弘益大学「名誉文学博士号」授与式

弘益大学「名誉文学博士号」授与式   (2009.9.4 創価大学本部棟)

 韓国の名門「弘益《ホンイク》大学」(李勉榮《イミョンヨン》理事長、権明光《クォンミョングワン》総長)から、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉文学博士号」が授与された。これは韓日を結ぶ教育・文化・平和への偉大な功績を讃えたもの。授与式は4日、東京・八王子市の創大本部棟で挙行され、弘益大学の金完哲《キムワンチョル》総長代行、金東憲《キムドンホン》企画処長が出席。山本創大学長に名誉博士号の学位記が託された。

金総長代行の授与の辞


一人一人の心の中に「平和の松明」を灯した

 私どもは李勉榮理事長、権明光総長、また弘益家族の心を携えて訪問しました。
 その目的は、世界的な碩学であられる池田大作博士に、わが弘益大学の「名誉文学博士号」を授与するためであります。
 弘益大学は、このたび、大学院委員会での厳正な審議と議決をもって、創価大学創立者の池田博士に名誉文学博士号を授与することを決定し、本日、授与式を挙行する運びとなりました(大拍手)。
 池田博士が世界で最も卓越した指導者として尊敬を受けている方であることは、1975年にモスクワ大学から名誉博士号を初めてご受章されて以来、世界五大陸から250を超える名誉学術称号を受章されているという一点が証明しております。
 67年に欧州統合の父であるクーデンホーフ・カレルギー伯、72年の世界的歴史学者である英国のトインビー博士をはじめ、周恩来総理、ゴルバチョフ大統領など世界をリードする識者、指導者との対話を展開されました。
 不信と分断の「戦争の20世紀」を、誠信の対話により、信頼と結合の「平和の21世紀」へと導かれました。
 それは、人種、国境、イデオロギーを超え、世界の一人一人の心の中に希望の光明を、人類文明の方途に平和の松明を灯さんとする、壮大な文化運動でありました。

先駆者は常に茨の道を歩む
 わが国との交流においても、90年9月に初めて訪韓されて以来、東京富士美術館所蔵「西洋絵画名品展」の開催、本学をはじめ数多くの大学との交流など、平和・文化・教育を基調とした潮流をつくってこられました。
 これは、それまでの韓日交流が政治や経済が中心であったことを考えると、まさに画期的なことでありました。
 何より、わが国に対して「文化大恩の国」「師匠の国」とまで温かい言葉をかけられ、世界の青年たちに、そして国家指導者たちに向けて、この勇気ある言葉を訴えながら、今日の民間交流の扉を敢然と開いてくださいました。
 さらに私どもは、池田博士がこれまで、わが国、また日本に暮らすわが同胞たちに贈られた随筆と詩に接し、感動せずにはおられませんでした。
 差別に苦しむある在日韓国人の女子学生に、次のような言葉を贈られたと伺いました。
 「元来、人間には国境なぞなかった。
 それが、いつしか人為的に国境がつくられていった。
 ゆえに、私共は、国境の奥の次元の人間連帯に到達し、生きゆくことを忘れまい」
 隣国の日本に、アジア、世界との真の友好・平和を願う方がおられることに驚きと感謝の思いを禁じえません。
 私どもは、池田博士が半世紀近くにわたり、韓国・中国・ロシアなどをはじめとして、道なき道を開いてこられた行動が、本来なら賞讃されるべきであるにもかかわらず、日本ではいわれなき批判や中傷を受けてこられたこともよく存じております。
 日本や韓国に限らず、歴史的な偉業を成し遂げようとする先駆者は、常に茨の道を歩んでおります。
 わが大学の建学理念は、校名にも冠している“弘益人間”です。
 その意味は、「広く世界の人類に奉仕する有益な人間とならん、広く人類に奉仕する人間教育をなさん」という、「人間教育の普遍の精神」であります。
 わが大学は、この建学理念に照らして、名誉文学博士号の授与をもって、池田博士を讃えたいのであります(大拍手)。

師の志を継ぐ大偉業に敬意
 本日の名誉博士号の授与につきまして、私どもは、池田博士の恩師である牧口、戸田両先生に対する敬意を込めたいと思います。
 創価教育の父である初代・牧口常三郎先生、第2代・戸田城聖先生は、第2次世界大戦の際、治安維持法により逮捕され、牧口先生はついには監獄で殉教されたという話をお伺いし、大変な感銘を受けました。
 日本の軍国主義に真っ向から反対され、尊い命を終えられたことに、私どもは心から合掌し、万感の敬意を表する次第です。心ある人は国を超えて、襟を正し、謹聴すべき歴史的真実であります。
 私は2000年に貴大学を訪問した折、池田博士が尊き師匠の遺志を継承され、創価大学・創価学園、民音、東京富士美術館など平和・文化・教育の殿堂を設立されたことを知りました。
 私は、池田博士の「私の人生で最後の最も大切な事業は教育である」との思いに深く共感します。
 わが弘益大学も、理事長・総長を中心に団結し、世界に通じる韓国最高峰の大学を目指して心血を注いでまいりました。まさに教育に生涯をかけてきたと言っても過言ではありません。
 “崇文好学”を誇りとするわが民族は、教育こそが人間として最も尊い聖業であり、一冊の本を著すことが家宝になると言われております。
 最高学府である大学の発展に尽くす以上の誉れはなく、私たちはキャンパスの整備にあたり、一本の樹木にも学生の大成の願いを込めております。
 最高水準の教育環境を整えられた大学の創立者として、池田博士の長年のご辛労は、私たちには胸が痛いほど理解できます。これは当事者でなければ分からないでありましょう。
 博士は、弘益大学をはじめわが国の学生たちを、幾度も激励されています。2002年の語学研修に際し了は、次の言葉を贈ってくださいました。
 「青春は 悩みとの戦い。
 青春は 一生の勝利と栄光のための 学問の宝を磨く時。
 敬愛する貴国の未来の大指導者に育ちゆく皆様方の健康を祈りつつ」
 この言葉には、青年に対する限りない期待が込められています。
 博士から直接、激励を受けた男子学生は、帰国後、兵役につき厳しい訓練も、この言
葉を思い出して乗り切ることができたと語っておりました。彼は現在、韓日両国を結ぶ貿易会社で日本語と韓国語を駆使して活躍しています。

“大学は学生の姿で評価できる”
 私は、本日の授与を学生の皆様にも、お祝い申し上げたいと思います。今から20年近くも前に、創価大学のハングル文化研究会の学生数人が、韓国の学生と交流したいとの一心で、わが大学を訪問しました。
 当時、総長であった李理事長は、日本からの突然の来訪者を歓迎しました。学生たちはそれ以来、今日に至るまで、毎年わが大学を訪問し、学生との交流を重ねてきました。
 帰国後、学生たちは真心の礼状をしたため、それを特製の和紙に包み贈ってくださいました。理事長は私たち教職員に、この学生たちの真摯で誠実な姿を見習うべきだと繰り返し話していました。
 “大学は学生の姿で評価できる”とも言われています。
 私自身も語学研修で来訪した創価大学の学生を歓迎し、懇談したことがありますが、隣国友好を心に刻み、世界市民になろうと努力する姿こそ、最も正しい道であると確信いたします。

艱難汝を玉にす
 最後になりますが、学生の皆様に激励の言葉を贈りたいと思います。
 本学の李理事長は、2001年3月、創大・女子短大の卒業式に参加した際、力強く勇敢な姿を表現した「黄牛(ファンソ)」の像を贈りました。牛は「忍耐、労苦、平和を象徴するもの」として、わが大学のシンボルになっています。
 人生には、苦しみ悩み、耐え忍ばねばならない時があります。
 「艱難汝を玉にす」との言葉があるように、忍耐と労苦をいとわず、平和への大望を見失うことなく、人生に勝利されていくことを祈っております。
 21世紀を担いゆく学生の皆様、どうか創立者のお心を大切に、韓日友好の心を大切に、勉学に励み、世界を舞台に活躍されゆくことを心より願っております(大拍手)。
 結びに、池田博士のご健勝、貴大学の無窮のご発展、若き学生の皆様に前途洋々たる道が開かれますことを心から願い、授与のあいさつといたします。
 このたびは、大変におめでとうございます(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

教育は「未来の勝利の大河」に
弘益大学は創大の“21世紀最初の交流校”
人道社会へ共に価値創造を


 一、心より尊敬申し上げる、金完哲総長代行、金東憲企画処長。
 貴国の麗しき国花・無窮花《ムグンファ》が咲き誇りゆく、わが初秋の創価大学へ、両先生、本当にようこそ、お越しくださいました。
 本日、私は、「教育の世紀」「芸術の世紀」「平和の世紀」の旭日と輝きわたる貴・弘益大学より、最高に栄えある「名誉文学博士号」を拝受いたしました。
 尊敬申し上げてやまぬ李勉榮理事長、そしで、権明光総長はじめ、貴大学の先生方の、あまりにも深く寛大なるご厚情を、私は一生涯、忘れることはありません。
 誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

「弘益」は人類の共存目指す精神

 一、思えば、生命の尊厳を明かした仏法も、貴国が日本に伝えてくださった精神の遺産であります。
 貴国から受けた文化の大恩は、あまりにも大きく、計り知れません。
 この仏法では、「名前」の意義を重んじ、「一切の物にわたりて名《な》の大切なるなり」とも、「名は必ず体《たい》にいたる徳あり」とも、説かれております。
 貴大学は、その校名に「弘益」(弘く益をもたらす)と高らかに掲げておられます。
 「弘益」──何と明快な、そして、何と尊貴な言葉でありましょうか。
 「弘益」とは、史書『三国遺事』に刻まれた、貴国の崇高なる建国の理念であります。
 それはまた、貴国の「教育基本法」にも厳然と明記された、不滅の指針なのであります。
 広く世界を利益し、人類の共存共栄を目指しゆく人間主義が結晶した「弘益」の精神こそ、いまだ衝突と不確実性を極める国際社会にあって、必要不可欠な黄金則といってよいでありましょう。
 その「弘益」を誇り高く校名に冠された貴大学こそ、まさしく、世界に燦たる人類貢献の逸材を薫陶しゆく学府であると、私は声を大にして讃嘆申し上げたいのであります。

自他ともに益する道を
 「弘益」の精神は、私たち「創価」の精神とも深く響き合っております。「創価」とは、「価値」を「創造」するという意義であります。
 「創価教育の父」である牧口常三郎先生は、非道な戦時の圧迫の中にあって、積極果敢に創造すべき「価値」とは、「生命」に対して有益な「価値」に他ならない、と明言しておりました。
 先師は個々人においても、国際関係においても“他を益しつつ自己も益する人道の方途”を提唱したのであります。まさに「弘益」の信条であります。
 民衆を戦争へと駆り立てる軍国教育にも敢然と警鐘を鳴らし、“自分も他者も共に幸福になろうという生き方こそが正しい”と叫びました。
 そして、大恩ある貴国を蹂躙した、日本の野蛮なる国家主義と勇敢に対峙し、獄中で信念の生涯を閉じたのであります。
 ゆえに、本日、賜りました貴大学からの至高の栄誉を、私は牧口常三郎先生に捧げ、そして、この創価教育の道を歩み、人類の平和共存を創り開く使命深き英才たちと分かち合いたいのであります。

「自主」「創造」「協同」を掲げて
 一、貴大学は「弘益」の具現化のために、「自主」と「創造」、そして「協同」という三つの明確な目標を定めておられます。
 私は、ここにこそ、21世紀を担う人材が備えるべき要諦があるとの感銘を深くいたしました。
 「自主」──何ごとにも責任を担い、自ら立ち上がり、物事に挑戦していくこと、であります。
 「創造」──挑戦の中で新たな価値をつくり、自らにしかできない歴史を築きゆくこと、であります。
 「協同」──志を同じくする友を糾合し、切磋琢磨し合いながら一つの目標へ進み抜くこと、であります。
 この英邁なる校是を堅持されつつ、貴大学は総合大学として、教育界に不動の地位を築き上げられました。
 なかんずく、アメリ力の有力経済誌が“世界最高峰の学校”と絶讃してやまぬ芸術分野での実力は、その金字塔でありましょう(大拍手)。
 さらにまた、貴大学が、学術・芸術を、社会や産業と結びつけ、より実用的な分野で生かす取り組みを進めてこられたことも、各界から高い評価を得ております。

大学の改革は学生のために
 一、大学が象牙の塔に閉じこもるのではなくして、地域社会の発展へ、世界平和の前進へ、地球環境の共生へ、広く益をもたらし、価値を創造する──。
 この21世紀の大学のあるべき姿を示されゆく最高学府の模範たる貴大学を、卓越したリーダーシップで率いてこられたのが、高邁なる李勉榮理事長なのであります。
 理事長は語っておられます。
 「私は、弘益大学が韓国の名門大学として長く発展することに生涯をかけています。大学の改革のスピードを速めているのも、すべては大学の発展と学生のためです」
 私は、この断固たる決心をうかがい、感涙したたる思いがいたしました。8年前の春3月、来日された李理事長との語らいは、今も私の胸奥から離れることはありません。
 貴大学と、光栄にも、わが創価大学は、2001年の1月、「学術交流協定」を結ばせ
ていただくことができました。
 創価大学にとりまして、“21世紀に入って最初の交流校”こそ、他でもない、貴大学なのであります。
 うれしいことに今、わが創価大学出身の教育者も、貴大学の教壇に迎えていただいております。
 さらにまた本日は、貴大学、そして貴国からお迎えしている、最優秀の留学生の皆さんも参加してくれており、私は感慨無量なのであります。

青年よ英知の太陽たれ
独立の英雄 安昌浩先生
「大きな仕事を開始しよう 恐れず、休まず、大胆に」


自身の“生命の大車輪”を回せ
 一、来る10月9日、意義深き「ハングルの日」に、ソウルの光化門《クワンファムン》広場に、弘益精神を体現した大指導者・世宗《セジョン》大王の像が除幕されるとうかがいました。
 この高さ6・2㍍にも及ぶ、微笑みを浮かべた雄壮なる文化大王の像を創り上げられたのは誰か。喜ばしいことに、芸術の殿堂たる貴・弘益大学の金永元《キムヨンウォン》教授なのであります。
 今、私の胸には、世宗大王の命によって編纂された「龍飛《ヨンビ》御天歌《オチョンガ》」の一節が轟いてまいります。
 「根深き木は風に動じず、よき花を咲かせ、多くの実をみのらせる。
 源深き泉は日照りにも渇かず、川の水となり、海へと流れ進む」
 いかなる嵐にも揺るがぬ社会の繁栄の大樹。その深き根こそ、教育であります。
 いかなる変動にも怯まぬ未来の勝利の大河。その源こそ、教育ではないでしょうか。
 貴大学の校章の意義は、深遠であります。その円形のデザインは、「宇宙と太陽」そして「絶え間なく発展を続ける車輪」を表現されております。
 内なる宇宙である人間の心は、まさに限りなき可能性の広がりを秘めております。
 本日より私も、誉れ高き貴大学の一員とさせていただきました。先生方の信頼にお応えできるように、人間教育の熱誠によって、一人一人の青年の英知の太陽を輝かせてまいりたい。
 そして、生命の大車輪を、若人とともに、さらに力強く回転させながら、大いなる「弘益」の理想へ向かって、間断なく前進しゆく決心であります(大拍手)。
 結びに、韓日両国そして世界の青年に、貴国の大教育者・安昌浩《アンチャンホ》先生の叫びを贈り、私の謝辞とさせていただきます。
 「青年よ、泰山のような大きな仕事を開始しよう。
 気を落とさず、恐れず、休まず、勇敢に、大胆に進もう」
 わが敬愛する貴大学が、無窮の栄光に包まれゆくことを、心よりお祈り申し上げます。
 カムサ・ハムニダ!(韓国語で「ありがとうございました」)(大拍手)
2009-09-05 : スピーチ・メッセージ等 :
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