中国・紹興文理学院「名誉教授」称号授与式

中国・紹興文理学院「名誉教授」称号授与式          
               (2010.4.20 創価大学本部棟)

 中国・浙江省の名門学府「紹興文理学院」(葉飛帆学長)から、創価大学創立者の池田名誉会長に「名誉教授」称号が贈られた。日中友好及び世界の教育・文化事業への貢献を讃えたもの。授与式は20日、紹興文理学院の寿永明学長補佐一行が出席し、東京・八王子市の創大本部棟で挙行され、山本創大学長に名誉教授の証書が託された。また、名誉会長から同学院に友誼薫る漢詩が贈られた。

寿学長補佐の授与の辞

中日友好の尽力に敬意
池田先生はそびえ立つ秀峰


 草花が若々しく伸びゆき、ウグイスが舞い飛ぶ美しい季節に、池田大作先生に対し、紹興文理学院の「名誉教授」称号を授与させていただくことは、この上ない栄誉であります。
 これは、私ども紹興文理学院の歴史における一大慶事であり、中日友好史における素晴らしい出来事となるでありましょう。
 池田先生は、創価大学をはじめとする教育機関、戸田記念国際平和研究所、東洋哲学研究所などの学術・平和機関、東京富士美術館、民主音楽協会などの文化機関を設立され、世界の教育の発展と、文化の繁栄を推し進めてこられました。
 それは、後世のために恩恵をもたらすものであり、その輝きは万世にわたっていくことでしょう。
 また池田先生は、世界的に著名な仏教思想家であり、哲学者、教育者、社会活動家、作家、桂冠詩人、写真家であり、現代世界を代表する文化人、国際的な人道主義者であられます。
 その業績が高く評価され、「国連平和賞」や国連難民高等弁務官事務所の「人道賞」、「アインシュタイン平和賞」などを受賞しておられます。
 さらに、中日友好に傑出したご貢献をされ、中国政府と人民から広範な尊敬を集めています。
 中国からは1960年代より、「中国芸術貢献賞」「文化交流貢献賞」「平和の使者」称号、「人民友好の使者」称号など多くの栄誉を受けておられますが、このような顕彰の背景には、仏法者として、ひたすらに民衆の幸福を願い、数十年にわたって険難の道を勇敢に歩んでこられた池田先生への敬愛があるのです。
 人類が手を取り合う麗しい世界を築いてこられた先生は、そびえ立つ秀峰であり、まさに仰ぎ見る思いでおります(大拍手)。
 紹興文理学院は100年の歴史を有し、中国の偉大な文学者、思想家である魯迅先生が、1911年から学長を務めた最高峰の学府です。
 100年の間、魯迅先生が提唱された「開拓越学、俾其蔓延《ひきまんえん》、至於無疆《しおむきょう》」(紹興の学問を拓き、敷衍《ふえん》し、全世界にまで至らしめる)との精神で、伝統文化を受け継ぎ、現代文明に溶け込み、実力と高尚な人格を備えた、社会に有為な人材を輩出してまいりました。
 私どもの教育理念は、池田先生が語られている“人生、いかに生きるべきか──との命題こそ、人類の最も重要な問題であり、教育の根本命題も、人間の正しい生き方を指し示すことである”との精神に合致するものであります。
 池田先生の思想と哲学は、本学の100年の歴史を隔てて、魯迅先生の精神と相呼応していると強く感じます。
 そして、私どもの大学の青年たちが世界的に偉大な人格者であられる池田先生に接し、その徳を受け継いでゆくことは、本学の発展において、計り知れない力になるものと、心から信じるものであります。
 重ねて池田先生に対しての尊敬と感謝の意を表するとともに、私たちは先生と手を携えて、社会に貢献し、人材を育成し、文明の発展、人類の福祉に寄与してまいる所存です。
 また「天地のために志を立て、民のために命をかけ、先哲のために絶学を継ぎ、万世のために太平を開く」との気概で戦ってまいります。
 ここに、池田先生と令夫人の教育事業に対する多大なるご貢献に感謝申し上げ、私のあいさつといたします(大拍手)。

池田名誉会長の謝辞(代読)

民衆と共に 世界と共に
「平和の大河」を「人材の橋」を


魯迅
「花を育てるためなら朽ちる草となるもよし」
学生第一が人間教育の王道


周総理
青年とは黄金時代
学びに学べ! 努力し向上を


 一、力強く、前進また前進を続けられる長江デルタの文化都市・紹興から、高邁な知性と人格の先生方をお迎えできました。熱烈に歓迎申し上げます。本当にようこそ、お越しくださいました(大拍手)。
 一、はじめに、このたびの青海省の大地震に際し、重ねて心よりお見舞いを申し上げます。
 胡錦濤国家主席、温家宝総理の陣頭指揮のもと、高地の厳しい自然環境のなか、懸命に進めておられる尊き救援のご努力に、最大の敬意を表するものであります。
 わが創価学園出身の外科医も「国境なき医師団」の一員として、現地に駆けつけておりす。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
 一、紹興の天地が生んだ大文豪であり、貴・紹興文理学院の学長を務められた魯迅先生は叫ばれました。
 「一本の花を育てることができさえすれば、やがて朽ちはてる腐草となるもよかろう」(丸尾常喜著『中国の人と思想⑩魯迅』集英社)
 愛する青年たちが勝利の花を咲かせるためならば、わが身を投げ出して、自分が犠牲になる。
 この崇高なる青年育成の真髄の魂を体現され、数多《あまた》の逸材の大輪を咲き薫らせてこられた「教育の花城《かじょう》」こそ、貴・紹興文理学院なのであります。
 ただ今、私は、名門中の名門の貴学院から、「名誉教授」の称号を賜りました。これほどの栄誉はございません。貴学院の誉れの理念と精神を深く心に刻み、拝受させていただきます。
 誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

貴国と縁《えにし》深き先師に捧げる
 一、20世紀の初頭、日本に留学された若き魯迅先生は、最初、東京の弘文学院で学ばれました。
 その同時期、創価教育の父・牧口常三郎先生は地理学の教師として、この学院の教壇に立って、貴国からの留学生たちと心通い合う交流を結んでおりました。
 牧口先生は、貴国への敬愛と報恩の真情を、生涯、抱いておりました。貴国に忘恩非道な侵略を行った日本の軍部政府と対峙し、最後は獄死しております。
 縁も深き魯迅先生ゆかりの貴学院からの最高無上の栄冠を、私は、この正義の先師に謹んで捧げさせていただきたいのであります(大拍手)。

人材の宝都・紹興
 一、貴・紹興は、古来、「越《えつ》」の国の都として栄えた、2500年の歴史を誇る悠久の天地であります。
 「会稽《かいけい》の恥を雪《すす》ぐ」「臥薪嘗胆《がしんしょうたん》」「呉越同舟《ごえつどうしゅう》」など、若き日に、私たちが学んだ貴国の奥深い歴史の故事も、まさに紹興が舞台でありました。
 その紹興において、4世紀、東晋の書聖・王羲之《おうぎし》は謳い上げております。
 「あおぎみる みどり 天のきわ
 ふして のぞく きよき 水のなぎさ 寥闃《りょうげき》 無涯《むがい》の観」
 〈天をあおげば、みどりの晴れた空。地上をみれば、洲をひたしてながれる澄んだ水。からりとして雑念のない、無限の世界がここにある〉(竹内実編著『岩波漢詩紀行辞典』岩波書店)
 この壮麗なる調和の水の都は、王充《おうじゅう》(後漢の思想家)、陸游《りくゆう》(南宋の詩人)、さらに秋瑾《しゅうきん》先生(清末の女性革命詩人)、蔡元培《さいげんばい》先生(現代中国の大教育者)等々、錚々たる「名士」を世に送り出してきました。
 私たちが敬愛してやまぬ周恩来総理の原籍も、この紹興なのであります。
 一、この「人材の宝都」に、貴学院の前身である山会初級師範学堂が創立されたのは、1909年。
 2年後に学長となられた魯迅先生は、短い在任期間のなかで、厳しい財政難と戦いながら、不滅の人間教育の魂を打ち込まれたのであります。
 先生は足繁く、教室や運動場、さらに炊事場まで回られながら、教育環境を改善していかれました。
 多くの学生が風邪で寝込んだ折には、自ら温かく看病されてもおります。

獅子でなければ獅子は育たない
 一、私は、現在、中国教育学会の顧明遠《こめいえん》会長と対談をしております。〈「平和の架け橋──人間教育を語る」と題し、「東洋学術研究」誌上で連載中〉
 顧会長夫人の周藻《しゅうそう》氏は、魯迅先生の姪にあたられる方であります。
 魯迅先生の教育思想にも造詣の深い顧会長は、先生は「およそ青年の成長に役立つことのすべてをおこなっていた」と敬服されておりました。そして、それは、あたかも「病をなおし人を救う」という慈愛の名医のごとくであったと指摘されております(横山宏訳『魯迅―その教育思想と実践』同時代社)
 思えば、当時、魯迅先生も、この学堂も、傲慢な権力からの圧迫を受けておりました。そのなかを、魯迅先生は獅子のごとく堂々と、人民に貢献しゆく正義の若獅子を、心血を注いで薫陶していかれたのであります。
 獅子でなければ獅子を育てることはできません。
 一、ともあれ、魯迅先生の一貫した信念は「世代の上のものは下のものに対して……全力をあげて、かれら自身のために、かれらの成長を助けるべきである」(竹内好訳『魯迅文集第三巻』筑摩書房)という一点にありました。
 この学生第一の「人間教育の王道」を、貴学院の先生方は、気高く継承されているのであります。
 新入生に対しても、一人一人、新しい生活環境に慣れ、遠大な目標のもと勉学に邁進できるよう励ましておられます。貴国の春節(中国正月)の前日、葉学長はじめ先生方が、故郷に帰省せずに学院で勉強を続ける学生たちのもとへ赴き、懇談・激励されたことも、よく存じ上げております。
 じつは、創価大学の草創期、私も大晦日に大学に残っていた学生たちを招いて、深い思い出を刻んできました。皆、立派に成長して、母校の後輩のために、私と同じ心で尽くしてくれていることは、うれしい限りです。

教育の聖火を明々と未来ヘ
 一、貴学院は、「修徳求真《しゅうとくきゅうしん》」との校訓のもと、18学部へと大発展を遂げておられます。
 「生物科学」と「漢言語文学」は国家の専門分野に指定され、多くの学科が省の重点学科、重点分野に選定されております。
 100周年を期に、新たな「人民貢献」の最先端の科学研究も開始されました。
 あの北京オリンピックの際、浙江省の大学を代表して、貴学院のキャンパスを「聖火」が走り抜けたことも、うかがっております。
 幾多の試練の風雪を乗り越えて、「教育の聖火」を明々と燃え上がらせてこられた貴学院の栄光の100年に、私は最大の敬意を表したいのであります(大拍手)。
 葉学長は、「100周年」の卒業式の席上、変化の時代に立ち向かうにあたり、次の3点を呼びかけられました。
 第1に「弛みなく学び続け、無限の創造力を発揮せよ!」。
 第2に「父母、母校、恩師、社会への報恩を通して、自己を高めよ!」。
 第3に「何事も勇敢に引き受け、社会と時代が与える歴史的責任を果たしゆけ!」と教えられたのであります。
 創価教育の理念とも深く共鳴する指針であります。賛同の大拍手を送ろうではありませんか(大拍手)。

地域と共に発展する大学目指し
 一、さらに、貴学院は「地域に立脚し、地域に奉仕し、地域と共に発展する大学」を目指されています。この点も、創価大学の理念と一致します。
 牧口先生も「自他共に、個人と全体との、共存共栄を為し得る人格に引き上げんとするのが教育である」と明確に論じておりました。
 私も、名誉ある貴学院の一員とさせていただき、地域と共に、民衆と共に、隣国と共に、そして世界と共に、貴学院の校章に描かれた「川」のごとく、人類の平和と繁栄の「大河」を滔々と広げゆく決心であります(大拍手)。
 一、1939年3月、紹興を訪れた周総理は、郷里の若人に雄渾なる書を揮毫されました。
 その言葉を、本日、出席してくださった学生の皆さんをはじめ、世界の青年たちにお贈りしたい。
 「青年は黄金時代である。学べ、学べ、もっと学べ」
 「努力して学び、向上に向上を重ねゆけ」
 結びに、校章に刻まれた「橋」のごとく、貴・紹興文理学院から、次の100年へ「英知の橋」「人材の橋」そして「栄光の金の橋」が広がりゆくことを、心よりお祈り申し上げます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)

名誉会長 漢詩を贈る

書道千古序蘭亭
百年學府立紹興
修求真新文理
魯迅精神放光明


〈大意〉

 書道は千古に名だたる王羲之が紹興で書き記した蘭亭序がある。
 紹興を代表する名門学府といえば、百年の歴史を誇る貴・紹興文理学院である。
 「修徳求真」(徳を修め、真理を求める)を校訓に掲げて 新たな大発展を開始され、
 魯迅先生の精神が光明を放っておられる。

※文中に、大学名と校訓「修徳求真」が盛り込まれている。
2010-04-22 : スピーチ・メッセージ等 :
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