随筆 民衆凱歌の大行進 27 御書根本の勝利道を

随筆 民衆凱歌の大行進 27               (2015年9月6日付 聖教新聞)

御書根本の勝利道を

生命尊厳の大哲学を学び抜け!
尊極なる「心の財」を わが胸中に


 この度の記録的な豪雨で被災された茨城、栃木、宮城、また埼玉、福島など各地の皆様方に、心からお見舞い申し上げます。
 皆様のご健康と、一日も早い復興を祈ります。
 日蓮大聖人は「わざは(禍)ひも転じて幸《さいわい》となるべし」(御書1124㌻)と仰せになられました。
 甚大なる被害にご苦労は絶えないでしょうが、妙法の「変毒為薬」の功力は絶対です。どうか、断固と乗り越えてくださるよう、私も題目を送り続けてまいります。

師と法を求めて
 御書には「妙とは蘇生の義なり」(947㌻)と説かれる。
 戦後の大混乱の中で、昭和22年(1947年)の8月に仏法に巡り合った19歳の私も、初信の功徳として、この蘇生の力を深く実感した。
 当時、私は肺病ゆえ、しばらく前から、仕事を辞めて休まざるを得なかった。しかし、入信した翌9月から、地元の蒲田工業会に採用され、再び働き始めることができたのである。まだ血痰が出たが、東洋商業(現・東洋高校)の夜間部へも通い、学んだ。
 そんな折、私は、戸田先生が法華経の講義をされていることを知った。先生が戦時中、軍国主義と戦って投獄されたことを入信前に聞いて敬慕の念を強くしていた私は、もっと先生のことを知りたい、仏法を教えていただきたいと熱願した。
 先輩に相談すると、入信したばかりで、まだ正式の受講者にはなれないが、聴講はさせていただけるという。
 私は、一人決意して、西神田の学会本部に馳せ参じたのである。戸田先生の法華経講義は、第5期に入っていたようだ。
 会場の一隅で、全身を耳にして聴いた法華経講義が終わり、感動の余韻さめやらぬ時であった。
 戦前、幹部であったという夫妻が、戸田先生の前に正座したのである。居残っていた10人ほどの人は、粛然と、水を打ったように静かになった。
 夫は、戦時中の学会弾圧で投獄され、耐えきれずに退転してしまった。妻は、夫が信念に殉ずるより、ただ早く帰ってきてほしいと哀願した。
 二人は、戸田先生に、懺悔の思いを吐露するとともに、新しい決心で広宣流布のために働く覚悟を語ったのである。
 だが、戸田先生の言葉は誠に峻厳であった。
 「信仰は自由である。しかし、今後も学会には、さらに激しい弾圧の嵐がある。その時にまた、臆病に退転するようなら、学会の邪魔になる」と。
 その厳父の声は、若き私の命に突き刺さった。
 信仰とは、かくも強く深いものなのか! 
 師弟とは、かくも正しく厳しいものなのか!
 この夫妻も、師の叱咤を抱きしめ、学会と共に信心を貫いていった。
 戸田先生は、「難を乗り越える信心」を、学会永遠の魂として私たちに残してくださった。
 いかなる大難にも障魔の嵐にも揺るがぬ勇気こそ、信仰の真髄である。
 そして、そのために、先生は、〝剣豪の修行〟にも譬えられる、厳格な「行学の二道」の鍛錬を、学会精神の根幹とされたのである。

境涯を開く戦い
 その後、戸田先生の事業が窮地に陥る中、師を支え、私は必死に戦い抜いた。それは御書を心肝に染めての闘争だった。
 特に「観心本尊抄」は同志と共に取り組んだ。
 日蓮大聖人が佐渡流罪の真っ直中で、万人成仏の原理を「受持即観心」として明かし、法本尊を開顕された重書中の重書である。
 この折の日記には、「夜、『観心本尊抄』 の読み合わせ。いかに、事業難とはいえ、信心と教学だけは、忘れてはならぬ」との真情を記した。
 一日、戦い切って、深夜、体を引きずるように帰宅し、御書を開いた。声に出して拝読し、感銘した御文を日記に書き写すと、確信が湧き、一段と祈りに力がこもった。不屈の闘志があふれた。
 今でも、恩師の厳愛の声が耳朶に響いてくる。
 「疲れた時にこそ、御書を拝読していけ!
 たとえ一行でも、二行でもよい。御書を拝して、自らの境涯を、もう一歩、開くのだ」
 広布の戦いの中で御本仏の大境涯に触れれば、わが境涯も開かれる。大空のように広く、大海のように深い、師子王の心を取り出していくことができるのである。
 今月27日には「青年部教学試験1級」が、11月には「教学部任用試験」が実施される。
 受験者の方々全員が「求道即勝利たれ」「人生凱歌の博士たれ」と、私は真剣に祈っている。
 共に学び教える先輩方をはじめ、陰で支えてくださる皆様方に、心から感謝を申し上げたい。「冥の照覧」「陰徳陽報」は絶対である。

徹した人は強い
「観心本尊抄」といえば、東北は宮城の青年と学び合った思い出がある(昭和47年7月)。
 「観心」とは、結論すれば「信心」である。
 強盛な信心によって、鏡に映すように自分の生命を知り、胸中の宮殿を開くことができる。
 そして御本尊を「法華弘通のはたじるし」(御書1243㌻)として、我らは、自他共の幸福と平和を、どこまでも広げゆくのだ。これが広宣流布である。
 私は「広宣流布の総仕上げを!」と託した東北の若人たちに、「最後の総仕上げができるのは、地道に一つのことを繰り返した人です」とも訴えた。
 青年時代に、「行学」に徹した人は強い。負けない。揺るがない。
 御本尊を信受した若人は、必ず社会で地域で、朗らかに勝利の太陽を昇らせていけるのだ。

地涌の宝塔林立
 今回、教学部任用試験の教材の一つになっている「阿仏房御書」には、こう仰せである。
 「末法に入《い》って法華経を持《たも》つ男女《なんにょ》の・すがたより外《ほか》には宝塔なきなり」(御書1304㌻)
 仏界の生命は、あらゆる人に平等に具わっている。妙法を持った誰もが尊極の宝塔なのだ。
 宝塔の生命を輝かせることに、人種も、出自も、民族も、性別も、貧富も、何一つ妨げにはならない。そして一人ひとりが生命の輝きを放つことで、いわば 〝宝塔の林立〟によって、社会も、世界も、人間主義の大光で包んでいくことができるのである。
 今、SGI(創価学会インタナショナル)では、世界の各地で教学研修会が開催されている。
 ある一人のリーダーは、研修に臨んで、自らの父の体験を語った。
 ――十分な教育機会を得られず、字を書くのが苦手だった父が、教学試験を機に発心し、猛勉強を開始した。実践の教学を重ね、遂に「教授」になった。字も達筆と讃えられるまでになった。
 地位や肩書など問わず、万人に「学びの場」を開き、正義と平和の「教授」を育て上げるのが、SGIの教学運動である、と――。
 今夏も、アジア、南北アメリカなど各地で研修会が行われた。イタリア・ミラノ郊外での欧州教学研修会には、31カ国500人が勇んで参加。その6割が青年部である。
 さらに今月、世界60カ国・地域から、SGI青年研修会のために、代表の若人たちが熱き求道の魂で集ってくれた。
 今回は、世界の〝華陽姉妹〟 が、「行学の二道」に励んでつかんだ実証を語り合う体験談大会も、明るく意義深く行われた。
 私は、世界広布のバトンを託すべき、宝の青年たちにお会いし、励まさずにはいられなかった。
 本門の新時代を開き、人類の未来に「勇気」と「人材」と「団結」の光を送るのは、生命尊厳の大哲学を掲げる、若き創価の世界市民である。

行学二道を励め
 この世における「最上の富」とは何か。
 釈尊の答えは明快だ。
 「信仰が人間の最上の富である」「智慧によって生きるのが最高の生活である」と。
 内なる「最上の富」を、自他共に輝かせゆくために仏法がある。
 大聖人が教えられた通り、「蔵の財《たから》」も「身の財」も大事ではあるが、それが即、幸福を約束してくれるものではない。しかし、「心の財」――心に積んだ福徳は、何ものにも崩されない。断じて壊されない。
 生老病死の苦悩を打開する智慧も、常楽我浄の人生を開く勇気も、わが生命に具わっている。その内なる宝蔵を開け放つ修行が「行学の二道」であることを、あらためて確認しておきたい。
 「自行化他の実践」と「御書根本」――この両輪で広布と人生の勝利の正道を進むのである。
 さあ御書を繙き、世界最高峰の大思想を学び抜け! その確信と喜びを語れ! 人類が希求してやまない「平和の地球《ほぢ》」を、誇りも高く、共に創りゆこうではないか!


 師弟して
   御書のまま生き
    黄金《きん》の道


釈尊の言葉は中村元訳 『ブッダのことば』 岩波書店。
2015-09-23 : 随筆 民衆凱歌の大行進 :
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韓国・慶南大学 「名誉教育学博士号」授与式への謝辞

韓国・慶南《キョンナム》大学 「名誉教育学博士号」授与式への謝辞
       (2015.9.25 創価大学記念講堂)

 きょう21日は、25年前、池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長が韓国を初訪問した日である。この節目を寿ぐように、韓国・慶南大学から創価大学創立者のSGI会長に、名誉教育学博士号が贈られた。授与式は20日、東京・八王子市の創大記念講堂で開かれた「創価教育同窓の集い」に続いて挙行され、慶南大学の朴在圭総長、同総長夫人の北韓大学院大学・金仙香理事長、李鍾鵬慶南大学対外副総長、宋炳周同大学院長、崔鎬成同教育学部長、朴廷鎭同対外交流所長らが列席。学位記が創大の池田博正最高顧問に託された。
 日韓国交正常化50周年、SGI会長の韓国初訪問25周年と、幾重にも意義ある節目に贈られた栄誉──。
 式典では、“母校”に集った同窓の友の瞳が輝き、祝福の大拍手が響き渡った。
 穏やかな笑みをたたえ、壇上から見守る慶南大学の朴在圭総長。
 「真剣に傾聴する様子、また、拍手一つとっても本当に団結した、母校愛にあふれた創価教育同窓生の姿に大感動しました。このような素晴らしい式典を実現してくださった池田先生に、心から感謝申し上げます」
 政治学者の朴総長は韓国における南北統一問題研究の第一人者。自ら設立した同大学の極東問題研究所は、米国やドイツの研究所とも連携する、平和分野における世界有数の機関として発展する。
 また、政府の要職も歴任。2000年には統一部長官(大臣)として初の南北首脳会談の実務を担うなど、40年以上にわたって、韓・朝鮮半島、北東アジアの安定のために尽力してきた不屈の“平和の人”である。
 その朴総長が、SGI会長への賛辞を惜しまない。「先生はあまりにも偉大な方です。その思想・哲学、平和のための行動は、世界的に賞讃されている通りです。全てにおいて大先達なのです」


朴総長の授与の辞

私たちの新たな連帯は韓日の発展に大きく貢献

 尊敬する池田大作SGI(創価学会インタナショナル) 会長、創価教育同窓生、ご列席の皆様。
 本日は、価値創造の哲学を掲げ、人材育成に尽力されてきた池田会長に、「名誉教育学博士号」を授与させていただく、大変に喜ばしい日です。
 大韓民国・慶南大学は、池田会長が成し遂げられた業績と崇高な精神を高く評価し、今回の授与を決定しました。
 慶南大学は、創立70年の歴史と伝統を誇る私学の名門として、また、韓・朝鮮半島の統一と、世界平和の建設に寄与する世界的な教育機関として、広く知られております。
 13万人におよぶ慶南家族一同、池田会長の「名誉教育学博士号」ご受章を、心よりお祝い申し上げるとともに、慶南大学の一員になられたことを大変にうれしく思っております。
 皆さんが尊敬してやまない池田会長は、仏法哲学者であり、平和建設者であり、透徹した教育実践家です。
 また世界54カ国・地域を訪問され、約7000人の世界の指導者と友好を結ばれ、1600回以上の対談を交わされた世界の精神的指導者です。
 仏法を基調とした人間主義の哲学を宣揚するため、世界の大学・学術機関で行われた講演は、32回に上ります。
 さらに池田会長は、「国連平和賞」「タゴール平和賞」を受賞。また、韓国の「花冠《ファグァン》文化勲章」、「イタリア共和国功労勲章グランデ・ウッフィチャーレ章」、「オーストリア科学・芸術名誉十字章勲一等」、ブラジルの「南十字国家勲章コメンダドール章」、ロシアの「友好勲章」など、世界23カ国から国家勲章を受章されました。
 ここであらためて、教育と学術の分野で池田会長が成し遂げてこられた業績を反すうしたいと思います。
 まず第1に、池田会長は創価中学・高校の創立をはじめ、創価大学、そしてアメリカ創価大学など各種教育機関を創立され、価値創造の「創価精神」、すなわち平和とヒューマニズムの人材を、一筋に育成してこられました。
 池田会長は、“教育こそが、相互共生の自覚と、全ての生命共同体に対する責任感を育み、人間性を涵養する。そして一人一人の創造性を開花させ、社会の発展に貢献する”と言われてきました。
 これは「人格教育中心の“創造的リーダー”を育成する」との、わが慶南大学の教育理念とも通じております。
 第2に、東洋哲学研究所、民主音楽協会、東京富士美術館、池田国際対話センター、牧口記念教育基金会、戸田記念国際平和研究所など、平和・文化機関を設立され、世界平和の維持と文化の振興に大きく貢献してこられました。
 第3に、世界的な歴史学者であるアーノルド・トインビー博士との対談集『21世紀への対話』をはじめ、膨大な著作を執筆されています。海外出版は世界各地に広がり、40以上の言語に翻訳され、共感を呼んでいます。
 そればかりでなく、「桂冠詩人」の称号や、「世界平和詩人賞」などが贈られています。このように、多様な文化創作活動で、世界の人々に感銘を与えているのです。
 第4に、1985年と89年に南北首脳会談を、94年には韓・朝鮮半島の非武装地帯に「国連アジア本部」の新設を、また本年には、日中韓首脳会談の早期再開を提唱されるなど、東アジアの平和と、韓日の未来的価値の創造のため、長年にわたり、努力してこられました。
 本日、我々は世界的に広く認められ、卓越した業績を残してこられた池田会長に「名誉教育学博士号」を授与させていただきました。
 わが慶南大学は大変に誇りに思い、来賓の皆様と重ねてお祝い申し上げる次第です。
 今後、慶南大学は、創価大学と交流協力関係を強固にしながら、世界平和とヒューマニズムに基づいた人材育成に、さらにまい進してまいります。
 私たちの新たな連帯は、韓日関係の発展はもちろん、世界の繁栄と平和建設に大きく貢献すると確信します。
 最後に、重ねて本日のご受章を、心よりお祝い申し上げるとともに、ご列席の皆様の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
 大変にありがとうございました(大拍手)。

池田大作SGI会長の謝辞

民衆の幸福と世界市民の共生へ 信頼する友と「負けじ魂」で進め

逆境で希望創る教育の力
朴総長
人類の夢を実現する「可能性の時代」が到来

 一、貴国・韓国から、創価大学に最初の留学生をお迎えしたのは、30年以上前のことになります。その妹さんも創価女子短大に留学し、二人のわが子の立派な成長を喜ばれたお母さまは、韓日の万代の友好を願い、母校のキャンパスに、韓国の国花・無窮花《ムグンファ》(ムクゲ)の苗木を500本も贈ってくださったのです。
 尊き母の真心の無窮花も咲き誇る秋の創価大学に、尊敬してやまない偉大なる韓国の教育者・朴《パク》在圭《チェギュ》総長、また令夫人であられる金《キム》仙香《ソニャン》博士をはじめ、諸先生方を、お迎えすることができました。
 そして本日、北東アジアの「平和研究の雄」として名高い、伝統輝く貴・慶南大学より名誉教育学博士号を賜り、これほどの光栄はございません。
 この最高に栄えある「教育の宝冠」を日本中、世界中から母校に戻ってきてくれた、不二の同窓生たちと共に拝受できることは、私にとりまして何ものにも代え難い喜びであります。
 とともに、創立者として、私は、この誉れを、お子さん方を創価の学舎《まなびや》に送り出してくださった、すべての父上、母上たちに、尽きせぬ感謝の心で捧げさせていただきたいと願っております。
 かくも素晴らしき栄誉を、私たち創価同窓に贈ってくださった朴総長の寛大なご厚情に、心より御礼を申し上げます。
 誠に誠に、ありがとうございました!(大拍手)

大逆転の劇を!
 一、朴総長の卓越したリーダーシップのもと、貴大学は、韓・朝鮮半島の統一と平和を探求する、最高峰の教育・研究機関として、さらには先進的な世界市民教育の学びの城として、目覚ましい躍進を遂げられております。
 風光明媚な天地に広がり、、韓国の“美しい大学キャンパスー10選”にも選ばれております。
 貴大学の崇高なる平和教育、そして、朴総長の高邁なる模範の行動に学ぶことは、あまりにも多くあります。朴総長は大きく歴史を俯敵されて、「21世紀」は、人類の夢を一つ一つ実現していける「可能性の時代」に入ったと、洞察されています。
 そして北東アジアの平和を、長年にわたり希求されてきた観点から、難題の山積する「問題の地」を、むしろ「可能性と希望の地」と見る「発想の転換」が必要であると、指摘されているのであります。
 私は感銘しました。人生においても、社会においても、立ちはだかる試練を前に、「不可能」と決めつけて、諦めてしまえば、それまでである。
 しかし、どんな困難も、打開できないわけがないと一念を定め、挑戦していけば、そこから、未だかつてない「可能性」を引き出し、「希望」を創りあげることができる。
 まさに朴総長は、この大転換の劇を、自ら堂々と歴史に刻みつけてこられたのであります。
 闇が深ければ深いほど、いやまして明るい希望の太陽を昇らせてみせる──この大逆転にこそ、教育の真髄があり、ロマンがあるといっても、過言ではないでしょう。
 平和の信念に殉じた創価教育の父・牧口常三郎先生が望まれていたのも、いかなる逆境にあろうと、そこから美・利・善の価値を創造し、新たな活路を開拓していく人材の育成でありました。

人間連帯の広場
 一、貴大学は、東西冷戦末期の1980年代後半、韓国で初めて中国に学生を派遣されました。
 さらに、当時のソ連の大学とも交流の道を開かれております。
 一貫してグローバル化を推進され、「お互い助け合い、分かち合う」世界市民の知恵を涵養しておられるにことに、私たちは心からの敬意と共鳴を表したいのであります。
 わが創価大学の1期生として学んでくれた、最優秀の在日韓国人の女子学生に、私はこう書き贈ったことがあります。
 「元来、人間には国境なぞなかった。それが、いつしか人為的に国境がつくられていった。ゆえに、私共は、国境の奥の次元の人間連帯に到達し、生きゆくことを忘れまい」と。
 大学こそ、国家も、民族も、文明も、思想・信条も、ありとあらゆる差異を超え、「生命の尊厳」という最も高い次元から、英知と人道の結合を、未来へ広げゆく究極の人間連帯の広場なのであります。

断じて朗らかに
 一、慶南大学のシンボルは「汗馬《ハンマ》」。すなわち司馬遷の『史記』などにも登場し、一日千里を駆けると謳われる、名馬「汗血馬《かんけつば》」のことであります。
 激しい戦いにも、厳しい風雪にも、赤き血潮の如き汗を流しながら、広大な大地を、疲れを知らず、強靭な忍耐力で走り抜く──。
 この名馬に象徴される貴大学の精神について、朴総長は「わが人生の目標を必ず成し遂げるとの不屈の意志と希望を持ち続けていくこと」であると語られています。
 きょう集われた皆さん方は、職場においても、地域社会においても、いよいよ重い責任を担い立っていく年代に入っています。厳しい現実の中で、重圧に押しつぶされそうになることがあるかもしれない。病気との闘いもあるでしょう。
 しかし、私の恩師もよく言われました。「どんな辛いことも、後になれば、大したことではなくなる。必ずや、あの時、頑張り抜いて本当によかったと、爽やかに思い返せるものだ」と。
 皆さんには、創価教育の負けじ魂がある。絶対に信頼し合える同窓の友がいる。そして、皆さんの栄光を、何よりの喜びとしてくれる、尊き無数の父母たちの祈りがあり、熱烈な声援があります。
 途中に何があろうが、嘆かず、焦らず、へこたれず、自分らしく断固として朗らかに走り抜いていただきたいのであります。
 現代韓国を代表する詩人の高銀《コウン》先生は、謳われました。「道がない! ここからが希望だ。/息が詰まりそうになっても、ここからが希望だ。/道がなければ、道を切り開きながら進むのだ。/ここからが歴史だ」と。
 さあ、きょうから、また新たな出発です。
 尊敬する慶南大学の先生方と手を携えながら、無限の希望に燃えて、民衆の幸福の道を、世界市民の共生の道を、人類の平和と繁栄の道を、共々に開いていこうではありませんか!
 明年、晴れの創立70周年を迎えられる貴大学の無窮の大発展、そして、ご出席のすべての皆様方のますますのご健勝を、心からお祈り申し上げ、私の御礼とさせていただきます。
 テダニ・カムサハムニダ!(韓国語で「大変に、ありがとうございましたした」(大拍手)
2015-09-23 : スピーチ・メッセージ等 :
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新時代第5回全国男子部幹部会へのメッセージ

新時代第5回全国男子部幹部会へのメッセージ
       (2015.9.20 北海道池田記念講堂)

 「新時代第5回全国男子部幹部会」が20日午後、札幌市厚別区の北海道池田講堂で意気高く開催された。これには、正木理事長、橋元青年部長、竹岡男子部長をはじめ全国各方面の男子部長らが、全道各地から駆け付けた3500人の友と出席した。池田名誉会長は祝福のメッセージを寄せ、北海道男子部の模範の奮闘を最大に賞讃。勇敢なる開拓精神を漲らせ、青春勝利のスクラムを勝ち広げていってほしいと念願した。
 涼風が包む北海道池田講堂。稚内、釧路、函館……。日本一広大な北海道の各地から続々と参加者が集ってくる。天売島などの離島から駆け付けた友も。
 晴れやかな顔、顔、顔。どの表情も、勝利して幹部会を迎えた喜びに満ちていた。
 幹部会は映像企画でスタート。会場の視線が、スクリーンに注がれる。「北海道は、牧口先生、戸田先生、なかんずく第三代の私が心血を注いで築いた大地だ」。だから──「『三代城』なんだよ」。
 池田名誉会長の言葉とともに、北海道広布の歩みを紹介する映像が映し出された。
 戸田第2代会長は1954年、自らの故郷・厚田を名誉会長と訪問。その帰路、師は弟子に託した。「大作、頼む。私の故郷である北海道の友を、幸せにしてあげてくれ」と。
 恩師亡き後、名誉会長は77年、再び厚田へ。師弟の約束を果たすため、”法華経は冬の信心である。冬は必ず春となるのだ”と、北海道の同志に訴えた。

メッセージ

新しき拡大の潮流を
戸田先生
「若き力によって大事業は成就する」

 一、世界広布新時代に聳え立つ三代城で、堂々たる男子部幹部会、誠におめでとう!
 今、私の胸には、愛する北海天地の青春の大勝利宣言が轟き渡っております。日本一の折伏、本当におめでとう!
 私の心は、愛弟子の諸君と共に歌い、共に舞い、共に太鼓を打ち鳴らし、共に勝ち鬨をあげゆく思いで、全てを見守っております。
 広大な北海天地の各地から集った皆さん、きょうを目指し、努力と挑戦を重ねてきた出演者の皆さん、誠にご苦労さまです。また、宿命を大使命に変えた力強い活動報告も、陰で一切を支えてくれている役員の皆さんも、ありがとう!
 そして、この青年たちを真心から応援してくださっている、北海道広布の尊き父母に、最大に感謝します。
 一、初代・牧口先生が線を引かれた御書の一節に、「師檀(師匠と弟子)となる事は三世の契り」(1070㌻)とあります。
 まさしく三代城は師弟の城です。限りなく後継の青年が続く師子の大城です。
 牧口先生も、第2代戸田先生も、北海道で青春勝利の歴史を残しまし
た。第3代の私も、北海道の青年と共に、破邪顕正と広布拡大の大勝利の歴史を開きました。
 そして60年──。三世に渡る宿縁深き、北海道の後継の君たちが今、全国、全世界をリードする大闘争をしてくれていることほどうれしいものはない。
 一、日蓮大聖人は、「各各師子王の心を取り出《いだ》して・いかに人をどすともをづる事なかれ、師子王は百獣にをぢず・師子の子・又かくのごとし、彼等は野干《やかん》のほう(吼)るなり日蓮が一門は師子の吼るなり」(御書1190㌻)と仰せです。
 若くして妙法を持ち、創価の師弟に生きる君たちは、一人も残らず、師子です。
 諸君が「全ては勝利のために」と誇り高く掲げたように、いかなる悩みも困難も、全てを変毒為薬して、人生勝利のための糧としていけるのが、信心です。ゆえに、何があろうと、一歩も退《しりぞ》いてはならない。
 どうか、南無妙法蓮華経の師子吼を朗々と唱え抜いて、忍耐強く前へ前へと進み、職場でも、地域社会でも、広宣流布の戦いでも、徹して断じて勝利者となってもらいたい。そして、勇敢なる開拓精神を漲らせ、世界の模範と輝く青春勝利のスクラムを、思う存分、勝ち広げていってくれたまえ!
 一、生涯、北海健児の心を燃やし続けた戸田先生は、「未来は青年の腕《うで》にある! 若き力によってこそ大事業は成就する」と叫ばれました。
 私は、世界広布新時代の拡大の新潮流は、北海道から起こると期待しています。いな、確信しています。
 健康第一、無事故第一、親孝行第一で!
 諸君を送り出してくださった、ご家族や地域の同志の皆さんに、よろしくお伝えください。わが三代城の男子部に、希望あれ! 団結あれ! 勝利あれ! (大拍手)
2015-09-23 : スピーチ・メッセージ等 :
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「世界広布新時代第13回本部幹部会」「SGI青年研修会」「全国学生部大会」へのメッセージ

「世界広布新時代第13回本部幹部会」「SGI青年研修会」「全国学生部大会」へのメッセージ
        (2015.9.5 神奈川池田記念講堂)

 「世界広布新時代第13回本部幹部会」が5日午後、「SGI(創価学会インタナショナル)青年研修会」「全国学生部大会」の意義を込め、横浜市鶴見区の神奈川池田記念講堂で開催された。これには原田会長、正木理事長、永石婦人部長はじめ各部の代表が、研修会で来日した60カ国・地域の友と出席した。池田大作名誉会長は和歌とメッセージを贈り、一対一の勇気の対話で、未来に輝く「創価の世紀」を勝ち開こうと呼び掛けた。席上、明2016年のテーマ「世界広布新時代 拡大の年」が発表された。

メッセージ

生命尊厳の哲学を時代精神に!
人類を照らす太陽の仏法
若き君に「絶対勝利の信心」を託す


 一、希望の港・神奈川天地から、新たな船出の本部幹部会、誠におめでとう!
 平和・文化・教育の未聞の大航海を牽引しゆく、世界60カ国・地域の若きリーダーの皆さん、万難を排して、本当によく駆けつけてくれました。
 御本仏・日蓮大聖人が、皆さんの偉大な求道の旅を讃嘆されているでありましょう。私たちも大拍手で讃え、ねぎらい、熱烈に歓迎しようではありませんか!(大拍手)

「喜んで畏無し」
 一、いよいよ、太陽の大仏法が、人類を赫々と照らす時代に入りました。
 地球を大きく包みゆく我ら創価家族は、民衆勝利の凱歌を轟かせながら、世界宗教の光を旭日の如く放っていきたいと思います。
 第一に、「勇気の光」であります。
 法華経には、釈尊が最高無上の教えを説かれゆく境地について、「今我れは喜んで畏《おそれ》無し」(創価学会版法華経144㌻)と記されています。
 大聖人は、この経文を踏まえて、ご自身も御年32歳で「立宗宣言」をされるまでは、 “もしや、妙法を弘めることができなければ” という恐れがあった、と語られました。しかし、時が来て、「南無妙法蓮華経の七字を日本国に弘むる間恐れなし」(御書816㌻)と仰せになられています。
 そして、「終《つい》には一閻浮提に広宣流布せん事一定《いちじょう》なるべし」(同㌻)と結論なされたのであります。
 この大聖人のお心を胸に、私が世界へ第一歩を踏み出したのは、1960年(昭和35年)の10月。32歳の時でした。昨日(4日)、お会いした世界の凜々しき青年たちと同じ年代です。
 世界広布の拡大といっても、特別な方法は何もありません。いずこにあっても、勇気を出して目の前の友に体当たりで仏法を語り、誠実に忍耐強く、一人の心に妙法の種を蒔くことです。
 これに勝る「歓喜の中の大歓喜」の行動はありません。
 創価の世界市民は、あの国でも、この地域でも、一対一の対話をたゆまず貫き通してきました。
 そして、これからも希望と確信の声を響かせ、人間革命の喜びの花を爛漫と咲き薫らせていただきたい。

「持つ人」も第一
 一、第二に、「人材の光」であります。
 御聖訓には、「持《たも》たるる法だに第一ならば持つ人随って第一なるべし」(同465㌻)と断言されております。大聖人は、世界第一の法を持った誰もが桜梅桃李のありのままの姿で、世界第一の生命を輝かせ切っていく道を開いてくださいました。
 この法理に則って、学会は、いかなる生老病死の苦悩も、現実社会の難題も、妙法の智慧で打開しゆく「価値創造」の人材を育て、送り出してきました。
 創価の城には常に新鮮な人材が躍り出ます。「幸福の太陽」婦人部も、「英知の太陽」学生部も、「希望の太陽」未来部も、明るい新出発、誠におめでとう!
 法華経の会座で、無量の光明を放つ地涌の菩薩の姿が動執生疑を起こし、皆を目覚めさせたように、世界中、創価の友の社会貢献の努力と、仏法勝負の実証によって絶大なる信頼が広がっています。学会は永遠に、人材で勝っていくのです。

誓願の異体同心
 一、第三に申し上げたいのは、「団結の光」です。
 今、日本も世界も、 “行学の二道” への挑戦が一段と活発になり、うれしい限りです。
 皆で心肝に染めてきた「生死一大事血脈抄」には仰せです。
 「総じて日蓮が弟子檀那等・自他彼此の心なく水魚の思を成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を生死一大事の血脈とは云うなり、然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり、若し然らば広宣流布の大願も叶うべき者か」(同1337㌻)と。
 大法弘通の誓願に立って共々に題目を唱え、どんな差異も乗り越えて、何ものにも撹乱されず、賢く大きく団結する。
 御金言に寸分違《たが》わぬ「広布誓願の異体同心」の世界を完璧に創り上げてきたのが、創価学会であり、SGI(創価学会インタナショナル)です。
 この奇跡の和合の中にのみ、大聖人正統の生死一大事の血脈は、未来永劫に流れ通います。そして、ここにこそ、人類の融合と共生を開く力があります。私は、牧口・戸田両先生の命そのものである学会の組織を受け継ぎ、守り抜いてきた第3代として、厳然と宣言しておきたい。
 一、創価学会は、この秋に創立85周年を迎えます。そして、今年・2015年から85年後が2100年です。我らは、今、21世紀の命運を決する地点に立って、22世紀の彼方まで壮大な人間主義の大光を送りゆく時といってよいでしょう。
 ここ神奈川の天地で、戸田先生は、世界の民衆の生存の権利を脅かす魔性に敢然と挑まれ、「絶対悪」である核兵器の廃絶を青年部に遺訓されました。
 この21世紀中に、わが学会が揺るぎない柱となって恒久平和の基盤を築き、「生命の尊厳」の哲学を、時代精神、世界精神として確立してまいりたい。
 さあ、皆で一丸となり、恐れなく世界広布新時代の拡大に打って出よう!
 「勇気の光」「人材の光」「団結の光」を、いやまして輝かせ、大前進していこう! そして、一閻浮提の慈折広宣流布を、仲良く朗らかに成し遂げていこうではありませんか!
 その主役である、正義の青年、華陽の乙女に、私は、尊き功労の父母たちとともに、「絶対勝利の信心」を託します。
 結びに、わが尊き友一人一人の健康と福徳と栄光を祈りつつ――

 絢爛と
  人材乱舞の
   大行進
 歴史を創れや
  創価の世紀へ

と贈り、私のメッセージといたします。(大拍手)
2015-09-10 : スピーチ・メッセージ等 :
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世界青年サミット 公開フォーラムへのメッセージ

世界青年サミット 公開フォーラムへのメッセージ
            (2015.8.30 広島市内)

 8月28日に始まった「核兵器廃絶のための世界青年サミット」の掉尾を飾る「公開フォーラム」が30日、広島市内で開催された。これには、23カ国から集ったサミット参加者のほか、アフマド・アレンダヴィ国連事務総長青少年問題特使、広島平和文化センターの小溝泰義理事長、映像作家で被爆者の田邊雅章氏ら来賓をはじめ250人が出席。席上、サミット参加者の総意として、核兵器のない世界の実現へ行動を呼び掛ける「青年の誓い」を発表した。池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長はメッセージを贈り、若き指導者たちの連帯を祝福。大いなる情熱と信念、英知をもって、時代変革の新たな潮流をと強く念願した。


青年こそ核兵器なき世界への希望
不屈の創造 無限の連帯 永遠の蘇生を


「一人」の生命に幸福を築け
原爆ドーム100年の歴史が語る戦争の「非人道性」
“核は必要悪”の思想と対峙せよ


 一、永遠の平和原点の天地である、ここ広島での「核兵器廃絶のための世界青年サミット」に際し、参画をさせていただいたSGI(創価学会インタナショナル)を代表して、メッセージを贈らせていただきます。
 まず、広島市と長崎市をはじめ、多くの市民社会団体の皆さま方の尊きご尽力に厚く感謝申し上げます。
 原爆投下から70年となる節目に、核時代に終止符を打つためのサミットを被爆地で開催することは、私の強い念願でもありました。
 平和のために真摯に行動する世界の青年リーダーが、広島・長崎の方々と手を携え、核兵器の廃絶に向けて新たなビジョンを探究しゆく挑戦には、いかなる会議にもまして燃え上がる大情熱があります。
 断固として揺るがぬ信念があります。
 行き詰まりなく広がりゆく英知があります。
 幾重にも意義深く、誇り高き世界青年サミットの大成功を、私は心からお祈り申し上げます。

未来への鑑《かがみ》
 一、青年は不屈の創造です。青年は無限の連帯です。青年は永遠の蘇生です。
 その青年と共に、未来への鑑として、心に刻みたい歴史があります。
 それは、核兵器の残酷さと非人道性を、その姿をもって世界の人々に伝えてきた「原爆ドーム」についてです。
 今年で建設100周年を迎え、先月まで広島平和記念資料館で、その軌跡をたどる展示が行われ、大きな反響を呼びました。
 1915年(大正4年)8月、広島県の産業を振興するための物産陳列館としてオープンし、市民からは眩い「白亜の摩天楼」と讃えられたといいます。
 しかし、その誕生の時から、すでに戦争が暗い影を落としていました。
 当時、水を背景にした美しい建物を手がけることで知られた、建築家のヤン・レツル氏が、県知事の要請を受けて設計に当たりました。
 ところが、着工の年(1914年)に第1次世界大戦が勃発。オーストリア国籍だったレツル氏は “敵国人” とみなされ、行動の自由を失い、晴れの竣工式にさえ招かれることはありませんでした。
 さらに開館後、美術展や音楽会なども開催され、「文化の拠点」として親しまれたのも束の間、日中戦争が始まると、催しの内容も次第に戦時色の濃いものとなっていきました。
 やがて、レツル氏がデザインした門扉も金属類回収令によって供出を余儀なくされ、すべての展示室も、戦時行政のための事務室として転用されるに至ったのであります。
 そして、開館から30年後の8月6日の朝、爆心地より北西約160メートルの距離で、爆風と熱戦の直撃を受けたのです。

広がる誓い
 一、この原爆ドームという建物の歴史だけを顧みても、どれだけ戦争が、人間と人間とを分断し、人間の尊厳性を否定し、社会を「文化」から「軍事」の方向へと突き動かしてしまうか、その非人道性が浮かび上がってきます。
 民衆を否応なく巻き込み、一人一人のかけがえのない命を失わせ、生き残った人たちにも拭いがたい苦しみと不幸をもたらすのが、戦争です。
 ましていわんや、核兵器は、数え切れない人々の命を一瞬にして奪い去り、長い歳月をかけて築かれてきた社会の営みを街並みごと破壊し尽くします。
 そればかりか、その後も、被爆によって受けた言い知れぬ苦悩を背負わせ、生涯にわたって尊厳を傷つけてやまない、究極の非人道性を帯びた “絶対悪” にほかなりません。
 そうした二度と思い出したくもない記憶を呼び起こしてまで、被爆者の方々は血涙の証言を続けてくださっております。
 「同じ苦しみを絶対に誰にも味わわせたくない」との崇高なる魂の叫びが源流となって、世界で今、いかなる場合でも核兵器は絶対に使用されてはならないとする声が高まってきました。
 核兵器の非人道性に鑑《かんが》み、禁止や廃絶に向けた行動を誓う「人道の誓約」への賛同国も、114カ国にまで拡大しています。
 市民社会や各国の間で広がる “国境を超えた誓いと連帯” を礎として、原爆投下から70年を機に、「核兵器のない世界」を実現するための具体的な取り組みを、何としても生み出していかねばなりません。
 その流れを創り出す上で決定的に重要なのが、世界各地から参集された皆さま方、若い世代の役割であります。
 アレンダヴィ国連事務総長青少年問題特使が、先日の国連青少年デー(8月12日)に寄せて「若者は未来のリーダーであるばかりでなく、今日《こんにち》のリーダーでもある」と強調された通り、青年の熱と力にこそ、現実を取り巻く困難の壁を突破し、新しい時代を切り開く希望が宿っているからです。

全ての人が尊い
 一、今回のサミットには、核実験の被害に見舞われた国などからも、代表が参加されています。核兵器はたとえ使用されなくても、核兵器による軍備を維持するだけで、取り返しのつかない惨禍をもたらすものです。
 その意味で、核兵器廃絶への取り組みは、「戦争のない世界」を築く上で欠かせないだけではありません。
 それは、核兵器を “必要悪” とみなす思想の根源にあるものと真正面から対峙し、さまざまな形で世界に拡散する「非人道化」の動きを食い止める戦いにもつながると、私は確信してやみません。
 すなわち、「目的のためには手段を選ばない」「他国の民衆の犠牲の上に自国の繁栄を追い求める」「将来への影響を顧みず、行動をとり続ける」といった非人道的な行為を防止し、すべての人々が平和的に生き、共に尊厳を輝かすことのできる地球社会を築くための挑戦であります。
 一、長年、原爆の悲劇を語り継いでこられた、広島の被爆二世の母は言われました。 “「一人一人の生命の中に、幸福を築いていく」──ここから世界平和へ向けて出発していくしかない” と。
 人類の未来は、自他共に生命の讃歌を謳い上げ、幸福と平和の大道を勝ち開いていく、若い皆さま方の世代に脈打つ「誓い」の深さで決まります。
 今回のサミットが、青年のグローバルな連帯をさらに力強く拡大し、時代変革の潮流を高めゆく新たな出発点となることを念願して、私のメッセージとさせていただきます。
2015-09-01 : スピーチ・メッセージ等 :
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