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魂の人間讃歌  第2回 出会いの共鳴

魂の人間讃歌  ジャズと人生と仏法を語る

第2回 出会いの共鳴
    (2010.9.18付 聖教新聞)

人生は「人間への信頼」の芸術

SGI会長
常に「いよいよ、これから」と前進を
ハンコック氏
「師のため」「友のため」が創造の源
ショーター氏
「民衆こそ偉大」の哲学から触発


池田 嬉しいことに、ショーターさん、ハンコックさんたちに続き、アメリカ青年部も立派に成長してくれています。この夏の全米各地での青年文化祭も大成功でした。思えば、ハンコックさんとの初めての出会いも、アメリカのサンディエゴで行われた文化祭の折でしたね。
ハンコック おっしゃる通りです。1974年のビューティフルな春4月、私は34歳になる直前でした。この時、先生は「また会おう」と再会を約してくださったのです。
池田 そうでした。涼やかな目に希望が光る青年でした。その後、ゆっくりとお会いできたのは、夏の東京でしたね。
ハンコック はい。同じ年の7月、わがバンド「ヘッド・ハンターズ」の訪日コンサートの折でした。先生が、学会本部の近くにある和食のお店に招待してくださったのです。私たちは、先生にお会いできることに、興奮し、緊張していました。実は皆、“堅苦しい会見”を予想していたのです(笑い)。ところが先生には少しも形式張ったところがなく、堅苦しさは微塵もありませんでした。
池田 いや、私は江戸っ子ですから、もともと堅苦しいのは大嫌いなんです。仏法は「本有無作《ほんぬむさ》」です。ありのままの人間性で光っていくことです。日本で、3カ月ぶりにお会いでき、バンドの皆さんやご家族とも、親しく懇談したことが懐かしい。
ハンコック 先生は、その場にいた私たち全員に、こまやかに心を配ってくださいました。心から歓迎し、一人残らず楽しい時間を過ごせるようにとの、深いご配慮を感じました。気が付くと先生は、エプロンを着けておられたのです。驚きました(笑い)。自らの手で料理を出してくださったのです。その振る舞いは本当に温かく、慈愛あふれるものでした。
        ♫
池田 よく覚えていますね(笑い)。皆さんは同志です。家族です。尊い仏様です。海外から日本に来ることが、どれほど大変か。私は常に一期一会の思いでお迎えしています。
 法華経には「当《まさ》に起《た》って遠く迎うべきこと、当に仏を敬うが如くすべし」とあります。日蓮大聖人は、これこそ法華経の「最上第一の相伝」と教えておられます。
ハンコック あの日、お疲れのはずだったのに、先生は私たち全員に激励の言葉まで揮毫して贈ってくださいました! 今も大切に宝としています。そこには、こうありました。「世界中の人びとの友であり 私の兄弟であり そしてジャズ界の大勝利者に 生涯にわたって栄光あれと祈りつつ わが友ハービー・ハンコック様」。息ができなくなるほど感動し、強い力で、心がしっかりつかまれたように感じました。
池田 私の心にも、未来への大いなる希望が高鳴りました。
 法華経に登場する妙音菩薩は、行くところ、向かうところ、「百千の天楽《てんがく》は、鼓《く》せざるに自《おのずか》ら鳴る」と説かれています。
 お二人との語らいは、それ自体が妙なる調べのように、私の心に響いて離れません。ショーターさんとの忘れ得ぬ出会いも、同じく1974年の4月でしたね。
ショーター その通りです。池田先生が講演のために訪問された、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のキャンパスでした(「21世紀への提言」と題し、1時間15分にわたり講演)。
 先生は、講演を終えたばかりで、たくさんの人々の間を歩いてこられました。その時、アメリカSGIの友人と、今は亡き妻アナ・マリアが、人込みの中から私を先生の方に押し出してくれたのです。
池田 そうでしたね。アナ・マリアさんのことも、深く心に刻まれております。聡明な奥様でした。偉大な母であり、気高い女性でした。あのお姿は、私たち夫婦の胸に焼きついています。アナ・マリアさんも、この鼎談をきっと喜んでくださっていることでしょう。あらためて妻とともに、懇《ねんご》 ろに追善させていただきました。
ショーター ありがとうこざいます。妻を亡くした時、先生が「苦難が深いほど、人生の真価は輝くのです。どうか人間の王者として生き抜いてください」と励ましてくださったことを、私は一生涯忘れません。
池田 その通りに、「人間の王者」として堂々と勝ち抜いてこられました。一番深い悲しみに耐え抜かれたことが、一番深い奥様への愛情の証しです。
 苦しみ、悲しみを味わった人間でなければ、悩んでいる人の真の味方にはなれません。ショーターさんは試練を乗り越えて、世界中の人を勇気づける音楽を奏でてこられました。アナ・マリアさんに捧げる最高無上の勝利です。また、ショーターさんが、今、新しいご家族とともに、仲睦まじくお元気に活躍されていることも、本当に嬉しい限りです。
 1974年、UCLAでの講演は、海外での初めての大学講演でした。日本時間で4月2日、奇しくも戸田城聖先生の祥月命日です。生涯、海外に行かれなかった恩師に代わり、そして恩師に捧げる思いで講演しました。
この講演では、人類が抱える諸課題の解決には、戸田先生が一貫して弘められた「生命尊厳の思想」を全人類が等しく分かち持つことが急務と訴えました。さらに72年から2年越しに行ったトインビー博士との対談も踏まえつつ、仏法の生命論を展開しました。
「小我《しょうが》」に翻弄された文明から「大我《たいが》」に基づく文明への転換こそ時代の要請であると強調したのです。21世紀を「生命の世紀」にと提唱したのも、この時です。以来、モスクワ大学、北京大学、フランス学士院、そしてハーバード大学等、海外の大学・学術機関での講演は、32回を数えます。その原点は、ショーターさんとお会いした日なのです。
ショーター 私たちは外でお待ちしていて、講演は聴けなかったのですが、先生のお姿を拝見した瞬間、「ああ、この方が池田先生なのだ」という感覚が胸をよぎりました。それまで私の脳裏に刻まれていた名前と、実際の人物が一致した瞬間でした。
池田 ずいぶん長い時間、お待たせしてしまったことでしょう(笑い)。すみませんでしたね。あらためてお詫びします。
 初めての出会いから36年。お二人はいよいよ若々しく、みずみずしい。求道と創造の大情熱を燃え上がらせておられる。日蓮仏法は「本因妙」です。常に「今から」「これから」「いよいよ」と、未来へ勝ち上がっていくことです。
 ところで、UCLAといえば、ショーターさん、ハンコックさんは、「平和のための国際芸術家委員会(ICAP)」のメンバーとともに、コンサートを開かれましたね。大きな大きな感動が広がったと伺っています。(2007年12月。2000人の聴衆を魅了し、セッションには学生も参加。大学側も「大きな期待を超越する感動の演奏」と絶讃した)
 アメリカの芸術部の代表を中心に結成されたICAPは、芸術を通して平和の心を広げる団体です。崇高な行動に、私は心から敬意を表します。
 なお、このコンサートでは、光栄にも私の誕生日を記念して、ショーターさんが作られた交響曲を演奏してくださいました。さらにまた、ハンコックさんも、ご自身の曲を披露し、私に贈ってくださいました。重ねて御礼申し上げます。ハンコックさんは、コンサート当日の朝までかかって、曲を完成してくださったと聞きました。
        ♫
ハンコック 先生に捧げる曲「わが師匠への讃歌」を作りたいと決意した当初は、大変に重大な責務を担ったように感じたことを覚えています。
 その曲に託したいイメージは幾つもありました。「感謝」「勇気」「パイオニア精神」「会員への慈愛」「広宣流布のため、会員の幸せのため、人類のため、常に全魂込めて尽くす心」……。そして、同志であるメンバーにも「励まし」を送ることができればと望んでいました。
池田 この曲は、半年後の2008年の5月4日、創価教育同窓の集いが行われた創価大学でも演奏してくださいましたね(席上、SGI会長夫妻に中国の延安大学から終身教授称号が贈られた)。
 あの時、記念講堂を包み込んだ壮麗な音律は、今も蘇ります。来賓の延安大学の先生方も、創価教育の同窓生も、深く感動していました。青年部、未来部の友にとっても、芸術の真髄に触れられたことは、無限の心の啓発となったに違いありません。
ハンコック 先生の前で、そして意義深き式典で演奏することができ、光栄でした。
 正直に言えば、実際に楽譜を書き出したのは、UCLAでのコンサートのほんの1週間前でした。私は、作業に作業を重ねましたが、コンサート当日まで、最終版には至りませんでした。それで、私は自分に言い聞かせました。「これは、生きるか死ぬかだ」と。
 わが師への讃歌なのですから!
 私は徹夜して、最後の、本当に最後の瞬間まで戦いました。だから、最後の段階になって、さまざまな部分をつなぎ合わせ、曲の全体像が見えてきた時には、感動の涙が溢れ出てきました。その時、自分の進んでいる方向が正しいと分かったのです。私はメンバーの心に触れたいと、心から望んでいたのです。それが先生の心であり、先生が望まれることだからです。
 そして、その曲の演奏を終えた時、みんなが素晴らしい曲だと言ってくれました。本当に深い感動を覚え、「私は勝った」と実感しました。
ショーター 私も、「民衆こそ偉大!」との先生の哲学に触発され、交響曲「池田大作讃歌──鎖を解かれたプロメテウス」の作曲を開始しました。
 これまで池田先生にも一部を披露させていただきましたが、実は、先生の交響曲は、いまだに「制作中」なのです。人々の物語を表現する、オーケストラ的探究をしたいと考えています。
        ♫
池田 恐縮の限りです。また、壮大な創作のスケールに感嘆します。ギリシャ神話に登場するプロメテウスは、独裁者ゼウスの怒りを買い、岩に鎖で縛られる。
 なぜか──人類に「火」を与え、「言葉」を与え、「音楽」を与え、「文化」を与えたからです。民衆が賢く、強くなることを、権力者は嫌います。支配しにくくなるからです。
 日蓮大聖人は濁世の様相を「民の力よわ(弱)し」(御書1595㌻)と喝破されました。大事なことは民衆が強くなることです。
 力をもつことです。これが時代を変えていく鍵です。
 ジャズは魂の叫びです。勇気を呼び起こし、人間を強くします。生命を躍動させます。民衆を連帯させます。その次元で、仏法と深く響き合うのです。
ショーター 池田先生が、アメリカ芸術部のメンバーと語り合ってくださったことも、私は忘れません(2002年5月)。
 そこには、ハービーをはじめ、俳優のパトリック・ダフィー、フルート奏者のネスター・トーレス、ギタリストのラリー・コリエル、トランペッターのシュンゾウ・オオノ、スパニッシュダンサーのオリベラ夫妻など、皆、同席していました。
 あの時、先生は私たちに「信頼」の大切さを教えてくださったのです。
 「自分と一緒に仕事をする人たちを信頼し、互いを信頼し合うことが大切である」──そう言われました。
ハンコック そうです。ICAPはあの時、先生のもとから前進を開始したのです。
池田 仲の良い、呼吸の合った結合でしたね。皆、超一流の実力と人格を併せ持った方々です。創大記念講堂での本部幹部会の時でした。本当に美事な演奏をしてくれました。大病を乗り越え、夫人とともに再び舞台に立たれたオリベラさんの「勝利の舞」も、皆の命に鮮烈に刻まれています。
ショーター 先生は重ねて「皆、急ぐ必要はないんだよ。結果ばかり追わずに、『心こそ大切』で、信頼し合っていきなさい」と言われました。
ハンコック 先生が、その点を強調されたことを、私もよく覚えています。池田先生がおっしゃるように、自己を信頼し、他の人々を信頼できるようになることが大切だと思います。
 私は、ジャズの演奏の中でも、また即興の瞬間でも、この「信頼」が重要な役割を果たしていることを痛感しています。相手を「信頼」できなければ、とうてい、ステージに立つことなどできませんから(笑い)。
 あの時、先生は奥様に、「これで全部、必要なことは言ったかな? 言い残したことはないね」と念を押されました。奥様は「いいえ、何にもありません。もう十分言われましたよ」と微笑まれました(笑い)。
池田 皆、世界の最高峰の芸術家です。皆さんには、本当のことを言っておきたかった。私の大切な大切な友人ですから。宝の兄弟ですから。
ハンコック これまでの日本訪問の経験に照らして、私は、(本部幹部会での)先生との会見は一定の形式に沿ったものになるだろうと考えていました。しかし、勇気を奮ってあえて申し上げるならば、先生は、そうした形式には、まったくとらわれない方といえましょう。先生の自由闊達さ。人間的な温かみ。先生はどこか一国の文化には縛られません。そしてどんな挑戦目標も、全力で成し遂げておられます。その行動はパイオニア・スピリット(開拓者精神)に満ちています。
 そこで引き合いに出したいのが、形式にとらわれないアメリカ人の生き方です。時には度を過ぎた規則破りをすることもありますが……(笑い)。
これがアメリカ人の特質であり、パイオニア・スピリットです。
 その特質がどこから来るのか──アメリカには広大な国土があります。そして、もちろん先住民もおります。とともに国民のほとんどが、移民か移民の子孫たちです。私たちの祖先は、地球の全域からきているのです。
池田 私はアメリカの人々が大好きです。明るくて、自由で、陽気でユーモアがあり、親切で、よく働く。私は、「よきアメリカ人」即「よき世界市民」に、一つの理想的な人間像を見出しています。そして、自分自身もまた、そうありたいと願ってきました。
 初代会長の牧口常三郎先生も、いち早くアメリカに脈打つ人間主義に注目しておられた。
 1903年に発刊された『人生地理学』で、人類はもはや軍事や政治、経済の競争ではなく、「人道的竸争」へと進むべきであると展望されていました。個人にあっても、国際関係にあっても、“その目的を、利己主義にのみおかず、自己とともに他の生活をも保護し、増進させていく。他のために行動し、他を益しつつ、自己も益する方法を選ぶ”ことを提唱されたのです。
 そして牧口先生がその人道の競争の担い手として期待していたのは、アメリカでした。先生は“将来の文明の統合・結合の地は、アメリカ合衆国である”と展望したのです。
 そこで育まれたジャズは、まさしく偉大な世界市民の魂の音楽です。
 創立80周年の佳節を彩る、新たなアメリカ・ルネサンスの開拓者との語らいを、牧口先生も喜び見守ってくださっていることでしょう。
2010-09-20 : 音楽を語る :
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