中国 紹興魯迅記念館 「名誉顧問」称号授与式への謝辞

中国 紹興魯迅記念館 「名誉顧問」称号授与式への謝辞        (2012.4.11 聖教新聞本社)

 中国・浙江省紹興市の紹興魯迅記念館(陳勤館長)から池田大作名誉会長に、同館初となる「名誉顧問」称号が贈られた。近代中国を代表する大文豪・魯迅の精神を広く宣揚するとともに、中日両国の友好促進に多大な貢献を果たしたことを讃えたもの。授与式は11日、兪紅《ゆこう》副館長らが出席して東京・信濃町の聖教新聞本社で行われ、代理の池田副理事長に証書が託された。席上、名誉会長が詠んだ漢詩が贈られた。

陳館長の授与の辞(代読)

池田先生は信義の力 両国人民の友好を促進

 尊敬する池田大作先生、ご列席の皆様方。
 私どもは、東京を訪問し、紹興魯迅記念館を代表し、創価学会の池田大作先生に対する当館「名誉顧問」称号の授与式を挙行できますことを、うれしく存じております。
 また、このたび授与式を開催するにあたり、創価学会の皆様にさまざまご配慮賜り、誠にありがとうございます。
 池田大作先生は、創価学会名誉会長、創価学会インタナショナル会長、世界的に著名な仏教思想家、哲学者、教育者、社会活動家、作家、桂冠詩人、写真家、世界的に名高い文化人、国際人道主義者であります。
 数十年にわたり、池田先生は「友情と信義の力は平和の基盤である」との信念のもと、中日国交正常化を提唱され、両国人民の相互理解を深めてこられました。
 両国の友好関係を促進され、多大な心血を注ぎ、中日交流の模範として活動してこられたことに対し、心から敬意を表するものであります。
 また、池田先生は一貫して魯迅の精神を宣揚され、魯迅精神である「悪に妥協することなく、正義を保ち続け、民衆のために戦う」との姿勢を、世界各地に身をもって示してこられました。
 池田先生と魯迅先生は、「人間の内面の変革」の思想を堅持してこられた思想家であり、教育者であられます。お二人は、時間と空間を超え、心と精神の分野において驚くべき一致を見ているのであります。
 池田先生は最大に魯迅を理解し、魯迅精神を理解しているといっても過言ではありません。池田先生が、紹興魯迅記念館の名誉顧問にご就任いただけることは、私どもが魯迅の研究を深めるにあたり、とても大きな推進力になると確信しております。
 周知の通り、魯迅は紹興に生まれ、紹興に育ちました。紹興の悠久なる歴史と光輝く文化は、魯迅の内面精神を陶冶し、影響をもたらしました。
 彼の作品の『故郷』や『朝花夕拾《ちょうかせきしゅう》』の中にある多くの描写は、彼の幼年時代の仲間や当時の紹興の社会を表したものであります。
 現在の紹興魯迅記念館は、魯迅の祖先の家、魯迅の自宅、魯迅が学んだ学校「三味書屋《さんみしょおく》」などの旧跡を当時のまま保存してあります。また、同時に魯迅の生涯の事跡、手記、初版の書籍、実際に使用した生活用品、写真などの関連の文物や文献資料が数多く展示されております。
 紹興魯迅記念館は、魯迅の精神を伝える「窓口」としての役割を果たし、江南風情、そして歴史情緒あふれる町として発展しております。魯迅の作品の原点を探り、作品をより深く味わい、魯迅が当時生活した情景を感じるために、毎年200万の国内外の旅行客が訪問しております。
 今年は中日国交正常化40周年にあたります。この特別な年に、池田先生を紹興魯迅記念館の名誉顧問に招請できましたことは、両国人民の交流をより一歩確かなものとし、信頼と理解を促進しゆくものと確信するものであります。
 結びに、池田先生のご健勝と授与式の大成功をお祈り申し上げ、私の話といたします。
 本日は、誠にありがとうございました。

SGI会長の謝辞
(代読)

社会に希望と平和の花を!
世界市民の心で友情を結べ


周恩来総理
「青年よ魯迅の魂に学べ」
荒れ狂う試練の嵐に断じて怯むな

 一、私たちの敬愛してやまぬ魯迅先生が、若き日、向学の志に燃えて、日本に留学の第一歩を印されたのは、1902年の春4月のことでありました。
 魯迅先生は、わが創価教育の創始者である牧口常三郎先生も教壇に立った東京の弘文学院や、仙台医学専門学校(現・東北大学医学部)で学ばれながら、中国と日本との不滅の友好の足跡を刻んでいかれたのであります。
 それから110年後の春に、魯迅先生の精神を脈々と受け継がれる先生方をお迎えすることができ、私は深い感動を禁じ得ません。
 「桜の都」としても知られる紹興の先生方を、きょうは、日本の桜も爛漫と咲き薫って、熱烈に歓迎しております。
 ようこそお越しくださいました(大拍手)。

記念館が発信するメッセージ
逆境の中で人材は育つ

勤勉・堅忍・正義の心を育む気風
 一、紹興出身の南宋の詩人・陸游《りくゆう》は、愛する郷土を詠いました。「稽山《けいざん》何と巍巍《ぎぎ》なりて、浙江の水湯湯《しょうしょう》なり」
 歴史に名高い会稽山《かいけいざん》のごとく巍々堂々と、大地を潤す浙江の流れのごとく滔々と力強く、紹興には、偉大な人間の魂を育みゆく気風が漲っております。
 魯迅先生も、紹興の大自然の精気が俊才を生み、先人たちの勤勉にして堅忍、そして正義に燃え上がる心が紹興の民衆に継承されていることを、誇りとされていました。
 本日、私は、その地に輝く文化の殿堂から、名誉顧問の称号を賜りました。
 先生方の御厚情にお応えするためにも、私は、魯迅先生の大精神を、世界の青年たちに、いやまして伝え、託していく決心であります。とともに、紹興を、私たちにとっても心の故郷として大切にし、その繁栄を祈り抜いていく決意を込めて、この栄誉を拝受させていただきます。
 誠に、ありがとうございます(大拍手)。
 一、本年は、貴国と日本の国交正常化より40周年の佳節に当たっております。その新時代を切り開いてくださった周恩来総理の原籍もまた、紹興でありました。
 周総理は、魯迅先生と遠縁に当たります。その絆を心の宝ともされ、青年たちに「魯迅精神に学ぼう!」と訴えられました。
 そして、「『疾風に勁草を知る』(疾風にあってはじめて真に強靭な草がわかる)という、われわれは今日の『疾風』の中で、一人一人が魯迅のような『勁草』にならねばならない」(小野忍・丸山昇訳
・郭沫若自伝6』平凡社)
とも、語っておられました。
 現代世界に吹く試練の疾風は、厳しさを増しております。
 だからこそ、私たちは、荒れ狂う嵐にも怯まず、「社会の蒙を発《ひら》き、勇敢剛毅の精神を振起《しんき》せん」(伊藤虎丸訳『魯迅全集10 集外拾遺補編」学習研究社)と紹興の友と立ち上がられた、魯迅先生の獅子吼を思い起こしたいのであります。
 一、貴・記念館には、魯迅少年が学んだ私塾「三味書屋《さんみしょおく》」があり、当時、使用した勉強机と椅子も展示されていると伺っております。
 この学舎《まなびや》に通っていたある日、魯迅少年は遅刻をしてしまいました。それは、一家の経済苦と父の病気のため、質屋と薬屋に通う忙しさのゆえでありました。その苦労を知らない教師は、魯迅少年を厳しく叱りつけた。
 しかし魯迅少年は、決して言い訳をせず“二度と遅刻はしない”と強く誓いました。その後、さらに困窮を極める中でも、父の看病や家の手伝いも懸命にやり通しながら、遅刻をせずに学び抜いたというのであります。
 貴・記念館を訪れた温家宝総理は、こうした魯迅先生の青春を通して、「逆境より英才は出ずる」と語られました。
 貴・記念館から発信されるメッセージは、なんと希望光る励ましに満ちていることでありましょうか。

子息の周海嬰氏
「父は人々のために生涯を捧げた」

最も頑強な闘士 最も優しき教師

 一、魯迅先生は、「もっとも頑強な闘士」であるとともに、「もっとも慈愛深い教師」であったと讃えられております(前掲・『郭沫若自伝6』)
 魯迅先生が、紹興の後輩たちのために、名門の誉れも高き山会初級師範学堂(現・紹興文理学院)の校長として、若き魂の薫陶に心血を注がれたことも、忘れ得ぬ歴史であります。
 貴・記念館の名誉館長を務められた、魯迅先生の御子息・周海嬰先生の言葉が、私の胸に蘇ってまいります。
 それは、「わが父・魯迅は、人々の魂を救うため、精神の向上のため、そして、子どもたちを救うために、生涯、戦い続けました」と。
 魯迅先生は、世界市民の心で、アメリカの女性の作家、ロシアの盲目の詩人、イギリスのノーベル賞作家、韓国の青年詩人、そして日本の青年研究者とも、深き友情を結ばれました。
 その心を体された貴・記念館は、北京語言大学と手を携えて、実に100カ国を超える留学生を招へいし、世界各国の英才たちに、魯迅先生の精神を伝えてこられました。
 魯迅先生の喜びは、いかばかりでありましょうか。
 なお、この北京語言大学とは、わが創価大学も、デュアル・ディグリー(4年間で両大学の学士号を取得できる制度)の教育交流を進めさせていただいております。
 ともあれ、魯迅精神を、世界へ、未来へと広めゆかれる貴・記念館の60年の偉大な功績に、私たちは満腔の敬意を込めて、賞讃の拍手をお送りしたいのであります(大拍手)。
 一、紹興の「市の花」は、魯迅先生も愛された「蘭」であります。仏典にも、香しき「蘭」は、最も高貴なる友情の象徴として説かれております。
 人類社会の平和と繁栄の園を築くために、私たちは、薫り高き「蘭室の友」である先生方と御一緒に、友情の花、希望の花、平和の花を、さらに万朶と咲かせゆくことを、ここに固くお誓い申し上げます。
 終わりに、貴・紹興魯迅記念館の無窮のご隆盛、そして兪《ゆ》副館長をはじめ、ご臨席の皆様方の限りなきご健勝を、心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました」) (大拍手)

SGI会長が漢詩を贈る

三味書屋百草園
毎思魯迅意昂軒
置陳遺物勤査検
同誦彷徨吶喊言

〈大意〉
貴・紹興魯迅記念館には
 ゆかりの三味書屋《さんみしょおく》や百草園《ひゃくそうえん》などがあり
魯迅先生を想い起こすたびに
 私は意気軒昂になります。
記念館に展示されている貴重な遺物は
 皆様方の御苦労によって整理がなされ
私たちは同じく
 『彷徨《ほうこう》』や『吶喊《とっかん》』等々の名著を読み
 その精神を分かち合うことができるのです。

※文中に、館長の名前「陳勤」が織り込まれている。
2012-04-15 : スピーチ・メッセージ等 :
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