フィリピン・国立南ルソン大学名誉人文学博士号授与式 

フィリピン・国立南ルソン大学「名誉人文学博士号」授与式      
                      (2009.6.29 創価大学本部棟)

 フィリピン共和国の環境保護活動をリードしゆく名門・国立「南ルソン大学」が29日、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に、同大学として日本人初の「名誉人文学博士号」を贈った。これは、人類の心の変革を成し遂げ、自然と人間の共存を一段と深めゆくSGI会長の哲学と行動を讃えたもの。授与式は同日午前、東京・八王子市の創価大学本部棟で行われ、南ルソン大学のセシリア・ガスコン学長、同国高等教育委員会のサタニーノ・オカンポ元コミッショナーが出席した。これでSGI会長に対する海外の大学・学術機関からの名誉学術称号は、「257」となった。

ガスコン学長の授与の辞

教育が根本との烈々たる信念で平和・非暴力に計り知れない功績


 平和の担い手たることを使命として掲げ、その遂行に真剣に取り組むフィリピン国立南ルソン大学は、現代において失われつつある社会、経済、教育、そして精神面での諸問題に取り組む必要性を深く認識しております。
 今、多くの政府が、構造的かつ慢性的な貧困、人類の結びつきと平和および、この世界に生きる人々の精神的・道徳的価値観の低下の問題に頭を抱えていると考えられます。
 従って、最も大変で困難な課題とは、人類の真の変革に持続的に取り組むことであります。
 しかし、自らの安穏を犠牲にしてまで、敢えてこの課題に取り組もうとする人は、ほんのわずかしかいません。
 こうした理由から、国立南ルソン大学は、世界との繋がりを広げながら、その必要不可欠な変革を実現するため、習得した知識と能力を社会に活かしゆく、模範となる生き方を掲げております。
 池田大作博士ご自身も語っておられるように、こうした模範の生き方こそ、人々に与えることのできる最高の教育であります。
 平和と人道的発展の探求に、教育は不可欠であります。
 池田博士は、スワミナサン氏との対談集「『緑の革命』と『心の革命』」で、ご自身の不朽の思想の一端を次のように紹介されています。「教育は、人間を幸福にしゆく智慧の光であり、社会を繁栄させゆく創造の力です。そしてまた、世界を平和にしゆく統合の力です」
 教育はあらゆる善の源であり、根本中の根本であります。ゆえに、池田博士の存在、そして博士の教育に対する信念が重要なのです。
 博士は、人間革命の精神を提唱し、人の心を育むことに力を注いでおられます。だからこそ、学生の皆様に、どのような理由であれ、決して暴力に訴え
てはならないと強調されています。
 この点に関して、池田博士は同書で、非暴力の模範として立ち上がった、わが国が誇るアキノ元大統領のピープル・パワー革命に触れ、血を流すことなく変革は成し遂げられると語ってくださいました。
 平和と利他主義の模範であられる池田博士は、最高の栄誉を受けるにふさわしい方です(大拍手)。
 博士は価値創造を理念としたSGIを設立し、世界192力国・地域におけるSGIメンバーの連帯を可能とされました。さらに、未来の地球市民の幸福のために、文化、教育、平和の分野における研究機関を設立されました。
 フィリピン国立南ルソン大学は、平和の提唱者であられる池田大作博士の、その計り知れないご功績と、他者のために捧げてこられたご生涯を、顕彰いたします(大拍手)。
 博士はまた、数々の名著を生んだ文筆家であられ、世界の識者との対話を通し、高潔な思想や理念を対談集という形で文字に残し、人々に大きな感銘を与えてこられました。それは、人類の心の変革と、人間の尊厳と友愛の復興に全力を傾ける博士の、真摯な取り組みの表れであります。
 さらに、教育こそ平和を実現し、人類を新たな段階へと進歩させるための方途であるとの烈々たる信念を掲げ、博士は各地に、世界市民を育成する教育機関を創立されした。そこに博士のお心の大きさ、善意は永遠に生続けるでしょう。
 そして、博士は、「楽観主義」を信条とし、世界を必ず人間主義と非暴力に向かわしめねばならないとの理念を持つ哲学者であります。
 より崇高な精神的価値と平和を生み出す博士のご行動は、自然と地球家族の創造的な共存を一段と深めるものです。
 その模範の人生と業績を讃え、フィリピン国立南ルソン大学は、最大の誇りと栄誉をもって池田大作博士に、本学の最高の栄誉である「名誉人文学博士号」を授与いたします(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

勇気の炎で前途を照らせ
教育こそ平和実現の王道
リサール博士
“あとに続く子らのために!”


 きょうの式典には、貴国からお迎えしている大切な留学生の英才をはじめ、学生代表も出席してくれており、うれしい限りです。

一歩でも前へ
 一、私の胸からは、貴国の英雄ホセ・リサール博士の、命を賭した、あの正義の大闘争の劇が、いつも離れることはありません。
 1888年の春、若き世界市民リサール博士が日本を訪れ、目黒をはじめ東京各地を逍遥し、庶民と生き生きと対話されたことも、詩情溢れる歴史であります。
 博士は叫ばれた。
 「人間の偉大さは、単に時代を先取りすることにあるのではない。真の偉大さとは、時代の要請を見極め、その必要性に応えて、社会が前進できるように導いていく中にこそある」と。
 その通りであります。なかんずく、混迷を深めゆく現代を照らす光明は、どこにあるか。
 それは、艱難に立ち向かって、汗まみれ、泥まみれになりながら、一歩でも二歩でも社会を前進させゆく、信念の人材の育成であります。
 リサール博士は、この教育こそを「第一の優先」とし、人類の平和と幸福を実現しゆく最も確かなる王道を開いてこられました。
 この博士の信念を継承し、未来の宝である青年を育て、正義と栄光の高みへ導いておられるのが、貴・国立南ルソン大学なのであります。
 本日、私は、光栄にも、貴国の聖なる山・バナハウ山から、「教育の世紀」へ、燦然たる希望と英知の光彩を放ちゆかれる貴大学より、最高に栄えある「名誉人文学博士」の称号を賜りました。
 これに勝る栄誉はございません。
 私は、創価教育の初代、2代の師匠に謹んでこの栄誉を捧げるとともに、貴国をはじめ世界で活躍する、わが創価教育の俊英たちと、喜びを分かち合わせていただきます。
 まことにまことに、ありがとうございました。

活字文化を守り抜け
英の作家
図書館はすべての人に開かれた宝庫


困難を乗り越え新図書館が完成
 一、貴大学の校章には、幾重にも深い意義が込められております。
 開かれた本は「知識」の象徴であります。
 ペンと巻物は「芸術と文化」を、また植物は「農林技術」の発展を、さらに原子は「科学」と「人的資源」の開発を、そして松明は「永遠の生命」を象徴しているとうかがっております。
 まさしく貴大学は、知性と創造性豊かな「全体人間」の陶冶をもって、地域社会、国家、そして人類への貢献を推進されているのであります。
 バナハウ山・サンクリストバル国立公園の環境保全と森林の再生に尽力され、「環境の世紀」をリードする大学としても、絶讃されております。
 この貴大学の目覚ましき大前進を、聡明なる名指揮で牽引してこられたのが、最年少の若さで学長に就任されたガスコン博士であられます。
 学長が就任後、真っ先に取り組まれたプロジェクトの一つは何か。それは、新たな図書館の建設でありました。
 学長ご自身、フィリピン大学で、尊い苦学を重ねられるなか、授業が終わるや否や、図書館に駆け込み、夜が明けるまで努力を続けられたとうかがっております。
 学長は、「図書館は私の人生の一部」とまで語っておられます。なんと誇り高き、向学の足跡でありましょうか。
 「この世で唯一、人間を真に平等にするものは、書物である。そして訪れるすべての人々に開かれた唯一の宝庫こそ、図書館なのである」
 これは、19世紀・英国の作家ランフォードの名言であります。
 私も同様の信条から、わが創価大学の建設において、図書館の拡充に力を注いでまいりました。
 戦争中、防空壕に入れて護った本も含めて、青春時代からの約7万冊の蔵書も寄贈しました。
 ともあれ、地味でありながら、図書館に満ち溢れる息吹こそ、“活字文化”を死守し、人類の精神遺産を光輝あらしめる力ではないでしょうか。
 貴大学の新たな図書館の建設には、当初、さまざまな困難が立ちはだかったといいます。
 しかし学長の烈々たる情熱が、教職員の心を動かし、さらに協力の輪を、保護者から政府関係者まで大きく広げていった。そして、ついに堂々たる新・図書館の完成となったのであります。
 私は感嘆いたしました。ただひたすら、「学生第一」の精神で献身されゆくその姿にこそ、この世で最も気高い人間教育者の真髄が光っているからであります。

「科学は人間の“心”を持て」
 一、学長は、森林農業(アグロフォレストリー)の研究でも、まことに高名であられます。
 一般的に森林は、針葉樹や広葉樹などが、適度に混じり合った混交林のほうが、生物の多様性に富み、樹木の健全な成長を促し、病虫害にも強いと言われております。
 人間の世界も、開かれた心で、異なる文化や多様な価値観から学び合うなかでこそ、豊かにして確固たる“精神の森”を築き上げることができます。
 私たちが、文明間の対話を促進し、世界市民教育に力を注いできた理由も、まさにここにあります。そしてこれこそ、日本の軍国主義と戦い獄死した、創価教育の創始者・牧口常三郎先生の悲願だったのであります。
 一、本日、ご臨席くださったオカンポ博士は、フィリピン教育界の黄金の柱として、不滅の功績を残してこられました。さらに農業教育の権威として、一貫して環境問題に警鐘を鳴らし、環境の向上に取り組まれていることも、まことに有名であります。
 オカンポ博士の信念の論陣を、私はあらためて思い起こしております。
 それは──科学は本来、「人間の幸福」と「社会の利益」のためにある。ゆえに「科学は、人間の“顔”と“心”を持たねばならない」との師子吼であります。
 政治であれ、経済であれ、すべての指導者が心すべき言葉でありましょう。
 今こそ、人類の一切の営みに、温かな思いやりのある人間の“顔”と“心”を取り戻さねばなりません。その究極の力こそ、貴大学と創価大学が共に目指しゆく「全体人間」の教育ではないでしょうか。

教育は“希望の種”を蒔く挑戦
 一、オカンポ博士がよく語られる、英雄リサール博士の精神があります。
 それは「なぜ、あなたは、大きな木の種を蒔き続けているのか。その花も果実も、あなたは見ることができないであろうに」との問いに対する答えであります。
 すなわち「この種が、木に育つまで私はいないだろう。しかし、私には、あとに続く子どもたちがいる。彼らが木の陰に座り、花の香をかぎ、その果実を味わうことができるのだ」と。
 教育こそ、一人一人の若き生命に“希望と勇気の種”を蒔きながら、人類のはるかな未来に、壮大な“平和と繁栄の森”を築きゆく挑戦でありましょう。
 あの偉大なる「ピープル・パワー革命」を勝ち開かれたアキノ元大統領は、勇敢なる夫君の言葉を通して語っておられました。
 「勇気は、臆病な心と同様、極めて伝染しやすいものです。覚悟を決めた、勇気ある人が、わずかでもいれば、その『勇気』は、多くの人々に影響を与えていくのです」と。
 私もまた、誉れある貴大学の一員として、貴国の民衆が灯された偉大なる勇気の炎を、愛する青年たちと共に受け継ぎながら、試練に挑みゆく人類の前途を明々と照らしていく決心であります。
 終わりに、創立50周年へ、勇躍、邁進されゆく“兄”である貴大学の、さらなる栄光と大発展を心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 マラミン・サラマッポ!(フィリピン語で「本当にありがとうございました」)(大拍手)
2009-06-30 : スピーチ・メッセージ等 :
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