未来対話  君と歩む勝利の道 第3回

第3回 友情は宝なり    (2012.7.1付 未来ジャーナル)

「良き友」がいれば負けない‼

古代ローマの哲学者 キケロ
友情は順境をいっそう輝かせ逆境を分かち担い合うことで軽減してくれる

 ──今、若き後継の友は、各地で「未来対話」を学び合い、皆で成長を誓い合っています。
 「池田先生のお話を、直接、聞いているような気持ちになりました」と、感想を寄せてくれたメンバーもいます。「師匠」と「弟子」の心は一つと、深く感動します。

名誉会長 未来部のみんなは、私の生命だもの。私も、みんなの声を聞いて、みんなの心を感じているよ。さまざまな悩みに、真っ正面から向き合っていることも、よく分かります。

 ──友情に関する質問や悩みが多いのには、本当に驚きました。
 「同級生との接し方が苦手で、自分から声をかけられません」「ケンカをして仲直りしたいけど、なかなか勇気が出ません」などなどです。

名誉会長 何とかしたいと悩むのは、一歩前進している証拠です。一生懸命だから、悩むんです。
 昔から文学作品にも、「友情」をテーマにした傑作が多い。太宰治の『走れメロス』や、ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』などが、時代が変わっても読み継がれているように、誰もが真剣に見つめてきた命題なんです。
 だから、みんなの友情の悩みも、自分だけで窮屈に抱えずに、偉大な文学や先人たちの「智慧の鏡」に照らしながら、大きな心で悠々と見つめていったらどうだろうか。
      □■□
 ──「友だちは増えても、親友がいません」という悩みも寄せられていました。

名誉会長 焦ることはありません。若い皆さんの友情の物語は、いよいよ始まったばかりです。
 皆さんの年代になれば、自分の個性も考え方も、はっきりしてくる。今まで仲良しだったのに、だんだん合わない感じがする友だちもいるでしょう。時には「孤独」を感じることもあるかもしれない。
 それは、みんなが成長しているからなんです。
 皆さんは、体も、心も、頭も、日々、発達している。友情だって成長し、発達していくんです。それは、自立した人間として、大人への階段を上っていくステップと言ってよいでしょう。
 その途上の孤独や葛藤に耐えてこそ、「自分が本当に必要としている人は誰か」を知ることもできます。
 私は、戸田先生と出会う直前の19歳の時、親友と真摯に人生を語り、哲学を語り合いました。友はキリスト教の信仰を選びました。私自身は詳しい教義を理解できないながらも友の決断を尊重し、それぞれの道を歩み始めたのです。
 「森ケ崎海岸」の詩に──

 友の求むる 遠き世に
 たがうも吾《わ》れは 己が道

 と詠んだ通りです。
 その友は、今も私の胸の中にいますし、仏法者として題目を送り続けています。
 「真実の正しい人生とは」──戦後、それまでの価値観が崩壊する中で、私は悩み抜きました。
 師匠と仰ぐ戸田城聖先生とお会いできたのは、まさにその時です。私が求めていたのは、この方だと思いました。
 そして数々の薫陶を受け、戸田先生の弟子として、世界中に友人をつくり、広げてきました。皆さんのお父さん、お母さん方とも、広宣流布という志のもとに、固い友情で結ばれています。
      □■□
 ──「嫌な人を避けてしまったり、仲の良い友だちにも、ちょっとしたことで怒ったり冷たくしたりしてしまう」「苦手な友だちとつき合うには、どうしたらいいでしょうか」という声もありました。

名誉会長 人間だから、“好き嫌い”があるのは、当たり前です。仲が良いからこそ、ケンカしたり、激しくぶつかったりすることもあるでしょう。また、「ちょっと苦手だから」と距離をとっていても、何かのきっかけで、心が通い合う場合だってあります。
 だから、ありのままでいいから、快活につき合ってみることだ。
 試行錯誤を繰り返しながら、みんなと仲良く聡明に協調できる人格を、自分らしく、だんだんと鍛えていけばいいんです。
 ある夕べ、私はイギリスと中国の敬愛する知性と、心ゆくまで語り合いました。その時、3人で確認し合った『論語』の一節があります。
 「文を以て友を会し
  友を以て仁を輔《たす》く」と。
 少し難しいかもしれませんが、「学問によって友人を集め、その友人によって自分の人格の成長を助けていく」という意義です。
 「友情」には、好き嫌いの感情に振り回されるのではなく、お互いを高めていくための二つの翼があります。
 一つが「向学」であり、一つが「錬磨」です。
 「学ぼう」「向上しよう」という人の周りに「良き友」は集うのです。その「良き友」の中で人間は「磨かれる」のです。高みを目指す真実の友情は、その努力の実りを、何倍にもしてくれます。
 とくに、学生時代の友情には、共に学び合い、共に切磋琢磨する素晴らしい触発の力がある。
 気が合う、気が合わないという次元を超えて、一緒に努力し、向上していく中で、自分の力が引き出される。相手の良さを引き出すこともできる。互いに「さすがだな」と尊敬し合うこともできる。
 皆さんには、ぜひ、この友情の深さをつかんでいただきたい。

 ──携帯電話を持つメンバーが教えてくれましたが、「メールの返信が遅れると関係が悪くなる」と言ってくる友だちがいるそうです。

名誉会長 便利な反面、慌ただしいこともあるんだね(笑い)。
 確かに、反応は速い方が気持ちいい。私も、伝言や礼状などスピードを大切にしてきた一人です。
 でも、中高生の皆さんが、もしメールのやりとりなどで神経をすり減らして、勉強や睡眠の生活のリズムを乱してしまったら、本末転倒だろうね。これは、お父さんやお母さんに心配をかけないように、賢くお願いします。
 本当に信頼できる友だちなら、メールの返信が遅れたことだってきっと分かってくれるはずだよ。
 私の世界の友人にも、お互いに多忙のゆえに、数回しかお会いしたことのない方が少なくありません。中には、手紙のやりとりだけで、一度もお会いできていない友人だっている。
 中国の「人民の父」と敬愛される周恩来総理とは、たった一度しかお会いしていません。
 それでも、私たちの友誼は、永遠だと確信しています。
 なぜか──それは、私が周総理を信じているからです。周総理の心を心としているからです。
 たとえ、総理がおられなくても、私の心が変わらなければ、友情は不滅なのです。

 ──池田先生は、不滅の「友情の物語」として『永遠の都』(ホール・ケイン著)について、これまで何度も語ってくださいました。

名誉会長 そうだ、『永遠の都』だね。戸田先生が「この本を君にあげよう」と手渡してくださった。信頼する同志と回し読みしたことも懐かしい思い出です。
 『永遠の都』には、青年革命家ロッシィと、無二の盟友ブルーノの同志愛が描かれています。
 西暦1900年のローマを舞台に、「人間共和」の世界を築くために立ち上がったロッシィ。その彼が、独裁者によって弾圧を受けます。ロッシィの盟友ブルーノもまた捕らえられ、拷問を受ける。
 ブルーノは「ロッシィがお前を裏切っている」との嘘の手紙を見せられます。
 しかしブルーノは、最後の最後までロッシィを裏切らなかった。そして、「ロッシィ万歳!」と叫びきって、死んでいく。
 その叫びは「自分に打ち勝った勝利の声」と讃えられています。友を信じ抜いた人の胸中には、勝利の栄冠が輝くのです。
 二人の友情の素晴らしさは、互いに信じ合い、共に正義の理想に生き抜いていく「強さ」にある。
 この究極の「人間の強さ」は、苦難によって磨かれます。
 盟友ブルーノの前で、ロッシィは語ります。
 「苦しみを甘んじて受け、耐え忍んで強くなってきた人間こそ、この世でいちばん強い人間なのだ」(新庄哲夫訳、潮出版社刊)
 自分が強くなれば、何があっても崩れない金の友情が築けます。
 友情は、いつも「自分から始まる」のです。誇り高い友情を築くには、自分自身が誇り高い信念を持つことです。誇り高い青春を生き抜いていくことです。
 たとえ相手に裏切られようと、自分は絶対に裏切らない。この信義を勇敢に誠実に貫き通した人生は、永遠に光る勝利の劇です。
 「友情の真髄は、わが創価の同志愛にあり」と、私は19歳から65年間の命を賭した大闘争を通して、断言することができます。

 ──私たちも、この尊い「友情の道」に必ず続いてまいります。

名誉会長
 日運大聖人は「立正安国論」で「蘭室の友」と仰せです。
 香り高い蘭の花のある部屋にいると、わが身まで香しくなる。それと同じように、自然のうちに良き感化をもたらしてくれる善友が「蘭室の友」です。こうした友情を広げていくことこそ、平和と正義の社会を築いていく力なのです。
 ともあれ、私が信じるのは友情です。今回は、古代ローマの哲学者・キケロの言葉を贈りたい。
 「友情は順境をいっそう輝かせ、逆境を分かち担い合うことで軽減してくれる」(『友情について』中務哲郎訳、岩波文庫)

 ──キケロは、戦争や権力の横暴に苦しむ人々を救うため、悪と戦った「正義の人」です。それゆえ悪人たちから、ねたまれました。

名誉会長
 そうです。その中で彼を勇気づけていたのは、真の友人でした。良き友がいたから、前進し続けることができたんです。
 一人で笑うよりも、友と一緒に笑う方が、楽しい。頑張ったことを喜んでくれる友がいれば、その喜びは倍になる。
 悩みを聞いてくれる友がいれば、どれだけ安心できるか。つらいことがあった時に、「大丈夫だよ」と声をかけてくれる友がいるだけで、心が温かくなる。豊かになる。苦悩と戦える。
 友は宝だ。輝く希望の太陽であり、苦難の冬空にきらめく星です。気持ちが安らぐ爽やかな風であり、心が潤う泉です。共に夢に向かって航海する勇気の大船であり、共に世界に雄飛する英知のジェットエンジンなのです。
2012-06-29 : 未来対話 :
Pagetop
« next  ホーム  prev »

プロフィール

fmiokun

Author:fmiokun
FC2ブログへようこそ!

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索