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わが教育者に贈る 3

わが教育者に贈る

第3回 地域社会に教育の陽光を
            (2012.4.28/29/30付 聖教新聞)

相談できる先生は「希望の灯台」

御聖訓に説かれた東洋の英知

陰徳あれば陽報あり


 日蓮大聖人が教えてくださった金言に、「陰徳あれば陽報あり」(御書1178ページ等)とあります。
 陰で人知れず善の行動を積み重ねた人こそが、必ず最後は真実の栄光に包まれるという、生命の厳たる因果の理法であります。
 私は、この「陰徳あれば陽報あり」の仰せを、「立宗の日」を記念して、妙法の人間教育者の皆様方にあらためて捧げたいと思うのであります。
 人を育てること、人を励ますこと──それは、まさしく、たゆみない「陰徳」の労作業だからです。
 教育は、人間それ自身、なかんずく若き多感な生命に関わっていく聖業であるがゆえに、言い知れぬ労苦の連続でありましょう。
 時として、こちらの誠意がなかなか通じないこともある。思うように目に見える結果が出ないこともある。真心の努力が報われず、割に合わないように思えることもある。
 それでも悪戦苦闘を突き抜けて、ただただ子どもたちの生命の可能性を信じて、祈り抜き、尽くし抜いていく。見返りなど欲せず、賞讃など求めようともしない。しかしこ必ず必ず「陽報」は現れます。
 時が来れば、たとえば、目をみ作るような子どもたちの成長となり、奇跡のような勝利の晴れ姿となって光るでしょう。また、教え子たちや、その家族からの消えることのない感謝と敬愛となって還ってくることもあるでしょう。
 そして、自らの蒔いた「陰徳」の種が大樹となって育ちゆく未来を見つめながら、尽きることのない喜びと充実と満足に包まれていくのではないでしょうか。
 この生命の宝冠こそ、人間教育者の偉大なる「陽報」なりと、私には思えてなりません。
 その尊き模範が、教職を立派に勤め上げ、豊かな経験を生かしながら、地域社会の依怙依託となって活躍してくださっている、わが創価の「教育名誉会」の方々であると、私は声を大にして申し上げたいのであります。
 「教育名誉会」の先生方の大きなサポートをいただきながら、わが教育本部は、社会的な活動として、「教育相談室」と「人間教育実践報告大会」(人間教育フォーラム)を、力強い両輪として推進してきました。それぞれに多忙を極めるなか、この活動にボランティアとして時間を割いてくださっている皆様方に、本当に頭が下がります。
 「教育相談室」は、今年で開設44年になります。
 設置された1968年(昭和43年)の当時は、ベトナム戦争が続き、人権運動の闘士キング博士が暗殺され、東欧の「プラハの春」は踏みにじられ、アフリカのビアフラでは子どもたちが飢餓に苦しんでいました。日本は高度経済成長で、こぞって富の豊かさを追求する一方、公害が深刻化し、大学での学園紛争も激しさを増して、青少年の心が揺れ動く真っただ中でした。
 このとき私は、長年、教育現場での難問に全力で奮闘されてきた熟練の先生とじっくり懇談しました。その苦労を伺い、功労を讃えながら、私は「あなたの貴重な経験・知識を、地域で生かしてみてはいかがですか」と提案しました。やがて、第1号の「教育相談室」が、東京に誕生したのです。
 教育はあくまでも普遍性の次元ですから、信仰の有無を問わず、地域社会に広々と開かれた相談室としてスタートしました。
 本年3月には、大分県にも開設され、現在は全国35カ所にまで発展しています。来談者の総数も、36万7000人を超えました。
 御書には、「植えた木であっても、強い支柱で支えれば、大風が吹いても倒れない」(1468ページ、通解)と説かれています。
 良き教育者が身近で見守ってくれていて、いざという時に相談できるということは、何より心強い支えではないでしょうか。
 相談内容は、当然、一律ではなく、さまざまなケースがあります。一人一人の話に真摯に耳を傾け、時には、お子さん方と一緒に遊んだり、運動したりしながらと、工夫を凝らし、誠心誠意、取り組んでくださっています。
 何度も面談を重ねて、一歩ずつ、よりよく変化していくことを粘り強く見守り続けていくなかで、お子さん自身が大きな成長のきっかけをつかむことができたという、嬉しい報告も届きます。
 また、すれ違っていた母と子の心の距離を縮める機会ともなる。さらには、父親とも関わることで、家族全体が大きく変わることができ、好転していったケースも少なくないようです。

「教壇の教師」と「地域の先生」と
 愛するお子さんのことで悩む保護者にとって、どうしていいのか分からない状況に追い込まれてしまったとき、教育本部の皆様方からの的確なアドバイスが、どれほど“希望の光”となっていくことか。
 「地域の希望の灯台」とは、教育相談室を担当してくださっている先生方にお贈りした言葉です。相談室は、文字通り、暗夜の荒海を照らす「希望の灯台」のような光を放っています。
 現在、相談事例の7割を占めるのは、「不登校」に関することだと伺いました。原因はそれぞれ、さまざまだと思いますが、子どもを取り巻く社会自体が閉塞している昨今の時代状況のなかで、お子さん方も親御さん方も、どんなに苦しんでおられることか。そうしたご家族に応援の手を差し伸べる意義は、あまりにも深く、尊い。
 「教壇の教師」として、また「地域の先生」として、誇りも高く献身してくださる皆様方に、最大の敬意と感謝を表します。
 教育相談室は、幅広い年齢層が対象となっています。
 異なる一つ一つの状況に合わせ、丁寧に対応していくことで、現実に子どもが学校に戻ることができた事例も、数多くあります。親も子も、真心のサポートを得て、苦境を乗り越える力を湧きたたせ、強く朗らかに成長することができたのです。
 このたびの東日本大震災の被災地では、子どもたちの心のケアが叫ばれています。仙台教育相談室のメンバーが、避難生活を送る子どもたちのもとを訪れ、一緒に遊ぶなど楽しい交流のひとときに、明るい歓声が響いたと伺いました。
 悩む心に寄り添い、誠実に傾聴する皆様方の振る舞いは、菩薩そのものです。
 日蓮大聖人は、菩薩について、「自身を軽んじ他人を重んじ悪を以て己に向け善を以て他に与えんと念《おも》う者」(御書433ページ)と仰せになられました。
 人々の苦しみや悲しみに同苦し、自らが労苦を引き受けて、皆に希望と勇気を贈っていく戦いこそ、菩薩の真髄です。
 それは、教育相談室に脈打つ精神そのものなのです。
 ある中学生は、いじめから不登校になりました。母と一緒に、すがるような思いで教育相談室に行きました。
 迎えてくれた担当の先生は何も問い質そうとはせず、常に優しい笑顔で、一緒に楽しく卓球をしてくれたといいます。
 「この先生は味方だ。全てを受け入れてくれる人なんだ」──その安心感を支えに、高校へ進学し、歯を食いしばって通い抜きました。その後も専門学校で学び抜いて、立派に介護士の資格を勝ち取りました。
 「あの苦しんだ日々があるから、今の自分がある。今、自分が生きているのは、あの先生のおかげです。恩返しをしたい。自分も人のために役立つ仕事をしたい」との誓いからです。今は、同じ悩みを抱えた後輩たちのためにも、教育本部の方々と手を携えて献身してくれています。
 「一つ一つ勉強し、研修しながら、悩める子どもや親たちの相談を受け止めてこられた教育相談室の皆さんのご努力に心から敬意を表したいと思います」等と、識者の方からも多くの声が寄せられています。
 この教育相談室の活動が、時代に即応しつつ、地域の教育力の向上に、ますます重要な貢献を果たしていかれるよう期待しています。

「よき実践」こそ最高の教育理論

米デューイ協会・ヒックマン元会長
教育実践記録は貴重な事例研究 世界の教師たちも読んでほしい

 「教育相談室」とともに、新生の波動を広げている社会的活動が、「人間教育実践報告大会」や「教育セミナー」です。
 全国レベルの人間教育実践報告大会は、1976年(昭和51年)に開かれた東京・立川での第1回大会から、これまでに34回の歴史を重ね、各地で方面・県単位の大会も行われてきました。
 発表される教育本部の先生方の奮闘の模様が、毎回、大きな感動と共感を呼んでいます。当代一流の識者の方々からも、その意義を深く汲みとった講評をいただいています。
 「外から与えられた教育理論ではなく、子どもと直接触れ合い、だれよりも子どものことを知る教師の実践に裏打ちされた教育理論こそ今、必要なのです」と言われ、教育本部が蓄積してきた「慈愛」と「知恵」と「勇気」の3つの“実践知”を高く評価してくださる先生もおられます。
 また、ある先生は、「素晴らしい実践は、即、素晴らしい理論です」と賞讃してくださっています。
 “実践即理論”──個々の教育者の「実践」が「理論」として共有されれば、また新たな「実践」を生み出していく力となります。一人一人の教育現場での経験から、必ず良き知恵が触発され、さらに現場で生かされていきます。
 「教育社会にも一顧されない様な旧来の教育学を棄て、新しい教育学を実証的、科学的に蘇生せしめて、実際の教育生活に密接なる関係を保たせようとしたのが、この創価教育学である」
 こう宣言された牧口常三郎先生も、人間教育実践報告大会の展開を、いかばかり喜んでくださることでしょうか。皆様方の、地味に見える日々の努力こそ、創価教育の父・牧口先生に直接つながる価値創造の行動であります。
 ジョン・デューイ協会の会長を務められた南イリノイ大学のラリー・ヒックマン教授は、創価の「教育実践記録」について、「教室での問題解決のための非常に貴重な事例研究(ケーススタディ)」になると評価してくださいました。そして、「適切に編集し、世界各地の教師たちにも読めるよう出版していただきたい」とも望まれていました。
 現場に徹し抜いた人間教育の具体的な事例にこそ、全世界に通ずる普遍性の広がりがあるのです。
 さらに、この春に発刊された対談集『地球を結ぶ文化力』の中で、共著者である中華文化促進会の高占祥主席は、私が「教育実践記録」や「教育相談室」について紹介すると、次のような信念の言葉を贈ってくださいました。
 「青年は祖国の未来です。民族の希望です。人類の春です。家庭の朝日です。
 青年は、一つの“いまだ磨かれざる玉の原石”です。真誠をもって彫刻し、磨かなければなりません。
 青年は、一株の苗のようなものです。愛の心をもって、水を注がなければなりません。
 ……学校での教育だけではなく、あらゆる社会のすべての人々が言葉で教え、身をもって教えることが大切ではないでしょうか」
 どんなに遠大な社会変革の構想があっても、ただ演説するだけでは、世界は変わりません。
 眼前の一人の若き命に関わり、真心を込めて励ましを贈っていくことこそ、希望の未来を創り開きゆく最も確実な布石であります。
 その意味から、これからも、日々、胸を張って、黄金の実践記録を積み重ねながら、使命の大道を歩み抜いていただきたいと念願するものです。
 さて、「教育相談室」の相談内容でも、また実践報告大会の発表でも、「いじめ」やそれを背景としたものが少なくありません。
 いじめが原因で、未来のある青少年が自殺したというニュースほど、胸の掻きむしられる悲しみがあるでしょうか。
 「人格の尊重」「生命の尊厳」を、すべての根底にしなければならない。私の創立した創価学園では、「いじめ」も「暴力」も、断固として許しません。この問題については、私自身、これまでも幾たびとなく言及してまいりました。
 教育現場の先生方のお話では、年々、いじめの様相も変化し、捉え所がないほど複雑になってきているようです。しかし、現象面の変貌にかかわらず、いじめで苦しむ子どもがいるという事実は変わらない。
 「いじめられてもいい子」など、断じておりません。「いじめられる側にも原因がある」などと、いじめを正当化させても決してならない。
 「いじめは、いじめる側が100%悪い」──この本質を絶対に見失ってはなりません。
 最も重要なことは、「早期発見」です。クラスのちょっとした変化を見逃さない鋭敏な感性を磨くことです。そのためには、常に子どもたちと対話し、心の交流を重ねていくことが肝要ではないでしょうか。
 その上で、いじめが分かった時に何より大事なことは、いじめそのものを二度と起こさないようにすることです。“犯人捜し”は二の次です。かえって事態を悪化させてしまう場合さえあるからです。
 まず、いじめがあったという事実を、クラスならクラス全員が、きちんと見つめることです。加害者はもちろん、はやし立てた子も、傍観した子も含めて、誰一人として「自分は関係ない」という人はいないことを明確に伝え、「いじめは絶対にいけない」という意識を子どもたちと共有して、皆で乗り越えるために力を合わせることです。
 いじめは被害者を傷つけることはもちろんのこと、実は加担した子ども自身の生命をも傷つける罪悪であるからです。
 どの子も等しく、「幸福」になるために生まれてきています。
 御聖訓に断言されている通り、「いのちと申す物は一切の財の中に第一の財なり」(御書1596ページ)なのです。
 「いじめ」という“暴走”を生む、一つの原因に「差異」の排除があります。だからこそ、子どもたちと共に、一人一人の個性を大事にすること、また個性に違いがあるゆえに、相互の対話が大事であることを学んでいきたいと思います。
 私が共に対談集を発刊したデンマークの教育者ヘニングセン博士(国民高等学校アスコー校・元校長)は、「私たちは『差異のある世界』に生きています。ゆえに、『差異を認め合う』ことが、最も大切な点です。そして、『差異を認め合う』ことは、本当の対話のための必須条件なのです」と語られていました。
 差異を認め合う勇気を持って、対話に踏み出すことから、新しい道が必ず開けます。私自身、この信念で、今も世界との対話を続けております。

「子どもの声が届く社会」を!

 人は互いの多様性から学び合い、「差異」をむしろ価値創造の源泉とすべきです。「自由」と「放縦」、「幸福」と「快楽」、「差異」と「差別」をはき違えていると言われる現代社会にあって、子どもたちが「差異」を通して何を学ぶべきか、見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
 また最近は、子どもたちが家庭においても、決して守られているとはいえない状況があります。その弱い存在の子どもたちが、自分より弱い立場にある子どもを見つけて、いじめているケースもあると聞きます。背景には、社会で抑圧されている大人の歪みが、子どもたちに投影されてしまっているという、いじめの連鎖があります。
 子どもたちを取り巻く環境を、「子どもの幸福」を根本思想とする「教育のための社会」へと転換していくことが、切実な課題です。そのための学校、家庭、地域、行政を含めた、子どもを守るネットワークの構築が求められます。
 「教育のための社会」とは、何にもまして「子どもの声が届く社会」といえましょう。
 子どもたちの小さな叫びに耳を傾け、それに応えていく社会であってこそ、大人も子どもも幸福で平和に生きることができる。子どもの幸福を追求することは、大人の喜びと生きがいにつながっていきます。
 子どもの声を代弁し、子どもの命を守り抜く、一人の教育者の声にこそ、その子を救うのみならず、家庭を救い、社会のありようをも変える力が秘められていると、私は祈りを込めて強く申し上げたいのです。

我らの使命は「生命の安全地帯」

インドネシア・ワヒド元大統領
家庭や学校、隣人からも誠実と寛容を教えられた

 2010年10月、創価教育の80周年を記念するシンポジウムが神奈川文化会館で開催されました。その折、教育実践記録の3000事例を対象にした分析結果の報告を受けたことを、私は鮮明に覚えております。
 そこでは、教師に望まれる子どもへの「5つの関わり」が抽出されていました。
 その5つとは──
 1.「信じぬく」
 2.「ありのまま受け容れる」
 3.「励まし続ける」
 4.「どこまでも支える」
 5.「心をつなぐ」
 教師のみならず、人材を育成する上で、心すべき「関わり」「結びつき」の指標といってよいでしょう。
 私は教育提言「『教育のための社会』目指して」で、「人間が人間らしくあること、本当の意味での充足感、幸福感は、“結びつき”を通してしか得られない」と指摘しました。
 “結びつき”は相互作用です。子どもは一方的に大人から庇護される存在ではありません。やがて独り立ちし、自ら他者と結びつくことを学びゆく、一個の尊い人格です。
 ゆえに、子ども自身が「自分の人生を切り開く力」を養うとともに、「人とのつながり」「心の結びつき」を大事にできる感性を育んでいくことが、不可欠であります。
 子どもが悩みや苦しみに負けず、一緒に力を合わせて困難を乗り越えていけるように、懐深く支えていく大人の存在が何より大切です。
 信頼できる大人が見守り、励ましてくれることは、子どもたちに安心と向上をもたらしていきます。
 私が対談した、忘れ得ぬインドネシアの哲人指導者・ワヒド元大統領がしみじみと語っておられました。
 「祖父や父だけでなく、学校の先生や地域の人たちからも、誰に対しても誠実に接し、寛容の精神を持つことの大切さを教えてもらいました。
 私が尊敬するのは、どんな困難があっても、決して退かない精神がある人です。たとえ逃げ出したくなるような状況にあっても、自らを鼓舞するだけでなく、多くの人にも同じ実践ができるようにする存在であります」
 いかなる苦難にも、若き生命が伸び伸びと成長するための盤石なる安全地帯が、わが教育本部です。ここに我らの重要な使命があります。
 教育現場が、いかに厳しい状況にあろうと、「子どもが主役である」との視点を堅持し抜いていきたい。「自らが価値創造していく力」と「他者と結合していく力」を、子どもたちが身につけることが、幸福へ前進していく最善の道だからです。
 自ら価値創造し、他者とつながっていく──これは、仏法を実践する基本である「自行化他」にも通じています。
 この両翼こそが、子どもたちが人生の大空へ羽ばたき、幸福を勝ち取っていく原動力といってよいでありましょう。
 「教育は、人間生命の目的である」──これは、世界的な名門学府であるアメリカ・コロンビア大学の仏教学者、ロバート・サーマン博士の信条です。私は「社会のための教育」から「教育のための社会」へというパラダイム(思考的枠組み)の転換を、このサーマン博士との交流から着想しました。
 博士は、そのことを大変に喜んでくださいました。ご自身も「教育のための社会」というビジョンを、「釈尊の教えに学んだものです。仏の立場から見れば、人間はすべて、かけがえのない宝物です。そして、その宝物である人間は、生涯にわたり(地獄や奴隷のような状況から解放される)自由と機会を与えられた存在なのです」と述懐されています。
 仏法の中から、最高の人間教育の真髄を美事にくみ上げられたのです。慧眼です。
 博士は、こう結論されました。
 「人間は何のために生きるのか──それは学ぶためである」と。
 私も全面的に賛同いたします。
 学ぶことは、生きることです。
 生きることは、学ぶことです。
 そこに、生命の成長があり、人生の幸福があります。
 あえていえば、「人は、自らを教育するために生まれてきた」のです。
 迫害の中でも学ぶことを手放さなかった大詩人ダンテは、自著に次の箴言を記しました。
 「われ若し片足を墓に入れるとも、知識を得ることを欲するであろう」
 すべての子どもたちが「教育」という人生の究極の目的が果たせるよう、日夜、教育現場で奮闘し、「教育相談室」や「人間教育実践報告大会」(人間教育フォーラム)などを通じて地域・社会の教育力の向上に取り組んでおられる教育本部の皆様は、私にとって、喜びも苦しみも分かち合う無上の同志です。
 法華経には、生命尊厳の極理を弘めて人々を救おうとするならば、「如来の室」に入り、「如来の衣」を着し、「如来の座」に座って説くべきであると示されています(法師品の「衣座室の三軌」)。
 もともと仏法の弘教の方軌ですが、私は人間教育の要諦にも通ずると拝してきました。
 「如来の室」とは「仏の大慈悲心」のことです。敷衍して申し上げれば、大きな慈愛の中に、子どもを包み込んで、「抜苦与楽」の対話をしていくことです。「教育相談室」という「室」それ自体が、そうした慈悲に満ちているといっても、過言ではないでしょう。
 「如来の衣」とは「柔和忍辱の心」です。何があっても揺るぎなく、柔和な笑顔で子どもたちを受け止めて、忍耐強く励まし続ける力です。
 さらに「如来の座」とは、少々難しい表現で「一切法空」と説かれ、あらゆるものに不変の実体はないと知る智慧を意味します。ややもすれば、先入観念など、教育現場で陥りがちな思い込みを排し、現実の課題に柔軟に即応して、どこまでも「子どもの幸福」のために自在の智慧を発揮していくことでしょう。また、「御義口伝」に、如来の座について「不惜身命の修行」(御書737ページ)と仰せの如く、わが身を惜しまず戦い抜くことが、その極意です。
 私たちは、この仏と一体の慈愛と忍耐と智慧を、いやまして光らせながら、「教育のための社会」へ、また「いじめのない社会」へ、そして「すべての子どもたちが幸福に輝く社会」へ、勇気凛々と邁進していこうではありませんか!

 ヘニングセン博士の言葉は『明日をつくる“教育の聖業”』(潮出版社)。ワヒド元大統領の言葉は『平和の哲学 寛容の智慧』(潮出版社)、ダンテが記した箴言は『饗宴』に引かれたセネカの言葉(中山昌樹訳、日本図書センター)=現代表記に改めた。
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2012-04-30 : わが教育者に贈る :
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未来対話  君と歩む勝利の道 第1回

未来対話  君と歩む勝利の道    (2012.5.1付 未来ジャーナル)

第1回 さあ 出発しよう!

みんなが勝つために私はいます

アメリカの民衆詩人ホイットマン
陽気に力強く大道を歩む。
今から後は幸運を求めない。
この私自身が幸運なのだ



 池田先生の新連載「未来対話──君と歩む勝利の道」がスタートします。聞き手は、未来本部の代表らによる「未来対話」編集委員会です。
        ◇◆◇
池田名誉会長 「未来ジャーナル」の誕生、おめでとう!
 こうして新しい新聞紙上で、最も期待し、信頼する未来部の君たちと対話できることが、私はうれしい。
 私は、日本中、世界中から、毎日毎日、たくさんの報告やお便りをいただきます。
 大切な同志の近況はもとより。各国の指導者や学識者の方々からのお手紙や連絡もあります。
 また、いくつかの対談も、連載が続いています。
 そうした中で、何にもまして私の心が弾むのは、中等部や高等部の皆さんが元気に成長している姿や一生懸命に努力している様子をうかがうことです。
 ぐんぐんと伸びていく君たちの若き生命ほど、まぶしいものはありません。
 もちろん、一生懸命に努力しても、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。しかし、一生懸命であるということ自体が、素晴らしいのです。
 自分では意識していないかもしれないけれど、生きることは戦いです。全細胞が、生きよう、生きようとしている。目に見えない病原菌とだって必死で戦っている。だから、毎日、成長するんです。
 日蓮大聖人の仏法は、一生懸命、生きる人のためにあります。生きて生きて、生き抜くためにあります。幸福になるためにあります。勝つための信心です。
 ですから、みんなが勝つために、私はいるんです。
 本当なら、すぐにでもみんなのもとへ飛んでいき、語り合いたい。みんなが、今、悩み、考えていることを、一緒に考えていきたい。
 一番大事な皆さん方を、少しでも励まし、力づけたいのです。
 皆さん方のことを真剣に応援してくれている、お兄さんやお姉さんたちもまじえ、また、時には、お父さんやお母さん方もお招きして、お茶でも飲みながら、さわやかな緑の公園で楽しく語り合う。そんな思いで、この「未来対話」を始めましょう。
        □■□
 ──中等部、高等部のメンバーは、本当にさまざまな悩みを抱えています。勉強や将来の進路、学校での人間関係、自分の性格や容姿のこと、両親のことなど……。厳しい経済不況も、メンバーの家庭に深刻な影響を与えています。「いじめ」の問題も根深くあります。最近は、インターネットを悪用したケースも増えています。

名誉会長 複雑な時代だね。本当に難しい問題ばかりです。
 私の青春時代とは、今は世の中が大きく違います。
 みんなは元気かな、大丈夫かなと、何をしていても、皆さんのことが心から離れません。
 今から40年前に、私は、偉大な歴史学者のトインビー博士と対話を交わしました。
 当時、80代だった博士は、ひ孫たちの世代が生きる時代のことを基準にして、物事を考えていると言われました。未来のために心を尽くしていくことが、若々しく生きる秘訣であるとも、微笑んでおられました。
 私も博士と同じ年代になって、その気持ちがよく分かります。
 私も、皆さんから、たくさん教えてもらいたい。そして、共々に未来へ進んでいきたいのです。
 未来を見つめ、よりよくしていくために、貴重な鏡となり、糧となるもの──それが、歴史です。また先人たちの知恵です。
 ですから、私が学んできた人類の精神の遺産、また戦いのなかでつかんできた「心の宝」を、皆さんにお伝えしながら、対話を進めていきたいと思います。
 とくに私は、青春時代、「戸田大学」に学びました。毎日毎朝、人生の師である戸田城聖先生から万般の学問を教えていただいたのです。
 先生は、それはそれは厳しかった。「大作、今、何を読んでいる?」とも、よく聞かれました。
 一冊の本も、深く深く掘り下げて、そこに書かれた思想の真髄を教えてくださいました。
 一つ一つが、ありがたい薫陶でした。それが、私の「宝」です。そのすべてを、みんなに贈りたいのです。
        □■□
 ──ありがとうございます。
 メンバーにとって、池田先生との大事な原点になると思います。とくに今回の大震災を通し、皆が共々に立ち上がる「言葉の力」があらためて見直されています。

名誉会長 本当にそうだね。
 東北の被災地でも、中等部、高等部のみんなが、友だちや家族で励まし合いながら、苦難と戦い続けていることも、よくうかがっています。
 あまりにも過酷な試練の中で、懸命に自分の思いを言葉にし、声をかけ合って、負けるものかと、前へ進んできました。
 偉い。本当に偉い。私は、みんなを心からほめてあげたい。
 人生には、言葉を失うような出来事がある。言葉では言い尽くせない悩みや苦しみもあります。
 しかし、それでも言葉にして、少しでも分かち合うことができれば、そこから光が見えます。解決の道が開けます。言葉は心と心をつないでくれるからです。
 この対話の副題は、「君と歩む勝利の道」だね。
 私一人でもなく、今、この新聞を読んでいる君一人でも、あなた一人でもない。
 どこまでも、私たちは一緒なんです。
 私と、また良き友、良き先輩、良き後輩と共に、一歩一歩、勝利へ向かって歩いていくんです。
 その意味から、今回は、ホイットマンの詩を選びました。
 ちょっと難しいかもしれないけど、私は大好きなんです。一緒に読みましょう。

 ──はい。アメリカの民衆詩人ウォルト・ホイットマンの「大道の歌」からです。
 「徒歩で、陽気に、わたしは大道を歩き出す、
 健康で、自由に……」
 「今から後わたしは幸運を求めない、このわたし自身が幸運なのだ、
 今から後わたしはもうこっそり話などはしない、もうひきのばしなどはせぬ、何ものをも入用《にゅうよう》としない、
 家の内での愚痴や、知ったかぶりや、あら捜したらだらの批評など飽き飽きした、
 力強く、満足して、わたしは大道を旅する」(『詩集 草の葉』富田砕花訳、第三文明社)
 ホイットマンは、リンカーン大統領と同時代を生き、民主主義の理想を高らかに歌いました。

名誉会長 「大道の歌」という題名も素晴らしい。明るいじゃないか。
 「大道」は、英語のタイトルでは「オープンロード」です。「開かれた道」「自由な道」「広やかな道」という意義もあるでしょう。
 みんなの未来も、この詩のように、大きく大きく開けています。だれ人たりとも、皆さんの行く手をさえぎることはできません。
 私がこの詩を読んだのは、戸田先生とお会いして間もなく、皆さんより少しお兄さんのころです。
 私の青春時代は戦後の混乱期です。それまでの価値観が崩壊した時代です。私たち青年は、何も信じられなかった。
 戦争が終わって、皆、どうやって生きていけばいいのか。確かなものが見出せませんでした。
 加えて、私は結核を患っており、医者からは「30歳までは生きられない」と言われていました。夕方になると、決まって微熱が出ました。本当に苦しい毎日だった。精神的にも、肉体的にも疲れ切っていました。その中で、ただ本だけが「確かなもの」として目の前にあったのです。
 当時、本は、なかなか手に入らなかった。皆さんには想像もつかないかもしれませんが、長時間、本屋の前に並んでも買えないこともあったのです。ホイットマンの詩集『草の葉』は、そうした時に手に入れた、まさに「宝の一書」でした。
 私はこの詩を読み、心に残った部分は暗唱しました。口に出すたびに、大詩人の魂が私の血潮を駆け巡るように感じました。そうやって、自分を励まし、鼓舞していきました。
 師匠・戸田先生は、そんな私に最高の大道を開いてくださったのです。19歳で初めてお会いし、先生の「大道の旅」を、共々に歩ませていただきました。
 この詩のように、私は本当に幸運でした。何よりも幸せでした。もう何も、いりませんでした。
 先生の進んでこられた道が、私の道になりました。先生の弟子として、私は戦い、勝ちました。今も、その道を歩み続けています。私には、一点の後悔もありません。
        □■□
 ──私たちも、「大道の歌」から「さあ、出発しよう! 悪戦苦闘をつき抜けて! 決められた決勝点は取り消すことができないのだ」という一節を池田先生に教えていただき、自分自身を励ましてきました。

名誉会長 ありがとう。この言葉も、中等部、高等部のみんなに贈りたい大切な宝です。
 何人もの青年に、この言葉を書き贈ってもきました。
 生きることは、悪戦苦闘の連続です。でも、みんなが勝つことは決まっている。みんなが幸せになるのは決まっている。
 「決められた決勝点」は、だれにも取り消せない。
 悪戦苦闘が続く時、そこを突破するには、ど真ん中を勇敢に突き進むことです。それが、最も近道であり、直道なんです。
 もがくこともある。悩むことだっていっぱいある。しかし、それは、勝利の大道を、まっしぐらに前進している証拠です。
 時には、くたびれて立ち止まることもあるでしょう。大きく深呼吸して、また歩き出せばいいんです。私たちは、いつでも一緒です。どこまでも共に行く旅路です。
 どうせ悪戦苦闘するなら、楽しく朗らかに進もう──私は、そうしてきました。一歩も引きませんでした。いじめられても、いわれなき非難中傷を受けても。師子王である戸田先生の弟子ですから。
 ホイットマンにも、良き仲間がいました。彼の健康にも尽くした近代医学の父オスラー博士は、こう語っています。
 「勇気と快活さがあれば、人生の荒波を乗り越えるのが容易になるばかりでなく、諸君は心の弱った者に慰めと助けを与えることができる」(『平静の心 オスラー博士講演集』日野原重明・仁木久恵訳、医学書院)
 「勇気」に燃えて、そして「快活」に荒波を乗り越えた分だけ、多くの人を励ませるのです。
 いよいよ、みんなの時代だ。みんなにも、それぞれの「決勝点」がある。今は分からなくても、意味が見出せなくても、一生懸命、粘り強く進み続けていけば、必ず見えてくるものだ。
 君の、あなただけの「決勝点」が絶対にあります。
 さあ、出発しよう! 私がついています。毎日毎日、祈っています。「勝利の大道」を決勝点に向かって、明るく胸を張って、歌を歌いながら前進しよう!
 この「未来対話」を通して!

 ──よろしくお願いします。
 聞き手の私たち自身が、まず中等部、高等部の皆さんと共々に、成長してまいります。
2012-04-24 : 未来対話 :
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新時代第57回本部幹部会/聖教新聞創刊記念配達員大会へのメッセージ

新時代第57回本部幹部会/聖教新聞創刊記念配達員大会へのメッセージ
        (2012.4.18 創価国際友好会館)

 栄光の5月3日「創価学会の日」「創価学会母の日」を記念する「新時代第57回本部幹部会」が18日、「聖教新聞創刊記念配達員大会」の意義を込め、東京・千駄ケ谷の創価国際友好会館で行われた。これには、原田会長、正木理事長、杉本婦人部長をはじめ全国の代表が、18カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)の友と出席した。池田大作名誉会長は記念のメッセージを贈り、各地で見事な前進を続ける友を賞讃。「誓いを貫く人は永遠の勝利者なり」と述べ、「ちかいし願やぶるべからず」(御書232ページ)との御聖訓を胸に、広宣流布の大ロマンに向かって、楽しく、生き生きと進もうと呼びかけた。

名誉会長のメッセージ

「師弟の誓願」が輝く5月3日
民衆の幸福へ大情熱を燃やせ


恩師・戸田第2代会長の大師子吼
「一対一」の勇気の対話から広宣流布は成し遂げられる

 一、全国、全世界の創価家族と共に、希望に燃えて、大勝利の「5月3日」を、晴れ晴れと迎えることができました。
 全同志の尊いご健闘を、私は心から讃え、最大に感謝申し上げます。
 海外の同志の皆様方、本当にようこそ、お越しくださいました。それぞれの国、それぞれの地域の目覚ましい前進のご様子も、よくうかがっています。
 一、日蓮大聖人は「仏法のために歩む道のりの遠さに、信心の志があらわれる」(御書1223ページ、趣意)と仰せになられました。
 広宣流布のために、わが身を惜しまず、動き、歩く。それが、どれほど素晴らしい歴史であるか。
 どれほど大きな「心の財《たから》」を積みゆく行動であるか。
 皆様方の功徳は、法華経に照らし、御書に照らして、計り知れません。
 その意味において、雨の日も、風の日も、そして雪の日も、労苦をいとわず、幸福と平和の推進力である聖教新聞を配達してくださっている全国の「無冠の友」の皆様に、私たちは、あらためで御礼申し上げ、健康と無事故、大福運の前進を、心からお祈り申し上げようではありませんか(大拍手)。
 一、5月3日を前に、きょうは、一点、確認し合いたいことがあります。
 それは、「誓いを貫く人は永遠の勝利者なり」ということです。
 法華経は、「師弟の誓い」の経典であります。すなわち、「全ての人を仏の境涯に導きたい」という師匠の誓いを、弟子たちが、わが誓いとして立ち上がるのです。
 師匠も、弟子も、民衆の救済という同じ誓いに立つゆえに、師弟は不二です。
 どこまでも、師弟が一体となって、師子王の心で、「民衆の幸福」と「国土の安穏」のために、大難も恐れず戦い勝ってみせる。この「師弟の誓い」の経典が法華経であります。
 その通りに、御本仏・日蓮大聖人に直結し、「広宣流布の誓い」を立て、貫き通してきたのが、創価の3代の師弟であり、この「師弟の誓い」が永久に輝きわたる原点の日こそ、5月3日なのであります。

仏と同じ力が!
 一、昭和26年(1951年)の5月3日。戸田先生は、動乱の世界の真っ只中で、未曽有の大折伏の誓いを立てられました。
 この日、先生は宣言されました。
 「一対一のひざづめ談判」、つまり、「一対一」で正義を打ち込む、勇気の対話によって、広宣流布は成し遂げられるのである、と──。
 この先生の誓いの師子吼に、私たち青年も奮い立ちました。
 苦しみも悩みも多い凡夫そのままの姿で、師匠と共に喜び勇んで、悪口罵詈など、ものともせず、広宣流布の誓いに大情熱を燃やしました。
 仏と同じ誓いに立てば、仏と同じ智慧が湧く。仏と同じ力が出る。仏と同じ戦いができる。
 これほど強い、これほど誇り高い人生は、どこにもありません。
 一、昭和35年(1960年)の5月3日には、第3代の私と共に、学会は、世界広宣流布の誓いを立てました。
 さらに、「開目抄」の仰せのままに、いかなる大難があろうとも、風の前の塵のごとく吹き払って、わが正義を貫くことを誓って、威風堂々の大前進を開始しました。
 そして、学会は、経文通りに紛然として競い起こるありとあらゆる三障四魔を突破して、今、名実ともに「日本の柱」と聳え立っております。
 いよいよ、192力国・地域の同志と仲良く朗らかに、「世界の眼目」「人類の大船」の誉れも高く、平和・文化・教育の揺るぎない大連帯を、未来へ創り開いていることは、皆様、ご存じの通りです。
 「勝つ」と誓った創価の師弟は、途中に何があろうとも、最後は必ず、断じて勝つのであります。

創価学会母の日おめでとう
いつまでもお元気で! お達者で‼


 一、思えば、大聖人御自身が、立宗宣言に際して、「退転せじ」(同200ページ)と誓われました。
 「不退転」こそ、日蓮門下の魂であり、学会精神であります。
 混迷を深める世界は、確実に生命尊厳の大哲学を求めています。
 不安と不信に揺れる人々の心は、希望と勇気の「励ましの絆」を欲しています。
 一、今、真剣に祈り、生き生きと動き、確信を込めて語り切った分だけ、友の心の大地に幸福の種が蒔かれ、社会に信頼の仏縁が広がります。
 明2013年は、立宗760周年に当たっております。
 さらに、牧口先生、戸田先生の入信85周年であり、両先生の法難70年でもあります。そして、待望の総本部が完成いたします。
 幾重にも深い意義を持つ、明年の5月3日に向かって、私たちは、広布と人生の大勝利を誓い合おうではありませんか!
 「ちかいし願《ねがい》やぶるべからず」(同232ページ)。この御聖訓を命に刻み、広宣流布の大ロマンに胸を張って、楽しく、若々しく、生き抜き、戦い抜きましょう!
 一、愛する未来部と青年部の大成長、さらに全同志の健康と偉大なる幸福常勝の人生を、私は祈りに祈り切ってまいります。
 そして、世界一の婦人部の皆様方に最敬礼して、「創価学会母の日、万歳!」「いついつまでも、お元気で! お達者で!」と叫んで、私のメッセージといたします(大拍手)。
2012-04-19 : スピーチ・メッセージ等 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.71/72

随筆 我らの勝利の大道 No.71/72   
              (2012.4.17/18付)
勝利のリズムで前進

今日より明日へ! 共に勇猛精進

朗らかに青春乱舞の春を!
堂々と スクラム強く 常勝頼まむ


 春来る
  我らの心も
    三世まで
  仏と共に
    青春乱舞を

 青年の前進ほど、頼もしいものはない。
 青春の勝利ほど、朗らかなものはない。
 躍動の春、歓喜の春は、若き瞳が希望に燃え、後継の友が喜び舞う時だ。
 わが師・戸田城聖先生も、いつも青年たちを慈愛の眼《まなこ》で包んでくださった。
 第2代会長に就任された翌年の昭和27年、戸田先生の大願を実現しゆくため、私たちは「二月闘争」で、75万世帯の弘教の達成へ突破口を開いた。
 その4月、恩師は青年部に次の和歌を贈って、讃えてくださった。

 若き芽の
  のびゆく姿
   ながめつつ
  妙法流布《こうふ》の旅は
   たのしくもある

 あれから60年、私も、まったく同じ思いで青年の大成長を見つめている。
 この4月1日には、福島県の若人たちが、日本全国で行われてきた「創価青年大会」の有終の美を毅然と飾ってくれた。
 大震災から打ち続く試練を、歯を食いしばって乗り越えてきた、何とけなげな青年たちか。
 「4・2」を記念日とする第2総東京の青年部も、意気軒昂である。
 青年大会は、韓国でも、全土75会場で、5万人の若き友が参加して、美事な青春乱舞を繰り広げてくれた。
 「このような立派な行事を今まで見たことがない」
 「この青年たちがいれば、地域の未来は明るい」等々と、実に多くの感嘆の声が寄せられている。
 いずこの青年大会の会場にも、場外など、陰で大成功を祈り、支えてくださっていた壮年部、婦人部の方々の真心の応援があったことを、私は忘れない。
 ともあれ、わが青年部は「5・3」へ、いやまして決意を漲らせ前進している。
 「我はためらふこともなく/ただ ましぐらに進みける」
 東北が生んだ青年詩人・石川啄木の言葉の如く、日本、いな、世界の後継の若人が新生の太陽を昇らせ、地域に友情と信頼の輪を広げてくれている。
 男子部は、広布の全責任を担い立って、一回りも二回りも、雄々しくなった。
 女子部の“華陽のスクラム”は、いよいよ清新に「女性の世紀」を輝かせている。
 学生部の英知の陣列は、目の覚めるような勝利への旋風を起こし始めた。
 大きな時代の夜明けが来たと、私は宣言したい。

 師弟して
  共に ともにと
     創価かな

 戸田先生が「学会は宗教界の王者なり」と師子吼され、広宣流布のバトンを託された3月16日──。
 願業を成就された恩師が、桜花の咲き誇るなか、安祥として霊山へと旅立たれた4月2日──。
 そして、恩師が第2代会長に推戴され、不二の私が第3代会長に就任した晴れわたる5月の3日──。
 「3・16」から「4・2」、そして「5・3」へ──この師弟不二の不思議なるリズムで、学会は大発展を遂げてきた。

青年よ一人立て!
 思えば、恩師が逝去された当時、学会は空中分解するとさえ言われていた。
 その渦中、私は青年部の同志と強く語り合った。
 「先生が残してくださった青年訓、国士訓の御遺言は厳然と存在している。特に学会の中でも異彩を放つ青年部として、我らは今後も堂々と進むべきである」
 師匠は、すべてを授けてくださっているではないか。何も心配することはない。あとは弟子が、師の構想の実現のために、どう動くかで、決まるのだ。
 「御義口伝」には「師子吼」の意義について、「師とは師匠授くる所の妙法 子とは弟子受くる所の妙法・吼とは師弟共に唱うる所の音声なり」(御書748ページ)と、明確に示されている。
 私は常に恩師と心で対話しながら、師弟不二の祈りと率先垂範の行動で指揮を執った。一人、前を向き、学会を前進させてきた。
 その思いに、2人、3人、100人と立ち上がり、やがて幾干、幾万の青年が続いてくれたのだ。
 恩師の1周忌には、「大白蓮華」に「今日から、さらに激戦が始まったのだ」と寄稿した。
 それは、私だけではなく、青年部の一致した決意となっていたのである。
 「3・16」「4・2」「5・3」というリズムを刻みながら、恩師の魂を継ぐ青年たちの力で、一つ一つの広宣流布の戦いも断固として勝利していった。
 さらに、私の会長就任直前の昭和35年4月には140万世帯を達成した。そして、その2年後には、恩師が弟子に託された300万世帯の拡大を、遂に勝ち飾ったのだ。
        ◇
 森羅万象に、さまざまな妙なるリズムがある。
 音楽のリズムはもちろん、正確なる天体の運行のリズムも、春夏秋冬という四季のリズムもある。
 本年、没後150年を迎えるアメリカの哲人ソローは、生生《しょうじょう》流転しゆく大自然の営みから、確かな蘇生のリズムを感じ取っていた。
 ソローは記している。
 「眠りについたときよりも高い生活に向かって目覚めるのでないとしたら、その日一日──仮に一日と呼ぶ価値があるとして──からは多くを期待することはできない」
 日々、太陽とともに新たな活力を漲らせ、昨日より今日、今日より明日へと、自身の生命を向上させ、貢献していきたい。これは、多くの先哲が志向し、探究してやまなかった人生の極致である。
 御聖訓には、「日月天の四天下をめぐり給うは仏法の力なり」(同1146ページ)と説かれる。
 まさしく大宇宙を動かしゆく本源のリズムこそ、南無妙法蓮華経なのである。
 「妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり」(同947ページ)と仰せの如く、題目の音律を響かせゆくところ、大宇宙のリズムに合致しながら、無限の生命力を自他共に蘇らせていけるのだ。
 この「南無妙法蓮華経」の題目を、非暴力の大英雄マハトマ・ガンジーも、自らの道場の祈りに取り入れていたことは有名である。以前、インド文化国際アカデミーのロケッシュ・チャンドラ理事長から頂戴した書簡に、綴られていた。
 「ガンジーは『南無妙法蓮華経』が、人間に内在する宇宙大の力の究極の表現であり、宇宙の至高の音律が奏でる生命そのものであることを覚知していました」と。
 この言葉は、創価大学で開催中の「法華経──平和と共生のメッセージ」展でも紹介されている。
 私たちは、一日一日、大宇宙の最極の生命の軌道に則って、勇猛精進している。そして、内なる大宇宙の可能性を開花させながら、自他共の幸福の大道を世界へと広げていくのだ。

新しき人材の陣列

 広宣流布のいかなる戦いにも、全員が主体者として立ち、勝利の旗を厳然と打ち立ててくれるのが、わが愛する関西の同志である。
 昭和57年3月には、あの長居陸上競技場で、忘れ得ぬ反転攻勢の「第1回関西青年平和文化祭」が行われた。第1次宗門事件の渦中のことである。
 文化祭の最初の演目は、青年の新会員による1万人の大行進であった。陰険な迫害をはね返す弘教のうねりの中、多くの友が入会した。その新しき人材を、一人ももれなく育て、幸福勝利への陣列に加えたいとの発露であった。そして、使命に目覚めた青年たちが、はつらつと躍動したのだ。
 クライマックスは男子部の組み体操。8基の5段円塔に続いて挑んだ、圧巻の「6段円塔」であった。
 場内の皆が息をのんで見つめ、祈る中、最上段の友が決然と立ち上がった。
 その瞬間に沸き起こった、会場を揺るがす嵐のような大拍手。そしてスタンドに躍った、紅に燃える「関西魂」の人文字──。
 あの大感動は、私の胸に焼き付いて、一生涯、いな永遠に離れることはない。
 文化祭で瞳を輝かせていた10万の友は、それぞれが誇りを胸に、あらゆる分野で活躍されている。
 先日、6段円塔を一番下で支えた友が、祭典から30周年の本年3月22日、晴れて博士号を取得したと伺った。仕事も、組織活動も、一切を全力でやり切りながらの栄光である。
 私は、関西の同志の勝報が、何よりも嬉しい。
 春4月は、関西の月だ。
 4・2「関西婦人部結成の日」、4・3「和歌山婦人部の日」、4・8「関西の日」、4・10「奈良婦人部の日」、4・15「神戸の日」、4・17「神戸婦人部の日」。4・24「常勝大阪・師弟誓願の日」「西大阪総県婦人部の日」等々、幾重にも節目を刻む。
 関西は、全世界の同志の憧れの天地だ。
 関西の前進を、全世界が見つめている。
 関西の勝利こそ、学会の勝利、世界の勝利なのだ。
 ゆえに、関西よ、わが大関西よ、これからも常勝の金字塔を、断固と頼む!

 堂々と
  また悠々と
   大関西
  スクラム強く
    常勝 頼まむ

 石川啄木の言葉は『啄木全集 第2巻』(筑摩書房)、ソローは『森の生活』飯田実訳(岩波書店)

洋々たる広布の新航路を!
張り切って動こう 語ろう 勝ち切ろう


 生活の
  リズムをつくれや
   信心で
  健康 長寿を
    賢く生きぬけ

 4月は、就職や進学、また転居など、新しい生活をスタートする時である。
 張りのある勤行・唱題を起点として、聡明に、はつらつと、新生活のリズムを創り上げていただきたい。
 決して難しく考える必要はない。
 まず張り切って、一歩を踏み出すことだ。たとえ、つまずいても、朗らかに、たくましく、次の一歩を踏み出せばよい。
 今日一日を勝つことだ。仮に、今日うまくいかなくても、心機一転して、明日は勝っていけばよい。
 「最初の一歩は最後の一歩につながる。最後の一歩も最初の一歩からである」
 これは、イタリアの登山家ラインホルト・メスナー氏の信念である。大けが等にも屈せず、人類初となる8000メートル峰・全14座の完全登頂を成し遂げた。
 前進の途上には、言うに言われぬ試練もあるだろう。しかし臆していては、勝利の峰に到達できない。
 私も、40代前半の頃、無理がたたって、大きく体調を崩してしまったことがある。高熱が打ち続き、ペンを手にすることさえ思うようにならなかった。
 その時、私は、日々、一枚でも原稿を書き残そうと挑戦した。一枚書くごとに「正」の字の一画を記し、5枚、10枚と積み重ねて、作品を完成させていった。
 こうした挑戦は、その後の私の執筆活動に、またトインビー博士をはじめ、世界の知性との対談集などにすべて生きている。
 行き詰まりを突破するためには、今、自分ができることから始めることだ。その小さな挑戦を、根気強く繰り返すことだ。それが、自分自身を飾る黄金譜となることを忘れまい。
        ◇
 恐れずに
  今日も唱題
   晴れの日日

 今、長引く不況で、悪戦苦闘を余儀なくされている友も少なくないであろう。
 しかし、日蓮大聖人は、「苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとな(唱)へゐ(居)させ給へ」(御書1143ページ)と、我らを励ましてくださっている。
 「人間革命」の戦いは、遠くにあるのではない。
 まず、祈りから始まる。朗々たる朝晩の勤行・唱題で出発するのだ。
 御書の一節でもいい。声を出して拝し、生命に刻みつけていくことだ。
 一人の友でもいい。勇気を出し、思い切って語りかけてみることだ。
 仕事においても、今いるその場所で、必ず勝利すると決めることだ。
 新たな決意で「行」を立てる。「行動」を起こすことから、「人間革命」の劇が始まる。その一人ひとりの努力の結集こそが、異体同心で進む、広宣流布の大河を開きゆくのだ。
        ◇
 世界的な音楽家で、ブラジルSGI(創価学会インタナショナル)の交響楽団の特別顧問でもあられるビエイラ氏は強調された。
 「音楽の『ハーモニー』の中にこそ、人間の『エゴ』を克服させゆく鍵があります」
 私たちの実践でいえば、ハーモニーとは、人間主義の誠実な振る舞いを通し、地域の人びとに広げゆく「共感」であろうか。
 「調和社会の建設とは、現実においては『人の心』の建設です。『人の心の和』が調和社会の基礎です」
 こう語られた中華文化促進会の高占祥主席が大きな期待を寄せてくださっているのも、創価の前進のリズムとハーモニーである。

“妙法の母”は強し

 妙法の
  母に勝《まさ》れる
   ものはなく
  大聖人は
    断固と守らむ

 弘安年間の5月3日、日蓮大聖人は、窪尼御前と呼ばれる一人の女性に御返事を送られた。
 大聖人の佐渡流罪の大難にも、夫妻で一歩も退かなかった。病で夫に先立たれた後も、熱原の法難に微動だにせず、娘と共に勇気ある信心を貫いた母である。
 大聖人は、この母を讃えられ、「いよいよ御信用のまさらせ給う事、たうとく候ぞ たうとく候ぞ」(同147ページ)と仰せになられている。
 大変であればあるほど、いよいよ強盛なる信心を奮い起こしていく。この大聖人に直結する母の信心は、今、そのまま創価の婦人部に脈打っている。
 この5月3日付の御書には、「日蓮はいやしけれども経は梵天・帝釈・日月・四天・天照太神・八幡大菩薩のまほらせ給う御経なれば・法華経のかたをあだむ人人は・剣をのみ火を手ににぎるなるべし」(同ページ)とも烈々と記されている。
 この御本仏の御心とともに、祈り、戦う。これほど誇り高く、これほど恐れなき人生があろうか。
 わが創価の婦人部こそ、未来永遠に全宇宙の一切の仏菩薩、諸天善神に守りに護られゆく方々である。
 “常勝大関西”の草創の母がしみじみと語られた言葉が、私の胸に蘇る。
 「自己の宿命に泣き、赤貧洗うが如き生活状況から信心を始めた私たちが、人を救い、社会を変えるために歩き回るようになるなんて、夢のような話でした。しかし、それが、そのまま現実に功徳の実証となって、見事なる常勝の源流を築いていったのです」と。
 妙法の功力は絶対である。「煩悩即菩提」の法理に照らされ、自分が苦しみながら、祈り悩んだ分だけ仏の智慧と力を出せる。「宿命」を「使命」に変え、「苦労」を「励まし」に転じて、苦悩の友に希望と勇気を贈り続けていく──。
 この常勝の母たちの涙と笑いがある限り、創価家族は永遠に負けない。
 あの人権の大英雄マンデラ元大統領が、27年半に及ぶ獄中闘争を勝ち越えることができた、大きな支えは何であったか。
 それは、生前最後の手紙にまで、「自分の信念の正しさを信じ、信念のために闘いなさい」と励まし続けてくれた母上であられた。その崇高な母の心を知ることで、「誇り」と「喜び」は100倍にも膨れ上がると、元大統領は記されている。
 来る5月3日は、「創価学会母の日」である。
 それは、広宣流布ひとすじに生き抜いてこられた尊き母たちを心から讃嘆する日である。とともに、その使命のバトンを、最高の「誇り」と「喜び」をもって青年たちが受け継ぐ日なのである。
        ◇
 「5・3」は常に新たな出発の日だ。
 私は、恩師が逝去された直後の5月3日では、「七つの鐘」の構想を発表した。
 第3代会長就任10周年の時には、弘教のつながりに基づいた“タテ線”から、地域を基盤とした“ヨコ線”(ブロック)の組織への移行など、前進の指標を示してきた。
 「3・16」「4・2」を勝ち越え、新たなる展望を見据えつつ、次なる拡大、発展に打って出る。これが「5・3」に脈打つ勝利のリズムである。
 嬉しいことに、この20日には、わが聖教新聞の創刊61周年を迎える。不思議にも、この記念日も、勝利のリズムの中に燦然と輝いている。
 御聖訓には、「此の妙法蓮華経を信仰し奉る一行《いちぎょう》に功徳として来らざる事なく善根として動かざる事なし」(御書500ページ)と御断言であられる。
 大聖人の御心のままに、妙法を唱え、張り切って動き、快活に対話し、仏縁を結び広げていく──この学会活動の一つ一つが、どれほど偉大な仏道修行か。
 どこまでも地道に、一つ一つ、やり切っていく。
 どこまでも勇敢に、一つ一つ、勝ち切っていく。
 そこに、無量の功徳が集まり、無辺の善根が広がっていく。縁するすべての人びとも、希望の人生へ、幸福の人生へと、リードしていくことができる。
 「立正安国論」には「人の心は時に随って移り」(同31ページ)と仰せだ。心は動き、心は変わる。我らの行動は、その「時」を創り、万事、善き方向へ動かしていく。これが、妙法の絶対勝利のリズムなのである。
 さあ、わが親愛なる同志よ、友情を広げゆこう!
 正義を語り抜こう!
 そして「5・3」を晴れ晴れと勝ち飾り、洋々たる広布の新航路を、共々に開いていこうではないか!

 いざや征け
  勝利の人生
    この一生
  楽しく飾れや
     君も 私も

 メスナー氏の言葉は『生きた、還った』横川文雄訳(東京新聞出版局)、マンデラ氏の母の手紙は『ネルソン・マンデラ 私自身との対話』長田雅子訳(明石書店)。
2012-04-18 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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創価ファミリー勤行会へのメッセージ 

創価ファミリー勤行会へのメッセージ                       (2012.4)

朗々と題目を! 元気に学び鍛えよ
希望の翼で勝利の大空へ


 世界一、希望にあふれ、笑顔の花が明るく咲きかおる、われら創価家族の集い、まことにおめでとうございます。
 私も妻も、誉れの創価家族の一員です。大好きな皆さんと一緒に楽しく語り合う思いで、すべてを見守っています。
 新入生の皆さんも、本当におめでとう!
 進級する皆さんも、元気いっぱい、新しい出発をしてください。
 私が青春時代、愛読した一人にロシアの大文豪トルストイがいます。
 このトルストイは、皆さんと同じ年代のころ、心に深く決めていたことがありました。それは、いかなる時にも「希望を持とう!」ということでした。
 希望は「太陽」です。どんな暗い闇も照らしていけます。
 希望は「翼」です。どんな大空へも羽ばたいていけます。
 若くして、正しい信仰を持った皆さんは、人間として最も明るい「希望の太陽」を輝かせていける人です。そして、最もたくましい「希望の翼」を広げていける人なのです。
 日蓮大聖人は、「月月・日日につよ(強)り給へ」(御書1190ページ)と仰せになられました。毎月毎月、また毎日毎日、少しでも強く成長していく。一歩でも前へ進んでいく。その原動力が題目です。
 さあ、きょうも、朗々と題目を唱えながら、朗らかに学び、鍛え、元気はつらつと前進し、勝利していきましょう!
 大好きな大好きな、私の生命である未来部の皆さんの健康と成長を祈っています。私と皆さんは、いつも心は一緒です。
 ガンバレ、未来部!
 負けるな、未来部!
2012-04-16 : スピーチ・メッセージ等 :
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中国 紹興魯迅記念館 「名誉顧問」称号授与式への謝辞

中国 紹興魯迅記念館 「名誉顧問」称号授与式への謝辞        (2012.4.11 聖教新聞本社)

 中国・浙江省紹興市の紹興魯迅記念館(陳勤館長)から池田大作名誉会長に、同館初となる「名誉顧問」称号が贈られた。近代中国を代表する大文豪・魯迅の精神を広く宣揚するとともに、中日両国の友好促進に多大な貢献を果たしたことを讃えたもの。授与式は11日、兪紅《ゆこう》副館長らが出席して東京・信濃町の聖教新聞本社で行われ、代理の池田副理事長に証書が託された。席上、名誉会長が詠んだ漢詩が贈られた。

陳館長の授与の辞(代読)

池田先生は信義の力 両国人民の友好を促進

 尊敬する池田大作先生、ご列席の皆様方。
 私どもは、東京を訪問し、紹興魯迅記念館を代表し、創価学会の池田大作先生に対する当館「名誉顧問」称号の授与式を挙行できますことを、うれしく存じております。
 また、このたび授与式を開催するにあたり、創価学会の皆様にさまざまご配慮賜り、誠にありがとうございます。
 池田大作先生は、創価学会名誉会長、創価学会インタナショナル会長、世界的に著名な仏教思想家、哲学者、教育者、社会活動家、作家、桂冠詩人、写真家、世界的に名高い文化人、国際人道主義者であります。
 数十年にわたり、池田先生は「友情と信義の力は平和の基盤である」との信念のもと、中日国交正常化を提唱され、両国人民の相互理解を深めてこられました。
 両国の友好関係を促進され、多大な心血を注ぎ、中日交流の模範として活動してこられたことに対し、心から敬意を表するものであります。
 また、池田先生は一貫して魯迅の精神を宣揚され、魯迅精神である「悪に妥協することなく、正義を保ち続け、民衆のために戦う」との姿勢を、世界各地に身をもって示してこられました。
 池田先生と魯迅先生は、「人間の内面の変革」の思想を堅持してこられた思想家であり、教育者であられます。お二人は、時間と空間を超え、心と精神の分野において驚くべき一致を見ているのであります。
 池田先生は最大に魯迅を理解し、魯迅精神を理解しているといっても過言ではありません。池田先生が、紹興魯迅記念館の名誉顧問にご就任いただけることは、私どもが魯迅の研究を深めるにあたり、とても大きな推進力になると確信しております。
 周知の通り、魯迅は紹興に生まれ、紹興に育ちました。紹興の悠久なる歴史と光輝く文化は、魯迅の内面精神を陶冶し、影響をもたらしました。
 彼の作品の『故郷』や『朝花夕拾《ちょうかせきしゅう》』の中にある多くの描写は、彼の幼年時代の仲間や当時の紹興の社会を表したものであります。
 現在の紹興魯迅記念館は、魯迅の祖先の家、魯迅の自宅、魯迅が学んだ学校「三味書屋《さんみしょおく》」などの旧跡を当時のまま保存してあります。また、同時に魯迅の生涯の事跡、手記、初版の書籍、実際に使用した生活用品、写真などの関連の文物や文献資料が数多く展示されております。
 紹興魯迅記念館は、魯迅の精神を伝える「窓口」としての役割を果たし、江南風情、そして歴史情緒あふれる町として発展しております。魯迅の作品の原点を探り、作品をより深く味わい、魯迅が当時生活した情景を感じるために、毎年200万の国内外の旅行客が訪問しております。
 今年は中日国交正常化40周年にあたります。この特別な年に、池田先生を紹興魯迅記念館の名誉顧問に招請できましたことは、両国人民の交流をより一歩確かなものとし、信頼と理解を促進しゆくものと確信するものであります。
 結びに、池田先生のご健勝と授与式の大成功をお祈り申し上げ、私の話といたします。
 本日は、誠にありがとうございました。

SGI会長の謝辞
(代読)

社会に希望と平和の花を!
世界市民の心で友情を結べ


周恩来総理
「青年よ魯迅の魂に学べ」
荒れ狂う試練の嵐に断じて怯むな

 一、私たちの敬愛してやまぬ魯迅先生が、若き日、向学の志に燃えて、日本に留学の第一歩を印されたのは、1902年の春4月のことでありました。
 魯迅先生は、わが創価教育の創始者である牧口常三郎先生も教壇に立った東京の弘文学院や、仙台医学専門学校(現・東北大学医学部)で学ばれながら、中国と日本との不滅の友好の足跡を刻んでいかれたのであります。
 それから110年後の春に、魯迅先生の精神を脈々と受け継がれる先生方をお迎えすることができ、私は深い感動を禁じ得ません。
 「桜の都」としても知られる紹興の先生方を、きょうは、日本の桜も爛漫と咲き薫って、熱烈に歓迎しております。
 ようこそお越しくださいました(大拍手)。

記念館が発信するメッセージ
逆境の中で人材は育つ

勤勉・堅忍・正義の心を育む気風
 一、紹興出身の南宋の詩人・陸游《りくゆう》は、愛する郷土を詠いました。「稽山《けいざん》何と巍巍《ぎぎ》なりて、浙江の水湯湯《しょうしょう》なり」
 歴史に名高い会稽山《かいけいざん》のごとく巍々堂々と、大地を潤す浙江の流れのごとく滔々と力強く、紹興には、偉大な人間の魂を育みゆく気風が漲っております。
 魯迅先生も、紹興の大自然の精気が俊才を生み、先人たちの勤勉にして堅忍、そして正義に燃え上がる心が紹興の民衆に継承されていることを、誇りとされていました。
 本日、私は、その地に輝く文化の殿堂から、名誉顧問の称号を賜りました。
 先生方の御厚情にお応えするためにも、私は、魯迅先生の大精神を、世界の青年たちに、いやまして伝え、託していく決心であります。とともに、紹興を、私たちにとっても心の故郷として大切にし、その繁栄を祈り抜いていく決意を込めて、この栄誉を拝受させていただきます。
 誠に、ありがとうございます(大拍手)。
 一、本年は、貴国と日本の国交正常化より40周年の佳節に当たっております。その新時代を切り開いてくださった周恩来総理の原籍もまた、紹興でありました。
 周総理は、魯迅先生と遠縁に当たります。その絆を心の宝ともされ、青年たちに「魯迅精神に学ぼう!」と訴えられました。
 そして、「『疾風に勁草を知る』(疾風にあってはじめて真に強靭な草がわかる)という、われわれは今日の『疾風』の中で、一人一人が魯迅のような『勁草』にならねばならない」(小野忍・丸山昇訳
・郭沫若自伝6』平凡社)
とも、語っておられました。
 現代世界に吹く試練の疾風は、厳しさを増しております。
 だからこそ、私たちは、荒れ狂う嵐にも怯まず、「社会の蒙を発《ひら》き、勇敢剛毅の精神を振起《しんき》せん」(伊藤虎丸訳『魯迅全集10 集外拾遺補編」学習研究社)と紹興の友と立ち上がられた、魯迅先生の獅子吼を思い起こしたいのであります。
 一、貴・記念館には、魯迅少年が学んだ私塾「三味書屋《さんみしょおく》」があり、当時、使用した勉強机と椅子も展示されていると伺っております。
 この学舎《まなびや》に通っていたある日、魯迅少年は遅刻をしてしまいました。それは、一家の経済苦と父の病気のため、質屋と薬屋に通う忙しさのゆえでありました。その苦労を知らない教師は、魯迅少年を厳しく叱りつけた。
 しかし魯迅少年は、決して言い訳をせず“二度と遅刻はしない”と強く誓いました。その後、さらに困窮を極める中でも、父の看病や家の手伝いも懸命にやり通しながら、遅刻をせずに学び抜いたというのであります。
 貴・記念館を訪れた温家宝総理は、こうした魯迅先生の青春を通して、「逆境より英才は出ずる」と語られました。
 貴・記念館から発信されるメッセージは、なんと希望光る励ましに満ちていることでありましょうか。

子息の周海嬰氏
「父は人々のために生涯を捧げた」

最も頑強な闘士 最も優しき教師

 一、魯迅先生は、「もっとも頑強な闘士」であるとともに、「もっとも慈愛深い教師」であったと讃えられております(前掲・『郭沫若自伝6』)
 魯迅先生が、紹興の後輩たちのために、名門の誉れも高き山会初級師範学堂(現・紹興文理学院)の校長として、若き魂の薫陶に心血を注がれたことも、忘れ得ぬ歴史であります。
 貴・記念館の名誉館長を務められた、魯迅先生の御子息・周海嬰先生の言葉が、私の胸に蘇ってまいります。
 それは、「わが父・魯迅は、人々の魂を救うため、精神の向上のため、そして、子どもたちを救うために、生涯、戦い続けました」と。
 魯迅先生は、世界市民の心で、アメリカの女性の作家、ロシアの盲目の詩人、イギリスのノーベル賞作家、韓国の青年詩人、そして日本の青年研究者とも、深き友情を結ばれました。
 その心を体された貴・記念館は、北京語言大学と手を携えて、実に100カ国を超える留学生を招へいし、世界各国の英才たちに、魯迅先生の精神を伝えてこられました。
 魯迅先生の喜びは、いかばかりでありましょうか。
 なお、この北京語言大学とは、わが創価大学も、デュアル・ディグリー(4年間で両大学の学士号を取得できる制度)の教育交流を進めさせていただいております。
 ともあれ、魯迅精神を、世界へ、未来へと広めゆかれる貴・記念館の60年の偉大な功績に、私たちは満腔の敬意を込めて、賞讃の拍手をお送りしたいのであります(大拍手)。
 一、紹興の「市の花」は、魯迅先生も愛された「蘭」であります。仏典にも、香しき「蘭」は、最も高貴なる友情の象徴として説かれております。
 人類社会の平和と繁栄の園を築くために、私たちは、薫り高き「蘭室の友」である先生方と御一緒に、友情の花、希望の花、平和の花を、さらに万朶と咲かせゆくことを、ここに固くお誓い申し上げます。
 終わりに、貴・紹興魯迅記念館の無窮のご隆盛、そして兪《ゆ》副館長をはじめ、ご臨席の皆様方の限りなきご健勝を、心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました」) (大拍手)

SGI会長が漢詩を贈る

三味書屋百草園
毎思魯迅意昂軒
置陳遺物勤査検
同誦彷徨吶喊言

〈大意〉
貴・紹興魯迅記念館には
 ゆかりの三味書屋《さんみしょおく》や百草園《ひゃくそうえん》などがあり
魯迅先生を想い起こすたびに
 私は意気軒昂になります。
記念館に展示されている貴重な遺物は
 皆様方の御苦労によって整理がなされ
私たちは同じく
 『彷徨《ほうこう》』や『吶喊《とっかん》』等々の名著を読み
 その精神を分かち合うことができるのです。

※文中に、館長の名前「陳勤」が織り込まれている。
2012-04-15 : スピーチ・メッセージ等 :
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台湾・台北海洋技術学院 「名誉教授」称号授与式への謝辞

台湾・台北海洋技術学院 「名誉教授」称号授与式への謝辞      (2012.4.11 創価大学本部棟)

 台湾の台北海洋技術学院から、創価大学創立者の池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉教授」称号が贈られた。SGI会長の奉仕の精神と平和・文化・教育への貢献を讃えたもの。授章式は11日、東京・八王子市の創大本部棟で挙行され、同学院の劉廷揚学長一行が出席。証書が山本創大学長に託された。またSGI会長が一行に漢詩を贈った。


劉学長の授章の辞

池田先生の献身的な奉仕の精神
平和・文化・教育の事績に感動


 本日は私にとって、感動に打ち震える日であります。と、申しますのは、私はここに、台北海洋技術学院を代表し、敬愛する池田大作先生に、本学第1号の「名誉教授」の称号をお贈りすることができるからです。
 池田先生に、本学からの称号をお受けいただき、また、こうして創価大学の皆さまから温かな歓迎を受けることができましたことを、私たちはこの上なく光栄に思います。
 わが台北海洋技術学院は中国海事専科学校として、1966年に創立。2007年に、台北海洋技術学院に昇格・改編されました。
 本学は、国境を超え、大海原のように広い心をもつ、勇気ある、若き新時代の人材の育成を目指しております。
 2010年11月、私は奉職しておりました高雄師範大学から、現在の台北海洋技術学院の学長に就任し、学生のための指標、方向性を模索しておりました。
 そうした中、台湾SGIより、無私の協力を得て、池田先生の対談集などの貴重な書籍や、台湾SGIの機関紙「和楽新聞」をお送りいただきました。教員や学生がそれをもとに研修を行い、池田先生の思想を自発的に学ぶようにもなっております。
 創価学会の皆さまと交流する中で、本学の教員と学生は、池田先生が生涯をかけて平和・文化・教育事業に取り組んでこられた事実を知るとともに、全世界のメンバーを指導し、人類の幸福に尽くしてこられた奮闘の歴史を学びました。
 池田先生の事績は世界が認めるところであり、その理想は平和を愛する人々の共感を得ているのであります。
 本学は、池田先生の献身的な奉仕の精神と、平和・文化・教育のための惜しみない行動に対して深く感動するとともに、本学評議会で満場一致の議決を経て、池田先生に対し、本学第1号の「名誉教授」に謹んで招聘申し上げるものであります。
 光栄にも、本学のこの招聘の申し入れを池田先生にご快諾いただきました。このことは、本学の全ての教員・学生にとりまして、この上ない喜びであり、奮い立つ思いであります。
 今後とも、池田先生の理念と創価の精神を、引き続き本学の精神的な指標としつつ、教員と学生が共々に成長してまいります。
 そして、池田先生が、平和・文化・教育の分野で尽力し、生命尊厳を根幹とした価値創造の新時代を建設せんとの大いなる願いを、本学の理想としてまいりたいと思います。
 今後、台北海洋技術学院の全ての教員と学生は、皆さまと共に、池田先生の精神を伝え、宣揚していきたいと願っております。
 また、創価大学の諸先輩方より、本学に対するさらなるご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、授章の辞といたします。

SGI会長の謝辞(代読)

平和の大海原へ世界市民の連帯を

劉学長に脈打つ 人間への信頼 教育への確信

可能性を引き出せ 未来を創るのは青年

ポーリング博士
「やればできる」という自信を持たせよ

若き友へ贈る 学院の校訓
 公平に社会に尽くす
 誠実に他者に接する
 勤勉に学び行動する
 勇敢に課題に向かう
 毅《つよ》き精神で善を為す


 一、いにしえより、「美麗島《びれいとう》(フォルモサ)」と讃えられた憧れの宝土から、人間教育の新たな栄光の航路を開きゆかれる尊き先生方が、満開の「桜の城」たる創価大学へ、お越しくださいました。
 きょうは、台湾からお迎えしている英明な留学生も、また、はつらつと進級した学生の代表も、先生方を真心から歓迎し、この式典に出席してくれております。
 1年で最も光り輝く季節に、幾重にも意義深き友情と交流の絵巻を織り成すことができ、これほどの光栄はありません。
 誠に誠に、ありがとうございます(大拍手)。
 一、昨年の東日本大震災に際して、台湾の皆様方は、わがことのように胸を痛め、救援に尽力してくださいました。
 幾たびも、大災害の苦難を乗り越えてこられた不死鳥の如き不屈の台湾の皆様方からの友誼の心は、どれほどありがたかったことか。計り知れない勇気をいただきました。
 ここに改めて、深く御礼を申し上げます(大拍手)。
 一、貴・台北海洋技術学院は、歴史と文化の薫りも高き士林《しりん》の天地に聳え立つ、伝統ある海事分野の最高学府として、黄金の足跡を刻んでこられました。
 誇り高き校歌に「浪破り、風に乗らむ壮《たけ》き志」と謳われる如く、貴学院は智勇兼備にして進取の気性に富んだ多彩な人材を、世界の大海原へと送り出してこられました。
 とりわけ、近年、劉《りゅう》廷揚《ていよう》学長の雄渾のリーダーシップのもと、目覚ましい躍進を続けておられる貴学院の姿は、「教育の世紀」の大いなる希望と光り輝いております。
 その偉大なる貴学院より拝受した名誉教授の称号を、私は、台湾の「良き市民」として活躍し、地域に社会に貢献するSGIの同志と共に、謹んでお受けさせていただきます。
 誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

孫文先生の信念
 一、「人其の才を盡《つく》す能はば、則ち百事興れり」(人はその才能の限りを尽くすならば、あらゆる事を興すことができる)とは、かの孫文先生の至言であります。
 まさしく青年たちが、自らの無限の才能を、それぞれに引き出し、思う存分に発揮していくならば、人類はいかなる難事業も成し遂げ、必ずや希望の未来を広々と開いていけるに違いありません。
 そして、教育こそ、そのための究極にして永遠の挑戦といってよいでありましょう。
 この孫文先生の信条に触れる時、思い起こされるのが、劉学長の父君であられる劉士湊《しそう》先生が果たされた、人材登用への多大なご貢献であります。
 「万事において心に愧《は》じず」「千万人と雖も吾往かん」との烈々たる心意気をもって、父君が台湾の人事制度の確立に尽くされたご功績も、不滅の輝きを放っております。
 そして、その崇高なる志を厳然と受け継いでこられたのが、劉学長なのであります(大拍手)。
 一、劉学長は毅然と語られております。
 「教育できない人間はいない。向上を求めない魂は存在しない」と。
 まったく同感であります。私たちが常に心に刻むべき、人間への信頼、教育への確信がここにあるのであります(大拍手)。
 私の人生の師である戸田城聖先生も、常々語っていました。
 「頭が良い悪いといっても、一本の線を引いて、その上と下の違いくらいしかないものだ」と。
 つまり、どんな学生も、どんな生徒も、向上の魂が啓発され、学ぶ喜びに目覚めるならば、そこから限りなく英知を光らせ、才能を伸ばしていけるというのであります。
 だからこそ、一人一人の若き命に真剣に関わり、その可能性を開花させていく教育者の使命と責任は重大です。苦労が大きい分、充実も、歓喜も、誇りも、それだけ大きいのではないでしょうか。
 この点、私が対談集を発刊した現代化学の父ライナス・ポーリング博士も、青年に「『自分はやればできる』という自信」を持たせることの大切さを、笑みを湛えながら述懐されておりました。

嵐に打ち勝て
 一、貴学院の鮮やかな校章には、大海原を躍動する「鯨とイルカ」がデザインされています。
 海の王者の如く、いかなる嵐にも負けず、自信満々と、そして勇気凛々と、新たな開拓と創造を成し遂げゆく青年の命を薫陶されているのが、貴学院なのであります(大拍手)。
 一、貴学院が、校訓として定められた五つの文字には、創価教育の理念とも深く響き合う教育の精髄が表現されております。
 すなわち──
 「公」──公正公平に、社会にに奉仕する。
 「誠」──他者には誠実をもって接する。
 「勤」──勤勉に学び抜き、自らが行動する。
 「勇」──勇敢に課題に立ち向かう。
 「毅」──善の道を選び、不撓不屈の毅《つよ》き精神で進む。
 いずれも、これからの人類社会を担い立つリーダーにとって絶対に不可欠な羅針盤であり、新学年を張り切ってスタートした、わが創大生、わが短大生に、私はそのまま、お伝えさせていただきます。
 一、幼き日から海を友としてきた私が、青春の命に深く焼きつけた仏典の一節があります。
 「大海へ衆流《しゅうる》入《い》る・されども大海は河の水を返す事ありや」「諸河の水入る事なくば大海あるべからず」と。
 どんな大難があろうとも、大海のように悠々と、すべてを受け止めていく。そして、いよいよ大きく、強く、朗らかに、わが心の境涯を開きながら、喜び勇んで生命尊厳の大哲学に生き抜いていくことであります。
 さらにまた、青年は、閉ざされた偏狭なエゴの心ではなくして、貴学院が模範を示されている通り、広々と開かれた大海原のような心で、世界市民の友情と連帯を広げていくことであります。
 ここに、悲劇の流転を繰り返してきた世界の大洋を、“紛争の海”から“平和と共生の海”へ転換しゆく方途があることを、私は信じてやみません(大拍手)。
 一、貴学院の校歌には、「淡水の活源を望みて昼夜を分かたず」とあります。
 貴学院のキャンパスからは、“東洋のべ二ス”とも感嘆される光景が望まれます。
 その麗しき水の都に、たゆまず流れ続ける淡水川の如く、私も尊敬する劉学長とご一緒に、希望の歌声を響かせながら、愛する青年たちのために、さらに生き生きと前進していく決心であります(大拍手)。
 一、結びに、劉学長はじめ諸先生方のますますのご健勝、そして貴学院の前途洋々たる発展と栄光を心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただき
ます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました」)(大拍手)

SGI会長が漢詩を贈る

百川学海至於海
又見前方更遠洋
在野在廷豈在意
荒波看尽気鷹揚

〈大意〉
学を求めること百川《ひゃくせん》の大海に向かうが如くして
 停滞や懈怠がなければ、必ずや大海へと
 到達することに成功するものです。
貴学院は、努力に努力を重ねて
 建学の理念の如く、未来に対する確信に満ち溢れ
 さらに遠くの大海を目指し続けておられます。
社会の地位などにとらわれず
一心に四海の逆巻く大波を征服せんとする
 その意志は鷹揚であられます。

 ※学院名の一部「海洋」と、学長の名前「廷揚」が織り込まれている。1行目は、漢代の思想家・揚雄の「揚子法言」の一節から。
2012-04-12 : スピーチ・メッセージ等 :
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創価学園東京校=第45回 関西校=第40回入学式へのメッセージ 

創価学園東京校=第45回 関西校=第40回入学式へのメッセージ         (2012.4.9)

 人間教育の学舎! 教育界の希望の光!──創価学園の入学式が9日、東京・関西の各キャンパスで晴れやかに行われた。
 創立者の池田名誉会長はメッセージを贈り、「学ぶ喜びこそ青春の宝なり」「語学と読書のエンジンで世界の道を」「勇気の心で朗らかに前進を」と青春の新しいステージの開幕を祝福した。
 また同日、東西の創価小学校の入学式、札幌創価幼稚園の入園式が開かれ、創立者が祝賀のメッセージを寄せた。


創立者のメッセージ


君よ 英知を磨け! 正義を学べ!

平和と幸福の博士たれ

一日一日悔いなく偉大な勉学の歴史を

ゲーテ
学問には素晴らしい世界が開けている

 一、爛漫の桜に包まれた入学式、誠におめでとう!
 はじめに、難関を突破して、わが学園へ勇み集ってくれた新入生の皆さんに、祝福の句を贈ります。

 さくら咲き
  英知の花咲く
     門出かな

 きょうは、桜の道を共に歩みながら、新入生の皆さん一人一人と心ゆくまで語り合うような思いで、すべてを見つめております。
 また、大震災や経済不況など、困難が打ち続く時代にあって、大事な大事なお子さまを私の創立した学園に送り出してくださった保護者の皆さま方に、心より御礼を申し上げます。教員の先生方、職員の方々、私のかけがえのない宝である新入生の英才たちが、一人も残らず、幸福の博士となり、人生の大勝利者となれるように、万事、よろしくお願いします。
 一、わが創価の学舎は、世界の指導者や教育者も訪れ、「ここにこそ、新しい時代をリードしゆく希望の人材が育っている」と深い期待を寄せてくださる名門であります。
 現在、私がドイツの大文豪ゲーテをめぐり対談を重ねている、世界的な学術機関ワイマール・ゲーテ協会顧問のオステン博士も、その一人です。
 オステン博士は、「創価教育には、ゲーテの人間主義、幸福、平和の理念が脈打っています」とも絶讃してくださっております。
 学園生こそ、私の何よりの誇りです。学園生こそ、人類の最高峰の知性と人格の流れを継承し、さらに大発展させゆく21世紀の希望なのです。
 いつもいつも、学園を守り支えてくださっているご来賓の皆さま方も、本当にありがとうございます。

ベストを尽くせ
 一、皆さんの青春の新しいステージの開幕にあたり、私は3点、申し上げたい。
 第1に、「学ぶ喜びこそ青春の宝なり」ということです。
 ご存じのように、私は、あの残酷な戦争によって、青春時代、思うように学ぶことができなかった世代です。どれほど悔しい思いをしたことか。だからこそ、若い皆さんが何の憂いもなく学べる「平和の時代」を断じて切り開くのだと決め、私は人生をかけて戦い抜いてきました。
 今、皆さんは、お父さんやお母さんの、海よりも深く、空よりも高い愛情に包まれて、思う存分に、この最高の学園で学びに学べる時を迎えています。一日一日、ベストを尽くし、偉大な勉学の歴史を創り残してください。それが、悔いのない青春となり、人生となるからです。
 一、若き日のゲーテも、「一日一日と学ぶところがあります」(木村謹治訳『ゲーテ全集第29巻』改造社)と言って、生き生きと探究を続けました。ゲーテによれば、目も耳も「知るため」にこそあります(エッカーマン著、山下肇訳『ゲーテとの対話』(下)岩波書店)。ゆえに、それを研ぎ澄まして、地上の身近な動植物から、はるか宇宙に輝く天体まで、大自然を鋭く観察しました。そして、生きることの素晴らしさに感激しながら、一生涯、生命の神秘に迫っていったのです。
 ゲーテは、生命こそ最も美しいものであり、生命を最高の財宝として尊重しなければならないと信じていました。「生命の尊重」と「暴力の否定」は、わが学園の根幹です。
 生命の探究を進め、生命と生命の支え合う絆を大切にしていけばいくほど、野蛮な暴力に打ち勝ち、平和を創る力は強くなります。
 ともあれ、「学問のなかには、なんというすばらしい世界がひらけていることだろう」(ビーダーマン編、菊池栄一訳『ゲーテ対話録第2巻』白水社)とは、ゲーテの感動の言葉であります。
 学園生の皆さんは、喜び勇んで、自然へ、人間へ、社会へ、歴史へ、宇宙へと探究の光を広げていっていただきたいのであります。
 もちろん勉強が思うように進まず、苦しい時もあることでしょう。しかし、その苦しさをも突き抜けて学ぶ喜びをつかんでいく力こそ、「英知をみがくは何のため」、また「君よ正義を学びゆけ」という学園精神であると、私は宣言したいのであります。
 新入生の皆さん、いかがでしょうか!(大拍手)

語学と読書でで心と頭脳を鍛えよ
「創価の負けじ魂」とは失敗を勝利に転じる力

学園出身者が世界で大活躍
 一、第2に申し上げたいのは、「語学と読書のエンジンで世界の道を」ということです。
 私は、わが愛する学園生の道を世界中に開いてきました。私が2度の講演を行ったアメリカのハーバード大学や、名誉博士号を授与いただいたイギリスのグラスゴー大学などの世界屈指の名門でも、今や学園出身者が学び、堂々と活躍してくれています。
 皆さんは、これから世界の晴れ舞台に躍り出て、私に代わって、友情を広げ、人類の平和と共生に貢献していく大人材です。そのためにも、この充実した学園時代に、張り切って語学力を磨き、世界の良書を読破して、スケールの大きな心と頭脳を鍛え抜いていただきたいのです。
 ワイマール・ゲーテ協会のオステン博士が、私との対談で強調されていた、ゲーテの信念があります。
 それは、“人間は、人々を苦しみから救うために、自分自身の壁を越えて、学び成長する力を持っている”という信念であります。
 わが学園生の皆さんが、希望に燃えて、じっくりと努力し、辛抱強く前進した分だけ、世界の未来を明るく照らせることを、誇り高く確信していってください。
 一、第3に、「勇気の心で朗らかに前進を」と申し上げたい。
 創価教育の父である牧口常三郎先生も、戸田城聖先生も、師子王の勇気で、正義と平和のために、何ものも恐れませんでした。
 私もその弟子として、ありとあらゆる苦難と迫害を、朗らかに勝ち越えてきました。この勇気の道、そして勝利の道に続いてくれるのが、学園生の皆さんです。
 勇気をもって立ち向かえば、どんな悩みも前進の智慧に変えていける。
 いかなる失敗も、次の勝利への力と転じていける。これが、創価の負けじ魂です。
 学園を訪問されたインドの教育の母ムカジー博士が心に刻んでいる大詩人タゴールの励ましにも、「おお、どんなに困難が大きくとも 行く手にはだかる障害には目もくれず あなたは堅固な心と一緒に必ず歩き通さねばなりません」とある通りです。
 一、愛する新入生の皆さん!
 私の心はいつも皆さんの側にいます。間近で見守っていきます。
 どうか、私と皆さんが一体不二の心で結ばれた、この学園の大城で、伸び伸びと、自分らしく、無限に広がる未来への翼を創り上げていってください。
 終わりに──

 冬を越え
   春の桜の
    この道を
  共に学びて
   永遠《とわ》に進まむ

 と贈り、私のメッセージといたします。
 皆、健康第一で!
 父母を大切に!
 良き友を大切に!
 学問の師である先生方を大切に!
 栄光の東京校・第45期生、万歳!
 栄光の関西校・第40期生、万歳!
 そして、わが創価学園、万歳!(大拍手)

東京校=第35回 関西校=第10回創価小学校入学式への創立者メッセージ

3つの約束
「元気よくあいさつをしよう」
「負けない強い心を持とう」
「よい本をたくさん読もう」


 喜びいっぱいの入学式、本当におめでとうございます。
 新1年生のみなさん! わが創価小学校へ、ようこそ!
 ご家族のみなさま方にも、心よりお祝い申し上げます。
 きょうは、希望の太陽であるみなさんと3つの約束をしましょう。
 1つめは、「元気よくあいさつをしよう」です。
 「おはよう!」「こんにちは!」「ありがとう!」と、明るくあいさつをすれば、自分も元気になります。みんなの心にも笑顔の花が咲きます。お父さんやお母さんにも、先生方にも友だちにも、明るくあいさつのできる人になってください。
 また、こまっている友だちには、優しく親切に声をかけてあげられる、思いやりのある人になってください。
 2つめは、「負けない強い心を持とう」です。
 桜の花が、春にきれいに咲くことができるのは、きびしい冬の寒さにも、はげしい嵐にも負けないからです。
 みなさんも、苦手なことがあったり、いやなことがあったりしても負けないで、ねばり強く朗らかに、前へ前へ進みぬいていってください。
 3つめは、「よい本をたくさん読もう」です。
 よい本は心の大地をたがやし、一生の根っこをつくってくれます。
 よい本を通して、たくさんの偉大な人と出あい、世界も、宇宙も旅することができます。
 小学校時代に読んだ本が、一生の財産になります。
 みなさんは、全員が「世界の宝」です。「人類の希望」です。
 これからの6年間、みなさん一人一人が健康で、のびのびと立派に大成長していけるよう、私は一生けんめいに祈り、いつも見守っております。
 きょうは、本当におめでとう!
2012-04-10 : スピーチ・メッセージ等 :
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創価大学=第42回/女子短大=第28回入学式へのメッセージ

創価大学=第42回/女子短大=第28回入学式へのメッセージ   (2012.4.2 創価大学記念講堂)

 人間教育の大城・創価大学の第42回、創価女子短期大学の第28回入学式が2日、東京・八王子市の創大記念講堂で盛大に挙行された。これには、創立者の 池田名誉会長がメッセージを贈り、「わが誉れの英才に希望の翼あれ! 勇気の光あれ! そして、勝利の舞あれ!」と新入生の出発を祝福した。席上、中国の 程永華駐日大使に「創価大学名誉博士号」が授与され、程大使が記念講演を行った。また、中国・遼寧師範大学の曲慶彪党委書記一行、中央財経大学の李俊生副 学長一行ら多数の来賓が列席した。

中国 程永華駐日大使の講演

母校・創大に輝く中日友好の歴史

理想を胸に学問に挑め平和の「金の橋」を歩む人に

 この美しい創価大学のキャンパスにも、桜が咲く季節となりました。このような佳き日に、私は、創大の先生方、学生の皆さん、特に新入生の皆さんと共に、ここに集えましたことを大変うれしく思っています。
 また、創価大学より名誉博士号を授与していただいたことに、心から感謝いたします。創大の卒業生として、身に余る光栄です。
 創大は私の母校です。創大を訪れるたびに、学問を志した青年時代のことが思い出されます。ここには新中国最初の正規留学生としての青春の記憶が刻まれ、中日友好の多くの逸話が記されています。ここで、私と創大のご縁について触れたいと思います。
 1972年、中日の国交正常化が実現しました。翌73年、私は留学生の第1陣として来日したものの、当時は両国間に教育協定が結ばれておらず、私たちの学習環境は整いませんでした。
 ちょうどそのころ、池田先生が74年12月に訪中し、周恩来総理と会見されました。ご帰国後、私たち留学生の実情を聞いた先生は、すぐに創大に正式に受け入れることを決めてくださいました。そして特別なカリキュラムを組み、私たちの勉学に対し、親しくも、こまやかな配慮をしてくださったのです。
 当時の光景は今でもありありと目に浮かびます。37年前のこの季節に私たちは創価大学に入学しました。
 池田先生はその時、滝山寮の入寮式に出席されました。そして“桜吹雪”の中、私たちを栄光門から文系校舎へと案内し、そこで出会った教員や学生たちに紹介してくださいました。また日本の桜の文化について語られ、周総理との会見でも桜が話題になったことを振り返るとともに、キャンパスに「周桜」を植えることを提案されました。
 私たちは、この時から、創大という素晴らしい教育環境の中で、教員の方から厳しくも優しい指導をいただき、日本に関する学問の研さんに努力を重ねました。また、多くの学友ができ、本当の心と心の触れ合い、心の絆を結ぶことができました。これらは私にとって人生の宝であります(大拍手)。
 創価大学と中国との交流・協力がスタートしたのは、この時からでした。現在、創大は中国の多くの大学と友好交流関係を結び、国の重責を担う人材を次々に養成しています。
 すでに両国の多くの創大卒業生が中国と日本の各分野で活躍し、両国の交流と協力のために務めています。ここで、中国大使館を代表し、深い敬意を込めて心からの感謝を申し上げます(大拍手)。

井戸を掘った人を忘れない
 今年は中日国交正常化40周年にあたります。中国には「水を飲む時は、井戸を掘った人のことを忘れない」という言葉があります。私たちは、この佳節にあたり、戦後の両国関係の再建と発展のために、たゆまぬ努力を払った先賢のことを忘れてはなりません。
 池田先生は、その中にあって傑出した代表であります。68年9月、先生は日中国交正常化提言を発表し、両国関係がなお緊張状態にある中、率先して「日中の国交正常化」「中国の国連加盟」「日中貿易の促進」を提案されました。
 “一石で千重《ちえ》の浪《なみ》を立てる”という諺がありますが、池田先生の提言は中日関係の固い氷を破り、関係正常化を実現し、平和友好の道を開く上で、重要な役割を果たしました。
 国交正常化後の74年5月、池田先生は初訪中されました。そして中日間に平和の「金の橋」をかけることを提起し、こう述べられました。「金《きん》は『生』であり、生き抜いていく、光り輝いた生命のことであり、平和という意昧あります」と。
 私たちは、両国各界の共同の努力を経て、この40年間、中日間に堅固な「金の橋」が築かれたことを喜んでいます。
 中日間では、すでに4つの政治文書が相次いで調印・発表され、両国関係を発展させる政治的基礎が築かれました。国交正常化当初、中日間の貿易額はわずか10億ドルで、人の往来は1万人にすぎませんでした。この40年の間に両国の貿易は300倍、人の往来は500倍以上増えました。さらに247組の友好都市関係が結ばれ、文化の往来は日増しに密接になっています。
 両国の利益は深く溶け合い、結びつきは、かつてないほど緊密になっています。中日関係の急速な発展は、両国人民に重要な利益をもたらし、地域と世界の安定、発展、繁栄にも重要な貢献を果たしています。
 池田先生はかつて、“過去の歴史を鏡にして初めて、現在を検証し、未来を映し出すことができる”と述べられました。国交正常化以後の中日関係における大きな成果を回顧して、私たちは両国の末永い友好への信念を一層固め、戦略的互恵関係に力を尽くす勇気を一層強め、両国人民の感情を盛り上げる意欲を一層深めています。

「勤勉」であれ
 孔子は「四十にして惑わず」と言いました。中日関係は40年の風雨を経て、すでに新しい段階を迎えています。
 私たちは次の40年、さらに未来を見据えて、「平和共存・世代友好・互恵協力・共同発展」に基づいた中日関係構築のために努力すべきであります。
 そのために、常に次のことを心得ていきたい。
 まず「決意」を持って両国関係の大局を守り、両国関係の大方向をしっかりつかむこと。
 40年前、両国の先人は、その遠見卓識によって、大同を求め、小異を残しつつも、中日国交正常化を実現しました。
 歴史と現実は、あくまでも戦略的見地と長期的視点から、中日友好の大方向を堅持して初めて、両国関係は絶えず前進することを教えています。そこで私たちは、相手の発展を客観的、理性的に認識し、政治的な相互信頼を絶えず増進させ、中日間の4つの政治文書の原則と精神に照らして、長期的かつ健全で、安定した中日関係を建設すべきです。
 次に「勤勉」によって、両国の互恵・協力を強固にすること。
 実務協力は常に中日関係を構成する重要な部分であり、両国関係に尽きることのない原動力を与え、両国人民に実際の利益をもたらしました。
 中国の改革開放から30年余りの間、日本は資金・技術など多くの分野で貴重な協力を寄せ、中国の近代化を支援しました。同時に中国の発展は日本にも重要なチャンスを与え、日本経済の回復と成長を推進したのです。
 双方は、これからもそれぞれの発展の新たな趨勢に合わせて、世界の経済発展の新たな潮流を見ながら、絶えず新たな協力分野を探り、そのための新たな目玉と成長点を育てていきたい。そして、共通利益という“ケーキ”を大きくして、チャンスを共有し、共に発展・繁栄する道を歩むべきです。
 また、「友情」によって、末永い友好の基礎をしっかり固めること。
 中日友好は両国の民間に厚い基盤があり、子々孫々の友好は両国人民の共通の願いです。中国と日本は地理的に近く、文化も相通じ、人文交流の独特な強みを持っています。私たちは、絶えず交流の形式と中身を豊富にし、共通の文化的価値観を深く掘り起こして、心の琴線に触れる人文交流を強力に繰り広げ、より多くの民衆の参加を得て、国民の友好的感情を近づけるようにすべきです。
 さらに「英知」によって、お互いの意見の食い違いを上手に処理することです。
 交流の密接な隣国である中日の間に、あれこれと矛盾や意見の食い違いがあるのは避けがたいことです。双方は大局に着目し、これまでの合意事項や共通認識を遵守し、お互いの関心事に配慮し、あくまでも対話・協議を通じて、それらを慎重かつ適切に処理すべきです。
 中国のある詩人が、こう言いました。 。
 「相悖《あいもと》り立てば、兄弟咫尺《しせき》に近くも、相見ること得ず。相向かいて行けば、道人《みちびと》千里遠くとも終に相望むこと能う」
 私たちがあくまでも同じ方向へ歩み寄りさえすれば、いかなる矛盾や意見の食い違いも解決することができます。
 学生の皆さん、池田先生は創大の建学の際、「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」「労苦と使命の中にのみ 人生の価値は生まれる」と、創大生に指針を示されました。
 新入生の皆さんが創大に入って勉強できることに心からの祝意を表します。同時に、皆さんが在学中、学業に励み、進歩を求め、人生の理想と価値を探求するよう心から期待しています。
 皆さんがもっと中国を知り、中日関係に関心を寄せ、将来、両国間に友好の「金の橋」をかける有能な人材になることを希望します。
 数年後、創大を旅立つ時、「創大に入ってよかった」「勉強して充実した」と言えるよう、また10年、20年経ってもそう言えるような大学生活を過ごせるよう期待します。
 ご清聴ありがとうございました(大拍手)。

創立者のメッセージ


時代を動かせ! 人類共生の未来へ

学べ! 今日も一歩前へ
周総理
「すべての国が平等な立場で助け合え」

 一、青春の希望に燃え立つ入学式、誠におめでとうございます。
 創価大学第42期生の皆さん! 創価女子短大第28期生の皆さん! 大学院の皆さん! 通信教育部の皆さん!
 そして世界24カ国・地域から、お迎えした最優秀の留学生の皆さん!
 私の創立した創価の学舎に、よくぞ、集ってくれました。
 ありがとう!
 本当にありがとう!
 また、厳しい経済状況の中、未曽有の大震災を乗り越えて、大切なお子さま方を送り出してくださった保護者の皆様方に、創立者として心より御礼を申し上げます。
 教員の先生方!
 職員の方々!
 私の生命であり、人類の未来の希望である新入生の皆さんを、いよいよ冴えわたる英知の大人材へ、ダイヤモンドの如く、磨き上げてくださるように、どうか、よろしくお願いいたします。
 そしてきょうは、中国、フランスをはじめ、多くのご来賓の先生方が、ご多忙のところ、温かく見守ってくださり、感謝に堪えません。誠にありがとうございます。

悲劇の歴史を超えて世界に友情の連帯を

程大使の名誉博士号を祝福
 一、新入生の皆さんの晴れの門出に当たり、3つの指針を贈らせていただきたい。
 第1に、「青春の誓いは時代を動かす」ということであります。
 私たちが敬愛してやまぬ人民中国の大指導者・周恩来総理は、95年前、日本に留学されました。周総理が若き日、留学中に書き留められた忘れ得ぬ一文があります。
 それは「人は定《かなら》ず天に勝つ」(矢吹晋篇、鈴木博訳『周恩来「十九歳の東京日記」小学館)と。
 すなわち人生においても、社会においても、どんな過酷な運命に直面しようと、人間は、ただ翻弄される弱き存在ではない。努力によって必ず打ち勝つことができるとの揺るぎない信念であります。
 これは、周総理の不屈のリーダーシップを貫く信条であったといっても、過言ではないでありましょう。
 1974年の冬、周総理とお会いした折、総理は若い私に世界の前途を展望されつつ、「すべての国が平等な立場で助け合わなければなりません」と強く語られました。
 そこには、人類が宿命的な戦乱の悲劇を勝ち越えてゆくための「平和」と「共生」の道が明確に示されております。
 そして周総理と語り合った翌年の春、この周総理のビジョンを自らの青春の誓いとして、わが創価大学に来られた第1期の留学生こそ、今日、皆さんを祝福してくださっている、大先輩の程永華大使なのであります(大拍手)。
 じつは、程青年が、新中国から最初の留学生として日本へ派遣されることが決まったとき、悲惨な戦争を体験した周囲の方々からは、強い反対もあったとうかがっております。
 しかし、程青年は、“だからこそ、中国と日本の平和と友好のために尽くしたい。そして何よりも、これは尊敬する周恩来総理の構想なのです”と志を貫き通されたのであります。
 どれほど深く尊い誓いと決意を込めて、創価大学に来てくれたことか。
 仏の胸には、あの程青年たち6人の留学生の燃え上がる瞳の輝きが焼きついて、今も離れません。
 皆、この「平和のフォートレス(要塞)」たる創価大学で学びに学び抜いてくれました。努力に努力を重ねてくれました。
 そして、心広々と創価の学友と語り合い、生涯にわたる友情を結んでくれました。
 程大使は、「日本人よりも美しく流暢」と讃えられる日本語を自在に駆使されながら、今、中日友好、また平和外交の大舞台で、不滅の貢献を堂々と果たされています。
 本日、あとに続く留学生の皆さんもはつらつと出席している式典において、程大使に、創価大学の卒業生として最初の名誉博士号をお贈りできることは、何とうれしい、何とロマン光る教育の劇でありましょうか!
 誠に誠に、おめでとうございます(大拍手)。

若き君よ「価値創造」の博士に

忍耐・執念で進め
 一、第2に申し上げたいのは、「今日も粘り強く一歩前進を!」ということであります。
 今、創価大学に隣接する東京富士美術館では、程大使をはじめ多くの方々のご尽力をいただいて、「北京・故宮博物院展」が盛大に開催されております。
 今回の展示では、「女性の教養の美」とともに、「向学の深き心」に光が当てられています。
 学術を大いに振興させた康煕《こうき》帝の教えを、後継の雍正《ようせい》帝が書き残した格言の書も、出品されております。〈聖祖仁皇帝庭訓《きん》格言〉
 その一節には、「学びゆく者、一日に必ず一歩進みて、はじめて時を虚しく過ごさざるなり」(趣意)とあります。
 つまり、学問に取り組む者には、「一日に、たとえ一歩でも必ず前進してみせる」との気迫が求められるというのであります。
 学ぶということは、いついかなる状況にあろうと、一歩前へ踏み出していく勇気であります。そして、新たな価値の創造を断じて止《や》めない忍耐であり、執念であります。
 このたゆみない「学びのリズム」を、新入生の皆さんは、誇りも高く、青春の生命に刻みつけていってください。
 うれしいことに、創大・短大の先生方は、若き知性の皆さんに、世界水準の講義をもって、全力で応えゆく態勢を整えてくれております。

皆さんの成長こそわが喜び 最高の学識と人格を磨け

教育とは「ベストを引き出すこと」

希望の翼あれ 勇気の光あれ
 一、そして第3に、「自らのベストを引き出せ!」と申し上げたい。
 今、私は、フィリピンの教育界を代表するアブエバ博士と、新たな対談を重ねております。
 教育の目的について、博士は鋭く指摘されました。それは「その人自身が持っている“ベスト”を引き出すこと」であると言われているのであります。
 私の人生の師であり、本日が命日でもある戸田城聖先生も、同じ教育哲学でありました。「どの青年の生命からも最善の可能性を引き出すのだ」という大情熱で、人間教育に臨まれたのであります。
 わが創大・短大は、新人生の皆さんが、一人ももれなく、「自分の生命の中にある最高の智慧と力」を引き出していく、無限の啓発に満ちたキャンパスであります。
 どうか、素晴らしい先生方と、真剣勝負の学問の打ち合いをお願いしよす。
 また日本全国、世界各地から集い来った良き学友たちと大いに切磋琢磨してください。自分のため、父母のため、人々のため、社会のため、そして人類のため、思う存分に活躍していける、最上の学識と人格と実力を鍛え抜いていただきたいのであります。
 一、「偉大な時代は偉大な人間を産み出す。そして偉大な行動はお互いから相互的に生まれてくる」(大野一道訳『スピリディオン』藤原書店)とは、フランスの行動する作家ジョルジュ・サンドの言葉であります。
 私の心も常に皆さんと一緒です。
 愛する皆さんが健康で無事故であるよう、そして、快活に世界と連帯を広げながら、楽しく充実した、偉大な黄金の学生時代を勝ち開くように、私は祈り、見守り続けてまいります。
 わが人生の総仕上げにあって、最大の喜びは、皆さんの成長であり、栄光の晴れ姿だからであります。
 最後に、わが誉れの英才に希望の翼あれ! 勇気の光あれ! そして、勝利の舞あれ! と叫んで、私の祝福のメッセージといたします(大拍手)。
2012-04-08 : スピーチ・メッセージ等 :
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地球を結ぶ文化力

地球を結ぶ文化力
  高占祥対談
 潮出版社 2012.3.16刊 ¥1524+税

序にかえて
 共に人類の「文化力」を開拓  高占祥
 青年に勇気を 青年に希望を  池田大作

第1章 緑の桜は友誼の懸け橋
 日中両国の永遠の友誼
 苦境のなかで学んだ若き日々
 文化力がソフト・パワーの核心
 「民間交流」の大いなる可能性

第2章 苦闘の青春 学びの大道
 日中友好を彩る桜の思い出
 周総理が語った平和への真情
 忍耐と労苦が人格の土台を築いた
 文化の力は運命を変える

第3章 民衆の大地に「文化の大樹」を
 民衆の多彩な文化こそ全人類の宝
 世界の人々を結びゆく対話の力
 中国は悠久の歴史をもつ「文明の古国」
 平和と幸福を願う民衆の団結が時代を変える

第4章 芸術の交流で地球を結ぶ
 試練を乗り越える「不屈の心」「団結の力」
 「生命の尊厳」を機軸に人類のための倫理を展開
 民衆のなかにこそ現実変革の智慧がある
 新しい大文化建設の揺籃の時代

第5章 東洋の詩心 漢字の魅力
 真の文化人とは“高潔な行動の人”
 中華文化の魅力が凝結した漢字
 書画の神髄は人格の錬磨にある
 民衆の幸福のために 今こそ詩心の復権を

第6章 心の鏡──写真の光彩
 文化を彩る花々の輝き
 世界中の人々を結ぶ「光の芸術」
 詩に込められた香しき友情

第7章 母は偉大なる平和の教師
 少年時代の忘れ得ぬ思い出
 教育は文化力の根幹
 「人格の力」は庶民のなかで鍛えられる
 報恩の人こそ人生の勝利者
 母を大切にすることが平和への第一歩

第8章 世界を照らす「人間革命」の光
 いまだかつてない文化大交流時代が到来
 教育は人格という価値を創造する戦い
 青少年の思想によって未来は決まる
 悪の放置と慈悲は対極にある
 新たなる世紀を開く東洋の英知

第9章 新たな百年へ 精神の復興を

 中国に爛漫と咲き誇る文化の花
 人間がいるところ「信仰心」は必ず存在する
 中国仏教の発展を担った使命に燃える仏教者たち
 「人間のための宗教」が求められている

第10章 科学と宗教──人間のために
 西洋思想が中国にもたらしたもの
 中華文化がもつ調和の特質 融合の力
 科学とその業績は宗教の一つの所産
 科学も宗教も人間の幸福のためにある

第11章 「人の和」こそ平和創造の要
 新しい智慧や発想は身近な地域から生まれる
 民衆の絆から築かれる日中友好の道
 宇宙的視野に立った新しき「平和の哲学」
 「人の和」こそが幸福と勝利への最大の力

第12章 信頼を基盤にした社会の構築
 民衆のなかでこそ文化の花は咲き薫る
 人間と自然の共生を謳う「天人合一」の思想
 他者への献身から調和ある社会が築かれる
 日常生活は信頼のうえに成り立つ

第13章 未来を照らす青年の不屈の魂

 青年を大切にする社会に未来はある
 庶民の強さが歴史を動かす
 文化の力で世界に新たな潮流を
 地球を平和に導く国連の大いなる使命
 青年の情熱こそが人類の未来を開く
2012-04-08 : 文明間対話 :
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