マレーシア国立マラヤ大学「名誉人文学博士」学位授与式

マレーシア国立マラヤ大学「名誉人文学博士」学位授与式
       (2010.8.2 マラヤ大学総長ホール)

アジアを代表する名門学府・マレーシア国立マラヤ大学が、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉人文学博士号」を授章した。これは、SGI会長が文化によって世界の人々を結び、平和と幸福の世界構築のために尽力してきた貢献を讃えたものである。学位授与式は2日(現地時間)、首都クアラルンプールのマラヤ大学総長ホールで盛大に挙行された。同大学博士課程の卒業式の席上、行われた授与式には、第9代国王を務め、現在ペラ州国王のスルタン・アズラン・シャー総長、同州皇太子のラジャ・ナズリン・シャー総長補、シティ・ノルマ・ヤコブ総長補、アーシャッド・アユブ理事長、ガウス・ジャスモン副総長をはじめ、各界を代表する来賓、教職員、学生ら1900人が出席。スルタン・アズラン・シャー総長から、代理の池田博正SGI副会長に名誉学位記が手渡され、SGI会長の謝辞が代読された。式典には、マレーシア創価学会(SGM)の代表も同席した。


ガウス・ジャスモン副総長の推挙の辞

人間革命運動に共感
心を結ぶ博士の対話


 スルタン・アズラン・シャー総長。マラヤ大学の「名誉人文学博士」に、謹んで池田大作氏を推挙いたします。
 現代世界において、人類の行く末に影響を与える多くの重要な分野で、有意義な貢献をなす人物を見いだすのは稀なことです。
 この人物は、豊富な作品を著した文筆家であり、文学者、詩人、写真家、思想家、哲学者であり、学者、教育者、社会活動家、平和への情熱あふれる闘士でもあります。
 この人物には、シェークスピアによる次の偉大なる言葉が相応しいと思われます。
 「荒廃をもたらす戦《いくさ》によって、彫像は引き倒され、石工《いしく》が汗してた砦を争乱が根こそぎ壊すが、君の思い出を記したこの記録は生き続け、軍神マルスの剣も、凶暴な戦火も焼き払えはしまい。
 死神に立ち向かい、向こう見ずな敵にあらがい、君は堂々と歩み続け、世界の終末にいたるまで生き延びている子孫の目には、君を称賛する詩句が映ることだろう」(柴田稔彦編『対訳 シェイクスピア詩集──イギリス詩人選(1)』岩波書店)
 その人物こそ、平和と文化と教育の推進に尽力する創価学会インタナショナル会長の池田大作博士なのであります。
 池田氏は、かつて、ご自身の主義主張を問われた時、「平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です」と答えております。
 また、世界芸術文化アカデミーの「桂冠詩人」称号、世界詩歌協会の「世界桂冠詩人」賞を受章した詩人でもある池田氏は次のように謳い上げています。
 「大空よりも大きなものがある。それは私の生命である。
 大海原よりも深いものがある。それはあなたの生命である」
 「平和は遠くにあるのではない。一人の人を大切にすることだ。お母さんを泣かせないことだ」

人類の平和に捧げゆく生涯
 池田大作氏は1928年1月2日、日本の東京に生まれました。
 その青春時代は、第2次世界大戦の渦中にあり、戦争の悲惨さと残酷さを目の当たりにしてきました。
 4人の兄は兵隊として召集され、長兄はミャンマーで戦死。その報を受け取った時の母親の悲しみにすすり泣く姿を、氏は若き生命に深く刻んだのであります。
 池田氏は、“戦争で最も苦しむのは、庶民であり、民衆である。なかんずく、最も悲惨な思いをするのは女性であり、母親である。そうした悲劇を断じて、この地上から根絶しなければならない”と言われ、それを平和実現への原点として、一人一人の心の中に平和の砦を築くために奔走してこられました。
 一方で、人類の議会である国連の重視を訴える具体的な平和提言を、繰り返し発信してきました。
 池田氏は、国連平和賞や国連難民高等弁務官事務所からの人道賞、アルバート・アインシュタイン平和賞も受賞していますが、こうした平和活動に対する評価といえましょう。
 立派な人物には素晴らしい師匠が存在するものです。
 池田氏は19歳の時に創価学会第2代会長の戸田城聖氏に出会いました。
 戸田氏は第2次世界大戦の最中、日本の軍部政府に反対し、2年間投獄されました。池田氏は、戸田氏の揺るぎない信念と高潔な人格に深く感銘し、戸田氏を生涯の師と定めたのです。
 戸田氏は博識で、個人授業で、池田氏に宗教、哲学、政治、経済、社会、文化、教育、古代史、現代史などの万般の学問を授けました。そのように、まさに手づくりで、世界平和と人類の幸福を目指す闘争の後継者として、池田氏を育成されたのです。
 池田氏は、対話が、平和のために人々を結びつけ、人々を分断する障壁や境界線を突破するための最強の武器であると信じておられます。
 この信念のもと、60年から70回も世界を旅し、54力国・地域を訪問。世界の指導者や学者ら7000人を超える方々と対話を展開してこられました。
 その中には、イギリスの歴史家アーノルド・トインビー博士やアメリカの科学者ライナス・ポーリング博士らが含まれており、マレーシアでは、スルタン・アズラン・シャー総長ごラジャ・ナズリン・シャー総長補、ウンク・アジズ元副総長、マハティール元首相とも対話をしておられます。
 また、対談集、講演集、詩集のほか、小説や随筆などの散文作品を含む、多くの作品を出版されています。88年には、マラヤ大学を訪れ、図書贈呈を行ってくださいました。

文化交流を通じ友好関係を築く
 文化や芸術の交流には、人々の差異の橋渡しをし、心を結ぶ力があります。
 池田氏は、文化交流を通じた友好関係の確立と相互理解、信頼の促進に深い信念をもっており、平和創造のための最強の力としておられます。
 この文化交流の取り組みとして、東京富士美術館、民主音楽協会などを創立されました。世界の文化団体との交流の中には、マレーシア国立民族舞踊団も含まれていますが、この交流により、マレーシアと日本の友好関係が、さらに強化されました。

人生を懸けた教育事業の功績
 池田大作氏は著名な教育家であられます。
 教育の目的は人間を育成することにあるとの考えをもつ池田氏は、教育を自身にとっても、最も重要な取り組みであると捉えており、「教育こそ、わが人生の最終にして最重要の事業」であると頻繁に語っておられます。
 人間のもつ潜在的能力は無限です。その力を開花させ、開発することが教育の責務であります。
 池田氏は、日本、香港、シンガポール、マレーシア、ブラジル、韓国にある創価幼稚園の創立者であります。また、東京と関西にある小学校、中学校、高校の一貫教育、高等教育の分野では、日本とアメリカに創価大学を創立しておられます。
 日本の創価大学は、現在、マラヤ大学、マレーシア・プトラ大学、マレーシア公開大学、マレーシア国民大学を含む44力国・地域の121校と学術交流を実施。今日までにマラヤ大学からの19人の留学生を受け入れ、マラヤ大学では、50人余の創価大学の学生が学びました。
 池田氏はまた、戸田記念国際平和研究所、東洋哲学研究所、国際対話センターといった多くの学術研究機関も創立されました。
 さらに池田氏は、教育に関する自らの考えを自著や講演を通して発表し続けており、教育分野において実に豊富で、有意義な貢献をしておられます。

戦争の20世紀を平和の21世紀に
 社会の構造改革だけでなく、むしろ、個々の生命や心という内面の自発的な変革が恒久平和と人類の幸福の鍵であるとの理念が池田氏の中心的思想であり、氏はこれを「人間革命」と呼んでいます。
 この思想は「戦争の20世紀」を「平和の21世紀」へと変革し、混乱する世界に再び秩序をもたらし、人類から「悲惨」の二字を取り除くための極めて重要な要素であることが、池田氏の著作である小説『人間革命』の次の一節に明確に表現されています。
 「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」と。
 世界中の賢者は、この見解に賛同し、社会を変革し、人類の繁栄を確保するためには、人間自身の変革が必要であることを確信しています。この人間革命の運動が、人間主義と平和の世紀を拓き、人類の偉大なる未来の追求に斬新な方向性を提供していくものと、私どもは、深く信じております。
 このように、池田大作氏は、その行動と思想が常に、多くの世界の人々に影響を与え続けている卓越した人物であります。
 こうした人格と思想、業績を鑑み、「名誉人文学博士」に、池田大作氏を推挙するとともに、スルタン・アズラン・シャー総長からの学位記の授与を、謹んでお願い申し上げます(大拍手)。

池田名誉会長の謝辞(代読)

世界市民の大連帯を教育の力で!

マラヤ大学
「人類のために学べ」
強調と創造の社会を


 一、第9代国王であられるスルタン・アズラン・シャー総長のご高配のもと、アジアが誇る最高峰の英知の大殿堂から「名誉人文学博士」の学位を賜りましたことは、私の最大の光栄でございます。
 マラヤ大学の高邁なる精神と伝統を、わが命に深く刻みつつ、厳粛に拝受させていただきます。まことに、まことに、ありがとうございます。
 一、壮麗な緑に包まれた貴大学のキャンパスを、私が訪問させていただいたのは、1988年の2月のことであります。この折、大先輩であられる貴大学と、いまだ若い創価大学との間に学術協定も結ばれました。
 その出発に際して、私は、当時のウンク・アジズ副総長はじめ貴大学の先生方と、「少しずつでも積み重ねていけば丘ができる」との貴国・マレーシアのことわざを語り合ったことを思い起こします。
 以来、20余年、営々たる交流の積み重ねによって、両国の間に、幾多の青年たちが、国を超え、民族を超えて「学問」と「人生」と「平和」を語り合う、信頼と友情の咲く丘が築かれました。
 ここに私は、甚深の感謝と誇りをもって、名誉ある貴大学の同窓の一員とさせていただきます。

「多様性の中に知恵が備わる」
 一、17年前の4月、桜花爛漫の日本にお迎え申し上げたスルタン・アズラン・シャー総長は、表敬した私に語ってくださいました。
 それは、「21世紀を『より大いなる平和の世界』『より思いやりのある世界』『より慈愛のある世界』へ」という、明快にして普遍的なビジョンであります。
 この指針の通りに、他者の尊厳なる生命を思いやり、慈しむ心を育み強めていく以外に、人類の希望は絶対にありません。これこそ、人間教育の偉大な使命であります。
 さらに、総長との忘れ得ぬ語らいのなかで、「多様性のなかに知恵が備わっている」との総長の哲学に、私は心からの感銘を禁じ得ませんでした。
 「平和と人道の21世紀」を築きゆくための鍵は、まさしく「多様性」を尊重し、「多様性」から学ぶことでありましょう。
 この多様性に立脚した「協調と創造の社会」のモデルを、いち早く世界にふされてきたのが、貴国・マレーシアであり、その原動力こそ「人類のために学ぶ」ことを理念に掲げられた貴大学であると、私は声を大にして申し上げたいのであります。
 1905年に、医学校として産声を上げられた貴大学は、創立の当初から、他の国々から移り住まわれた人々への医療を充実させるなど、「生命への奉仕」「民衆への奉仕」という崇高な志を果たしてこられました。
 総長が厳然と宣言なされているように、貴大学はマレーシアの最高学府として、「知識を用い、広い見識と行動力をもって、自身のエゴを超えて国の発展に尽くす責任感のある指導者の陣列」を育成してこられたのであります。

生命尊厳の道を
 一、貴大学が探究してこられた理想は、私の恩師である戸田城聖先生、さらに、その師に当たる先師・牧口常三郎先生の信念とも、深く響き合っております。
 牧口先生と戸田先生は、1930年の11月、世界が恐慌に揺れ、日本が軍国主義に暴走を始める時代にあって、『創価教育学体系』を発刊いたしました。
 「創価」とは、「価値創造」の意義であります。すなわち、「生命の尊厳」を根本として、人間の幸福のため、社会の繁栄のため、世界の平和のために、自他共に価値を創造しゆく知性と人格の薫陶を開始したのであります。
 わが創価教育の「価値創造」も、一人一人の多彩な生命を尊重し、個性豊かに光り輝かせていくところから出発しております。
 それは先の大戦で、貴国をはじめアジアの民衆の尊き生命と多様な文化を蹂躙した日本の偏狭な国家主義とは、真っ向から対峙して正義を貫く闘争でありました。
 牧口先生は弾圧にも屈せず、73歳で獄死を遂げております。ここに、私たちの不滅の原点があります。
 「大学は、大学に行けなかった人のためにこそある」
 これも、先師と恩師から託された教育理念であります。

「人間の尊さは人生の信条 誠実さ 責任感で決まる」

民衆のために
 一、今年は、「創価教育」の誕生から80周年となります。
 私は、本日の栄誉を、その創始者である牧口先生と戸田先生という二人の師に、謹んで捧げさせていただきたいのであります。
 ともあれ、クローバル化が加速する国際社会は、ますます、知力と人間性を併せもった世界市民の連帯を要請しております。人間教育の真価が、いよいよ発揮されるべき時代に入ったといってよいでありましょう。
 1999年の5月、わが創価大学にも来学くださった、貴大学の総長補であられる英邁なラジャ・ナズリン・ジャー皇太子殿下は、貴大学の卒業生へのはなむけとして、こう語っておられます。
 「一人の人間の尊さは、習得した知識や物質的な豊かさによってだけで測ることはできない。人生の信条、倫理観、宗教の堅持、忠実さ、誠実さ、責任感を持っているか否かによって、その人は評価されなければならない」と。
 深い賛同の心で、世界の青年に伝えたい指標であります。
 人間の偉さは、持っている信念と行動で決まります。
 大学の輝きは、卒業生の活躍と母校愛の深さで決まります。
 世界の未来は、若きリーダーの熱と力で決まります。
 「世界市民」の最先端の教育で磨き上げられた、貴大学の卒業生の皆様方が、校章に刻まれた国花ブンガラヤ(ハイビスカス)の如く、「希望」と「勝
利」の花を咲き薫らせてゆかれることを、私は心からお祈り申し上げます。
 本日、貴大学の誉れある一員とさせていただいた私も、ご臨席の先生方とご一緒に、貴国に脈打つ「思いやりの心」「多様性を尊び学ぶ心」「民衆のために行動する勇気の心」を世界に広げ、未来へ脈々と流れ通わせていくことを、固くお誓い申し上げます。

大学のモットー知恵は発展の源
 一、結びに、その私の決心を自作のパントゥン(マレーの伝統詩)に託し、披露させていただきます。

 栄光といっても、何の意味があろうか
 もしも、青年の陣列を育てなければ!
 知恵は発展の源泉なり
 この言葉こそ、私の戦いに意義を与えてくれる

 敬愛してやまない総長をはじめ諸先生方、学生とご家族の皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げるとともに、貴マレーシアの隆々たるご繁栄を、そしてマラヤ大学の無窮のご発展をご祈念申し上げ、無上の栄誉への謝辞とさせていただきます。
 スキアン・テリマ・カセ(マレー語で「以上、ありがとうございました」)(大拍手)。
2010-08-04 : スピーチ・メッセージ等 :
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