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未来対話  君と歩む勝利の道 第7回

第7回 誇り高く 向上の道を!  (2012.11.1付 未来ジャーナル)

「私はやり切った」と言える人に

オーストリアの詩人 リルケ
あなたを、これまでのあなたの最善の時以上のものにするものは、すべて正しいものです

 ──本年も残り2カ月。特に中学・高校の3年生にとって大切な時期です。皆、新たな進路に向け、勉強と努力の日々を送っています。

名誉会長 未来部のみんなは、誰もが社会の柱と育ちゆく大人材です。学会の将来を担うリーダーです。
 創価家族が、皆さんの活躍する晴れ姿を楽しみに待っています。
 受験生は、風邪などひかないように、元気に頑張ってください。全員の健康と勝利を、私も毎日、真剣に祈っているからね。
      □■□
 ──ありがとうございます。メンバーと語り合う中で、進路に関する悩みを多く聞きます。将来に対し、漠然とした不安もあります。また、「どの学校に行ったらいいのか分からない」「将来の夢が見えず、進路もはっきり見えてこない」というメンバーもいます。

名誉会長 そうだろうね。
 人生は、難しい選択の連続です。とりわけ受験は、未来部のみんなが初めて迎える、大きな岐路とも言えるでしょう。分からないことや不安があって、当然です。
 だから、自分一人で悩みを抱えこまないで、親や学校の先生、信頼する先輩方に率直に相談しながら、大きな心で最高の進路を選び取っていただきたい。
 「進路」とは「進む路」です。恐れずに前へ前へ進むためにこそある。大事なのは、一歩踏み出す勇気を持つことです。
 大空には、鳥の進む道がある。
 大海には、魚の進む道がある。太陽だって、曇っても、雨が降っても、厳然と軌道を進んでいく。
 人にも人の軌道があります。幸福へと向かう軌道がある。それは「上へ上へ」と向かう軌道です。
 何があっても、強く賢く、自分で自分を向上させていく道です。
      □■□
 ──明年には新総合教育棟が完成し、発展を続ける創価大学や創価女子短期大学、アメリカ創価大学、東西の創価学園へも、多くのメンバーが挑戦しています。

名誉会長 創立者として、これほどうれしいことはありません。
できれば、受験してくれる全員を合格にしてさしあげたい。
 でも、そういうわけにもいかないし……。
 ただ私にとっては、志願してくれた人はみんな、創大生・短大生であり、学園生です。その人が必ず幸福になるよう、立派になるよう、祈りに祈っていきます。絶対に忘れません。
 これが、創立者の心です。
 もちろん、どの学校を志望しても自由です。私の大切な宝である、未来部の君たちが目指すのだから、それぞれが決めた進路で伸び伸びと断じて勝利できるよう、最大に応援したいのです。
      □■□
 ──どういう進路をとっても、向上していけばいいんですね。

名誉会長 その通りです。
 この「向上の人生」の模範を示されたのが、創価の父・牧口常三郎先生です。
 牧口先生は、みんなと同じ年代から働かねばなりませんでした。しかし、わずかな時間を見つけて本を開いて学びました。そして独創的な地理学者、偉大な教育者となられました。
 軍国主義と戦い、投獄されても、獄死されるまで学び続け、「向上の道」を進み抜かれたのです。
 このあまりにも崇高な探究者が、わが創価学会の創立者です。
 きょうは、牧口先生と同じ時代を生きたオーストリアの詩人リルケの言葉を、皆さんに贈りたい。
 「人生は正しいのです、どんな場合にも」「あなたを、これまでのあなたの最善の時以上のものにするものは、すべて正しいものです」(中村ちよ訳「若き詩人への手紙」、『リルケ全集 第6巻』所収、彌生書房刊)
 ちょっと難しいけど、自分の「最善」「ベスト」を超えていくように励ます、含蓄深い言葉です。
 自分を向上させていく道が、正しい道です。
 受験も就職も、たとえ自分の思うような道に進めなくても、その道で「自分を向上させていこう!」と決意できれば、それは正しい軌道です。絶対に大勝利の人生を歩むことができる。
 「向上する心」さえあれば、進路に「失敗」はない。ゆえに、何も恐れることはありません。

 ──『リルケ詩集』『ドゥイノの悲歌《ひか》』『マルテの手記』など、リルケの作品は、世界で時代を超えて共感を呼び、愛読されています。

名誉会長 リルケは若き日、自分で進路を選べず、悩みました。元軍人のお父さんの意向で軍人を目指す学校に入れられたのです。そこになじめず、いじめを受けた。やがて退学。今度は商業学校に入学しますが、結局そこも退学せざるを得なかった。
 本人も苦しんだだろうし、お父さんもがっかりしたようだ。
 しかし、勉強をやり直し、その後、大学に進んだころから、ペンで身を立てる決心を固め、詩や散文を書いて書いて書きまくっていったのです。
 のちに、リルケは、当時のことを、自分で選んだ道で成功できるかどうかの自己点検の時期であったと振り返っています。
 そして、文豪トルストイや彫刻家のロダンなどと出会いを重ねながら、努力を続けました。悩みに負けず、自分らしく創造の戦いを貫き通したのです。

 ──そんな生き方が結晶しているからこそ、世界の青年の心に響く詩を残せたのですね。

名誉会長 青春の魂は不屈です。転んでも、へこたれないで、また立ち上がればいいんです。
 仏法では「煩悩即菩提」と説きます。信心根本でいけば、悩んだ分、苦労した分、すべてが「心の財《たから》」に変わります。
 今、具体的な将来像が見えなくても、あせる必要はありません。
 現代は、ただでさえ、情報があふれている時代です。将来の自分を思い描こうとする時に、悲観的な情報にふりまわされ、迷ってしまうこともあるかもしれない。
 周囲の友人と成績を比べて落ち込んでしまうこともあるでしょう。受験シーズンになれば、なおさらです。
 しかし、リルケがそうであったように、目の前の課題に全力で取り組むうち、希望を持って進める「わが道」は、必ず見つかります。

 ──「受験の日は刻々と近づいてくるのに、どうしても苦手科目が克服できず不安だ」「成績がなかなか上がらず自信がない」というメンバーも多いようです。

名誉会長 そういう“勝負”の時に逃げない。「当たって砕けろ」と思い切って立ち向かったことが「自信」になる。それは、生涯にわたって自分を支えてくれます。
 私も対談した、あの大秀才のトインビー博士も、パブリックスクール(名門進学校)へ入るための試験が不安でしかたなかった。その時、ご両親から“ベストを尽くせばいいんだよ。志望校に入れなくたって、この世が終わるわけじゃない”と励まされ、ほっとし、実力を出し切れたといいます。
 「自分は自分なりに、できることをやり切った」と言える戦いをすれば、その人が勝利者です。
 日蓮大聖人は、「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(御書1253ページ)と仰せになられました。
 厳しい冬を乗り越えてこそ、春に美しい花が咲き薫る。
 どれだけ寒さが厳しくても、木々は一つも文句も言わず、じっと耐える。そして少しずつ着実に、養分を吸収している。
 万事、大変な時こそ、本物の強さが身につくのです。
 これから季節も、ぐっと寒くなってきます。受験生の皆さんが、忍耐と負けじ魂で冬を乗り越え、勝利の春を迎えられるよう、皆で応援していこうよ。
 未来部の一人一人が、どれほど偉大な大樹に伸びゆくか。これが、私の一番の希望です。わが21世紀使命会の皆さん、どうか、温かく見守り、こまやかに励ましていただくよう、お願いします。
      □■□
 ──はい! 一丸となって、受験生を後押ししていきます。
 ところで最近は、「本当は大学に行きたいけれど、家庭の事情で、進学を断念せざるをえない」という声が寄せられています。厳しい不況の中、保護者の方が経済的に大きな困難に直面している場合も少なくありません。

名誉会長 ご家族の皆様のご苦労は、よく分かっています。信心根本に乗り越えていけるよう、一生懸命に題目を送っています。
 未来部の皆さんにお願いしたいことは、どんなに家庭が厳しい状況であっても、絶対に卑屈になったり、感傷的になったりしてはいけないということです。
 何もかも恵まれた中から、強い人間は育ちません。逆境の中から、ダイヤモンドのように光る偉大な力を、朗らかに胸を張って、磨き上げていただきたいのです。
 牧口先生を師と仰いだ私の恩師・戸田城聖先生も、高等小学校を首席で卒業したが、家業を支えるために進学できなかった。それでも屈しないで、商店に勤めながら向学心を燃やし、小学校の教員になられました。
 私の大切な友人である韓国の趙《チョ》文富《ムンブ》博士は、名門の国立済州《チェジュ》大学の総長を務められました。この博士も、経済的な理由から中学進学を断念せざるをえなかった。だから、苦学の末に教育者になってからは、給料をはたいて、後輩の援助を続けてこられました。つらく悔しい思いが、博士の学問の道を開き、人格を輝かせたのです。
 人生は自分次第です。環境に決められるのではない。自分が環境をつくるのです。自分が道を切り開くのです。その魂を燃やすために、信心があるのです。
      □■□
 ──以前、創価大学生の体験を聞きました。彼は小・中学生のころ、いじめに遭っていました。ある日、池田先生のスピーチを聴いて決意し、いじめを克服しました。創価大学を目指しましたが、お父さんを亡くし、経済的にも厳しくなり、進学はあきらめかけました。しかし、「命の恩人である池田先生の大学に行きたい」と、必死に祈る中で、思いがけないところから学資を援助してくれる人が現れたのです。さらに創価大学は、さまざまな奨学金などの制度も大変に整備されています。
 今、彼は、創価大学の大学院博士課程で大いに学びながら、後輩の勉学もサポートしています。

名誉会長 うれしいね。不可能を可能にしてくれたんだね。
 「学は光」です。「学びの道」は明るい。その道は必ず開けていく。ゆえに、何があっても、「向学の心」を失わないことだ。前進し続けることだ。そうして進んだ道が、君にしかない、あなたにしかない「使命の道」「充実の道」「勝利の道」になっていきます。
 その力を、あなたは持っている。
 その可能性を、君は持っている。
 生命に厳然と具わる無限の力を引き出していく妙法を朗々と唱えながら、ともかく前へ前へと、誇り高く向上の道を進んでいこう!

 ※リルケの人生は、星野慎一・小磯仁著『リルケ 人と思想161』清水書院刊、秋山英夫訳編『美しき人生のために』社会思想社刊、ブリタニカ国際大百科事典などを参照した。
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2012-10-31 : 未来対話 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.85/86

随筆 我らの勝利の大道 No.85/86   
             (2012.10.18/19付)
新しき熱と力を!

さあ!「青年学会 勝利の年」へ
無限の可能性を信じ一人立て!


常勝の 波を起こせよ 君が指揮

 新たなる
  歴史を開けや
       青春道

 満々たる「ニューパワー(新しき力)」をみなぎらせながら、新たな「創価」の大前進は始まった。
 先月、世界の言論界の闘士である国際通信社IPSのサビオ名誉会長も、創価の青年に温かく語りかけてくださった。
 「皆さんの行動次第で、新しい社会が生まれてくるのです。皆さんが今の社会を変革し、ぜひ、新しいアイデアで、新しい世界を創り上げていただきたい。これが私の夢です」と。
 「創価」すなわち「価値創造」しゆく青年力こそ、人類の希望なのだ。
 2012年「青年学会 拡大の年」から
 2013年「青年学会 勝利の年」へ──。
 学会は、いやまして青年力の勢いを増し、異体同心の創価家族の連帯で、断固と勝ち進んでいくのだ。
 「仏法と申すは勝負をさきとし」(御書1165㌻)である。
 私も、今のヤング男子部の友と同じ年代の時、恩師の事業難を懸命に打開する戦いの中で、この御聖訓を拝して、日記に綴った。
 「今月も、自分に勝ち、境遇に勝ち、社会への前進の勝利をしるしたい」と。
 試練の烈風に向かって「自身に勝つ」青年が一切の勝利を開くのだ。

“華陽”の青春乱舞

 日蓮大聖人は、南条時光のお母さんに、こう語りかけておられる。
 「此の経を持《たも》つ人は百人は百人ながら・千人は千人ながら・一人もかけず仏に成る」(同1580ページ)と。
 仏法の広大無辺の慈悲の世界には、いささかの差別もなければ、一人の例外もない。誰人たりとも、必ず幸福の境涯を開き、わが生命を妙法蓮華の当体と咲き薫らせていくことができる。
 今、フレッシュな華陽リーダーたちが、若い世代に友情を広げ、仏縁を結んでいることが、いかに素晴らしいか。
 「女子は門をひら(開)く」(同1566ページ)と仰せの通り、一人の妙法受持の乙女から、友人にも、家族にも、地域にも、社会にも、そして未来にも、どれだけ希望と歓喜の門が開かれるか、計り知れない。
 日本全国、さらに全世界からの華陽の乙女たちの健気な報告に、私も妻も、心を弾ませる毎日である。
 現実は、思うようにいかないことも、落胆するようなことも多いに違いない。
 しかし、女性の門下への御書に「百千万年くら(闇)き所にも燈を入れぬればあか(明)くなる」(1403ページ)とあるように、題目を唱える生命は、どんな悩みにも、どんな行き詰まりにも、もはや絶対に負けない光を帯びているのだ。
 信仰とは、無限の希望である。ゆえに、何があっても、華陽のスクラムは仲良く賢く励まし合い、明るく朗らかに歌声を響かせながら、思う存分に青春を乱舞していただきたい。
        ◇
 アメリカの人道の母エレノア・ルーズべルト夫人が、「新しいフロンティア(開拓最前線)」は「人間の精神」なりと意義づけ、訴えていたことがある。
 「私たちは、自分自身の心の中にある光りがあかあかと消すことのできない炎をもって燃えるのでなければ、他の人たちの心に永続する光りを投じることは、できないのである」
 どこか遠くではない。青年自身の胸中にこそ、いまだ開拓されていない、豊穣な精神の大地がある。無尽蔵にして持続可能な生命のエネルギーが眠っている。
 その内なるフロンティアに挑み、生命の宝蔵を開け放っていくことは、21世紀の青年たちに託された壮大な冒険といってよい。
 妙法とは、「生死の闇」を照らし晴らすとともに、「煩悩の薪」を焼いて幸福前進の力に転じゆく究極の智慧の炎である。
 若くして、この哲理の炎を抱いた創価の青年が、鮮烈な生命の大光をもって、人びとの心を照らし、一次代の新天地まで映し出していくのだ。
 わが東北の誉れの同志も、希望の開拓を勇敢に忍耐強く進めてくれている。
 先日、私と妻の大切な友人で、アメリカ・エマソン協会の会長を務められたサーラ・ワイダー博士(コルゲート大学教授)が、東北の被災地を訪ねられた。
 昨年の東日本大震災の折、真っ先に、お見舞いの励ましを送ってくださった博士である。博士は、被災した女性たちと膝詰めで懇談され、語られていた。
 「東北の皆様は詩人です。何と力強い言葉を話されるのでしょうか。本来ならば、激励を受ける立場の皆様が一番、人びとを励ましています。『心の財』を持たれる東北の皆様こそ、“世界の財”です」と。

「極限」への挑戦
 このたび日本の「第54次南極地域観測隊」の夏隊員として、わが創価大学工学部の黒沢則夫教授が参加されることになった。
 思えば、東北・秋田出身の白瀬矗《のぶ》中尉が、当初の北極踏破の夢を転じて、日本人の探検隊として初めて南極に挑み、南緯80度5分の地点(大和《やまと》雪原《ゆきはら》と命名)まで進んだのは、1912年1月のことであった。
 百瀬隊の偉業から100年に当たる本年、日本の観測隊は11月に出発し、その後、オーストラリアから観測船「しらせ」で南極に向かう予定である。
 実り多き観測を、私たちも心から祈りたい。
        ◇
 さて、昨年(2011年)は、北欧ノルウェーのアムンゼン探検隊による、「南極点への人類初到達」(1911年12月14日)から100周年──。
 このアムンゼンが最初に目指していたのも、実は「南極点」ではなく、正反対の「北極点」であった。
 ところが、準備に取り組む最中に、アメリカの探検家による北極点到達のニュースが飛び込んできた。
 それまで入念に計画を練り、多くの人びとの支援を仰ぎながら、準備を積み上げてきた“北極一番乗り”の目標が、一瞬にして消えてしまったのである。
 だが、アムンゼンは右往左往も、意気消沈も、しなかった。即座に北から南へ、180度、方向を転じて、一段と戦う魂を燃え上がらせたのだ。
 まず南極点を踏破し、しかるのち北極点を目指す──最終目的は同じだが、さらに遠大な計画に拡大したのである。
 実際、彼は南極点到達の15年後に、飛行船で北極海横断の探検に挑戦した。そして見事“南北両極点到達”の夢を実現している。

大誓願に生き抜け
 たとえ、途中で環境や条件の変化があっても、めげるどころか、ぱっと頭を切り換え、新たなチャレンジに、それまで以上の勢いでぶつかっていく。
 自ら定めた「誓願」だけは揺らいだりしない。断じて勝ってみせるという「闘魂」は、いよいよ燃え上がらせていく。
 本来、青年の若さとは、何ものにも屈しない逞しい生命のバネを持っている。
 「新たな課題に挑みゆく勇気」そして「眼前の壁を突破する力」こそ、我ら創価の青年の師子の魂だ。
 ここに、威風堂々と「青年学会の勝利」を開く原動力がある。
 大聖人は、「大願とは法華弘通なり」(御書736ページ)と仰せである。
 我らは、との大誓願の道をまっしぐらに進む。
        ◇
 アムンゼンを生んだノルウェーを私が初訪問したのは、1964年(昭和39年)の10月であった。
 当時、ノルウェーの創価の同志は、若き地区部長夫妻を含めて3人しかいなかった。おそらく“世界最小の地区”であっただろう。
 地区の誕生から1年9カ月──遅々として弘教の進まぬ現実に、地区部長の青年は悪戦苦闘していた。
 仏法に縁のなかった社会で、理解を広げることが、どんなに困難なことか。
 だが、広宣流布という希望の大航海は、どこまでも眼前の一人を真剣に励まし、本物の人材に育てていく以外にない。そこから、必ず「二人・三人・百人と次第に」流布していくことが、未来永遠に変わらざる「地涌の義」である(同1360ページ)。
 私は、地区部長の青年に真心込めて語った。
 「あなたは、このノルウェーの地で、人生の幸福の大輪を咲かせていってください。それぞれの国で、誰か一人が立ち上がれば、幸福の波が広がっていきます。あなたが立てばいいんです」
 半世紀が経った現在、ノルウェーSGIの地涌の陣列は、和楽と福徳の「本部」へ発展し、多くの力ある人材が躍り出ている。
 あの青年地区部長も、ノルウェー社会に根を張り、和食レストランの事業など、立派な信頼と勝利の実証を示されてきた。
 一切は「一人立つ」ことから始まる。一人であっても、人間は実に豊富な力を秘めている。その無限の可能性を信じ、自らが一人立つ。そして、一人また一人と誠実に善きつながりを結んでいくことだ。
 そこに、広宣流布と立正安国へ、新たな勝利の波が生まれることを忘れまい。

 常勝の
  波を起こせよ
   君が指揮

 ルーズベルトの言葉は『エリノア・ルーズヴェルト自叙伝』坂西志保訳(時事通信社)。アムンゼンに関しては『南極点征服』谷口善也訳(中央公論新社)、『南極点』中田修訳(朝日新聞社)などを参照。

前進! 広布の大航海へ敢然と
努力・執念・団結で未来を開け


青年部 ありて師弟は 勝利かな

 悠然と
  平和の大海
   晴れやかに
  勝利の人生
    この船 楽しく

 若き日の読書は、心の冒険である。知性の大海原へ心躍る探求の航海に船出していくことだ。
 わが未来部の英才たちが、活発に良書に取り組みながら、成長している姿が、何よりも嬉しい。

壮大なロマンの旅
 南極点初到達を成し遂げたノルウェーのアムンゼンが、探検家を志す動機となったのも、少年時代に読んだ極地探検記であった。
 さらに16歳のアムンゼンは、“グリーンランド横断”を成功させた、祖国の極地探検の先駆者ナンセンの雄姿を目撃した。
 偉大な先達の存在が青年の夢を鼓舞したのだ。その後もナンセンは、若きアムンゼンを激励し続けた。
 偉業の陰には、真心の励ましがある。
 伸びゆく創価の若き命に、慈父の如く、悲母の如く、温かなエールを送ってくださる壮年部・婦人部の皆様方に感謝は尽きない。
 アムンゼンが南極探検に用いたフラム号は、ナンセンが北極海で使ったのを最初として、既に2度の極地探検を重ねた船であった。
 かつて師匠が冒険に挑んだ船を弟子が引き継ぎ、その3度目の探検となる、新たな夢の海へ乗り出したのだ。なんと壮大なる師弟のロマンの旅ではないか。
 ノルウェー語の「フラム」とは、「前へ」──「前進」という意味である。
 まさに、その名の如く、未踏の地へ「前進、前進!」と進み続けたのである。
 私も、ノルウェー訪問の折、このフラム号を間近に仰ぎ見た。
 首都オスロ市にある「フラム号博物館」に展示された名高い船は、幾多の激戦を勝ち越えてきた偉大な老将軍のようであった。
        ◇
 わが誇りの「波涛会」(海外航路に従事する壮年・男子部のグループ)のキャプテンたちも、雄々しく奮闘してくれている。
 25年前、低迷する海運業界に希望の光を送ろうと開始した“海の男の写真展”も、英国ロンドンの国際海事機関の本部をはじめ、世界14カ国で1000回以上の開催を重ねてきた。
 持続は力である。
 今年も、原点の地・横浜市の山下公園で、伝統の写真展「波涛を越えて」が盛大に行われた。地元の神奈川の友も、また、研修で来日中のSGI(創価学会インタナショナル)の友も、雄大な作品を前に心広々と語らいを弾ませた。
 また開催期間中、多くの市民の方々が鑑賞され、波涛会のメンバーは颯爽と心の交流を結んだのである。

創価の大船《たいせん》は進む
 日蓮大聖人は、「此の経を一文一句なりとも聴聞して神《たましい》にそめん人は生死の大海を渡るべき船なるべし」(御書1448㌻)と仰せになられた。
 「生老病死」の苦悩が渦巻く現実社会にあって、「常楽我浄」という幸福と平和の航路を、自他共に切り開いていくのが、私たちの対話運動である。
 時代の荒波が高ければ高いほど、我ら創価の大船は、いやまして堂々と悠々と邁進していくのだ。
 ノルウェーの国民詩人ビョルンソンは綴っている。
 「開拓者に勇気があればあるほど、続くものは多くなる」
 勇気の青年こそ、新航路に挑みゆく開拓者だ。止まることを知らぬ、誇り高き「前進号」なのである。
        ◇
 アムンゼンとその同志たちは、金石《きんせき》のような堅固な意志で、南極点踏破の夢を引き寄せるための万全の準備を整えた。
 「強い意志こそ、目的達成には不可欠のもの」とは、若き日からの彼の確信であった。その「意志」とは、平凡な日常の中で、目的遂行のための必要なあらゆる努力と準備を、正確な時計のように着々と進める真剣な執念といってよい。
 「相構て相構て心を翻へさず」(御書1528ページ)
 これは、青年門下の南条時光への御聖訓である。
 その時々の気分で変わるものは、意志ではない。ましてや誓願ではない。
 何があろうが、一歩また一歩と挑戦し続ける信念こそ、大事を成就する要諦である。

あとは一致協力だ

 アムンゼンは語った。
 「基礎が確固として置かれた。あとはただ『一致協力』があればよかった」
 準備の次は、チームの「団結」が最も重要だというのである。
 「われわれは団結することによってこんなに遠くまでくることができた」
 私たちの胸に迫る、大探検家の感慨である。
 学会の大発展も、世界広布の夢も、師弟不二と異体同心の団結によって、初めて現実のものとなった。
 恩師・戸田城聖先生が、男子部の人材グループ・水滸会と共に、東京・奥多摩の氷川で行《おこな》ってくださった最初の野外研修の折のことである(昭和29年)。
 騎馬戦の際には、先生は身を乗り出して熱心に観戦され、だんだん勝ち残りの騎馬が絞られていくのをご覧になりながら、一言、鋭く言い放たれた。
 「よく見ていなさい。どんな戦いでも、団結した方が勝つよ」
 団結即勝利──これが、万般に通ずる真理である。
 愛するアフリカの同志が鮮烈に示してくれている通り、「イタイドウシン(異体同心)!」即「ビクトワール(勝利)!」なのだ。
 わが創価の青年部は、この勝利の大道を愉快に聡明に走り抜いてもらいたい。
      ◇
 先日、ロシア連邦のサハ共和国から、来日中のガブィシェヴァ副首相、また、首都ヤクーツク市のニコラエフ市長のご一行が、民音文化センターにお越しくださった。
 気温が冬はマイナス60度、夏は40度という厳しい自然環境にも負けない、強く豊かな人間性あふれる文化と教育の大国である。
 私たちも、深い交流を結ばせていただいてきた。
 1999年の3月、ヴラーソフ首相(当時)を聖教新聞社にお迎えした際には、首相がかつて「立正安国論」を手にし、読まれていたことが話題になった。
 首相は、その感想をこう語ってくださった。
 「ずっと昔に書かれた書であるのに、そこに記された、国を安穏にするための理論的結論は、今の私たちの国づくりに、まさに当てはまるものです」
 胸に染み入るようなその言葉を、私は今もって忘れることができない。
 命に及ぶ大難をも覚悟の上で、大聖人が「但《ただ》偏《ひとえ》に国の為 法の為 人の為にして身の為に之を申さず」(御書35ページ)と、苦しむ民衆のために尽くし抜かれた「立正安国」の大精神──それは、21世紀の世界を照らす希望の光源であると、私たちは確信している。
      ◇
 わが青春
  一生涯の
    幸福の
  土台なるかと
    明るく生き抜け

 人生自体が“未知への探検”の連続である。
 思いもよらぬ嵐に襲われる時もある。だが、その苦闘の中にこそ、大いなる勝利への突破口が秘められている。
 目標を見失わない限り、無駄な日は一日たりともない。日々、価値ある黄金の一日となり、希望がわき、成長もできるのだ。
 先般、南米ペルーの女子学生部員が、若者の幸福観をテーマにアンケートを実施した。その調査結果は、「日蓮仏法を実践する青年が、幸福で有意義な青春を送っている」ことを示すものであったという。彼女の真摯な研究は、優秀論文の表彰も受けたと報告が寄せられている。
 この乙女は、ペルー全土で行われている平和展示、環境展示の企画・運営を担う、学生部のグループの中心者の一人でもある。
 正しき哲学の光を、縁する同世代の友の胸中に注ぐのだ。平和と幸福の世紀を共に創ろうと、誠実に呼びかけていくのだ。
 大文豪ゲーテは歌った。
 「決心して、まずできそうなことを敢然と、
 たぶさ(=前髪)をとってひっ摑《つか》まえるんです。
 そうすれば、決心した以上手離すことじゃない、
 そして必然の勢、先へ仕事をすすめることになる」

君らが民衆の希望
 55年前(昭和32年)の秋、戸田先生は大阪市内で行われた西日本体育大会に出席された。私も、青年部の室長として、運営の全責任を担った。
 席上、戸田先生は、生き生きと躍動する青年の雄姿を、それはそれは喜ばれ、「日本の民衆」「東洋の民衆」に平和を贈りゆくのは、創価の青年であることを宣言された。
 なればこそ、「世界の民衆」のために、若人のさらなる成長を強く望まれてやまなかったのである。
 「願わくは、教学に、信心に、自分の職業に、いまの熱と力をこめて、りっぱな青年になってもらいたいと思う」
 人びとの心を温め、社会を前進させる若き「熱」と「力」は、まぎれもなく今も青年のものだ。君たちこそ民衆の希望なのである。
 ゆえに、青年を先頭に、青年と共に、我ら創価青年学会は新たな広宣流布への大航海に躍り出るのだ。
 さあ、新時代の大海へ!
 君たち、貴女たちの熱と力で、勇気と智慧で、新たなる希望の夜明けを開こうではないか!

 青年部
  ありて師弟は
      勝利かな

 ビョルンソンの言葉は『ノーベル賞文学全集19』所収「人の力を超えるもの」毛利三彌訳(主婦の友社)。アムンゼンは、最初がエドワール・カリック著『アムンゼン』新関岳雄・松谷健二訳(白水社)、2番目は『南極点』中田修訳(朝日新聞社)、3番目は『南極点征服』谷口善也訳(中央公論新社)。ゲーテは『ファウスト』相良守峯訳(岩波書店)。
2012-10-21 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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新時代第61回本部幹部会/ニューパワー大会/女子部・華陽リーダー大会へのメッセージ

新時代第61回本部幹部会/ニューパワー大会/女子部・華陽リーダー大会へのメッセージ
        (2012.10.7 東京戸田記念講堂)

 平和を築く大哲理を万年へ──「新時代第61回本部幹部会」が7日、「ニューパワー大会」「女子部・華陽リーダー大会」の意義を込め、巣鴨の東京戸田記念講堂で開かれた。これには、原田会長、正木理事長、杉本婦人部長をはじめ各部の代表が、18カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)の友と出席。池田名誉会長は同志に和歌と記念のメッセージを贈り、2030年の創価学会創立 100周年へ、世界広布の黄金時代を開く友に「勇敢に壁を破れ!」と呼び掛けた。席上、明2013年のテーマ「青年学会 勝利の年」が発表された。

名誉会長のメッセージ

世界広布の本門の黄金時代へ

題目に勝る力はない
御聖訓
南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜
地域社会に幸福の連帯を

新入会の友 華陽リーダー
希望の太陽と輝け

名誉会長のメッセージ

 一、我ら創価家族の明るく賑やかな本部幹部会、そして、新しい太陽が昇りゆくような、希望あふれる「ニューパワー大会」、さらに「華陽リーダー大会」、誠におめでとう! 皆、ご苦労さまです。
 海外からも、これからの世界広宣流布を担い立つ、尊き指導者の皆さんが、駆けつけてくれました。
 大切な大切な一人一人のことを、全部、うかがっています。
 中米の皆さん!
 欧州の皆さん!
 フィリピンの皆さん!
 インドネシアの皆さん!
 韓国の皆さん!
 そして、オセアニアの皆さん!
 本当にようこそ、お越しくださいました。ありがとうございます!(大拍手)

仏菩薩が讃嘆
 一、「報恩抄」には「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながる(流布)べし」(御書329ページ)とあります。
 日蓮大聖人の仏法は、末法万年尽未来際まで滔々と流れ通って、万人を幸福にし、社会の繁栄と世界の平和を実現せしめていく大哲理であります。
 それを現実に成し遂げていく力は、どこにあるか。
 「法」を弘める「人」の力です。
 その時代、その国土に、誓い願って躍り出る、「地涌の菩薩」の新しい力、すなわち、人材の「ニューパワー」であります。
 そして、大聖人が、繰り返し御書で示されているように、女性の力こそ第一です。
 なかんずく、広宣流布の「希望の門」を開いてくれる、妙法の乙女たちの存在が、どれほど、大切か。
 その意味において、この「ニューパワー大会」そして「華陽リーダー大会」を、日蓮大聖人が、三世十方の仏菩薩が讃嘆され、喝采されていることは、絶対に間違いありません。
 一、皆さんと一緒に、命に刻みつけたい御聖訓があります。
 それは、「御義口伝」の「始めて我心本来の仏なりと知るを即ち大歓喜と名く所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」(同788ページ)の一節であります。
 「我が心」が「本来の仏なり」と知るとは、この我が生命こそが、大宇宙の根源の法則と合致した、最も尊く、最も強く、最も賢い、究極の実在であると目覚めることです。
 題目を唱えていく人は、自分自身が妙法の当体として、「歓喜の中の大歓喜」を躍動させながら、最高に充実した大勝利の人生を飾ることができるのであります。
 題目に勝る力はありません。
 「妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり」(同947ページ)と仰せのごとく、尽きることのない生命のエネルギーを満々と発揮しながら、家庭に、地域に、職場に、社会に、歓喜と希望と幸福の連帯を、強く朗らかに広げていっていただきたいのであります。

苦労は功徳に
 一、私が若き日、あの「大阪の戦い」に臨むに当たって、心に深く期していたことがあります。
 それは「この一戦を勝利の栄冠で飾るならば、未来の一切の戦いが勝利に通ずる道を開くことができる」ということです。
 広宣流布のために苦労したことは、すべてが、後になればなるほど、計り知れない功徳となり、歴史となって輝きます。
 そして今、若き皆さんが、眼前の戦いを一つ一つ断じて勝ち切ることが、広布と人生の未来を限りなく開くのであります。
 とりわけ、今年と明年の「青年学会の勝利」が、2030年の創立100周年に続く、壮大なる世界広宣流布の本門の黄金時代を、必ずや開いてくれることを、私は確信してやみません。
 メキシコの大詩人(オクタビオ・パス)は、謳っております。
 「今、私の前には、大きな壁が立ちはだかっている。そこには、こう記されてある。『この壁を破ることから、君の未来が始まるのだ』」と──。
 いかなる壁も、青年が突破するためにこそある。壁が困難であればあるほど、それを突き抜けることによって、光り輝く未来が開かれるのであります。
 ゆえに、君よ、あなたよ、勇敢に壁を破れ! そして、未来を勝ち開け! と申し上げたいのであります。
 一、終わりに、わが愛する後継の皆さんに和歌を3首、贈り、私のメッセージといたします。

 新しき
  創価の力の
    君たちが
  勇み舞いゆく
    青春 頼もし

 全世界
  歌声 楽しく
    幸の華
  百花繚乱
    華陽の姉妹は

 百周年
  広布を頼まむ
   若人よ
  断固 勝利の
    名をば残せや
2012-10-08 : スピーチ・メッセージ等 :
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ボリビア科学アカデミー「在外会員証」授与式への謝辞

ボリビア科学アカデミー「在外会員証」授与式への謝辞
        (2012.10.6 創価大学記念講堂)

 池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長が、南米「ボリビア科学アカデミー」の「在外会員」に就任した。
 これは長きにわたる世界平和への貢献を讃えたもの。
 「在外会員証」の授与式は6日、東京・八王子市の創価大学で挙行され、同アカデミーのゴンサロ・タボアダ会長、アントニオ・サアベドラ元会長、ボリビア多民族国大使館のルイス・マサハル・ヒガ・トミタ駐日大使夫妻らが列席。創大の山本学長に証書が託された。
 式典に先立ち第42回創大祭、第28回白鳥祭を記念する「創価栄光の集い」が開催された。


サアベドラ元会長の推挙の辞

手を携え紛争と貧困をなくしたい
 ボリビア科学アカデミーのゴンサロ・タボアダ会長のもと、このように荘厳な「在外会員証」授与の式典を挙行でき、私は今、喜びに包まれております。一言、ごあいさつをさていただきます。
 私は、ボリビア最大の国立大学であるサン・アンドレス大学の総長を務めていた折、学内で開催された展示をきっかけに、SGIの活動を知りました。その展示は、世界平和の実現を求めるSGIの諸活動と業績を紹介しておりました。
 SGIの平和行動に大きな衝撃を受けた私は、それ以来、SGIの活動に、絶えず注目し続けてきました。
 それゆえ、2009年、私が総長を務めるボリビア・アキーノ大学から池田大作博士に「名誉博士号」を授与することに何の迷いもなく賛同したのです。
 授与式で、初めて池田博士にお会いし、その人格に深い感銘を受けました。以来、卓越した哲学者・池田博上がリーダーシップを発揮される創価学会が、日本のみならず国際的に展開する偉大な活動に、より一層の関心を抱いてきました。
 池田博士は深く平和を愛し、断固として戦争に反対してこられました。現代の世界は紛争が絶えず、紛争から生まれる貧困がさらに紛争を増幅させています。池田博士の思想・哲学こそ、現代世界が必要とするものです。
 ゆえに、池田博士と手を携えて、博士が自らの哲学に基づき提唱し実践される平和活動に貢献しゆくために、私は博士の経歴を踏まえ、ボリビア科学アカデミーの理事会に、池田博士を「在外会員」として推薦しました。ボリビア科学アカデミーの理事会は、満場一致の決議書をもって、池田大作博士を本アカデミーの「在外会員」に任命するものです(大拍手)。

タボアダ会長の授章の辞


池田博士が訴える人間革命の思想こそ盤石な未来を築く力!
 本日はアントニオ・サアベドラ元会長のご臨席のもと、創価栄光の集いの席上、池田大作博士への最大の敬意の念を込め、「在外会員証」の授与式を挙行させていただき、ボリビア科学アカデミー理事会および会員一同を代表し、謹んでごあいさつを申し上げます。
 初めに、わがアカデミーの歴史を紹介します。1860年5月8日、ホセ・マリア・リナレス大統領により、著名な学者のアグスティン・アスピアス博士を初代会長に迎え、数理科学と自然科学の推進・普及を目的としたボリビア初の科学アカデミーがラパスに創設されました。
 同アカデミーは4つの機能別委員会で構成。役割は、第1委員会は市町村の経度と緯度の測定。第2委員会は市町村の標高の測定、最も標高の高い町の測定、国内の白雪に覆われたアンデス山脈の山頂の測定。第3委員会は気温測定、各地域の偏角の測定。第4委員会は液体比重・気圧・雨量の測定、天体の動きと星座の位置の測定。しかし、このアカデミーは政治的理由で短命に終わりました。
 1960年9月23日、ビクトル・パス・エステンソロ大統領令により現在のアカデミーが設立されました。大統領令の第1条に「政府活動の主要機関として研究を推進し、科学者の活動を重要視し、その業績を普及させるためにボリビア科学アカデミーを創設せよ」と記され、第3条には、10人の純粋科学分野の会員、12人の自然科学分野の会員、10人の文化分野の会員、合計32人の終身会員で構成されるものと定められました。1960年に創設されたボリビア科学アカデミーこそ、科学分野で実質的に活動を継続してきた唯一のアカデミーなのです。
 わがアカデミーが継承する精神は、政府組織として科学活動を取りまとめ、研究を推進し、ボリビアの学者の活動を認め、その業績を普及させることです。その精神に立脚し、本日の授与が行われたのであります。
 このたびは池田博士をボリビア科学アカデミーの一員として、在外会員の立場でお迎えすることができ、心より歓迎申し上げます。
 わがアカデミーを、いついつまでもご自身の家と思っていただければ幸いです。丹精込めて手作りで積み上げたレンガ造りの家のように、池田博士も、わがアカデミーの建設に加わっておられます。
 “青年の成長、人類の最大の幸福、そして世界平和の道を切り開くため”という計り知れない大義のために、人生を捧げてこられた偉大な人格をもつ学者──それが池田博士に対する私どもの偽らざる気持ちです。
 池田博士は不断の行動を貫く人間主義者、仏法思想家、文学者、教育者です。現在、博士は文化・教育・非暴力の運動を通し、世界平和と社会の幸福を目指す、192カ国・地域に1200万人の会員を有するSGIの会長を務めています。
 池田博士の人生には、消えることのない戦争の苦しみの記憶が刻まれています。
 4人のお兄さまが兵役に服し、長兄が戦死されました。仏法を信仰された池田博士は、こうした実体験の上に、戦後日本の苦しみを憂え、人間の対立と紛争の要因を根絶するために戦ってこられました。
 1947年、のちに人生の師匠と仰ぐ戸田城聖氏との出会いの直後、池田博士は19歳で価値創造の団体・創価学会に入会されます。
 池田博士の偉大さは、師の人間主義の思想を継承し、人類のより良い未来のために熱意を持って尽力されてきたことにあります。
 大いなる理想のために戦っておられる池田博士を顕彰しラテンアメリカに紹介することで、わが地域にも、人類の未来のために、ひたむきに行動し、連帯を広げる多くの人々が現れることでしょう。
 池田博士は、恒久平和と人類の幸福を確立する上で、社会の構造的な変革だけでなく、人間の内面の変革が不可欠であるという信念をお持ちです。
 現代社会の混沌を乗り越え、人類の未来を盤石にするためには、人間の成長を啓発する価値観を伝える必要がある──その思いから世界各国の顕彰と同じく、ボリビア科学アカデミーの理事会も池田博士を顕彰することを決定したのです。
 50年の歴史を持つ、わがアカデミーにとって、池田博士を「在外会員」に迎えることは大変な光栄です。
 恒久平和と人間の幸福には、社会の構造的改革のみならず、人間革命が必要であるという池田博士の博愛と連帯の人間主義の思想に敬意を表したい。博士の小説『人間革命』の「はじめに」に、その考えが綴られています。
 「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」と。
 また、池田博士の世界市民としての生き方は、模範とすべきものです。まさに池田博士は、エマソンが言う「夜のない一日」のように、ボリビアの人々に希望を与える模範の存在なのであります。
 現在、ボリビアでは、国における実態とニーズの溝を埋めるべく、高原地帯や渓谷地域での有機多品種栽培の技術の研究が求められています。本日より、わがアカデミーの在外会員になられた池田博士は、わが国の科学者の目指すべき指標となることでしょう。
 ボリビア科学アカデミーは、池田博士の学術分野における多大な実績、そして、人間のため、青年のために、忍耐強くリーダーシップを執られてきたことを存じ上げています。
 本日は、ボリビア科学アカデミー理事会を代表し、傑出した業績と思想を持つ池田博士を正式に「在外会員」にお迎えし、わがアカデミーとして、新たな希望の前進を開始したいのです(大拍手)。

創立者の謝辞
(代読)

「生命尊厳」こそ人類統合の原点


知性と人格の大人《たいじん》と聳え立て

ボリビアの女性詩人
「善悪を見極めるだけでは足りぬ。 正義を守るために立ち上がれ!」

 一、あの第2次世界大戦中に、平和の信念に殉じて獄死した創価教育の父・牧口常三郎先生は、独創の地理学者であられました。その牧口先生を偲びながら、まず、わが最優秀の創大生・短大生に地理の質問をしたい。
 第1問──この地球上で、最も高い場所にある首都は、どこでしょうか?
 〈会場の学生から「ボリビアの首都ラパスです」との声が〉
 「世界一高い首都」ラパスの標高は、約3650メートル。日本一の富士山と、ほぼ同じ高さにあります。
 第2問──万人の悲願である「平和」という、素晴らしい名前を持つ首都は、どこでしょうか?
 〈会場から再び「ラパスです」との声〉
 「ラパス」とは「平和」の意義であります。そして、この世界最高峰の「平和の都」ラパスに聳え立って、人類の平和な未来を展望されゆく最高峰の「知性の殿堂」こそ、貴・ボリビア科学アカデミーなのであります(大拍手)。
 一、光栄にも、貴アカデミーより、私は、誉れ高き在外会員の称号を賜りました。
 半世紀にわたり、民衆の生活のため、社会の発展のために貢献されてきた、貴アカデミーの高邁なる歴史を胸に刻みつつ、わが命であり、わが宝である創大生・短大生と共に、謹んで拝受させていただきます。誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

生命豊かな大地

 一、私の心には、ラパスが生んだ貴国の大詩人タマーヨの叫びが響いてまいります。
 「教義は、唯一つ。それは、人間であれ、国家であれ、生命を最大に拡大することにある。生命以外に目を向ける必要はない」と。
 至言であります。
 「生命」──ここにこそ、人類が一切の中心としていくべき原点があると、私は、かねてより提唱し、世界のリーダーとも語り合ってまいりました。
 大歴史学者のトインビー博士との対談でも、深く一致を見たのは、「生命の尊厳こそ、普遍的かつ絶対的な基準なり」という一点であります。
 思えば、トインビー博士は、貴国ボリビアの大自然の美しさと、古代からの文明に脈打つ偉大な創造力を敬愛されておりました。
 この式典も、きっと微笑み、見守ってくださっているに違いありません。
 一、ともあれ、「生命の尊厳」という根本の次元に立てば、人類は、いかなる現実の差異や葛藤も超えて、大同団結することができるはずであります。ここにお迎え申し上げた、タボアダ会長の足跡が、そのことを雄弁に実証されております。
 会長は、最愛のご両親から「責任を持って誠実に努力をすれば、人生で達成できないことはない」との強靭なる信条を学ばれたと伺っております。
 そして、「重い病の治療を可能にする道を開いてみせる」との断固たる使命感を抱いて、遺伝子学のパイオニアとして、世界の大舞台で、「生命」の探究を進めゆかれるとともに、「生命」の価値創造のため、たゆまぬ啓発を広げておられます。
 私たちは、心からの尊敬と連帯の大拍手をお送りしようではありませんか!(大拍手)
 一、会長が敬愛されている大科学者のアインシュタイン博士も、「すべての生命に対する尊敬を主張しない、いかなる社会も、必然的に衰退するほかない」(金子敏男訳、オットー・ネーサン、ハインツ・ノーデン編『アインシュタイン平和書簡Ⅰ』みすず書房)と喝破しておりました。
 貴国の大地は、大自然の生命に培われた豊富な鉱物資源と、多様性あふれる生物圏に恵まれております。
 貴アカデミーが環境保全に尽力され、自然と共生してきたアンデスの多彩な先住民の知恵に光を当てておられることも、有名であります。
 今、21世紀の理想の食料として注目を集めているのが、アンデス高地で古くから栽培されてきた「キヌア」という穀物です。その栄養価の高さから、NASA(アメリカ航空宇宙局)も宇宙食の候補として高く評価し、また世界の食糧危機を救う可能性もあると期待されております。
 「生命に対する尊敬」を堅持して、英知を結集するならば、いやまして人類の新たな創造力を薫発していけることを、私は確信してやみません。
 一、アインシュタイン博士は、「われわれは人々の心の中に、これまでのように国境のところで停止することのない連帯感を徐々に目覚めさせるべく努力しなければならぬ」(井上健、中村誠太郎編訳『アインシュタイン選集3』共立出版)とも強調しておりました。
 わが創価大学も、語学とコミュニケーション力という翼を自在に広げながら、遠大な人類の交流を結びゆく「平和のフォートレス(要塞)」であります。
 この創大祭・白鳥祭でも、「太陽の笑顔」の留学生の皆さんが、元気はつらつと活躍してくれております。皆、朗らかに学び、たくましく鍛えてくれています。
 うれしいことに、このたび、創価大学は、文部科学省のプログラム「グローバル人材育成推進事業」にも採択されました(大拍手)。
 21世紀の大陸アフリカからも、ケニアの名門ナイロビ大学の先生方が、お越しくださっております。熱烈に歓迎申し上げます(大拍手)。
 一、ご存じの通り、私は、21世紀を「平和の世紀」「生命の世紀」「教育の世紀」に、また「アフリカの世紀」に、そして「女性の世紀」にと呼びかけてまいりました。
 この点、ボリビアでは、すでに大学生の60%が女性であると伺っております。
 貴アカデミーは、女性の科学者たちを支援するとともに、教育と学習や、地域社会への女性の参画も力強く推進されています。
 一、来る10月11日は、「ボリビア女性の日」です。
 その淵源は、貴国の気高き女性詩人にして教育者であるサムディオが、1854年のこの日、誕生したことであります。
 彼女は高らかに謳い上げました。
 「何が善で、何が悪か? それを見きわめる力だけでは十分ではありません。それに加えて、正義を愛し、正義を守る決意に燃えて、立ち上がることが必要なのです!」
 この言葉は、ボリビアの天地で、いかなる苦難にも屈することなく、勇敢に行動し、人々への献身を続けてこられた尊き母たちからのメッセージとして、我らの胸に迫ってくるのであります。

報恩の青春を
 一、私の心の母校と仰ぐボリビア・アキーノ大学のサアベドラ総長も、お越しくださり、うれしい限りであります。
 総長もまた、師匠の恩、父母の恩を忘れずに、他者に幸福の光を贈るという信念を持って、大情熱の社会貢献を貫き通してこられました。
 それは、まさしく、貴国の文豪ディエス・デ・メディナが語った「最も崇高で大切なものは報恩である」との哲学を体現された人生であります。
 創大生・短大生の皆さんも、不屈の負けじ魂を燃え上がらせて、今は学びに学び、実力をつけて、大変な中、皆さんを大学に送り出してくださっているご家族に、必ずや立派な恩返しを乗たしていただきたいのであります。
 一、「今、あなたは前途に、極めて重要なやるべきことがある。それは、十分に成長し、知性と精神において人間として大きくなることである」とは、ボリビアの哲人プラダ・オロペサ博士の励ましであります。
 本日は、日本の各界のトップの先生方も、皆さんを温かく見守ってくださっています。世界経済の激流にも、大震災の試練にも、少子高齢社会の変動にも、厳然と立ち向かって、勝利の指揮を執っておられる指導者の方々であります。
 青年のため、未来のために、ご来学くださり、重ねて深く感謝申し上げます(大拍手)。
 一、大詩人タマーヨは「何があっても、最後に大事なのは勝利である」と結論しました。
 わが創大生よ!
 わが短大生よ!
 若き生命にみなぎる英知と勇気を、思う存分に発揮してくれたまえ! そして、かのアンデス山脈の如く大きく堂々と、かの黄金に輝く王者の鳥コンドルの如く強く悠然と、21世紀の天空高く、勝利の青春を飾りゆけ!──と私は申し上げたいのであります(大拍手)。
 偉大なる貴・ボリビア科学アカデミー、万歳! 敬愛してやまぬ貴国に、永遠の平和と繁栄あれ!──と心よりお祈り申し上げ、私の御礼とさせていただきます。
 ムーチャス・グラシアス!(スペイン語で「大変にありがとうございました」)(大拍手)
2012-10-08 : スピーチ・メッセージ等 :
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ブラジル ドン・ボスコ大学 名誉博士号授与式への謝辞

ブラジル ドン・ボスコ大学 名誉博士号授与式への謝辞
        (2012.9.22 創価大学記念講堂)

 ブラジル連邦共和国の「ドン・ボスコ大学」から同大学第1号となる「名誉博士号」が、創価大学創立者の池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に贈られた。授与式は22日午後、東京・八王子市の創大記念講堂で行われ、ドン・ボスコ大学のドリバウ・アウメイダ理事長夫妻らが列席。名誉博士の学位記とローブが創大の池田博正理事に託された。式典は「創価教育同窓の集い」に続いて挙行され、創立者への栄誉を同窓生が祝賀した。


アウメイダ理事長の授章の辞

師の平和の精神を継いだ尊き人生 善の行動広げる池田博士に続け!


 今から55年前、創価学会の戸田第2代会長は、核兵器廃絶を叫ばれ、地球上の生命を脅かす全ての悪と不正を根絶するという使命を青年に託されました。
 その「原水爆禁止宣言」から55周年という意義ある月に、この顕彰を授与させていただきます(大拍手)。
 世界が認める、平和の擁護者であられる池田大作博士の行動を讃え、ドン・ボスコ大学からの第1号となる名誉博士号を授与させていただくことは、私にとって、大変な栄誉であります(大拍手)。
 今この時に、私たちの行動において、平和という理念がどれほど大切なのかということを考えさせられます。
 また池田博士は、かつて次のように綴られました。
 「人間が生命的存在であるという認識に立つことであります。人間が生命的存在であるということは、いかなる社会、国家、民族をも超えて普遍的であり、かつ絶対的な事実であります」
 一つの国を変える方法は数多くあります。制度によって、市民革命によって、政治的または軍事的クーデターによって、国家間の対立によって、さらには自然災害によって、国の形は変わります。
 これらの行動のどれもが、一国を良い方向にも、悪い方向にも変えることができます。
 しかし、一国を常により良い方向に変えることができる方法とは、教育によるものであり、人間を重視した方法であります(大拍手)。
 私たちは、規律正しさ、強い連帯、そして何よりも困難の克服という点で、模範の国である日本を訪問することができ、大変にうれしく思っています。
 世界、特に私たちの国・ブラジルでは、日本といえば、世界に対し、ポジティブで大きな影響力を持つ大国であり、何が起きても、国民をより良い方向に導き、最悪の状況にあっても、調和して暮らすことができることを示している国というイメージが常に頭に浮かびます。
 ご列席の皆様に、私の家族と日本人移住者の方々とのつながりについて、少し、お話しさせていただきたいと思います。
 私の両親は1940年に、パラナ州北部のロンドリーナの近くにあるセルタネージャという土地に移り住み、勇気とパイオニアの精神で、この地域の開拓にあたりました。
 濃く生い茂った森で覆われたこの地域には、ほとんど同時期に、自分たちの土地を求めて、多くの日系人家族が入植していました。それが、この地域に多く住む日系移住者の始まりでした。
 日系人は、商業や農業を営んだり、地方政治に携わったりしていました。私の両親は、そのような日系人の家族と仕事以外の面でも親交があり、結婚式の仲人を務めたり、卒業式に出席するなど、全ての日系人家族とつながりがあることが、私たち家族の誇りです。
 このような友情や良好な関係が原動力となり、私たちの大学は、高等教育の分野で卓越した教育機関として、知識の追求において、大変に重要な役割を果たしています。
 私たちの大学の、今後の計画は、創価大学のような総合大学としての地位を得ることであり、現在、教育省に対し、新しい学部の設置申請を行っております。
 パラナ州の有名な詩人、エレーナ・コロジーは、その詩の中で、こう詠いました。
 「私は、到着するのが、いつも遅すぎたり、早すぎたり。
 私は、幸福が訪れるのを見たことがない。
 私が摘みたいと夢見たバラの花は、私の春に、一度も咲くことはなかった。
 それでも、いつも、小鳥たちはさえずり、わが家の軒先に巣を作った」
 創価学会インタナショナルが、生命の尊厳という理念に基づき、人々と世界の平和のために、対話や行動を進めていることは、世界が認め、尊敬しています。私たちにとって、そのような組織と共に行動できることは、大きな喜びであります。
 池田大作博士は、師匠である戸田城聖先生の構想を実現するために、その全人生をかけてこられました。そして今日、創価大学があるのは、師匠の思いを、その弟子が実現したからであります。
 本日、平和、文化、教育、そして環境のために、不断の努力をしてこられた池田大作博士を顕彰できることは、私たちにとって、特権であり、かけがえのない瞬間であります。この瞬間を、永遠に心に刻んでまいります。
 そして今、私たちは、池田博士の理念を社会に広めていくための道を開くという重要な使命をいただきました。
 たった一人の人間が世界を変え、世界の人々に希望、勇気、情熱を与えることができるという模範を示してくださった池田博士に、心より感謝し、その使命を果たしてまいります(大拍手)。
 尊敬する師匠・池田大作博士。私たちは、悪に対する善の戦いを進める、博士のもう一人の弟子になりたいと思います。
 (日本語で)どうもありがとうございました(大拍手)。


創立者の謝辞(代読)

教育の絆は永遠に不滅 友情と信義の大道を進め

常に今から!ここから! 君よ負けじ魂の勇者たれ


アウメイダ理事長

「どんな立場であれ使命を果たす人に」

ドン・ボスコ大学の崇高なモットー
知ることを学ぶ 価値を創造する 共に生きる 自身の存在を生かす

 一、今、私の胸によみがえる、信念の人間教育者の振る舞いがあります。
 それは、貴大学が、その誉れの名を冠する、19世紀イタリアの哲人ドン・ボスコ先生であります。
 ある時、父を亡くして悲しむ少年を励ましたドン・ボスコ先生は、「はい、君に半分あげるよ」と言って、手を差し伸べました。
 ところが、その手には何も入っておりません。少年が不思議に思って、顔をあげると、ドン・ボスコ先生は温かく微笑みながら、こう語ったのです。
 「これからは、ぼくたち二人ですべて半分ずつ分け合うんだよ」と(テレジオ・ボスコ著、サレジオ会訳『完訳ドン・ボスコ伝』ドン・ボスコ社)
 それから、ドン・ボスコ先生と、その少年は、人生の師匠と弟子として、実に40年以上にわたって、苦楽を分かち合いながら、尊い使命の道を歩み抜いていったという歴史があります。
 教育で結ばれた人間と人間の絆ほど、美しく、強いものはありません。
 この教育の魂の真髄を、時代を超え、国を超えて受け継いで、ブラジルの大地に築き上げられた、偉大なる人間主義の人材城こそ、貴ドン・ボスコ大学であられます。
 一、尊敬申し上げるアウメイダ理事長ご夫妻!
 本日、光栄にも、貴大学から、最高の栄誉を授与賜りました。
 私は、わが命そのものである創価同窓の友と一緒に手を携えて、ここに謹んで拝受させていただきたいのであります。
 誠に誠に、ありがとうございました!(大拍手)
 私の大好きな、貴国の大詩人カルロス・ドルモン・デ・アンドラーデは、国境を超えた友情を讃えながら、こう詠いました。
 「我らの人生は、共に一つのダイヤモンドを創り出していくのだ」と。
 私たちにとって、何ものにも替え難いダイヤモンドとは、人間の生命に他なりません。なかんずく、未来を照らしゆく若人たちの生命です。
 この生命というダイヤモンドを、最高に磨き上げ、光り輝かせていく真剣勝負の営みこそ、教育であります。
 ダイヤはダイヤによってしか、錬磨できない。
 生命もまた同じでありましょう。

生命を賭けた大学建設の闘争
 一、アウメイダ理事長は、誇り高き開拓者であられる父上、母上の心を心として、あらゆる労苦も耐え抜きながら、教育の大聖業に挑んでこられました。
 大学の創立、建設は、まさに命を賭す決心がなければ、成し遂げることはできません。
 共に「人間教育の世紀」そして「生命尊厳の世紀」を開拓しゆく同志として、私たちは尊敬と連帯の大拍手をお送りしたいのであります(大拍手)。
 一、貴大学は、4つのモットーを掲げております。
 その第1は、「知ることを学ぶ」です。
 人間は一生涯、勉強です。探究です。研鑽です。「知は力なり」「学は光なり」であります。
 貴国の大文豪アシスは語りました。
 「薔薇に棘があるからと泣く人間もいれば、棘には薔薇が咲くと微笑む人間もいる」と。
 人生も社会も、どんなに行き詰まった局面があろうと、英知の明鏡を研ぎ澄ませば、必ず、希望の活路を見出せるのであります。

受け身になるな 積極果敢であれ
 一、モットーの第2は、「創ることを学ぶ」です。
 すなわち、価値創造であります。
 人間は、とくに青年は、万事において受け身になってはならない。生き生きと積極果敢に、新しい価値を創造していくことであります。
 この「不撓不屈の創造力」を、いかに、みずみずしく湧き立たせていくか。
 ここに、勝負があります。
 貴国の大詩人カルロス・ドルモンも、こう励ましの言葉を残しております。
 「人生の途上で、あなたが『どの地点で』足を止めたか。それは、たいしたことではない。
 『どの時に』疲れ果てたか。それも関係ない。大事なことは、そして不可欠なことは、何か。それはいつも『再びやり直す』ことである」と。
 その通りであります。
 真実の勝利者とは、たとえ打ちのめされても、へこたれない。
 常に「今から」「ここから」再び立ち上がり、朗らかにたくましく、価値を創造していく勇者のことでありましょう。

自分のいる場所で交流する力を
 一、さらに、モットーの第3は、「共に生きることを学ぶ」です。
 持続可能な地球社会の未来を開いていくためには、この「共に生きる」智慧と力が、何にもまして要請されています。
 貴大学は、「より人間的で、自分のいる場所で、人々と相互交流する能力をもった卒業生」を送り出している模範の最高学府であります。
 わが創価大学も、平和のフォートレス(要塞)として若き世界市民の結合を、広々と築いてきました。学術交流協定を結ぶ大学も、46カ国・地域の140大学を数えるに至りました。
 きょうは日本全国、また、お隣の韓国、中国、そして、世界中で活躍し、貢献する創価同窓の英才たちが母校に帰ってきてくれております。
 人類を結びゆく我ら創価の「平和」と「文化」と「教育」の大連帯は、いかに激動する時代にあっても、絶対に揺るぎません。
 まさしく、ダイヤモンドの如く、金剛不壊であります。
 人間と人間、民衆と民衆、青年と青年の心を高め合いながら、未来永遠に尊貴なる「友情」と「信義」の大道を勝ち開いていくことを、私は愛する皆さんと共に、声高らかに宣言したいのであります。
 一、さらに、貴大学のモットーの第4は、「自身の存在を生かすことを学ぶ」であります。
 幾多の苦難を雄々しく乗り越え、勝ち越えてこられたアウメイダ理事長の人生哲学は、素晴らしい。
 それは、「いかなる立場、状態に置かれたとしても、自分のできることを最大限に見つけ、使命を果たしていく」という負けじ魂であります。
 人生には、断崖絶壁に立たされるような試練が何度もあります。
 しかし、その時こそ、自分自身がいまだかつてない底力を発揮できる。
 ゆえに、何があっても、嘆かず、あきらめず、腐らず、今できることを、一つまた一つ、勇敢に誠実に忍耐強く、全身全霊でやり切っていく。
 そこから、必ずや反転攻勢して、信頼と勝利の上げ潮を起こしていけるのであります。
 波瀾万丈の私の人生も、そうでありました。いわんや、「従藍而青(青は藍より出でて藍より青し)」という、わが後継の誉れの皆さんが断じて勝てないわけがありません。
 創価同窓の君たちは、全員がダイヤモンドです。
 暗闇にあろうと、泥沼にあろうと、ダイヤはダイヤである。何ものにも負けない、何ものにも朽ちない、黄金の光を赫々と放ってみせるのであります。
 どうか、一人ももれなく、父母も、学友も、そして世界の友も誇りと仰ぎ見る、わが人生の「栄光の旗」を、断固として打ち立てていってください。
 一、結びに、アウメイダ理事長の信念の指針を、皆さん方に贈りたい。
 「信じよ! 執念を持て! 努力を貫くのだ!」と。
 わが母校となったドン・ボスコ大学の無窮の大前進、そして、敬愛する理事長ご夫妻をはじめ、全参加者のますますのご健勝を心よりお祈り申し上げ、私の謝辞といたします。
 ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変にありがとうございました!」)(大拍手)
2012-10-05 : スピーチ・メッセージ等 :
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カナダ ゲルフ大学 名誉博士号授与式への謝辞

カナダ ゲルフ大学 名誉博士号授与式への謝辞
        (2012.9.12 創価大学本部棟)

 カナダの名門総合大学である「ゲルフ大学」から、創価大学創立者の池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉博士号」が授与された。これは、平和・文化・教育の推進に間断なき行動を続け、世界の青年に啓発を与えてきた、傑出した貢献を賞讃するものである。学位授与式は12日、東京・八王子市の創価大学で行われ、ゲルフ大学のアラステア・サマーリー学長(副総長)、ゲルフ・ハンバー大学のポール・シャーマン学科長、ゲルフ大学のギャビン・アームストロング学生代表が出席。創大の山本学長に名誉学位記が託された。
 まばゆい陽光が照らす創価大学の本部棟。「歴史と文化の都」カナダ・オンタリオ州のゲルフ市からはるばる来日した一行を、学生・教職員の代表が、あふれんばかりの笑顔で迎えた。
 創立者への栄誉に、喜びで胸を躍らせる学生たちに、サマーリー学長が語りかけた。
 「私は、かつて人里離れた島で育ち、人生に成功することも、困難に直面している人の手助けができるようになることも、想像できませんでした。しかし、“こうなりたい”と強く念じ、他者への深い献身と人類の向上を願うならば、その信念は必ず実現することを見いだしたのです。
 本日、私は池田博士の精神につながることができました。どうか皆さん、今の心にある決意を貫いて、世界を変えゆく人材に成長してください」


授章の辞

池田博士は一人の人間には偉大な可能性があることを証明

 ゲルフ大学評議員会の推薦により、謹んで名誉博士号を池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に授与いたします。
 池田会長は、長きにわたり、世界平和、文化、教育の促進のために、母国である日本のみならず世界中で、間断なく行動を続けてこられました。
 池田会長がこれまでに成し遂げてこられたことは、一人の庶民が深く決意した時に、数えきれないほど多くの人々に、多大な影響を与えることができるということを明らかにしています。
 池田会長は、1928年(昭和3年)、海苔の製造業を営む一家に生まれ、10代のころに、第2次世界大戦の惨禍を経験されました。
 戦後、19歳の時に、師匠・戸田城聖氏と出会い、700年の伝統をもつ日蓮仏教に入信します。
 そして今日、池田会長は、在家仏教団体であり、国連NGO(非政府組織)の一つである、SGIの会長であられます。
 SGIでは、192カ国・地域に広がる1200万人の会員が、仏教を基盤に平和・文化・教育を推進する活動を行っています。
 池田会長は、世界中を旅され、アーノルド・トインビー、ミハイル・ゴルバチョフ、ヘイゼル・ヘンダーソン、ライナス・ポーリング、ネルソン・マンデラをはじめ、世界の要人、識者と平和についての対話を繰り広げてこられました。
 対談集や数々の著作は、40以上の言語で翻訳・出版されています。
 また、毎年、国運に向けた平和提言を発表しており、2005年には、池田会長の提言を反映した、国連の「持続可能な開発のための教育の10年」が始まりました。
 池田会長はまた、幼稚園から大学におよぶ創価教育機関を創立されただけでなく、音楽を通じ文化交流と平和を推進する民主音楽協会、世界の美術館との協力により、日本のみならず海外でも美術展を開催している東京富士美術館の創立者であられます。加えて、池田国際対話センター、戸田記念国際平和研究所も創立されました。
 池田会長の貢献をたたえて、国連平和賞、ローザ・パークス人道賞、世界各国の大学・学術機関からの名誉学術称号など、多くの顕彰が贈られています。
 世界各地を巡回する「ガンジー・キング・イケダ──平和建設の遺産」展でも、池田会長のことは大きく紹介されています。
 池田会長は、一人の人間が変化を起こすことができるという信念で、いかなる人に対しても、その人が自身の可能性を発揮できるよう、励ましを送ることに人生を捧げてこられました。池田会長は、世界の青年へ啓発を与えておられます。
 ゲルフ大学ならびにゲルフ・ハンバー大学は、誇りをもって、池田会長の傑出したご貢献をたたえる次第です。

創立者の謝辞(代読)

ナイアガラの滝の如く21世紀の創造的人材の流れを


サマーリー学長の信念

学べ! 他者に関わり続けよ‼ 世界を変えていく鍵がここに

ゲルフ大学の草創の建設者
低きに満足するな ベストを尽くせ!

ガルブレイス博士
思いやりこそ人間を動かす原動力

 一、世界の人々が憧れてやまない、美しき自然と音楽、そして教育の天地ゲルフより、わが八王子の創価大学へ、本当にようこそ、お越しくださいました。
 本日、私は、世界に開かれた「人材育成の大城」ゲルフ大学より、最高に栄えある名誉博士の学位を賜りました。
 「人々の人生を変革し、生活の質を豊かに向上させる」──。貴大学の掲げてこられた、この崇高なるモットーに、心からの共鳴と尊敬を込めて、私は、誉れ高き貴大学の一員とさせていただきます。
 そしてまた、この英知の宝冠を、私は、貴国の良き国民・良き市民として尊い献身を続ける、わがカナダSGI(創価学会インタナショナル)の友をはじめ、世界192カ国・地域の創価の友と、謹んで分かち合わせていただきたいのであります。誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

民族を超えた麗しい師弟の歴史
 一、教育は、どこまでも人間を信じ、こよなく青年を愛し、そして、限りなく若き生命の大地を耕していく聖業であります。
 1874年、オンタリオ農学校として出発されて以来、その模範を示してこられた、貴大学の豊饒なる教育の実りが、私の胸に熱く迫ってまいります。
 貴大学の門戸は、草創期から、世界の向学の青年に広々と開かれておりました。
 実は、120年以上前、貴大学に学んだ日本の兵庫県出身の小林直三郎青年も、その一人として、最大の感謝と誇りをもって、わが母校を讃えているのであります。
 この小林青年を、温かく受け入れ、育んでくださったのが、貴大学の礎を築かれたミルズ学長でありました。
 若き日、農作業中の事故で右手を失う悲劇を乗り越えて大成された、不屈の知性の大教育者です。
 「低さに満足せず、可能な限りベストを尽くせ!」との信念を持つミルズ学長のもと、薫陶を受けた小林青年は、貴大学を卒業後、北海道の美瑛《びえい》町など開拓のパイオニアとして、また旭川方面の酪農の発展にも不朽の功績を残していきました。
 後年、報恩の心で、病床にあったミルズ学長を見舞ったことも、国を超え、民族を超えた麗しき師弟の歴史と薫っております。

学生の満足度はトップクラス!
 一、近代日本の酪農も、貴大学から大いなる恩恵を受けてきたことに、私は改めて御礼を申し上げるとともに、教育における人間の絆が、どれほど大いなる生命の可能性を触発していくかに思いを致すのであります。
 今、この偉大なる貴大学の人間教育の伝統を、いやまして光り輝かせておられるのが、ここにお迎え申し上げたサマーリー学長であられます(大拍手)。
 学長の卓抜したリーダーシップのもと、貴大学は、カナダの最高峰の研究大学として、また革新的な教育法を実践する最高学府として、幾多の英才を送り出し、目覚ましい躍進を遂げてこられました。
 「学生の満足度」では、カナダで常にトップクラスの評価を受けるなど、すべての活動の中心に学生を置く「学生第一」の精神も光り輝いております。
 きょうは、その学生のリーダーであるギャビン・アームストロングさんも、来学してくださり、うれしい限りです。
 また、貴国からお迎えしている留学生をはじめ、わが創大・短大の学生代表も出席してくれております。どうか、共に、「学生第一」のキャンパスを創造しゆく主体者として、連帯を深めていってください(大拍手)。

知性即行動 探究即奉仕
 一、貴大学は、社会貢献の人材を育成する大学としても、国際社会から高く評価されています。
 2009年には、「世界で最も思いやりの深い(利他の精神にあふれる)大学」としての栄誉にも輝かれております。
 貴大学では、約7割以上の学生が週5時間以上、地域貢献の活動に参加し、国内外の幅広い分野で、人々への支援活動に取り組まれていると伺いました。
 何と誇り高さ「知性」即「行動」、「探究」即「奉仕」の校風でありましょうか。
 サマーリー学長ご自身が、アフリカ・ケニアの難民キャンプを定期的に訪れ、紛争や飢餓に苦しむ人々に慈愛の手を差し伸べるなど、偉大な人類への貢献を果たされてきました。
 学長が、世界的なバイオ医学の泰斗として、発展途上国など20億人の健康に影響を及ぼすとされる「鉄欠乏症」の研究において、画期的な実績をあげておられることも、私たちはよく存じ上げております。
 サマーリー学長は、学生の皆さんに呼びかけておられます。
 「学ぶこと、そして他者を思いやることを、決してやめてはいけない。学び続け、他者に関わり続けることによってのみ、この世界を変えていくことができるのです」と。
 わが創価大学も、まったく同じ理念と実践を貫いております。
 ここに、賛同と讃嘆の大拍手をお送りしようではありませんか(大拍手)。
 一、サマーリー学長は、人間の体内で分泌されるホルモン「オキシトシン」や「リラキシン」の研究でも、誠に有名であります。
 この「オキシトシン」は、近年の研究において、他者と積極的に関わることと深い関係にあることがわかってきたといわれます。
 それは、他者と積極的に関わっている人は、この「オキシトシン」の分泌が多いというのであります。
 「オキシトシン」は、他者への信頼感を増し、結果として人間の行動や精神に、より前向きな影響を与えていくとされます。
 すなわち、勇んで他者に関わる行動に打って出れば、人々との信頼関係が深まり、人生をますます心豊かに、そして健康に生きることができる。
 この希望の好循環が「オキシトシン」の働きからも推察できます。
 その意味において、サマーリー学長は、「オキシトシン」の研究を深められるとともに、その効能を自らの気高い生き方を通して実証しておられると、私は敬意を表したいのであります(大拍手)。
 一、きょうの栄誉を、私がぜひ、報告したかった大先輩がおります。
 貴大学の卒業生であられた、世界的な大経済学者のガルブレイス博士です。
 「思いやりの経済」というビジョンを提唱されていた博士は、私との対談集(『人間主義の大世紀を──わが人生を飾れ』潮出版社)の中で、こう語っておられました。
 「文明社会にとって、最も大切なものは何か。それは他の人々、そして人類全体に対して、深い思いやりをもつ人間の存在です。他者への思いやりこそ、人間を動かす最も大切な原動力である、と私は思っています」と。
 博士と私は、「冷静な頭脳」と「温かい心」、それに加えて「人類への深い思いやり」を兼ね備えた人材を陸続と育てていかなければ未来はないと、深く一致しました。
 博士と語り合った仏典にも、「人のために灯をともせば、その人の前を明るくするとともに、自分の前も明るくなる」という譬喩があります。
 敬愛する博士の母校ゲルフ大学の皆様方と心を合わせて、人間教育の連帯の光で、たとえ一隅《いちぐう》からであっても、地球文明の未来を強く明るく照らしていけることは、この上ない喜びであります。
 一、思えば、アメリカの民衆詩人ホイットマンは、壮大なオンタリオ湖を見つめながら、高らかにうたい上げました。
 「偉大な『人間』をまず産み出したまえ、そうすればあとのことは何とかなる」(酒本雅之訳『草の葉(中)』岩波文庫)と。
 誠に、その通りであります。
 世界の平和も、人類の繁栄も、一切は「偉大な人間をつくる」ことで決まります。
 オンタリオ州が世界に誇るナイアガラの滝(カナダ滝)は、まさしく、激しく、たゆまず、恐れず、朗らかに、堂々と勝ち誇りゆく「王者の中の大王者」の風格を湛えております。
 本日より、私も名誉あるゲルフ大学の一員として、このナイアガラの滝の如き、21世紀の創造的人材の流れを、さらに勢いを増して構築していく決心であります。
 一、結びに、栄光燦たる歴史の峰へ、貴大学がいよいよの大発展を遂げていかれますことを、心よりお祈り申し上げます。
 そして、壮麗なカナダ国歌に歌われる如く、「輝ける心」をもって前進されゆく、敬愛する貴国に、「永遠無窮の勝利と栄光あれ!」と申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 サンキュー・ベリー・マッチ!(大拍手)
2012-10-05 : スピーチ・メッセージ等 :
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創価学園「情熱の日」記念集会へのメッセージ

創価学園「情熱の日」記念集会へのメッセージ
          (2012.10.3 東西創価学園)

 創価学園の10・10「情熱の日」記念集会が3日、映像と音声で結ばれた東京・関西の各キャンパスで晴れやかに行われた。
 創立者・池田大作名誉会長は祝福のメッセージを寄せ、「一歩前へ踏み出す勇気を」と呼び掛けるとともに、真心こもる和歌を詠み贈った。
 「情熱の日」である10月10日は、東京校の第1回体育祭(1969年)、関西校の第1回健康祭(75年)が開かれた日。
 かつて創立者は「情熱の日」にあたり、「一時の勝ち負けよりも大事なことは、何か。それは、『頑張ろう! 戦いきろう!』という熱き“情熱”が、我が胸に赤々と燃えているかどうかです」と励ましを。学園生は創立者の挑戦の信念を学び合い、文武両道の努力を貫いてきた。
 記念集会の数日前には、創価中学・高校が学園祭を、関西創価中学・高校、ならびに東西の小学校は競技会・運動会を開催。
 集会の冒頭、その模様を収めた写真・映像が上映され、互いの健闘をたたえ合う拍手と歓声がわいた。
 続いて各校が、これまでの読書や勉学の取り組みをアピール。“私は負けない! 父母のために、恩師のために!”──学園生の決意の声が各会場に響き渡った。
 長谷川学園理事長は、「何かを成し遂げる努力と忍耐の原動力が情熱です。創立者の慈愛と期待を胸に、大情熱の人生を進んでください」とエールを送った。
 最後に、全員で学園愛唱歌「負けじ魂ここにあり」を大合唱した。


一歩前へ踏み出す勇気を


我は見つめむ勝利を信じて

勉強 語学 読書 クラブ活動 新たな価値創造の挑戦を

 はつらつたる「情熱の日」、誠におめでとう!
 皆で学び合い、皆で力を合わせて創り上げた学園祭も、立派です。また、ベストを尽くして熱戦を繰り広げた競技大会や運動会の頼もしい様子も、うかがっております。
 わが学園生は、皆、本当によく頑張ってくれています。
 先日、お会いした、関西創価小学校の6年生の皆さんも、凛々しく元気いっぱいに成長している姿が、何よりうれしかった。
 私の心からは、いつも、どんな時も、学園生の皆さんが離れることはありません。会えても、会えなくても、私と皆さんの命は強く深く一つに結ばれているのです。
 今回の「情熱の日」に寄せて、私が愛する皆さん方に申し上げたいことは、「一歩前へ踏み出す勇気を持とう!」ということです。
 皆さんは、自分で写真を撮ったことがありますか? 写真を撮る時に、しり込みしたり、恐る恐るであったりしたら、人の胸を打つ写真は撮れません。「一歩前へ踏み出す勇気」が大切です。
 これは、すべてに通ずる道理です。
 私が対話し、友情を結んできた世界のリーダーたちに共通しているのも、それまでの分厚い壁を破って「一歩前へ踏み出す勇気」を持っていることです。
 きょう10月3日は、世界の歴史上、何の日でしょうか?
 東と西に分断されていたドイツが、悲願を達成して、1990年に統一された日です。
 その統一ドイツの初代の大統領として、まさに「一歩前へ踏み出す勇気」を持って、世界を平和と繁栄へリードしたのが、ヴァイツゼッカー博士です。私も固い握手を交わし、人類の未来を共に展望しました。
 このヴァイツゼッカー博士が、青年に望んでおられたことも、「自分から何かをやる、行動に出る」(『「平和への対話」 ワイツゼッカー氏来日全発言』毎日新聞社招致大阪実行委員会)ということです。
 ともあれ、青年は勇敢に行動した方が得です。引っ込み思案では損をする。
 私も、人生の師匠と仰ぐ戸田城聖先生の弟子として、いかなる苦難も恐れずに、前へ前へ突き進んできました。何が起ころうとも、民衆の幸福のため、正義の勝利のため、世界の平和のため、断固として新たな価値を創造していくことが、「創価」の魂だからであります。
 この魂を受け継ぐ、わが学園生は、臆してはならない。退いてはならない。へこたれてもなりません。
 勉強であれ、語学であれ、読書であれ、クラブ活動であれ、勇気に燃えて、今日も一歩前へ踏み出していただきたいのであります。
 先日、わが東京校を訪問された、創価教育の姉妹校であるインド・創価池田女子大学のダス学長一行も、学園生との出会いを心から喜んでおられました。学長は、皆さんの真摯で前向きなスクラムに感動され、語りかけてくださいました。
 「何かを成し遂げようとする時、必ず困難に直面するものです。しかし、『勇気』とともに『忍耐』があれば、どんなことがあっても乗り越えていけます」と。
 「勇気」そして「忍耐」──この二つこそ、偉大なる青春の勝利の翼なり。このことを確認し合いたいと思いますが、学園生の皆さん、どうだろうか(大拍手)。
 とともに、わが創価学園は、これからも、世界一、仲の良い、友情と希望と平和の学舎《まなびや》であることを、私は皆さんと一緒に、声高らかに宣言したいのであります。
 「読書の秋」が到来しました。大いに良書に親しみ、天高く心の宇宙を広げていってください。皆、風邪などひかず、健康第一で、親孝行をお願いします。
 終わりに、わが宝の学園生に一首を贈り、メッセージといたします。

 英才の
  学園生の
   未来をば
  我は見つめむ
    勝利を信じて
2012-10-05 : スピーチ・メッセージ等 :
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若き君へ 新時代の主役に語る 第6回

第6回 力を合わせる  (2012.10.2/3/5付 聖教新聞)

異体同心は地球社会の指標

「仲が良い」ということは「信心がある」ということなのです。
「イタイドウシン」「ビクトワール!《勝利》」


 ──10月2日は、池田先生が、一閻浮提広宣流布への第一歩を、力強く踏み出された記念の日です(1960年、北南米へ出発)。
 先生が開いてくださった大道に、全世界の青年が躍り出て、今、元気いっぱいに続いています。先日のSGI(創価学会インタナショナル)青年研修会にも、55カ国・地域から250人の若きリーダーが集いました。その真剣な求道と麗しい団結の姿に、私たちは多くのことを学びました。
 皆を代表してアフリカのメンバーと感動的な出会いを結んでくださり、本当にありがとうございます。日本の青年部にも、大きく歓喜の波動が広がっています。

名誉会長 ありがとう!
 皆、言うに言われぬ苦労を重ねて、勇んで来日してくれました。
 若いから旅費を捻出するのも、並大抵ではない。まとまった休暇を取ることだって、大変な苦労だ。
 ビザ(入国査証)を取得するため、自分の国に日本の大使館がないので、隣の隣の国まで、猛暑の中、満員の乗り合いバスで40時間かけて往復した友もいる。
 偉いじゃないか。
 日蓮大聖人は、「道の遠さに、志があらわれるものではないか」(御書1223ページ、通解)と仰せです。その遠来の尊き求道の友を、「当《まさ》に仏を敬うが如く」(創価学会版法華経677ページ)に私たちは迎え、讃えたいのです。
 アフリカの青年たちは、皆、最優秀の勇者でした。瞳が燃え立つような決意に輝いていました。全身に満々たる青年の熱と力が躍動していました。一人一人が自分らしく胸を張りながら、同志と一体のスクラムで結ばれていました。
 私はうれしかった。アフリカ広布、そして世界広布の未来を照らす希望の旭日が昇る思いでした。
        †
 ──先生が激励してくださったアフリカのメンバーは、先生をお見送りした後、歓喜を爆発させ、「イタイドウシン(異体同心)!」「ビクトワール(勝利)!」「センセイ!」「ビクトワール!」と皆でかけ声をかけ合っていました。
 一口にアフリカといっても多様です。今回は10カ国から集い、来日した時は、言語も異なって、意思の疎通さえ難しかった初対面のメンバーが、先生のもと、見事な「異体同心」の団結を創り上げていったのです。

名誉会長 素晴らしいね!
 それぞれの国では、研修会の間、青年たちを送り出した先輩方が、一生懸命に無事故・大成功を祈り続けてくれていました。
 その方々も我がことのように喜ばれ、帰国した青年たちと、皆でますます元気に前進している様子を、早速、報告してくれました。何よりも麗しい“創価家族の絆”です。
 また今回、お会いできなかった他の大陸の青年メンバーも、アフリカの友の喜びを我が喜びとして受け止めて、深い決意の便りをくれました。
 ありがたい同志愛です。
 これこそ「異体同心」です。
 信心という「心」で結ばれた私たちの「人間の絆」ほど、深く、尊く、そして、強いものは絶対にありません。
 どんなに離れていても、心と心はつながる。たとえ会えなくとも、命と命は通い合う。一つになれる。これが、妙法の世界です。創価学会です。
        †
 ──大関西で、池田先生が雄渾の指揮を執ってくださり、皆で大合唱した「嗚呼黎明は近づけり」(大阪高等学校全寮歌)の一節には、「君が愁いに 我は泣き 我が喜びに 君は舞う」とあります。
 この歌の通りの人間の連帯が、先生を中心に全世界に広がっていることは、本当に感動です。

名誉会長 法華経の涌出品には、「地涌の菩薩」が「三千大千の国土」から踊り出る様子が、こう記されています。
 「無量千万億の菩薩摩訶薩有って、同時に涌出せり」(同452ページ)と。
 まさしく、広宣流布のために「いざ戦わん!」と、無数の国土から、無数の地涌の菩薩が、心を一つに「同時に」出現するのです。つまり「異体同心」です。
 この法華経の通り、地球上に壮大な地涌の「異体同心」の陣列を呼び出しだのが、日蓮大聖人に直結する創価学会なのです。
 だから、皆、久遠から縁《えにし》深き弟子であり、法華経の会座に地涌の菩薩として参列していたんだ。
 そして、妙法流布を誓い合い、今この時、その使命を果たすために共に生まれてきた。三世永遠にわたる誓願で固く結ばれている地涌の同志なんです。
 それを思い出し、自覚すれば、団結できないわけがない。異体同心の団結ができれば、必ず広宣流布はできる。
 これは、大聖人のお約束です。

 ──この夏、ロンドンでオリンピックやパラリンピックが行われましたが、皆、「勝利」のために団結していました。すべての次元において、結局、より団結の強いところが、最後は競り勝つように思います。

名誉会長 その通りです。団結こそ、勝利の原動力です。
 「何のために」団結するのか。私たちは、広宣流布すなわち世界の平和と人類の幸福という、未聞の大事業を成し遂げゆくために団結するのです。
 わが師・戸田城聖先生の事業が苦境のどん底にあった昭和26年(1951年)の1月、私は心肝に染め抜く決心で、「生死一大事血脈抄」の一節を拝し、日記に書き留めました。
 「総じて日蓮が弟子檀那等・自他彼此の心なく水魚の思《おもい》を成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を生死一大事の血脈とは云うなり、然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり、若し然らば広宣流布の大願も叶うべき者か」(御書1337ページ)
 「広宣流布の大願」に、師匠と弟子が、また同志と同志が、何があろうとも、「水魚の思」という一体不二の心で、生き抜き、戦い抜いていく。そこにこそ、一切の苦難を乗り越えて、勝利の道が必ず開かれるのです。
 この仏法の極意を、私は生命に刻みつけ、戸田先生の弟子として師子奮迅の力を出し切って、戦いました。そして、絶体絶命の窮地を打開し、この年の5月3日、遂に戸田先生の第2代会長就任を迎えたのです。
 ともあれ、「異体同心」とは、それぞれの個性、特質を最大限に生かしながら、広宣流布という、人間として最極の大目的に心を合わせて邁進していくことです。
 大聖人は、総じては、御自身の生命に息づく血脈は、この「異体同心」の団結の中に伝わり、広布大願に生きる一人一人の生命に脈動すると御指南されています。
 異体同心の団結で進め!
 これが、日蓮仏法の真髄です。
 ですから、「仲が良い」ということは、「信心がある」ということなのです。
 残念ながら、現代社会は、一人一人が孤立し、他者への無関心に覆われ、自分一人では何も変わらないという無気力や諦めが蔓延している。
 私が対談したアメリカの“行動する歴史学者”ハーディング博士は厳然と言われていました。
 「私たちが本当になすべきなのは、新たなる創造のために人々の心を結集することであります」と。
 ゆえに、博士は、「正義と慈悲を基盤として、地域に社会にと運動を繰り広げる」創価の前進に、最大の共感と支持を寄せてくださっています。
 正しい仏法をもって、世界平和と万人の幸福を目指しゆく「異体同心」のスクラムは、それ自体が人間共和の理想です。人類の希望の光明です。地球社会の指標です。
 「異体同心なれば万事を成し」(同1463ページ)です。
 すべてを成就できる。すべてに勝利できる。
 私たちは、「21世紀の大陸」アフリカの青年たち、そして、全世界の青年だちと共に、声高らかに叫び、力強く前進しよう!
 「イタイドウシン!」「ビクトワール!」と。

 ※「嗚呼黎明は近づけり」は作詞=沼間昌教。

団結は まず自分が立ち上がれ!

一人が一人と心を結んで築き広げてきたのが、学会の「人材の林立」です。

 ──新入会の友と懇談した際、皆が使う「団結」という言葉にびっくりしたと言っていました。これまで言われたこともなければ、使ったこともなかった、と。

名誉会長
 率直でいいね。
 でも、みんな、何かしら、力を合わせて一つのことを勝ち取った感動を持っているんじゃないかな。団結が喜びだということは、きっと実感できるでしょう。
 特に、東日本大震災を通し、あらためて「人間の絆」が見直されています。創価学会の活動に、多くの識者の方が共感し、期待されているのは、いざという時、見事な「団結」で救援活動に当たった。そして今も、青年部を先頭に、手を携えて復興に汗を流してくれているゆえです。
 人類は、災害や圧政などに、団結して戦ってきた。団結こそが、唯一の勝利の方法なのです。
 インドが独立闘争に勝利できたのは、マハトマ・ガンジーを中心に民衆が団結したからです。
 フィリピンの独裁政権を打ち倒した民衆の団結は、「ピープル・パワー」と呼ばれました。
 東西を分断したベルリンの壁を打ち破った力も、平和と自由のために立ち上がった若人たちの団結です。
 南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃させたのも、マンデラ元大統領を中心として、平等と人間の尊厳を求め抜いた民衆の粘り強い団結です。
 創価学会の創立者・牧口常三郎先生は、鋭く喝破されていました。悪というものは結託して、どんどん強くなる魔性を持っている。それに対し、善が孤立してしまえば、社会は暗くなり、険悪になる。善こそが団結せねばならない、と。
 牧口先生は、戦争へと暴走する社会にあって、勇敢に正義を叫び抜き、軍部政府によって投獄され、殉教されました。
 師にお供して、戸田先生も2年間の獄中闘争を貫き、出獄して、正義の連帯を広げる戦いを開始されたのです。私は青年として、その陣列の先頭を走ってきました。
 これが、人類史に刻みつけてきた創価三代の師弟の戦いです。
 大歴史家のトインビー博士も、私との対談で力説されました。
 「人類の生存を脅かしている現代の諸悪に対して、われわれは敗北主義的あるいは受動的であってはならず、また超然と無関心を決めこんでいてもなりません」
 私たちは皆、地涌の菩薩です。人々の幸福に寄与することを誓って生まれてきました。ゆえに、周りの人や出来事、社会に無関心であってはいけない。それでは、菩薩ではなくなってしまう。
 戸田先生は、社会に信念の青年を送り出したいと願われました。そのためには、人間の善きつながりが絶対に不可欠です。これが、創価の青年部です。

 ──「異体同心とは、現代で言えば『組織』」と教えていただいたことがあります。

名誉会長 「善の連帯」とは、「善の行動」を組織化することです。ただ、「団結」や「組織」といっても、窮屈に考える必要はない。組織といっても、一対一の人間の絆から始まる。団結といっても、心と心の信頼の上に築かれる。
 親身になって相談にのって、一緒に悩む。共に行動する。時には、一緒にラーメンを食べたり、コーヒーを飲んだり……(笑い)。
 「正しき集い」は「楽しき集い」です。「仲良き集い」です。
 日蓮大聖人のお振る舞いを拝すると、「これほどまでに」というほど、一人一人に心を尽くされています。流罪の佐渡にあられても、京都と鎌倉で戦が起こると、門下の安否を案じられ、何人もの名前を挙げて、「いかにと書付て給べし」(=どうしているか書き記して教えてください。御書961ページ)と尋ねられています。
 私たちも、縁する「一人」の人を大切にすることです。その「一人」と力を合わせることです。
        †
 ──男子部の第1部隊長であった池田先生と一緒に、下町の部員の家を一軒一軒、家庭訪問した方から話を伺ったことがあります。
 当時は街灯も少なく、夜は本当に暗かった。その暗がりの中で、先生は訪問先の住所をさっと書き留められていた。数日して再び、その家々を訪れると、すでに先生からの激励のはがきが届いており、本当に驚いたというのです。

名誉会長 懐かしいね。一回の出会いが真剣勝負でした。今なら携帯電話を活用できるけれども。
 なかなか人が集まらずに悩んでいたリーダーとも語り合った。
 「自分自身が広宣流布を祈り、一人一人のことを祈り、自行化他の実践を貫いていけば、その題目に、人は必ずついてくるよ」と。
 こうした対話の積み重ねによって、300人ほどだった部員数も、1年間で1000人を突破するまで拡大できました。これも団結の力です。
 大目的に向かう時には、大きな障害がある。その時こそ、励まし合い、助け合いが大切です。
 御聖訓にも、木を植える場合には、しっかりした支えがあれば倒れないと仰せだ。たとえ、その人が、もう耐えられないと思うようなことがあったとしても、周りが支えれば大丈夫である。逆に、少し頑張っている人も、孤立すると心が折れて道を外れてしまう。
 一人が一人と固く団結することだ。そうやって築き広げてきたのが、今日の創価学会の壮大な「人材の林立」です。

 ──青年部員からは、「団結を叫んでも応えてくれない」「嫌だなと思う人とは心を合わせられない」という切実な声もあります。

名誉会長 当然いろんな人がいる。人間修行の場だから、聡明に忍耐強く取り組んでほしい。それが全部、自分の生涯の宝になる。
 団結といっても、せんじ詰めれば「一人立つ」以外にありません。
 相手ではない。周りではない。自分が希望に燃え、勇気に燃えて「一人立つ」ことです。
 牧口先生は、「羊千匹より獅子一匹」と言われた。学会は、烏合の衆を作るのではない。戦う獅子の集まりを作っていくのです。
 戸田先生も叫ばれました。
 「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう」
 これが団結の方程式です。学会精神です。

 ──先生は、草創の文京支部の戦いを通して、祈りを根本とした団結を教えてくださいました。

名誉会長 男子部では第1部隊長として戦っていた、昭和28年(1953年)の4月のことです。当時、文京支部は折伏の戦いで低迷していた。全国の最下位クラスになっていました。その状況を見かねた戸田先生が、急遽、私を支部長代理に任命されたのです。
 支部の代表が集まった最初の班長会で題目を三唱しました。でも、皆の声がどうしてもそろわない。もう一回行ったけれども、合わなかった。3回目も同じでした。結局、10回ほど繰り返して、ようやく題目の声がそろいました。
 有名な「異体同心事」には、「百人・千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず」(同1463ページ)と仰せです。
 形式ではない。一切を揺り動かす根幹の祈りを定め、心を合わせていくことが、広布の戦《いくさ》に勝ちゆくための原動力なのです。
 そして、私は英雄ナポレオンの合言葉が「前進」だったことを紹介し、「わが文京支部は、『前進』の魂を断固と燃やそう! 『前進』を合言葉としよう!」と訴えました。そして、皆で「前進!」と大声で宣言しようと提案したのです。
 「声仏事を為す」です。最初は弱々しい声でした。しかし、最後には、皆が呼吸を合わせて「前進!」と心から叫ぶことができた。そこからです。壁を破る新たな団結の行進が始まったのは!
 私は徹底して、支部のメンバー一人一人と会っていきました。
 当時の組織はタテ線だから、神奈川の橋本(現・相模原市)や保土ケ谷方面など、支部員もあちこちに散在している。私は、そうしたメンバーを全力で励まし、電光石火で手を打っていった。
 そして、その年の12月には、全国が目を見張る、第一級の拡大の成果を残すことができたのです。
 皆の一念が広宣流布へ向かって一致団結するならば、必ず突破口は開ける。大宇宙の法則に連なり、諸天も動かすことができる。同志の心を結び、敵さえも味方に変えて、「大同団結」させていけるのが、妙法の祈りなのです。

 ※トインビーの言葉は『二十一世紀ヘの対話』。

人材の城を! 善き友とつながれ

我らは「異体」にして「同心」。自分らしく広布のために「使命の舞」を舞うのです。

 ──今、男子部の創価班や牙城会の大学校生、また女子部の白蓮グループや華陽リーダー、さらに学生部のビクトリー・リーダーなど、最前線のニューパワーの友が生き生きと友人との対話に取り組んでいます。
 「先輩や同志などの仲間と共に学会活動に取り組むことが本当に楽しい」といった声が、たくさん寄せられています。

名誉会長 全部、うかがっています。本当によく頑張ってくれている。すごいことです。
 陰で後輩のために労を惜しまず、尽力してくれている先輩の皆さん方にも、心から感謝したい。
 いつもいつも、ありがとう! 同志は力です。南アフリカのマンデラ元大統領も、27年半に及ぶ獄中闘争に耐え、勝てた力は「仲間」であったと語られています。
 「仲間とともにいれば、決心は強化される」「知っていること、学んだことをすべて共有し、そうすることによって、各人の持っている勇気を倍加させた」と。
 善き友を尊敬し、信頼する。共に学び合い、切磋琢磨する。そして明確な目標を立てて、一緒に勝ち進んでいく。そこに、皆の満足と自信が生まれます。
        †
 ──先月は、台湾で素晴らしい青年平和文化祭が行われました。沖縄青年部の代表も友情出演し、見事な演技を披露しました。

名誉会長 すべてが百点満点の偉大な文化祭でした。台湾広布50周年を、若き連帯で荘厳してくれ、草創の先輩方も、どれほど喜んでおられたことか。
 台湾の同志は、厳しい試練も「冬は必ず春となる」(御書1253ページ)の御聖訓を抱きしめて耐え抜いてきました。今年も、内政部から連続17回目となる「社会優良団体賞」を受賞するなど、絶大なる信頼を勝ち得ています。
 沖縄も「一番苦労したところが一番幸福になる」との希望と誇りに燃えて前進してきました。広宣流布のモデル地帯として、地域社会への友好の拡大も目覚ましい。
 その台湾と沖縄の後継の青年部が、「笑顔で勝つ!」「勢いで勝つ!」「団結で勝つ!」と、平和と文化の舞を繰り広げてくれた。こんな嬉しい絵巻はありません。

 ──友情出演した沖縄の青年部員が、「文化祭で異体同心の団結の強さをあらためて実感しました。台湾青年部と一体になって、歌い、舞い、大感動の舞台でした」と目を輝かせて語っていました。

名誉会長
 沖縄は、先日、大きな台風に見舞われましたが、青年を先頭に力を合わせて復旧に立ち上がっておられることも全部うかがっています。試練を勝ち越え、あの伝統の「カチャーシー」の舞を、沖縄の同志の皆様と一緒に、私も踊りたい。
 カチャーシーは、それぞれが自由奔放に舞いながら、しかも、全体として絶妙に調和がとれています。まさに、異体同心の姿です。
 「異体同心」の団結とは、それぞれの個性を抑えつけることではありません。皆がありのままの姿で、自分の個性を伸び伸びと発揮しつつ、広宣流布のために共に「使命の舞」を舞っていく。それが「異体同心」なのです。
 「異体異心」ではバラバラです。
 「同体同心」では全体主義です。
 そうではなく、「異体」にして「同心」です。自分らしく「桜梅桃李」のそのままで、広布に尽くしていけばいいんです。
 城の石垣が、どれ一つとっても同じ形がないように、異なったものが互いを補い、組み合わさった時、崩れないものができあがる。
 だから強い。そして美しい。
 「人材の城を築け」──これが、戸田先生の遺言でした。
 広宣流布の城に、必要のない人など、一人もいません。皆が「宝の人材」です。誰もが、なくてはならない存在です。その一人一人を真心から大切にしていく積み重ねによってこそ、難攻不落の大城が出来上がるのです。
        †
 ──団結をつくる上では、リーダーの一念が大切ですね。

名誉会長 その通りです。
 御書には、「軍《いくさ》には大将軍を魂とす大将軍をく(臆)しぬれば歩兵《つわもの》臆病なり」(1219ページ)と仰せです。
 青年部のリーダーも、広宣流布の大将軍として、雄渾なる名指揮をお願いしたい。自身が成長していけば、人は必ずついてきます。
 昭和31年(1956年)、“大阪の戦い”の中、私が青年リーダーと確認し合ったことがあります。
 「一人一人のことを思い浮かべて真剣に祈ろう! それが“百人が一歩前進する”力となる」と。
 皆のためにリーダーがいる──そう決めて祈り、戦えば、自分自身の壁も大きく突破できる。境涯が開ける。
 大事なことは、真実のリーダーシップとは、民衆の中で、民衆と共に、民衆のために、汗まみれ、泥まみれになって、戦い抜く中でのみ、鍛えられるということです。
 このことを、アメリカ公民権運動の指導者キング博士の盟友でもあった歴史学者のハーディング博士と、私は語り合いました。
 それは、アラバマ州モンゴメリーでのバス・ボイコット運動の歴史です。“大阪の戦い”とちょうど同じころ、私たちの敬愛するローザ・パークスさんが、差別的な「人種隔離バス」に抗議を示したことから始まった人権闘争です。
 長年にわたり続けられた不公平な差別に、一人の女性が敢然と「ノー!」の声を上げました。その非暴力の勇気に皆が続き、団結の力で、黒人の隔離は違憲であるという判決を勝ち取ったのです。
 この運動の指導者となったのが若きキング博士です。
 ハーディング博士は洞察されていました。
 「ローザ・パークスさんのような人々がいたからこそ、彼(キング博士)は自らのリーダーシップの能力を発見し、その勇気をさらに大きく引き出すことができたのです」
 「キングは民衆から勇気を得て、民衆もまたキングから勇気を得ました。両者は、常に互いに与え合う関係にあったのです」
 民衆を鼓舞したキング博士は、不退の決意を固めて団結して戦う民衆によって鼓舞されたのです。団結した民衆が、偉大なる指導者とその力を生み出したといってよい。民衆こそ大地なのです。
 偉大なるもの──その名は「民衆」です。その「団結」です。
        †
 ──世界のいずこをみても、内紛や分裂が渦巻いています。
 「異体同心」の人間の結合を、変わることなく貫き通すことは、奇跡の中の奇跡です。

名誉会長 その奇跡を創るのが、信心です。題目の力です。題目に勝るものはありません。
 日蓮大聖人は、題目の力用について、「一切衆生の心中の仏性を唯一音《ひとこえ》に喚び顕し奉る功徳・無量無辺なり」(御書557ページ)と仰せです。
 そして、その譬えとして、籠の中の鳥が鳴けば、それに呼ばれて空を飛ぶ鳥たちが集まり、籠の中の鳥も共に外に飛び立とうとするではないか、と示されています。
 皆で題目を朗々と唱え、広宣流布に進みゆく「団結」は、自他共の仏性を引き出し、歓喜の生命を伸びやかに解き放ちながら、一人また一人と、人類の境涯を高めていくことができるのです。
 ともあれ、「異体同心事」には、「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候、悪は多けれども一善にかつ事なし」(同1463ページ)と結論されています。
 善友とつながること──これが、永遠の勝利の方程式です。
 そして師と共に、同志と共に、勝って勝って勝ちまくってきたのが、創価学会なのです。
 今、わが世界の青年部は、手と手を取り合い、「人間の信頼」と「生命の尊厳」の新たなスクラムを力強く組み始めました。
 人類の希望と輝く「平和と共生の世紀」に、勝利の旗を晴れ晴れと打ち立てゆくことを、私は祈り、待っています。

 ※マンデラの言葉は東江一紀訳『自由への長い道 ネルソン・マンデラ自伝(下)』(日本放送出版協会)。
2012-10-05 : 若き君へ :
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