ペドロ・デ・バルディビア大学 名誉博士号授与式

南米チリのペドロ・デ・バルディビア大学 池田SGI会長夫妻への名誉博士号授与式
          (2010.9.8 創価大学本部棟)

 南米・チリ共和国の私立「ペドロ・デ・バルディビア大学」から、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長夫妻に、同大学初の「名誉博士号」が贈られた。授与式は8日、同大学創立者のアンヘル・マウレン・リオス総長、総長夫人のカンディス・ルドロフ・ボッソネイ医療学科長、総長の子息であるアンヘル・マウレン・ロドリゲス国際関係部長らが列席し、東京・八王子市の創価大学で行われた。これには、チリのエイルウィン元大統領から祝福のメッセージが寄せられた。

エイルウィン元大統領から祝福のメッセージ

世界平和に歴然たるご貢献

 創価学会インタナショナル会長の池田大作殿。
 このたびは、貴殿、ならびに貴殿が創設し、指揮してきた諸機関の業績、および世界平和への歴然たるご貢献に対する顕彰として、ペドロ・デ・バルディビア大学が名誉博士号を授与したことを、心よりお祝い申し上げます。
 このたびの顕彰は、平和への確かな貢献ができるのは教育であるという精神に立脚していると確信します。平和の価値観こそ、過去の傷を癒やし、人間の前進と成長を根本課題とする社会を構築する上で、必要不可欠な価値観であります。
 チリと、チリの国民は、寛容性、差異の尊重、人権の尊重が優先される共同生活を失う痛みを経験しました。そして、平和を取り戻すためには、代償と寛大な心が必要であることを知りました。
 多くの共通点を見いだした貴殿との会談が行われ、友誼を結ばせていただいたのは、ちょうど私がチリの民主主義の再生期の中、回復と構築の過程においてチリを導く役割を担っていた時期でした。
 一致し、共感したテーマのなかに、どのような事業を達成するにも平和は前提条件であり、平和がなければ何も実現することができないという、尊敬すべき貴殿の視点があったことを、私は記憶しております。
 貴殿に対するペドロ・デ・バルディビア大学の顕彰は、私にとって大きな喜びであります。
 このたびの公正な表現によって、私どもの国家間の友情の絆が強化され、貴殿とSGIの模範的な団結が示す、連帯の価値観が推進されることを願っております。

マウレン総長の授与の辞

ご夫妻への授与はわが大学の大いなる栄誉

 21世紀が開幕し、世界は新しい挑戦に満ちています。社会は複雑化する一方、文化また地理的な距離が縮まるなか、人類は相互に理解し合い、友好的な関係を築きたいとの共通の願いをもっています。しかし、世界には、いまだ暴力や圧政が横行する地域があり、人権が制度的・組織的に侵害されています。同様に、貧困が非常に根深く、飢餓や病気が住民の運命を決定する国々もあります。
 諸国間における生活の質の格差は非常に大きいため、最も困窮している地域に社会的・経済的発展をもたらし、この格差を縮める必要があります。
 チリでは、民主主義の復権以来、この20年間に安定した発展を成し遂げてきましたが、いまだ国民の大半が良好な医療サービスと良質の教育を受ける機会に恵まれていません。
 国民は、子どもたちのために、より良い未来を夢見ています。不自由な生活ではなく、新しい展望を見いだす喜び、自分の仕事に誇りを感じ喜びを味わう充実感、仕事が正しく評価されたという実感のもてる生活、そして、冬には寒い思いをせず、夏には休暇を楽しむという生活のできる未来です。
 この夢を実現させる唯一の方法は教育であると確信しています。30年以上前から今日まで、教育こそ社会正義を実現し、民主社会の基盤となるとの信念を貫いてまいりました。
 1978年、私は、大学の土木工学部の3年生の時に、学友のエンリケ・ロドリゲス氏と、チリの教育の質の向上と影響力の拡大のために働き始めることを決意しました。そして、進学塾を創設。その後、初等学校、中等学校を含む学園、ならびに英語学校を設立し、3年前に、私どもの教育ネットワークの中で最も象徴的で意義のある「ペドロ・デ・バルディビア大学」を開学しました。
 現在、私たちの学園と進学塾、英語学校、そして大学では、年間6万人以上の学生が学んでいます。自分たちの夢を私たちに託してくださった6万人の方々であり、彼らの期待を裏切るわけにはいきません。
 チリは発展途上国であり、社会の変化に来す教育の力は多大です。わが大学の約80%の学生は、両親が大学教育を受けていない家庭の出身です。チリでは学費が高額であるため、彼らの両親は、自分たちの子どもが大学で専門知識を身につけ、自分たちが人生で得たよりも、より多くの可能性と専門的な力を習得できるよう、多くの経済的努力を払っています。その意味で、大学関係者の責任は極めて重大であり、失敗は許されません。
 一人の学生を大学に受け入れることは、数年にわたって集中的な学術教育の扉を開くことです。と同時に、わが大学の価値観と社会的なビジョンに学生の身を置くことを意味します。なぜなら大学の役割は、単なる情報の提供だけではないからです。
 大学は教授から触発を受け、人生の大事な時期を過ごす環境であり、社会階級の違いを超えて、学友とのチームワークを学ぶ場所です。また、自らの義務を果たすためには努力が必要であること、期待している結果を得ることができない挫折感と戦うことを学ぶ場所です。言い換えれば、大学では、医師や弁護士などの資格を得るだけではなく、人生に太刀打ちするための術を学ぶ場なのです。
 こうした人間主義の教育観をもつゆえに、わが大学は池田SGI会長ご夫妻の信念に深く共鳴するのです。
 本日、創価大学の山本学長に託して、池田博士ご夫妻に名誉学位記を授与させていただけることは、大いなる栄誉です。この名誉称号は、創価学会の運動を世界に広めるお二人の業績に対する賞讃と尊敬の証しです。
 お二人は、私たちが共有する民主的価値観、すなわち、文化、芸術、とりわけ教育を推進する姿勢を多くの国々に広めてくださっています。
 今回の授与は、創価大学とペドロ・デ・バルディビア大学の実りある交流の始まりを象徴し、その交流は、双方の学生たち、さらには両国に、多大な恩恵を与えていけるものと確信します。すべての遠征も最初の一歩から始まると言われますが、私たちの一歩も、未曾有の発展へとつながるものと信じています。
 ペドロ・デ・バルディビア大学は、まだ若い大学であり、池田博士ご夫妻への名誉博士号の授与が、第1号であります。長年にわたる闘争によって、世界の隅々に重要なメッセージを伝え、世界五大陸におよぶ大学から顕彰を受けておられる池田博士ご夫妻以上に、この栄誉をお受けいただくにふさわしい人物はおりません。
 平和と教育のための闘争に捧げられた崇高な生き方をされ、ご功績を積まれたご夫妻に、学術界の最高の顕彰である名誉博士号の第1号をお受けいただき、わが大学の歴史の1ページを綴っていただけることに、大きな喜びを感じています。
 偉大なことは、ともに協力し合うことで成し遂げることができるのです。お互いに相手から学び、日本とチリ両国の相互協力の道を模索してまいりたいと思います。
 最後に、本日の式典に際し、池田博士の親しいご友人であり、私の友人でもあるエイルウィン元大統領からの祝福のメッセージを携えてまいりました。歴史上、重要な役割を果たしてこられたお二人の橋渡しをさせていただけることを、大変にうれしく思います。
 ペドロ・デ・バルディビア大学の扉は、に開かれています。今回を機に、平和と文化の花が咲く、より良い世界の構築へ、日々、協力しながら進んでいくことを念願してやみません。本日は、大変にありがとうございました(大拍手)。

池田SGI会長の謝辞(代読)

教育こそ「人間尊厳の旗」
教育の勝利こそ「生命の永遠の勝利」


エイルウィン元大統領
平和を実現するのは青年


軍政に抗議し、30歳で投獄されたマウレン総長の確信
非暴力の道が独裁を終わらせる!


 一、きょうは、私たちの親愛なる「太平洋の隣人」の国より、尊貴なる“教育の宝”のご一家をお迎えすることができました。こんなうれしいことはありません。
 私が荘厳なアンデス山脈を越えて、貴国チリの首都サンティアゴ市を訪問させていただいたのは、17年前の2月のことであります。
 白雪の峰々を夕陽が金色に染め上げ、空には三日月が光り、金星も煌めいておりました。永遠に忘れ得ぬ宝土の光景であります。
 明るい笑顔のチリの友は、私たちを美しき民謡「もしもチリに来られたら」の歌声で、わが家に迎えるように温かく歓迎してくれました。
 私たちもまた、同じ心で、大切な大切な先生方を大歓迎させていただきたい。「お帰りなきい!
 ここ創価大学は、あなたの家です!」と、心を込めて申し上げたいのであります(大拍手)。
 一、本日、私と妻は南米の「教育の大国」チリに輝く崇高なる理想と使命の学府から、何よりも意義深き魂の宝冠を賜りました。
 無上の光栄と厳粛なる責任を胸に刻み、謹んで拝受きせていただきます。まことに、まことに、ありがとうございました(大拍手)。
 マウレン総長におかれましては、敬愛してやまぬ哲人指導者・エイルウィン元大統領より、胸に染み入る祝福のメッセージまで携えて、錦上花を添えてくださいました。
 この顕彰を、チリSGI(創価学会インタナショナル)の心通う友と分かち合わせていただけることは、最良の喜びであります。
 幾重にも深い総長のご厚情に、心より御礼を申し上げるものであります。

核兵器は絶対悪
 一、エイルウィン先生のメッセージには、「平和の価値観こそ、過去の傷を癒やし、人間の前進と成長を根本課題とする社会を構築する上で必要不可欠な価値観であります」と重要な指標が記《しる》されております。
 実は、きょう9月8日は、1957年、私の人生の師である戸田城聖先生が、「原水爆禁止宣言」を厳然と発表した日であります。
 人類の生存の権利の上から、“核兵器は絶対悪なり”と喝破し、その廃絶を、青年に遺訓として託されたのであります。
 思えば、恩師の宣言より10年後、世界で最初に「非核兵器地帯条約」が署名されたのは、他のどこでもない、貴国チリをはじめとする中南米地域でありました。
 その天地にあって、揺るぎない「平和の価値観」を掲げられたフォートレスこそ、貴大学であります。
 現在、「核兵器禁止条約」の制定を求める世界の良識の声も高まっております。
 貴大学から、きょうこの日に授与いただきました栄誉を、私と妻は、後継の英才たちと「平和への誓い」も新たに、わが恩師へ捧げさせていただきたいのであります天拍言。
 一、エイルウィン先生と私の対談集『太平洋の旭日』の大きな焦点は、「教育」でありました。
 教育こそ「人間の尊厳の旗」であります。
 教育こそ「民衆の栄光の冠」であります。
 教育こそ「明日《あす》の平和の光」であります。
 ゆえに、教育の勝利こそが、生命の永遠の勝利ではないでしょうか。
 本日、お迎え申し上げたマウレン総長こそ、この教育の勝利を開きゆく大指導者なのであります(大拍手)。

チリの大詩人
人間はすべての災難より偉大


民衆の大連帯を
 一、私の大好きな貴国の大詩人ネルーダの獅子吼に、こうあります。
 「人間は、すべての災難より偉大である」
 「真っすぐな心のもの、ぐらつかないもの、服従しないもの、卓越したものだけが、善人と呼ばれるようになるであろう」
 貴大学には、まさしく、いかなる試練にも絶対に屈しない、偉大な人間の正義の誇りが貫かれております。
 総長が、教育の道の開拓を始められたのは1978年。軍政時代の真っただ中でありました。
 16年半にもわたる独裁政権のもと、2000人以上が銃殺され、1000人以上が行方不明となりました。
 さらに、幾万もの人々が誘拐され、拷問を受けたといわれております。
 その強大な権力に対して、貴国の勇敢なる市民たちは、「非暴力」の力で立ち向かっていきました。人間性を否定する魔性に、最も人間らしい「紙と鉛筆(投票)」の力で、「歌(音楽と詩歌)」「握手(立場を超えた民衆勢力の連帯)」の力で、挑んでいったのであります。
 エイルウィン先生の傑出したリーダーシップが発揮されるなか、貴国の市民の大連帯は、平和裏に軍政に終止符を打ち、民主化を実現しました。全世界が喝采を送った、人類史に輝く不滅の快挙であります。
 一、その無名の気高き勇者の陣列のなかに、19歳で文化の旗手として戦いを開始し、抗議運動のリーダーとして30歳で投獄されながらも、徹してチリの夜明けのために闘い抜いた、一人の青年がおりました。
 青年は、誇り高く述懐しております。
 「当時、自由思想を持つ者には、追放か牢獄か死が待っていました。しかし私には『非暴力の道こそ、独裁を終わらせる唯一の方法』との確信があったのです」と。
 その誉れある正義の大英雄こそ、ここにおられるマウレン総長なのであります(大拍手)。
 一、軍政下にあって、総長が着手された教育の事業が、どれほど厳しい逆風に晒されたことか。
 しかし、総長は「チリが成長し発展する唯一の道は教育である」との断固たる信念で、営々と若き世代に学びの場を提供していかれました。今日、国内5都市にキャンパスを持つ貴大学をはじめ、その教育システムは、初等・中等学校など、壮大な広がりを見せております。
 晴れの卒業生は、実に30万人を数えます。
 総長は勝ちました。教育の力で、「人間の尊厳の旗」を打ち立てられたのであります。
 私たちは全員で立ち上がって、総長ご一家に、賞讃の大拍手をお送りしようではありませんか!(大拍手)

サンホセ鉱山 落盤事故の無事救出を祈る

 一、なお、貴国では、本年2月の大地震で、800人を超える市民が犠牲となられました。
 この場をお借りして、ご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を願ってやみません。
 さらに、現在、貴国北部のサンホセ鉱山での落盤事故に際し、地下700㍍で生存が確認された33人の方々の救助に、全世界が注目しております。
 全員が無事、救出されますことを、私たちも強く深く祈り続けてまいります。

皆が人材!
 一、南米で先駆的に公教育制度を制定されるなど、貴国は豊かな教育の伝統を有しておられます。
 詩心の母ミストラルが苦しみ悩む人々のなかへ飛び込んで、民衆教育に力を注いだ歴史も胸に迫ります。
 「レンガの学校を精神で作りたい! 貧しい校庭も裸の教室も、私の情熱の炎で包むのだ! 私の心よ、学校の柱となれ!」と歌い上げ、庶民の子どもたちを慈しみ育んでいったのであります。
 この人間教育、民衆教育の真髄の魂を、貴大学は強く受け継いでおられます。
 貴大学は、高らかに宣言されました。
 「私たちは、知的、人間的、および道徳的に感化されるならば、誰であろうと卓越した人材になれるということを証明したい」と。
 それは創価教育の父であり、平和の殉教者であった牧口常三郎先生の信念とも、深く響き合っております。
 大学には、大学へ行けなかった父母たちの深き期待に応え、けなげな民衆を誠実に守り、その一人一人の頭《こうべ》に「栄光の冠」を捧げゆく使命があり、責任があるのではないでしょうか。

若き力を伸ばせ
 一、今、人類は、かつてない地球規模の難問に直面しております。その打開の智慧と力は、どこにあるか。
 それは、人間自身の生命のなかにある。
 なかんずく、民衆の大地に育ちゆく逞しき青年たちから薫発していくものである。この大確信を、私は総長と深く共有する一人であります(大拍手)。
 16年前、エイルウィン先生は創価大学に来学され、学生たちに呼びかけてくださいました。
 「人類の間に平和という理想を実現することは可能でありましょうか?
 私は、可能であると確信しております。
 そして、その達成は、基本的に新しき世代、つまり今日《こんにち》の若い青年や少年が明日の平和を実現するのであります」と。
 本日、私と妻も名誉ある貴大学の一員とさせていただきました。
 教育という、普遍にして永遠なる「平和の光」を、太平洋の旭日の如く、貴大学とご一緒に輝かせゆくことを、ここに固く、お誓い申し上げます。
 愛する貴国の無窮の大発展と、気高き貴大学の益々のご隆昌を心からお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変にありがとうございました!」)(大拍手)
2010-09-10 : スピーチ・メッセージ等 :
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