなた自身です。本当の敵は、自身のネガティブな側面です。立ち上がることによって、自分の欠点と弱さを、良い方向に転換できます。その努力があるからこそ、より強くなることができるのです。
 一、私たちは、人生を即興で演じているようなものです。
 私がジャズバンドを通して見つけ出してきた根源的な価値をいくつか紹介したい。
 まず、自分自身に安心することです。
 少し時間を割いて、自分がどういう人間なのかをよく知り、自分の中にいる“子ども”と“大人”を受け入れて、生涯、一緒にいる自分という人間に対する自信、感謝、尊敬の気持ちを見つけ出すことです。
 2つ目に、既成のものを打破し、枠にとらわれない考え方に挑戦する勇気を持て!──ということです。
 自分で、自分が前に進む邪魔をしてはいけません。
 3つ目に、あなたが勝つためには他人が負けなければならないと考えることは誤りであり、紛れもなく危険であるということです。
 唯一の競争は自分自身の中にあるのです。
 4つ目に、違うということ、新しいこと、普通でないことは面白いということです。
 古い、いつもと同じことは面白くないのです。アイデアが出あい、ぶつかりあうときに、優秀な音楽が創造されます。
 5つ目に、不可能なことは可能にすることができると信じることです。
 あなたには、生まれながらの想像力があります。それを前進へのアイデアを広めるために使ってください。
 6つ目に、あなた自身について探究することが、想像力のために不可欠であり、自身の理解の一歩となることです。
 考えることが痛いような、考えを刺激する質問をすることによって、自分自身の励みになります。

新しい友を作り同窓の友と進め
 一、最後に、本日、皆さまと共にお祝いさせていただいたことを感謝いたします。
 卒業生の皆さま、おめでとうございました! 涙は流れるでしょうが、その粒に虹を見つけ、夢を追い求めてください。
 あなたを、人生の次の章に腕《かいな》を広げて迎えます。あなたのストーリーは続き、人生の台本は厚さを増します。SUAから旅立つにあたり、感謝を忘れず、答えとして「ノー」は使わず、かつ批判は受け入れ、敵をも大事にし、新しい友達を作り、学友とも連絡を取り続けてください。
 理由がなくても、笑顔でいることです。毎日笑い、面白くあり、ジョークを飛ばし、困難の中にもユーモアを見つけ、かつ他人を笑わないことです。
 そして、創造力、情熱、類い稀な才能を、高貴で壮大な、危険にさらされているこの世界を守るために使ってください。平和のために美を創造し、人類を前進させるあなただけのアイデアを、作り上げていってください。
2013-05-29 : スピーチ・メッセージ等 :
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