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希望の経典「御書」に学ぶ 1

希望の経典「御書」に学ぶ 1
 聖教新聞社 2011.9.12刊 ¥476+税

講義にあたって

千日尼御前御返事(雷門鼓御書)(大白蓮華2007.9月号)
「心こそ大切」──師弟不二の心の絆を どこまでも深く強く

〔御文〕(御書1316㌻5行目~8行目)/現代語訳
法華経供養に無限の功徳
「妙の一字」の功徳──妙の三義
「法華経の師子王を持つ女人」
〔御文〕(御書1316㌻8行目~13行目)/現代語訳
一切を変毒為薬する妙法の力用
臨終正念こそが成仏の証
〔御文〕(御書1316㌻14行目~18行目)/現代語訳
信心の一念は距離を超える
「師を求め抜く心」こそ肝要

可延定業書(大白蓮華2007.10月号)
健康長寿──「生きて生きて生き抜く」ための信心

〔御文〕(御書985㌻14行目~986㌻4行目)/現代語訳
病身の富木尼御前を励ます
永遠の生命を明かした寿量品
ためらわずに、早めの治療を!
〔御文〕(御書986㌻4行目~10行目)/現代語訳
どこまでも弟子を思いやる師匠
「どんなことでもしてあげたい」
〔御文〕(御書986㌻10行目~15行目)/現代語訳
「一日生きる」ことの尊さ
21世紀を「生命の世紀」に!

最蓮房御返事(大白蓮華2007.11月号)
「師弟不二」──広宣流布に戦い続ける 師弟の絆は三世永遠

〔御文〕(御書1340㌻5行目~11行目)/現代語訳
「弟子の道」にこそ人生の真髄が
 師弟の宿縁深厚──「在在諸仏土常世師俱生」
〔御文〕(御書1340㌻12行目~1341㌻1行目)/現代語訳
第六天の魔王に勝ってこそ真の善師
「正善の師」の要件とは
〔御文〕(御書1343㌻5行目~10行目)/現代語訳
師弟不二の大歓喜
今いる場所が「常寂光の都」
「師弟の勝利」が「仏法の勝利」

上野殿後家尼御返事(大白蓮華2007.12月号)
生も仏 死も仏──「生死ともに歓喜」を築く即身成仏の法門

〔御文〕(御書1504㌻1行目~8行目)/現代語訳
「生も歓喜 死も歓喜」の大境涯
霊山とは「永遠の生命の故郷」
〔御文〕(御書1504㌻9行目~1505㌻10行目)/現代語訳
地獄を寂光土に変える仏法の功力
即身成仏は歓喜と希望の原理
法華経の原理を実現する日蓮仏法
〔御文〕(御書1506㌻8行目~13行目)/現代語訳
ありのままの姿で、使命の道を
現実の世界で勝利者に

顕仏未来記(大白蓮華2008.1月号)
世界広宣流布──地涌の戦士よ!立ち上がれ!
流罪地・佐渡からの全人類救済宣言

〔御文〕(御書505㌻1行目~506㌻1行目)/現代語訳
未来記──後世の門下への遺命
末法に生まれ合わせた喜び
究極の妙理と尊極の生命
魔性と戦う「法華経の行者」こそ末法の師
〔御文〕(御書508㌻10行目~12行目)/現代語訳
日蓮大聖人の未来記──仏法西還
〔御文〕(御書509㌻2行目~6行目)/現代語訳
「御本仏の澄みきったご心境」
宿命転換と民衆救済の慈悲の大闘争
〔御文〕(御書509㌻6行目~11行目)/現代語訳
「浅きを去つて深きに就くは丈夫の心」
法華宗は「人間宗」
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2011-09-29 : 教学著作 :
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ザンビア共和国・国立ザンビア大学「名誉法学博士号」授与式

ザンビア共和国・国立ザンビア大学「名誉法学博士号」授与式   (2011.9.25 創価大学記念講堂)

 アフリカ・ザンビア共和国の最高峰の学府である国立「ザンビア大学」から創価大学創立者の池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉法学博士号」が贈られた。授与式は25日午後、東京・八王子市の創大記念講堂で行われ、ザンビア大学のスティーブン・シムカンガ副総長、アルヴァート・ンガンドゥ教務部長、マーガレット・ムナルラ法学部長が列席。「名誉法学博士」の学位記が創大の池田博正理事に託された。また、ザンビア共和国初代大統領のケネス・カウンダ氏から慶祝のメッセージが寄せられた。式典は創大、創価女子短期大学、創価学園・小学校・幼稚園、アメリカ創価大学の出身者による「創価教育同窓の集い」に続いて行われ、同窓生が創立者への栄誉を祝賀した。

ムナルラ法学部長の授与の辞

怒り、争い、苦しみの世界で池田博士は「善なる人」の模範

 本日はシムカンガ副総長を代表として、池田大作博士に名誉法学博士号を授与するために、このような素晴らしい式典に出席できることを、とても光栄に思います。
 池田博士は、ご自身の人生を平和の探求に捧げてこられた、まぎれもなく世界をリードする指導者であります(大拍手)。
 1928年1月2日、東京に生まれ、哲学、音楽、文学、写真に造詣があります。
 池田博士の「類いまれな人生」は、青年時代に重い病に苦しんだことや、第2次世界大戦という衝撃的な経験を含め、逆境を乗り越えた末に成されたものであるがゆえに、いっそう深い意味があります。
 池田博士は、創価大学の創立者であり、SGI(創価学会インタナショナル)の会長であられます。加えて、300を超える名誉学術称号を受章しており、この事実以上に、池田博士を雄弁に語るものはありません。
 ここでは、私の心、そしてわがザンビアの人々の心にとって最も身近にあることに焦点を当てて、お話ししたいと思います。
 名誉学位は、大学が個人に贈る最高の栄誉であり、大学の威信をかけて授与するゆえに、その推薦と人選にあたっては深い見識とあらゆる労力を伴います。ザンビア大学にとって、今回の授与を決定することは、容易なことではありませんでした。
 なぜなら本学は、開学以来45年の歴史の中で、ごく少数の人物にしか名誉博士号を授与しておりません。
 ザンビア大学は池田博士の経歴を拝見し、大変に感動しております。仏教指導者、平和建設者、卓越した文学者、詩人、教育者、世界の数々の文化機関・教育機関・平和研究機関の創立者としての経歴には、非の打ちどころがありません。
 なかでも際立っているのは、世界平和への行動、そして軍縮、環境、人権など、地球規模の問題への取り組みを通し、教育的な活動に力を注いでこられたことです。1983年には、「国連平和賞」が贈られています。
 池田博士への名誉法学博士号の授与は、本学の第41回評議会において決議されました。
 平和と人権、そして法律と正義の価値観には、深い関係性があります。法律の主たる目的の一つは、全人類の平和と人権の実現と、その恩恵の享受であるがゆえに、本学は「法学博士」の栄誉をお贈りするのであります。
 池田博士は私たちの模範であられます。なぜなら、怒り、争い、苦しみにあふれたこの世界における「善良な方」であるからです。
 博士は、民族、年齢、宗教、性別に関わらず、一人一人が幸福な人生を実現することを最大の目的とする生き方を、ご自分の意志で選ばれました。
 アフリカ出身であり、女性である私の立場から申し上げますが、博士のように人権の実現を求めてこられた方々の尽力とその恩恵を、私自身が直接に享受していると実感しております(大拍手)。

国境を超えた「宗教間の対話」「人権教育」「青年交流」を推進

 池田博士は、言論という武器をもって戦っています。本年の「SGIの日」記念提言では、「言葉のインフレ現象」や「それを生み出す言葉への過信、軽信」ではなく、「正しい言葉」の復興を訴えておられます。
 博士が書かれた数多くの文学作品や詩歌は、活字を使って世界を変革するという、博士の類いまれなる才能の証しであると言えましょう。
 日本のみならず、国境を超えて平和を探求している池田博士の姿は、ザンビアの人々にとって、次の二つの理由から共鳴するものであります。
 第1に人間主義の哲学です。これはザンビアにとって常に指針となる哲学であります。
 第2に、1964年に植民地からの政治的独立を勝ち取ったザンビアは、独立後、他の南部アフリカ諸国の解放運動を支援することを自国の使命とし、それらの国々から数十万に及ぶ難民を受け入れてまいりました。
 南部アフリカ諸国では現在、すべてが独立国家となったにも関わらず、ナショナリズムが、平和、団結、繁栄へと結びついていない国からは、わが国へ難民が押し寄せています。
 このように、ザンビアは国をあげて、紛争の平和的解決を積極的に奨励する国として、模範を示し続けているのです。
 最後に、法律、平和、人類の発展に不可欠である教育について言及したいと思います。本年の記念提言では、人権を推進する上でSGIが教育に光を当てていることを明確に述べておられます。
 博士の出発点は、内なる変革を重視する仏法思想であり、国連による世界規模の人権教育の枠組みの構築が必要であると繰り返し述べております。
 さらに、人権理事会が「人権教育および研修に関する国連宣言」の起草作業を進めており、今回の国連総会における同宣言の採択を目指していることを紹介されています。
 博士は、人権教育の推進を目的とした新たな制度的枠組みを提唱され、そのイニシアチブの権限と説明責任を拡大するための、国連と市民社会の協働作業を提案しております。そして、次なる人権の担い手として青年の存在をあげ、継続した育成のために、人権教育のための青年の交流や連携を、国の内外を問わず進めていくべきであると述べています。
 最後に、良心を育み、倫理的な基盤を提供する宗教界の働きに言及し、人権の担い手として、宗教間対話に取り組むべきであると訴えておられます。
 ご列席の皆様、時間さえあれば、まだまだ申し上げたいことがたくさんございます。ただ、池田博士はあまりにスケールの大きい方です。その博士にふさわしい栄誉を授与することができ、私は大変名誉に、そして光栄に思います!(大拍手)

創立者の謝辞(代読)

「アフリカの世紀」の勝利を祈る
前進! 不撓不屈の努力と執念で


教育こそ人間性の砦

ザンビアの英知
連帯を!「皆で走れば遠くまで走れる」
建国の父の理念
大学出身者は苦悩にあえぐ人々の力に

 一、それは、1964年10月24日──。
 ザンビア共和国は、幾多の試練を勝ち越えて、晴れ晴れと独立の勝利の日を迎えました。
 豊かな大自然を象徴する緑を基調として、赤、黒とオレンジの3色が配された、鮮やかな国旗が誉れも高く翻ったのであります。
 この独立の日、ザンビアの国旗が海外で真っ先に掲揚された地は、どこか。
 じつは、ここ東京でありました。
 東京オリンピックの閉会式の行進で、誕生したばかりの貴国の国旗が劇的に掲げられたのであります(大拍手)。
 その光景は、私の命に鮮烈に焼きついて離れません。「21世紀はアフリカの世紀なり」との祈りと大確信を、私はいやまして強めたことを、昨日のように思い起こします。
 一、その国旗には、堂々たる「鷲」が描かれています。この大鷲は、どんな苦難も恐れない貴国の民衆の力の象徴であります。
 仏典にも、鷲は「空飛ぶ者の王たり」(御書1310㌻)と説かれている。
 天空を舞う王者の鷲のごとく、貴国はアフリカ随一の、平和を愛する「人道の大国」「非暴力の大国」として、希望の新時代を開いてこられました。
 その偉大なる貴国の大前進を牽引されゆく、英知と信念の翼の存在こそ、貴ザンビア大学なのであります(大拍手)。
 私は、貴国の国旗を仰ぎ見つめつつ、何よりも意義深き、貴大学の「名誉法学博士」の学位を厳粛に拝受させていただきます。
 貴国の教育界の黄金の柱であられるシムカンガ副総長、ならびにザンビア大学の先生方、誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。
 一、私の大好きな、貴国の英知の言葉に「一人で走れば、早く走れる。皆と一緒に走れば、遠くまで走ることができる」とあります。
 その意味からも、わが一体不二の創価同窓の友と一緒に、貴大学からの栄誉をお受けできることは、この上ない喜びであります。日本全国、さらに、世界の各地から万障繰り合わせて集ってくれた皆さん、本当にありがとう!(大拍手)

忘れ得ぬ語らい
 一、このたびは、光栄にも、貴大学の初代総長であり、「建国の父」であられるカウンダ初代大統領からも、真心あふれる祝福のメッセージを賜り、感謝に堪えません。
 カウンダ大統領とは、21年前の11月、忘れ得ぬ語らいを東京で刻ませていただきました。ちょうど、長年の投獄を耐え抜いて来日された南アフリカのマンデラ先生を、創価同窓の友らと大歓迎した10日余り後のことであります。
 カウンダ大統領はじめ貴国の良識が、マンデラ先生を勇敢に支援して、不当なアパルトヘイト(人種隔離政策)と戦い、苦難を分かち合われたことも、あまりにも有名な歴史であります。
 カウンダ大統領との対話では、「教育とは、人間を非人間化させる、ありとあらゆる力から、人間を守りゆくものでなければならない」との大統領の信条も話題になりました。
 教育の真髄が、ここにあります。教育こそ、人間を人間として最も人間らしく高め、何ものにも負けず、生命の尊厳を守り、平和と人権を勝ち開いていく正義の推進力なのであります。
 一、カウンダ大統領は、ザンビアの独立に際し、貴大学の建学の理念を語られました。
 「私たちは、この大学を、世界の中心拠点として知られる存在としたい」「この学問の中心から、現在、大きな重荷にあえぐ人々に“力”を与えることができる知性の人が、次から次へと輩出されることを願いたい」と。
 この崇高なる理念は、第2次世界大戦中、日本の軍国主義と命を賭して戦い抜いた、牧口常三郎先生、戸田城聖先生の魂を継承する、創価教育の精神とも深く一致しております。
 私たちは、心からの尊敬を込めて、貴大学との名誉ある大連帯の大拍手をお送りしたいのであります(大拍手)。

若き生命を磨け

 一、ザンビアは世界3大爆布の一つ「ビクトリアの滝」をはじめ、雄大な自然と多彩多様な動植物に恵まれた、世界の憧れの天地であります。さらに、銅やコバルトなど、豊かな鉱物資源も世界有数であります。
 本日、お迎え申し上げたシムカンガ副総長は、ザンビアを代表する鉱山学者であられます。
 そして、青年たちをこよなく愛される大教育者として、若き生命の大地に秘められた無限の知性の宝玉を見出し、磨き上げ、幾多の優秀な人材を社会に送り出してこられました。
 副総長が、卒業生たちに常にアドバイスされていることがあります。
 「社会の人々と接するときは、よく耳を傾け、よく学ぶことです。耳を傾ければ傾けるほど、学ぶことはまだまだ多いということに気づくはずです。それが、さらなる学びを促すことになります」と言われるのであります。
 私も、まったく同感です。
 人生は一生涯、勉強です。横着になったり、臆病になったりせず、一日一日、積極果敢に打って出て、良き人と対話を交わし、誠実に耳を傾け、生き生きと学び続けていくことです。そこにこそ、決して尽きることのない智慧と創造力と信頼の鉱脈があるからであります。
 一、思えば、私が、「ヨーロッパ統合の父」クーデンホーフ・カレルギー伯爵と対談し、世界の知性との「文明を結ぶ対話」を開始したのは、今の皆さんと同じ年代の39歳の時からでした。
 世界の最高峰のリーダーだちとの対談集も、今、進めているものを含め、70点に及んでおります。このたゆみない対話の潮流を、わが創価同窓の皆さんは、それぞれの使命の最前線で、自在闊達に押し広げ、価値創造の歴史を残していっていただきたいのであります(大拍手)。

勇敢な東北の友
 一、貴大学のキャンパスには、「卒業生」という名の像が立っております。「本」と「鍬」を手にして、まさしく飛び出さんとする姿であります。「本」は人々を賢くする探究の象徴であり、「鍬」は人々を豊かにする労苦の象徴であります。
 この像の顔には、特定の人の表情は描かれておりません。それは、特別な人ではなくして、民衆のために学び働き、献身する貴大学のすべての卒業生の結晶の姿であるからだとうかがいました。
 私も創立者として、わが創価同窓の社会貢献の戦いを、最大の誇りとしております。今回の東日本大震災に際しても、君たちが、どれほど勇敢に忍耐強く戦ってくれているか。
 なかんずく、東北の創価同窓の皆さん、本当にご苦労さま! 皆、体を大切に!(大拍手)
 一、建国の父・カウンダ大統領は言われました。
 「賢明な人間というものは、過去には生きない。与えられた環境のなかで、自分自身を最高の高みまで成長させるのだ」と。
 わが創価同窓の皆さんも、使命が大きいゆえに、困難や障害も大きいし、苦しいことも、悔しいことも多々あるでしょう。
 しかし、何が立ちはだかろうとも、自らの眼前にある、なすべき課題に、挑戦し抜いていっていただきたい。
 その不撓不屈の努力こそが、ザンビアの大地を潤す大河・ザンベジ川のように、大勝利の緑野を開いていくからであります(大拍手)。
 一、ザンビアを代表する花は、ブーゲンビリアです。
 花言葉は、「情熱」であります。
 今再び、学生時代の「大情熱」を赤々と燃え上がらせて、社会へ、世界へ、未来へ、「希望の花」「幸福の花」「正義の花」「友情の花」「平和の花」を爛漫と咲かせていただきたい。どうか、お願いします!
 一、結びに、尊敬申し上げる副総長のリーダーシップのもと、開学45周年を飾られた貴大学が、いよいよの大発展を遂げていかれますことを心よりお祈り申し上げます。
 そして、「敬愛するザンビア共和国に永遠無窮の栄光あれ!」と叫んで、私の謝辞とさせていただきます。
 私は妻と共に、ますます真剣に、愛する創価同窓の皆さんの健康と活躍、ご一家のご多幸を、祈りに祈り抜いてまいります。
 皆さん、お元気で!(大拍手)
2011-09-28 : スピーチ・メッセージ等 :
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上海魯迅記念館 魯迅生誕130周年記念シンポジウムへの祝辞

上海魯迅記念館 魯迅生誕130周年記念シンポジウムへの祝辞  (2011.09.23 上海魯迅記念館)

 9月25日は、中国の文豪・魯迅の生誕130周年の佳節(1881年9月25日生まれ)。それを祝賀する催しが中国各地で実施されている。23日午前には、魯迅が晩年を過ごした上海市主催の「魯迅生誕130周年記念大会」が上海展覧センターで開催され、学会の代表が出席。さらに同日午後から、上海魯迅記念館で「魯迅と現代中国文化」をテーマに国際シンポジウムが開かれた。これには、要請に応じて、同記念館の「名誉顧問」である池田大作名誉会長が祝辞を寄せた。
 国際シンポジウムでは、中国、日本、韓国の研究者8人が発表。上海魯迅記念館の王錫栄館長をはじめ、国内外の研究者・専門家らが出席した。
 冒頭、名誉会長の祝辞が読み上げられた。
 その中で、名誉会長は、文豪・魯迅の信念のペンから放たれた「希望と連帯の哲学」に言及。心血を注いで青年を育てた教育者としての功績などに触れ、崇高な魯迅精神を世界に伝えながら、人道主義の勝利へ共に前進してまいりたいと呼びかけた。
 上海魯迅記念館の王館長は語った。「素晴らしい祝辞を、ありがとうございます。今後の魯迅研究の基調となるお話を伺い、大変に意義深いものとなりました」
 北京魯迅博物館の陳漱渝元副館長は、「池田先生の魯迅に対する深い思いが胸に響く内容で、感動いたしました」と喜びを述べた。
 汕頭大学の王富仁教授は、「池田先生は、表面的ではない、より本質的な魯迅の魂に触れておられます。そのような方は、日本ではまれであり、中国でも少なくなってきております」と共感を。
 さらに魯迅が願った中日友好についても、「池田先生こそ、両国の友好の希望の存在であられます」と信頼を寄せた。


永遠の友好を民衆の往来で 荊棘を開拓して道は出来る

いかなる時代の試練にも負けない!
「正義の旗」を青年に託す


 一、敬愛してやまぬ王錫栄《おうしゃくえい》館長はじめご列席の諸先生方。
 大文豪・魯迅先生の生誕130周年記念大会の開催、誠におめでとうございます。上海魯迅記念館の隆々たるご盛栄に心からのお祝いを申し上げます。
 新たな精神闘争に挑みゆく人にとって、それぞれに心の支えとする魯迅先生の言葉があるのではないでしょうか。私の胸にも、若き日より心に刻みつけてきた魯迅先生の叫びが変わることなく響き続けております。
 「路とは何か。それは路のなかったところへ踏み作られたものだ。荊棘ばかりのところに開拓してできたものだ」(竹内好訳『魯迅評論集』岩波新書)
 1960年、32歳の若さで、創価学会の第3代会長に就任する直前に、私はこの「生命の路」の一文を日記に書き記して、自らの決意を固め、今日まで開拓の人生を歩んでまいりました。
 その意味において、私の日々もまた、常に魯迅先生の勇気の魂と共にあったといっても過言ではありません。
 いかなる暗黒の時代にあっても、魯迅先生は信念の言論の光を灯し続けました。苦難の鉄条網をも踏み越えて前進する中で、希望の活路を切り開いてこられました。
 この魯迅文学を貫く、人類の不撓不屈の潜在力への信頼こそ、国を超え、時を超えて、試練と戦う青年を励ましてやまぬ、かけがえのない精神の宝ではないでしょうか。
 魯迅先生が若き日に留学なされた、日本の東北地方でも、私のよく知る青年たちが、今年の3月の東日本大震災から、懸命に復興への尊き汗を流しております。その奮闘する青年たちの胸にも、「我々は必ず光明をかちとらねばなりません」(松枝茂夫・竹内好編『魯迅選集第13巻』岩波書店)という魯迅先生と同じ決意が脈打っていることを、私は確信してやみません。
 希望がなければ、自分でつくればよい。前進する限り、希望はある──この魯迅先生の「希望の哲学」は、現代世界をいやまして赫々と照らしてくれているのであります。

恩師を宝とした魯迅先生

師を見ると たちまち良心がよびもどされ勇気も加わる
 一、魯迅先生は、民族を超えて心と心を通わせ、結合しゆく「連帯の哲学」を示し残してくださいました。
 今回の大震災の被災地でもある宮城県の仙台市の友が大切な誇りとしている縁《えにし》があります。それは、この地で結ばれた、魯迅青年と医学者・藤野《ふじの》厳九郎先生との師弟の絆であります。
 魯迅先生は、一人の留学生である自分を真心込めて薫陶してくれた師匠の学恩を終生の宝とされました。
 20余年の歳月を経て記された名作「藤野先生」には、「かれの写真だけは今でも北京のわが寓居の東の壁に、机のむかいに掛けてある。夜ごと仕事に倦んでなまけたくなるとき、顔をあげて灯《ひ》のもとに色の黒い、痩せたかれの顔が、いまにも節をつけた口調で語り出しそうなのを見ると、たちまち良心がよびもどされ、勇気も加わる」(竹内好訳『魯迅文集2』ちくま文庫)と綴られております。
 国家間の政治・経済次元の関係は、時とともに変化を免れないものでありましょう。しかし、教育・文化の次元で深く結ばれた人間の心の信義は揺らぎません。
 私は、尊敬申し上げる周恩来総理とお会いした翌年の1975年、貴・中国からの(日中国交正常化後)最初の6人の国費留学生の方々を、わが創価大学にお迎え申し上げました。その私の心には、魯迅先生や周総理が喜んでくださるような青年交流、人間交流の道を開きたいとの強い願望があったのであります。
 魯迅先生は「歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(竹内好訳『魯迅文集1』ちくま文庫)と達観されました。その通り、賑やかな青年の往来の積み重ねによって、貴国との平和友好の道は大きく築かれました。この潮流は、もはや決してさえぎることはできません。
 ありがたいことに、このたびの大震災にあっても、まさにその当日、貴国からは真っ先に支援の申し出を賜りました。2日後には初の緊急援助隊も駆け付けてくださいました。“文化大恩の国”からの真心に、皆が感涙しました。この場をお借りしまして、心から御礼申し上げます。
 一、思えば、大教育者でもあられた魯迅先生は、自らの心血を注いで青年を育て、そして命を賭して、正義の旗を青年に託されました。
 この魯迅先生の生涯を広く深く知らしめ、その獅子吼を若き世代の魂に打ち込まれゆく貴・上海魯迅記念館の使命は、あまりにも崇高であります。
 私が創立した創価学園の代表も、貴記念館を訪問させていただき、その感銘をこう記しております。
 「民衆を愛する心、悪を追及する正義の心を知りました。この感動を血肉に変えて、生涯の原点にしていきます」(高3男子)。さらに「魯迅先生が親孝行の人だったことや、中国人民を救いたい一心で正義の筆を執り続けたことに感動。中日友好、世界平和に尽くす人材に成長します」(高3女子)等とありました。
 魯迅先生の魂が青年に与える啓発が、どれほど重要か。貴記念館の展示が持つ“教育の力”が、どれほど大きいか。
 生誕130周年の佳節に当たり、私は改めて、王館長をはじめ、人類の遺産を受け継がれゆく上海魯迅記念館の皆様方の労苦に、満腔の敬意を捧げたいのであります。
 そして、希望の宝城である貴記念館のますますのご発展を、心からお祈り申し上げるものであります。
 魯迅先生は、人道主義が勝利を収める未来を鋭く展望しておられました。
 私自身、永遠の教師たる魯迅先生にさらに学び、その息吹を世界の青年に伝えながら、真の人道主義の勝利のために、一段と尽力することを、ここに固くお誓い申し上げ、私の祝辞とさせていただきます。
 諸先生方のご健勝を心からお祈り申し上げます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました」)(大拍手)
2011-09-28 : スピーチ・メッセージ等 :
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韓国・国立釜慶大学「名誉国際地域学博士号」授与式

韓国・国立釜慶《プギョン》大学「名誉国際地域学博士号」授与式     (2011.9.16 創価大学本部棟)

 韓国・釜山広域市の国立釜慶(プギョン)大学から、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉国際地域学博士号」が贈られた。SGI会長の長年にわたる世界平和・人類文化の発展への貢献、韓日友好への尽力等を讃えたもの。授与式は16日、東京・八王子市の創大本部棟で行われ、釜慶大学の朴孟彦《パクメンオン》総長、李炯基《イヒョンギ》大学院長、文昌權《ムンチャングォン》学生所長、姜命壽《カンミョンス》大学院チーム長が出席した。

朴総長の授与の辞

池田博士は韓日友好の懸け橋
核兵器廃絶、人権回復にも多大な貢献


 尊敬する池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に、国立釜慶大学の「名誉国際地域学博士号」を贈呈する意義深い場を設けさせていただいたことを大変光栄に存じます。わが大学は人類の共栄のために献身されてきた世界的指導者、池田SGI会長に敬意を表します。
 1971年に創価大学を創立。さらにSGIの会長として、世界平和と地球の未来を守・るために、生涯を捧げてこられたその努力は、今日、世界の人々に深い感動と恩恵を与え続けています。
 特に、池田SGI会長は国籍や民族を紹え、これまでに54カ国・地域を訪問され、各国の指導者など、世界の有識者との対話を通じ、人類の平和的な生活のために貢献してこられました。
 これらの功労が認められ、池田SGI会長は世界から700を紹える名誉市民証などを贈られ、300を超える世界の大学・学術機関から名誉教授の称号及び名誉博士の学位を授与されました。
 特に、韓国を「文化大恩の国」と称え、格別な愛情をもって、在日韓国人の参政権保障、韓日間の正しい歴史観形成などに力を注がれ、両国の友好協力において非常に重要な懸け橋の役割を果たしていらっしゃいます。
 このような世界平和、文化・教育の運動をはじめ、民族紛争の解決、核兵器廃絶、人権回復などに多大な業績を残した池田SGI会長に「名誉国際地域学博士」の学位を捧げることは、わが大学として大変意義深く、光栄の至りでございます(大拍手)。
 わが大学は1924年に韓国初の近代的工業技術教育機関として出発した釜山工業大学と、1941年に韓国初の水産高等教育機関として設立された釜山水産大学が1996年に国立大学として初めて合併し誕生した深い伝統をもつ大学です。
 教職員1400人、学生2万8000人、17万人の同窓生をもつ、韓国5大名門国立大学の一つであり、地球環境・エネルギー、海洋水産、ナノ(超微細技術)・バイオ(生物工学)・IT(情報技術)を融合させた技術など、韓国最高レベルの学問分野を通じて、地球環境を守り、地球に生きている全ての生命の価値を高める学問探究の先頭に立っております。
 わが大学は世界55カ国・地域から約1000人の留学生を受け入れております。
 本日、わが大学は池田大作名誉博士と新たな縁《えにし》を結ぶことになりました。「エコバーシティー(エコ・ユニバーシティーからの造語)」を目指し、地球環境と平和を守り、生命愛キャンペーンなど、人類の未来を導く人材を育成するため、今後ともご協力をお題い申し上げます。
 これからも、人類の進歩と発展のために、池田SGI会長の輝かしいご活躍を念願するとともに、ご健勝をお祈りし、また、わが大学から名誉博士号をお受けになられたことを、この場を借りて、お祝い申し上げます。
 結びに、池田SGI会長の名誉学位授与式のため、この場を設けてくださいました日本の創価大学学長と大学関係者の皆様、また、ご参席くださった皆様に感謝の言葉を申し上げます。
 ありがとうございました(大拍手)。

池田SGI会長の謝辞(代読)

正しき羅針盤で共生と繁栄の航路を


青年の力を伸ばし鍛えよ
朴総長
「汗を流して踏み出せば夢は可能となる」
韓国の思想家金九《キムグ》の言葉
「永久的な平和を樹立するには互いに永遠の友人になること」

 一、私が深く命に刻みつけてきた、貴国の先哲の叫びがあります。それは、千年余のいにしえ、貴・釜山の天地より、青き雄大な大海原を展望なされた信念の大文人・崔致遠《チェチウォン》先生の獅子吼であります。すなわち──
 「誓いの車輪の前に
 道の遠すぎるということがあろうか!
 智慧の大船の前に
 海の広すぎるということがあろうか!」と。
 「誓いの車輪」と「智慧の大船」を併せ持った人格ほど、強いものはありません。
 それは、いかなる険難の坂にも臆さず、堂々と理想に向かって前進する推進力であります。さらに、いかなる怒涛の嵐にも揺るがず、厳然と、大勢の人々を幸福と勝利へリードしゆく指導力であります。
 この大いなる力を、青年たちの魂に強く豊かに伸ばし鍛えることが、人間教育の真髄であると言っても、決して過言ではないでしょう。
 そして、その模範を示されゆく最高学府こそ、「地域・国・人類の明るい未来社会の創造」との大目的を高らかに掲げて、「開かれた思考」と「責任ある実践力」を兼ね備えた人材を育成しておられる貴・釜慶大学なのであります(大拍手)。
 一、偉大な名門の誉れに輝く貴大学より、本日、私は、最高に意義深き「国際地域学」の名誉博士号を賜りました。これほどの光栄はございません。厚く厚く、心より御礼を申し上げます。
 この栄誉を、私は、何よりもまず、敬愛する釜山をはじめ、貴国の良き市民として貢献をされている韓国SGIの友人たちと、深く広く、分かち合わせていただきたいと願っております。誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。

文化大恩の隣国

 一、古来、美しき山と川と海の三つの宝を抱えた、貴・釜山は、「三抱《さんぽう》の郷」と謳われてきました。
 一衣帯水の韓日の悠久なる交流史にあって、かけがえのない門戸となった「海の玄関」も、貴・釜山であります。
 なかんずく、釜山を出帆された貴国の通信使が、江戸期の日本にもたらしてくださった文化の大恩は、計り知れません。
 釜山に留学した対馬藩の碩学・雨森《あめのもり》芳洲《ほうしゅう》翁も、貴国の人々は物事を深く思慮されるゆえに、「我国の人よりは其智十倍せり」(『治要管見』)と心からの尊敬を寄せてやまなかったのであります。
 今年は、奇しくも、貴国から最後の通信使をお迎えしてより満200年の節目となります。
 貴国との「通信」は、文字通り、心と心の信頼を通い合わすものでありました。そこには、今日の国際地域学の気風にも通ずる、グローバルにして学際的な理解があり、啓発があったといってよいでありましょう。
 一、実は、東北の友人たちより、韓国の皆様方に、ぜひ尽きせぬ感謝をお伝えしていただきたいと託されていることがあります。
 それは、あの東日本大震災の直後、貴国が、直ちに大規模の救助隊を被災地に派遣してくださったことであります。積み重なった瓦礫や泥をかきわけ、あたかも自身の家族を捜し出すように、懸命に捜索に尽力してくださったことを、皆が胸に熱く焼きつけております。
 この席をお借りして、貴国の皆様方のご厚情に改めて御礼を申し上げたいのであります(大拍手)。
 一、さて、貴大学のシンボル・マークには、紺青鮮やかな「羅針盤」が描かれております。
 今、21世紀の厳しい荒波を進みゆく人類にとって、絶対に手放してはならぬ「羅針盤」とは何か──。その重要な指標を、私は地球環境と生命を守る、貴大学の「エコバーシティー」構想に仰ぎ見る一人であります。
 それは、「生命への畏敬を基盤に、地球上のすべての生命の価値を高めることに寄与できる学問の探究と人材の養成」という、誠に崇高なる教育の理念であります。
 この理念のもと、貴大学は、最先端の「海洋生命工学」を中心に、環境の保護や生態系の多様な価値の研究開発に、絶大なる成果をあげておられます。
 この貴大学の目覚ましい大発展を牽引される英邁なる大教育者こそ、ここにお迎え申し上げた朴孟彦総長であられます(大拍手)。
 総長が、世界で初めて南極大陸の「金」の鉱脈を発見された地質学の泰斗であられることも、私たちはよく存じ上げております。
 総長は、大地の中から、こつこつと「金」を探し出していくように、学生自身がいまだ気づいていない才能の「鉱脈」を、最善を尽くして掘り出したい、そして命を賭けるほどの思いで、大切な大切な学生の生命を「宝石」の如く磨き光らせたいと、真情を吐露されているのであります。
 私は感服いたしました(大拍手)。
 一、教育──それは、一人一人の青年のために、自らの生命をなげうって、その尊厳の価値を、どこまでも高めていく挑戦でありましょう。
 私ども創価教育の父である牧口常三郎先生も、この信念を断固として貫き通しました。戦時中は、生命の尊厳を踏みにじり、貴国を蹂躙した日本の軍国主義と断固と戦い抜き、獄死を遂げたのであります。私たちは、その後継の道を、何も恐れずに歩み抜いてまいりました。
 きょうは、うれしいことに、貴国からお迎えしている俊英の留学生の代表も出席してくれています。
 これからも私は、韓日をはじめ、世界の青年たちが、いやまして黄金の生命の光を輝かせていけるよう、力の限りを尽くしていく決心であります(大拍手)。


変化を追うな 変化を先導《リード》せよ
 一、学生の夢の実現こそ、大学の勝利であり、教育の勝利です。
 総長は、青年たちに「汗を流して踏み出す歩みこそが、その夢を可能にする」と励ましておられます。
 「自ら汗を流す。労苦を借しまず、一歩また一歩を踏み出していく」──ここに今、すべてのリーダーが立ち返るべき原点があるといってよいでありましょう。
 さらに──
 「変化を追うのではなく、先に変化をリードせよ!」と、総長は訴えておられます。
 いかに変化の激しい時代にあろうとも、地域社会に、また国際社会に、正しき羅針盤を持った人材が陸続と躍り出て、勇敢に舵を取っていくならば、乗り越えられないわけがありません。
 その歴史の先頭に立つ存在こそ、大学ではないでしょうか。
 一、釜山にも深い足跡を残された貴国の大思想家・金九先生は宣言されました。
 「我らがこれから永久的な平和を樹立するためには、互いに永遠の友人になることによってのみ、その目的を達成できるのである」と。
 尊敬する貴大学とご一緒に、わが創価大学は、永遠の友人として共々に、「平和の航路」「共生の航路」「繁栄の航路」を力強く切り開きながら、人類の勝利と栄光の港へ邁進しゆくことを、ここにお約束して、私の謝辞とさせていただきます(大拍手)。
 偉大なる釜慶大学、万歳!
 偉大なる韓日の青年、万歳!
 テダニ・カムサハムニダ!(韓国語で「大変に、ありがとうございました」)(大拍手)
2011-09-21 : スピーチ・メッセージ等 :
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魂の人間讃歌  ジャズと人生と仏法を語る 第13回

魂の人間讃歌  ジャズと人生と仏法を語る

第13回 アメリカの理想を詠う(2011.9.14/16付 聖教新聞)

希望は輝く!「不屈の一人」がいる限り

ショーター氏
新しい社会の建設は「対話」から
ハンコック氏
「開かれた心」「感謝の心」を広げ

ハンコック 池田先生、アメリカ創価大学へ、素晴らしい歌「希望の光」をプレゼントしてくださり、本当にありがとうございます。
 学生の皆さんはもちろん、私たちにとっても嬉しいサプライズでした。
♪希望の光を 世界に広げて
 自由と人道の旗を
 ついに朗らかに翻すのだ
 ・・・・・・ ・・・・・・ ・・・・・・
 この悩める世界が
 我ら皆を待ちわびている
 我らの勇敢なる心が
 その呼びかけに応じる限り……
 先生が綴ってくださった歌詞の一節一節が、試練に立ち向かう、すべての友への限りない励ましです。大いなる「希望の光」が、まさにアメリカ創価大学から輝き広がっています。
池田 ありがとうございます。開学10周年のせめてものお祝いにと、準備を進めました。
 歌をつくるということは、何度やっても大変です。喜んでいただき、安心しました(笑い)。
 お二人の盟友であるアメリカ芸術部の作曲家ウェイン・グリーンさんが、一緒に曲を練ってくれました。何度も打ち合わせを重ねて、見事に仕上げていただき、心から感謝に堪えません。
ショーター この時代の闇を払い、新しい歴史を開きゆこうとする「一人立つ精神」が漲る歌です。「新しい歴史を築け!」との師の呼びかけと、それに呼応する弟子の誓願によって、正しい精神が受け継がれ、未来へと流れていく──そうした姿が彷彿として描かれた歌です。
 私たちの同志であるウェイン・グリーンが先生と一体で作曲に当たったことも、何よりの誇りです。
池田 皆さん方が、いかに深く強く麗しい同志愛と友情で結ばれているか。よく存じ上げております。
 5年前に東京牧口記念会館で、お二人をはじめアメリカ芸術部の皆さんが力強い合唱「私は奮い立つ」を披露してくれました。一生涯、私の胸奥から離れない響きです。あの歌を作詞・作曲してくれたのも、ウェイン・グリーンさんでしたね。
ハンコック おっしゃる通りです。
 師弟不二の労作業で、新しい「希望の光」という名曲が生まれたことに感動を禁じ得ません。
池田 歌は、つくるに際しても、歌うに際しても、心と心を一つに結び、新しい創造の生命をわきたたせる、妙なる力を持っています。
 この夏、東北学生部が主催した音楽祭にも、ハンコックさんからメッセージをいただき、参加された友人も驚き、皆が喜ばれていたそうです。
ハンコック 光栄です。メッセージに記した通り、私自身、今も、日々演奏するピアノの鍵の一打一打に祈りとエールを込めながら演奏しています。被災者の皆様と一緒に歩みゆく思いでおります。
池田 ありがとうございます。
 メッセージには、「音楽には、何か起ころうと、それを生かして、春のように花を咲かせていく力があります」とありました。まったく同感です。
 この音楽の持つ究極の力を、お二人は人生を通して示し切ってこられた。東北の被災地の青年たちも、その魂を受け継ぎ、「ロック・ザ・ハート(心を揺り動かせ)」とのテーマを掲げて、力強く歌声を響かせました。
ショーター 尊い取り組みです。
 音楽は、大目的のために、また家族のために、自分自身のために、変革し、戦う力を与えてくれます。
 それは、試練が襲いかかってきた時に、逃げ隠れしたり、人に押しつけたりせずに、立ち向かっていく力です。
 たとえ、人生にひとたび絶望してしまっても、踏み止まって、再び生き抜いていこうと、立ち上がる力です。
池田 その力を、青年がいやまして奮い起こしていけるように、私たちはさらに励ましを贈っていきたい。
 以前、ショーターさんが敬愛を込めて語っておられた、偉大なサックス奏者ジョン・コルトレーン氏の忘れ得ぬ言葉があります。
 「悲しみや苦しみに打ち勝ち、乗り越えたあと、人は必ず強くなる。以前とは比べものにならないほどに」(『ジョン・コルトレーン インタヴューズ』小川公貴・金成有希訳、シンコーミュージック・エンタティメント)
 人類の前途には、これからも、さまざまな苦難が立ちはだかるでしょう。しかし、断じて乗り越えていかねばならない。また絶対に「変毒為薬」して勝ち越えていける力が、人間には具わっています。
ハンコック 今回の東日本大震災をはじめ、近年、これまでは考えもしなかった、今までの人生で見なかったような出来事や災害が増えてきています。
 現代の直面する挑戦課題は、人類が存続できるかどうか、そのものを問いかけています。だからこそ、大切なのは、どのように行動していくかです。
 私自身、さまざまな困難にもぶつかってきました。その中で学んだことがあります。それは、困難な環境そのものは一時的な事象で終わったとしても、その困難にどう対処していくかによって、永続的な影響がもたらされるということです。
ショーター そうですね。特に、人生における、いくつかの決定的な分岐点は無視することはできません。
 なかでも、9・11「米同時多発テロ」事件は、私に大きな影響を与えました。その後、私自身は新たな使命感を抱くようになりました。
        ♪
池田 「9・11」から、今年で10年──。私は妻と共に、犠牲になられたすべての方々に、あらためて懇ろに追善の祈りを捧げました。追善は平和の土台でもあります。
 光に満ちた希望の21世紀の幕開けが一転して、テロによる暗雲に覆われた衝撃は、言葉に言い表せません。
 「9・11」は、生命の尊厳を踏みにじる、いかなる暴力も断じて許さぬという「誓いの日」です。お二人は、あの日、どこにおられましたか?
ハンコック その日、私は事件のあったニューヨークのマンハッタンにいました。ホテルで、朝、仕事仲間の一人からの電話で起こされたのです。
 彼に言われるまま、テレビのスイッチを入れ、度肝を抜かれました。ちょうど2機目の飛行機が建物に衝突する直前だったのです。
 初めは、外国の軍隊が侵略してきたのかと思いました。何が起こっているのか理解できませんでした。ニューヨークは全くの混乱状態に陥り、私は4日間、そこから出ることができませんでした。
ショーター 私は、フロリダ州のマイアミにいました。私たちの住んでいたコンドミニアム(分譲マンション)のジム(体操施設)でランニングマシンを使いながら他の人々とテレビを見でいました。突然、ニュースキャスターが大きな声で叫び出しました。テレビ画面に衝突のシーンが何度も繰り返し映し出されていました。
 アメリカは「無敵」であるとの観念が突然、打ち砕かれる思いでした。
 なぜ、このような悲劇が起こったのか。人々は当初、「彼らはアメリカ人を僧んでいる」と言っていましたが、私は、もっと深い問題だと感じました。
 なぜなら、あの建物にいて犠牲になった方の中には、イスラム系の人々も大勢いたからです。本当に疑問だらけで、世界の出来事について自分がいかに無知であるかを思い知らされました。その時、アメリカに関する私の考えや気持ちに、変化や転換、超克、そして目覚めが生まれました。
ハンコック 当時、大変な混乱状態でした。我々に必要なことは、「我々の行為の何が、あの暴力行為につながったのか」「我々のやってきた行為の中に、あの暴力行為を引き起こす何かがあったのか」ということを反省するだけでなく、「人々にアメリカ人をもっと肯定的な目で見てもらえるようにするために我々のできることは何か」についても考えるように働きかけ、励ますことでした。
池田 傷つき苦悩するアメリカの人々と共に悩み、共に新たな蘇生の一歩を踏み出すため、お二人はそれぞれ、事件の直後から演奏のツアーに出られたと伺いました。
 仏法者として、芸術家として、人間として、やむにやまれぬ使命感にかられての行動だったと推察します。
ハンコック 私は当時、自分が正しい姿勢を持てるようにと、本当にたくさんのお題目を唱えました。ツアーの中では対話や癒し、立ち上がること、共通の長所を称え合うことの必要性について、単刀直入に発言しました。
 聴衆は、失われたものについての、重苦しく、悲しい、内省的な音楽を予想していたと思います。しかし、私は「そのような音楽は演奏しません。明るく楽しく、啓発的で、創造力と希望をかき立てる、まるで不死鳥が灰の中から昇ってくるような音楽にします」と言いました。
 アメリカは大丈夫です。元気になります。このような行為が2度と起こらない環境や世界をどうやったら創れるか、その答えを見つけるには人間の内面を見つめる必要があります」──このことを、すべての人々に伝えるために演奏ツアーを活用することが自分の使命であると思いました。
 すでに多くの言葉が飛び交っていましたので、長々と語りたくはありませんでした。スピーチは、ほんの数分、簡潔な言葉を述べるにとどめて、音楽のもつ歓喜と創造力に私たちの言いたいことを語らせました。
ショーター そうだね。どこで公演しても、アメリカの偉大さとか、アメリカになされた不正について語ったり、アメリカは天使で、中東は悪魔であるかのような話は、決してしませんでした。演奏を終えると、多くの人々が称賛の言葉を送ってくれました。聴衆の皆さんは「このような音楽がもっと必要だ。このような本物の文化がもっと必要だ」と言ってくれました。
池田 「文化の戦人」の信念に感銘しました。智慧を働かせて、聡明に皆をリードしていくことが、永遠に栄え続けていく道です。
 文化とは、人間性を破壊しようとする蛮性との闘争です。人間の絆を引き裂く分断との闘争です。生命の善性を目覚めさせ、結び合わせる戦いです。
 この「文化」の真髄の力を、いざという時に、お二人は全生命で発揮され、魂の共鳴を広げていかれたのです。
ショーター ありがとうございます。私自身、英語の「文化(culture)」という言葉は、極めて重要な価値と理念を表すいくつかの言葉の頭文字から成り立っていると思っています。
 Cは結びつき(connection)、Uは団結(unity)、Lは学ぶこと(learning)、Tは粘り強さ(tenacity)、二つ目のUは不屈(undaunted)、Rは弾力的な結合力(resilience)、Eは永遠(eternal)を、それぞれ示します。
池田 一つ一つが的確であり、重要な定義ですね。私も仏法者として、“暴力的な報復は、また新たな報復を生み、悪循環となる。相手の善の心を信じ、差異ではなく共通点を探すところから始めてこそ、平和は生まれる”と訴えてきました。
 テロの直後、アメリカで発刊された書籍『灰の中から』にも寄稿しました。
 「仏法では、『人間の生命は、全宇宙の財宝よりも尊い』と説く。その生命をいとも簡単に踏みにじるテロは、どんな大義や主張を掲げようとも、絶対悪である。ましてや、宗教の名においてテロが行われたとしたら、それは“宗教の自殺行為”であろう。人間を救うべき宗教にとって、絶対に許されるものではない」と。
ショーター 心から賛同します。
 『灰の中から』の副題は「米国へのテロ攻撃に応える心の声」でしたね。仏教、キリスト教、イスラム、ユダヤ教、ヒンズー教の各宗教を代表するリーダーをはじめ、世界の精神的指導者70人が寄稿しています。メディアでも大きく取り上げられ、多くのアメリカ人が求めて手にしました。
 池田先生は、そのなかで「たとえ時間がかかったとしても、人間にそなわる善性を信じ、そこに呼びかけ、働きかけていく『文明間の対話』という地道な精神的営為を、あらゆるレベルで重層的に進めていくことが肝要ではないだろうか」と呼びかけられています。
 まさに先生が示されている通り、理想の世界を創造するためには、「学習」や「対話」というプロセスが大切です。「急がば回れ」です。それは互いに学び合いながら、マイナスをプラスへと転換し、そして毒から薬を抽出していくプロセスです。
池田 私は、その翌春、インドネシアを代表するイスラム指導者のアブドゥルラフマン・ワヒド元大統領ともお会いし、新しい対話を開始しました。それは『平和の哲学 寛容の智慧──イスラムと仏教の語らい』という対談集として結実しました。今こそ宗教間対話が大事であるという思いが、互いに強くありました。元大統領が音楽をこよなく大切にされていたことも、懐かしく思い出されます。
 文化を愛し、芸術を愛する人間同士の対話は、あらゆる差異を超え、心と心を結んでいく──これも、ワヒド元大統領をはじめ、世界の知性と一致した結論でもあります。
ハンコック 私たちは、人々、特にアメリカ人を励まし、世界の人々や文化に感謝するよう促さなければなりません。なぜなら、この国は移民の国ですから、世界の他のすべての人々は、祖先をたどれは、私たちの兄弟姉妹であり、彼らの文化の中に私たちの文化の起源があるからです。
 アメリカ人が「開かれた心」を持ち、自分たちの社会の外側にいるかもしれない人々を理解し、その人々と対話し、そして、その人々に感謝するよう、励ましていくことが私たちの仕事です。
池田 「開かれた心」そして「感謝の心」──キーワードですね。ジャズの巨人コルトレーン氏も、万事において、互いに「理解するよう努める」ことを強調していましたね。「理解があれば、きっと想像もつかないことを成し遂げられる」(前掲書)と。
 ともあれ、暴力の連鎖に歯止めをかけるのは、「それでも対話を!」という人間の生命の奥底からの叫びであり、その粘り強い地道な作業です。
 対話こそ意志が生み出すものです。非暴力とは真理に基づく運動であり、真の強さの証しなのです。
ショーター 先生がおっしゃった、人の善性を信じ、語りかけるためには、自らの生命の境涯を上げなければなりません。そうすれば、対話が始まったときに肯定的な何かが生まれます。
 私は今、社会が「暴力」でなく、「対話」の選択肢へ向かっているような兆しを感じます。その「対話」への願望が「恐れ」から生じていなければ、なおさら良いことです。なぜなら、たとえ「対話」がなされても、そこに「恐れ」や相手を一方的に「判断」することがあれば、相手に耳を傾けていることにはならず、実りある「対話」にはならないからです。
池田 「対話」というものの本質を鋭く突く言葉です。かのケネディ大統領は、有名な就任演説の中で訴えました。「決して恐怖から交渉してはならない。しかし、決して交渉することを恐れてはならない」(ケネディ著『ケネディ登場』高村暢児訳、中央公論新社)。この「交渉」という言葉を「対話」と置き換えれば、そのまま対話の心得ともなります。
 対話は、相手次第ではなく、自分次第なのです。恐れに支配されることなく、勇気をもって自分自身の心を開き、相手と対等な立場で語り合うことです。
ショーター 敵と思う相手でも、真正面から向き合い、目と目で見つめ合えば、お互いが抱いていた偽りの想定の向こうにあるものが見えてきます。同じ人間として接する時、何かが起こるのです。敵愾心に代わる新たなものが見えてくるのです。それは、「開かれた心」への道です。
池田 その通りです。先ほどハンコックさんが言われた通り、異なる文化的背景を持って集った人々が建設した多様性豊かな大地がアメリカです。
 自由で気取らないアメリカ、明るく朗らかなアメリカ、創造性光るアメリカ──私の胸中に輝くアメリカは、虹のごとく多彩にして鮮やかです。

前進こそ勝利! 前進する人が勝者!!

ショーター氏
向上のチャンスは常に「今この時」
ハンコック氏

艱難を乗り越えてこそ道は開く!

池田 「9・11」事件は、アメリカ創価大学(SUA)の第1回入学式から、わずか18日後の出来事でした。その中で、誉れの第1期生は、SUAのモットーの一つ「平和連帯の世界市民たれ!」の意義を真剣に思索し、自分たちの使命を確かめ合いながら、力強く歩み出してくれました。
 SUAでは、あのテロで大好きな父を亡くした姉弟も学んできました。断じて負けないで、お母様を守りながら、懸命に学び抜いて卒業し、今、学究また教育の分野で大活躍しています。強く明るく生き抜くご一家の勝利の晴れ姿が、私は本当に嬉しい。
 ショーターさんとハンコックさんのお二人も、幾度となくSUAを訪問し、学生たちを励ましてくださいましたね。
ショーター 私たちこそ、アメリカ創価大学やアメリカSGIの青年たちに、いつも「希望の光」を送ってくださる池田先生に感謝申し上げます。
 アメリカには、青年への激励が必要だと感じます。なぜならアメリカの未来は、青年の手中にあるからです。
 そしてまたアメリカは、今後ますます、世界の舞台で、とても青年らしい役割を果たしていくと思います。建国200年を過ぎたばかりの最も若い大国の一つなのですから!
池田 私も、そう信じます。アメリカSGIメンバーは、青年を中心に「平和の文化の建設」展や「ビクトリー・オーバー・バイオレンス(VOV=暴力に打ち勝つ)」運動を展開し、全米に生命尊厳と人間革命の哲学の潮流を起こしました。VOV教材を使った「非暴力教育」は、地域の公立校でも採用されました。
 試練があればあるほど、生き生きと活力を漲らせ、一人一人が新たな可能性を開きながら、雄々しき挑戦の連帯を広げていく。私は、そこにアメリカの偉大な精神を感じます。そうした気風を心から尊敬し、愛する一人です。
 それはまた、仏法の精神にも通じます。妙とは「開く義」「具足・円満の義」そして「蘇生の義」と明かされている通りです。
ショーター アメリカは、合衆国憲法の精神とその意図していることを守らなければなりません。合衆国憲法には、さまざまな解釈が可能で、意見の不一致を生むような内容が含まれています。それらは憲法発布の当初から現在に至るまで政治的論議の中心的な問題となってきました。
 これらの問題は、私たちが自分たちで考える必要があり、一種の対話のきっかけとなるものです。合衆国憲法のこの特徴は、ジェファーソンをはじめ建国の父たちが意図的に盛り込んだものです。それをアメリカの若者たちは理解しなければなりません。
 私は、そうした対話についての発想は、「意見の相違があるとゲームで解決した」というアメリカの先住民の知恵からも学ぶことができると、ある本で読んだことがあります。しかし、それは本で読む以前に、池田先生に教えていただいたことです。
池田 アメリカは「青年の国」です。「永遠の完成」に向けて、決然と歩みゆく「未完成」──そこに、私は開拓の生命の躍動を感じます。
 人々は青年の魂を愛するように、その伸びゆく息吹に魅了されてきました。建国の父たちの発想に、先住民の知恵が合流していたことも、本来、青年らしい「学ぶ心」と無縁ではないでしょう。
ハンコック アメリカ、そしてアメリカの同志に対する先生の温かいまなざしと慈愛に感謝します。
 アメリカ合衆国は、希望に輝く世界である反面、移民の国としての建国の歴史の中で、不名誉な過去をもっています。先住民の大虐殺を犯し、奴隷を連れてきて、奴隷制度も用いました。それは、大変に汚れた過去なのです。
 にもかかわらず、今のアメリカの姿を見ると、長年にわたるこれら「過去」の行為の負の影響をしのぐ事業を、さまざまな形で開始しました。そこから新たな文化の形が現れました。
 例えば、アメリカの文化の形成は、音楽や言語やファッションに関して言えば、明白にアフリカ系アメリカ人社会のトレンドから直接、影響を受けており、これらの貢献は、アメリカ人の生活の中に深く取り込まれています。
 文化に対して開かれたこの態度は、アメリカの偉大さを表しています。下層階級の地位の低かった人々が、アメリカ文化を形成する上で、そのリーダーになったことは、まさに、アメリカの偉大さを示す一例です。
 今や、アフリカ人を父に持つ大統領も誕生していますが、それは終着点ではなく、アメリカがその偉大な未来性を今なお維持していることを示す、世界への明確なメッセージです。
        ♪
池田 アメリカの若々しい創造力は尽きません。そのみずみずしい文化が育んだ象徴的な詩人が、私も青春時代から親しんできたホイットマンです。
 ホイットマンの詠うアメリカとは、理想の社会、未来の来るべき社会としての“アメリカ”です。
 「“人の自主”をわたしは歌う、素朴な、個の人間を、
 が、それにもかかわらず口にする、“民主的”という言葉を、“大衆と一緒に”という言葉を」
 「わたしたちはここにぐずぐずしてはいられないのだ、
 愛する人々よ、わたしたちは進軍しなければならない、わたしたちは危険な矢面に立って耐えきらなければならない」(ホイットマン著『草の葉』富田砕花訳、第三文明社)
 個人の確立と民主主義を基盤とした人間の連帯。そして、そこに向けての誇り高き不断の前進と不屈の闘争──アメリカの理想と使命をホイットマンは誰にでも分かる言葉で詠い、呼びかけました。
 そうした“理想のアメリカ”と“現実の合衆国”のはざまで、貴国は揺れ動いてきました。
「9・11」という歴史的な試練にも遭い、今も多くの課題があるかもしれません。しかし、アメリカは必ず、ホイットマンが詠ったごとく、理想に向かって進み続けるでしょう。
ハンコック 本年、池田先生はホイットマン生家協会から「ウォルド・ホイットマン文学の英雄賞」を受けられましたね。あらためてお祝い申し上げます。
 アメリカで生まれたジャズも、一曲一曲は未完成といえます。演奏のたびごとに、完成へと向かっていく不断の挑戦です。
 だからこそ人々を引きつけてやまないのです。
ショーター 理想的なアメリカを思うと、これまで失われたり、あるいは疎かにされたり、見落とされてきた事柄があります。
 詩歌等の活字、および音楽や演劇を通しての文化交流は重要な役割を担っています。これらの文化的な表現手段を通して、お互いを理解し合い、私たちの理想的なアメリカの姿を思い描くことができるのです。アメリカ社会の現実生活の中に、理想的なアメリカが映し出されるべきです。
 果たして「アメリカの現実」と「理想のアメリカ像」は、合致しているのでしょうか。残念ながら、「ノー」と言わざるを得ません。現実のアメリカは、私たちが望むアメリカの姿を反映してはいません。だから、私たちは自分たちの思い描くアメリカを創りあげなければならないのです。
 私たちの目の前にあるアメリカは、実は、私たちの内なる生命、内面の思考・言葉・行動の表れです。アメリカ人は、長年の傾向として、内面的な思考や内省から逃避しがちです。また、人々はいつも「私の内面的世界は、あまりにも私的なものだ」と言います。しかし、それは、大いなる「心の財」を他の人々と共有しないことの弁解に過ぎないのです。
池田 大事な指摘です。
 仏法では「心の一法より国土世間も出来《しゅったい》する事なり」(御書563㌻)と説かれています。人間の「心の一法」のあり方で、国土も社会も大きく変えていくことができる。ショーターさんが言われるように、大いなる「心の財」を皆で共有する祈りと行動にこそ、この現実の社会に、人間共和の理想郷を一歩また一歩、築き広げていく道があるのです。
 詩や芸術も「心の財」の共有です。ホイットマン研究の第一人者であるエド・フォサム博士は、ホイットマンが考えていた「詩の本質」について、こう語られていました。
 「詩は、時代を超え、文化を超え、人々に開かれた“対話への心”を啓発する力を持っている」
 またホイットマンは、長い将来にわたり、合衆国にとって必要にして不可欠な問題として、「芸術を愛する国家へ変革していくこと」(ホイットマン著『民主主義の展望』佐渡谷重信訳、講談社)を挙げています。
 芸術は、内面との葛藤から生まれ、それを勝ち越えゆく力です。そこから“理想のアメリカ”を、さらに“理想の人類社会”を実現する生命の力が漲っていくにちがいありません。
        ♪
ショーター 私もそう念願しております。
 そしてアメリカは、今こそチャンスと捉えて、直面する困難な課題に取り組み、私たちの共通の未来に対する各々の役割を自ら進んで担っていく、そうした力を備えていると思います。それが、今、私の目に映っているアメリカの姿です。
池田 「理想への前進」とは「間断なき連続闘争」のことです。
 私が、青年たちに何度も贈ったホイットマンの詩に、こうあります。
 「さあ、出発しよう! 悪戦苦闘をつき抜けて!
 決められた決勝点は取り消すことができないのだ」(前掲『草の葉』)
 宇宙は、森羅万象すべてが前進しています。私たちも前進するしかありません。座していては後退です。朗らかな前進こそ勝利です。生き生きと前進する人が勝者です。その意味で、毎日が出発なのです。
 ホイットマンを敬愛し、黒人の桂冠詩人と呼ばれたラングストン・ヒューズは「アメリカを再びアメリカにしよう。今までありつづけた夢にしよう」(『詩・民謡・民話 黒人文学全集12』早川書房)と詠いました。
 いかなる苦難があろうと、遠大な夢をあきらめず、挑み続け、ついに実現する。ここに、アメリカの底流に脈打ってきた、不屈の青年の魂があります。人類は、この希望の光を、今再び、若々しく生命の最も奥深くから輝かせていく時を迎えています。アメリカをはじめ、世界の創価の青年たちが、その先頭に颯爽と躍り出ていくことを私は祈っています。
ハンコック 池田先生が、アメリカ創価大学に贈ってくださった歌「希望の光」には、次のような一節がありますね。
♪艱難に勝る教育なし
 いかなる闇も打ち破らんと
 我らはただベストを尽くすのみ……
 私の最新のアルバム「イマジン・プロジェクト」も、その完成まで、さまざまな困難を乗り越えなければなりませんでした。「もうダメか」と思うことも、何度もありました。
 しかしそのつど、唱題を重ね、御書を拝し、池田先生の指導に勇気をいただいて、不可能を可能にしたのです。
 そうして「艱難」を乗り越えて完成した作品が、私に音楽のみならず、さまざまな平和貢献の道を大きく開いてくれました。
 私たちはこの「希望の光」の歌を、師の信頼の励ましとして、命に響かせて前進していきます。
♪社会に打って出る
 我らの心は
 建設の絆で結ばれている
 我らは誓う
 正義の理想に向かって
 今日も対話の橋を架けようと!
2011-09-17 : 音楽を語る :
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「世界創価青年大会」へのメッセージ

「世界創価青年大会」へのメッセージ
         (2011.9.8 創価国際友好会館)

勝利の人生を! 不動の自身を築け

御聖訓
 三障四魔と申す障《さわり》いできたれば 賢者はよろこび愚者は退く


 一、ー閻浮提の壮大な広宣流布の歴史に輝きわたる「世界創価青年大会」、誠におめでとう!
 万難を排して尊き求道の研修に来日してくれた、海外の若き偉大なリーダーの皆さん方に、私は重ねて心の底から感謝します。
 三世十方の仏菩薩も、皆さん方に大拍手を送っているに違いありません。その大拍手は、皆さん方の胸から一生涯、消えないでありましょう。
 さらに、新時代を開拓しゆく、日本の精鋭の諸君も、本当にご苦労さまです。
 一、きょう、私が皆さんにお願いしたいことは、一人も残らず、この信心で、不動の自分自身を創り上げ、楽しく充実した、価値ある一生を送っていただきたい。そして、永遠の常楽我浄の大生命を勝ち開いていただきたいということであります。
 その深き大境涯の確立こそが、人類にとって、かけがえのない偉業であるからであります。
 日蓮大聖人は、「御義口伝」に仰せになられました。
 「始めて我《われ》心本来の仏なりと知るを即ち大歓喜と名《なづ》く所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」(御書788㌻)と。
 何ものにも壊されない、何ものにも崩されない「歓喜の中の大歓喜」の生命を生き抜いていくための根本の智慧──これが法華経の魂であります。
 皆さん方は、若くして、この金剛不壊の生命を感得していくために、仏法の絶頂の哲学である法華経を選び、信じたのであります。法華経の真髄に敵《かな》うものは、永劫にどこにもないでありましょう。
 それを知り、それを学び、それを実践し、弘めていける幸福は、最高無二の人生の境涯であります。
 全宇宙の中で、これほど尊く、これほど誇り高き栄光はあり得ないのであります。
 一、大聖人は厳然と示してくださっております。
 「夏と秋と冬と春とのさかひには必ず相違する事あり凡夫の仏になる又かくのごとし、必ず三障四魔と申す障いできたれば賢者はよろこび愚者は退くこれなり」(同1091㌻)
 どんな試練が襲いかかってきても、皆さん方は勇気を奮い起こして、崇高な使命の人生を生き抜いてください。
 若き生命をなげうって、人類の永遠の幸福と平和を建設する広宣流布のために、戦い、勝ち抜いていってください。
 自他共に、滅びざる仏の生命を築きながら、このうえない「所願満足」の人生を、強く正しく朗らかに飾っていっていただきたいのであります。
 皆さんの健康を、皆さんの幸福を、そして皆さんの未来永遠の勝利を祈ってやみません。
 わが若き同志、万歳!
 創価の青年、万歳!
 世界の青年学会、万歳!
2011-09-13 : スピーチ・メッセージ等 :
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新時代第51回本部幹部会/全国青年部幹部会への メッセージ

新時代第51回本部幹部会/全国青年部幹部会へのメッセージ
               (2011.9.10 東京牧口記念会館)

奮起せよ! わが創価の青年よ 勝ちまくろうではないか!

永遠に異体同心で前進!

日蓮仏法の真髄は──
 苦難に負けない勇気
 不幸な人を救う大慈悲


妙法は「変毒為薬」の大法
最も苦労した人が 最も幸福になる


 一、黄金の魂の光を放つSGIの青年研修会、また日本全国の青年部幹部会、そして本部幹部会、誠におめでとう! 本当にご苦労さまです。
 日蓮大聖人は、「法自《おのずか》ら弘まらず人・法を弘むる故に人法ともに尊し」(御書856㌻)と仰せになられました。ただ今の一節は、御本仏の御言葉であります。
 この大聖人の仰せのままに、私たちは尊く一生を飾っていくのであります。
 これほど幸福な正義の人生はない。皆さん方は、その最上第一の集まりです。
 皆さんの宿縁はあまりにも深く厚く、そして福運は無量無辺であることを、晴れ晴れと大確信し、胸を張っていってください。

平和の光を放つ若き地涌の連帯
 一、世間は多事多難であります。
 自然災害が相次ぎ、経済の不況も、いまだ深刻です。
 かのトインビー博士が喝破されたごとく、人類は、生存を脅かすさまざまな「挑戦」に、いやまして雄々しく「応戦」していかねばならない時を迎えています。
 だからこそ、私は声高らかに宣言したい。
 「世界に、わが創価の青年あり」 「人類に、我ら青年学会あり」と。
 私が青春時代、わが生命に刻みつけた「開目抄」の一節があります。
 「難を忍び慈悲のすぐれたる事は・をそれをも・いだきぬべし」(同202㌻)
 日蓮仏法の真髄が、ここに鮮烈に明かされております。
 それは、いかなる苦難があっても、絶対に負けない。どんな迫害にも耐え抜いていく忍耐であり、どんな強敵も打ち破っていく勇気であります。
 さらにまた、いかなる不幸の人であっても、断じて見捨てない。どんな苦難も一緒に乗り越え、どんな宿命も共々に勝ち越えていく大慈悲であります。
 大聖人の正統の尊き門下として、創価の三代の師弟は、この生命の極致の大道を断固と進み抜いてきました。一歩も退《ひ》かず、一度もぶれておりません。
 最も苦労した人が、最も幸福になれる。最悪の試練に打ち勝った生命が、最善の仏の生命となれる。
 この妙法の「変毒為薬」の大功力を、創価の師弟は一人一人の勝利の無数の実証をもって、人類に示し切ってきました。
 そして今、時は来たり、時は満ちて、全世界で若き地涌の菩薩が歓喜踊躍し、希望の光、平和の光を、いよいよ新鮮に放ち始めてくれている。
 私はうれしい。何よりもうれしい。
 一閻浮提広宣流布の未来は、盤石だからであります。

生き生きと!
 一、多彩にして麗しい「桜梅桃李」の世界の青年同志と共に、私は万感の思いを込めて、「異体同心事」の一節を、ここにあらためて拝したい。
 「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定《いちじょう》法華経ひろまりなんと覚へ候、悪は多けれども一善にかつ事なし」(同1463㌻)との仰せであります。
 どうか、この永遠に崩れざる、永遠に破れざる青年学会の「異体同心」の陣列を、一段と強く、一段と仲良く生き生きと拡大していってください。

皆、健康第一で楽しく朗らかに
 一、今月は、あの戸田先生の「青年訓」の発表から満60年になります。
 「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」と始まり、「奮起せよ! 青年諸氏よ。闘おうではないか! 青年諸氏よ」と呼びかけられております。
 この60年、私は、その通りに師匠と共に奮起し、同志と共に闘い抜いてきました。
 今再び、私は、「奮起せよ! わが創価の青年よ。勝ちまくろうではないか! 我ら青年学会よ」と叫んで、メッセージといたします。
 皆、健康第一で、何かあっても楽しく朗らかに生き抜いていってください(大拍手)。
2011-09-12 : スピーチ・メッセージ等 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.59/60

随筆 我らの勝利の大道 No.59/60
             (2011.9.9/10付 聖教新聞)

信心練磨の教学

我らには「変毒為薬」の妙法が

御書を心肝に染めて人生に勝利!
今こそ学べ! 叫べ! 「立正安国」の大哲理


 御聖訓
  ひたすら信じて
   励みゆけ
  大悪 起これば
   大善 来たると

 このたびの台風12号は、日本列島に激しい暴雨の爪痕を残しました。
 とくに紀伊半島の和歌山県・奈良県・三重県、また中国の岡山県・鳥取県、四国の香川県・徳島県など、甚大な被害を受けた地域の皆様方に、心より御見舞いを申し上げます。
 これまでも幾たびとなく拝してきた御聖訓ですが、日蓮大聖人は「大悪は大善の来るべき瑞相なり」(御書1467㌻)と御断言であります。
 いかなる災難があっても、永遠の幸福を勝ち開くための試練と転ずるのが、「変毒為薬」の妙法です。
 どうか、ますます「異体同心」の同志と励まし合い、支え合いながら、断固と乗り越えていってください。
 私も妻も、強盛に題目を送り続けてまいります。
 また悪天候の日も、聖教新聞を配達してくださる無冠の友の皆様方に、あらためて感謝申し上げるとともに、決して無理をせず、絶対に無事故第一でありますよう、重ねてお願いします。
        ◇
 我らには
  不滅の哲理
    持つ故に
  三世の財宝
   胸にかがやく

 「思想はなんという宝であろうか!」
 英国の著名な作家ブロンテ姉妹の一人、シャーロットの感慨である。
 宝石や邸宅も、美貌や肩書も、大切な宝であろう。しかし、それらは無常の移ろいを免れないものだ。
 思想という心の宝は揺るがない。朽ちない。
 なかんずく、「法華経は三世不壊の経」(同149㌻)である。この大法と共に生き抜く人生も、「三世不壊の生命」とならないわけがない。
 『英雄伝』の著者として名高い、古代ギリシャのプルタークは綴っている。
 「哲学を通じて、哲学と共にあってこそ、何が美であり何が醜いことであるか、何が正義であり何が不正であるか、要するに何を選ぶべきか何を避けるべきかを知る」
 人は苦難に直面した時、その人の底力、さらには、その人が信ずる精神の柱の真価が明らかになる。
 それを、現実の大地にあって証明し抜いている、真の哲人たちは誰か。
 あの阪神・淡路大震災や東日本大震災、また今回の記録的豪雨、さらに世界各地の幾多の災害にも勇敢に立ち向かう、創価の誉れの友である。
 「人がこの世に生まれてきた大きな目的は、人のために尽くすことにある。
 自己の名声や利益のためだけではないのであって、生まれてから死に至るまで、自分の周囲の人が少しでもよくなれば、それで生まれてきた甲斐があったというものである」
 岩手県盛岡市出身の偉人・新渡戸稲造博士の信条は、そのまま、わが同志の人生哲学である。
 日蓮大聖人は、「立正安国論」の中で、こう認《したた》められている。
 「世 皆正に背き人悉く悪に帰す、故に善神は国を捨てて相去り聖人は所を辞して還りたまわず、是れを以て魔来り鬼来り災《さい》起り難起る」(御書17㌻)
 大聖人が戦われた「悪」の本質とは、何か。
 それは、人間の生命を蔑視して、現実から逃避させる諦めの思想であり、民衆を隷属させ、人間を分断する権力の魔性であったといっても過言ではあるまい。
 人びとを不幸に陥れる邪義を打ち破るために、大聖人はただ御一人《おひとり》、万人が「善」の生命に目覚め、引き出す方途を示してくださった。そして、民衆が強く賢くなって、「善」の団結を広げゆく道を開いてくださったのである。
 大聖人が「立正安国論」を認められた契機は、鎌倉を襲った正嘉の大地震であった。
 時移り、今なお社会は、確たる哲学を痛切に欲している。大聖人に直結する、我ら創価学会が共生の仏法哲理を、いやまして勇気凛々と叫ぶ時なのだ。
 人間の孤立化という風潮を打ち破り、地域に密接なつながりを築き、利他の精神を漲らせゆく時なのだ。

「まことの時」は今
 東日本大震災で、座談会の会場であったご自宅も、家財道具も、一切合切、奪われてしまった多宝会のご婦人がおられる。
 信心50年、常に拝してきた御書も流されてしまった。しかし、「御書の234ページ」とページ数まで諳《そら》んじ、「開目抄」の一節を朗々と暗誦される。
 「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然《じねん》に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけん つたな(拙)き者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」
 かつて、私が全同志へ、「共々に心肝に染めよう」と呼びかけた御金言である。その通り、ご婦人は目をつぶってでも書けるほど覚えてこられた。そして「まことの時」の今、この御文を毎日毎日、わが命に刻みながら、「縁の下の力持ち」となって、地域の方々に尽くしておられるのだ。
 こういう尊き母たちこそが、大聖人から、まさしく「自然に仏界にいたるべし」と讃嘆される方々であると、私は声を大にして叫びたい。
 これが、創価の民衆による、生きた教学運動の奥深さである。
 9月12日は、「開目抄」に記された通り、竜の口の法難に遭われた大聖人が「発迹顕本」された日であり、民衆仏法の太陽が昇った日だ。
 この日は、わが学会の「教学部の日」である。

民衆救済は学会が
 東北の深き魂が燃ゆる詩人・宮澤賢治は訴えた。
 「われらは世界のまことの幸福を索《たず》ねよう
 求道すでに道である」
 民衆の幸福を築く智慧の宝典こそ、大聖人が残してくださった御書である。
 恩師・戸田城聖先生は、広宣流布のために、会長就任直後の6月、真っ先に『御書全集』の刊行を発願された。私も、御書の発刊に向け、懸命に師の大偉業を支えた。
 先生は烈々と叫ばれた。
 「学会精神というものは、日本の国、世界の国を救わんがためにやっているのです」「民衆救済の大責務は、創価学会の肩にかかっている」
 この大宣言のまま、私たちは御書を根本に、世界192カ国・地域へ大法を弘通してきた。明年で御書発刊から60周年となる。

翻訳されて世界へ
 思えば、大聖人が民衆のために、わかりやすく「かな文字」で書き留められた御手紙を、見栄っ張りな五老僧らは軽視していた。
 しかし、その御書が、いつの日か、必ず翻訳され、世界で拝読されていくことを展望しておられたのが、日興上人であられる。
 その通りに、御書は今、英語、中国語、韓国語、スペイン語など、多くの言語で翻訳されている。
 大聖人も、日興上人も、いかばかりお喜びくださることか。
 黙々と陰徳を積むが如く、真剣に奮闘してくださっている、現代の羅什三蔵というべき尊き最優秀の翻訳陣・通訳陣の方々に、私は心から御礼を申し上げたい。
 さらに教学試験も、本年は、日本の「青年部教学試験1級」、また、世界41カ国・地域でも15万人が受験して実施される予定である。

教学で人材を育成
 教学研鑽の波は、各大陸で活発であり、この夏、欧州では9度目となる教学研修会がイタリアのミラノで開催された。
 29カ国から集った同志のうち、実に6割が青年部であったそうだ。
 教学を通し、人材を育てる。学会の伝統は、世界にあっても変わらない。
 研修会では、四条金吾に与えられた22編の御消息文とともに、「諸法実相抄」が学ばれた。
 「諸法実相抄」といえば、ちょうど30年前、私が欧州を訪れた折、メンバーと共に学び合ったことも懐かしい。
 その際、「ヨーロッパをどう発展させていくべきでしょうか」と、一人の女性リーダーが質問された。
 私は、即座に、「信・行・学が根本です」と申し上げた。
 強盛なる信心、すなわち御本尊への絶対の「信」。
 自行化他の唱題、折伏を実践しゆく「行」。
 大聖人の民衆救済と忍難弘通の大精神が脈打つ御書を、心肝に染め抜く「学」。
 この「信・行・学」のたゆみなき精進こそ、広宣流布を伸展させゆく根本の機軸である。

「信心」を深めよ!
 ともあれ、信心は一生であり、その信心を深めるために教学がある。
 大事なことは、教学を学ぶなかで、「この信心はすごい」という喜びと確信が深まることである。
 朝晩、勤行・唱題に臨む姿勢が変わることである。
 悩みや苦難にぶつかった時、御聖訓を思い起こして、負けない「師子王の心」を奮い起こすことである。
 そして、広宣流布の同志と「異体同心」で歩む尊き使命を知り、誇り高く胸を張っていくことである。
 わが青年部よ、「信・行・学」という生命の最極の向上のリズムに則って、黄金の青春を走り抜け! と、私は祈ってやまない。

 大聖人
  君等を見つめて
    讃えなむ
  広宣流布の
   魂光ると

 C・ブロンテの言葉は『シャーロット・ブロンテ書簡全集/註解』中岡洋・芦澤久江編訳(彩流社)。プルタークは『モラリア1』瀬口昌久訳(京都大学学術出版会)。新渡戸稲造は『〔新訳〕一日一言』岬龍一郎訳(PHP研究所)。宮澤賢治は『宮澤賢治全集12』所収「農民芸術概論綱要」(筑摩書房)。

さあ今日も御書を開こう!
「法華経の兵法」の実践者たれ


「行学の二道をはげみ候べし」
世界に「希望の柱」を打ち立てよ



 今日もまた
  強く明るく
   生き抜かむ
  大聖人と
    共に共にと

 今日も、御書を開き、御書を拝し、御書を学ぶ。
 それは、御本仏であられる日蓮大聖人と常に御一緒に、この人生を歩み、戦えるということである。
 大聖人は、若くして夫に先立たれ、幼子たちを育て上げてきた南条時光の母に語りかけておられる。
 「夫れ浄土と云うも地獄と云うも外《ほか》には候はず・ただ我等がむね(胸)の間にあり、これをさと(悟)るを仏といふ・これにまよ(迷)ふを凡夫と云う、これをさと(悟)るは法華経なり、も(若)ししからば法華経をたも(持)ちたてまつるものは地獄即寂光とさとり候ぞ」(御書1504㌻)
 最も深遠な生命哲理が、最も簡明に説かれている。ありがたい仏法である。
 たとえ、いかなる地獄の苦しみの淵にあろうと、わが胸に仏の命を厳然と顕現していける。今いる現実のこの場所で、妙法を唱え抜き、断じて寂光の都を築いていくのだ。絶対に誰人たりとも、自他共に永遠に崩れざる幸福の境涯を開いていけるのだ。
 そのための信心である。
 そのための教学である。
        ◇
 大聖人が、繰り返し、戒めておられたことがある。それは「用心」という一点である。
 「かまへて・かまへて御用心候べし」(同1133㌻)
 「心にふかき・えうじん(用心)あるべし」(同1176㌻)
 「よる(夜)は用心きびしく」(同1164㌻)
 「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(同1169㌻)
 大聖人は、人生の試練と戦う門下を、断じて勝たせるために、絶対に油断しないよう、何度も何度も厳しく注意してくださっていると拝されてならない。
 人間とは、残念ながら、どうしても油断してしまう生き物である。だからこそ師匠は弟子を甘やかさない。あえて、厳愛の指導を重ねて、勝利への正道を歩ませてくださるのだ。
 「法華経の兵法」といっても特別のことではない。
 それは「前前の用心」(同1192㌻)を怠らず、油断を排し、たゆまず題目を真剣に唱え抜き、行動していくことが、一切の根本であることを忘れまい。
 「賢善の人は希に愚悪の者は多し」(同493㌻)
 この「賢善の人」として、賢く正義の人生を全うしていくための道が、御書には完璧に示されている。
        ◇
 科学技術によって発展してきた現代文明も脆く崩れやすいことを、今、皆が痛感している。文明の在り方、人びとの生き方を足元から見直し、社会全体で、もう一歩、万全の備えを心していく時であろう。
 蓮祖は仰せになられた。
 「賢人は安きに居て危きを歎き佞人《ねいじん》(=邪《よこしま》な愚者)は危きに居て安きを歎く」(同969㌻)
 重大な御聖訓である。
 指導者は、人びとの尊厳なる生命を断じて守り抜くため、「安きに居て危きを歎く」という透徹した責任感に立たねばならない。
 創価学会が、ここまでの大発展を成し遂げたのも、御書の仰せに寸分違わず、3代の師弟が「一念に億劫の辛労」(同790㌻)を尽くし抜いてきたからである。それを甘く考えて、慢心を起こせば、崩されてしまう。
 ゆえに後を継ぐリーダーは、広宣流布のため、創価学会のため、もっともっと苦労してもらいたい。そして、もっともっと力をつけ、成長してもらいたい。

増上慢になるな!
 「すりはむどく(須梨槃特)は三箇年に十四字を暗《そら》にせざりしかども仏に成りぬ提婆は六万蔵を暗にして無間に堕ちぬ」(同1472㌻)と、御書には峻厳に警告されている。愚鈍といわれた須梨槃特は弟子の道を貫いて成仏し、膨大な経を知っていた提婆達多は仏に背き、無間地獄に堕ちた。
 要するに、教学ができるから偉いのではない。よく知っているというだけなら、世間の知識とどこが違うのか。
 教学ができることと、信心があることとは、そのままイコールではない。これまでも教学を得意にふりかざしながら、退転したり、反逆した愚かな増上慢が出たではないか。
 我らの人生の根本目的は、一生成仏であり、広宣流布である。それは「法華経の兵法」をもって、信心一筋で怒濤の中を戦い抜いていくしかないのだ。
 偉大な信心の行者、信行の勇者に成長するための教学である。ここをはき違えては、絶対にならない。
 戸田先生は、「学問的な研究の教学」と「信心で掘り下げていく教学」があると言われたことがある。
 不二の師弟として、戸田先生も私も、「信心で掘り下げていく教学」で戦ってきた。だから学会は勝った。実践のなかで教学を学んだ学会員が堂々と勝ってきたのだ。

95歳の多宝の母が
 先日も、95歳の多宝のお母様が、慈愛と大確信で仏法を語り、84歳の後輩の方を折伏されたという報告を伺った。このお母様は、幼い頃から奉公働きの毎日で、十分に学校に通う機会もなかった。
 しかし、学会という民衆大学で、実践の教学を身につけてこられた。
 だから強い。お子さんやお孫さん方も皆、世界広布、地域広布の立派なリーダーに育っておられる。
 「諸法実相抄」は、有名な御文で締め括られている。
 「行学の二道をはげみ候べし、行学た(絶)へなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ、行学は信心よりをこるべく候、力あらは一文一句なりともかた(談)らせ給うべし」(御書1361㌻)
 この精神に徹しゆくなかにこそ、学会の未来永劫にわたる勝利はあるのだ。

御書根本に大阪で
 御書には無限の希望があり、勇気が湧き、未来がある。人生勝利の智慧が湧き、確信が深まり、戦う心が燃えてくる。
 ただ御書を身で拝してこそ、いかなる不可能をも可能にしゆく利剣を持《たも》つことができるのだ。
 あの「“まさか”が実現」の大阪の戦い──。
 私たちは最初に拝した。
 「何なる世の乱れにも各各をば法華経・十羅刹・助け給へと湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり」(同1132㌻)
 この御金言を皆が深く命に刻みつけ、揺れ動く時代に、大確信の祈り、強盛なる信心から出発した。
 仕事をはじめ、経済苦に悩む友とは「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(同1253㌻)を拝した。
 今は冬のごとき生活であっても、まじめに信心を貫けば、必ず春のような悠々たる未来が開けると励ました。そのように、個人個人の状況や行動に当てはまる御書を拝読し、実践の教学の重要性を伝えていった。燃え上がる求道の心。そして戦う師弟の教学が、勝利を開いたのだ。
 この昭和31年に行った教学試験も、試験のための試験などではない。幸福勝利のための試験であった。一騎当千の闘士を鍛えるための試験であった。
 大聖人は、法華経の文字について「肉眼《にくげん》の者は文字と見る二乗は虚空と見る菩薩は無量の法門と見る、仏は一一の文字を金色の釈尊と御覧あるべきなり即持仏身とは是なり」(同1025㌻)と教えられている。
 同じ御文であっても、拝する境涯や一念の作用によって深さが変わる。
 御書根本に戦おう!
 そう決めて、学び抜く人には、無限の力が涌現するのだ。
        ◇
 戸田先生は、昭和25年の暮れ、御書を学ぶ姿勢を教えてくださった。
 「太平洋のような境涯で、この御書を拝していくことだ。そうでなければ、御本仏の御心に近づくことはできない」
 当時、戸田先生の事業は破たんし、学会の理事長も辞任。多大な負債を抱えて苦闘の渦中であった。
 しかし、明日をも知れぬ苦境の中でも、恩師は、悠々たる大境涯であられた。
 私たちも、御書を開くたびに、この師の指導の如く、大聖人の御精神を、「仰せの通り」「御文の通り」と、深き信心で拝していくことである。

開目抄を命に刻み

 今、青年部は10月に行われる「青年部教学試験1級」を目指し、向学の汗を流している。そして、学んだ歓喜を友に語り、友情を大きく広げている。

 大鵬《おおとり》の
  空をぞかける
   姿して
  千代の命を
   くらしてぞあれ

 この和歌は、「開目抄」の講義録が発刊された折、戸田先生が、その第1号に揮毫して、私にくださったものである。
 今回の1級試験の範囲にもなっている「開目抄」は、私も青年時代から生命に染め抜く思いで拝してきた。
 入信して数年後、青年部の友人宅に泊まり、月の光が差し込む中で、夜半まで学び合ったことも、金の思い出である。
 「詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん」(同232㌻)
 今こそ一国の罪障を消滅させ、人類の無明を断ち切るのだとの、御本仏の不惜身命の大精神が胸に迫る。
 私も第3代会長に就任した日に、この御文を命の奥底に刻印し、広宣流布のために身を捧げてきた。そして、牧口先生、戸田先生の遺言の一切を実現した。
 牧口先生は軍国主義に立ち向かい、過酷な取り調べと劣悪な獄中生活を強いられた。しかし、入獄3カ月後の昭和18年10月、クマ夫人と嫁である貞子さんに宛てた書簡で、こう綴られている。
 「一個人から見れば、災難でありますが、国家から見れば、必ず『毒薬変じて薬となる』という経文どおりと信じて、信仰一心にしています」
 「開目抄」には、「今《い》ま日蓮・強盛に国土の謗法を責むれば此の大難の来《きた》るは過去の重罪の今生の護法に招き出だせるなるべし」(同233㌻)等とある。
 この御文のままに、先師は、国土に充満する謗法と命を賭して戦う覚悟であられた。そこに自身の宿命転換があり、その先に、平和な社会を展望されていたのだ。
 「開目抄」は、大聖人が御命にも及ぶ流罪の佐渡で認められた重書中の重書である。
 3代の会長は死身弘法の精神で、色読してきた。
 戸田先生は言われた。
 「妙法のゆえに、牢獄に入り、難を受け切ってきたからこそ、大聖人の仏法を本当に会得できた。ここに学会教学の原点がある。
 この魂を伝えていかねばならない。わが青年部は、時間を惜しんで、真実の師弟の教学を身につけよ!」
        ◇
 今回、1級試験を受験する若き友も、講義を担当してくださる先輩幹部の皆様も、本当に大変であろう。
 しかし、教学の研鑽は、皆が仏になりゆくための仏道修行である。合否を超えたものだ。この甚深の意義に思いを馳せながら、青年らしく、学会っ子らしく、勇敢に、聡明に、忍耐強く、勝負強く、挑戦していただきたい。
 大仏法を学び、行ずる尊い努力に、功徳は無量無辺であり、子孫末代まで流れ通うことは、絶対に間違いない。
 ともあれ、2013年、そして、創立100周年の勝利を開く重要なこの秋──。
 勇んで御書を幡き、人生勝利の劇を綴りゆこう!
 学んだ歓喜を心広々と語りながら、日本社会に、そして世界に、勇気と希望の哲学の柱を打ち立てていこうではないか!

 我が人生
  大聖人に
   包まれて
  朗らか王者と
   勝利の長者と
2011-09-11 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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新しき地球社会の創造へ  平和の文化と国連を語る

新しき地球社会の創造へ  平和の文化と国連を語る
  アンワルル・K・チョウドリ対談
 潮出版社 2011.9.8刊 ¥1524+税

第1章 豊かな自然と人間の大地「黄金のベンガル」
 平和提言を一貫して発信
 文筆家の父から学んだ読書の大切さ
 優しい母から教わった他人を思いやる心
 常に新たな挑戦を求めて

第2章 母国独立へ――不屈の闘争
 美しき天地「黄金のベンガル」
 すべての人を詩人にするバングラデシュの自然

第3章 精神の巨人タゴール
 青年の連帯を世界に
 外交官を志望 父母の恩
 民衆が独立を求めた
 命を懸けて守られた母国語
 快適な生活を捨て独立の闘士へ
 気高き“親子一体”の闘争
 常に朗らかな歌声とともに
 「平和の文化」に対する情熱と信念

第4章 「全人教育」と人間のための宗教
 若き心を鼓舞した壮大な魂の叫び
 宇宙大のヒューマニズムと人類愛
 タゴールを育んだ美しき自然
 自由を求めゆく勇気ある前進のドラム
 現代社会に必要な詩心の復権
 青少年の心を触発する詩を
 偉大なる詩人誕生の決定的瞬間
 苦難と試練を乗り越えて生まれた珠玉の詩編
 困窮する民衆への深い同苦と怒り

第5章 「平和の文化」を人類の規範に
 タゴールの掲げた理想の教育と平和の夢
 教師5人、生徒5人で始まった
 人間教育に欠かせない自然との触れ合い
 青年は、悪と戦う正義の心を
 自分自身が学ぶことが教育の原点
 人間の尊厳を高らかに謳う宗教を
 ガンジーとタゴールの宗教観
 「平和の文化」の創造に必要な宗教と教育
 人類の幸福に欠かせない「平和の文化」の建設
 未来を担う子どもたちに光を
 心に残る「子どもの人権展」
 善なる「女性の声」が世界に平和をもたらす
 子どもたちは平和の大使
 子どもを戦争の道具にする恐るべき現実
 「子どもとして、もう一度生まれたい」
 「心の刀を捨てよ」
 子どもたちの心の破壊は未来の破壊そのもの

第6章 子どもの権利を守る世界を

 子どもの笑い声に希望の未来が
 子どもたちは未来からの使者
 「子どもの権利条約」を最優先政策文書に
 コルチャックの崇高な思想
 どこかで苦しんでいる人がいることを忘れない
 子どもの命を守ることが「人間の尊厳」を守る
 一人の女性の教育に希望の広がり
 日本の批准のために奔走
 たえず力を新たに新しい道を求める
 身近なところから始める変革への挑戦

第7章 “地球民族の要”としての国連

 一人一人の顔が浮かぶような目標を
 人間の“内なる変革”こそ人類の平和の基盤
 国連なき世界はカオスに
 新しい息吹が国連にもたらされた時代
 国連を人類共闘の足場に
 どの国も孤立させてはならない
 「国連を守る」ことは「未来を守る」こと

第8章 “人類の議会”を支える基盤
 家族的なよき雰囲気を大切に
 現場の声に耳を傾ける生きた学問を
 国連に未来展望の機能を
 具体的な提案と行動が大切
 「人類の議会」と未来を担う青年たちをつなぐ
 国連の活動に青年が参加する道を
 青年の情熱を広い心で包容
 「平和の文化」構築のカギは教育

第9章 「弱者の側に立つ国連」の使命
 世界金融危機が途上国に及ぼす影響
 21世紀を断じて「アフリカの世紀」に
 人間の尊厳こそ社会の根本
 声なき国々の代弁者に
 大義を我が身のこととして
 「同苦」の心が「慈悲」と「勇気」の源泉
 大確信と情熱が青年の心を燃え立たせた
 “生活の再建”“幸福の復興”を最大の眼目に

第10章 民衆の幸福のための人間開発
 途上国を襲う「気象災害」の悲劇
 水没の危機に見舞われる島嶼国
 「人間開発」と「国民総幸福量」
 世界が期待する国連たれ
 青年の光る瞳と女性の輝く笑顔
 使命感と決意をもって極貧の人々のために働く
 「グローバル・マーシャルプラン」の実施を
 「汝の力を強く信ぜよ」

第11章 女性こそ平和創造の主役!
 母と子をテーマにした展覧会
 “不屈の心”で闘い続ける勇気ある母
 女性が幸福を満喫できる社会を
 平和の学問を教えるのは女性
 女性の参加なくして永続的な和平の実現はない
 女性の声は未来からの声
 男女の真のパートナーシップの時代

第12章 家庭は希望の未来を築く土台
 家庭こそ平和の出発点
 壮大なる「人間」触発の大地
 「一家和楽」の家庭を築くポイント
 夫婦とは一つのチーム
 困難に立ち向かう親の姿を子どもたちに見せる
 「艱難に勝る教育なし」

第13章 時代を変革しゆく青年の力
 新しい発想で新しい変革の波を
 青年を育てるのが真の指導者
 すべての教育機関で「平和教育」を
 若者との対話が「平和の文化」を創造
 開かれた心こそ青年の特質
 青年の「学ぶ心」が未来の希望
 偉大な人物との出会いこそ最高の勉強
 すべての変革は勇敢なる「一人」から
 子どもが親を変える

第14章 世界市民の揺るぎない連帯を

 アメリカ創価大学で特別講義
 教育の根本目的は子どもの幸福
 女性の社会参加が世界を平和に
 世界市民教育の土台となる教科書を
 “世界という書物”“人間という書物”
 「平和の文化」とは庶民が力をつけること
 失敗からも大きく学べ
 国境を超えた学生の交流が未来を開く
 世界の平和は子どもたちから
 創造の主役は青年と女性
 「平和の文化」の壮大な連帯を
2011-09-06 : 文明間対話 :
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名誉会長 折々の指導 1~20(完)

折々の指導 20(完) (2012.1.31付 聖教新聞)

師弟で勝利の土台を築け

〈後継の友へ〉
 「今までの100倍、力を出そう! それくらいの気概を持たなければいけない。どんなに厳しい状況であっても、その中で悪と戦い、善を伸ばしていくことだ。
 いくら才能があっても、広布のため、学会のため、師匠のために戦う心が燃えていなければ、勝利の道を開くことはできない。
 師弟──この一点があるかどうか。すべては、これで決まる。
 心に師弟があれば、人を見下したり、増上慢になりはしない」
 「嵐の中で、勝利の土台を築くのだ。
 皆を救いたい。守りたい。励ましたい。その強い一念をもって戦い抜いていけば、それがそのまま永遠の歴史になっていく。
 たとえば、話は下手でも、真剣勝負で広布へ戦う。どんなところでも、真面目に誠実に戦う。その人が学会っ子であり、大事な人材なんだ。
 自分の力を振り絞るのだ。必死で祈り、戦えば、力は無限に湧いてくる」

折々の指導 19 (2012.1.29付 聖教新聞)

信心の根を張れ


〈家族が病気と闘っている同志に〉
 「心配だろうけれども、御本尊があるのだから。信心があるのだから。しっかり祈って乗り越えていくのです。
 周りがさびしい顔をしていてはいけない。仏法の眼から見れば、すべてが永遠の幸福をつかむための現象である。生き生きと、希望をもって、人生を信心で生き抜きなさい」
 「広宣流布のために学会活動をしないと宿命転換はできない。
 病魔と闘う家族のためにも、自分が猛然と立ち上がり、学会活動することだ。
 『いかなる病さは(障)りをなすべきや』(御書1124㌻)
 日蓮大聖人の御言葉には絶対に嘘がないことを信ずることである」
 「大変な日々もあるだろう。忍耐強く、時を待つことだ。
 冬は芽が出ない。しかし、根を張っていれば、春になれば、芽が出て、花が咲く。
 信心とは『根を張ること』である。すぐに芽が出なくても、厳然と生きるのだ。たとえ今、思うようにいかなくとも、必ず幸福の大樹となっていく。
 信心の根を張った人には、所願満足の春が必ず来る。
 一人も残らず、健康で幸せになってもらいたい。これが私の祈りである。
 どうか、勇気ある信心を貫いて、ご一家で最高の人生を勝ち開いていただきたい」

折々の指導 18 (2012.1.23付 聖教新聞)

女子部が輝けば世界が輝く

〈女子部の弘教・拡大の報告に対して〉
 「女子部は、本当によく頑張っている。
 歴史に残る大偉業だよ。功徳は大きい。
 その功徳は、生涯の幸福の宝となっていく。広布に生きる福徳は無量無辺です。
 日蓮大聖人は、『この功徳は、あなたの父母・祖父母、さらに無辺の衆生にも及んでいくでしょう』(御書1231㌻、通解)と仰せになられた。
 信心さえ不退であるならば、自分が希望の太陽となって、周囲を照らすことができる」
 「女子部は、自分が境涯を高めるだけではなく、縁する皆の境涯を高めていける。心を明るくしていける。
 女子部の前進は、各部全体の前進に連動していくのです。
 これまで以上に、女性を尊重することが、一切の未来を開くことになる。
 これを指導者は心に刻むべきです。
 女子部を大事にし、女子部が生き生きと輝いていくことが、広宣流布を拡大する上でも一番の要だ。幾重にも喜びが広がる。
 希望と勝利の門を開く、全部の基は女子部だよ」

折々の指導 17 (2011.12.24付 聖教新聞)

わが責任を果たし抜け

〈後継の友に〉
 「君が勝利の歴史をつくるんだよ。
 広布に戦えば、末代まで功徳がある。仏の境涯になれる。多くの人を救っていける。
 私は命がけで、世界広布の土台を築いた。経文には『不惜身命』と仰せだからだ。
 どれだけ力があるか。歴史を動かせるか。自らの生きた証しを刻みつけるのだ。
 仏法は勝負だ。社会も勝負だ。決して油断してはならない。
 勝つためには、浮つかないで、誰が見ていようがいまいが、師匠に誓ったわが責任を、最後の最後まで果たし抜くのだ。
 師匠に喜んでもらいたい。ただ、その一心で、私は戦った。皆も、力をつけるのだ。新しい時代を建設しようではないか」
 「本当のリーダーの戦いは、まず自分が前へ進むこと。その姿を見て、皆は奮い立つ。
 自分が前進しなければ、どんな立派なことを言ってもダメだ。やっているふりだけでは人はついてこない。
 きょうも、どれだけの人と会い、語り、励ましたか。どれだけ祈り、智慧を出し、新しい道を開いたか。
 いくら時間をかけても、口先は立派でも、効果が出ないといけない。
 勝つための手を打っていく。それが戦《いくさ》だ」

折々の指導 16 (2011.11.17付 聖教新聞)

会館は民衆の幸福の城

〈会館の防災についての報告に対して〉
 「しっかり頼む。無事故・安全を勝ち取るうえで、労を惜しんではいけないよ。
 学会の会館は、民衆の『幸福の城』だ。
 平和と文化を広げる『外交の城』だ。
 勝利へ打って出る『攻めの城』である。
 歴史をつくる戦いは全部、城が中心だ。
 会館を守り、運営に携わる創価班、牙城会、白蓮グループの皆さん。壮年部の王城会、婦人部の香城会、会館守る会の皆さんなど、広布を支えてくださる全ての方々に、心からの感謝を捧げたい。
 自宅を広布の会場として提供してくださっている皆様方にも、深く御礼申し上げたい。
 この方々こそ、学会の宝だ。生々世々、わが生命に幸福の大宮殿を開きゆくことは、御書に照らして絶対に間違いありません。
 私は、毎日、一生懸命、全同志の健康と無事故を、そして大福運に包まれるよう、朝晩、ご祈念しています。これが私の使命であり、根本的精神です」

折々の指導 15 (2011.11.8付 聖教新聞)

誠実で光るリーダーたれ

〈各部の代表に〉
 「すべて、何をやるにしても、大事なことは、折伏精神だよ。
 その点をはずしたら、人は育たない」
 「学会は、真面目で、真剣で、皆の幸せを願う世界だ。皆のことを心配し、皆のために苦労・努力する。それが創価学会だ」
 「幹部になればなるほど、誠実にいきなさい。
 口だけ上手、それではいけない。真実の行動、懸命な行動がなければいけないよ。
 そして、ひとたび広宣流布の戦いに挑んだならば、『仏法は勝負』だ。
 同志の皆さんのことを思えば、負けるわけにはいかないじゃないか。
 断じて勝つために、どうすればいいのか──皆で題目をあげ、団結をして、智慧を出すのだ。
 今こそ、広宣流布の基盤を盤石にしていくことだ」
 「戸田先生にお応えしようと、私も広布の道を開くために、苦労したよ。真剣だった。
 真剣な人には、誰もかなわない。誠実な人には、必ず結果が出る。
 その人によって学会は支えられてきたし、学会はまた、築かれていくんだよ」

折々の指導 14 (2011.10.25付 聖教新聞)

勝利の太陽を昇らせよ

〈後継のリーダーへ〉
 「どれほど苦労して、創価学会の礎がつくられたか。それだけは、よく、わが生命に刻んでいくんだよ」
 「私は世界的な学会を築いた。恩師・戸田先生の苦労を、わが身の苦労として尽くしました。平和のために。広宣流布のために。
 師匠に尽くす心を持《たも》ち続ける人は、偉い。それがなければ、いくら功成り名を遂げても偉くない。いつしか行き詰まるものだ」
 「どこまでも純粋な気持ちで、師匠を宣揚していくことが、結果的に勝利となる。
 戸田先生から教わったことも、その一点だ。簡単なようだが、これが不変の真実だ」
 「戸田先生の事業が挫折した時、多くの人は逃げ去った。私は、ただ一人、先生をお守りし抜いた。
 すべてを先生に捧げた。少しでも先生がお元気になればと、それだけを祈り、戦った。題目を、あげて、あげ抜いた」
 「ようやく事態が上向きになった時、戸田先生は『大作! 太陽が昇った感じがする』とおっしゃった。
 一番、大変な時に戦うから偉いんだ。貧乏で立場のない人間が頑張るから偉いんだ。
 人が何と言おうと、時代がどう変わろうが、師のために戦う。これだけは永遠に変わってはいけない。偉大な人間かどうかは、それで決まる」

名誉会長 折々の指導 13 (2011.10.1付 聖教新聞)

広布こそ人生最大の思い出

〈各部の友に〉
 「広宣流布のために、思う存分、戦うことだ。仏法という大哲学をもって、苦しみ悩む友を救うことは、人生最大の思い出となる。わが誉れの尊い歴史だ」
 「御本尊を授けることは、最高の善だ。善は実行しなければならない。善は必ず力を生み出す。日蓮大聖人は御本尊のことを『功徳聚(=功徳の集まり)』と御指南されている
(御書1244㌻)。
 御本尊を信じ、妙法を唱え弘めていくならば、わが身が、そのまま『功徳聚』となる。その福徳は一家を、地域を、社会をも包む」
 「誰が見ていようがいまいが、どんな時でも、自分自身に偽りのない戦いをしていくんだよ。
 そして、陰で戦っている友、人知れず広布を支えてくださっている友を、リーダーは見つけて讃えることだ。
 どんな目立たない仕事であれ、それを一生懸命、喜んでやる人間が、本当の指導者になる人なんだ」
 「生命が老いてはいけないよ。御聖訓に『年は・わか(若)うなり福はかさなり候べし』(同1135㌻)と仰せだ。
 信心の年輪を重ねるほど、いよいよ若々しく! これが創価の生き方だ」

名誉会長 折々の指導 12 (2011.9.23付 聖教新聞)

題目の光は全宇宙を照らす

 「永遠に、これ以上ないという無上の幸福の人生を歩んでいけるのが、この信心です。
 わが身を惜しまず広布に戦った人は、皆、仏の生命と輝く。
 それが、どれほど偉大な境涯であるか。
 有名な御書がある。
 『南無妙法蓮華経と唱え、退転せずに修行して、最後の臨終の時を待ってごらんなさい。妙覚の山に走り登って、四方をキッと見るならば、なんと素晴らしいことであろうか、法界は寂光土で、瑠璃をもって地面とし、黄金の縄をもって八つの道を仕切っている』(1386㌻、通解)
 妙覚の山の頂に到達できるのだ。見渡すかぎりの世界は、まばゆいばかりである。
 周囲も燦たる光にあふれ、自分も黄金の生命となる。
 そういう世界に必ず行くのだ。絶対に心配ないよ──そう日蓮大聖人は約束してくださっている。
 妙法は全宇宙を動かす力だ。根源の法則である。その妙法に則って生きる時、最も幸福な生命となる。本当にすごいことである。
 大聖人は『(もしも)今、霊山にまいられたならば、太陽が昇って、十方の世界を見晴らすようにうれしく』(御書1480㌻、通解)と仰せになり、温かく門下を励ましておられる。
 妙法は絶対である。
 生々世々、常楽我浄の光に満ちた境涯となる。
 大聖人の深き御心を抱きしめて、『生も歓喜』『死も歓喜』という生命の軌道を歩んでいきたい。
 我らが唱える題目の光は、全宇宙を照らす。その大いなる光は、亡くなった全ての家族も、友人も、必ず包んでいくのです」(各部の友に)

名誉会長 折々の指導 11 (2011.9.21付 聖教新聞)

正義の哲人とそびえ立て

〈青年研修会に集ったSGIの友に〉
 「大きな功徳の人生を、力強く朗らかに、何ものにも負けず、進んでいってください。
 その人が、仏です。世界広宣流布の勇者です。
 いくら苦しいことがあっても、朗らかに人生を生き抜き、偉大な歴史の人生を歩んでください。今日も元気で、大功徳の人生の道を、ともに力強く歩んでいきましよう!」
 「今、私は、わが弟子が自分たちで道を開けるように、また、いやまして偉くなるように、すべてを見守っています。創価学会をより大きくし、より鋼鉄のごとく盤石に建設するためです。
 私から訓練を受けたリーダーたちが率先して、今までの百倍、千倍、万倍の力を出せるように見守っている。
 未来永遠に永続しゆく、創価という最高に価値ある人材の陣列を創ってください。皆さんの力で、すべてが発展し、大成するように祈っています」
 「皆さんは、一人一人が大きな心の人間に育ってもらいたい。巨大な正義の哲人とそびえ立ってもらいたい。
 そして、広宣流布の『師弟不二』『異体同心』の仲間を創り、さらに大きく強く広げていっていただきたい」

名誉会長 折々の指導 10 (2011.9.3付 聖教新聞)

師弟の心で勝ち進め

〈各部の代表に〉
 「世界広布の勝利の本陣たる総本部が完成する2013年。
 それまでの2年間がとくに大事だ。
 リーダーが生き生きと戦う。それが勝利の根本だよ。
 皆、大きな使命があって、今を生きているのだから。
 師匠のため!
 同志のため!
 学会のため!
 これを合言葉にして戦っていくのだ。
 私は『戸田先生のために!』を合言葉にして、真実の同志とともに戦い、勝ってきた。
 師弟の心で戦えば、限りない勇気と智慧がわいてくる」
 「広宣流布の大情熱を燃やして戦うのだ。
 リーダーの熱き心に皆が奮い立ち、『さあ、やろう!』と意気が高まっていかなくてはいけない。
 それには題目だ。信心の大確信で激励、指導をするんだよ。気取りや見栄をかなぐり捨てることだ」
 「心に隙があってはいけない。油断大敵だよ。物事を甘く見て慢心になり、油断が生ずるんだ。
 不測の事態に対する備えを怠ってはならない」
 「立派な後継者を育てるのが、真の指導者だ。優れた人材を見つけるんだ。
 自分よりも優秀な人材を育てていく。そして信頼して任せていくことだ」

名誉会長 折々の指導 9 (2011.9.1付 聖教新聞)

偉大な歴史をつくれ

〈同志のもとへ激励に向かう幹部に〉
 「学会活動ができること自体、ありがたいことではないか。
 『学会員のため、広布のために戦える。こんな偉大なことはない』と感謝すれば、功徳は無量無辺なんだ。
 私は戸田先生のもとで、このことを誰よりも実感し、実践してきた。だから今日の学会があるんだ」
 「それはそれは大変なこともあった。
 民衆のため、正義のために戦い、かえって世間から焼きもちを焼かれたこともある。
 けれども、恩師の教えを根本に、平和と幸福の大法を世界に広げてきた。御書に照らして、その功徳は計り知れないと確信する。
 青春時代、肺病で苦しみ、30歳まで生きられないと医師に言われたこの私でさえ、不二の弟子として、歴史をつくってきたんだ。
 皆も、そうなれ! しっかり戦って、その誉れの歴史を永遠の宝としていけるように、今こそ頑張れ!」

名誉会長 折々の指導 8 (2011.8.28付 聖教新聞)

教学は最高の勝利の武器

〈教学の研鎖に励む友に〉
 「教学は絶対に必要である。教学は即、行動である。
 御書に『行学た(絶)へなば仏法はあるべからず』(1361㌻)と仰せの通りだ。
 教学は最高の勝利の武器である。
 とくに青年時代に、教学に取り組んでもらいたい。あらゆる工夫をして。これが学会の伝統だからだ」
 「皆さんが、大変な中、教学試験(青年部教学試験1級)に挑戦し、御書を心肝に染めている姿を、日蓮大聖人が喜んでおられる。
 若い時から教学を研鎖していくことが、一生の幸福の土台となる。その人は、永遠に生命哲学の博士だよ。
 子孫末代までの功徳になっていくことを確信してください」
 「信心とは、御聖訓を勇敢に実践することだ。
 信心とは、心の勝利のためにある。心の勝利とは、永遠の勝利ということだ。
 健康で、和楽で、わが人生を飾り、職場にあっては模範となっていくことだ。社会で接する人たちには誠実に、明るく、そして誰からも信頼されていくことだ」

名誉会長 折々の指導 7 (2011.8.21付 聖教新聞)

幸福のために正義の道を


〈女子部の友に〉
 「皆で仲良く! 幸せに! 幸福になるには、正義の道を歩むんだよ」
 「女子部の時代だ。思いっきり動いていきなさい。
 総力をあげて女子部を応援していこう。
 創価学会の未来は女子部で決まる。
 女性を大事にしない団体は、必ず行き詰まる。かりにも、見下したり、軽んずるようなことは、絶対にあってはならない。
 広布の女性に感謝し、女性の奮闘を心から讃え、女性を大切にする組織こそが、万代に栄えていくのだ」
 「女子部が生き生きとしていれば、楽しい。美しい。皆が憧れる。百万の言葉よりも、百冊の本を出すよりも、一人の女子部が輝いていくことが、信心の素晴らしさを雄弁に物語る。新しき広布の門が開かれる」
 「しっかりと福運をつけなさい。
 仏法の魂は、幸福のために戦うことだ。不幸を打ち破り、皆が幸福の勝利者になっていくことだ」
 「体を大事に。偉大な自分をつくりなさい」
 「一人が仏の境涯を開けば、家族全員が幸福となる。これが仏法です。
 自分が幸福を開くのです。そうすれば、何があろうと問題ではない。学会と共に、生々世々、三世永遠の幸福を築いていこう」

名誉会長 折々の指導 6 (2011.8.18付 聖教新聞)

青年は力をつけよ

〈仕事で悩んでいる同志に〉
 「人生も、仕事も、いろいろな山があっていい。すべて経験である。
 ローマは一日にして成らず。仕事も、そうだ。長い道のりの戦いである」
 「青年は力をつけなければいけない。誰にも馬鹿にされない力をつけるのだ。
 日蓮大聖人は『仏法は勝負』と仰せだ。人生、すべてが戦いである。どう勝つか。何かで光る力を持たなければいけない」
 「一つ一つの仕事を、丁寧に、深く祈って、歴史をつくっていきなさい。一つ一つ、歴史をつくっていくことだ」
 「現実社会は熾烈な生き残り競争である。たとえ、これまで安泰でも、これから先はわからない。
 根本は、題目をあげている人が勝つ。『法華経の兵法』で勝つのだ。妙法に生き抜くところに繁栄の道がある。これが結論だ。
 うれしい時も題目。苦しい時も題目。どんな時も題目。万事にわたり、勝つ方法は、ここにある」

名誉会長 折々の指導 5 (2011.8.3付 聖教新聞)

勤行・唱題は生き生きと

 「勤行は生き生きと! 先頭を切って、題目で一切を動かしていく決意で、朗々と、力強い声でやることだ。
 弱々しい勤行では、魔を打ち破れない。臆病であっては、人を救えない。要領では、正義を護れない。
 広布の大きな責任を担い立つ。そう覚悟した自分が、皆を引っ張っていくような、皆を包んでいくような勤行をすることだ。創価の威光勢力を増していく、強き祈りがなければならない。
 仏法の魂は師弟である。師弟に生きる人は、何も恐れない。
 師匠は常に厳然と見ている。
 師匠と共に、大音声で、断じて同志を守り抜くと決めて、祈っていきなさい」(各部の代表に)

名誉会長 折々の指導 4 (2011.8.2付 聖教新聞)

富士の如く厳然と生き抜け

〈病気と闘っている同志に〉
 「断じて病気なんかに負けてはいけない。乗り切った人は無数におります」
 「私だって体が弱かったけれども、立ち上がって、世界を駆けめぐってきた。決心ひとつだ。絶対に健康になりなさい。富士のごとく厳然と、偉大な人生の総仕上げをしていくのだ」
 「負けるな。断じて負けるな。あなたの生命の中に太陽がある」
 「希望をなくしてはいけない。
 人がどう言おうが、堂々と自分自身に生ききりなさい。何があっても強気で。楽しい人生を生きなさい」
 「仏法の眼《まなこ》で見れば、全部、意味がある。何があっても、微動だにしてはならない。
 生命は永遠なのだから。妙法を唱えていて、かりに不幸に見えることがあっても、それは、最大に幸福になる意義をはらんでいるのだから。どんなことがあっても、信心だけは微動だにしてはならない」
 「御本尊に祈りきって、一歩も引かないで、悩みを突き抜けて進むのだ。どんな状況であっても、必ず幸福になれる信心だ。戦い続ける君に勝利あれ」

名誉会長 折々の指導 3 (2011.7.29付 聖教新聞)

勇気・団結・執念で勝て

 「(大阪事件で不当逮捕された)昭和32年の7月3日に臨んで、私が深く心肝に染めていた御聖訓がある。
 それは「法華経の為に御勘気を蒙れば幸《さいわい》の中の幸なり瓦礫《がりゃく》を以て金銀に易《か》ゆるとは是なり」(御書1371㌻)。すなわち、法華経のゆえに迫害されることは、幸福の中の幸福である。瓦や石ころをもって金や銀にかえるとは、このことであるとの仰せだ。
 我ら関西の『7・3』そして『7・17』を貫く信心の魂とは──
 第1に、いかなる大難が競い起ころうとも、師匠とともに、師匠のために、喜び勇んで戦い抜く『不惜身命』の勇気である。
 第2に、いかなる強敵が立ちはだかろうとも、わが同志を護り抜き、断固として打ち破っていく、一番深い『異体同心』の団結である。
 第3に、いかなる逆境に追い込まれようとも、それを大発展の力に転じて、最後は必ず晴れ晴れと勝つ『絶対勝利』の執念である」
 「さあ、今再びの前進だ。強盛なる祈りで魔軍を抑えながら、『大法興隆所願成就』の大行進を仲良く朗らかに開始しよう!」(関西の同志に)

名誉会長 折々の指導 2 (2011.7.23付 聖教新聞)

皆、張り切って戦え

 「人事の交代は、これまでの人と、これからの人の両方が一段と成長する。一段と朗らかになる。そして一段と勝利を決していけるようになる。これが大事だ」
 「交代する方には、これまで頑張ってくれたことを心からねぎらい、これまでの功績を心から讃えていただきたい」
 「皆、大事な人だ。宝の人材だ。ゆえに、永続性をもって、大きな賢い心で、一人一人をリードしていく。これが根本だ。細かいところまで、気をつかっていくんだ」
 「新しい人も、交代する人も、全部、新しい使命であり、任務であると思って、張り切って戦っていきなさい。
 一切が、仏になるための仏道修行である。新しく戦っていく人も、若々しく、断じて勝利して、仏になっていくんだ」
 「すべての人が元気になり、幸福になり、勝利していく。そのための人事である。学会は、たゆまずに人材を育成していくのである」(新体制でスタートを切る各地のリーダーに)



 友に希望を! 幸福を!
 そう願い、日々、新しき広宣流布の道を開く池田名誉会長。折々の指導を紹介する。
      ◇
名誉会長 折々の指導 1 (2011.7.20付 聖教新聞)

きょうも わが友を励ませ

 「貴女よ
 いつもいつも元気で!
 偉大なるこの人生を勝ちぬき、幸福の宴で飾りゆけ!」
 「君よ、勝ちまくる英雄たれ! 師子たれ! 闘士たれ!」(各地で新出発した若きリーダーに)
      ◇
 「創価学会は、たゆまず人材を育て続けていく団体です。
 その先頭に立って、皆さん方が、少子高齢社会の中で、どれほど真剣に、忍耐強く奮闘してくださっているか」「本当に本当に、ありがとう!」
 「御聖訓には、『一は万が母』(御書498㌻)と仰せであります。
 どんなに厳しい社会の現実があっても、目の前の一人の未来部員を励ましていくことから、一切は始まります。
 一日に一人でも激励すれば、30年たてば1万人を激励できる。私はそう決めて、三障四魔との戦いの連続の中で、一人また一人と手作りで人材を育ててきました。
 これからも、学会は永遠に人材で勝つ。
 この勝利の道を、最も信頼する皆さんが私と一緒に開いてください。大切な大切な皆さんに、題目を送り続けていきます。
 この夏の創価家族の集いの大成功、絶対無事故を祈っております。未来部の指導、万事、よろしくお願いします。各地の宝の未来部員に、くれぐれも、よろしくお伝えください」(全国未来部育成部長・未来部長会へ)
2011-09-01 : 折々の指導 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.57/58

随筆 我らの勝利の大道 No.57/58 
             (2011.8.24/25付聖教新聞)
8月24日の誓い

19歳の入信から64星霜──
我が人生「師弟の道」を貫けり


人類の平和へ! 正法正義の旗高く
後継の地涌の青年が世界に乱舞


 千万の
  同志と共に
      入信日

 わが地涌の友が歓喜踊躍して、広宣流布の使命の舞を舞いゆく、大いなるうねりの中で、8月24日の入信日を元気に迎えることができた。今年で64周年となる。
 日蓮大聖人は、法華経の会座に後継の誓願の陣列が集う姿を、こう仰せである。
 「四百万億那由佗の世界にむさしの(武蔵野)のすすき(芒)のごとく・富士山の木のごとく・ぞくぞく(簇簇)とひざ(膝)をつめよせて」(御書1245㌻)
 この御聖訓の如く、日本中、世界中で、新しい人材が勢いよく躍り出て、新しい力が満々と実りゆく感を覚える。
 未来部も躍進している。
 青年部も成長している。
 婦人部も躍動している。
 壮年部も意気軒昂だ。
 「8・24」は、わが「壮年部の日」でもある。
 多宝の同志も、若々しく奮闘してくれている。
 多事多難の時代にあっても、我ら創価の家族には、不敗の闘魂が漲り、いやまして温かな励ましがある。
 恩師・戸田城聖先生が喜んでくださる声が、わが耳朶に確かに聞こえてくる。
 「私は、偉大な良き弟子たちを持った。ゆえに幸せだ。永遠に勝利者だ」

師はご存じだった
 喜びに
  心躍らせ
   今日もまた
  広布の青春
     何と尊き

 日本の敗戦から2年後の夏8月。いまだ空襲の焼け野原が痛々しい東京・大田区の座談会で、永遠の師と仰ぐ戸田先生に、私はお会いすることができた。
 「いくつになったね」
 「19歳です」
 先生は旧知に向けた言葉で尋ねてくださった。
 じつは、先生は事前に、地域の方から、私のことをよく聞いておられた。
 兄を戦争で亡くしたことも、家を空襲で焼かれたことも、働いて父母を支えながら苦学していることも、ご存じであった。
 「わが地域には、こういう青年がいます」と、戸田先生につないでくださった地元の方々のことが、感謝とともに偲ばれる。
 今も、折伏の嬉しい報告を聞くと、紹介者の真剣な祈りと熱意はもちろん、一人の友の入会に至るまで、陰で支えてこられた創価家族の真心が思われる。
 まさに座談会は、仏の心が脈打つ会座なのである。
        ◇
 戸田先生にお会いした当時、私か親しい友人だちと学び合っていた一書が『ゲーテとの対話』(エッカーマン著)である。
 その中の一節に、「いつかは終局に達するというような歩き方では駄目だ。その一歩々々が終局であり、一歩が一歩としての価値を持たなくてはならない」とあった。
 このゲーテの言葉が、軍国主義と戦い抜いた戸田先生を師と仰ぎ、師弟の道へ思い切って一歩を踏み出す私の胸に響いていたことは確かである。その意味で、ゲーテも、私の背中を入信へと押してくれた一人であったと言えるかもしれない。
 そのゲーテをめぐって、今、私は、ドイツの世界的な学術機関ワイマール・ゲーテ協会顧問のオステン博士と対話を進めている。
 オステン博士も、「ゲーテと日蓮仏法の間には、非常に大きな共通点がある」と鋭く洞察しておられる。
 さらに博士は「人間は、手本から学ぶ存在である」と強調されている。博士の言われる「手本」とは、「師匠」の意義である。
 偉大な師匠から学び、師匠に続きゆく青春。その喜びと誇りは、オステン博士とも、そして大文豪ゲーテとも深く共有できるのだ。

人格を信じて前へ
 戸田先生との出会いから10日後の8月24日は、日曜日であった。当時の記録を繙くと、東京の最高気温は、この日、35・3度となっている。暑い暑い一日であった。入信の儀式の勤行は長くゆっくりで、慣れない正座も辛かった。今も苦しい記憶が蘇る。
 しかし私は、戸田先生の人格を信じて前へ進んだ。
 世情は騒然としていた。この翌日の朝刊には「収入だけで暮らせない家庭」が9割と、深刻な世論調査の結果が報じられている。
 厳格にヤミ食糧を拒否し、配給のみで暮らした東京地裁の判事が餓死するという衝撃的な事件が起きたのは、2カ月後である。
 地震や台風、浅間山の噴火など、自然災害も相次いだ。東西冷戦の対立が深まり、「核戦争」の危機も忍び寄っていた。
 戸田先生が座談会で「立正安国論」を講義され、訴えておられた通り、戦後の混乱の闇を照らし晴らしていくために、いまだ小さな学会であったが、我ら師弟は正法正義の旗を、高々と掲げていったのである。
 思えば、日蓮大聖人が、「立正安国論」を提出し、国主諫暁を行われた文応元年7月16日は、当時の西暦であるユリウス暦では、1260年の8月24日に当たっているようだ。
 戸田先生は、厳然と叫ばれた。
 「人間にとって大切なのは、いかなる思想を持ち、いかなる行動をしているかだ。ゆえに人類最高の思想を学び、人々の幸福のために行動している創価の青年は、どんな人に対しても、胸を張って、堂々と、わが信念を語っていくのだ」
 この立正安国の闘争が、19歳の8月24日から、私の一貫した青春、そして人生となったのである。

大難の嵐を越えて
 「如説修行抄」には、「此の経を聴聞し始めん日より思い定むべし」(御書501㌻)と厳しく戒められた箇所がある。
 それは、「真実の法華経の如説修行の行者の師弟檀那とならんには三類の敵人決定せり」(同㌻)という大難への覚悟である。
 戦時中の法難で投獄された牧口常三郎先生に、愛弟子である戸田先生は最大の感謝をもってお供された。
 そのあまりにも崇高にして峻厳な師弟に、命を賭して続くのだ──こう私は、決心していた。
 ゆえに戸田先生の事業が最悪の苦境に陥り、他の弟子たちが悉く逃げ去ろうと、私の心にはいささかの迷いもなかった。
 私の入信満3年の日となる昭和25年の8月24日、戸田先生は学会の理事長を辞任する意向を発表された。悔しさに歯を食いしぼり、私は巌窟王の如く誓った。
 ──このどん底を何としても打開して、絶対に先生に第2代の会長に就任していただくのだ、と。
 聖教新聞の創刊の構想を先生と2人で語り合ったのも、同じ8月24日であった。広宣流布の未来を開く言論城、聖教の「創刊原点の日」だ。
 ともあれ、最も苦難の時にこそ、最も偉大な勝利の因が刻まれる。これが、変毒為薬の妙法である。
 この因果の理法に照らして、今、復興に向かって懸命に戦い続けておられる東北の被災地の同志に、必ず必ず大勝利の時が来ないわけがない。
 私も、小説『新・人間革命』の「福光」の章を書き進めながら、妻と共に、さらに強盛に祈り、題目を送り続ける日々である。

気高き福光の笑顔
 先日、東北のある分県の女子部のリーダーが、尊い真心のアルバムを学会本部まで届けてくれた。
 そこには、多くの乙女たちが、それぞれに「華陽宝冠賞」のメダルをかけた、じつに晴れがましい笑顔のスナップが並んでいた。
 7月の本部幹部会の折、代表として、この賞を授与された県の女子部長は、苦楽を共にする、わが県の女子部全員に頂いたと受け止めた。そして衛星中継の会場に集ったメンバーなど、一人ひとりに、この賞のメダルをかけ、写真を撮って差し上げたのである。
 家を流され、最愛の家族を失った友もいる。言葉にならぬ悲しみを乗り越えて前進する、いじらしい乙女たちである。
 「生命の栄光の勲章」「民衆の讃嘆の勲章」を胸に微笑むスクラムは、気高く神々しかった。
 アルバムには、「私たちの福光《ふっこう》しゆく姿を通し、全世界の人々に希望と勇気を送り続けて参る決意です」と綴られてあった。
 ここに、この64年間、師と共に、同志と共に、皆で創り上げてきた創価の世界の光彩がある。
 かつて、創価女子短期大学の第1期の卒業生の門出に、私は和歌を詠んだ。
 その一首を今、新たな期待と願いを込めて、華陽の乙女たちに贈りたい。

 青春の
  英智の朝日は
    昇りける
  嵐の時にも
    笑顔たたえて

ゲーテの言葉はエッカーマン著『ゲェテとの対話』亀尾英四郎訳(岩波書店)=現代表記に改めた。

人材連帯の大星雲を広げる誇り
さあ 地涌の大生命力で前進!


わが民衆の英雄・壮年部よ不屈たれ
ホイットマン
「男には根性がなければならぬ」

 仏勅の
  誇りも高き
   同志かな
  三世の使命の
    尊き地涌と

 先日、山陽新聞に、岡山市で行われる「わたしと地球の環境展」に寄せた、私の一文を掲載していただいた。

星の道・人間の道

 その同じ紙面に、NASA(アメリカ航空宇宙局)が公開した鮮やかな「二つの銀河」の写真が報道されていた。
 それは、地球から4億5千万光年離れた宇宙空間にある「初期段階の衝突銀河」──いわば二つの銀河の遭遇の映像である。銀河同士が接する衝撃は大きく、そこでは新しい星々が爆発的に誕生していく。
 この二つの銀河は、幾百万年を経て、一つへと融合していくという。
 星々は、それぞれの軌道をたゆみなく回転する。その活動によってエネルギーを漲らせながら、壮大な生生《しょうじょう》流転を繰り返している。
 この大宇宙のロマンをめぐって、私はブラジルの天文学者モウラン博士とも、縦横に対談を広げた。
 語らいの中で、「星に軌道がある如く、人間にも道がある」というのが、私たちの一致した点てあった。
 博士が力説された。人間の進むべき最も正しき軌道は何か。それは師弟である。
 日蓮大聖人は、御自身が一年また一年と重ねられた法戦の歩みを、「退転なく申しつより候事月のみつるがごとく・しほ(潮)のさすがごとく」(御書1332㌻)と仰せである。
 毎年毎年、8月24日を一つの起点として、地涌の人材の大連帯を、成長する大星雲の如く一段と広げてきたことは、私たち創価の師弟の誉れの歴史である。
 また、この日は、2001年、新世紀の人間主義の指導者を育成しゆく、アメリカ創価大学(SUA)の第1回入学式が挙行された日でもある。
 本年は11期生が、希望に燃えて新出発している。

壮年・青年一体で
 あの8月24日──。
 19歳の青年の私が戸田先生のもとに飛び込み、正義と平和の闘争に踏み出した時、先生は47歳。まさに「壮年」──壮んなる働き盛りの師子であられた。
 「師弟不二」の共戦は、いわば「壮青一体」の共戦でもあったのだ。
 壮年の鍛え抜かれた力と、青年の疲れを知らぬ力とが絶妙に合致して、学会の金剛の強さが生まれた。
 この歴史の上からも、8月24日が「壮年部の日」と定められている意義は、誠に深い。
 この日を節として、全国、全世界の壮年部も、力強く前進してくれている。
 経済不況や円高など、壮年を取り巻く環境は、何重にも厳しい。日々、人知れぬ苦労の連続である。
 その中で一人ひとりの友を励まし、奮い立たせゆく対話を、地道に粘り強く積み重ねてくれている。青年のために、青年と共に汗を流しながら、新時代の拡大へ奔走してくれてもいる。その不撓不屈の闘魂に、私は最大の敬意を表したい。
 「男、最も確かな男には、根性がなければいけない」──アメリカの民衆詩人ホイットマンの叫びが、わが壮年部の心意気と重なり合って迫ってくる。
        ◇
 ホイットマンが、人間的にも思想的にも、大いなる成長を遂げたのはいつか。
 研究の第一人者であるケネス・プライス博士は、ホイットマンが40代の半ば、南北戦争で負傷した兵士たちのために、身を粉にして働き続けた2年間に焦点を定めておられた。

庶民の真っ直中で
 ホイットマンは当時を振り返り、こう語っている。
 「僕はあの野戦病院で、多くの仕事をこなしたよ。ある意味、あれが僕の人生で、最も真実なる仕事だったかもしれない」
 今の学会でいえば、ヤング壮年部の年代に、民衆の中に飛び込み、生と死の狭間で悩める人びとに、手を差し伸べていったのだ。
 プライス博士は、そうした経験によって「民衆の持つ力、可能性を深く感じ取ったホイットマンの確信は、いやがうえにも強まっていったのです。それは、詩のスタイルの変革のなかに、明らかに見て取ることができます」と洞察される。
 わが壮年部も、来る日も来る日も、庶民の真っ直中で一歩も退かずに、勇戦を続けている。
 だからこそ、人間として、信仰者として、正真正銘の実力を錬磨し、発揮していけるのだ。
 「ついぞ気落ちすることを知らず、断固として戦うことをやめぬ人間の魂」とホイットマンは歌った。
 この魂が誰よりも光る、人間の英雄、民衆の英雄たる、わが壮年部の同志よ、万歳! と、私は声高らかに申し上げたい。

混沌《カオス》に怯まず前へ
 64年前、あの最初の出会いの折、私は戸田先生に感謝を込めて、即興の一詩を捧げた。
 「夜明け前の混沌《カオス》に
 光 もとめて
 われ 進みゆく……」
 プライス博士は、この詩を通し、「一つの状況から、よりよき状況へ向かおうとする明白な希望」を感じ取ってくださった。
 博士は語っておられる。
 「混沌を前にして不安を覚え、歩みをとめてしまうか。あるいは、未来を信じて前へと進みつづけるか──その差は、自身の可能性に対する信があるかないか、にかかっております。
 さらに、善は必ず悪に勝つ、と信ずることができれば、また一歩、前進できるのです」
 深く、また温かなご理解をいただき、光栄である。
 法華経には、「地涌の菩薩」が登場する。
 敷衍すれば、いかなる混沌の世にあっても、人間生命の可能性を信じ、正義の勝利を信じ抜いて、民衆の大地に勇んで躍り出る希望の存在といってよい。
 重苦しい無力感や窮屈な閉塞感が漂う時代だからこそ、我らは地涌の生命力を呼び覚ましていくのだ。
 なお、この6月には、ホイットマン生家協会のウィリアム・ウォルター会長をはじめ先生方が、この大詩人の名前を冠する尊き「文学の英雄賞」を贈ってくださった。私は、この栄誉を敬愛するアメリカをはじめ世界192カ国・地域の同志と分かち合わせていただきたい。ホイットマンの雄々しき獅子吼を胸に!
 「試練が大きければ勝利も大きい」と。

師匠は弟子を信頼
 ホイットマンが若き弟子ホラス・トローベルに語った言葉が蘇る。
 「私は、いつもは表に現れない、忘れられたような陰の人びとに、大きな尊敬の念を持っている。
 結局は、そのような目立たない無名の人たちが一番偉いんだよ」
 誰が見ていようが、いまいが、人のため、法のため、社会のために、尊き汗を流しながら歩き、働き、戦う。正義を叫びに叫び、一人また一人と、平和の連帯を広げていく。
 その庶民に勝る「偉人」はいない。
 この庶民が勝つ時代、庶民が凱歌をあげる時代こそ、ホイットマンも夢見た未来ではないだろうか。
 その未来を、弟子のトローベルも、共に見つめていたに違いない。
 ホイットマンは彼に全幅の信頼を寄せた。
 「私はいよいよ君の若いはつらつたる肉体と精神に、私自身を任せようという心持ちになっている」
 「(その重要な理由は)君が私を理解しており、単に熱心だけでなく、権威をもって私を代表してくれることを頼めるからだ」
 トローベルが50代半ばのホイットマンに初めて出会ったのは、15歳の頃であった。そして交友を深めるにつれ、師匠の手足となって、喜び勇んで東奔西走した。さらに無数の悪口や無理解に晒され続けている師を支え、その真実を宣揚するために奮闘していったのである。
 “師のために”行動することを最大の誇りとし、誉れとして──。その誠実一路の生き方は、詩人の逝去後も全く変わらなかった。

共に「種」をまく
 ホイットマンの生誕100周年の日(1919年5月31日)、60歳になっていた弟子トローベルは、眼前に師匠がいるかの如く詩に詠んだ。
 「(私トローベルは)あなたと倶に今でも種を播いているのです、播いて播いているのです」と。
 これが師弟である。
 これが弟子の道である。
 私もまた恩師・戸田先生にお会いし、求めて弟子となって64年間、片時も先生を忘れたことはない。
 「師弟不二」の大道を、「常随給仕」の弟子の道を、まっすぐに歩み通してきた。そして今、従藍而青の弟子たちが続いてくれている。一点の悔いもない、我らの誇り高き大道である。
        ◇
 青年部の秋の教学試験(一級)に向け、真剣な研鑽の息吹も伝わってくる。
 教材の一つ「撰時抄」は、私も入信してすぐに拝読した重書である。
 「法華経を二人・三人・十人・百千万億人・唱え伝うるほどならば妙覚の須弥山ともなり大涅槃の大海ともなるべし仏になる道は此れよりほかに又もとむる事なかれ」(御書288㌻)
 この仏勅の通り、壮大な世界広宣流布の未来を開くために、私は全力で、あらゆる障魔を乗り越え、三類の強敵を打ち破ってきた。
 これからも、いやまして、創価の偉大な人材を育てゆくために! そして広布の尊貴な全軍が思う存分、勝利勝利の歴史を打ち立てていくために! 毎日毎日、仏法勝負の真髄に立って、祈り、戦い抜いていく決心である。あの19歳の誓いのままに!

 師弟不二
  仏法勝利の
   法理なぱ
  断固勝ち抜け
    勝ちまくれ

 ホイットマンの訳文のうち3、4番目は酒本雅之訳『草の葉』(岩波書店)、6番目は長沼重隆著『ホイットマン雑考』(東興社)〈=現代表記に改めた〉によった。トローベルは長沼前掲書。プライス博士の発言は聖教新聞2011年6月19日付「世界の論調」から。
2011-09-01 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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