中国 海南師範大学名誉教授称号授与式

中国 海南師範大学名誉教授称号授与式
           (2011.5.26 創大本部棟)

 中国海南省の名門「海南師範大学」から、創価大学創立者の池田名誉会長に「名誉教授」称号が贈られた。名誉会長の日中友好への尽力と世界平和への模範の行動を讃えたもの。授与式は26日、東京・八王子市の創大本部棟で行われ、韓長日学長、黄培怡外事処処長、暁剣副教授が出席。代理の山本創大学長に名誉教授の証書が託された。また、名誉会長の自作の漢詩が韓学長一行に贈られた。

韓学長の授与の辞


早くから国交正常化を提唱
中日に友好の橋を懸けた


 私どもは、花咲き香るこの季節に、この上なき尊敬と素晴らしき願いをもって、美しき日本の東京を訪問し、ここに海南師範大学を代表し、池田大作先生を「名誉教授」に、ご招聘申し上げるものであります!(大拍手)
 あらためて、池田先生に崇高なる敬意を表するとともに、ご列席の皆さまに、真心からのごあいさつを申し上げます。
 池田先生は世界平和の偉大なる使者であり、博学の世界的な社会思想家であり、教育者、哲学者、詩人、作家であられます。池田先生は、創価学会名誉会長、また創価学会インタナショナル会長として、世界平和と人類の幸福の理念を一貫して提唱されてきました。そして、長きにわたり、人類の平和と文化・教育の発展に寄与し、恒久平和のために、難民救援活動や環境保護などでも、傑出した貢献をされてきました。
 池田先生はまた、文化、社会、教育、哲学、宗教などの分野において膨大な著作があり、その多くが世界の各言語に翻訳・出版されております。まさに、池田先生の思想とその実践は、人類社会の文明発展と平和推進に大きな影響を与えているのであります。
 さらに池田先生は、私たち中国人民にとって、古き良き友人であり、日本で最も早くから、中日友好・国交正常化を提唱してこられた民間人であり、中日両国に友好の懸け橋を築かれた方です。そうした姿を、中国ならびに世界中の平和を愛する民衆は、心から尊敬し、敬愛するのであります!(大拍手)
 先日、東日本で発生した巨大地震と、それによって引き起こされた津波は、前代未聞の被害を与え、世界を震憾させました。
 私たちは、この空前の大災害に際して、池田先生がリーダーシップを執られる創価学会が、いかに対処されたかを伝え聞いております。創価学会は、直ちにあらゆる救援活動を展開し、義援金と大量の救援物資を現地に届けました。さらに被災地域の会館を避難所や救援センターとして提供し、約5000人の被災者を受け入れたのであります。
 また創価大学の学生ボランティアや創価学会の医師、看護師のグループ、音楽隊なども活躍し、何よりも、数多くの創価学会の青年が自ら志願して被災地の最前線に飛び込み、実際の行動をもって救援に取り組んでこられたのであります。
 わが身を顧みぬ、こうした奉仕活動の中に表れている、池田先生と創価学会の利他の精神を、私たちは、無上の尊敬を込めて仰ぎ見るのであります!
 池田先生は、教育こそ自らの生涯の最重要の事業とされ、一貫して「人間教育」という創価教育の理念に基づき、功利主義の学校運営を排除し、創造性豊かな人材の育成に全力を注いでこられました。これまで、創価大学、創価学園、創価幼稚園をはじめ、東洋哲学研究所、東京富士美術館、民主音楽協会などの教育・文化機関を創立するなど、学校教育と社会教育のシステムを築かれ、今や世界の教育・文化交流の分野において、類例を見ない成果をあげているのであります。
 本学の全教職員は、このような池田先生の高尚なる人格と、卓越したご功績を、久しく敬慕しており、本日、本学の「名誉教授」になっていただいたことを最大の光栄に思うのであります!(大拍手)
 わが海南師範大学は、1949年に創立された海南省で最初の公立大学で、博士の学位授与権を有する、海南省の重点大学であります。海南省の教員養成の中心であるとともに、海南の社会経済の発展に貢献する人材の育成基地であり、研究基地であります。
 本学は、17の学部、25の科学研究機関、3つの人文社会科学研究機関、9つの修士コース、46の専攻コースを有しています。現在、全国から2万人以上の学生が集まり、800人以上の教員のもとで、学んでおります。
 本学は、一貫して、「人材育成の大学」「学術振興の大学」「質の高い大学」「特色豊富な大学」との建学の理念を堅持し、「法に則った教育と民主的管理、人を以て本となす調和のとれた発展」との方針をもって、人格と才能を兼ね備えた教師の育成に努力してまいりました。これは、まさに池田先生の教育理念と相通じるものです。本学はまた、創立以来、基礎教育を担う教師と、高い専門性を持った、10万人以上の社会に有為な人材を輩出しております。
 本日、池田先生に、わが海南師範大学の「名誉教授」にご就任いただきましたが、これにより、本学と創価大学との交流と協力関係に素晴らしき1ページが開かれました。池田先生の精神に学び、互いに努力するなかで、相互の理解と友情はさらに進み、両国の教育文化事業の共同発展がなされるものと確信いたします!(大拍手)
 結びに、皆さまのご配慮と真心の歓迎に、深く感謝申し上げます! 池田先生ならびにご列席の皆さまのご健康とご多幸をお祈りするとともに、創価大学のますますのご発展を心からお祈り申し上げます!
 ぜひとも、池田先生ご夫妻、またご列席の皆さまが、中国の海南を、そして海南師範大学をご訪問くださいますよう、心からご招待申し上げます。本日は誠にありがとうございました!(大拍手)

名誉会長の謝辞(代読)

教育は社会を照らす太陽


平和の種 文化の種を全世界へ
知勇輝く人材の森を

文豪・巴金
希望を生み出すのは努力

 一、本日、私は光栄にも「海南の名門、教師の揺藍」と仰がれる貴・海南師範大学より、何よりも尊い「名誉教授」の称号を賜りました。
 創価大学の創立者として、私は、全創大生・創価女子短大生、そして、全教職員と共に、満腔の感謝を込めて拝受させていただきます。
 誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。
 貴大学の名誉ある一員とさせていただいた私の胸には、気宇壮大なる校歌の一節が響いてまいります。

 ♪海風の吹く中
 私たちは、この師範大学で成長した。
 いずこの地に行こうとも、ここが私の心の故郷である。
 ああ、苦労して大地を耕し
 鮮やかな紅の花を咲かせよう。
 文明の種を、世界の果てまで蒔くのだ!

 何と爽快なる人間教育の讃歌でありましょうか。
 ここに謳われているように、教育は、心を耕し、頭脳を耕し、生命の大地から無窮の可能性の花を万朶と薫らせゆく営みであります。
 そして、平和と文化と繁栄という、大いなる「文明の種」を蒔き続ける聖業といってよいでありましょう。

いかなる試練の闇も打ち破れ

 一、貴大学がそびえ立つ海南島の天地には、古来、教育の真髄の魂が光り輝いております。
 11世紀の先哲・蘇軾《そしょく》は、自らの迫害の只中に、海南島の青年たちを薫陶しました。最難関の科挙に合格する俊英も次々に育て上げていったのであります。
 蘇軾は「太陽は天上を運行し、光をすべての物の上に及ぼす」(高畑常信訳『東坡題跋──書芸篇』木耳社)と語っております。
 「教え育てること」そして「学び成長すること」──まさしく教育こそ、人間社会の最も正しき軌道を進み、いかなる試練の闇も打ち破って、すべてを照らしゆく生命の太陽ではないでしょうか。
 この本義に則って、60年以上にわたって、10万人を超す「教育の太陽」を育成してこられたのが、貴・海南師範大学であられます(大拍手)。
 貴大学の校章には、いみじくも太陽の光をあしらったデザインが描かれております。
 「南海の真珠」と形容される麗しき海南島を、かつて日本の軍国主義は、非道にも蹂躙しました。
 その権力の魔性と対決して獄死した信念の教育者が、わが創立の父・牧口常三郎先生であります。
 来る6月6日は、この牧口先生の生誕から140周年の佳節であります。本日、授与いただいた貴大学からの栄誉を、私は謹んで、先師に捧げさせていただきたいのであります(大拍手)

常に人民と苦楽を共に
 一、人材を国中につくる──これは、15世紀、貴・海南島が生んだ明の大学者・丘濬《きゅうしゅん》先生の宣言でありました。
 社会においても、国家においても、世界においても、一番大切なのは人材です。その人材はつくるものです。育てるものです。
 貴・中国で漢訳された大乗仏典『法華経』では、万人に尊極なる仏の生命が具わっている、すなわち万人が最良の人材に成り得ると明かされております。
 そのために大事なのは何か。それは、良き縁《えん》であります。法華経には「仏種は縁従り起こる」(妙法蓮華経並開結138㌻)と説かれております。
 現在、貴大学は、「希望の種を蒔く」教育行動計画を力強く推進し、週末などに、学生や教員たちが、少数民族の地域や山村の学校に勇んで赴いておられます。これによって、貴大学は、教育現場の充実に多大な貢献を果たされているのであります。
 教壇に立つのみではなく、ある時は、一緒に泥まみれになって農作業に汗を流し、ある時は、学校に来られない児童の家まで家庭訪問する。
 常に人民と苦楽を分かち合い、労と学を共にしながら、真の教育者としての人格を磨き鍛えておられます。
 韓長日《かんちょうじつ》学長ご自身が、その陣頭指揮を執られ、地方で実習中の学生たちのもとへも足を運ばれ、一人一人の奮闘を讃え、手づくりで青年教育者を育んでおられるとうかがいました。
 私は、深い感動を禁じ得ません。ここに、人間教育の鑑を仰ぎ見る思いがするのであります。
 わが創価大学でも、今回の東日本大震災に際し、学生と教職員の有志がボランティア・チームを組んで、被災地の支援に駆けつけ、真心こめて貢献し、多くのことを学んできました。
 きょうの式典には、その代表も出席してくれております。
 ともあれ、「人徳と英知を兼備し、全面的に発展しゆく人材たれ!」「絶え間なく自己を鍛え、潜在力を発掘し、勇敢で創造的な新世紀の人材たれ!」──この学長の大事な大事な励ましを、私はそのまま、わが創大生、創価女子短大生に贈りたいのであります(大拍手)。

周恩来総理

青年こそ次代の主人公
学ぶ人に創造の力が


未来の道を拓く両国の若き連帯
 一、私たちが敬愛してやまぬ周恩来総理・穎超夫人は、1960年に海南島を訪れ、農村の方々を温かく激励されました。周総理が「海南島は宝島なり」と讃嘆されたことも有名であります。
 周総理は、青年こそが「未来の主人公」であると期待されるとともに、学ぶ人こそ「敢然と革新的な創造ができる」と語られておりました。まことに、「学」は創造の源泉であります。
 「中国のハワイ」と愛される海南島では、2015年へ、全島の森林率60%を目指し、防風林も兼ね、大規模な植樹を進めておられます。
 貴大学では、こうした大事業にも「艱苦奮闘」「開拓創新」という精神を発揮し、土壌の研究、植物の品種改良などの最先端の学術成果をもって、大いに貢献されています。
 自然災害を防ぎ、生活環境を護る努力も、挑戦に対する応戦であります。その模範を、貴大学は示されております。
 わが創価大学も、向学の息吹に燃えた新入生を迎えた、このキャンパスで、いやまして学びに学び抜き、大中国の英才たちと手を携えながら、21世紀の平和と安全と発展の社会を断固として創造していただきたいのです。

「緑の島」「文明の島」のモデル
 一、きょうは、文筆においても名高い暁剣《ぎょうけん》先生も、おいでくださっております。
 中国文学界の忘れ得ぬ先達であられる巴金先生とは、私も4度の語らいを重ねさせていただきました。この巴金先生も、海南島を訪れた歴史を宝とされておりました。
 巌のごとく、どんな逆境にも屈服せず、落胆されなかった、信念の巨人・巴金先生の言葉を、私たちは思い起こしたいのであります。
 「未来は無限の可能性を秘めたものであり、自分の努力によって様々な形に作り上げることが出来る」「希望を生み出すのは努力である」と。
 海南島は、今、中国最大の経済特区として目覚ましい発展を続け、開発と生態環境が調和する「緑の島」「文明の島」のモデルと注目されています。
 先月は海南島で、貴国をはじめ、ブラジル、ロシア、インド、さらに南アフリカを加えた、新しいBRICS(ブリックス)の首脳会議も開かれました。
 人類にとってかけがえのない「教育の宝島」である海南島のいよいよのご隆盛を、私たちは心からお祈り申し上げます。
 そして、人材の大森林を広げゆかれる貴大学の無窮の栄光を心より祈念し、私の謝辞とさせていただきます。
 謝謝《シェシェ》!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)

SGI会長が漢詩を贈る

 善為人師垂儀範
 海南教育天地寛
 長空浩蕩昇龍日
 椰林翠緑笑語歓

〈大意〉
 貴大学の諸先生方は
  人の師となることに長けておられるのみならず
  学生の良き模範でもあられる。
 海南島は教育の天地として
  物質と精神の両面において
  いずれも明るく広々としている
 学生たちは学問を成就し
  龍のごとく大空に飛翔する日が来る。
 緑の椰子の林がいっぱいのキャンパスには
  歓喜に満ちた笑い声が絶えない。

※文中に韓学長の名前(長日)が織り込まれている。
2011-05-29 : スピーチ・メッセージ等 :
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マカオ科技大学名誉教授称号授与式

マカオ科技大学名誉教授称号授与式
         (2011.5.18 創価大学本部棟)

 東西文明融合の地・マカオにある「マカオ科技大学」から、創価大学創立者の池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に、日本人初となる「名誉教授」称号が贈られた。SGI会長の平和・文化・教育への弛みない貢献を讃えたもの。
 授与式は18日、東京・八王子市の創大本部棟で行われ、同大学の許敖敖学長ら一行が出席。代理の山本創大学長に証書が託された。SGI会長は栄誉に感謝し、同大学に漢詩を贈った。


許学長の授与の辞

被災者の希望と輝く 創価の「励ましの世界」
地域復興の力がここに!


 このたび、池田大作先生が、わがマカオ科技大学の「名誉教授」称号をお受けいただいたことに感謝するとともに、このような盛大な式典を行うことができたことに、心から御礼申し上げます。誠にありがとうございました(大拍手)。
 この授与式については、3月中旬に挙行する予定でしたが、日本を襲った未曽有の大地震と津波による甚大な被害、原子力発電所の事故の影響などを考慮して、2カ月ほど延期して、本日の挙行となったものです。
 このような大災害にあっても、毅然として立ち向かわれている、偉大なる日本民族の皆さまを拝見し、私どもは心から敬服しております。
 とりわけ創価学会の皆さまは、尊き創価の理念のもとに立ち上がり、人々のため、社会のため、地域を復興させるために、善の心と無私の精神で、惜しみなく力を発揮しており、その救援活動に敬意を表するものです。
 創価学会として義援金を届けたほか、大量の救援物資を寄贈され、さらに、被災地域にある会館が一時避難所や救援センター等となり、約5000人の地域住民を避難者として受け入れました。
 そして何より「創大ボランティア」チームが、危険を顧みず、現地に乗り込んで活躍されたと聞き、心から感動しております。
 また、創価学会のドクターや看護師のグループも、避難者に対しての健康相談室を開くなど積極的に活動し、同じく音楽隊も、避難所を訪れて勇気と希望を送る慰問公演をされました。
 これらはすべて池田先生が示されてきた「励ましの世界」であり、創価精神を体現するものであります(大拍手)。
 今から40年ほど前、私は、南京大学を卒業したばかりの青年教師でありました。中日両国人民の世々代々にわたる友好関係の構築に多大な貢献をされた、池田先生のご高名を耳にしたのは、その頃でありました。
 以来、池田先生への尊敬の念は、いや増しております。先生は50余年にわたり、創価学会の会長、名誉会長、そして、SGI(創価学会インタナショナル)会長として、世界を舞台に活躍してこられました。
 その間、世界50カ国以上を訪問し、政治・文化・教育など各界の著名人との真摯で誠意あふれる対話のなか、人類の平和と幸福を願って友情を結びつつ、世界平和の事業に卓越した貢献をなされてきたのです。
 また、池田先生は、創価大学をはじめ数多くの機関を創立し、積極的に文化・教育の発展、促進に寄与し、その際立った成果は、まさに万人が認めるところであります。
 ある偉人は、「一つの良きことを行うことは難しくないが、良きことを生涯にわたって続けるのは、難事中の難事である」と語っています。
 思うに、池田先生は、一貫して弛むことなく、創価学会ならびにSGIの運動として文化と教育事業を推進しつつ、全魂を傾けて世界平和に身を投じてこられたのであります。
 まさに、平和のために一身を捧げ、使命達成のために労苦を惜しまない“真正の闘士”なのであります。私たちは、その崇高なる姿に深く深く感動するものです(大拍手)。
 マカオ科技大学は、「文化交流を推進、人材育成に力を尽くし、経済の発展と社会の進歩を推進する」ことを使命としています。
 とともに、現代の教育思想とマカオ社会の現実を結びつけ、「多様な文化を受け入れる」「専門分野と一般教養の双方を尊重する」との教育理念をもって、創造性を発揮してまいりました。
 そして、建学わずか10年という短期間に、その規模や教育レベルを急速に向上させ、マカオ最大の最高学府となり、中国返還後のマカオの高等教育発展における、一大トピックとなりました(大拍手)。
 創価学会ならびに創価大学は、ヒューマニズムの尊重を基調に、人間教育に力を入れ、優秀なる人材を育成してこられました。
 このような、素晴らしい人間性と豊富な学識を養成し、創造的な人材を育んでいる新しい教育思想に対して、私どもは大きな称賛をお送りするものであります(大拍手)。
 創価大学が掲げる、「人間教育の最高学府たれ」 「新しき大文化建設の揺藍たれ」「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」との建学の精神に、私たちは強く賛同するものです。これこそ、池田先生が生涯、追求してこられたものを、現実のものとされておられるのであります。
 このように、池田先生が一生を通して求め得た、傑出したその成果は、わがマカオ科技大学の使命と相通ずるものがあります。
 先生が、これまで受けられた数々の栄誉は、まさに名実ともに授与されるべくして授与されたものでありました。
 このように傑出した方に、マカオ科技大学の「名誉教授」称号をお受けいただくことができ、私どもは心から感激しております。
 池田先生! 創価大学とマカオ科技大学はともに手を携え、新しい人材育成の事業に邁進してまいりたいと思いますので、どうか、よろしくお願い申し上げます。
 最後に、被災地の皆さまが一日も早く困難を乗り越え、震災から立ち上がられることを深くお祈り申し上げ、あいさつとさせていただきます。
 誠にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

マカオから「不屈の光」「創新の光」「調和の光」を‼

今年は辛亥革命100周年 孫文先生の叫び
苦難の時こそ努力と挑戦
多才な人材光るマカオ科技大学
一人一人の特性を伸ばせ


 一、はじめに、このたびの東日本大震災に際しては、マカオ各界の皆様方から、真心あふれる温かなお見舞いと、大きく力強い支援をいただいてまいりました。
 さらに今回、激務のなか、このようにマカオ教育界を代表する、マカオ科技大学の許敖敖《きょごうごう》学長ご夫妻一行が来学くださったことは、日本の青年たちへの何よりのエールであります。
 厚く厚く御礼を申し上げます。
 一、きょうは、うれしいことに、マカオからの大切な大切な留学生も、駆けつけてくれました。
 さらに、東北の被災地をふるさととして、尊いボランティア活動に奔走してきた学生の代表も、参加してくれております。
 私たちは、最大の感謝と尊敬を込めて、マカオの先生方を歓迎申し上げたいのであります(大拍手)。
 一、ここにお迎え申し上げた許学長は、太陽物理学を専門とされる国際的な天文学者であられます。
 昨年には、宇宙で新たに発見された小惑星が、中国科学院の申請によって「マカオ科技大学の星」と命名されたとうかがいました。
 貴大学は、まさしく21世紀の教育界を鮮烈に照らしゆく大明星であり、太陽であります。
 その貴大学の光輝満つる「名誉教授」の栄誉を、私は愛する創価の青年たちと共に、深き決意をもって拝受させていただきます。
 誠に誠にありがとうございました(大拍手)。

激流に揺るがぬ哲学をもて!
 一、本日、貴大学の栄えある一員とさせていただいた、わが決意を3点に約して申し上げるならば、第1に「不屈の信念の光を」ということであります。
 思えば、今年は辛亥革命から100周年──
 その大指導者であられた孫文先生が、革命の成就へ、不撓不屈の歩みを開始された大いなる青春の起点の天地こそ、マカオでありました。
 孫文先生は「至難困苦の時代に際して、吾人は当に努力進取せさる可からず」(外務省調査部編『孫文全集』下巻、原書房=現代表記に改めた)と叫ばれました。
 いかなる苦難にも断じて屈しない。いな試練があればあるほど、いやまして闘志を燃え上がらせ、勇敢に立ち向かう。疲れも恐れも知らぬ、青年の活力を満々と漲らせて、変化や困難を、むしろ新たな前進と発展のバネと転じてみせる。そうした逸材を育てる電源地こそ、大学でありましょう。
 そのために大事なのは、時代の激流に揺るがぬ信念であり、哲学であり、ビジョンであります。
 孫文先生も宝として尊重された中国の不滅の古典『大学』の哲学には、「個人の内から発して外にいたり、個人の内部からはじめて平天下にまでおよぼす」(山口一郎訳「三民主義」、『孫文選集』第1巻所収、社会思想社)という平和創出のプロセスが明確に示されております。
 これは、日本の軍国主義との戦いのなかで、私の恩師・戸田城聖先生が確立した「人間革命」の思想とも軌を一にするところであります。
 貴大学は、この『大学』の一節に由来する「意誠格物(心を誠実にし、事物の本質を探究する)」との校訓を掲げておられます。この校訓のごとく、旺盛に真理を探究し、たゆみなく学問に挑んで、民衆に奉仕し、社会の興隆に貢献する力ある人材を、貴大学は誠心誠意、育て上げてこられたのであります。

教育とは青年を信じ抜くこと

 一、第2に申し上げたいことは、「創新の英知の光を」ということであります。
 許学長は、「大学こそが創新の揺藍であらねばならない」と高らかに宣言なされています。
 この断固たるリーダーシップのもと、貴大学は医学や宇宙科学、さらに人文科学にいたる多彩な分野で、創新の実績を積み重ねてこられました。
 また、マカオ初となる漢方薬学の国家重点実験室が貴大学に設置されたことにも、大きな注目が寄せられているところであります。
 さらに、「世界管理挑戦コンクール」でチャンピオンを獲得し、世界4大会計事務所の「徳勤税務エリートコンクール」で最優秀の成績を収められるなど、若き学才が伸びやかに開花しております。
 その大きな源泉は、貴大学における「因材施教(材に因りて教を施す)」──すなわち学生の特性や持ち味、志向などに即して、それぞれの創造性を伸ばしゆく人間教育の実践ではないでしょうか。
 ともあれ、一人一人の青年の生命に計り知れない創新の光が秘められています。その光を信じ抜き、解き放っていく時、青年は価値創造の太陽となって輝き始めます。
 わが「創価教育」の希望の挑戦も、ここにあるのであります。

歴史学者トインビー博士の期待

中国の世界精神を「平和への機軸」に

たゆまず学び共に勝利の曲を
 一、第3に申し上げたいことは、「調和の人格の光を」ということであります。
 貴大学は、月や地球探査の最先端の研究もリードされております。歴史的な申国初の月面探査衛星「嫦娥《じょうが》1号」の搭載機器の開発に携わられたことも、よく存じ上げております。
 昨年は、欧米やアジアより気鋭の科学者が貴大学に集って「月科学国際シンポジウム」が開催されました。
 「月」の科学研究といえば、大歴史学者のトインビー博士は、1969年、アポロ11号による月面着陸の折、一つの論考を発表されました。
 そこで博士は、こうした「科学技術の勝利」の真の成果は、それを実現した、世界の科学者の「協力」にあると言われ、その先に「平和」の実現を念願されていたのであります(秀村欣二・吉沢五郎編『地球文明への視座』経済往来社)
 このトインビー博士が、平和への機軸として大いなる期待を寄せておられたのが、中国の歴史を貫く世界精神でありました。
 なかんずくマカオには、450年を超える東洋と西洋の「調和」の智慧が脈打っております。これは、人類文明の共生の未来を開きゆく科学技術の探究においても、かけがえのない結合の力となりゆくことを、私は確信してやみません。
 この「不屈の光」「創新の光」そして「調和の光」を放ちゆく人材の大星雲を、貴マカオ科技大学の皆様方とご一緒に、私たちは、さらに燦然と、世界へ、未来へ、広げていこうではありませんか。
 その真情を、貴大学の素晴らしき校歌に、私は託させていただきます。
 そこには──
 たゆまず諦めず、厚く積んで土台を築き
 怠ることなく、創新を最上としよう!
 調和しゆく立派な仕事で
 共に勝利の曲を奏でようではないか!
 ──との心が歌われているのであります。
 敬愛してやまぬ貴大学のいよいよのご隆盛を、私は心からお祈り申し上げます。
 そして21世紀文明の希望の都であるマカオ社会が、永遠無窮の栄光に包まれゆくことを念願して、私の謝辞といたします。
 謝謝《シェシェ》!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)

SGI会長が漢詩を贈る

十載星霜創業情
意誠格物応自明
修身斉家更治国
唯願天下永和平

〈大意〉
 創立10周年の佳節を刻む貴大学が
 意念を誠実に掲げ、事物の原理・法則を
  究めようとしておられることは
  校訓に照らして自ずと明らかである。
 一身を良く修め、一家和楽を実現し
  更に国をも治めんとしておられるのは
 偏に世界の恒久平和の為に
  貢献したいと願っておられるからである。
2011-05-29 : スピーチ・メッセージ等 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.47/48

随筆 我らの勝利の大道 No.47/48
             (2011.5.25/26付)

青年の新たな陣列

賑やかに 若き命よ 踊り出よ
新生の息吹で「友情」と「仏縁」を拡大


 賑やかに
  若き大軍
    立ち上がれ
  広宣流布の
   時は 今かと

 フランスの文豪ロマン・ロランの戯曲に、天空を仰いで放たれる叫びがある。
 「あらゆるものは前進する。地球、事物、人と同じく空もまた進む」
 ──今、まばゆい青葉の彼方に広がる、無限の青年の大空よ! 白き雲も舞い飛ぶ、颯爽たる青嵐よ!
 さあ、我らも新たな前進だ! 若き地涌の菩薩たちが勇んで躍り出た。
 新青年部長、新男子部長、新女子部長が誕生して、清々しい“青年学会”の新出発、本当におめでとう!
 結成60周年という新生の時に、新しい勝利の大道を新しい力の結合で、思う存分に開いてくれ給え!

前進勝利のために
 半世紀前、カナダ・ケベック州に広がった民衆意識と社会の非暴力改革「静かな革命」の礎を、文学を通して築いた女性、ガブリエル・ロワは綴った。
 「若さとは常に、命のきらめきを分かち与えてくれる」
 誠にその通りだ。
 いわんや妙法は、永遠なる若さの源泉である。
 ゆえに、学会の組織は、常に青年を先頭に、若々しく生き生きとした生命体であらねばならない。それが「広宣流布」という民衆救済と平和創造の行動体としてのきらめきである。
 だからこそ常に──
 新しい息吹を入れる。
 新しい刺激を与える。
 新しい決意で奮起する。
 人事もすべて、広宣流布のさらなる前進のためだ。全員が勝利し、全員が仏の生命を開きゆくためだ。
        ◇
 中国の文化界のリーダーである高占祥《こうせんしょう》先生(中華文化促進会主席)は、私との対談「地球を結ぶ文化力」で論じておられた。
 「新たな時代の指導者として、最も重要なのは──
 ①人材を求める心
 ②人材を愛する徳
 ③人材を用いる大胆さ
 ④人材を育てる道理
 ⑤人材を受け入れる度量である」と。
 どれだけの人材を育て、伸び伸びと力を発揮できる舞台を開いたか。そこに、進歩と発展への鍵があり、指導者の真価も現れる。
 牧口常三郎先生が展望されていた「人道的競争」も、どれだけ平和と正義の人材を育成したか、その競争といってもよいのだ。
 組織の人事の交代にあっても、これまで戦ってきた先輩は、登用された後輩たちの活躍を、わが喜びとし、誇りとしながら、共に向上と躍進へ、一段と加速していただきたい。

師子吼に呼応して
 御聖訓には仰せである。
 「かかる者の弟子檀那とならん人人は宿縁ふかしと思うて日蓮と同じく法華経を弘むべきなり」(御書903㌻)
 広宣流布は、師匠と心を同じくする弟子の総決起によって成し遂げられる。
 60年前の5月、第2代会長に就任した、わが師・戸田城聖先生は、大折伏の誓願を叫ばれた。その師子吼に応えて立ち上がった陣列こそ、青年部である。
 師が命を賭して掲げられた「大法弘通」「慈折広宣流布」のために、私も力の限りを尽くして、戦いの火ぶたを切ったのだ。
 まさに、この5月にも、新来の友を招いて、地区の座談会を活発に行った。
 しかし、なかなか入信には至らない。当時の私の日記には、悪戦苦闘の心情が折々に綴られている。
 「どうして、こんなに、正法を、信仰を、求めぬのだろうか?」
 「妙法の力により、いつかは、必ず、信心させて貰いたいと、乞うて来る日が来ることだろう。それまで、頑張ろう。……頑張っていれば良いのだ」
 「正法を、深く、汝自身が理解することだ。
 正法を、広く、汝自身が広めゆくことだ。
 正法を、強く、汝自身が生活に生かすことだ」──
 正法を一人ひとりが受持しゆくことが、行き詰まらざる人生を歩む道である。また、正法を時代の原動力としていくことが、光輝ある幸福と平和な社会の建設につながる。私は、そう確信して、仏法対話を一波また一波と起こしていった。
 そして60年──。今、世界192カ国・地域に正法は千波万波と広がり、仏法を基調とした「平和」「文化」「教育」の三色旗は高々と翻った。恩師の切望された「旗持つ若人」も澎湃と続いてくれている。
        ◇
 間もなく、ナポレオン家の子孫であるシャルル・ナポレオン公と私との対談集が発刊される予定である。
 その中で「指導者論」が大きな焦点となった。
 私は師から学び、心がけてきた三点を申し上げた。
 一、自分自身は偉くなることを求めない。皆を偉くしよう。
 二、家柄や学歴、社会的地位などで差別することは絶対にしない。皆、人間として平等に大切にしていこう。
 三、第一線で、一生懸命に健闘してくれている人を最大に大事にしよう。慢心や要領のある幹部には、あえて厳しくしよう。賞罰を明確にし、公平にして、皆がやる気を奮い起こして団結していけるようにしよう。
 ──これには、ナポレオン公も、深く共鳴してくださった。
 ナポレオン公は、こう言われている。
 「ナポレオンは、『強い意志』と『聡明なビジョン』、そして『自由な思考』をもって、力ある青年を結集していくならば、錯綜した苦難の渦中にあっても、必ずや、それを突破して、時代を転換する偉業を成し遂げることができることを示しました」
 実際、ナポレオンが世界に躍り出る勢いとともに、新進気鋭の人材が次々に台頭していった。
 1799年、フランス共和国の第一執政に就任した時、ナポレオンは何歳であったか。30歳である。
 若き指導者を中心に、意気盛んな同世代の青年たちが固まり、さらにその核の周りに、広く社会から進取の英知と力が結集していったのである。若さから迸るスピードにこそ、他を圧倒する強さがあったとも分析されている。
 ともあれ、今日ほど青年の熱と力の糾合が待望されている時代はあるまい。
 わが青年部が、満を持して、今再びの「拡大」に挑む時が来たのだ。
 それは、人間革命による自らの境涯の拡大である。
 また、勇気の対話による友情と仏縁の拡大である。
 そして、信念の行動による社会貢献の連帯の拡大なのである。

娘の祈りと真心で

 正しき信仰は、自分だけではなく、家族も、友人も、縁する眷族も、皆を幸福へとリードしていける究極の力である。
 釈尊の時代に、純真に信仰に励むローヒニーという女性がいた。彼女の父は、仏法に無理解であった。
 ある時、世間の悪口《あっこう》を挙げ、なぜ仏教徒になったのかと、娘を問い詰めた。
 「おとうさん」と、聡明な娘ローヒニーは答えた。
 「あなたは〈道の人〉たちのことを、わたしに尋ねてくださいました。わたしはあなたに、かれらの智慧と戒行と努力とをほめたたえましょう」
 娘は、父の誤解を解きほぐすように〈道の人〉──釈尊と弟子たちの真実を、明快に語っていった。
 「かれらは、働くことを欲し、怠けず、すぐれた活動をなし」「清らかな行いをなし、三種の悪の根本を除き、あらゆる悪を捨てています」
 「種々なる家から来て、また種々の国々から来ていますが、相互に親しんでいます……」
 真剣な娘の話に、父は心を動かされていった。
 「ああ、そなたは、われらのために、〔この〕家に生まれたのだ。そなたは、ブッダと真理の教えとにたいして信仰あり、修行者の集いにたいして熱烈な尊敬心をもっている……」
 娘が“おとうさん、信心しましょう!”と語りかけると、父は頷いた。
 「わたしは、そのようにみごとなブッダと、真理の教えと、修行者のつどいとに帰依します」
 ──理解してもらうまで時間のかかる場合もある。しかし、娘の祈りと真心は必ず父に通ずる。父の心を変える時が必ず来る。
 信仰のことで家族が争う必要はない。日頃の親孝行を心がけ、自分が成長する姿を見てもらって安心していただければよいのだ。
 御聖訓には、「法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり」(同1528㌻)と仰せである。
 わが華陽の乙女たちは、幸福の太陽である。
 一家にあって、地域にあって、社会にあって、朗らかに女子部が立てば、そこから明るい希望の光が、燦々と輝き出るのだ。

 華やかに
  心光りし
   青春の
  高貴な城をば
   日々に築けや

 ロランは『獅子座の流星群』片山敏彦訳(岩波書店)。ロワは『わが心の子らよ』真田桂子訳(彩流社)。ローヒニーの話は『中村元選集[決定版]13 仏弟子の生涯』(春秋社)。

君たちを創価の大樹と仰ぎ見ん
「一対一の対話」から広宣流布は前進


 限りある
  尊き生命《いのち》を
   妙法に
  捧げ 飾れや
   社会の王者と

 世界中の創価の青年が、それぞれの使命の舞台で、日々、奮闘している。その報告を聞くことが、私の何よりの喜びである。
 先日、一人の男子部の地区リーダーからいただいた手紙には、勤務先で営業成績の日本一を獲得し、最年少でプロダクトマネジャーに抜擢されるなど、大いに信頼を広げている様子が綴られていた。
 多忙の中で、仕事と学会活動の両立に懸命に挑み、時間をやりくりしながら創価班の任務にも着き、週末には、地区の友と勇んで活動に励んでいるという。
 私は伝言を託した。
 「一生懸命、仕事をすること、それも仏法だから、悔いなく仕事をしていきなさい。学会活動をしようという思いは忘れず、焦らずに前進を! 大勝利の人生を待っているよ」と。
 生活は即、信心であり、仏法は即、社会である。
 一人の青年として、持てる力を最大に出し切って、職場で、なくてはならぬ存在として光っていくのだ。そこに信仰の本領がある。
        ◇
 同志の中には、今は仕事が忙し過ぎて、なかなか活動には参加できないメンバーもいるであろう。リーダーは、大きく包容しながらの励ましをお願いしたい。
 日蓮大聖人は、ある地域の広布の中心者(高橋入道殿)に仰せになられた。
 「一日も我がかた(方)とて心よせなる人人はいかでか をろ(疎)かなるべき」(御書1460㌻)
 ──たとえ一日であろうと、わが味方として心を寄せてくれる人びとを、どうして粗略にできようか。
 御本仏の御心は限りなく深く、大きい。
 広宣流布の陣列に、たとえわずかでも連なり、味方をしてくれる人、心を向けてくれる人は、大聖人との仏縁を結ぶことになる。
 だからこそ、勇気を出して対話を重ね、友情のスクラムを大きくしていくことだ。そのうねりのなかで、地涌の菩薩を、一人また一人と呼び出していくのだ。

一人と向き合って
 「一対一の対話」がいかに大事か──。
 法華経には、その深き意義が明らかにされている。
 「若し是の善男子・善女人は、我が滅度の後、能く竊かに一人の為めにも、法華経の乃至一句を説かば、当に知るべし、是の人は則ち如来の使にして、如来に遣わされて、如来の事を行ず」(創価学会版法華経357㌻)
 法師品の有名な一節だ。
 師匠の後を受け継ぐ、弟子の「実践論」が凝縮された仰せである。
 人生は千差万別である。
 悩みを抱えている友がいる。夢に向かって一生懸命な友もいる。道に迷っている友もいよう。その目の前の「一人」と向き合い、誠実に、対話を重ねていく。すべては、ここから始まる。
 勇気を奮って、たった一言「この仏法はすごいよ」と語るのが、精一杯の時もあろう。それも、立派な折伏である。
 相手がまともに聞いてくれない時もあるかもしれない。それでも、友の胸中に具わる仏性には必ず届き、響いている。深き生命の次元から見れば、仏の種子は蒔かれ、やがて必ず芽吹く春がやってくるのだ。
 これが聞法下種である。
 誰が見ていようがいまいが、粘り強く、対話を貫くことだ。その人こそが、一切衆生を救済するという「仏の仕事」を、現実の上で行っている最高に尊い「仏の使い」なのである。
        ◇
 青春は、思うようにいかない現実との戦いでもある。地道な努力が実らず、もどかしさや悔しさにかられる時もあるに違いない。
 しかし、人生の勝負は、目先ではなく、長い目で見なければわからない。
 御聖訓には──
 「釈尊の弟子の須梨槃特は、3年間に14文字の経文すら暗唱できなかったけれども、仏になれた。
 しかし、提婆達多は六万蔵の経典を暗唱したけれども、無間《むけん》地獄に落ちた。
 このことは、ひとえに末代の今の世のことを表しているのである。決して他人のことと思ってはならない」(御書1472㌻、趣意)と厳しく仰せである。
 名聞名利に流され、増上慢に狂った恩知らずの末路は、あまりにも無残だ。
 あのトインビー博士も、傲慢こそ「他のいっさいの罪がはいりこんでくる門戸」と鋭く喝破していた。
 真面目に仏道修行に励み、師弟の道に生き抜いた人は、最後に必ず勝つ。多宝の先輩方の勝利の人生が、何よりの証明である。
 くよくよすることはない。惑うこともない。悩みがあるからこそ、わが生命は強く大きく鍛えられる。
 「勇敢に、誠実に耐え抜くものにのみ、幸運は微笑みかける」とは、大文豪ゲーテの知恵の言葉である。
 苦難に遭っても、嘆かず屈しない。頭を上げて、使命の道をまっしぐらに進み抜いていくのだ。その人にこそ、「変毒為薬」の時は必ず来る。栄光の朝が晴れわたるのだ。
         ◇
 南米アルゼンチンの青年たちも、この5月3日を、堂々たる前進と拡大で飾ってくれた。
 記念の幹部会には、私が対談集を発刊したエスキベル博士ご夫妻はじめ多くの来賓も出席くださった。
 エスキベル博士は、東日本大震災へのお見舞いとともに、「創価の青年たちがいる限り、未来は明るい。さらに素晴らしい日本を、希望に満ちた世界を、必ずや築き上げてくれると確信してやみません」と呼びかけてくださったのである。

“大楠公”の詩の心
 会合では、「青年よ広布の山を登れ」の大合唱や、アルゼンチン音楽隊・鼓笛隊の友による “大楠公” などの演奏も披露された。
 ♪青葉茂れる桜井の……
 この曲に託された父から子への後継の誓い、そして師弟の魂を、全世界の青年が受け継いでくれている。
 戸田先生は、どれほど喜ばれるであろうか。
         ◇
 先生が大好きであられた “大楠公” の詩は、明治時代の著名な国文学者・落合《おちあい》直文《なおぶみ》の傑作である。
 現在の宮城県気仙沼市の出身であり、今年は生誕150周年に当たっている。生家は、仙台藩伊達家の筆頭家老の名門であった。
 “大楠公” の詩には、後継ぎの若武者が生きて生き抜き、一日も早く成長して大業を果たしゆくことを願ってやまぬ、厳父の心があふれている。
 次のような場面もある。
 ──父・正成《まさしげ》は子・正行《まさつら》に一振りの刀を、今世の形見として授ける。そして粛然と言い渡す。
 「行けよ正行 故郷《ふるさと》へ 老いたる母の待ちまさん」
 父から子へ、使命の太刀は渡る。その子は、郷里の母を護り、時を待ち、力をつける。そして、偉大な母のもとから、必ず立ち上がるのだ!
 父子《ふし》の誓いの劇は、また母子《ははこ》の正義の劇でもある。
 “大楠公” の詩の底流には、「父の恩、母の愛」への思いが流れ通っていたに違いない。
 ──心に故郷を抱き、父母を思えば、いかなる労苦にも耐えられる。生き抜く勇気が湧いてくる。
 この名詩を詠んだ落合直文の故郷──東北の天地でも、今、多くの青年が、父の心を受け継ぎ、母の心を護り抜いて、勇敢に忍耐強く奮闘してくれている。
 救援・復興に尊き金の汗を流す青年たちと、私の心も一体である。

大地から伸びよ!

 私は恩師に見出され、「嵐に負けずに伸びよ」と、師弟の大地に植えられた一本の若木であった。
 わが心に原点の大地を持つゆえに、私はいかなる苦難も耐えられる。絶対に負けない。恐れない。
 一日一日、青年の心をもって、胸中で師匠・戸田先生と対話しながら、新たな決意を燃やして生き抜き、戦い抜いてきた。
 だから勝った。だから、全民衆を護りゆく「大樹」の創価学会を築くことができた。一点の後悔もない。
 そして、わが愛する青年諸君こそ、私が生命を注いで鍛え磨いた、正義の宝剣である。私が未来の世界に贈る、希望の大樹なのだ!
 共に歌ってきた「紅の歌」に私は詠んだ。
 「子《きみ》よ大樹と 仰ぎ見む」
 私は君たちを信ずる!
 君たちの成長と勝利を、悔いなき人生を、私はひたすらに祈り待っている!
 さあ、広布を担い、世界を担い立つ青年の大樹を、いよいよ壮大に晴れ晴れと、この地球上に林立させていこうではないか!

 偉大なる
  広宣流布の
    仕上げをば
  君らに頼まむ
    君よ 指揮執れ


 トインビーの言葉は『トインビー著作集4』所収「現代宗教の課題」山口光朔訳(社会思想社)。ゲーテはビーダーマン編『ゲーテ対話録3』国松孝二訳(白水社)。落合直文は堀内敬三・井上武士編『日本唱歌集』(岩波書店)。
2011-05-29 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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希望の花束 3 池田名誉会長の指針から

希望の花束 3 池田名誉会長の指針から
  聖教新聞社 2011.6.10刊 ¥800(税込)

第1章 「随筆 我らの勝利の大道」から
 今日も元気で!──創価の母に幸福と平和の花を!(2010.1.9付 聖教新聞)
  美しき蘭のしおり
  闘う我らの心意気
  幸せ求める幾山河
  あすへの希望広げ
  “最後まで徹して”
 偉大なる母に幸あれ!──尊き「母桜」よ 勝利 勝利と咲き薫れ(2010.5.22付 聖教新聞)
   日向は太陽の宝土
  “革命が仲人です”(周恩来夫妻)
  気さくに率直に!
  未来を育む母の桜
  尊極の仏とは誰か
  勇気あるところ 太陽は輝く!
  麗しき「白ゆりのスクラム」で前進
  「常勝の母」の誓い
  大誠実で祈り動け
 私の創立80周年──共々に偉大な「人間革命」の1年を!(2010.1.1付 聖教新聞)
  「大願」は広宣流布! さあ前進だ‼
 「地区」こそ創価家族の広布城──偉大な理想へ 実践は足元から(2010.6.6/8付 聖教新聞)
  ここに使命が! ここで勝つのだ!
  最前線に勇気と歓喜よ 燃え上がれ
  価値創造の人生を
  誠実に 真剣に!
  大埼玉へ走る!
  全幹部が第一線に
  大関西も地区発で
  人材は必ずいる!
  さあ 戦いは「これから」だ
  一人を大切に! 地域に偉大な力あり
  「不屈」の祈りと行動で躍進の波を
  幸福勝利の責任者
  皆で力を合わせて
  広布は我らの手で
  共に誓いの握手を
  皆が主役の人材城
 「人間革命」と我が人生──皆が「冬は必ず春」の法理の証明を(2010.9.20/21付 聖教新聞)
  君よ偉大な使命の「物語」を綴れ!
  11月18日に「連載6000回」の金字塔
  富士の如く立て!
  師の真実を後世に
  「母の詩」の章から
  時代の焦点は「内面の変革」に
  新しき挑戦の一歩から師弟勝利の大叙事詩を!
  大志に燃えて 読め 学べ 語れ!
  二人の巨人の展望
  弟子が偉業を宣揚
  永遠不滅の流れを
  活字に魂を込めて
  大ロマンがここに

第2章 「随筆 人間世紀の光」から

 尊き婦人部の皆様に贈る──母を幸福に! それが平和の大道(2006.6.10付 聖教新聞)
  広宣流布へ「健康第一」「生活第一」で! 
  偉大な「太陽」の笑顔に感謝 
  いかなる著名人よりも私の母は賢く美しい
  平和の後継者を!
 尊き広布の天使──希望の母は「心」の勝利者(2007.6.25付 聖教新聞)
  わが偉大なる婦人部を讚う
  世界の平和とは 女性が幸福に輝くことだ!
  さあ勇んで人間のなかへ! 対話の花園を!
  「日本の母がいます」 (ロベール・ギラン)
  人間外交の名大使
  一歩一歩頂上へ
 世界一の婦人部を讃う──幸福と正義の「灯」で世界を照らせ!(2008.1.25付 聖教新聞)
  春が来た! 希望の春が来た!
  グループ発足30周年「師弟の心」で対話の波を
  母たちの「勝利」こそ 民衆の「栄光」の拡大
  偉大な宗教革命
 創価の母に万歳を!──「太陽の婦人部」は世界一の輝き(2009.6.12/13付 聖教新聞)
  広宣流布とは新たな連帯の創造
  殻を破れ! 勇気の対話で心を結べ!
  さあ 正義の声を 共戦の波を朗らかに!
  ペルーの先駆の母
  親交は精神の修業
  全ては祈りから!
  常勝の歌よ轟け!
  女性こそ平和と幸福の英雄
  進もう!「賢者はよろこび愚者は退く」
  勝利の笑顔よ! 「白ゆり」の城に咲き香れ
  「夫がこの場所で!」
  女性が声をあげれば
  毎日が新しき挑戦!
 尊き「多宝会」の同志、万歳!──「仏」とは戦い勝つ忍耐の生命(2005.9.29付 聖教新聞)
  広宣流布の人生こそ最大の健康法  
  「わが勝利の物語」を綴り抜け
 創刊55周年を祝す──無冠の友に心から感謝(2006.4.20付 聖教新聞)
  正義の師子吼こそ 聖教の魂  
  「真実」のため「民衆」のために奉仕を!
   
第3章 「大白蓮華」巻頭言から
 賢明なる母──「婦人部の日」を祝して(大白蓮華 2006.6月号)
 創価の女性は元初の太陽なり(大白蓮華 2007.12月号)
 5・3「創価の母の日」万歳!(大白蓮華 2010.5月号)
 「生涯青春」の多宝の友、万歳!(大白蓮華 2007.10月号)
 最前線の「太陽」に最敬礼を!(大白蓮華 2009.6月号)

第4章 講義「御書と師弟」から

 女人成仏の宝冠──創価の母に永遠の感謝(2009.5.10付 聖教新聞)
 御聖訓
 法華経の師子王を持つ女人は
 一切の地獄・餓鬼・畜生等の
 百獣に恐るる事なし
       (千日尼御前御返事、御書1316㌻)
  気高き境涯の「幸福博士」万歳!
  佐渡の婦人を激励
  「女性の勝利」の経典
  命がけで師を護る
  「夫を御使として」
  後継を立派に育成
  わが胸に仏菩薩が
  平和学者──「決意に輝く皆様は世界の希望」
  生命の宝器を強く

第5章 友へ贈る詩──和歌・句から
2011-05-15 : 各部への指針集 :
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創価大学41期 女子短大27期 新入生の集いへのメッセージ 

創価大学41期 女子短大27期 新入生の集いへのメッセージ 
                    (2011.5.5 創大記念講堂)


 創価大学・創価女子短期大学(東京・八王子市)の新入生の集いが5日、それぞれ行われた。
 創大・短大では、東日本大震災や計画停電の影響を考慮し、授業開始を1カ月延期。9日のスタートに向け、この日、ガイダンス等が開かれた。
 これには、創立者の池田大作名誉会長がメッセージを寄せた。
 その中で、創立者は、新入生の希望の門出に際し、第1に「志を高く創造性を発揮せよ!」、第2に「新時代を開く友情の連帯を!」、第3に「負けじ魂で忍耐強く努力を!」とエールを。
 「学は正義の宝剣」「学は一生の力」「学は社会の光」と呼びかけた。


「学は一生の力」限界まで学び抜け
志を高く! 勇気で勝て

東北の碩学の祖父の教え
成し遂げるまで止めない

 一、創価大学の第41期生、創価女子短期大学の第27期生の皆さんの入学を、私は心待ちにしておりました。
 世界18カ国・地域からの尊き留学生の皆さんも、本当にようこそ、勇み集ってくださいました。ありがとう! 本当にありがとう!
 教員の先生方、職員の方々、人類の宝の逸材である新入生をよろしくお願いします。
 また新入生の皆さん! 厳しい経済状況の中、大学へ送り出してくださったご家族の皆様方に、どうか、私からの最大の感謝の心をお伝えしてください。
 一、皆さん方の希望の門出に際し、私も学友として一緒に大学生活をスタートするような心で、3点にわたってエールを送りたい。
 第1に「志を高く創造性を発揮せよ!」ということであります。
 16世紀の韓国の大学者・李《イ》栗谷《ユルゴク》は叫びました。
 「学びを始めようとする者は、まさしく志を高く立てて、偉大な人物になることを自分自身に誓うべきである。少しでも卑下して、ひるむようなことがあってはならない」と。
 至言です。自分を決めるのは自分であります。自分の志の高さが、自分という人間を高めてくれるのであります。青年にとって限界とは、自分で自分を卑下して低く決めつけてしまうことにほかなりません。「学ぶ」生命に諦めはない。学んだ分だけ、自分でなければ発揮し得ない創造性を開発することができるからであります。
 うれしいことに、各界から、わが創価の学生には「模倣」ではなくして「独創」の力が光っていると評価をいただいております。
 どうか、この伝統をさらに輝かせながら、地道な探究を怠らず、自分自身の新たな価値を創造しゆく「創価」の底力を深めていっていただきたいのであります。

友情と信頼の絆
 一、第2に「新時代を開く友情の連帯を!」と申し上げたい。
 青春勝利の原動力とは何か。それは、よき友情であります。
 私と対談を重ねてきた、アメリカのエマソン協会のワイダー元会長も、わが創価の乙女たちの友情のスクラムに惜しみない賞讃を寄せてくださっております。
 博士は語られました。「友情は、私たち自身の人生を変革し、私たちが日々出会う、真の深い友情に結ばれたすべての人々の人生をも変革しゆく力を秘めている」と。その通りであります。
 社会を変え、時代を動かしゆく力も、人間同士の友情、信頼の絆から生まれると言って、過言ではないでありましょう。
 私も、平和のフォートレス(要塞)たる創価大学の創立者として、全世界に友情を結び、教育・文化の交流を広げ、文明間の対話を重ねてきました。世界の300を超える大学・学術機関との深き信頼のネットワークも、全部、皆さん方に託していく平和の大連帯であります。
 どうか、皆さんは、世界性、国際性に富んだ、この創価のキャンパスで、今、時代が強く要請する「語学力」「コミュニケーション力」を、大いに育んでいっていただきたいのであります。

忍耐強く努力を
 第3に、「負けじ魂で忍耐強く努力を!」と贈りたい。
 今回、東日本大震災の被災地からも、最優秀の英才が入学してくれました。「英知を磨くは何のため」──皆さんが今、歯を食いしばって学び抜き、知性の実力を磨き上げていくなかに、未来を照らしゆく希望の旭日が赫々と昇ることを、私は確信してやみません。
 日本初の近代国語辞書『言海』を著したのは、東北の大碩学・大槻文彦翁でありました。約4万語を網羅する、この大著の編纂には、どれほど血の滲む苦労があったか。完成までには、じつに17年の歳月がかかっております。その間、幼い愛娘を亡くし、続いて妻も失いました。それでも、筆を休めなかった。
 その支えは何であったか。それは、若き日から命に刻みつけた祖父・大槻玄沢(医学者)の教えでありました。すなわち「遂げずばやまじ」(高田宏著『言葉の海へ』洋泉社)──成し遂げるまで止めないという覚悟であります。
 人類の精神的遺産とは、こうした先人たちの言い尽くせぬ忍耐と執念の努力によって築き上げられたものであります。その労苦と使命に思いを馳せながら、謙虚に真摯に研鑽を貫いていただきたい。そして君たち自身も、きょうからの学生生活で、一生の使命の偉業を残しゆける土台を鍛え上げていただきたいのであります。
 一、ともあれ現在、対談を重ねているモスクワ大学のサドーヴニチィ総長とも一致しましたが、大学と創立者の命は完璧に、また永遠に一体不二であります。私は、いつでも厳然と皆さんを見守り続けております。
 大切な大切な皆さん方が、お父さんやお母さんが心から喜んでくださる立派な大学生活を、一人ももれなく健康で無事故で飾りゆかれるよう、妻と共に、朝な夕な、祈り続けてまいります。
 終わりに、東北の青春詩人・石川啄木の「青年は勇気なり」(『啄木全集 第2巻』筑摩書房)との一節を贈ります。そして、「学は正義の宝剣《つるぎ》」「学は一生の力」「学は社会の光」と申し上げ、私のメッセージとします。
 わが創大生、万歳!
 わが短大生、万歳!(大拍手)
2011-05-09 : スピーチ・メッセージ等 :
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「創価学会後継者の日」35周年記念勤行会へのメッセージ

「創価学会後継者の日」35周年記念勤行会へのメッセージ    
                   (2011.5.5 聖教新聞社・言論会館)

 5・5「創価学会後継者の日」35周年を記念する勤行会が5日、信濃町の本社・言論会館で開催され、首都圏の高等部・中等部・少年少女部の代表が参加した。
 これには、池田大作名誉会長がメッセージを贈り、「皆さんが学んだ分だけ、努力した分だけ、未来の地球を明るく正しく平和に照らしていける」と呼びかけた。



試練を越えてこそ人間は偉大に
平和と幸福の英雄たれ


 「後継者の日」は、創価学会にとって、5月3日と並んで一番大事な記念の日です。
 わが後継者である皆さんによって、広宣流布の未来の一切が決まるからです。
 私も、すべてを見守っております。ご父母の皆様方も、本当にありがとうございます。21世紀使命会のリーダーの尊き献身にも、心から感謝します。
 皆さんは、5月の青空を悠々と泳ぐ「鯉のぼり」の由来を知っていますか?
 それは、中国の竜門という激しい滝を登り切った魚は竜になるという伝説です。
 人間も厳しい試練を耐え抜いてこそ、偉大になれるという譬えなのです。
 日蓮大聖人は、この譬えを若き南条時光に示されました。そして、どんなに苦しいことがあっても、正しい信仰を貫き通すように励まされたのです。
 大聖人は時光に、「願くは我が弟子等・大願ををこせ」(御書1561㌻)と仰せであります。
 青年として、人間として、人生を賭けて悔いのない最も崇高な大願とは、いったい何か?
 それは世界の平和と人類の幸福を目指す「広宣流布」です。
 これこそが、皆さんのお父さんやお母さんたちが、私と一緒に、苦難を乗り越えて戦い抜いてくださっている正義の中の正義の大事業なのであります。
 今、世界の心ある知性から、その意義が深く讃えられております。
 有名な大英雄ナポレオンの子孫であるフランスのナポレオン公も、私に語っておられました。
 もし21世紀にナポレオンが出現したとすれば、女性や子どもたち、また苦労している庶民たちのために、世界的な連帯を築いて行動したに違いない。
 そして、その「21世紀のナポレオン」の前進は、まさしく創価の師弟の姿と重なり合う──と。
 皆さん方は、全員が新たな人類史の大英雄と輝く創価の後継者であります。
 この誉れも高く、堂々と胸を張って前進また前進をしていってください。
 ナポレオンも若き日、深い闇の時代のなかで、自分が太陽になると決めた。そして徹底して学び、本を読み、英知を磨いていったのです。
 皆さんも、今は勉学第一で、大いに力をつけていってください。皆さんが学んだ分だけ、努力した分だけ、未来の地球を明るく正しく平和に照らしていけるからです。
 終わりに、わが師・戸田先生も大好きであった、東北の大詩人・土井晩翠の言葉を、愛する皆さんに贈り、私のメッセージといたします。
 「日々向上の道すすめ のぞみの光ほがらかに」(『晩翠先生校歌集』)
 親孝行の道も、ここにあります。
 私は、いかなる時も、愛する君たちの健康と幸福と勝利を祈り抜いていきます。
 未来部、万歳! 君たち、万歳!
2011-05-09 : スピーチ・メッセージ等 :
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随筆 我らの勝利の大道 No.46

随筆 我らの勝利の大道 No.46
             (2011.5.4付 聖教新聞)

師弟共戦の5月3日

天高く 創価の勝鬨は轟けり
勇気の行動で勝つ 民衆の連帯で勝つ


現在も 未来も共に 苦楽をば 分けあう縁《えにし》 不思議なるかな

 ♪心はおどるよ
   青空晴れて
  この世のくさりの
   悩みをくだき
  新たなる力
   強くとどろく──

 ロシアのリムスキー=コルサコフの歌曲の一節だ。
 嵐の後の青空ほど、清々しいものはない。
 我らは、一年また一年、言い知れぬ苦難の鉄鎖を断ち切り、天高く勝鬨を轟かせて前進していくのだ。
 我らには、どんなに苦しい時も、歯を食いしばって目指す決着点の日がある。心通う友と、互いの奮闘を讃え合う祝祭の日がある。そして、湧き出ずる新生の力で出発しゆく原点の日がある。何と爽快な、何と張り合いに満ちた、民衆の凱歌のリズムであろうか。

大願とは法華弘通
 その日は、美事なる五月晴れであった。天も晴れ、地も晴れ、全同志の心も晴れわたっていた。
 昭和26年の5月3日である。
 私の師である戸田城聖先生は、一切の大難を勝ち越えて、威風堂々と第2代会長に就任された。弟子が祈りに祈り、戦いに戦い、待ちに待った日であった。
 会長就任式で、先生は「地涌の菩薩」の自覚の上から、荒れ狂う濁世において、日本さらに世界への広宣流布を、わが創価学会の大使命として誓願された。
 御義口伝に、「大願とは法華弘通なり」(御書736㌻)と示されている通り、広布大願は日蓮門下の魂である。
 「一切衆生の成仏」の法理を明かした法華経を弘めることは、社会に広く深く生命尊厳と人間尊敬の思想を打ち込むことだ。
 悩める人びとの心に、生きる希望と苦難に負けぬ勇気の火を灯しゆくことだ。
 立正安国の旗を掲げて、崩れざる世界の平和の基礎を断固と築きゆくことだ。
 広宣流布の前進の中にこそ、世界の民衆の命運を変えゆくカギが厳然とある。
 5月3日は、広宣流布のために、師匠が立った日である。そしてまた、弟子が共に立ち上がる日である。
 戸田先生はこの出陣を記念して歌を詠まれ、それを5月3日当日のご自身の写真の裏に認《したた》め、私に授与してくださった。

 現在も
  未来も共に
    苦楽をば
  分けあう縁《えにし》
   不思議なるかな
        ◇
 経文には「在在諸仏土 常与師倶生」(在在《いたるところ》の諸仏の土《ど》に 常に師と倶《とも》に生ず)と説かれる。
 久遠の妙法の光に包まれ、師弟は永遠に一緒に生きるのだ。苦楽を分かち、共に勝利するのだ。
 先生が「未来も共に」と言われた通り、私は、9年後の昭和35年の5月3日、師匠の広宣流布の大誓願を受け継ぎ、第3代会長に就任した。そして60年を経た今日も、いな、この瞬間も、私は師と不二の命で戦い続けている。
 わが生命の中に、生死を超えて、師匠はおられる。そしてまた日本中、世界中で活躍する地涌の友たちも、広布途上に逝いた懐かしき勇者たちも、皆、一緒におられる。
 このたびの東日本大震災で逝去された尊き同志も、私たちの命と一体である。
 大聖人は千日尼への御返事で、亡くなった夫の阿仏房は「多宝仏の宝塔の内《うち》に東む(向)きにをはす」(同1319㌻)と仰せになられた。御本尊に題目を唱えゆく時、亡き家族とも、功労の友とも、心の対話は自在なのである。
 生死は不二であり、妙法で結ばれた家族の縁、同志の絆は三世に永遠である。

「母の太陽」よ 幸福に輝け

青年が受け継げ!
 忘れまじ
  五月三日の
   この佳き日
  永遠《とわ》に輝く
    母の太陽

 「みんなは力限りよく働いてゐる」
 東北出身の詩人・白鳥《しらとり》省吾《せいご》は、「善良な心」を持って生き抜く民衆を詠った。
 だからこそ彼は、人びとを不幸に陥れる社会悪に怒り、祈るように願った。
 「あゝ彼等のゆく路を幸福に輝やかせよ」
 この民衆の幸福勝利の大道を、我らは開くのだ。
 なかでも、結成60周年の婦人部は、白ゆりの如き清らかな信心と、昇りゆく朝日の如き希望と勇気で、広宣流布の最前線を照らし続けてくださっている。
 恩師が「広宣流布は女性の力で成し遂げられる」と予見された通りであった。
 創価の勝利は、母の勝利である。ゆえに一番、力の限り戦ってこられた母が、幸福の笑顔に輝く時代を創らねばならないのだ。
 5月3日は、「創価学会母の日」──。私たちは万感の感謝と、婦人部万歳を心から叫びたい。
 学会は「本因妙」の精神で進む。常に「いよいよ」「これから」である。
 男女青年部の君たちは、この健気な母の勇気と忍耐を継承してもらいたい。
 君のいるその場所で、勇気をもって戦いを起こせ!
 そこで心と心を結び、粘り強く連帯を広げよ!
 学会魂は、その一歩前進の生命に脈打つのだ。
        ◇
 ちょうど60年前の4月、戸田先生の会長就任の直前のことであった。
 フランスのパリで、人類の平和に希望の光を投げかける新たな歴史の扉が開かれた。
 「欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)」を創設するためのパリ条約が、フランス、ドイツ、イタリアなど6カ国の間で調印されたのである。
 このニュースが日本で報じられたのは、奇しくも、わが聖教新聞の誕生と同じ4月20日付であった。
 日本のマスコミではごく小さな扱いで、その遠大な意義は正しく理解されていなかったかもしれない。
 しかし、この条約こそが、今日の(欧州連合(EU)」につながる明確な第一歩となったのだ。
 私が対談したクーデンホーフ=カレルギー伯ら多くの先人が願った如く、過去何百年もの間、凄惨な戦争の絶えぬ歴史に終止符を打つ、平和共存の“欧州統合”の夢が現実になっていったのである。

続ける、繰り返す

 この歴史については、英雄ナポレオンの子孫であるナポレオン公とも、私は語り合った。とくに経済人として、重大な変化の起点となった、ジャン・モネ氏(欧州石炭鉄鋼共同体の初代委員長)に光を当てた。
 モネ氏は言った。
 「物事の流れ」を変えるには、何よりもまず「人々の気持ちを変えなければならない」と。
 しかし言葉だけでは変わらない。彼は断言した。
 「現実にこれを変えるには、深くて実があり、即時の劇的行動が必要である」
 大胆にして具体的に的を射る行動──これである。
 そして「続ける、繰り返す」──モネ氏は自身の労苦の人生を貫く行動原理を、こう要約している。
 含蓄深い哲学である。
 行動を起こしたら続けることだ。何度でも繰り返し、あきらめず徹して挑み抜いていくことだ。歴史上、この単純にして確固たる信念を持たずに、偉大な事業が成されたことは何一つとしてないだろう。
 戸田先生は会長就任式で、「広宣流布」という民衆平和の大事業の遂行を、大空に翻る大旗のように明確に掲げられた。
 すなわち、広宣流布は「一対一の膝づめの対話」で成し遂げられると訴えられたのである。
 どこまでも目の前の一人と向き合い、誠実な、親身な、粘り強い対話を積み重ねていくことだ。
 「続ける、繰り返す」──そこに広宣流布の王道もある。
 私も、あの恩師の会長就任式に、折伏を実らせて臨んだ。そして師匠の誓願に呼応して、さらに勇躍、友人との仏法対話を広げていった。
 躊躇していれば、何も変わらない。
 「善事を行ふに遠慮は無用」とは、東北出身で、ジャン・モネ氏と一緒に国際連盟の事務局次長として貢献した新渡戸稲造博士の信条であった。
 さあ、対話だ。
 友と会うのだ。
 友と語るのだ。
 友を励ますのだ!

心の「絆」を強く!
 ナポレオン公が、創価の“お正月”である5月3日を祝賀して、わざわざ八王子市の東京牧口記念会館へお越しくださったのは、5年前のことであった。
 「英雄ナポレオンの残した言葉で、好きなものは?」と尋ねると、「共和」を挙げられた。
 「共和」とは、「人と人とのつながり」という意味であり、「私たちが毎日の生活のなかで、築き上げることができるものです」と明快に語っておられた。
 その着眼の上から、ナポレオン公は、創価の民衆運動を「21世紀の人類の希望」と讃えてくださり、その世界的発展を支えるのは、「真剣な女性の方々の連帯」であると讃嘆してくださったのである。
 「人と人とのつながり」を強め、近隣へ、地域へ、社会へ、人間の共和を広げていくことだ。
 それは、最も地味でありながら、歴史の英雄たちも果たし得なかった偉業なのである。
 そして、この心の絆の拡大と深化こそ、今、最も重要な人類の課題の一つであるといっても、決して過言ではあるまい。
        ◇
 御義口伝には、不軽菩薩の行動を釈され「南無妙法蓮華経の廿四字に足立《あした》て無明の上慢の四衆を拝するは薀在衆生《うんざいしゅじょう》の仏性を礼拝するなり」(御書768㌻)と仰せである。
 たとえ非難中傷の杖木瓦石を浴びせられても、不軽菩薩は恐れない。その信念の行動は揺るがない。
 なぜならば、“二十四文字の法華経”──すべての人が菩薩道を修行して必ず成仏する尊き存在であるとの大地に、厳然と自身の「足で立って」いるからだ。
 人びとの胸中に眠る無限の善の可能性を信じて、粘り強く対話するために、自らの足で行動し抜いているからだ。
 広宣流布のため、人びとの幸福のため、社会の安寧のため、私たちは、身口意の三業をもって妙法を如説修行しているのだ。わが足で郷土を地道に動きに動き、誠実に、勇敢に、正義と真実を語りに語る、偉大な民衆たちよ!
 それは“東京の王者”と讃えられる、わが足立区の同志の勇姿そのものだ。
 アメリカの人権の指導者キング博士は、決意を固めた民衆の強さを讃えた。
 「われわれの強力な武器は、正しい目標に向かって休みなく歩み続ける、団結した、献身的な人々の声と足と身体だ」
        ◇
 第3代会長に就任する、昭和35年の5月3日の朝7時、私は快晴の青空を仰ぎつつ一首を詠んだ。

 決然と
  我は立ちなむ
   会長と
  創価と広布に
    生命《いにち》 捧げて

 大事に執務室に留めてきた誓願の歌である。
 それから19年後、私は会長を辞任した。しかし、第3代会長として、「創価と広布」に捧げた生命は、一段と燃え盛っていた。

広宣流布の夢へ 合言葉は「前進!」

「共戦」に魂込めて

 昭和54年の5月3日、私は八王子市の創価大学から、海の見える神奈川文化会館に走った。その晩、私は無量の思いを筆に託し、一気呵成に揮毫した。
 「共戦」──。
 脇書には「生涯にわたりわれ広布を 不動の心にて決意あり 真実の同志あるを信じつつ 合掌」と。
 この「共戦」は法華経第5の巻に見える言葉でもある(安楽行品第14)。
 ──仏の弟子たる賢聖の諸将が煩悩魔や死魔などあらゆる魔に立ち向かって共戦し、大功勲《くくん》を挙げた。その弟子たちの英雄的な戦いを見た仏は、大いに歓喜されて、法華経を、今こそ説かれるのである──と。
 ここでは、魔の働きに対して戦うことを「共戦」と記されている。
 「共」の字の意味は深い。
 御義口伝には、「共《ぐ》の一字は日蓮に共《ぐ》する時は宝処に至る可し不共《ふぐ》ならば阿鼻大城に堕つ可し」(同734㌻)と仰せである。
 「共」とは師弟不二であり、師弟勝利の大道なのだ。師匠と弟子が心を一つにして戦う「共戦」があるか否か。師弟の生命が共戦ならば、そこに「万人成仏」の法華経の魂が脈々と流れ通うということだ。
        ◇
 この日、神奈川文化会館に到着した私に、全国紙に掲載された意識調査の結果を教えてくれた人がいた。「尊敬する人物」の問いで、存命する民間人の筆頭として私の名前が挙げられているというのである。
 理不尽な迫害の嵐のなか、わが友が応援してくださっているようで、本当に有り難かった。
 不思議にも、この烈風の5月3日、世間の風評など歯牙にもかけず、「学会は正しい」と、自らの信念で入会した青年たちも少なくなかった。その後も、立派に成長してくれている。
 ともあれ、いかに嫉妬と邪智の陰謀があろうとも、創価の絆を分断することは絶対にできなかった。

師弟の「宝剣」あり
 先日、関西での本部幹部会でも紹介された通り、昭和54年の私の会長辞任前から三十余星霜、ひと月も欠かさず、聖教新聞の拡大を続けてくださった偉大な常勝の母もおられる。
 5月3日は永遠に、師弟共戦の誓いの記念日だ。
 法華経の化城喩品では、大衆と共に険難悪路を旅する指導者が、聡明に皆の英気を養って、呼びかける。
 「汝等《なんだち》は当《まさ》に前進《すす》むべし」
 我らの合言葉もまた、
 「前進!」である。
 大聖人は言われた。
 「木はしづかならんと思へども風やまず・春を留《とどめ》んと思へども夏となる」(同1241㌻)
 万物は進む。広宣流布の前進も、瞬時も立ち止まらない。平和と幸福を願う民衆が待っているからだ。
 新たな大生命力を滾々と湧き立たせ、師弟共戦の誓いを燃え滾《たぎ》らせて、さあ、勢いよく前進だ!

 我らには
  五月三日の
    宝剣《つるぎ》あり
  剣より偉大な
   師弟の太刀《たち》かな

2011年5月3日

 ──わが親愛なる同志のご多幸を祈りつつ。そして大震災の苦難と戦う、尊き勇者の勝利を信じて。

 リムスキー=コルサコフは園部四郎訳「歌えやひばりよ」 『世界大音楽全集 ロシア歌曲集』所収(音楽之友社)。白鳥省吾は『民衆派詩人 白鳥省吾の詩とその生涯』築館町教育委員会・白鳥省吾集編集委員会編(築館町)。モネは『ジャン・モネ回想録』近藤健彦訳(〈財〉日本関税協会)。新渡戸稲造は『新渡戸稲造全集8』(教文館)。キングはミラー著『マーチン・ルーサー・キングの生涯』高橋正訳(角川書店)。
2011-05-05 : 随筆 我らの勝利の大道 :
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東日本大震災への励まし-30

3月11日、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した三陸沖を震源とする東日本大震災が発生しました。
この震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い、一日も早い救出・救済・復旧・復興をお祈り申し上げます。

当サイトにおきましては、被災された方々、ならびに関係の方々への励ましになればとの思いから池田名誉会長の励ましの言葉・聖教新聞からの励ましをUPしてまいります。


池田大作名誉会長は、5・3「創価学会の日」「創価学会母の日」に寄せて、全同志に記念の句を贈った。

 堂々と
  五月三日の
    創価かな

 偉大なる
  母は勝ちたり
     幸薫れ

 この一生
  勝利で飾れや
     師弟不二


クリス・ワンジャラ、ケニア口承文学協会会長との会談より(1989.7.13)
 名誉会長は、明治大学教授で、アフリカ文学を研究し、ナイロビ大学名誉教授でもある土屋哲氏が、ケニアの民話を紹介していることに言及。この民話は、ケニアの女性児童文学作家のパメラ・コーラさんが、子供のころ、暖炉の火を囲みながら、祖母が語ってくれた話を書きまとめたものである。祖母は、時に歌い、また、身ぶり手ぶりで生き生きと話してくれたという。
 その中の一つに「ヤギがどうしてわたしたちの友達になったのか」という、次のような話が紹介されている。
 ──むかしむかし、母さんヤギが子ヤギを連れて遠い遠い旅に出た。それは、いつもおなかをすかせながら、新しいすみかを求める旅であった。
 その折々にヤギの親子は、獰猛なハイエナやライオンに出あい、絶体絶命の窮地に立たされる。
 しかし、そんな時、母さんヤギは少しも動じない。ハイエナやライオンを前にしながら、悠然とこんな歌を歌う。

 〽わたしの歯は もうとがっていない。
  わたしの口は くたびれて もう くたくた。
  だってきょう
  ハイエナとゾウを たべてきたんだもん。

 もちろん“ハイエナやゾウを食べた”というのはウソである。本当は何も食べてなくて、おなかがペコペコだったのである。
 しかし、この母ヤギのとっさの機転と勇気に子ヤギたちもすっかり元気がわいてきて、こんな歌を歌った。

 〽ぼくたちは みんな戦うのが好きなんだ。
  ぼくたちの歯は かむのが好きなんだ。
  きのう ぼくたちを こわがったやつは だあれ?
  ハイエナは ぼくたち見て逃げてった。
 それじや きょう 逃げていくのは だあれ?

 この母子ヤギの姿に、さすがのライオンも恐れをなして逃げていった。
 そして、やがて母子ヤギはある村にたどり着いた。
 そこでは、村人たちはヤギの面倒をとてもよくみてくれた。ヤギもそのご恩返しにと、村の子供たちにたっぷりと乳をあげた。
 こうして、ヤギは私たち人間の友達になった(要旨)──というのである。
 このような物語が、アフリカの大地では世代から世代へと語り継がれてきた。
 「これは、素晴らしい話で、ケニアではよく知られている物語です」とワンジャラ会長は述べながら「ここには、アフリカの民衆の忍耐強さ、希望が描かれている。
 アフリカの発展途上国は、現在、多くの問題をかかえてはいる。しかし『生き抜こう』という意志、『生』への執念は、実に強いものがある。ゆえに、『自分』を表現するチャンスさえ与えられれば、アフリカの発展に積極的に参画していく、大いなる希望と意志がもてるものだ。その意味で、口承文学は、閉ざされた人々の心を開き、未来の発展に、自分自身が参加していこうとの力を与えてくれる源泉でもある」と語った。
 名誉会長は「『生き抜く』との『生』への強い意志を持った人は『黄金』の人である。仏法には『生老病死』が“金は生、銀は死、銅は老、鉄は病”ともたとえられているが、『生』は『黄金』である。アフリカの人々の心から発する『生』の黄金の輝きが、アフリカの大地に燦然と光を放ち、現実社会に素晴らしき幸の宮殿を築いていくにちがいない。『生きる』との強い意志こそ、世界を大きく変えていく力である」と強調した。

わが友に贈る
(2011. 5.3付 聖教新聞)
「大願とは 法華弘通なり」 尊き全同志に感謝! 新たな広布の峰へ 誉れの大行進を!

名字の言
(2011.5.3付 聖教新聞)
 桜前線が東北を縦断し、津軽海峡を渡った。北海道・厚田の戸田記念墓地公園が、8千本の桜に染まる日ももうすぐだ▼戸田第2代会長は、「城聖」を名乗る前に幾度か名前を変えた。若き日の筆名は「桜桃」。青雲の志に燃えた17歳は、そう名乗る理由を記した。「桜の如く咲き桃の如く実を結ぶ」「あたら散ってたまるか、桃の如く実を結ばずして」▼軍部権力による投獄、師匠・牧口初代会長の獄死、事業の失敗──苦難の連続の人生であった恩師が遂に、創価学会の会長として立ったのは60年前のきょう。五月晴れだった。陰には〝師匠を断じて会長に〟との、弟子の死闘があった。逆境の日々、ただ一人、師を支え抜いた池田名誉会長は詠んだ。「古の 奇しき縁に 仕えしを 人は変れど われは変らじ」▼爛漫の桜と共に逝いた戸田会長は、広宣流布という、自らの一生をかけた悲願の結実を不二の弟子に託した。同じ五月晴れの5月3日に会長に就いた名誉会長によって、それは実現された▼三代会長の死身弘法ありて、今、私たちは妙法の大功徳を受け、どんな苦難をも恐れない人生を生き抜くことができる。永遠の師弟の栄光が刻まれた日。報恩と誓願の旅立ちの日。それが「5月3日」である。
2011-05-03 : 震災への励まし :
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東日本大震災への励まし-29

3月11日、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録した三陸沖を震源とする東日本大震災が発生しました。
この震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い、一日も早い救出・救済・復旧・復興をお祈り申し上げます。

当サイトにおきましては、被災された方々、ならびに関係の方々への励ましになればとの思いから池田名誉会長の励ましの言葉・聖教新聞からの励ましをUPしてまいります。

御書とともに 22 名誉会長が指針を贈る

母は尊極の生命

 宝浄世界とは我等が母の胎内なり(御義口伝、740㌻)

通解 
 (多宝如来の住む)宝浄世界とは、母親の胎内のことである。

同志への指針
 人間という生命の宝塔は、みな、どこから現れたのか。母からである。母こそが尊極なる宝浄世界なのである
 母を悲しませない母に喜んでもらおう──この心にこそ、正しき人生を生きる起点がある。平和な生命尊極の社会を創る原点がある。


創立60周年開幕──記念支部長会のスピーチより(1989.7.27)
 一、西洋中世の話である。
 ある勇者が敵につかまってしまった。敵は彼を取り巻き、勝ち誇って言った。
 「汝の城は、いずこにありや」
 ──“すべて失ったではないか”と、あざ笑ったのである。
 勇者は答えた。その胸に手を押し当て「我が城は、ここにあり!」と。
 その毅然たる姿は、敵すらも、あっぱれと感嘆するほどであった。
 ──我が城は、我が胸中にあり。極限の状況でも、そう言い切れるかどうか。
 何ものも頼らぬ。一歩もひかぬ。すべてを失っても、裸一貫、この我一人あれば、と。この究極の勇気、強さを持つ人が「人間としての勝者」であろう。
 そうした屹立した、確固たる人格。それをつくるのが「信仰」である。


創立60周年開幕──記念支部長会のスピーチより(1989.7.27)
 一、人生には当然、勝ち負けがある。ときには悲しみ、苦しむ場合もあるかもしれない。
 しかし、仏法は「煩悩即菩提」「生死即涅槃」である。悩みや苦しみが大きければ大きいほど、信心によって、大きな喜び、幸福へと転じていくことができる。
 そして、信心は、だれのためのものでもない。すべて自分自身に生き切っていくための信仰であり、行動である。自身の福徳を増し、幸福の道を開いていくための信心なのである。ゆえに、少々のことで一喜一憂したり、心を動かされるのでは信仰者とはいえない。
 一、ともあれ妙法の世界では、何があったとしても、必ず時とともに「変毒為薬」していけるのである。それがわからず、一時の姿や、また一時の状態をみて、
退転したり、反逆していく人が出たとしたら、これほど愚かなことはない。
 「薬」と「毒」の関係をいえば、実は両者の間には、ある意味で、明確な境界線はない。その配合や、服用する人の生命力との関係で、「毒」として働く場合もあ
れば、「薬」として働く場合もある。この事実を一言で「薬とは生命を救う毒」と表現した学者もいる。
 人生の勝敗においても、また同じである。最後に勝てば、一切が「薬」になったことになる。逆に、最後に負ければ、それまでいかに「薬」として働いていたものでも、結局は一切が「毒」となってしまったということができよう。
 一、では、最後の勝利とは何か。それは「信心の勝利」である。これこそ「人間としての勝利」であり、「三世永遠の勝利」につながる。
 いな学会において「信心の勝敗」以外に、本質的な勝敗はない。他のあらゆる勝敗は、すべて「化城」であり、「方便」なのである。
 結論していえば、誠実で、一生懸命に、広布の組織活動をしている人こそ、真の「勝利者」である。信心の活動をしない人は、本物の信仰者ではないし、諸天の絶大なる加護はない。人生の勝利者とはなれない。


わが友に贈る
(2011. 5.1付 聖教新聞)
創価の月が開幕! 勇気の励ましで 社会に活力を! 我ら学会こそ 日本の柱なり!

わが友に贈る
(2011. 5.2付 聖教新聞)
友好期間を 絶対無事故で! 火災・戸締まりにも 細心の注意を! 油断大敵だ。

今週のことば
(2011. 5.2付 聖教新聞)
栄光の五月三日 創価の太陽の母に 感謝の最敬礼を! さあ 全世界の友と 地涌の青年の拡大だ!

名字の言
(2011.5.1付 聖教新聞)
 「東洋のルソー」と称される、自由民権運動の指導者・中江兆民。彼の志の高さを物語る、晩年のエピソードがある▼大病を患い、53歳で医師から「余命は1年半」と宣告された時のこと。されば、と彼は喝破した。「一年半、諸君は短促なりといはん、余は極て悠久なりといふ」(『一年有半・続一年有半』岩波文庫)。そして、死と対決しながら、猛然と政治、文学、宗教を論じ、わずか4カ月で2冊の本を上梓。彼の残した言論は、100年以上を経た今も、色あせることなく人々を啓発し続けている▼誰しも、人生には限りがある。だからこそ、どう生きたか、何をなしたかに、人生の真価はあろう▼広布に励む友に触れ、何度も何度も胸を熱くした春だった。「東北の同志が頑張ってるんだから」と、坂道に息を切らせつつ、杖をつき、歩き続けた多宝会の婦人。不況で職を失っても、「自分より悩んでいる同志がいる」と、激励に献身し続けた壮年。それぞれが、黄金に輝く「永遠の歴史」をつくる姿に思えた▼仏法では「一日の命は、宇宙すべての財宝よりも素晴らしい」と説く。だからこそ真剣に、誠実に、友に尽くし、地域に尽くしながら、宝の一日一日を最大に光らせる人生を生きたい。

名字の言
(2011.5.2付 聖教新聞)
 わずか3年前に新築した自宅を、東日本大震災による津波で失った福島の男子部員がいる。住まいがあった場所に戻り、何か残ってはいないかと泥をかき分けた。見つけたもの──それは、創価班バッジだった▼指で、泥を丁寧に拭き取った。「創価班の大学校生だった1年間は、最も悩み、苦労したけれど、最も成長できた時でもあった。この小さなバッジに、無限の希望を見いだすことができました。これからも絶対に負けません!」。バッジに刻印された「S」の文字が、誓いの涙で、にじんで見えた▼未曽有の震災は、人々の人生を変えた。今まさに、人生の岐路に立っている人も多い。〝この先、どう生きていけばよいのか〟。この苦悩の闇を突き破る挑戦は、〝これまで、どう過ごしてきたか〟を深く考えることから始まるのではないか▼再起への道のりは長く、簡単ではない。自身の体験に裏付けられた生き方こそ、それを支える力となる。先の彼は、「これからも師と共に、広宣流布の人生を貫いていきます」と決意を語ってくれた▼日蓮大聖人は「妙とは蘇生の義なり」(御書947㌻)と教えられた。信心とは、どんな苦難をも勝ち越える「無限の希望」そのもの。この大確信で進みたい。
2011-05-02 : 震災への励まし :
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