「ホセ・リサール記念模範学生顕彰」授与式
フィリピン リサール協会から「ホセ・リサール記念模範学生顕彰」授与式
(2010.1.23 フィリピン文化会館)
フィリピンの「独立の英雄」ホセ・リサールの精神を宣揚する「リサール協会」から、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「ホセ・リサール記念模範学生顕彰」が贈られた。民衆に尽くす青年リーダーを育成した功績を讃えるもの。授与式は1月23日、ケソン市のフィリピン文化会館で行われ、エスグェラ会長からメダルと証書が授与された。
エスグェラ会長のあいさつ
池田博士は、平和・文化・教育における重要な分野を開発し、世界192力国・地域に会員を擁するSGIの指導者として、地球規模の提言や活動を通して、幾千ものリーダーの魂に感銘を与え、幾百万もの青年の心を感動させてきました。
博士は人間革命への信念を貫かれています。それは「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」という信念です。
今日、核兵器に覆われた世界において、平和が戦争のための道具として使われ、テロが恐怖と憎悪を植えつけるために利用され、物質主義が個人的利益の最大の関心事となっています。
今こそ我々にとって必要なのは、創価学会創立者の牧口常三郎氏、2代会長の戸田城聖氏、3代会長でありSGI会長の池田大作博士、そして、フィリピンの誇りであるホセ・リサール博士の卓越した思想です。
池田博士は82歳の現在もなお恒久平和の追求に活動され、紛争回避のための様々な提案を行っておられます。
リサール博士と池田博士の諸問題に関する探究への情熱は、時間や文化、言葉の障壁を超えて、同じ思想およびビジョンから発せられています。
池田博士とリサール博士の思想と理念は、①祖国愛と人類愛②全人的教育③正しい規律の遵守④平和と秩序の維持⑤文化遺産への忠誠⑥人権の保護⑦持続可能な経済環境開発⑧不屈と廉直さと高潔さの点で一致します。
これらは、現代の青年が直面する課題でもあります。
青年は燃え上がるろうそくです。ろうそくは我が身を遺憾なく燃やし、他のろうそくへと火を点じていきますが、池田博士は、この輝くろうそくなのです。その光を、どうか、弛むことなく他のろうそくへと灯しゆかれますように。
協会を代表して、全世界のSGIのリーダーとメンバーの皆さまに、学会創立80周年のお祝いを申し上げます。
池田SGI会長の謝辞(代読)
青年よ わが生命を燃やせ
リサール博士
教育の光が祖国を啓発する
賢く強き民衆が時代を開く
博士の報恩の魂に続け
母を大切にする心──
それが人間主義の原点
一、本日、私は、人類の精神の灯台たる貴リサール協会から、深き深き意義が込められた「ホセ・リサール記念模範学生顕彰」を賜りました。
心より厚く厚く御礼を申し上げます。
世界史に輝きわたる大英雄ホセ・リサール博士の崇高な精神を継承され、青年・学生の育成に取り組んでこられた貴協会から授与いただく栄誉ほど、尊く胸に迫る励ましはございません。
私は、活力みなぎる貴国フィリピンをはじめ世界192力国・地域で社会に貢献する、わがSGIの青年たち、学生たちとともに謹んで拝受させていただきます(大拍手)。
皆、リサール博士を心から敬愛し、その思想と行動を真剣に学んでおります。
博士に続かんとする世界の若き英才たちも、どんなに喜ぶことでしょうか。誠に誠にありがとうございました(大拍手)。
一人の人間の可能性は無限
一、明年、生誕150周年の佳節を迎えるリサール博士は、貴国はもとより、東洋、否、地球社会を照らす信念の大哲人であります。
博士は、革命家にして教育者であり、文学者、詩人にして、数多《あまた》の外国語に精通する世界市民、さらに万能のルネサンス人でありました。
若獅子のごとく駆け抜けた、その35年の生涯は、一人の人間がどれほどの可能性を発揮できるかを示し切った不滅の光跡といってよいでありましょう。
自由を求める闘争にあっては、財力にも、武力にもよらず、魂の言論と人間教育の力で民衆を鼓舞していかれました。
向学の魂を炎のごとく燃え上がらせて学び続けながら、人々の幸福のために勇猛に戦い切った姿は、全世界の青年が仰ぐべき指標であります(大拍手)。
中国の民主革命の先駆者である孫文博士やインド独立の指導者ネルー初代首相をはじめ、リサール博士から啓発を受けた偉人は、あまりにも多いのであります。
永遠の鑑をもつ人生は何と幸福
一、イギリスの歴史家カーライルは、師匠と仰ぐゲーテにあてた手紙の中で、「尊敬に値する人に尊敬を示すことは常に最高の義務であり喜びである」(山崎八郎訳『ゲーテ=カーライル往復書簡』岩波文庫)と綴りました。
「手本なき時代」と憂慮される現代にあって、リサール博士という永遠の鑑をもてることは、何と幸福な喜びでありましょうか。
貴協会は長年にわたり、このリサール博士のごとく学びの青春を送り、博士のごとく社会に尽くさんとする「模範の学生」を、讃え励ましてこられました。博士の遺志を受け継き、未来を創り開きゆく重大な布石であると、私は最大の敬意を表したいのであります(大拍手)。
旭日のごとく人々を照らせ
一、思えば、リサール博士が、愛する祖国の命運を教育の力で大転換する使命を自覚されたのも、10代の学生時代でありました。
博士は、その決心を「教育は祖国に栄光を贈る」と題する詩に綴りました。私も大好きな詩であります。
「黄金を降らせながら まばゆく輝く金色の朝日のように
また金色と真紅のオーロラのように
教育は自身の多彩な色を
奔放に広げゆく
そうした教育は誇りも高く善行の楽しみを
老いにも若きにも与える
そして白熱の光と輝きを放ちながら 愛する祖国を啓発する
それはあたかも
永遠なる歓喜と光輝を贈るように」
博士は、民衆を賢く強くすることで、新たな時代を勝ち開こうとしました。
そのために、自らの若き生命を、昇りゆく旭日のごとく燃焼させながら、その光で人々を照らそうとしていったのであります。
正義の博士に、権力の魔性は牙を剥き、非道なる弾圧を加えました。
しかし、博士は、断固として戦い抜かれました。
この不惜身命の太闘争を支えたものは、何であったのか。
私は、そこに博士の胸中に熱く脈打つ「報恩の魂」を見るのであります。
それは、「祖国の恩」「民衆の恩」、そして「母の恩」に報いようという崇高なる魂であります。
世界市民・リサール博士には、欧州などで悠々と活躍する道も開かれておりました。
しかし、あえて祖国への帰国を決めた博士の胸奥には、老いたる母に親孝行をし、そして、健気な母たちの国を守り抜かんとする大情熱が、たぎり立っていたのであります。
リサール博士が体現されていた、この「母を大切にする心」にこそ、ヒューマニズムの原点があるといってよいでありましょう。
このテーマについては、尊敬してやまぬキアンバオ元会長との対談でも、語り合ったところであります。
かつて私は、母たちへ捧げた一詩に詠みました。
「母を大事にすることだ。
それが一切の
平和と幸福
進歩と前進の
最も確かなる
太陽の輝きのごとき
法則なのだ」
この詩を詠じた私の心には、リサール博士とフィリピンの母たちの麗しき姿があったのであります(大拍手)。
全世界に平和の種を
一、私たちSGIは、この1月26日で発足35周年を迎えました。1975年、51力国・地域の代表がグアムに集い、世界市民の新たな前進を開始したのであります。
実は、その発足の会議の前夜祭が行われた場所は、リサール博士の尊き名が冠されたリサール海岸でありました。
SGIは、まさにその出発から、リサール博士に見守られ、リサール博士の革命精神とともに、平和と人権の闘争の歩みを開始したのであります。
私たちは、その栄光の歴史を大いなる誉れとし、喜びとしております(大拍手)。
SGIの新たな出発に際し、私は呼びかけました。
──自分自身が花を咲かせようというのではなく、全世界に平和の種を蒔き、尊い一生を終えよう、と。
これは、リサール博士が「青年は豊かな果実を実らせる花壇である」と語り、その青年のために殉じた道をたどるものでありました。
貴国には、今、博士の魂を継ぐ青年群が、澎湃と躍り出て、乱舞しております。
博士が熱望してやまなかった「青年の世紀」が、ついに人類の眼前に広がり始めたのであります(大拍手)。
貴協会より賜りました栄誉にお応えするため、私は貴国の英邁な青年だちと、さらに固くスクラムを組んで、世界の母たちが微笑み喜び舞う、平和と繁栄の新時代を開いていく決心であります。
結びに、リサール博士が、「生命の力」と「思想の純潔」と「情熱の火」とを、血と肉として持っている若者たちよ!──と、青年たちに贈った魂の叫びに感謝の思いを託して、私の御礼とさせていただきます。
「われわれはおまえたちを待っているのだ、おお、若者たちよ、あらわれよ、われわれは待っているのだ!」
マラミン・サラマッポ!(フィリピン語で「本当にありがとうございました!」)(大拍手)
(2010.1.23 フィリピン文化会館)
フィリピンの「独立の英雄」ホセ・リサールの精神を宣揚する「リサール協会」から、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「ホセ・リサール記念模範学生顕彰」が贈られた。民衆に尽くす青年リーダーを育成した功績を讃えるもの。授与式は1月23日、ケソン市のフィリピン文化会館で行われ、エスグェラ会長からメダルと証書が授与された。
エスグェラ会長のあいさつ
池田博士は、平和・文化・教育における重要な分野を開発し、世界192力国・地域に会員を擁するSGIの指導者として、地球規模の提言や活動を通して、幾千ものリーダーの魂に感銘を与え、幾百万もの青年の心を感動させてきました。
博士は人間革命への信念を貫かれています。それは「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」という信念です。
今日、核兵器に覆われた世界において、平和が戦争のための道具として使われ、テロが恐怖と憎悪を植えつけるために利用され、物質主義が個人的利益の最大の関心事となっています。
今こそ我々にとって必要なのは、創価学会創立者の牧口常三郎氏、2代会長の戸田城聖氏、3代会長でありSGI会長の池田大作博士、そして、フィリピンの誇りであるホセ・リサール博士の卓越した思想です。
池田博士は82歳の現在もなお恒久平和の追求に活動され、紛争回避のための様々な提案を行っておられます。
リサール博士と池田博士の諸問題に関する探究への情熱は、時間や文化、言葉の障壁を超えて、同じ思想およびビジョンから発せられています。
池田博士とリサール博士の思想と理念は、①祖国愛と人類愛②全人的教育③正しい規律の遵守④平和と秩序の維持⑤文化遺産への忠誠⑥人権の保護⑦持続可能な経済環境開発⑧不屈と廉直さと高潔さの点で一致します。
これらは、現代の青年が直面する課題でもあります。
青年は燃え上がるろうそくです。ろうそくは我が身を遺憾なく燃やし、他のろうそくへと火を点じていきますが、池田博士は、この輝くろうそくなのです。その光を、どうか、弛むことなく他のろうそくへと灯しゆかれますように。
協会を代表して、全世界のSGIのリーダーとメンバーの皆さまに、学会創立80周年のお祝いを申し上げます。
池田SGI会長の謝辞(代読)
青年よ わが生命を燃やせ
リサール博士
教育の光が祖国を啓発する
賢く強き民衆が時代を開く
博士の報恩の魂に続け
母を大切にする心──
それが人間主義の原点
一、本日、私は、人類の精神の灯台たる貴リサール協会から、深き深き意義が込められた「ホセ・リサール記念模範学生顕彰」を賜りました。
心より厚く厚く御礼を申し上げます。
世界史に輝きわたる大英雄ホセ・リサール博士の崇高な精神を継承され、青年・学生の育成に取り組んでこられた貴協会から授与いただく栄誉ほど、尊く胸に迫る励ましはございません。
私は、活力みなぎる貴国フィリピンをはじめ世界192力国・地域で社会に貢献する、わがSGIの青年たち、学生たちとともに謹んで拝受させていただきます(大拍手)。
皆、リサール博士を心から敬愛し、その思想と行動を真剣に学んでおります。
博士に続かんとする世界の若き英才たちも、どんなに喜ぶことでしょうか。誠に誠にありがとうございました(大拍手)。
一人の人間の可能性は無限
一、明年、生誕150周年の佳節を迎えるリサール博士は、貴国はもとより、東洋、否、地球社会を照らす信念の大哲人であります。
博士は、革命家にして教育者であり、文学者、詩人にして、数多《あまた》の外国語に精通する世界市民、さらに万能のルネサンス人でありました。
若獅子のごとく駆け抜けた、その35年の生涯は、一人の人間がどれほどの可能性を発揮できるかを示し切った不滅の光跡といってよいでありましょう。
自由を求める闘争にあっては、財力にも、武力にもよらず、魂の言論と人間教育の力で民衆を鼓舞していかれました。
向学の魂を炎のごとく燃え上がらせて学び続けながら、人々の幸福のために勇猛に戦い切った姿は、全世界の青年が仰ぐべき指標であります(大拍手)。
中国の民主革命の先駆者である孫文博士やインド独立の指導者ネルー初代首相をはじめ、リサール博士から啓発を受けた偉人は、あまりにも多いのであります。
永遠の鑑をもつ人生は何と幸福
一、イギリスの歴史家カーライルは、師匠と仰ぐゲーテにあてた手紙の中で、「尊敬に値する人に尊敬を示すことは常に最高の義務であり喜びである」(山崎八郎訳『ゲーテ=カーライル往復書簡』岩波文庫)と綴りました。
「手本なき時代」と憂慮される現代にあって、リサール博士という永遠の鑑をもてることは、何と幸福な喜びでありましょうか。
貴協会は長年にわたり、このリサール博士のごとく学びの青春を送り、博士のごとく社会に尽くさんとする「模範の学生」を、讃え励ましてこられました。博士の遺志を受け継き、未来を創り開きゆく重大な布石であると、私は最大の敬意を表したいのであります(大拍手)。
旭日のごとく人々を照らせ
一、思えば、リサール博士が、愛する祖国の命運を教育の力で大転換する使命を自覚されたのも、10代の学生時代でありました。
博士は、その決心を「教育は祖国に栄光を贈る」と題する詩に綴りました。私も大好きな詩であります。
「黄金を降らせながら まばゆく輝く金色の朝日のように
また金色と真紅のオーロラのように
教育は自身の多彩な色を
奔放に広げゆく
そうした教育は誇りも高く善行の楽しみを
老いにも若きにも与える
そして白熱の光と輝きを放ちながら 愛する祖国を啓発する
それはあたかも
永遠なる歓喜と光輝を贈るように」
博士は、民衆を賢く強くすることで、新たな時代を勝ち開こうとしました。
そのために、自らの若き生命を、昇りゆく旭日のごとく燃焼させながら、その光で人々を照らそうとしていったのであります。
正義の博士に、権力の魔性は牙を剥き、非道なる弾圧を加えました。
しかし、博士は、断固として戦い抜かれました。
この不惜身命の太闘争を支えたものは、何であったのか。
私は、そこに博士の胸中に熱く脈打つ「報恩の魂」を見るのであります。
それは、「祖国の恩」「民衆の恩」、そして「母の恩」に報いようという崇高なる魂であります。
世界市民・リサール博士には、欧州などで悠々と活躍する道も開かれておりました。
しかし、あえて祖国への帰国を決めた博士の胸奥には、老いたる母に親孝行をし、そして、健気な母たちの国を守り抜かんとする大情熱が、たぎり立っていたのであります。
リサール博士が体現されていた、この「母を大切にする心」にこそ、ヒューマニズムの原点があるといってよいでありましょう。
このテーマについては、尊敬してやまぬキアンバオ元会長との対談でも、語り合ったところであります。
かつて私は、母たちへ捧げた一詩に詠みました。
「母を大事にすることだ。
それが一切の
平和と幸福
進歩と前進の
最も確かなる
太陽の輝きのごとき
法則なのだ」
この詩を詠じた私の心には、リサール博士とフィリピンの母たちの麗しき姿があったのであります(大拍手)。
全世界に平和の種を
一、私たちSGIは、この1月26日で発足35周年を迎えました。1975年、51力国・地域の代表がグアムに集い、世界市民の新たな前進を開始したのであります。
実は、その発足の会議の前夜祭が行われた場所は、リサール博士の尊き名が冠されたリサール海岸でありました。
SGIは、まさにその出発から、リサール博士に見守られ、リサール博士の革命精神とともに、平和と人権の闘争の歩みを開始したのであります。
私たちは、その栄光の歴史を大いなる誉れとし、喜びとしております(大拍手)。
SGIの新たな出発に際し、私は呼びかけました。
──自分自身が花を咲かせようというのではなく、全世界に平和の種を蒔き、尊い一生を終えよう、と。
これは、リサール博士が「青年は豊かな果実を実らせる花壇である」と語り、その青年のために殉じた道をたどるものでありました。
貴国には、今、博士の魂を継ぐ青年群が、澎湃と躍り出て、乱舞しております。
博士が熱望してやまなかった「青年の世紀」が、ついに人類の眼前に広がり始めたのであります(大拍手)。
貴協会より賜りました栄誉にお応えするため、私は貴国の英邁な青年だちと、さらに固くスクラムを組んで、世界の母たちが微笑み喜び舞う、平和と繁栄の新時代を開いていく決心であります。
結びに、リサール博士が、「生命の力」と「思想の純潔」と「情熱の火」とを、血と肉として持っている若者たちよ!──と、青年たちに贈った魂の叫びに感謝の思いを託して、私の御礼とさせていただきます。
「われわれはおまえたちを待っているのだ、おお、若者たちよ、あらわれよ、われわれは待っているのだ!」
マラミン・サラマッポ!(フィリピン語で「本当にありがとうございました!」)(大拍手)
2010-02-07 :
スピーチ・メッセージ等 :