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随筆 我らの勝利の大道 No.96/97

随筆 我らの勝利の大道 No.96/97   
            (2013.2.26/27付)

前進! 希望の春へ
 
常勝の合言葉 「もっと題目を!」《ムイト・マイス・ダイモク》
「行学の二道」こそ歓喜と確信の源泉


 勇敢に
  法のためにと
   走りゆく
  友の功徳も
    歴史も光らむ

 今月、SGI(創価学会インタナショナル)訪問団が南米のブラジル、ボリビア、パラグアイを訪れた。現地から、勝利の太陽輝く歓喜の報告が届いている。
 特に私が4度目となるブラジル訪問を果たした1993年(平成5年)の2月から20周年──。
 今、世界の友がまぶしく仰ぎ見る、偉大な「王者のブラジル」「常勝のブラジル」となった。
 ブラジルは、国家の発展も目覚ましく、わが同志に寄せられる社会からの信頼も絶大である。
 ブラジルSGIの赫々たる勝利の因は何か──。
 それは第1に、婦人部を中心に、「一切の勝利は祈りから!」と、題目根本で進んできたからだ。
 「ムイト・マイス・ダイモク(もっと題目を)!」とは、ブラジル婦人部の変わらざる合言葉だ。
 どこまでも強盛なる祈り、必ず勝利するとの誓願の祈りで、勝ち越えてきたのである。
 日蓮大聖人は仰せになられた。
 「南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり」(御書1304ページ)と。
 人間は誰しも、「自分」という存在から逃げるわけにはいかない。どこまでいっても、自分は自分である。この自らの生命を、そのまま磨いて、最も荘厳な「宝塔」と輝かせ、最も尊極なる仏の力を涌現していけるのが、妙法の題目の音声である。
 人生の険しい道を勝ち進んでいくためには、いかなる困難にも負けない自身へ強く成長し、境涯を広々と開いていく以外にない。そのための「人間革命の信心」であり、「宿命転換の信心」なのである。
 小手先の策ではなく、まず真剣に祈る。そして勇気と智慧を湧き出して、誠実に行動することだ。

新しき力を伸ばせ
 さらに、勝利の第2の因として、まさに地涌の人材が二陣三陣と躍り出てくる「ニューパワーの台頭」が挙げられよう。
 そのために先輩のリーダーが、まず「自身の殻を破ってみせる!」と、先駆を切って課題に挑み、対話の最前線に打って出ている。自己の成長なくして、後輩の成長はないからだ。
 そこにあるのは「リーダーの率先垂範」と、青年を温かく育み、後輩を誠実に励ましていく「一人を大切にする精神」の結合だ。
 「人間革命」とは、自分のいる「その場所」から、自分が決意した「その瞬間」から始まる。
 自身の壁を破ろう!
 新たな挑戦をしよう!
 そう決めて、ありのままの自分で、一歩、前へと、立ち上がればいい。
 その勇気のチャレンジを先輩・同志が温かく励まし、支えていく。それは、必ず向上と充実と歓喜の波動となり、友から友へ伝わっていくのである。
 2・27「ブラジル婦人部の日」を記念する大会等の行事が続くなか、ブラジルSGIが誇る「イケダヒューマニズム交響楽団」も名演を贈ってくれた。
 忘れもしない20年前、サンパウロ郊外の自然文化センターでのSGI総会で、私は初々しい楽団のメンバーに会った。
 当時、楽団員は45人。10代の未来部員も多く、小さな体で必死に楽器を操る姿は、凜々しくも健気であった。プロの奏者は、一人もいなかった。
 だが、真剣一筋の演奏は、技巧を超えて会場を感動の渦に巻き込んだのだ。
 私は、「世界第一を目指そう! 世界各国で演奏して、いつの日か、日本へ凱旋の公演を!」と励まし、メンバーに呼びかけた。
 「実行できる人!」
 「ハイ!」
 打てば響く、一瞬の呼吸であった。この日から15年後の2008年(平成20年)、交響楽団は国内外で大活躍するまでに躍進して、晴れ晴れと代表が来日し、美事なる「凱旋」の演奏を披露してくれたのだ。
 さらに昨年には、アメリカ青年部と手を携えて、アメリカ創価大学で劇的な演奏会も行ってくれた。
 師弟の誓願を胸に、真っ直ぐに突き進む精神は、同時にブラジルの全同志の心でもあった。
 この「師弟共戦」の魂の深き脈動こそ、ブラジルの勝利の第3の因である。
 こうした「常勝」──絶対勝利の信心の方程式は、何よりも、わが“世界の関西”から、グローバル(世界規模)に波動したといってよいだろう。
 そして今度は、夏のブラジルから冬の日本へと、偉大な前進勝利の新風を送ってくれているのだ。まさしく、世界同時進行の広宣流布の時代のゆえんである。

永遠に御書根本で
 ともあれ、妙法を根底とした「人間革命」の思想が今、世界に、人類に、どれほど大きな希望の光を放っていることか──。
 妙法は、宿命に立ち向かう「勇気の源泉」である。
 全人類の未来を照らしゆく「歓喜の光源」である。
 邪悪を打ち破っていく「正義の利剣」である。
 この真髄の法理を説き明かした御書こそ、時代を超えた最高峰の一書である。
 学生部の代表が昨年から続けてきた「御義口伝」講義は、この2月に修了式を迎えた。受講者は目を瞠る成長を遂げている。
 本年秋には、「青年部教学試験(2級)」、「教学部任用試験」が実施される。
 さらに世界では本年、55カ国・地域で、教学試験が行われる予定だ。
 仏法の「研鑽」即「実践」の潮流もまた、世界同時進行である。
 この道を、私と同じ心で開拓してくれた最優秀の勇者たちの大功労を、私は決して忘れない。
 我らは永遠に、日蓮大聖人に直結して御書根本に、一閻浮提広布の未来を切り開いていくのみである。
 かつて恩師・戸田城聖先生は、折伏の極意を、こう教えてくださった。
 「ただただ、自分は南無妙法蓮華経以外になにもない! と決めることを、末法の折伏というのです」
 自分自身が妙法の当体である。ゆえに、何も恐れるものはない。幸福にならないわけがない。そう決めて題目を唱えゆく時、わが生命に「歓喜の中の大歓喜」(御書788ページ)が湧き起こってくる。
 この「行学の二道」に励む喜びと確信を語っていくところ、共鳴と理解の輪は必ず広がっていくのだ。

青春の川越講義
 昭和28年(1953年)2月──。約1年半にわたって続けた埼玉・川越地区での最後の御書講義に、私は臨んだ。
 埼玉は、私が青春時代から何度も何度も足を運んだ、あまりにも懐かしき思い出の天地だ。
 あれから60年になる。
 私がこの時、50数人の受講者と共に学んだのは、大難の渦中に認《したた》められた「佐渡御書」であった。
 その末尾には、「此文を心ざしあらん人人は寄合て御覧じ料簡候て心なぐさませ給へ」(同961ページ)と記されている。
 同志が集い合い、一文一句でも一緒に拝し合う大切さを強調されているのだ。
 ここにこそ、人材育成の要諦があるといってよい。
 当時、私は、日記に書き留めた。東西冷戦という世界分断の不幸に終止符を打つ日が、必ず到来すると確信しつつ──。
 「次第に、人材、人物が、輩出して来た様子。
 共産主義国対自由主義国、世界の二大陣営の激突に苦悩する。
 吾々の前進が、その第一段階の橋渡しか。…………
 時を待て。時を待て。同志よ。民衆よ。人類よ」
 学会が「貧乏人と病人の集まり」と侮蔑されていた時代である。しかし、庶民が立ち上がることが、歴史を転換していくのだ。
 何よりも、共に生命尊厳の極理を学び合った、埼玉をはじめ各地から、平和と友情の懸け橋となり、世界を結びゆく若き人材群が躍り出ると信じていたのだ。
 それから20年後の昭和48年(1973年)の2月12日。
 私は、川越市で行われた埼玉県幹部会に出席した。会合の直前、青年と懇談し、陸続と育ちゆく後継の姿を頼もしく見つめた。
 この日の会合で、私は呼びかけた。
 団結と雄弁の埼玉たれ!
 歌を口ずさむ埼玉たれ!
 全員が人材の埼玉たれ!
 この心のままに埼玉には今、鉄桶の団結も固き、世紀を担う大人材たちが、ここかしこと育っている。
 勝利、勝利の前進──それが、私の祈りである。

青年が福光の行進
 「青年学会 勝利の年」の本年、わが後継の青年部は、55周年となる「3・16」を拡大で荘厳しようと、「大躍進月間」を胸張り奮闘している。
 2月には「創価青年セミナー」や、各地で有意義な対話の集いを開き、正義と幸福の陣列を広げてきた。青年の逞しい挑戦こそ、創価の未来である。
 東北をはじめ、厳寒の雪深き北国でも、壮年部・婦人部の先輩方が、自ら模範を示しながら、わが地域の男子部・女子部・学生部と一体になって、新たな拡大のうねりを起こしてくれている。
 何と尊く、麗しい福光の行進であろうか。
 あらゆる苦難をはね返し、堂々と勝ち越えゆく、誇り高き青年の大躍進と、民衆の大連帯を見よ!
 この大切な、大切な創価の同志の皆様方が、一人も残らず、人間勝利の模範の勇者として、三世永遠に仰がれゆくことを、私は確信してやまない。

寒風の2月 創価の友が躍動

広布拡大の勇猛心に限りなし
弥生3月「いよいよ」の心に燃えて!


 いついつも
  南無し 感謝の
      創価班

 「創価班」の友が、寒風にも怯まず、着任してくれる場所。それは、華やかな檜舞台ではない。
 しかし日々、同志のため、学会を護るために、不二の道を決然と歩んでくれている。その陰の奮闘は、すべて仏天が御照覧である。自身の生命に福徳として厳然と刻まれている。
 私も、一人ももれなく見守り、一生涯、題目を送り続けていきたい。これが、偽らざる決心である。
        ◇
 あな嬉し
  若き地涌の
     牙城会

 この2月は、愛する「牙城会」の結成の月である。
 私は数多くの厳護の丈夫たちを思い出す。正義に生き抜く青年たちのことは、忘れることはできない。
 そのなかに、関西牙城会の委員長を務めた快男児がいた。私も楽しみに見つめていたが、10数年前、不慮の事故に遭い、彼は家族を残して帰らぬ人となった。私は直ちに、彼の追善回向をさせていただいた。
 その後、男の子3人を抱えて奮闘していた夫人を、私と妻は関西を訪れた折に直接、励ましたのである。
 「今日は、あなたに会うために来ました」──こう申し上げて、息子さんに宛てた手紙を託した。
 「大好きなお父さんは、君の心の中に生きている。大切な大切な、お父さんは、お母さんの心の中に生きている。断じて負けるな! 絶対に負けるな! お父さんは御本尊様の中から、君を毎日、見ている」と。
 後継の一家が希望に燃えて勝ち栄えていくことが、必ずや亡き父の勝利の証しとなり、親子一体の栄光になっていくのだ。
 そのお母さんは今、関西で婦人部のリーダーとして活躍され、3人の息子さんも、私が創立した関西創価学園に学び、父にも勝る俊英と育ってくれている。
 我ら創価家族の絆は、生死を超えて永遠に、「常楽我浄」という希望と勝利の劇を創造していくのだ。
 さらに今、青年部時代に中核として戦い、壮年部に進出した精鋭たちが、「王城会」となり、若き「牙城会」とスクラムを組んで、法城の厳護に当たってくれている。私は、金剛不壊の大城を仰ぎ見る思いだ。

 天晴れて
  勝利の柱の
     王城会
        ◇
 明日《あす》で生誕480周年となるフランスの思想家モンテーニュは、名著『エセー』の中で綴った。
 「言葉はわれわれの意志や思想を伝える唯一の手段であり、われわれの心の代弁者である。これがなければ、われわれはもはや互いに結び合うことも、知り合うこともできない」
 心から言葉が生まれる。その心を乗せた言葉が人の心に響き、人と人とを結びつける。言葉を発していかなければ、思いは伝わらない。
 だからこそ、私は一対一の対話を、何よりも大事にしてきた。

ブラジルの言論王
 思えば20年前(1993年)の2月、南米各国を歴訪するなかで、生涯忘れ得ぬ交友を結んだ方が、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁であった。
 わざわざお迎えいただいたリオデジャネイロの空港でお会いした時、総裁は、94歳。しかし、「70年間、毎日平均2本」もの新聞コラムを営々と書き続けてきた、言論の王者であり、獅子であられた。
 アタイデ総裁は、私に語ってくださった。
 「私たちは、この崇高なる『言葉』を最大の武器として、戦いましょう」
 嬉しかった。言論で戦う先達、不屈の戦友がここにいたからだ。
 日蓮大聖人は「声仏事を為す」(御書708ページ)、
 「音(こえ)も惜しまず」(同504ページ)と、言葉の重要性や偉大な声の力を繰り返し教えてくださっている。
 広宣流布とは、大聖人の御在世も、現代も、そして未来も、永遠に「言論戦」である。生命を燃やした「声の戦い」である。
 どこまでも、相手の心を揺さぶる確信の励まし、時代と社会の闇を破る正義の声で、我らは戦い、勝っていくのだ。

人間革命の道開く
 あの南米訪問の日々は、私が聖教新聞で続けていた小説『人間革命』の連載の最終盤と重なっていた。
 リオデジャネイロに滞在中の2月11日──恩師・戸田城聖先生のお誕生日に新聞連載は最終回を迎え、その日、私は師への万感の感謝を込めて「あとがき」を綴ったのである。
 その文中に私は記した。
 「(戸田)先生の御生涯は、そのまま一個の人間の偉大なる人間革命の軌跡であり、それを書き残すことによって、万人に人間革命の道を開くことが可能になると確信していた」
 今や、この師弟共戦の「人間革命の道」を、世界中の地涌の同志が勇み進んでくれている。
 どれほど戸田先生が喜ばれていることか。不二の弟子として、これ以上の誉れはない。
 この南米訪問では、各国の同志が底抜けに明るく、また勝利の姿をもって、私を迎えてくれた。皆の笑顔また笑顔は、今も胸中から離れない。
 私の訪問に合わせ、日本各地から交流団が派遣され、東京、大阪、北海道、秋田、山形、岩手、京都、広島、そして信越の友と一緒に、世界広布の旅の歴史を刻んだことも懐かしい。

2月闘争が世界で
 2月に戦おう! 2月に晴れ晴れと師弟勝利の新たな歴史を勝ち開こう!
 この「二月闘争」の精神で、今、世界の同志が意気軒昂に前進している。
 南米ではSGI(創価学会インタナショナル)訪問団が今月訪れたブラジルも、ボリビア、パラグアイも、大発展を遂げている。
 また、同じ南米のアルゼンチンでも、ペルー、チリ、コロンビアでも、広布の大願を掲げて弘教拡大への活躍は目覚ましい。
 南米のベネズエラ、エクアドル、ウルグアイ、中米のメキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、ドミニカ共和国、ハイチ、キューバなど、ラテンアメリカ地域のいずこにあっても、宿縁深きわが同志は元気いっぱいだ。
 ブラジルのタグチ議長の出身地でもある東京・荒川は、今月20日が、誉れの「区の日」であった。
 このほか東京では今月、中野、港、葛飾、渋谷が「区の日」、世田谷、大田、新宿、町田は「婦人部の日」「女性の日」、目黒、練馬は「青年部の日」を飾った。
 全国でも、沖縄、岡山、干葉の友が記念日を祝賀。そして、九州や北陸(喜多国)、静岡、埼玉、茨城、栃木、長野、宮崎などでも、さらに海外のチリ、ブラジル、アメリカでも、“女性の日”をにぎやかに迎えた。
 韓国では今月、婦人部を中心に「二月闘争」を走り抜き、美事なる広布拡大の金字塔を打ち立ててくださった。祈り、励まし、対話する──この誠実な人間主義の中に仏法はあるのだ。
 そして、ここ韓国でも、婦女一体──婦人部と女子部の女性のスクラムで、美しき国花・無窮花《ムグンファ》の如く、尽きせぬ幸福とと希望の花々を咲かせている。
 あの国でも、この地域でも、いよいよ大勝利の突破口を開こうと、わが同志が総立ちになっている。
 61年前(1952年)、師弟の誓願に燃えて、決然と一人立った背年が起こした「二月闘争」は、まさに「世界の二月闘争」となったのだ。
        ◇
 日本では、今月下旬から4月上旬にかけて、全国で「白蓮グループ」の入卒式が行われていく。「地区リーダー」とともに、新たに誕生した「華陽リーダー」からも、フレッシュな人材が登用され、明るい希望に満ちている。
 私の妻は、幼い時から母に迎れられて、座談会に出席する牧口常三郎先生を駅までお迎えに行った。
 女子部では、自ら折伏に奔走するとともに、地域の会場である自宅で、たえまなく来訪する同志を温かく歓待し、“未来部”のメンバーの激励にも当たった。
 地方指導に行かれる戸田先生のお見送り、お出迎えも欠かさず、先生から「送迎部長」との記別を頂いた。いうなれば、草創の白蓮グループ1期生である。
 「白蓮乃碑」が設置された琵琶湖畔の滋賀研修道場で、私は、関西の婦人部、女子部の友に指針を認《したた》めて贈ったことがある。
 「今日一日を 汝自身に勝つ それが十年先の 勝利の人生であるからだ」
 「青春時代に 深き決意と誓いを 持ちたる貴女《あなた》たちは 三世の幸の女王になることは間違いない」
 婦人部の「香城会」の皆様も、この通りの人生を歩まれている。
 ともあれ、私は、世界の創価の女性たちが、幸福と勝利の生命の花を輝かせゆく人生たれと、妻と真剣に祈る日々である。

 久遠より
  この時 咲けと
      白蓮華

張り切って前へ!
 まだ寒さは厳しくとも、「冬は必ず春」(同1253ページ)へと、季節は巡る。
 「如月」2月から「弥生」3月ヘ──。
 この「弥生」とは「いやおい」、つまり「(草木が)いよいよ生い茂る」ことだ。しかも、「弥」の字には、「弓」がある。
 渾身の力で弓を引き絞って矢を放つように、いよいよ強く、いよいよ勢いよく、躍り出ていくのだ。
 日蓮大聖人は、繰り返し門下に呼びかけられた。
 「いよいよ強盛に大信力をいだし給へ」(同1192ページ)
 「いよいよ強盛の御志あるべし」(同1221ページ)
 「いよいよ・はげ(励)まして法華経の功徳を得給うべし」(同1448ページ)
 我らの勇猛心には、限りはない!
 我らの行動にも、限界はない!
 そう命に定め、広布の大理想を描いて前へ進めば、我らの勝利は無限に開かれるのだ。
 さあ、我らのたゆみなき前進は、2月闘争から3月闘争へ! 「いよいよ」の決意と情熱を燃やし、希望の月を、張り切って先駆けしようではないか!

 満々と
  信力 行力
   弓を張り
  君が一念
    勝利を射貫けや


 モンテーニュの言葉は『エセー』原二郎訳(岩波書店)。
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2013-02-27 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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南米・ボリビア パンド・アマソニカ大学 名誉博士号授与式への謝辞

南米・ボリビア パンド・アマソニカ大学 名誉博士号授与式への謝辞
 (2013.2.20 サンタクルス市ボリビア文化会館)

南米・ボリビア多民族国の最高学府「パンド・アマソニカ大学」から、池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉博士号」が贈られた。平和・文化・教育運動を通じた人類への奉仕を讃えたもの。同大学として初の名誉博士号の授章となる。授与式は20日午前10時(現地時間)、サンタクルス市のボリビア文化会館で挙行され、ルドゥイン・アルシエーネガ総長から、代理の大場SGI理事長に学位記が手渡された。

 「アマゾンの持続可能な発展の道を開くことは、人類の共生を開き、平和の文化の活路を開き、青年の未来を開くことであります」──SGI会長の謝辞に何度も頷くアルシエーネガ総長。式典終了後、力強く語った。
 「池田博士の謝辞の一言一言を、深く心に刻みます。大学に戻りましたら、すぐさま教職員・学生に、博士の万感の思いを伝えていきたい」
 「わが大学は、博士の世界平和への闘争に続く思いで、アマゾン地域の発展に力を尽くします!」
 世界最大の流域面積を誇るアマゾン川。日本の国土の約18倍に当たる。
 この大河の上流域に位置するパンド県は、首都ラパスから北へ600㌔、ブラジルやペルーとの国境に接するボリビア最北の県である。
 県都コビハ市に立つ「パンド・アマソニカ大学」は、アマゾン地域の持続可能な発展を支えるリーダーの育成を目指し、1984年に創立された。情報工学や農業・畜産、自然科学、看護など16学部に、3800人の学生が学ぶ。


アルシエーネガ総長の授与の辞

よりよき未来の建設へ 信念に生きる池田博士に学びたい!

 遠い日本から、はるばるわが国を訪問していただき、SGIの代表団の方々を心から歓迎いたします。
 パンド県コビハ市に位置するパンド・アマソニカ大学は、第6回ならびに第7回全国大学会議の決議に従って、1984年10月18日施行の法律563号および1984年9月21日施行の法令20511号に基づき、創立されました。
 開学当初の学部数は2学部で、初めて授与された3つの学位は看護学部の卒業生に対するものでした。
 大学とは、文化的遺産を守ることを目的とし、職員によって支えられながら、教育者および学生によって民主的に組織された教育共同体です。
 学問的活動を広げ、人権に対する尊敬を通じて平和の文化を推進する人間主義の専門家を育成し、寛容を旨とする連帯を発展させることにより、ボリビア国民に奉仕するという社会的使命を果たすのが大学です。
 パンド・アマソニカ大学は現在、単に専門家を育成するのみならず、社会における使命の舞台を広げ、学術・学問のレベルを上げ、民主国家の輪郭を描くことを、その目的に掲げています。
 私どもの使命は、持続的発展と国民の生活レベルの向上に応じた教育を創造し、変革することのできる教育者、力ある専門家を育成することです。そして社会的なさまざまな出来事の学問的研究において地域のよりどころとなる機関となり、国の文化的アイデンティティーと主権を強化することです。
 本学は、その学術・運営・経営組織に関する規約を定め、農村地域に広がる3つのキャンパスで5つの学術分野にわたって教育活動を行うにあたり、自治権が認められています。
 以上の背景を踏まえた上で、このたび、本学として第1号の名誉博士号を授与する運びとなりました。
 一流の大学を目指す本学にとって、「名誉博士号」授与の選定にあたって慎重になるのは必然であります。
 このたび大学審議会の全会一致により、池田SGI会長に対する名誉博士号の授与が決定しましたことは、私どもにとって、格別の喜びであります。なぜなら、池田会長は本学が推進するあらゆる人間教育の理念と一致するからであります。
 会長が名誉博士号の受章を受諾してくださったことは私どもの最高の栄誉であります。
 この博士号は世界平和の指導者に対して授与するものであり、自らの専門の領域を超えて、自身のもつ力を発揮することに成功された方への授与でもあります。
 パンド・アマソニカ大学の総長である私にとりまして、これほどまでに傑出した人物に本学の名誉博士号を授与できることは最も光栄なことです。
 名誉博士号と共に贈呈するメダルに象徴される大学の理念は、私どもに、他者への尊敬、寛容、対話、非暴力、平和への探求を義務付けております。
 池田会長は自身の行動が多大な責任を伴うものであることを自覚された方であります。そして積極的に対話を広げ、社会的責任を果たしています。
 その著作は、戦争への反対をはじめ人間と直接関わりのある問題を包括しています。この社会的責任感が、池田会長をして、決して無関心であることのない人間にしたのです。
 親愛なる池田会長。会長が一員となった大学、すなわち本学は、報恩感謝の文化を広げる貴殿の使命を賞讃いたします。
 どうかこれからも、人権の擁護に力を尽くしてくださいますことを念願します。
 類いまれな社会的貢献の模範を示してくださる池田会長に感謝申し上げます。
 この式典は永続的、かつ実りある関係の始まりであります。本学を質の高い教育のための場、かつ奉仕の精神と個人および集団の道徳、利他の文化と知識の場とする道を、ともどもに歩んでまいりたいと思います。
 なぜなら、大学は第一に学問の場でなくてはならず、そしてまた、より責任感・連帯感がある人間を育成する良心の場でなくてはならないからです。
 であるが故に、このたび本学初の名誉博士となられた池田会長のように、自らの安寧を求めることなく、よりよき未来を追求し、信念のために命を賭す覚悟のある人物こそが重要なのであります。
 (日本語で)大変にありがとうございました!(大拍手)

SGI会長の謝辞(代読)

「生命の宝庫」アマゾンの天地から知性の人材 青年 連帯の森を世界へ

平和と共生の地球社会を

文豪の叫び
ボリビアは粘り強さの奇跡!
苦難に打ち勝つ人生こそ偉大


 一、本日、私は、「平和」と「共生」の未来を力強く開拓されゆく貴パンド・アマソニカ大学より、最高に意義深き名誉学位記を賜りました。
 アルシエーネガ総長をはじめ先生方におかれましては、遠路、ボリビア文化会館にまでお越しくださり、御礼の申し上げようもございません。
 この尊い英知の宝冠を、私は何よりも、これまで半世紀にわたり、貴国の良き市民として、たゆまず誠実に社会貢献の努力を貫き通してこられた、わが敬愛するボリビアSGI(創価学会インタナショナル)の同志と分かち合わせていただきます。
 これほどの光栄も、また、これほどの喜びもございません。誠に誠に、ありがとうございます!(大拍手)
 一、私の憧れの貴パンド県は、地上最大の生命の宝庫であるアマゾンにあって、まさしく「心臓」とうたわれる天地であります。
 このかけがえのない地球上の生命力の源を厳然と保全し、そして、たゆまぬ前進へ創造力を脈動させておられる学府こそ、貴パンド・アマソニカ大学なのであります。
 アマゾンの生態系を守ることは、生物の多様性を守り、地球環境を守り、世界の気候を守ることであります。アマゾンの持続可能な発展の道を開くことは、人類の共生を開き、平和の文化の活路を開き、青年の未来を開くことであります。
 日本で開催している「わたしと地球の環境展」でも、アマゾンのコーナーを設けて、アマゾンの生態系の多彩にして豊かな魅力に学び、環境保護の重要性を確認し合っております。
 壮大なる使命と栄光を担い立たれる「教育の大城」であり、「知性の殿堂」である貴大学に、私たちは心からの尊敬と感謝をささげたいのであります。

人間力・文化力・精神力の向上を

 一、貴大学の校章は、実に素晴らしい。
 そこには、知性の象徴である開かれた書物とともに、パンド県の豊かな生態系を表す、緑鮮やかな森林と動物の鋭い爪が描かれております。
 また、仕事を成し遂げる協調を示す歯車とすべての建物を支える柱、さらに、鉄鎖を勇敢に断ち切り、目覚め立つ青年の逞しい姿が刻まれているのであります。
 なんと奥深き建学の理想でありましょうか。そして、この崇高な精神を見事に体現され、貴大学の躍進をけん引してこられた大教育者こそ、アルシエーネガ総長なのであります(大拍手)。
 一、総長は、こよなく愛される学生たちに、身近な地域社会への貢献と同時に、他の文化圏と交流し、誠実な対話を行うことを呼びかけておられます。
 「人間力」「文化力」「精神力」の向上を!
 未来の多様な変化にも、毅然と立ち向かい、新たな道を開く前進を!
 これは、総長が常々、学生に示されている指標であります。まさに、真の世界市民を育む人間教育の真髄であり、新たな地球社会を建設しゆく王道であるといえましょう。
 それは、私の人生の師である戸田威聖先生が提唱し、今、わがボリビアSGIの同志が世界の模範となって展開している「人間革命」の運動とも、深く響き合っているのであります。
 一、仏法では、小宇宙である人間と大宇宙との連関が明かされ、「山も海も、太陽も月も星々も、森羅万象の一切が、私たちの心にある」と説かれております。
 人間一人一人の生命の中に、宇宙大の力も智慧も具わっています。その生命の力と智慧を、どれだけ思う存分に発揮していくことができるか。そこに、青春と人生の大いなる挑戦があるといってよいでしょう。

革命とは運命を自ら決めること
 一、ボリビアの哲人プラダ・オロペサは、厳然と語りました。
 「革命とは、人間自身の人生を切り開くことであり、人間自らが運命を決めることである」と。
 人々のため、社会のため、未来のため、大いなる願いを立て、大自然の息吹を呼吸し、大宇宙の運行の律動にのっとりながら、大情熱を燃え上がらせ行動していく。ここにこそ、わが生命を最高に充実させ、荘厳しゆく軌道があるとは、いえないでしょうか。

わが胸中に宇宙大の力が
「異体同心」で価値を創造


 一、私たちは、アルシエーネガ総長が成功と勝利へのチームワークを大切にされていることにも、心からの共鳴を禁じ得ません。
 ボリビアをはじめ、わが世界のSGIの合言葉も「異体同心」であります。
 皆で心を一つにして、智慧を出し合い、力を出し合っていけば創造されます。
 一、人気の高い「カスターニャ(ブラジル・ナッツ)」のアマゾン地域最大の生産地としても名高い貴パンド県にあって、近年、そのナッツの皮を利用した国内初の発電所が設置されました。
 パンドの知性が「自然エネルギー」の導入に先駆的な使命を果たされていることにも、私は衆知の結集による貴重な成果を見る思いがするのであります(大拍手)。

わが胸に強き誓いの炎を!
 一、貴国の不屈の前進に思いをはせるたびに、胸に迫ってくる文豪ディエス・デ・メディナの言葉があります。
 「直面した困難の大きさで、一国の偉大さをはかるのであれば、歴史の中において、ボリビアは粘り強さの奇跡である」
 幾多の困難に粘り強く立ち向かう、「平和」と「共生」の地球社会の創造においても、貴大学を擁するボリビア・アマゾン地域が黄金の柱と輝きゆくことを、私は強く念願してやみません。
 人生も社会も、試練は絶え間なく襲いかかってきます。
 しかし、総長と私が共に敬愛してやまない、南アフリカの人権の大英雄マンデラ元大統領は叫ばれました。
 「決然とした革命家は個人的な災難が洪水のように押し寄せても決して溺れることはないし、悲劇に伴う悲嘆が積み重なっても窒息することはない」(長田雅子訳『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』明石書店)
 わが胸に、断固たる誓いの炎をともした人間は、いかなる苦難にも屈しません。人間の真の偉大さは、あらゆる迫害に打ち勝ち、勝利する中にこそ、不滅の輝きを放つのであります。
 一、マンデラ氏と私が、教育をめぐって語り合ったことがあります。
 それは、「一本の高い樹だけではジャングルはできない。他の多くの木々が同じような高さまで伸びて、大きな森の茂みができあがる」と。
 アルシエーネガ総長をはじめ、貴パンド・アマソニカ大学の先生方、また、わがボリビアSGIの同志と一緒に、私は「生命尊厳」の理念を高らかに掲げながら、若々しき知性の“人材の森”“青年の森”“連帯の森”を、アマゾンの大地から世界へ、いやまして力強く広げていきたいと決意しております。
 一、私は、この深き感謝の思いを、貴大学の素晴らしき校歌に託させていただきます。
 「崇高なる大地の砦となり/貴方(大学)は、知性の旗を高く掲げる!/広げられた、その腕には夢が宿り/我らは、自らの願いの開花を、貴方に託す!」と。
 本日、ご列席を賜りました、すべての参加者の皆様方のますますのご健勝とご一家の繁栄、そして、貴国の永遠無窮の発展と栄光を心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 本日は、誠に誠にありがとうございました。ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変にありがとうございました!」)(大拍手)
2013-02-24 : スピーチ・メッセージ等 :
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ブラジル ポンタグロッサ州立大学 最高栄誉賞授与式への謝辞

ブラジル ポンタグロッサ州立大学 最高栄誉賞授与式への謝辞
   (2013.2.18 ポンタグロッサ州立大学講堂)

ブラジル連邦共和国の名門「ポンタグロッサ州立大学」から、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「最高栄誉賞」が贈られた。これは、平和・文化・教育運動を通じた人類への多大な貢献を讃えたものである。授与式は18日午後2時(現地時間)、パラナ州・ポンタグロッサ市内の同大学講堂で厳粛に挙行され、ジョアン・カルロス・ゴメス総長をはじめ大学首脳が出席。代理の大場SGI理事長に証書とメダルが託された。

ゴメス総長の祝辞

池田博士は人類普遍の思想家
偉大なる変革の哲学


 わが大学の最高栄誉賞授与式を挙行する本日は、私たちにとって、大変に深い意味があります。
 この栄誉は、人類の発展に顕著な貢献をされた人物にこそふさわしいものであります。
 本日の式典は、国際化を必要とする現代に生きる私たちにとっても、極めて意義深いものであります。
 本日の受賞者・池田博士の姿そのものであるSGIは、世界192カ国・地域に地球規模で広がり、大学・学術機関などとの交流を通して、常に平和・文化・教育を推進しております。
 哲学・科学・文学部から始まったポンタグロッサ州立大学は、常に文化・哲学・教育という人類益の分野の発展を担ってきたと言えます。
 だからこそ、芸術、哲学における発露として、国際的な偉人である池田博士に大学の最高栄誉賞を授与することは、本学の原点をあらためて確認し合うことにも通じます。
 さらに、人々の幸福と相互理解を探求し、明日を担う人材を育成するという大学本来の使命をも、再認識し合うことができました。
 一人一人の内面を磨くという教育の価値、教育機関として最も大切な使命をあらためて示唆する意味からも、本学にとって、博士への栄誉ほどふさわしいものはありません。
 池田博士は、ご自身の主張である「人間革命」について、次のように言われています。
 「一人の人間における内面の変革こそ、すべて新しい善の方向にもっていける、人類をより強く、より賢くする第一歩である。だから、人間革命というのは一番、根本の革命であり、人類にとって一番、必要な革命なのである」
 ここで言われている「革命」とは、武器を持ったり、また抵抗組織をつくったり、そうした人々を画一化させるような哲学ではありません。この革命は、個々人に起こる革命であります。何かを変えていかなければなりません。
 そうした一人一人の変革なくして、人類の前進はあり得ないからです。
 一人に始まる革命は、やがて集団へと到達します。池田博士はさらに述べています。
 「自身の生命を、最も内奥のところから変革していくところに、実は社会の変革のカギがある。個人の内面の変革が、周囲の状況を変え、多くの人々の心を動かし、社会変革へと波及しゆくのである」
 こうした変革は、人間の本質を高めゆく研究と、教育、文化によってこそ可能になります。価値観の革命は、私たちの実存にかかわる問題を含むために、最も困難な革命であると言えます。
 冷酷な競争による広範な格差社会を排除するために行われた流血の闘争の歴史にあって、池田博士の思想は、本質的な部分に目を向け、より価値的に、私たちが改善の因となっていく方途を教えてくださっています。
 ご列席の皆さま方、この人道の精神の宣揚にこそ、本日の顕彰の意義があるのです。
 博士は、知の学習と探究、その擁護を実現する人類普遍の思想家なのです。
 出会いを創造しゆく最も有効的な方途である教育で、人々を結びつけるために、生涯を捧げてこられた人物であります。
 大陸をこれほどまでに近づけ、あらゆる教育レベルにおける教育機関を築いた人物なのであります。
 最高栄誉震は、光り輝く軌跡をたどられた池田博士、またSGIへの最もふさわしい顕彰であり、ポンタグロッサ州立大学にとりましても、これほど崇高な目的に名を連ねることができるのは、このうえない栄誉であると確信いたします。
 そして私たちが、SGIが推進する価値の普及の一端を担わせていただくことは、大変に光栄であります。
 民衆間の相互理解のために、その一助をなしていくことを、心からお約束いたします。
 大変にありがとうございました(大拍手)。

カリノウスキー教授の授与の辞

民衆の中で対話を広げより良き社会を構築

 ポンタグロッサ州立大学より池田大作博士への最高栄誉賞の授与の辞を述べる機会をいただき、大変にうれしく思います。
 最高栄誉賞は1985年7月24日、大学規定第4号として制定されました。
 長年の変遷を経ながら、大学の発展に寄与した人物、もしくは教育、文化一般に貢献された人物に対して贈られる顕彰として、設けられたものであります。
 そして同時に、教育、文化、大学の発展に尽力された方々への功労を讃え、最大の感謝の気持ちを表す意義があります。
 池田博士は、作家、教育者、写真家としても世界から讃えられる哲学者、人間主義者、桂冠詩人であります。
 85年にわたる長きご生涯において、真の人間革命を構築するために人間的価値の普及に尽くしてこられました。
 博士は、哲学者、教育者として、また平和主義者として、仏法の価値観、哲学観をもって、対話を民衆間へと広げ、より良き社会建設に尽くしてこられました。
 そうした土台の上で、日本を拠点としたNGO(非政府組織)であり、世界192カ国・地域に1千万人を超えるメンバーを擁する創価学会という在家団体による重要な社会教育運動を通して、貢献をされています。
 博士は、第3代会長として、活動の場を国際的に拡大し、個人の変革と社会への参画を中心に、平和・文化・教育の運動を展開してこられました。
 1960年以来、ブラジルにも組織はありましたが、1975年からは、SGIとして活動を国際的に拡大されています。
 博士は、平和主義者、教育者としても、世界中で多くの関連機関を設立されています。
 ブラジルでも、特にアマゾン自然環境保護センターは、世界的にも注目されています。
 博士は、世界中を駆け巡り、仏法の人間主義哲学の理念を根底に人類の課題に積極的に取り組みながら、希望と相互理解と尊重、平和と繁栄に満ちた新たな21世紀の創出へと果敢に行動してこられました。
 さらに、平和実現への第一歩は対話から始まるとの信念のもと、民間外交にも取り組まれ、日中の国交正常化の実現にも尽力されています。
 そうした功績を讃えて、中国の20数校にも及ぶ大学・学術機関では、池田博士の人間主義哲学を研究する機関が設立されています。
 また1981年には、創価学会として、国連難民高等弁務官事務所、国連広報局のNGOに、1983年にはSGIとして、国連経済社会理事会のNGOに登録されました。
 博士の人間主義者としての活動に対して、アメリカのアトランタにあるモアハウス大学のローレンス・カーター所長は、約10年にわたり、「ガンジー・キング・イケダ──平和建設の遺産」展を開催し、20世紀の人権活動の最高峰として讃えています。
 同展は近年、異なった文化圏であっても非暴力と連帯の絆を重視し、人間主義という振る舞いにおいて共通している3人の偉人の思想と行動を、一般の市民に伝えるためにサンパウロ市庁舎でも開催されました。
 世界中のさまざまな大学・学術機関から、その平和への類いまれなる功績を讃え、300を超える名誉学術称号が池田博士に贈られています。
 作家として、音楽家として、また写真家としても、池田博士は、芸術を通した平和の理念をいくつもの国々に伝えてこられました。
 博士は、フランスのヴァル・ド・ビエーブル写真クラブの名誉写真芸術会員であり、オーストリア芸術家協会の在外会員、シンガポール写真家協会の終身名誉会員でもあります。
 またブラジルでは、エミール・ゾラ、ヘンリック・イプセン、アンドレ・マルローら著名な識者、哲学者、作家などが名を連ねるブラジル文学アカデミーの在外会員に、1993年に就任されています。
 これこそ、わが大学の最高評議会に最高栄誉賞を推挙させていただいた理由であります。かくのごとく世界的な方を顕彰することができ、この場をお借りし、あらためて御礼申し上げます。
 大変にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

教育は「生命の創造力」を開く挑戦
「新しい建設」へ「新しい人材」を!


ブラジル独立の英雄・ティラデンテスの願い
「庶民の顔《かんばせ》に幸福を見たい」
君よ 人間の尊厳を守るために学べ


 一、ただいま私は、ラテンアメリカの「知性の太陽」として燦然と輝く貴ポンタグロッサ州立大学より、最高の栄誉を賜りました。ジョアン・カルロス・ゴメス総長をはじめ貴大学が、どれほど深いご厚情をもって授与してくださったか。
 今、私の心も、世界に開かれた、憧れの「野《の》のプリンセス」ポンタグロッサに聳え立つ貴大学の講堂にあります。
 この無上の栄誉を、私は、貴国の模範の良き市民と光る、わが敬愛する友人たちと一緒に拝受させていただきたいのであります。
 誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。
 一、1969年の創立から40余星霜──。
 貴大学は、世界の大学・研究機関とのグローバルな交流を活発に推進されるとともに、貴パラナ州の各地域の市民の生活と福祉のため、大いなる使命感と責任感を燃え上がらせてこられました。経済発展と社会正義の実現に果たされたご貢献は絶大であります。
 さらに、私が深く感銘する貴大学の足跡は、人間の尊厳、人間の権利、人間の多様性の尊重を掲げられ、あらゆる偏見と差別の追放に邁進してこられたことであります。
 多様な人種や多彩な文化が躍動する「人権先進国」ブラジルの発展の歩みにあって、貴大学は先駆を切ってこられました。
 「人権教育プログラム」を積極的に促進されてきたことも、よく存じ上げております。困難な試練の時代にも、英知と正義の牙城として、毅然と民主主義と人権を守り抜いてこられたことは、何と誉れ高音歴史でありましょうか。

アタイデ総裁の人権擁護の叫び
 一、本年は「世界人権宣言」採択から65周年であります。その起草に尽力なされたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁が、私に語っておられた言葉が蘇ってまいります。
 「人間の内に“聖なるもの”を見る視座がなければ、人間の尊厳という思想の根はできない」と。
 人間の生命には、厳然と「聖なるもの」が具わっています。本来、生き生きとした「偉大な創造力」が脈打っています。それぞれに「限りない豊かさ」が広がっています。
 この尊厳なる生命の真価を、一人一人の青年が自覚し、発揮していく。
 ここに「教育」の崇高なる挑戦があるといえないでしょうか。
 一、「人間の尊厳」「生命の尊厳」を目指しゆく教育は、自分さえよければいいという利己的な風潮に対する決然たる戦いでもありましょう。
 歯科医としても民衆に尽くした、あのブラジル独立の大英雄ティラデンテスが、「ただ庶民の顔に幸福と喜びを見たい」との願いに生き抜き、戦い抜いたことを、私は思い起こす一人であります。
 そして、その大精神を脈々と受け継いでおられる総長の奮闘に、心からの敬意を表したいのであります。総長は語られました。
 「子どもの頃から、歯科医を夢見てきました。一番、やり甲斐を感じるのは、患者が治療に満足して、幸せな笑顔を見せてくれることです」と。
 私は感動しました。
 私が創立した創価大学でも、本年4月から看護学部が新たに開設されます。
 「人々の幸福な笑顔のため」──この目的観に立って、大いなる夢を描き、学び、力をつけ、民衆に奉仕していく。この「人間教育」の究極のロマンを、貴大学の先生方、若き英才の皆さんと笑みを交わし合いながら、さらに広げていきたいと思うのであります。

「希望の大国」に全世界が注目!
 一、うれしいことに今日、貴国は、GDP(国内総生産)においても世界第6位へと飛躍されました。
 明年の2014年には、貴国で64年ぶり2度目となるサッカーのワールドカップが開かれ、ここパラナ州においても熱戦が繰り広げられます。さらに2016年には、リオデジャネイロ五輪が開催されます。
 ある調査では、貴国の1次エネルギー供給量の半分近くは、バイオエネルギーなどの再生可能エネルギーで占められていると伺っています。英知を結集しながら、環境と調和した持続可能な再生エネルギーの供給サイクルが貴国で確立すれば、地球環境問題を解決しゆく一つのモデルケースとなるのではないでしょうか。
 貴大学が最先端を示されているように、学術・研究機関と地域産業が密接に連携を取り、技術的にイノベーション(刷新)を引き起こしていくことも、人類を照らす光であります。
 幾重にも、貴国は21世紀の地球社会をリードしゆく希望の大国として、いやまして国際的に熱い注目が集まっております。
 貴大学で学び鍛えた「新しい人材」が、一段と活躍していく未来が、私の胸には思い描かれてなりません。

思想家フレイレ
全ての民族と連帯を! 毎日、ベストを尽くせ

 一、貴国の教育思想家フレイレは、「新しい人材」の特質を明快に論じました。
 第1に、“民衆のため”“民衆の利益を守るため”に働くことであります。
 第2に、いかなる仕事を任されても、義務を果たす「責任感」であります。
 第3に、全ての民族との「連帯感」であります。
 第4に、きょう成し遂げるべきことを明日に延ばさない。毎日、ベストを尽くすことであります。
 第5に、社会の建設に積極的に参加することであります。
 第6に、“歩みを止めてはならない”“刷新しなければ「新しいもの」は直ちに「古きもの」に変わってしまう”という確信であります。
 私も、きょうより、栄えある貴大学の一員として、この「新しい人材」の勝利の笑顔の道を、力の限り開き続けていくことを、お約束申し上げます。
 一、結びに、校章に描かれた平和の白鳩のごとく、21世紀の天空高く貴大学が大いなる飛翔を遂げられることを、私は心からお祈り申し上げます。そして貴パラナ州、貴国ブラジルの無窮の栄光を念願申し上げ、御礼のご挨拶とさせていただきます。
 ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「誠にありがとうございました!」)(大拍手)
2013-02-24 : スピーチ・メッセージ等 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.94/95 幸福の太陽・婦人部

随筆 我らの勝利の大道 No.94/95   
            (2013.2.9/13付)
幸福の太陽・婦人部

輝け 春呼ぶ母の笑顔よ!

勇気の前進! 皆で励まし合って
明るく賢く 希望の女性の連帯を


 「輝け、輝け、輝いてくれ、/あなたのぬくもりを降りそそいでくれ、偉大な太陽よ」
 人間と生命と宇宙を歌った民衆詩人・ホイットマンが、太陽に向かって友の如く呼びかけた一節である。
 私には、「地上の太陽」ともいうべき創価の尊き母たちの輝きと、二重写しに思えてならない。
 偉大なる我らが婦人部は、社会にあっても、家庭にあっても、広宣流布の前進にあっても、燦々と輝きわたる太陽だ。凍てついた人びとの心を慈愛の陽光で温めてくれる太陽だ。
 ホイットマンは、さらに「おお、母である喜びよ、/見守ること、我慢すること、かけがえのない愛、苦悩、辛抱づよい献身の生涯」と讃嘆している。
 母は優しい。母は強い。母はあまりにも健気だ。
 日蓮大聖人は、女性の門下の代表に「日妙聖人」「日女御前」「日厳尼」「光日尼」「王日女」など、太陽を意味する「日」の文字の名前を贈られた。
 思えば、「冬は必ず春となる」(御書1253ページ)との仰せも、一番苦労している母への御金言である。
 母たち・女性たちが、その生命を、妙法とともに、何ものにも負けない「希望の太陽」と輝かせ、そして必ずや「幸福勝利の春」を開いていけるように──。
 この日蓮大聖人のお心があらためて深く拝される。
 婦人部を中心とする創価の女性のスクラムこそ、「生命の尊厳」の大法理で世界を照らし、人類史の新たな「平和の春」を広げる太陽なりと、私たちは誇りを込めて叫びたいのだ。

 春を呼ぶ
  勝利の太陽
   われなりと
  ほほえみ忘れず
    今日も光れや

「無冠の友」に感謝
 暦の上では立春を過ぎても、まだまだ厳しい冬は続いている。
 寒いなか、積雪や凍結で足元の悪いなか、聖教新聞の配達をしてくださる「無冠の友」の皆様方に、心より感謝を申し上げたい。
 一歩一歩、一軒一軒と、白い息を弾ませ、大地を踏みしめる足取りこそ、広布拡大を前進させる大いなる活力の源泉である。
 それは、御書に仰せのままの尊貴なる「信心の歩《あゆみ》」(同1440ページ)に他ならない。
 雪の多い北国はもちろん、全国の配達員さんの絶対の無事故とご健康を、私も妻も懸命に祈っている。
 「無冠の友」の皆様の功徳と勝利の体験を伺うことは、この上ない喜びである。
        ◇
 大聖人は、南条時光のお母さんに仰せになられた。
 「法華経の法門をきくにつけて・なをなを信心をはげ(励)むを・まこと(真)の道心者とは申すなり」(同1505ページ)
 「なおなお」、また「いよいよ」──この御指南は、勇気の前進を続ける学会婦人部の精神でもある。
 若き日、私は蒲田支部で、それまでの壁を打ち破る大折伏を推進した。
 この時、1カ月で201世帯を達成する、限界突破の弘教の決定打を、喜び勇んで飾ってくださったのも、婦人部であった。
 まだ動ける、まだ戦える、悩めるあの人と、まだまだ語り合える──と、勇気と執念を燃やして、一対一の対話に挑戦し抜いてくれた結晶である。
 その母たちの如説修行の奮闘があればこそ、不滅の「二月闘争」の金字塔は聳え立ったのだ。

「指針」から50周年
 この2月11日、私が第3代会長として、「婦人部に与う」と題した指針を、皆様方のために綴って、50年の節目を迎える。
 “広宣流布は婦人・女性の手で”──これが恩師・戸田城聖先生の叫びであった。絶対の確信であった。先生のお誕生日にあたるこの日に、私は恩師を偲びながら筆を執ったことを懐かしく覚えている。
 ──つねに太陽の如く、いかなる苦難の嵐にあうとも、厳然と題目をあげきり、生活と人生の勝利へ、賢明なる前進を! と──。
 半世紀前、戸田先生と一体の私の呼びかけに、全国の婦人部の皆様は応えて、一人ひとりが、地区や支部、また一家の「幸福操縦士」であり、「幸福博士」として奮起してくれた。
 病苦や経済苦、家族の問題など、立ちすくむような難問にぶつかっても、“宿命が大きいということは、使命も大きい。功徳も大きいということ”と励まし合いながら、いよいよの信心で挑んでいった。そして、
 「月月・日日に」(御書1190ページ)境涯を高め、人生を開き、地域をも変革していったのである。
 どんな苦悩であれ、妙法受持の女性に変毒為薬できないものなどない。一人ももれなく、絶対に幸福になる──この希望の劇を無量無数に積み重ねてこられたのが、多宝会、宝寿会(東京)、錦宝会(関西)の先輩方である。
 嬉しいことに、その心は、ヤング・ミセス、さらに女子部の世代にまで生き生きと流れ通っている。

偉大な蘇生の物語
 私が妻と共に、草創の高等部の頃から見守ってきた女性リーダーがいる。
 彼女は、戦前に韓・朝鮮半島から強制連行された父と、長崎で被爆した日本人の母との間に生まれた。幼い頃から、理不尽な差別を受けるだけでなく、被爆二世として身体の不調にも苦しめられてきた。
 絶望と不安の淵にあった10代の乙女に、親友が「お題目あげな! 命の底から元気になるから、やりな!」と信心を勧めてくれた。
 「自分も変われるかもしれない」と入会を決意。枯れ果てた命に瑞々しいエネルギーがみなぎってくるような歓喜を覚えたという。
 大聖人は、「妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり」(同947ページ)と仰せである。この「蘇生」の大功力を生命に湛えながら、彼女は学会活動に邁進した。
 良き伴侶と出会い、原爆症も乗り越えて、2人のお子さんを出産した。その後、戸田先生が「原水爆禁止宣言」を発表された神奈川・横浜に移転。苦しんできたからこそ、人の痛みのわかる自分に成長をと誓い、この地で誠実に平和の連帯を広げてきたのである。
 このほど、お嬢さんが、韓国の名門大学の大学院で最優秀の成績を収めて頑張っているとの、喜びの報告も届けてくれた。
 一人の母の物語である。ここには「生命の尊厳」も、「人間の平等」も、何と美事に体現されていることか。
 私が今回の「SGI(創価学会インタナショナル)の日」の提言で申し上げた、
 ①他者と苦楽を共にしようとする意志
 ②生命の無限の可能性に対する信頼
 ③多様性を喜び合い、守り抜く誓い
 この三つの指標を日々、「草の根の連帯」の中で、実践してくれているのも、明るく賢く大らかな創価の女性たちなのである。

“人権の母”の信念
 今年の2月4日は、「アメリカの公民権運動の母」ローザ・パークスさんの生誕100周年の佳節であった。
 20年前──当時、ロサンゼルス郊外にあったアメリカ創価大学で初めてお会いした折、妻が用意したケーキで80歳の誕生日のお祝いをさせていただいたことも懐かしい。
 謙虚で凜とした清らかな微笑み。人類の歴史に輝く、誇り高き人権闘争の母であった。
 積年の不当な差別に対し、敢然と「ノー」を叫んだパークスさんの勇気の声と行動が、歴史の歯車を大きく動かしたことは、あまりにも有名な史実である。
 「誰かがまず第一歩を踏み出さなければならないことは、わかっていました」
 「何をすべきかわかっていさえすれば、恐れることなど何もない」
 パークスさんが語り残された不滅の言葉である。
 一念を定め、行動する腹を決めた女性ほど強いものはない。誰もかなわない。
 私が対談したアメリカの歴史家ハーディング博士は、パークスさんをはじめ、公民権運動における女性の重要な貢献について、こう語っておられた。
 「女性の励ましがなければ、(人権闘争の)行進に加わる人も、一人もいなかったでしょう」
 そして「皆を結束させ」「皆を大いに励まし、力づけ、運動参加へと導いて」いった、女性の力を心から讃えられていた。
 博士が繰り返し指摘されている通り、歴史を変える民衆運動の根幹には、女性の「励まし」がある。
 我ら創価の広宣流布の運動もまた、女性たち、母たちの「励まし」の力で朗らかに勝ってきた。これからも徹して励まし合いながら勝ち続けていくのだ。

広布は小単位から
 本年、尊き“広布の母たち”を祝福する記念日である、5・3「創価学会母の日」は25年を迎える。
 地域の平和と安穏の責任者ともいえる「地区婦人部長」制がスタートしてからは15周年。小単位で学ぶ婦人部の「グループ」の発足35周年でもある。
 先月、新春の本部幹部会では、グループのモットーが発表された。
 「皆で語り 皆で学び 皆が創価の幸福博士に!」
 婦人部のグループとは、地区、ブロックよりも、さらに少人数の学習・懇談の場である。「広宣流布は一対一の膝詰めの対話から!」と言われた恩師・戸田先生の指導に、一番近い組織といえよう。
 少人数だから、「全員が主役」である。役職などの上も下もない。「皆で」という言葉を、最も現実的に実践できる。ここに婦人部の本当の強さがある。
 地に足を着けた「自発能動」の励まし合いのグループこそが、広宣流布の推進と拡大の原動力である。
 あの地この地で、今日も幸福博士の笑顔を、一つ、また一つと広げゆく、グループ長をはじめ“太陽の母たち”に、我らは感謝の大拍手を送りたいのだ。

 清らかな
  母娘《ははこ》の心に
    創価城
  幸の宝は
    三世に香りて


 ホイットマンの言葉は『草の葉(中)』酒本雅之訳(岩波書店)。パークスは『勇気と希望』高橋朋子訳(サイマル出版会)。

今の労苦が福徳の根っこに

共に智慧と慈悲と歓喜の花を!
「信心の炎」を一段と燃え上がらせて


 天晴《あっぱ》れな
  世界の広布を
   開きゆく
  女性の未来は
    無限の希望が

 釈尊、そして日蓮大聖人が悲願となされた一閻浮提の広宣流布を、今この時に成し遂げゆく創価の師弟の宿縁は限りなく深い。
 「SGI(創価学会インタナショナル)の日」である1月26日は、福光の希望を広げる「東北女性の日」でもあり、さらに前日の1月25日は、正義の誉れ輝く「関西婦人部の日」に当たっている。
 この記念日を祝し、世界広布の懸け橋となって、翻訳の労作業に携わってくれている有志の方々が、あのヘレン・ケラーの著書『サリバン先生』を、名訳とともに届けてくださった。
 翻訳・通訳という世界広布の生命線においても、研鑽と努力を惜しまぬ女性たちが、いやまして大きな使命を果たしてくれている。
 目と耳と口の不自由という“三重苦”を克服した、ヘレン・ケラーは、師であるサリバン先生へ尽きせぬ感謝を込めて記した。
 「先生は私の身体的弱さに合わせて教えるのではなく、教えようとする高みへと私の精神の強さを少しずつ引き上げてくださった」と。重みのある言である。
 サリバン先生自身も、幼少期から幾多の苦労を重ね、失明の危機も乗り越えてきた女性である。
 苦しみを分かち合いながらも、そこに止まらない。その人が持つ、生命の限りない強さを引き出し、共に境涯を高めていく──わが婦人部の「人間革命」への激励にも通ずる。
 ヘレン・ケラーは、こうも振り返っている。
 「当時のサリバン先生は、華麗な花を咲かせるために、冷たい暗闇の中で労苦している根っこのような気持ちであったのではないかと思います。
 しかし、先生がいつも、この時期が人生の中で最も充実し、喜びにあふれた日々であったと述懐されていたことを思い出すと、私はとても嬉しくなるのです」
 人を育てる苦労と喜びは何と尊く、深いものか。
 わが子のため、わが友のため、祈り、悩み、尽くす。その目に見えない労苦と奮闘は、必ずや自分自身の生命の福徳となって積まれる。そして、その福徳が、そのまま、わが子に、わが友に伝わっていくのである。
 「御義口伝」に、「自他共に智慧と慈悲と有るを喜とは云うなり」(御書761ページ)と仰せである。
 この究極の「智慧」と「慈悲」と「歓喜」の花を、地域にも、世界にも、咲かせ広げているのが、創価の女性たちである。

麗しき女性の連帯

 皆様方は「異体同心」という最高に麗しきスクラムを組みながら、広宣流布の大目的へ弛みなく前進している。これほど強く、これほど明るい姿はない。
 思えば、創価教育の師父・牧口常三郎先生は、いち早く女性のための通信教育を推進された。女性の活躍の広がりが、人類の幸福と平和に直結することを確信されていたのであろう。
 そこには、日蓮大聖人の「男女はきらふべからず」(同1360ページ)、「女人と妙と釈尊との三 全く不同無きなり」 (同842ページ)との大宣言の精神が光っている。
 しかし、日本において女性を取り巻く環境は、まだまだ厳しい。世界経済フォーラムが発表した「男女格差指数」(昨年10月)によると、日本の平等度は135カ国中、101位。残念ながら先進国では異例の低さという。
 私か対談集を発刊した、ヨーロッパ統合の父クーデンホーフ=カレルギー伯爵は語っておられた。
 「女性は男性よりも、はるかに誠実な平和主義者です。女性は生命をはぐくみ育てるのが本能であって、殺戮を望みません。
 それは、自然が女性に、男性にはできない使命を与えたためです」
 女性が輝いてこそ、地域も、社会も、未来も輝きに包まれゆく。女性が最も輝ける社会を目指すことこそ「平和の大道」なりと、私はいま一度、強く訴えたい。
 その開道の先覚者こそ、私たちが最大に尊敬し、信頼する世界第一の創価の婦人部なのである。

同苦こそ創価の心
 あの「阪神・淡路大震災」から、1月17日で、18年を迎えた。あらためて、亡くなられた全ての方々に題目を送り、懇ろに追善回向をさせていただいた。
 「負けたらあかん」と復興の槌音を響かせ、不死鳥の如く街を蘇らせた大関西の母たちの崇高な年輪に、ただただ感謝合掌である。
 先日、聖教新聞の連載の“福光新聞”に掲載された兵庫県の地区婦人部長の体験を、妻も目頭を熱くしながら拝読していた。震災でご主人と2人の娘さんを亡くされながら、健気に信心を貫き、頑張り抜いてこられた偉大な母である。
 彼女のことを思い、あえて厳しい激励の言葉も掛けた信心の先輩も、何と慈悲深き女性であることか。
 慈悲の根底には、共に苦しみ、共に泣き、共に祈る仏の「同苦」の心がある。
 眼前の悩める友、苦しむ同志と心を結び、励まし合って、どんな絶望の闇も照らし晴らしていく──これこそ、私たちが経文通りに「悪口罵詈」されながらも築き上げてきた、創価学会である。まさしく、現代における民衆の奇跡の団体なのである。
        ◇
 宮城県に住むある若き母は、東日本大震災で、可愛い盛りの5歳の長男を奪われた。胸が締めつけられる悲しみである。
 周囲の励ましに、再起しようと思うが、なかなか前に進めない……。その暗闇に光を点してくれたのが、先ほどの兵庫県の地区婦人部長をはじめとする関西の婦人部との交流であった。
 この18年間、妙法を抱きしめ、一番深い悲しみを乗り越えてきた常勝の母。その姿に、東北の母は不屈の勇気をもらい、前を向くことができた。
 そして、“心にいる息子”と共に生き抜き、共に進みゆく思いで、地域のヤング・ミセスのリーダーとして走り抜かれていると伺っている。

必ず道は開かれる
 「南無妙法蓮華経と申す女人の・をも(思)う子に・あわずという事はなし」(御書1576ページ)
 日蓮大聖人は、16歳の息子を亡くした上野殿母尼御前と共に悲しまれ、嘆かれた。そして、母尼の胸中に「信心の炎」が再び燃え盛るまで激励を続けられたのである。その「信心の炎」を受け継いだのが、兄の南条時光であり、時光もまた赤誠の信心を生涯貫き通した。
 生死は不二である。亡くなった家族は、わが心の中にいつも一緒にいる。瞬時も離れることなく、生命は一体である。ゆえに、この生命に妙法の力をみなぎらせ、法のため、人のため、広宣流布のために行動することが、そのまま亡き家族をも「歓喜の中の大歓喜」(同788ページ)で包む光明となるのだ。
 ともあれ、真剣な「励まし」の連続が、必ず蘇生のドラマの連鎖を生む。これが創価の世界である。
        ◇
 御書には、「一切の法は皆是れ仏法なり」(566ページ)と明確に説かれている。
 ありとあらゆる煩雑な悩みや葛藤が渦巻く、この現実の生活を離れて、「人間革命」もなければ、「一生成仏」もないのである。
 時には、「どうして自分ばかりが……」とグチをこぼしたくなることもあるかもしれない。しかし、煩わしい試練と、祈り戦うからこそ、仏の力を出せる。泥が深ければ深いほど、やがて美事な幸福勝利の大輪を咲かせていけるのが、「如蓮華在水」の妙法である。
 大聖人が富木尼御前(富木常忍夫人)を労われた一節が、私は思い起こされる。
 「(貴女《あなた》の夫である)富木殿が語られていました。
 『このたび、母が亡くなった嘆きのなかにも、その臨終の姿がよかったことと、尼御前(妻)が母を手厚く看病してくれたことのうれしさは、いつの世までも忘れられない』と、(富木殿は)喜んでおられましたよ」(御書975ページ、通解)
 富木尼は、自らも病気と闘いながら、90代の高齢の姑を介護していた。
 大聖人は、そうした辛労をすべて見通されて、夫である富木殿の感謝の心まで、こまやかに伝えてくださっている。
 婦人部の皆様方の日々の奮闘も、御本仏が全てを御照覧であられる。
 ゆえに、何があっても、一切を御本尊に祈念して、一喜一憂せず、淡々と題目を唱え抜いていくことだ。必ず道は開かれる。
 そして、その尊い体験こそが、あとに続く後輩たちへ、何よりの希望の励ましとなっていくのである。

未来を信じる勇気
 アメリカの未来学者ヘンダーソン博士が、ご自身のお母様に捧げた詩の一節を婦人部の皆様に贈りたい。
 「本当の勇気とは/日々、人のために働くこと。
 本当の勇気とは/見返りも賞讃も求めずに/未来を信じ続けること」
 未来を創るのは、今だ。
 だからこそ。「信心の炎」をいよいよ燃え上がらせ、勇気凜々、思い切って、この一日を、この一カ月を、この一年を、走り抜こう!
 私も“創価の母”である婦人部の皆様と共に、創立100周年の未来を盤石にするため、“今再びの常勝の陣列を!”と祈り、幸福勝利へ励ましの春風《しゅんぷう》を送り続けていく決心である。
 日々、世界を照らしゆく、新鮮なる「幸福の太陽」と輝く婦人部、万歳!
 私と共に、苦労を喜びに変えて、今日《きょう》も、明日《あした》も、朗らかに、勝利、勝利、また勝利の人生を!

 妙法の
  無量無辺の
   功徳をば
  浴びたる貴女《あなた》の
    生命《いのち》は健やか


ヘレン・ケラーの言葉の出典は『Teacher: Anne Sullivan Macy』 (Doubledav & Company)。
2013-02-13 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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新時代第63回本部幹部会/創価青年セミナーへのメッセージ

新時代第63回本部幹部会/創価青年セミナーへのメッセージ
         (2013.2.9 東京戸田記念講堂)

 新時代第63回本部幹部会が9日、「創価青年セミナー」の意義を込め、巣鴨の東京戸田記念講堂で開催された。これには原田会長、正木理事長、杉本婦人部長をはじめ各部の代表が20カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)の友と出席。池田名誉会長はメッセージを贈り、「共々に生命の勝利の花を満開に咲かせよう!」と強調。「最高の生命の花を咲かせていく、究極の力が、南無妙法蓮華経です」と語り、最後に「寒風に 負けるな 胸張れ わが青年よ」と詠んだ。

名誉会長のメッセージ


新しき地球社会の建設へ語り広げよ


人間の可能性は無限大 どんな悩みも打開できる
寒風に 負けるな 胸張れ わが青年《きみ》よ


 一、寒い中、本当にご苦労さまです。
 とくに、厳しい冬の季節にもかかわらず、勇んで遠路をいとわず、お越しくださったオーストラリア、ヨーロッパ各国、フィリピン、インド、スリランカ、ネパール、そして韓国をはじめ、20カ国・地域の偉大な同志の皆様方を、私たちは万雷の大拍手をもってお迎えしたいのであります(大拍手)。
 一、きょう、私は、皆さんと一緒に決意し合いたいことがあります。それは、「共々に生命の勝利の花を満開に咲かせよう!」ということです。
 一人一人の生命が、どれほど尊いか。
 どれほど大きな可能性を秘めているか。
 たとえ、「一日の生命」であっても、宇宙の全財宝よりも素晴らしいと仏法は示しています。
 実際、60兆という膨大な数の細胞が絶妙に調和し、たえまなく外敵とも戦いながら、働き続けている人体は、多くの科学者からも、まさしく「宇宙」であると感嘆されています。
 心臓は、1日に約10万回も脈動し、実に約8トンもの血液を全身に送り出してくれている。
 脳は、大脳皮質だけでも、140億もの神経細胞が天文学的なネットワークを広げており、その成長し、創造しゆく力には、限界がありません。
 「よく学び、よく使うほど、頭は冴えわたる」と言われるゆえんであります。

自分自身が偉大な仏だ
 一、仏法では、「仏」という最も偉大な存在も、人間を離れ、現実を離れて、どこか遠くにあるのではない。
 私たちの生命の中にある。この私たち自身が、まさに「仏」なのであると説かれております。
 そう言われても信じられないという人に、日蓮大聖人は、「自分のまつげは近すぎて見えないようなものだよ」(御書1491ページ、趣意)と譬えられました。
 さらに、「美しい桜の花は、ごつごつとした木の中から咲き出てくるではないか」(同1492ページ、趣意)、「同じように、凡夫である私たちの心の中から、必ず仏の生命を開いていくことができる」(同1491ページ、趣意)と教えられているのであります。
 結論して申し上げれば、その最高の生命の花を咲かせていく、究極の力が、南無妙法蓮華経です。これは、絶対に間違いのない大法則であります。

民衆の不幸をなくすために
 一、ともあれ、人間は、自分らしく「幸福の花」を咲かせるために生まれてきました。
 人生は、思い切り「勝利の花」を咲かせるためにあります。
 それを万人に可能にしたのが、仏法なのです。
 このことを、私は、19歳でお会いした師匠である戸田城聖先生から教えていただきました。
 残酷な戦争で無数の命が奪われた直後であり、荒廃した焼け野原にあって、何の希望も見いだせない時代でした。
 その中で、青年を信じ、励ましてくださった先生のお心に応え、私たちは立ち上がった。
 どんな悩みを抱えた友にも、どんな境遇に苦しむ友にも、「断じて打開できる」「絶対に幸福になれる」と言い切って、共に仏法を学び、実践し、一人また一人と「人間革命」の実証を示してきたのです。
 それは、この世から、民衆の不幸と戦争の悲劇をなくすための、終わりのない挑戦であります。
 今、「友情」と「信頼」の世界市民のスクラムは、192カ国・地域にまで広がりました。
 そして、いよいよ、これからが、わが創価の青年たちが、「生命の尊厳」の哲理を高らかに掲げて、「平和の柱」となり、「文化の大船」となり、「教育の眼目」となって、新たな地球社会に貢献していく晴れ舞台です。

たとえ目が見えなくても
 一、北海道創価学会では、毎冬、全道の各地で青年主張大会を開催しております。
 4年前、若くして命にも及ぶ病で視力を失いながら、雄々しく闘病を続け、地域のリーダーとして活躍する青年が叫びました。
 「たとえ、目が見えなくても、私は人に励ましの言葉を掛けることができる。人の悩みを聞くことができる。人のために足を運ぶことができる。
 そして、何ものにも負けない信仰があります。
 いかなる困難が襲いかかろうとも、郷土の未来に希望を送りゆく一人に成長していきます!」と。
 壮年部に進出した今も、父母と共に、同志と共に、勇敢に朗らかに前進してくれています。
 こうした尊き体験が、日本中、世界中に花開いています。
 大聖人は、「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(同1253ページ)と約束してくださいました。
 ここに、人類を照らす永遠の希望の太陽があります。
 きょう集われた大切な皆様が、一人ももれなく、試練の冬を勝ち越えて、「歓喜の春」「和楽の春」「勝利の春」を飾りゆかれることを私は祈ります。
 一、結びに、

 寒風に
 負けるな 胸張れ
  わが青年《きみ》よ

 ──と贈り、私のメッセージといたします(大拍手)。
2013-02-11 : スピーチ・メッセージ等 :
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核兵器のない世界へ 新たな行動の波を!

核兵器のない世界へ 新たな行動の波を!
           (2013.1.4付 Ny Tid〈新時代〉)

 ノルウェーの高級誌「Ny Tid(新時代)」(1月4日付)に池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長の寄稿「核なき世界へ 新たな行動の波を!」が掲載された。
 同誌はノルウェーのオスロに拠点を置く、同国唯一の週刊ニュース誌。政治から文化、国際情勢まで幅広く手掛け、世界の気鋭の論客によるコラムを掲載している。その歴史は1953年にさかのぼり、外交問題にも大きな影響を与えてきた。
 寄稿の中でSGI会長は、核兵器がもつ「非人道性」に焦点を当て、いまだに核兵器に莫大な資金や人的資源が費やされている事実に言及。21世紀に求められるのは「核兵器のない世界へのパスポート」であるとし、政策転換に向け市民社会が連帯して意思を示すよう訴え、3月に開催が予定されるオスロでの核兵器の非人道性に関する国際会議は新たな一歩となると述べている。
 こうした呼び掛けにノルウェー国際問題研究所のスベレ・ルードガルド上級研究員や核兵器廃絶国際キャンペーン・オスロ市民社会フォーラム実行委員のマグヌス・ローヴォルド責任者らから反響の声が寄せられた。
 ノルウェー平和協会のアレクサンダー・ハラン事務局長は、同寄稿が生んだ波動をさらに広げるために、SGI会長の平和提言を研究するセミナーを開催したいと語っている。


よりよい未来へ希望を取り戻せ
核軍縮を市民社会の連帯で


ノルウェーの人道の闘士 ナンセン
なさねばならぬ事柄をなすべき道はつねにある

人類共同の事業

 近年、核兵器の拡散や核テロヘの懸念から、核兵器に関わる政策の見直しを求める声が保有国の元政府高官らからも叫ばれるようになった。
 しかし、いまだどの保有国も抜本的な政策の転換に踏み出すに至っていないのが現状である。事実、冷戦が終結してから20年余を経た現在も、世界には約1万9000発もの核弾頭が残存している。
 こうした状況を打開する責務は、一にも二にも核保有国にあることは論を待たない。しかし一方で、核保有国の行動の変化を待つだけでは核兵器廃絶への道が開けることはないのも事実といえよう。
 私か想起するのは、1996年に国際司法裁判所が示した勧告的意見の、次の一節である。
 「(NPT〈核不拡散条約〉第6条が要請する核軍縮のための)交渉を追求しかつ公式に達成するというこの二重の義務は、NPTに参加する182カ国、言い換えれば、国際社会の圧倒的多数にかかわるものである」
 「実際、全面的かつ完全な軍縮、とくに核軍縮の現実的な追求には、すべての国家の協力が必要である」
 つまり「核兵器のない世界」の建設を一歩ずつ前に進ませるためには、その挑戦を“人類共同の事業”として位置付け、ビジョンを共有する連帯の輪を広げることが、絶対に欠かせないということである。
 これはすなわち、核兵器の廃絶は核兵器保有国のみに関わる事業ではない、言い換えれば、非核保有国また市民社会にも担う不可欠な役割があることを意味するのだ。
 それゆえかつて私は「核時代に終止符を打つために戦うべき相手は、核兵器でも保有国でも核開発国でもない。真に対決し克服すべきは、自己の欲望のためには相手の殲滅も辞さないという『核兵器を容認する思想』である」と指摘してきた。核兵器の存在は、全ての国と人々に関わる問題なのだ。
 これまで、核軍縮をめぐる国家間の交渉では「安全保障」の観点ばかりが焦点となり、核兵器という兵器が生来帯びている「非人道性」を問い直す視点が欠落していた。
 しかし2010年5月、NPTの再検討会議で注目すべき合意がなされた。最終文書で、核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果を引き起こすとの深い懸念が表明され、全ての国に国際人道法を含む国際法を遵守する必要性が初めて明記されたのである。
 これを契機に、静かにではあるが重要な動きが始まった。次回(2015年)のNPT再検討会議に向けて昨年行われたウィーンでの準備委員会では、ノルウェーがスイスと共に主導する形で、16カ国による「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」が発表された。
 この共同声明は、「自分や家族が見舞われた惨劇を、地球上の誰にも、絶対に味わわせてはならない!」との思いで核兵器の非人道性を訴え続けてきた広島と長崎の被ばく者の方々をはじめ、日本の市民社会でも共感を呼び、高く評価する声が相次いでいる。
 さらにノルウェー政府は、核兵器の非人道性に関するオスロ会議を本年3月に開催する。SGIは、こうしたノルウェーの取り組みを市民社会の立場から強く支持し歓迎するものだ。
 もちろん、この挑戦は決して平坦な道のりではない。しかし、ノルウェーが生んだ平和と人道の闘士・ナンセンの言葉に「なさねばならぬ事柄をなすべき道は、つねにある」(林要訳)とあるように、それは決して不可能なことではないと確信する。
 ヒロシマとナガサキという経験を持つ日本は、この会議の成功のために積極的な貢献をすべきである。そして、このオスロから始まろうとする新たな動きを、核兵器禁止条約実現への道筋とすべく、全力で取り組まなくてはならない。
 唯一の用途が、無差別な殺戮という以外ないのが核兵器である。その本質は、1945年8月の原爆投下で余すことなく示された。それはまた、自然環境にも甚大かつ長期にわたる影響を及ぼす。核兵器は、筆舌に尽くしがたいほどの苦しみと惨害を幾重にも与え続けるのだ。
 しかも今日、私たちの眼前には、飲料水や食料、保健衛生といった、私たちの生活と生存を守るための喫緊の課題が存在する。その事実を知りながら、核兵器のために、巨額の資金や技術、人的資源を投入することにいかなる正当な理由があるのか。生存と生活のために資源を投入するのではなく、殺戮と破壊のために資源を投入するという「非人道的」な事態を我々は変えなくてはならないのだ。
 私どもSGIの平和運動の原点は、1957年9月に「原水爆禁止宣言」を発表し、人類の生存権を根源的に脅かす核兵器の非人道性を訴えた、私の師である戸田第2代会長の叫びにある。
 核兵器は国際人道法の意味において「非人道的」であるのみならず、ありうべき人間の「道」に反するという「非人道性」があるのだ。それが、私どもが核兵器を「絶対悪」と糾弾するゆえんである。
 核兵器は、再び、一発たりとも使わせてはならない。それこそがヒロシマ・ナガサキの叫びなのだ。
 かつて、世界の平和を展望してナンセンは「人類にとって一層よい未来に近づくことができるようにと、真実に望むならば、その第一の条件は、勇気をもつことであり、恐怖に支配されないことである」(吉野源三郎訳、現代表記に改めた)と力説した。このまま核兵器の脅威が対峙する状態が続くことは、単に現世代が平和に生きる権利を脅かすだけでなく、未来をも蝕むことにもなろう。
 戦火や飢饉などによって生じた難民の法的保護のために「ナンセン・パスポート」が発行されてから、昨年で90周年を迎えた。そのパスポートの存在によって窮状から救い出され、生きる希望を取り戻した人々が何百万人にものぼった史実は、日本でもよく知られている。
 時を経て今、21世紀に生きる私たちに求められているのは、後に続く世代のために「核兵器のない世界へのパスポート」を何としても送り届けることができるよう、時代転換の大波を巻き起こすことにある。政策転換に向けて、指導者たちが新たな一歩を踏み出せない時、打開の方途となるもの──それは、市民社会のあらゆる人々が連帯し、圧倒的な意思を示すことだ。
 対人地雷や、ここオスロの地で署名をみたクラスター弾の問題にしても、禁止条約の実現に向け政治の動きを最終的に後押ししたのは、国際世論の力であった。私たちが生きるこの時代に「核兵器のない世界」の実現は不可能ではないことを、市民社会の力をもって示そうではないか。オスロの挑戦は、その新たなる一歩なのだ。
2013-02-05 : スピーチ・メッセージ等 :
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