随筆 我らの勝利の大道 No.61/62

随筆 我らの勝利の大道 No.61/62
             (2011.10.8/9付)

未来を開く青年大会


君達よ! 正義と平和の大連隊を
決めて 祈って 勇んで行動だ!


 いざや勝て
  いざや勝ちゆけ
   偉大なる
  我らの青年
    諸天は讃えむ

 戦う青春は朗らかだ。
 どんな壁が立ちはだかろうと、勇敢なる青年の行く手を阻むことはできない。
 「壁を破る」──これこそが、青年の特権である。
 「できないことを心配するよりも、できることを考えるのだ」
 これは先月25日に、世界中から惜しまれつつ逝去されたケニアのワンガリ・マータイ博士が、自らを鼓舞していた言葉である。
 アフリカの大地に4千万本を超える木を植えた「グリーンベルト運動」──。この地球規模の大きな環境保護のうねりを生み出した活動は、心ない批判や中傷の連続であった。
 「苦悩はつねに偉大なる事業の母」という箴言が思い出される(情熱詩人バイロンの青春を評した言葉)。
 苦しまずして、悩まずして、なんで偉業が成し遂げられようか。
 博士は、自分でできることを考え、足元から一歩一歩、着実に運動を進めていった。その地道な積み重ねによって、幾多の壁を突き破り、新しい道を広々と切り開いていったのだ。
 私と妻は6年前の2月、多くの青年たちと共に、マータイ博士を聖教新聞本社にお迎えした。実に聡明な笑顔の女性であった。
 その折、青年たちへのメッセージを求めると、微笑みながら、こう語られた。
 「未来は、ずっと先にあるわけではありません。『未来』は、『今』にあるのです。将来、実現したい何かがあるなら、今、そのために行動しなければなりません」
 まさに、博士の崇高な信念そのものであった。
 偉大な人とは、「今」を生き抜き、困難に耐えて「未来」を開く人である。そこに、不滅の生命の価値が光るのだ。
        ◇
 わが師・戸田城聖先生は烈々と語られた。
 「八畳一間から始まった松下村塾の吉田松陰の門下の手で、明治維新は達成された。学会も、中核の青年がいれば、いな、一人の本物の弟子がいれば、広宣流布は断じてできる」
 歴史回天の舞台となった長州、すなわち山口県を、戸田先生は格別に注目されていた。この要衝で「広宣流布の拡大の旋風を起こせ」と、28歳の私に命ぜられたのである。それが「山口開拓闘争」である。
 昭和31年──松陰が松下村塾で講義を始めた安政3年(1856年)から100周年に当たっていた。
 この年、私は師匠の大誓願たる75万世帯の大法弘通の達成に向け、一瀉千里で走り続けていた。5月には大阪支部で、1カ月に弘教11,111世帯という金字塔を成し遂げた。
 9月初めの時点で、東京が10万、関西が6万という世帯に対し、山口県は430世帯に過ぎなかった。
 10月、そこに私は飛び込んだ。そして翌年1月には、約10倍の「4073世帯」へと大飛躍を遂げることができたのである。

山口闘争の要諦

 私は、この闘争で3つの点を重視した。
 第1は、「勝利への揺るぎなき一念」である。
 私が、この折伏闘争で、実際に山口を訪れることができたのは3度。のべ22日間という“短期決戦”である。恩師の事業と、学会の前進の一切を陰で支えながら、まさに時間との戦いであった。
 加えて古参の幹部には、この開拓の戦いの意義を理解せず、なかなか協力してくれない人もいた。
 お金もなかった。交通費も、わが家の電話債券を売って工面した。
 しかし私は、勝利を断固として決意した。
 「私は、広宣流布の拡大の師匠・戸田先生の直弟子である。ならば、拡大できないはずがないではないか!」──このように自らを奮い立たせ、戦いに臨んだ。負けてたまるか! 断じて勝ってみせる! と、戸田門下生の意地を燃え上がらせたのである。
 「御義口伝」には、「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり」(御書790?)と仰せである。
 この日蓮大聖人の御指南のまま、「必ず勝つ」という師弟不二の一念で祈れば、無限の智慧が湧く。仏に等しい力が漲る。
 そこから迸る確信の対話は、一人ひとりの生命を揺り動かし、仏性を呼び覚まさずにはおかないのだ。
        ◇
 第2は、「祈りを合わせる」ことである。
 一緒に戦ってくれる山口の同志は、ほとんどが新入会であった。派遣隊のメンバーも、全国各地から集ってきていた。病苦や経済苦など、自らの厳しい宿命と戦う友も多かった。
 だからこそ、私は、この闘争に連なる方々が一人ももれなく、自他共に幸福の大境涯を開いていかれることを強盛に祈念した。機会を見つけては、共々に勤行し、唱題した。
 多彩な同志の集まりの中で、どう団結していくか。
 その要諦を、大聖人は、「自他彼此の心なく水魚の思を成して異体同心にして」(同1337?)、一緒に題目を唱えていくことであると教えてくださっているのだ。
 異体同心の「心」とは、「信心」である。
 「広宣流布」という大願に心を合わせていくことである。そこに、個々人の「宿命転換」の願いも、全部、包含される。
 深き同志愛で、苦楽を分かち合い、励まし合い、題目を送り合っていく──。明確なる広布の大目的に向かって、祈りを合わせた時、団結の力は、百倍、千倍、万倍にもなるのだ。

迅速に手を打て
 第3は、「電光石火のスピード」である。
 戸田先生から任を受けた後、私は即座に山口県という土地の情報収集、そして日程の調整に動いた。
 歴史は? 地理地勢は? 県民性は?
 あらゆる情報を自ら調べ、布教への糸口を模索した。そして1回1回の訪問に、明確な課題を定めて、真剣勝負で挑んだのだ。
 1回目で、現地の同志と心を一つに、闘争の火ぶたを切る。2回目で、拡大の突破口を開き、組織に勢いをつける。3回目で、拡大し抜く。そうやって勝利へ確実に布石した。
 スピードは「リーダー率先」の証しでもある。リーダーに、魔を寄せつけぬ生命の気迫があるからこそ、スピードが生まれるのだ。
 山口に滞在していない時も、私は悩んでいる友を思い浮かべ、電話や手紙で間断なく励ましを送った。
 どうすれば、あの友を勇気づけられるか。この友の奮起を促すことができるか。時を逃さず、迅速に手を打ち、行動することだ。
 大聖人は若き南条時光に「此の法華経を強く信じまいらせて余念なく一筋に信仰する者」を、釈迦・多宝をはじめ無量の仏菩薩や無数の諸天善神が「影の身にそふが如く」守護する(同1528?)と、厳然と約束してくださっている。
 広宣流布の師弟の道を「一筋」に徹し抜く青年ほど、この世で強い無敵の存在はないのである。
 ともあれ「決めて」「祈って」「行動する」──。
 この勝利のリズムを、今、私の手づくりの中国方面をはじめ、日本全国さらに全世界の青年が生き生きと受け継いでくれている。
 山口出身の青年詩人・中原中也は綴った。
 「価値は努力の中にだけある」「行へよ! その中に全てがある」
 君たちよ、正義と平和の大連帯を築け! わが愛弟子が繰り広げゆく、新たな広布の開拓闘争たる創価青年大会の有意義な大成功を、私は心から祈りたい。

 永遠に
  功徳と名誉で
   飾りゆけ
  広宣流布への
    燦たる歴史を

 マータイの言葉は『UNBOWED へこたれない ワンガリ・マータイ自伝』小池百合子訳(小学館)。バイロンへの評言は鶴見祐輔著『バイロン』(潮出版社)。中原中也の1番目は『新編中原中也全集』(角川書店)の第5巻「日記・書簡」、2番目は第4巻「評論・小説」。

若き「熱」と「力」で勝ちまくれ
友と語ろう! 誠実に 勇気をもって!


「一人立つ」弟子から拡大の万波

 晴れ晴れと
  使命も深く
   哲学を
  平和の為に
    戦う尊貴を

 先日の「青年部教学試験1級」では、多くの青年リーダーが真剣な研鑽の汗を流した。本当にご苦労様!
 その尊き挑戦に、私は心からの大拍手を送りたい。
 壮年部・婦人部の皆様をはじめ温かく応援してくださった先輩方にも、深く感謝申し上げます。

開目抄の師子吼
 今回の試験範囲となった「開目抄」に仰せである。
 「我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず」(御書232?)
 創価の3代の師弟が心肝に染めてきた最重要の御文である。
 あの「国士訓」(青年よ国士たれ)でも、恩師・戸田先生は、この御文を拝し、こう師子吼された。
 「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう。
 かくして、国に十万の国士あらば、苦悩の民衆を救いうること、火を見るよりも明らかである」
 発表された昭和29年当時、部員数は1万人ほどであった。10万人の陣列など夢のまた夢であった。
 しかし、私はただ一人立った。師の言葉を全身で受け止め、一人また一人とメンバーを鼓舞していった。
 そして、第3代会長就任の翌年──昭和36年の11月5日、“精鋭10万”の勝利の大結集を、現実のものとしたのだ。
 この時も、「教学」と「折伏」の両輪で大前進していた。
 御書を開き、学んだ歓喜を語り、拡大のうねりを起こしていったのだ。
 「行学の二道」──ここに学会の永遠の魂がある。
 50年の時を経て、今秋、「創価青年大会」が各地で行われる。私には、求道の心に燃え、生き生きと弘教の対話を広げゆく君たちの姿が、半世紀前の青年の群像と重なって見える。
 まさに、広宣の闘士が集う創価青年大会は、21世紀の「若き地涌の菩薩の雲集」である。
 会合を懸命に陰で支えてくれる運営のメンバーも多い。青年大会が無事故で開かれ、晴れ晴れとした意義深き“式典”とならんことを祈り、私は妻と共に、題目を送り続けている。

幸福への最高の道
 青春の
  鍛錬ありて
   一生の
  勝利と栄光
    君にぞ光らむ

 “人生の最大の楽しみ”とは何か。
 135年前に、福島で生まれた世界的な医学者・野口英世博士は述べた。
 「貧苦の好友となりて彼等を救ふに在り」
 目の前の悩める友と心を結び、同苦し、蘇生への道を共に歩んでいく。それこそ、最も充実した人生であると結論づけたのだ。
 仏法哲学の実践は、その最先端といってよい。
 野口博士の生家の近くには、今、我らの福島研修道場があり、尊き“福光”の宝城として、地域の方々からも広く親しまれている。
 わが師は、折伏とは──
 第1に、「自他共の幸福への最高手段」である。
 第2に、「国土を隆昌させる一大秘訣」である。
 そして第3に、「世界平和への最短距離」であると叫ばれた。
 この宣言のままに、わが青年部は、今こそ勇気凛々と正義を語り、友と一生涯の幸福と平和の道を開いていってもらいたい。
 折伏は「難事中の難事」である。なかなか、弘教が実らず、悩んでいる友もいるであろう。
 私自身、本当に苦労した。試行錯誤の連続であった。若き日の日記に、こう記したこともある。
 「(友への)折伏の手紙、全部送り返される。正法を求める人の少なきを悲しむ。戦いは、毎日激烈を極む。唯、勝つことを願い、前に前に進む以外の道なし」
 「(同志と)共に、大森に折伏にゆく。自分の折伏の下手くそに全く困る」
 一生懸命に話しても、なかなか相手に通じず、悲しく、悔しい思いをする。しかし、さらに祈り、学んで、次は対話を実らせていこうと努力する。
 上手くいかなかった佗しさなど、すぐに忘れ去って「次は断じて勝つ」と、たくましく挑戦を開始する。
 この「能忍(能く忍ぶ)」の心を持ったことが生命の勝利だ。そして必ず、わが決意の通り、一念の通りに花開いていくのが「一念三千」の法理である。
 その不屈の根性を誰よりもわかってくださっていたのが、戸田先生であった。
 師はよく言われた。
 「人に聞かしているだけで、それは折伏であり、聞法下種になるのです。すぐ功徳は出る」
 折伏は、実っても、実らなくても、功徳は厳然とある。自身の成長と人間革命に直結し、相手への仏縁と真実の友情が広がることは絶対に間違いない。
 幾多の先輩が、その実証を示してきた。折伏の実践のなかで、自らも境涯革命し、家庭革命し、職場にあっても勝利の結果を出して、信頼を広げてきたのである。
 ゆえに自分らしく、何があっても、朗らかに強く、身近な友から一人、また一人と、地道に誠実に語っていけばいいのだ。
 「雄弁は、言葉を選ぶところにもあるが、同時にまた、話す人の声の調子にも、目にも、顔の様子にもある」──フランスの文人ラ・ロシュフーコーの箴言である。
 自信なさそうに語れば、いくら正しいことを言っても伝わらない。題目を朗々と唱え、満々たる生命力で対話していくことが、何よりも重要なのだ。

「青年訓」60周年
 満天下
  創価の君らが
   立ちゆけば
  世紀の勝ち鬨
   天まで響かむ

 「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」
 戸田先生が発表された「青年訓」は、この鮮烈な言葉から始まっている。
 発表から60周年──。その言々句々は、今なお私の胸奥で輝き続けている。
 「熱」とは、友を思い、友を救おうとする「熱誠」であり、広宣流布への「熱願」である。
 「力」とは、信・行・学の実践でしか鍛えられない「行動力」であり、「突破力」である。
 御書には、「各各なにをかなげ(歎)かせ給うべき、迦葉尊者にあらずとも・まい(舞)をも・まいぬべし、舎利弗にあらねども・立ってをど(踊)りぬべし、上行菩薩の大地よりいで給いしには・をど(踊)りてこそい(出)で給いしか」(同1300?)と仰せである。
 私は関西で、この御文を深く拝しながら、若々しい「熱」と「力」を思う存分に結集し、皆で舞を舞うが如く、心伸びやかに、拡大の歴史を残した。
 ともあれ、後継の青年部の諸君が、名実ともに世界の最前線で縦横無尽に指揮を執る時が到来した。
 先駆の英雄・学生部よ、正義の旗を!
 秀麗なる女子学生部は、勝利の青春を!
 華陽の天女の女子部よ、使命の華と舞え!
 そして、不二の若獅子たる男子部よ、断固として勝ちまくれ!。
 私の後継者は、君たち一人ひとりだ。
 創価青年学会の永遠の発展は、一に今の君たちの世代の奮闘にかかっている。
 今再び、民衆の壮大なる平和と正義の連帯の拡大を宜しく頼む。断じて頼む。

 厳とした
  勇気と正義の
   信念の
  青年部《せいねん》ありせば
     未来は盤石


 野口英世の言葉は『野口英世』第2巻「書簡」丹実編(講談社)。ラ・ロシュフーコーは『ラ・ロシュフコオ箴言と考察』内藤濯訳(グラフ社)。
2011-10-16 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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