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随筆 我らの勝利の大道 No.43

随筆 我らの勝利の大道 No.43
             (2011.3.29付聖教新聞)

不撓不屈の民衆城

信心の光で破れぬ闇はない!
「能忍」の大生命力は東北に厳たり


♪青葉の森に 誓いたる
 我等の誇り 忘れまじ
 いかに護らん果たさなん
 同志の城に 月冴えて
 ああ東北の功徳の山々よ

 大好きな「青葉の誓い」(東北の歌)の歌声が私の胸に響かぬ日は、一日たりともない。
 愛する東北の同志たちと心を一つに、幾たび一緒に歌ったことであろうか。
 健気な東北の友の「心の財《たから》」が積まれた「功徳の山々」は、絶対に壊されない。
        ◇
 今回の東日本大震災で、東北また関東をはじめ、大切な御家族を亡くされた方々に、私は重ねて心からの哀悼の意を表します。朝な夕な懇ろに追善回向をさせていただいております。
 南条時光の一家は、働き盛りの父に先立たれた。頼もしき弟も、16歳の若さで急逝した。
 その母(上野尼)の悲しみに寄り添われて、日蓮大聖人は「ゆめ(夢)か・まぼろし(幻)か・いまだわきま(弁)へがたく候、まして母のいかんがなけ(嘆)かれ候らむ」(御書1567㌻)等と、繰り返し哀惜しておられる。
 こうも仰せくださった。
 「同じ妙法蓮華経の種を心に・はら(孕)ませ給いなば・同じ妙法蓮華経の国へ生れさせ給うべし、三人〈=夫と上野尼と子〉面《おもて》をならべさせ給はん時・御悦びいかが・うれ(嬉)しくおぼしめすべきや」(同1570㌻)
 いかに不慮の別れであったとしても、妙法に縁した生命は、仏天に厳として擁護され、守護されながら、成仏の軌道を悠々と進まれゆくことは間違いない。
 妙法で結ばれた家族の絆は何ものにも切られない。ひとたび離れても、また必ず同じ妙法の国に生まれ合わせ、常楽我浄の不滅の旅を一緒に歩める。これは、御本仏の約束であられる。
 ともあれ後継の御家族は、つらいでしょうけれども、すべてを信心の眼で深く見つめ、毅然と前へ進んでいかれることを祈念してやみません。そこに、御一家の永遠の幸福境涯が必ず開かれるからであります。

人間の真骨頂とは
♪風雪越えし 我等こそ
 地涌の正義の 旗頭
 今 堂々の 陣列は
 使命の旗を 高らかに
 ああ東北の歓喜の友々よ

 「仏」の異名を「能忍(能く忍ぶ)」という。
 わが尊き東北の友には、いかなる風雪にも屈しない偉大な能忍の生命が、たゆまず激しく燃えている。
 自らの疲労も、悲嘆も、さぞかし深いに違いない。
 しかし亡くなった方々を胸に抱きしめながら、創価の精神を発揮して、人びとの大救済に命を懸けて戦い続けてくださっている。
 なんと勇敢な、なんと不屈の、なんと慈愛に満ちた仏の振る舞いであろうか。
 感謝しても感謝しても、感謝しきれない。
 災害に苦しむ民衆のために奔走したゲーテの洞察が思い起こされる。
 すなわち、一人の人間が「あらゆる人生試煉のうちの/最も苦しいものを凌いで、自己を克服するとき」──私たちは、「これこそ此の人の真骨頂だ!」と讃嘆すべきだというのだ。
        ◇
 大聖人は、法難の地・佐渡から、鎌倉の弟子たちに書き送られた。
 「何なる世の乱れにも各各をば法華経・十羅刹・助け給へと湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり」(同1132㌻)
 この御聖訓を拝しつつ、私と妻も、「わが宝友を守り給え!」「わが同志よ負けるな!」と、諸天を揺り動かす一念で、題目を送り続けている。
 門下の試練が厳しければ厳しいほど、大聖人は厳然と励ましてくださった。
 「太陽の前には、いかなる闇も消え去る。それと同じく、不二の師弟は、たとえ地獄であっても、寂光土に変えることができる」(同1173㌻、趣意)と。
 どんなに深い苦悩と悲痛にあろうとも、我らには、妙法がある。同志がいる。学会がある。
 信心の光で打ち破れない闇など、断じてないのだ。
        ◇
 日本中、そして世界中の識者や友人、同志から真心あふれるお見舞いと励ましのメッセージを頂戴し、厚く厚く御礼申し上げたい。
 お見舞いをくださった各国・各地域も、経済危機をはじめ、地震や津波、台風、洪水、噴火、口蹄疫など、それぞれ深刻な課題に直面し必死で戦っておられる。
 世界的な国際法学者で、デンバー大学の副学長であるナンダ博士は、万感の励ましを寄せてくださった。
 「創価学会は、長年にわたり、悩める人びとの救済と励ましに戦ってこられました。そして、この大震災にあたり、民衆救済のため、いよいよその本領を発揮されている姿に、深い感動を禁じ得ません」
 博士は、私たちが主張してきた「人間の安全保障」の一層の重要性を指摘し、こうも語ってくださった。
 「SGI会長は、いみじくも『心の財』だけは絶対に壊されないと励まされました。
 であるならば、私たちは今こそ、いかなる脅威にも打ち勝つことができる『精神の安全』を、わが心に深く培わねばなりません。その模範を示し得る創価学会の役割が、ますます不可欠となってくるのです」
        ◇
 「立正安国論」は、西暦1257年に起こった「日本国をふ(振)りゆる(揺)がす正嘉の大地震」(同266㌻)を機縁として執筆された。その対話では、「国中の難・余独り嘆くのみに非ず衆皆悲む」(同17㌻)と慨嘆されている。
 まさに、今も人類の眼前にある苦難と苦悩の姿といわざるを得ない。しかし、750年前と異なるのは、大聖人の御心のままに「立正安国」の精神を実践しゆく民衆のネットワークが、世界192カ国・地域に堅固に築き上げられていることである。
 災害が打ち続き、人心が揺れ動く社会だからこそ、確固たる生命尊厳の思想と活力ある希望の哲学、他者のために貢献する人間主義の連帯が何よりも大切だ。
 「国は法に依って昌え法は人に因って貴し」(同26㌻)とは、「立正安国論」の一節である。
 人間の正しき信仰と行動によって、仏法の尊さが顕現される。その偉大な仏法の力によって、民衆の幸福と国土の安穏が実現していくという法理である。
 ここに創価の光がある。

眼前の人を励ませ
 エマソン協会の前会長、ワイダー博士も、心を込めて綴ってくださった。
 「とりわけ、災難に立ち向かわれる創価学会の女性たちの友情の力、そして人びとに励ましを与えていこうとする決意に、私の心は深く揺さぶられました」と。
 人間主義といっても、まず自ら手を差し出し、目の前の人の手を握ることだ。傍らの人と支え合い、励まし合うことだ。そこから、すべてが始まる。
 地域に根を張って、身近な一人を大切にしていく、創価の女性のヒユーマニズムほど尊貴な太陽はない。

未来を開く勇気を
 ナチスに対峙した思想家パウル・ティリッヒは、第2次世界大戦後、核戦争の不安が広がるなか、「存在への勇気」すなわち「生きる勇気」を叫んだ。
 今、私たちが要請されているのは「皆で共に生き抜く勇気」である。そして、「未来の世代のために道を開きゆく勇気」であろう。
 思えば、わが師・戸田城聖先生は、あの横浜市神奈川区・三ツ沢の陸上競技場での原水爆禁止宣言において、「世界の民衆の生存の権利」を師子吼された。
 民衆の生存権を脅かす一切の魔性との大闘争こそ、広宣流布である。ゆえに、断じて勝たねばならない。
        ◇
 ある時、大聖人は御自身の近況を、内外に向かって、こう発信しておられた。
 「度度の大事にもおく(憶)する心なく弥《いよい》よ強盛に御坐《おわ》す」(同1451㌻)と。
 大難があればあるほど、いよいよ意気軒昂に、いやまして力強く指揮を執っておられるとの宣言である。
 東北出身の青年詩人・石川啄木は、日蓮大聖人の御振る舞いに深く学びながら、論じていた。
 「この世界の最も堅牢なる城廓」は何か。それは「人の信念也」と。
 信念光る東北の同志の城、創価の人材の青葉城は、永久に難攻不落である。
 さあ、いよいよ強く、勇気に燃えて前進だ!
 これが学会精神である。
 今こそ、題目を朗々と唱え、永遠に輝く大勝利の歴史を残しゆこう! 「青葉の誓い」の歌とともに。

♪おお新生の 道広く
 王者の鼓動は 雄渾に
 三世の光と ひらかなん
 これぞ元初の 太陽と
 ああ東北の凱歌の人々よ


ゲーテは『ゲーテ全集1』所収「秘義」片山敏彦訳(人文書院)。ティリッヒは『生きる勇気』大木英夫訳(平凡社)。石川啄木は『啄木全集4』(筑摩書房)
2011-03-30 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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