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ブラジル・バレンサ大学からの名誉博士号授与式への謝辞

ブラジル・バレンサ大学からの名誉博士号授与式への謝辞   (2017年8月24日 ブラジル池田文化会館)

 ブラジル・リオデジャネイロ州に立つ最高学府「バレンサ大学」から、SGI(創価学会インタナショナル)会長の池田大作先生に同大学初の「名誉博士号」が贈られた。平和と教育への功績をたたえたもの。授与式は24日午後(現地時間)、サンパウロ市のブラジル池田文化会館で挙行され、アントニオ・セウソ・アウベス・ペレイラ学長、ジョゼ・ホジェリオ・モウラ・デ・アウメイダ・ネト教務部長、マリア・アパレシーダ・モンテイロ社会部長らが出席。ペレイラ学長からSGI訪問団の原田会長に学位記が代理授与された。また、同大学を設立した「ドン・アンドレ・アルコベルデ教育財団」(ジョゼ・ホジェリオ・モウラ・デ・アウメイダ・フィリョ総裁)から記念のメダルが贈られた。

ペレイラ学長の授与の辞(要旨)

池田博士は平和社会建設の方途を示す
青年を育て、差別を破り、対話を推進


 教育と世界平和のために、その生涯を捧げてこられた池田大作博士をたたえ、バレンサ大学から顕彰する機会を得られたことは、大変な栄誉であり、喜びであります。
 私たちは、総裁であるジョゼ・ホジェリオ・モウラ・デ・アウメイダ・フィリョ博士と本学教育研究改良普及審議会の代表として本式典に臨み、最高規範機関として、バレンサ大学より池田博士に対する、最高学術栄誉の桂冠である名誉博士号と「ドン・アンドレ・アルコベルデ教育財団」の記念メダルの授与を執り行います。
 授与されるこれらの桂冠は、総裁をはじめ、学長、教務部長、各学部長、教職員、学生の代表を含む大学の最高評議会の全会一致で採決されました。
 バレンサ大学は、優秀な教授陣を擁し、ブラジル教育省からも高い評価を受けております。学士課程だけでなく、大学院でもさまざまな分野での研究、地域に広げた活動を展開し、生活を変革しゆく高水準な教育を行い、半世紀の伝統を持っております。また付属高校も有しております。さらに今回の池田博士へのバレンサ大学からの名誉博士号の授与は、開学以来、初の快挙であることも強調しておきます。
 博士の国際的な偉業、人類のための貢献に対し、感謝の思いを表さずにはおれません。ここで、僭越ながら私自身のエピソードをお話しします。
 私の池田博士との初めての〝出会い〟は、その著作を通してでありました。美しい文章、写真と詩文のハーモニー、人権を守る人間主義の書に、心酔いたしました。
 1998年に池田博士とご家族に直接、お会いする栄誉に浴しました。今と同じく、荘厳な式典でありました。当時、リオデジャネイロ州立大学の総長として同大学の名誉博士号を、池田博士に自ら授与したのです。
 その際、創価大学や創価学園を訪問。日本文化に直接触れ、日本の美を間近で見ることができ、高い水準の科学技術などに接しました。人生で本当に貴重な瞬間となりました。
 創価大学や創価学園には、今でも鮮やかで素晴らしい印象が残っております。荘厳な建物や立派な研究施設、文化や環境への配慮、教職員・生徒との交流など、大変にありがたい経験となりました。
 傑出した教育者であられる池田博士は、同じく希代の教育者であられた牧口常三郎先生、戸田城聖先生の後継者として、1960年5月3日に創価学会第3代会長に就任されました。
 本日(8月24日)は、池田博士の創価学会へのご入信70周年です。大変におめでとうございます!
 私たちも、この重要な日を、皆さんと共に迎えられたことを心からうれしく思います(大拍手)。
 バレンサ大学をはじめ私たち一人一人は、特に意義あるこの日を祝福申し上げたい。
 池田博士は、日本やブラジルの創価学園、日本やアメリカの創価大学、6カ国の創価幼稚園という教育システムを築かれました。
 博士は、人間の尊厳のためにその身を捧げられ、最も根源的な人類の価値のために、世界の識者との〝心の対話〟に尽力されています。
 今や世界190カ国・地域以上に展開するこの仏教団体は、素晴らしい文化、教育、環境保護、人権擁護、そして世界平和の運動を推進しています。
 私は、2012年に創価学会の機関紙である聖教新聞のインタビューを受けました。
 その際、ブラジルSGIがブラジルに対して果たした素晴らしい功績について、私の意見を述べさせていただきました。
 1960年に結成されて以来、ブラジルにおいて特筆すべき重要な精神的、教育的な功績の実現についてであります。
 ブラジルSGIは、平和の文化の創造という目的をもって、青年を育て、社会にまん延する差別を打ち破り、自然との調和に根差した生命の価値を教え、日蓮仏法の哲学を根幹とした真実の人間革命を推進してこられたのです――と。
 今日、同SGIは日系子弟のみならず、ブラジル人にも広がり、社会から多くの称賛を受けています。
 池田博士が〝人間への尊厳こそ、文明の根幹をなす価値である〟と特に強調されていることは、特筆すべきです。同時に博士は、戦争による人類の遺産の破壊、核兵器の保有、国際的なテロ、人権軽視や国際法の侵害など、目まぐるしい歴史的な出来事に対して、早急な対策を呼び掛けています。
 なかでも、博士の世界平和のための提案は、核兵器廃絶、安全保障の拡大、平和の文化のための教育など、国連の改革に向けられています。
 このように、博士は第3の1000年の初頭を進む我々に、平和と共存のグローバルな社会建設の方途を示されています。池田博士は世界平和への模範的な長きご生涯にあって、常に核兵器のない世界の創出、対話による国際紛争の解決などを模索されてきました。
 平和の文化のため、人間のために、生涯を捧げられた哲学者、教育者、小説家、詩人、ヒューマニストである池田大作博士に、バレンサ大学名誉博士号を授与することを、ここに宣言します。
 大変にありがとうございました(大拍手)。

謝辞(代読)

人生の総仕上げの事業は教育
ソクラテスとプラトンの如き対話の金波を広げよ
我らの運命を変える力は我らの哲学にあり ブラジルの大文豪


 一、今、私の心は、太平洋の大海原を越え、そびえ立つアンデスの大山脈も越え、「リオデジャネイロ州の誇り」と讃えられる英知の府・バレンサ大学の栄えある授与式に臨ませていただいております。
 そして、敬愛してやまぬペレイラ学長から、最大の感謝を込めて「名誉博士号」を拝受しております。
 誠に誠に、ありがとうございました。(大拍手)
 嬉しいことに、この会場には、わがブラジルSGIの同志も駆け付けてくれております。
 私の誇りの宝友たちと、この栄光を分かち合えることは、何ものにも代え難い喜びなのであります。
 奇しくも、きょう8月24日は、1947年、19歳だった私が、恩師・戸田城聖先生と共に、平和建設の大航路に出立した原点の日であります。師は第2次世界大戦中、軍部政府の弾圧による2年間の投獄にも、断じて屈しませんでした。
 出獄後、「地球民族主義」の理念を青年に示し、最晩年の57年9月8日には、原水爆を「絶対悪」として厳しく断じ、その全面禁止を求める先見の「原水爆禁止宣言」を遺訓として発表しております。
 折しも、この7月、国連では核兵器禁止条約が採択され、被爆者の方々をはじめ幾多の先人の命を賭した叫びが、いよいよ世界の思潮となりゆく、一つの結実を見ました。なかでも、貴国・ブラジルは、長年、ラテンアメリカやカリブ海の国々と共に、核兵器を禁止する条約の制定を先導されております。
 なかんずく、人権の確立を求め、国連改革を訴えてこられた国際法の権威・ペレイラ学長がリーダーシップを執られる先駆的な大学こそ、貴大学であられます。その最高峰の英知の宝冠を、師弟の出会いより満70年のこの日に賜り、恩師に捧げることができました。これほどの誉れはありません。
 重ねて、重ねて御礼申し上げます。(大拍手)
 一、本日は、わが愛するブラジルの青年たちと一緒に、貴大学が刻んでこられた偉大な歴史を仰ぎつつ、21世紀を担いゆく若き世界市民の指標を3点にわたって確認し合いたい。

人間的価値創造が可能性を開く
 第1は、「対話の金波を広げる哲人たれ」という点です。
 貴大学は、半世紀前の67年に開学した「バレンサ哲学科学文学大学」が前身であると伺いました。貴大学の創立の志が、その名に表れています。
 〝我らの運命を変える力は、我らの哲学にあり〟とは、大文豪アシスの信念でありました。
 確固たる哲学の柱を抱いた青年の「人間的価値の創造」こそ、無限の可能性を開き、世界をも変えていくのであります。そしてそれは、かの大哲学者ソクラテスと弟子プラトンの如く、全人格を傾けた対話を通して共に真理を探求しゆく中で、成し遂げられていくのではないでしょうか。
 貴大学は、まさにそうした対話にあふれた人間教育の宝城であります。
 大学首脳と学生の代表が「バレンサ大学とコーヒータイム」と呼ばれる交歓会を開いて、大学や学部・学科の在り方や課題、そして今後の発展について闊達に語り合うことも、素晴らしき校風であります。
 ブラジルの創価の青年たちも、いやまして朗らかに対話の金波を起こしながら、生命尊厳の哲学のスクラムを広げていってほしいのであります。

危機に直面した時が建設の好機
 第2に、「危機にたじろがぬ社会建設の先導者たれ」と申し上げたい。
 教育が正しい人を創り、その人が正しい社会を創っていく――この電源地こそ、大学です。
 特にグローバル化の進む現代にあっては、世界の出来事が直接、困難となって個人に降りかかることも、多々あります。
 だからこそ、ペレイラ学長の洞察が、実に含蓄深く、胸に迫ってきます。
 すなわち、「危機に面した時に大切なことは、『新たなものを建設する時である』と決断することであり、それが人類の新たな歴史の局面を形成しゆく新たなパラダイムといえる」と。
 そして貴大学は、危機にたじろがず、むしろ新たな建設の好機として、「文化的な創造力」「学術面の向上心」を発揮し、社会の発展に貢献する人材を育成されているのであります。
 先哲の金言には、試練の時に「賢者はよろこび愚者は退く」とあります。ブラジルの若き賢者の喜びあふれる連帯が、新たな地球社会を建設しゆくことを、私は確信してやみません。
 第3に、「力を合わせて地域発展の道を開け」と訴えたい。
 わが憧れのバレンサ市の歌には、「バレンサの天空の光/それは、卓越した灯台なり。/ああ、わが故郷よ!/あなたの子どもであることこそ/無窮の栄誉なり」と歌われております。
 貴大学は、この麗しき故郷バレンサの地域社会の要請に応えつつ、伝統の教育学部から始まり、堅実に学部を増やし、総合大学に発展してこられました。
 とりわけブラジル有数の医学部、リオ州トップクラスの歯学部・獣医学部・看護学部を備え、健康増進プログラムや低所得者のケアに力を注ぐ、地域に不可欠な医療センターとなって大いに信頼されていることも、よく存じ上げています。(大拍手)
 地域が抱える諸課題に応じ、その解決に尽くしゆく貴大学の挑戦と、民衆に貢献されゆく貴校の卒業生の活躍こそ、新たな時代を照らし晴らす卓越した英知の灯台なりと、皆で大拍手を送ろうではありませんか!(大拍手)

地域貢献のモデルをブラジルから!
 一、ブラジル文学アカデミーのアタイデ元総裁は、私との対談で、「人間が他の人と仲良く社会、地域の繁栄を考え、目指し、ともに暮らしていくために教育がある」と語られておりました。わがブラジルSGIもまた、地域貢献・社会貢献のモデルを全世界に、仲良く聡明に、一段と示し切っていただきたいのであります。
 思えば、貴大学の源流を成す尊き教育の先人ドン・アンドレ・アルコベルデ先生が、1925年にバレンサの地に赴任して最初に行ったこと――それは、地域の未来を育む小学校と高校を創ることであります。
 私もまた、若き日から人生の総仕上げの事業は教育と心に定めてまいりました。恩師の夢を実現する創価教育の学園を創立してからは、50年となります。
 ご存知のように、ここブラジルの天地にも創価学園が誕生し、頼もしき英才たちが陸続と学び育っております。
 今日よりは、栄光ある貴大学の陣列に連なり、さらに愛するブラジル社会の発展と世界の平和のために尽力していくことをお誓い申し上げます。
 その決意を、リオ出身で、ブラジル初の児童図書館を創立された詩心の女性リーダー、セシリア・メイレレスの信条に託させていただきます。
 すなわち――「人類の平和も、一人一人の幸福も、思いがけずに享受するものではない。それは、明晰に時間をかけて育んで果たすべき課題である。一人一人の確固たる平和とともに世界の平和をつかみとるのだ」
 次の50年へ、敬愛するバレンサ大学に栄光あれ! 勝利あれ!
 大好きなブラジルに幸福あれ! 平和あれ!
 ムイト・ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変に、大変に、ありがとうございました!」)(大拍手)
2017-09-01 : スピーチ・メッセージ等 :
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