スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- : スポンサー広告 :
Pagetop

新年の歌

新年の歌   (2011.1.1 聖教新聞)

 天高く
  広布の夢を
   君よ 持て
   元初の誓い
   燃え立つ友らと

 鮮やかに
  激戦 勝ち越え
   晴れ舞台
   師弟の宝冠
    世界を照らさむ

 いざや立て
  使命の庭で
   乱舞せむ
   師子は奮迅
   躍進 勝利を


     2011年 元旦


新年の歌   (2011.1.1 創価新報)

 晴ればれと
   今日一日を
    菩薩舞
    華陽の天使は
   幸福《さち》を広げて

 百万の
  強敵《ごうてき》 来たるも
   我は勝つ
   師弟の誓願
    不敗の歴史を

 おお我は
  汝の力に
   託さなむ
   青年学会
    世界の柱

     2011年 元旦
スポンサーサイト
2010-12-31 : 詩・句等 :
Pagetop

新年メッセージ

新年メッセージ(2011年1月号 グラフSGI)

「人間革命」の勝利の物語を!
「広宣流布」の躍進の歴史を!


 「人材・躍進の年」の晴れやかな開幕、誠におめでとうございます。
 われら創価学会インタナショナル(SGI)は、学会創立100周年の2030年に向かって、21世紀の第2の10年を勢いよく出発しましょう!
 日蓮大聖人は仰せであります。
 「日天・朝《あした》に東に出《い》で給うに大光明を放ち天眼を開きて南閻浮提を見給うに法華経の行者あれば心に歓喜し」(御書1380㌻)
 わがSGIの友が大宇宙の根本法則である妙法を唱え、仏法の人間主義の智慧を発揮しゆく国土には、諸天も歓喜し、「広宣流布」という平和と繁栄への希望の回転が始まります。
 時代は、ますます混迷を深めています。だからこそ私たちは、いやまして妙法の「開く力」「調和の力」「蘇生の力」を漲らせてまいりたい。
 なかんずく、創価の太陽である婦人部の皆様方が、家庭でも、地域でも、社会でも、どれほど、かけがえのない存在であるか。
 今年は、婦人部の結成60周年の佳節です。尊き母たち、女性たちを最大に讃えながら、幸福勝利のスクラムを仲良く賢く広げていこうではありませんか。
        ◇
 法華経では、師匠である釈尊の呼びかけに応えて、地涌の菩薩が「娑婆世界(現実世界)の三千大千の国土」より涌出する姿が明かされております。地涌の菩薩は、それぞれの使命の「大地」に躍り出て、自らの宿縁の「国土」で戦うのです。
 その通りに、青き地球を包みゆく壮大な「平和」「文化」「教育」の地涌の連帯が、わがSGIであります。
 私たちは、あえて願って、この苦悩に満ちた娑婆世界に生まれ、「人間革命」の劇を開始しました。ある人は病気に打ち勝ち、ある人は経済苦を打開し、ある人は人間関係の悩みを乗り越えながら、美事な「変毒為薬」の勝利を飾って、人々に妙法の偉大さを伝え、限りない勇気と希望を贈っていくのです。
 大聖人は、紛然と競い起こる三障四魔を勇敢に打ち破っていく門下に対して、「未来までの・ものがたり(物語)なに事か・これにすぎ候べき」(同1086㌻)ど讃えられております。
 この信心の力で転換できない宿命など、絶対にありません。どうか、皆様方は、一人一人が、未来まで語り継げる「人間革命」の勝利の物語を、誇り高く創り残していっていただきたいのであります。
        ◇
 英語では、「歴史(history)」のなかに、「物語(Story)」があります。
 アメリカの公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング博士の盟友で、高名な歴史学者であるハーディング博士と、私は、「歴史を創造する力」は「物語」が語られるところから生まれると論じ合いました。
 博士は、「『物語』に見出すのは、私たち人間は、皆、一体であり、実際には差別などないのだという考え方です。分断や分離など幻想の産物に過ぎないのです。さまざまな『物語』は、私たち人間の結合力の重要性を訴えかけるものだと思うのです」
と言われました。
 創価の友が胸を張って語る「体験」は、自らの尊厳なる生命に目覚め、何ものにも負けない仏の力を涌現しゆく物語です。
 それは、民族や文化や言語の違いを超えて、あらゆる人々と「皆、同じ大いなる人間である。仏の生命を抱いている」と確認し合い、励まし合って、共に前進しゆく生命の覚醒の物語なのであります。
        ◇
 本年は、青年部が誕生して60周年でもあります。 60年前(1951年)の1月6日、私は一人、戸田先生の御自宅に呼ばれました。最も厳しい苦境のなか、この日、先生は、23歳の私に一切の後継を託されたのです。先生は言われました。
 「私と君とが、使命に生き切るならば、きっと大聖人の御遺命を達成する時が来るだろう。誰が何と言おうと、強く、強く、君は、学会のために前へ進むのだ」
 師の心を心として、若き弟子が立ち上がる時、この世で最も強い「物語」が生まれ、最も深い「歴史」が刻まれます。
 いよいよ、躍動する創価の青年たちが、全世界で新たな希望の大建設を繰り広げています。
 「宗教の第1の徳は真剣さ」とは、イギリスの哲学者ホワイトヘッドの慧眼であります。
 「真剣さ」に勝るものはありません。
 「誠実」に敵《かな》うものはありません。
 さあ、この一年、強盛なる祈りと行動と異体同心の団結で、新たな「人間革命」の勝利の物語を、そして新たな「広宣流布」の躍進の歴史を、断固と勝ち綴つていきましょう!
 敬愛してやまぬ世界192カ国・地域の友が、御家族共々、健康で御長寿であるよう、私は妻と祈り抜いてまいります。


          2011年 元旦
2010-12-31 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

随筆 我らの勝利の大道 No.36

随筆 我らの勝利の大道 No.36
             (2011.1.1付 聖教新聞)
「躍進」の青年学会

君よ 使命の舞台に躍り出よ!
「法華経の命を継ぐ人」と皆を尊敬


創立100周年へ「今一重」深き決意と行動を

 元日や
  福運 積みゆく
     今年かな

 威風も堂々たる「人材・躍進の年」、おめでとう!
 思えば50年前、つまり私が会長に就任した翌年も「躍進の年」と掲げた。
 その1月から私は、香港、インド、タイなどアジアの5カ国1地域を歴訪した。
 「日は東より出でて西を照す仏法も又以て是くの如し」(御書508㌻)と、日蓮大聖人の未来記に示されている。この仰せ通りに、必ずや太陽の仏法の“平和と幸福の光”が輝き、アジアの民衆を照らしゆくことを深く確信し、「仏法西還」の大道を開いていった。
 今再び「躍進」の年だ。
 「躍」の字は「おどる」と読む。身も心も躍り上がって進む──この勢いこそが躍進の姿である。
 「躍」の字には「足」がある。拠って立つ大地を持つことが何より強い。
 それは家庭であり、地域であり、職場や学校である。幾重もの縁で織り成された人生という錦繍の大地だ。
 また、「躍」の字の右側の「翟《てき》」は、鳥が羽を動かして飛び立とうとする姿に由来するという。
 使命の舞台で思う存分に翼を広げ、舞い飛ぶのだ!
 朗々たる題目を根本に、わが生活の上に「躍進」の二字を実証するのだ!
 御書に「上行菩薩の大地よりいで給いしには・をど(踊)りてこそい(出)で給いしか」(同1300㌻)と仰せである。
 偉大なる創価青年学会の人材の陣列よ、広宣流布の新天地に、威光勢力を増して躍り出よ!
 私は、その一点を、ひたぶるに祈り抜いている。
        ◇
 20世紀を代表する歴史家トインビー博士と私は、文明に新たな生気を吹き込むとともに、人類の生存を脅かす諸悪に打ち勝つ力をもたらすものは、共生の思想の基盤となる宗教であると語り合った。
 なかんずく、博士は大乗仏教に大いなる可能性を見出されていた。
 混迷の闇を深めゆく乱世に渇望されるのは、赫々たる生命の哲理である。また毀誉褒貶に揺るがぬ信念の人材であり、深き信頼で結ばれた市民の連帯である。
 その哲学と人材と団結が光る創価学会は、世界の希望であると、トインビー博士は展望されていた。この学会の本領を、いやまして発揮しゆくことを、時代は強く要請しているのだ。
 トインビー博士は、文明の成長の本質は「躍進」にあるとも論じられた。
 いかなる文明も、迫り来る試練や困難の挑戦に応戦し、ひとたび勝利すると、やがて停滞が始まる。それを突き破り、さらに前進する勢いがあるか否か。すなわち、常に躍進する発条《ばね》があるか否かに、文明の永続的な発展への分かれ目があると喝破されたのだ。
 わが学会は、3代にわたる80年の大闘争を完璧に勝利した。そして創立100周年へ向かって、いよいよ躍進を遂げていくのだ。今この時の勢いこそ、広宣流布の万年の道を開くからだ。

勇気の人が勝利者
 本年1月は、ジョン・F・ケネディが、アメリカの第35代大統領に就任して50周年である。
 前途には幾多の困難が待ち受けていた。だが43歳の新大統領は叫んだ。
 「それでも、始めようではないか」
 そして「前進をしようではないか」と呼びかけて、歴史的な就任式のスピーチを結んだ。
 ケネディ大統領が、若き日に「人間のさまざまな美徳の中で最もすばらしい」と呼んだもの──それが「勇気」であった。
 重圧に屈しない勇気!
 自らが一人立つ勇気!
 決意を持続する勇気!
 魂の奥底に目を凝らし、臆病と傲慢に挑む勇気!
 困難に立ち向かう勇気!
 その勇気を持つ人こそ、勝利者である。
 我ら創価の陣列も、一日また一日、一年また一年、互いに励まし合って、勇気の炎を燃え上がらせ、広宣流布という偉大な夢に向かって、あらゆる壁を破り、前進している。
      ◇
 苦難を打ち破り、生命の「躍進」をもたらす究極の力とは、いったい何か。
 大聖人は、乙御前の母・日妙聖人に仰せである。「今一重《いちじゅう》強盛に御志あるべし」(御書1220㌻)
 この3年前、幼子を連れて、鎌倉から佐渡まで馳せ参じ、「日本第一の法華経の行者の女人なり」(同1217㌻)と讃えられた母である。その母に、あえて「今一重強盛に」と言われた。これが、峻厳な師弟の道である。そうであってこそ、諸天のいよいよの厳護もあるのだ。
 御聖訓には続いて、「例《ためし》には他を引くべからず、日蓮をば日本国の上一人より下万民に至るまで一人もなくあや(失)またんと・せしかども・今までこ(斯)うて候事は一人なれども心のつよき故なるべしと・おぼすべし」(同1330㌻)と記されている。
 日本中から、命に及ぶ迫害を受けられた大聖人は、一切の大難を、ただお一人で厳然と勝ち越えられた。
 それは、ひとえに心のつよき故である。その師匠を手本として、戦い抜くようにとの仰せである。
 この蓮祖の御心に直結して、3代の会長と共に、「今一重」の強盛なる信心を奮い起こしてきたのが、創価の母たちである。
 今年は、婦人部の結成から60年の佳節でもある。日本、いな全世界で、尊き女性たちの功徳の笑顔が、後継の人材の華花《はなばな》が、満開に咲き薫る1年としたい。
        ◇
 60年前、私は猛吹雪のような正月を迎えていた。
 当時、恩師の事業の状況は悪化の一途。まさに絶体絶命の危機であった。
 師匠をお守りするために私は一人立った。悲嘆にも苦悩にも負けなかった。
 「我は戦う!」と決めた心に、黎明は輝き始めた。当時の日記に私は記した。
 「信仰あるが故に、醜き生存競争の中にあって、浄くして、勝利の人生を闊歩なし得る」
 「信仰あるが故に、矛盾と不合理に満ちた社会も、因果の二法に、堂々と確信をもって前進出来得る」
 信仰──この人間を最も人間たらしめ、強くする兵法を持った青年に、恐れるものなどない。
 師弟──この究極の結合に徹する勇者こそ、真の後継である。その胸中から万代の勝利と発展の血脈が流れ通っていくのだ。
 本年は男女青年部の結成60周年、また「後継者の日」制定35周年となる。
 破邪顕正の言論が光る「男子部」の諸君!
 清らかな華陽の連帯を広げる「女子部」の皆さん!
 英知の力で世界を結ぶ「男女学生部」の友よ!
 人間世紀の希望と輝く「未来部」の君たちよ!
 私が恩師から受け継ぎ、60年間にわたって貫いてきた修行の真髄を託すのは、若き諸君である。
 どうか、創立100周年へ、「師弟不二の魂」と「絶対勝利の信心」を、勇気凛々と継承してもらいたい。
 父母が、幾多の先輩たちが、無名の庶民が築いた、尊き創価の城を護り、発展させてもらいたいのだ。

弟子の成長を喜ぶ
 「連綿とつづく献身的な弟子たち諸君──この人たちの成功は私の特に誇りとするところです」
 これは、カナダ出身で「近代医学の父」と謳われる、ウィリアム・オスラー博士の至言である。
 師匠の最高の栄誉とは、弟子の成長である。後継の青年の勝利である。人間を創ることが、未来を創る。
 牧口先生は、「社会各方面の行詰りの根源が悉く人材の欠乏に帰す」と洞察された。ゆえに、無限に価値創造しゆく人材の育成を決然と開始されたのだ。
 法華経には、地涌の菩薩は「人中の宝」と説かれている。いずこであれ、人材はいる。必ず伸びゆく宝の人材が躍り出てくる。
 根本は「祈り」である。広布の人材に成長させたいと、真剣に御本尊に祈り抜き、祈り切ってゆくのだ。
 日蓮大聖人は、四条金吾を励まして言われた。
 「殿(=四条金吾)の御事をば・ひまなく法華経・釈迦仏・日天に申すなり其の故は法華経の命を継ぐ人なればと思うなり」(同1169㌻)
 一人の弟子を、どれほど大事にされ、祈りに祈られたことか。この蓮祖の心を拝し、その一分でも、わが同志のため、わが青年のために真剣に振り向けていくことだ。
 皆、今世に妙法の力を涌現して宿命転換し、幸福の大境涯を開いて、活躍する使命がある。
 皆、広宣流布の誓願のままに、悪世末法に生まれてきた地涌の菩薩である。
 その人でなければ果たせぬ尊極の使命があるのだ。
 良き友人となり、温かく接し、見守っていくことだ。自らが受けた恩と励ましを何倍にも変え、後輩に注いでいくことだ。手作りで「法華経の命を継ぐ人」を育てていくのである。
 学会員に尽くすことは、広宣流布に尽くすことであり、仏に尽くすことだ。
 まず、自ら一人立て!
 そして人材を育て、人材と共に進みゆけ!
 君が開きゆく勇敢な勝利劇の舞台にこそ、一人また一人と、頼もしき人材が陸続と躍り出てゆくのだ!

 この一年
  勝利で飾れや
     師弟不二


 ケネディの言葉は『ケネディ登場』高村暢児編訳(中央公論新社)、『勇気ある人々』宮本喜一訳(英治出版)。オスラーは日野原重明著『医の道を求めて ウィリアム・オスラー博士の生涯に学ぶ』(医学書院)。
2010-12-31 : 随筆 我らの勝利の大道 :
Pagetop

魂の人間讃歌 第7回 真剣勝負が最高峰の証し

魂の人間讃歌  ジャズと人生と仏法を語る

第7回 真剣勝負が最高峰の証し(2010.12.18/20付)

わが道を歩み通した人が勝利者

ショーター氏
偉大な演奏は挑戦と忍耐から

池田 「完全なるものへ、あるが上にも完全へ」──創価の父・牧口常三郎先生の励ましです。
 牧口先生ご自身が、弾圧の獄中にあっても、カントの哲学を精読され、最後の最後まで探究を続けておられた。
 「創価」とは無限の向上です。いついかなる状況にあっても、そこから偉大な価値の創造へ、たゆまず前進し抜いていく生命の息吹です。
ハンコック はい。私たち音楽家も、皆、すべての演奏が自己の最高の演奏であることを望みます。それは、決して終わりのない追求です。
池田 芸術の道は、果てなき挑戦と創造の連続です。
 有名であろうがなかろうが、人気が出ようが出まいが、真剣に鍛錬し抜いて、その道を歩み通した人は、魂の勝利者です。世の毀誉褒貶を超えて、天の喝采に包まれゆく人生です。
 日本でも、世界各国でも、多くの若き芸術家たちが、苦難に挑みながら、精進を続けています。そこで、真摯に芸術を志す青年に代わって伺いたい。
 「良い演奏」「偉大な演奏」とは、どういうものか。そうした演奏を生み出す条件とは、いったい何でしょうか。
ショーター たくさんの要素がつまったご質問です。先生の問いは、私が今までしたこともない方法で、自問や内省──それは、どのようにして今の自分があり、なぜそのように考える自分がいるのかについての思索──を促してくださいます。
 時に、ステージでアーティストが偉大な演奏をすることがあります。それは、たくさんのレッスンや練習、経験の賜物であると思われています。
 ただ、私が今、強く感じているのは、以前にも増して、音楽を奏でていない日常生活においてさえ、独自に解釈すべき何か特別な素材が与えられているということです。
 ですから毎日の日常生活において、貴重な一瞬一瞬をどう挑戦しているか──これに尽きると思います。池田先生が常々、語られているように、「長く持続的な忍耐」の結果として、偉大な演奏は成し遂げられるのです。
池田 見事な答えをいただきました。芸術と人生の真髄を突いてくださった。
 「一瞬一瞬の挑戦」そして「長く持続的な忍耐」──あらゆる偉業を成し遂げる要諦が、ここにあります。安逸の生命からは、偉大な光は生まれません。
 仏法の極理では、「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり」(御書790㌻)と説かれます。
 仏といっても、現実からかけ離れた存在ではありません。法のため、人々のため、まさに一瞬一瞬、わが一念に億劫の辛労を尽くして精進していく。その生命にこそ、仏の力も、仏の智慧も、仏の振る舞いも脈動するのです。
ショーター 深く納得できます。
 私にとって、作曲は大きな闘争です。今、私自身、単に音楽や芸術としての楽曲ではなく、人生そのものに匹敵する作曲に挑んでいます。
 作曲の戦いは、人生におけるさまざまな障害を克服する私の戦いと同時進行です。私にとっての音楽は、感傷や美しさを求めるだけのものではありません──それは、私の葛藤と勝利、難関への抵抗と克服の物語です。芸術家としての私の使命は、音楽だけでなく、あらゆるところで“創造しゆく存在”になることです。
 それは、すなわち、「妙法」つまり「生命の不可思議」を探究することに等しいものです。
池田 歴史を振り返っても、偉大な創造は、恵まれた環境より、苦難との激闘から生まれる場合が多い。
 楽聖ベートーベンは、聴覚を失うという、あまりに厳しい苦悩を突き抜けて、人類に歓喜を贈りゆく数多の名曲を生み出しました。
 ショーターさん、ハンコックさんの音楽も、幾多の試練を勇敢に勝ち越えてこられた生命の勝利の響きです。
 「最高度の芸術は人間性の全体を要求する」(芦津丈夫訳「芸術論」、『ゲーテ全集13』所収、潮出版社)とのゲーテの卓見が思い起こされます。
 ここで、2人の心に残るご自身の演奏について、お聞かせください。
ハンコック そうですね。演奏旅行に出ると、何夜にもわたって公演するのですが、その中でも特に傑出した演奏が幾つか生まれます。特に忘れられないのは、ウェインと2人で出した「ワン・プラス・ワン」というアルバムの楽曲を演奏した時のことです。

ハンコック氏
真の芸術家の探究に終わりはない

ショーター あの時の演奏旅行では、シカゴやブエノスアイレスなどを訪れました。私たちは毎晩、違う聴衆を前に演奏の「対話」をしたね。
 こうしてステージで楽器を通しての対話をするように、私は演奏者と現実の生活上の事柄でも対話を重ねています。より個性的、より人間らしくなること──これが、ジャズというものが、実際に目指すものです。
ハンコック あるステージで、私は完全な自由を感じました。無限のエネルギーが湧き出て、それが、ウェインと彼の演奏に私をしっかり結びつけているかのようでした。まるで2台のロケットのように飛び立ち(笑い)、どんどん音楽が作り上げられました。それが、まさにその時の実感であり、「完璧な対話」のようでした。私が何を演奏し、その後にウェインが何を奏でても、すべての音の間で、すべてが完璧に合致していました。
 私が「完璧」というのは、すべての音が明確かつ正確に奏でられるという意味ではありません。ジャズの醍醐味は、ミュージシャンが提供し得る最高の高みへと至る過程にあり、それを聴衆も感じるのです。
 音楽を演奏していく中で、あるエネルギーのレベルに達し、そこで、瞬間をとらえ、人々と結びつき、そして音楽家同士の結合の深さが生まれるように思える時があります。これは、音楽家が持つことのできる最も充足感のある体験です。
 私は、それを、池田先生のご執筆やピアノ演奏、写真作品に深く感じます。このような創造の喜びは、仏法では、どう説明できるのでしょうか?
        ♫
池田 難しい質問ですね(笑い)。私自身は素人で、同志に喜んでもらえればという一心で、ピアノにも取り組んできただけです。写真も、執務の合間や移動の折々など、限られた時間の中で、一瞬の自然との出あいをカメラに収めてきたものです。
 ですから、答えになるか、わかりませんが、若き日、恩師の事業の苦境を打開するために奔走する中で、命に刻みつけた御金言があります。
 「我心本来の仏なりと知るを即ち大歓喜と名く所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」(同788㌻)と。
 たとえ絶体絶命の窮地に立たされようとも、わが心には、尊極なる仏の生命が厳然と具わっています。この生命の太陽を輝かせていく大歓喜は、何ものにも奪われません。
 それは、ハンコックさんが言われるように、大宇宙の最高のエネルギーの次元と合致して、自他共に智慧と慈悲を力強く広げていける境涯です。
 ショーターさんは、偉大な演奏の源に「長く持続的な忍耐」を見出されました。尊き使命を果たしゆくために、あえて苦難に立ち向かい、生きて生きて生き抜いて、戦って戦って戦い抜く。その中で、湧き起こってくる智慧があります。宇宙の本源的なリズムに則って、尽きることのない価値創造の喜びが込み上げてくるのです。
ショーター それこそ、池田先生が教えてくださった「法華経の智慧」ですね。一人の人間が、自らの生命力の強さを自覚した時、そこから出てくる智慧です。毎日の生活の困難から逃げないで戦う智慧であり、一時的な出来事によって惑わされない智慧です。きらびやかさや、誘惑、高飛車な態度、大小さまざまな、いじめの世界にも、ぐらつかない智慧です。
 さらにまた、ある対立があった時に、暴力を行使するのではなく、対話で解決するべきだと、互いの生命を目覚めさせていく智慧です。
 今、私が知らない間にも、仏法を実践している192カ国・地域の人々から、こうした智慧が生き生きと現れ出ているに違いありません。
池田 その通りですね。
 智慧は、戦う勇気から生まれる。
 智慧は、友を思う慈悲から生まれる。
 智慧は、不屈の忍耐から生まれる。
 それは、現実の大地を踏みしめて、一日また一日、真剣勝負で生き切る中で、磨かれ、鍛えられていくものでしょう。
ハンコック マイルス・デイビスも、いつも一瞬一瞬に、自分が提供し得る最高の演奏をしようとしていました。彼は身をもって「一瞬に生きること」を示しました。そして彼は私たちに、聴衆を前に舞台の上で「練習すること」を教えました。その上で、何でもやらせてくれました。他の誰かがやっていることを真似たり、自分の部屋で練習しておいたことをそのまま機械的に演奏することを除けば、何事も「こうしてはいけない」ということはありませんでした。
 マイルスは言いました。
 「何かに真剣に取り組んでいる限りは、それこそ、私が君に求めるものなのだ。そのほかのことは一切、心配はいらない。聴衆に好かれるかどうかなんか、気にするな。ただ何かに真剣に取り組むのだ」と。
 これは、私にとっての、大きな教訓となりました。私は、聞こえを良くするために、外側を甘い砂糖でくるんだり、リボンをつけたりして、完璧な演奏に見せようと苦心する必要はありませんでした。
 たとえ、出てくる音が不器用なものだったとしても、マイルスは、わかってくれたのです。私たちが何かを求める努力をしているのかどうか、を。
        ♫
池田 含蓄のある言葉です。体裁がどうかではない。いかなる時も努力と苦労を惜しまぬ自分になれ!──人生の万般に通ずる励ましです。
 創価大学の硬式野球部に、私は指針を贈ったことがあります。
 「心で勝て 次に技で勝て 故に 練習は実戦 実戦は練習」と。
 その通りに、野球を通して、一人一人が、人生と社会で勝つ「心」を鍛えてくれていることが、嬉しい。
ハンコック 「心で勝て」という指針は、胸に迫ります。
 マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」という名盤があります。ジャズ史上、記録的な売り上げを残したレコードであり、彼の代表作の一枚に挙げられるでしょう。
 なぜ、そのレコードが素晴らしいのかといえば、最も重要な要素は、「聴く人の命に響いた」ことだと思います。その人と人とを結ぶつながりの深さというものが、演奏の質を決定するのではないでしょうか。
ショーター 私も、今、自分が取り組んでいる音楽が、聴衆一人一人の目覚めを呼び起こせるものとなるよう願っています。
 偉大な演奏は時代を超えたものであり、その演奏の過程には人類の物語があることでしょう。ともかく私は、「演奏は上手だが、中身のない、見せかけのアーティストである」と言われるような人には、決してなりたくありません。
池田 真剣勝負の人生は美しい。その精魂が込められたものには、心が揺さぶられます。お二人と一緒に見つめた、日本の最高峰たる富士山も、頂上は常に烈風に曝されています。最高峰の創造を目指す人生も同じです。
 戸田先生は言われました。
 「瞬時も戦いを止めないから、神々しいまでに荘厳なのだ」
ハンコック 時折、芸術家があるレベルに達したら、それが彼らの発展の終着点であるような見方があります。
 しかし真の芸術家には、まさに永遠の生命や、人間の無限の可能性のように、学習し、探究し、成長し、人生のあらゆる側面と結びつく限りない能力があり、そこに終着点はないのです。

師弟は不可能を可能に!

池田 偉大な文化には、必ずといってよいほど師弟の系譜があります。日本の古典芸能である能や邦楽、落語なども、師匠のもとで厳しい訓練を受け切って、芸を磨き上げていく──そうした伝統が脈打っています。
 あの大音楽家のメニューイン氏も、師への深い感謝と畏敬を込めて、行動や存在そのものも含めたすべてにわたって「並みはずれたスタイルがありました」と語っておられました。(ダニエルズ編、和田旦訳『出会いへの旅』みすず書房)
 師弟にこそ、人間と芸術の最も美しい結合が光ります。
ハンコック 音楽の師といえば、私は、希有のトランペット奏者であるマイルス・デイビスを挙げなければなりません。
 マイルスと過ごした日々は、特別な機会の連続でした。
ショーター 私も15歳の時、ラジオでマイルス・デイビスがチャーリー・パーカーと演奏をしているのを聴き、いつか、このマイルスと一緒に演奏できるようにと準備をし始めました。そして29歳になる時、彼と共演し、バンドに加わったのです。その時、ハービーはすでに、マイルスのバンドの一員でした。
        ♫
池田 ハンコックさんが、マイルス・デイビスさんのバンドへと加わったのは、いつ、何歳の時でしたか? その時の思い出を聞かせてください。
ハンコック 1962年、22歳の時で、大学を卒業したばかりでした。楽団に入るためのオーディションは、マイルスの自宅で行われました。それは、いささか不思議な経験だったのです。
 実際にマイルスが一緒にいたのは、ほんの5分か10分程度でした。トランペットでいくつかのメロディーを吹いた後、彼はすぐ階上の別室へ上がって行きました。代わりの人が私たちの面倒を見てくれて、これを演奏せよ、あれを演奏せよ、と指示したのです。
 そして3日目、ようやくマイルスが下りてきて、少し演奏するや、「オーケー、あすスタジオで会おう」と言うのです。「あなたの楽団に入れるのですか?」と尋ねると、彼は「君はレコーディングをするのだよ!」と答え、ちょっと微笑んだのです。私は間違いなく、彼のバンドの一員になりました。というのは、私たちは、レコーディングが終わるとすぐ、一緒に演奏旅行に出かけたからです。
 ずっと後年になって、彼が3日間、姿を現さなかった理由を知りました。実は彼は、別室のインターホンで演奏を聴いていました。もし自分がその場にいたら、私たちが硬くなって、思い通りに力量を発揮できないだろう──そう思って陰から見守り、伸び伸びと演奏させたのです。
 このことがわかったのは、マイルスが亡くなる少し前、パリで一緒に演奏していた時のことでした。
        ♫
池田 美しいエピソードですね。
 師匠の心の深さは、弟子が一生をかけて迫っていくものかもしれません。私は19歳で戸田先生にお会いしました。初対面でしたが、じつは先生は、事前に地域の方から私のことをよく聞いて、知ってくださっていたのです。今、その師の心が深くわかります。
 先生が逝去された後、日本の首相と挨拶を交わした時には、「あなたのことは、戸田会長からよく伺っております」と丁重に迎えていただきました。弟子のため、人知れず要所要所に、的確な手を打ってくださっていました。ありがたい先生でした。
ショーター それは、私たちが池田先生に対して抱いている思いです。
 私が、所属したバンドのリーダーだった、マイルス・デイビスとアート・ブレイキーの2人から受け取った最も素晴らしいことは、不可能だと思われていたことでも、現実に達成することが可能であることを学んだことでした。
 マイルスと一緒に仕事をするようになって、演奏スタイルは「爆発的な瞬間」へと移っていきました。まさに、演奏中に、私たちが存在すると思わなかったものが「本当に存在するのだ」と、単なる感情の次元ではなく生命の次元で悟るような瞬間でした。それは、つかみどころがないもので、全身全霊でとらえなければなりませんでした。マイルスと演奏することは、何か極めてユニークな新しいものの始まりのようでした。

音楽の師マイルス・デイビス氏の薫陶
ショーター氏
毎日が生命の新しい始まり
ハンコック氏
共演する全員が高められる

池田 「不可能を可能にする」──これが師弟の力です。自分一人では越えられない壁も、師匠と弟子が一体になることで打ち破れる。その巨大な力が生まれるのです。
 アメリカ・ルネサンスの哲人エマソンも語りました。
 「人生で最も必要なものは、自らの可能性を引き出してくれる存在です」と。
ハンコック マイルスと一緒にいると、音楽家としての私たち一人一人の演奏力のレベルがグーンと上がるのです。演奏しているのが、ウェインだろうが、私だろうが、何もかもが高められていきました。
 全体が、それを構成している部分の合計以上のものになる──マイルスと共に演奏することの素晴らしさを、私は時にそう表現しています。
池田 それこそ「団結の妙」です。「和の力」です。
 御書にも「異体同心なれば万事を成し」(1463㌻)と仰せです。
 お2人は、アメリカ芸術部の友と一緒に、これまでも幾度となく素晴らしい演奏を聴かせてくださいました。あらためて、心から感謝申し上げます。
 とくに、お2人をはじめ演奏者同士の“呼吸の妙”は息をのむほど見事です。個々は自由自在に奏でていながら、それでいて絶妙な調和があり、秩序がある。
 自己への強い自信とともに、互いへの固い信頼が伝わってきます。
 音楽は、人間を最大に輝かせ、人間と人間を最強に結びつける──この偉大な力を実感します。
        ♫
ショーター 池田先生が、私たちの演奏をそこまで深く聴いてくださっているとは、本当に驚きです。先生は、まさに青年の精神で、ジャズを理解してくださっています。
 先生は、こうした対談を、さまざまな異なる立場の方々と続けてこられました。先生は、開かれた対話を通して、人間は皆、本質的に平等であるということを世界に宣言されています。
 人々の生活の中で、いまだに存在する多くの人為的な境界線を、先生の勇気は貫通してこられたのです。
池田 仏法は「一閻浮提」であり、「末法万年尽未来際」です。いよいよ大きく広く、青年たちの道を開いていきたいと思っています。お2人と共に! 同志と共に!
ハンコック ありがとうございます。
 人間のもつ精神の強さを信じ、誰もがこの仏法の信仰を始めた時に起こる、生命の覚醒や変革を深く信じて疑わない人生を、私たちは生きていきたいと思います。
 仏法は、人類が、将来に直面する最も困難な課題をも乗り切れるということを、確実なものにしてくれる──そう強く確信します。
池田 そうです。歴史学者のトインビー博士とも語り合った展望です。
 ところで、ハンコックさんにとって、マイルス・デイビスさんに出会う前に学んだジャズの先生は、どなたでしたか。
ハンコック 聞いてくださって、嬉しいです。私を見出してくれたのは、トランペット奏者のドナルド・バードです。本当に重要なたくさんのことを教えてくれ、面倒を見てくれました。
 彼と一緒にいた時に、私たちが演奏した曲目の一つに「チェロキー」という曲がありました。大変に速いテンポで演奏され、私は、速い弾き方を知らなかったので、それを演奏できませんでした。
 最初のステージが終わった後、ドナルドは、彼自身が他のピアニストから教えてもらった、速く弾く学習法について、私に話してくれました。
 「君が速く弾けない理由は、そんなに速く自分が弾いたことを一度も聴いたことがないので、自分はできないと思っているからだ」「一度、速く弾いている自分を聴けば、速く弾くことができるようになるよ」と。
 それは、速さについて「学ぶ」というより、自分が速く弾くのを「聴く」やり方でした。その通りに練習しました。次の夜、その「チェロキー」を、バンドは速く演奏しました。私も、速く弾くことができたのです。
池田 巧みな指導法ですね。
 戸田先生も、青年を信じて、まず、やらせてみました。
 御書には、「人がものを教えるというのは、車が重かったとしても油を塗ることによって回り、船を水に浮かべて行きやすくするように教えるのである」(同1574㌻、通解)と示されています。
 師弟の魂の交流には、困難を乗り越える勇気と智慧が漲ります。そこに偉大な創造の源泉があります。
ショーター 師を広い意味でとらえれば、私には、ピアニストのアート・テイタムや、ショパン、ドビュッシー、ストラビンスキーなど、尊敬する音楽家がたくさんおります。そして、彼らからの影響を実現化する過程は、今も進行中です。例えばモーツァルトを聴く時、「彼は、その時、どんな人生を生きていたのだろうか」と考えるのです。
池田 なるほど。ジャズのみならず、クラシックを含めた幅広い音楽家を師と仰ぎ、学ばれてきたのですね。心に師を持つ人は謙虚です。偉大な師という目標を持つ人に、限界はない。
 私は今でも、毎日、胸中の戸田先生と対話しながら生きています。
 「戸田先生なら、どうされるか」と常に思いを致しながら決断し、行動してきました。ゆえに迷いません。
        ♫
ハンコック 私は、師匠と弟子が目指すものは同じでなければならないと理解しています。師匠の夢は、弟子の夢でなければならず、両者が目指すものが違ってはならない。これは、とても重要なことです。師匠と弟子が別の夢を持ってしまえば、それは、もはや正しい師弟関係ではありません。
 ジャズにおけるマイルスとの師弟の関係は、今も続いています。私は、彼の生命を背負って生きていると感じるのです。
 私は、池田先生が戸田先生のことを語られる時、同じ思いでおられると感じます。つまり戸田先生の命は、池田先生の中では、決して断絶することはないでしょう。それは継続的な永遠のつながりです。
池田 マイルス・デイビスさんの自叙伝には、お互いに影響を与え合う関係から、素晴らしい音楽が生まれるとの一節がありますね。「教え、教えられながら、もっとずっと先に進んでいくんだ」(マイルス・デイビス、クインシー・トループ著、中山康樹訳『マイルス・デイビス自叙伝II』宝島社文庫)と。師弟や同志の間に麗しい心が流れ通う時、前途は限りなく洋々と開かれるのです。
 仏法では、「よき弟子をもつときんば師弟・仏果にいたり」(御書900㌻)と明かされています。
 師弟とは、弟子を自分以上の人材にと願う師匠と、何としても応えようとする弟子という相互の真剣の一念から生まれる生命の紐帯です。
 法華経には「在在諸仏土常与師倶生」と、仏法の師弟の永遠性が説かれています。
 師弟の旅は永遠です。師弟の誓願を果たしゆく挑戦も、永遠に続きます。いよいよ若々しく、魂を燃え上がらせながら!
2010-12-27 : 音楽を語る :
Pagetop

全国最高協議会へのメッセージ

全国最高協議会へのメッセージ
     (2010.12.23 創価学会恩師記念会館)

全国最高協議会が23日、東京・新宿区の創価学会恩師記念会館で行われ、池田名誉会長がメッセージを贈った。

勝利の鐘を打ち鳴らせ!

生まれ変わった息吹で「人材・躍進の年」へ出発
この一年 全同志の奮闘に感謝


「先手」「真剣」の指導者に!

戸田先生
人生は、ちょっとの違いで決まる。ちょっとのところでいい加減になり、横柄になり、油断して崩れてしまう

 一、「人材・躍進の年」へ、そして、創立100周年へ、勝利の暁鐘を打ち鳴らしゆく全国最高協議会、本当にご苦労さま!(大拍手)
 リーダーが心を合わせ、呼吸を一致させて、真摯に未来への協議を行うことが、どれほど大切か。
 古代ギリシャの格言がある。
 「賢者たる者は後で考えるのではなくて前もって考えておかねばならない」(橋本隆夫訳「ドーリス喜劇」、『ギリシア喜劇全集7』所収、岩波書店)
 学会も、これまで万事にわたってスピーディーに、先手、先手を打ってきた。だから勝った。
 時代は目まぐるしく動いている。ますます、この賢者の「真剣さ」が大事になっていると申し上げたい。
 わが師・戸田城聖先生は、指導者を常に厳しく戒められた。
 その厳しさが慈悲であった。
 先生は、「人生は、ちょっとのところで決まる。ちょっとのところで、いい加減になったり、横柄になったり、油断して崩れてしまう」と。
 仏法は、永遠に魔との大闘争である。
 ゆえに心を引き締め、新たな広宣流布の前進を、勇躍、開始したい。
 一、この創立80周年、学会は見事なる大勝利の歴史を残すことができた。
 全同志の深き信心と勇敢なる行動、そして、他のどこの世界にもない麗しき異体同心の団結があればこそである。
 日蓮大聖人が、いかばかり、おほめくださっていることか。
 婦人部をはじめ、わが創価の同志は、この一年も、無量無辺の「心の財《たから》」を積んだのである。
 これほど気高き生命の長者はおられない。
 どうか、各方面の尊き同志に、私からの最大の感謝と賞讃をお伝えしていただきたい(大拍手)。

重要な節目を迎える明年!
 一、創立100周年への第一歩をしるす2011年は、創価学会にとって幾重にも重要な節目である。
 第1に、初代・牧口常三郎先生の生誕140周年(6月)、第2代・戸田城聖先生の会長就任60周年(5月)である。
 両先生に、さらにさらに喜んでいただける、慈折広宣流布の拡大と勝利を成し遂げたい。
 また、婦人部の結成60周年(6月)である。広布の母たちを、これまで以上に大切にし、宣揚していく一年としたい。
 さらに、男女青年部の結成60周年(7月)である。
 60年とは、再生・新生の節である。
 未来部も、「創価学会後継者の日(5月5日)」制定から35周年となる。
 不思議なリズムで、新たな「創価青年学会」の成長の時を迎えている。
 なお、壮年部も、結成45周年(3月)であることを銘記し、意気軒高に進みたい。
 聖教新聞も、創刊60周年(4月)である。
 この席をお借りして、尊き無冠の友の皆様、新聞長をはじめ、購読を推進してくださっている方々に、心から感謝を申し上げたい(大拍手)。
 全国各方面も、それぞれに佳節を刻む。
 関西は、あの「大阪の戦い」から55周年。
 常勝大関西、来年も、よろしく頼む。
 世界広宣流布にあっても、最初の「アジア・ヨーロッパ訪問」から50周年となる。
 各国・各大陸の広布の伸展も目覚ましい。
 新しい人材も続々と育っている。
 さらに明年は──
 創価大学の開学40周年(4月)、アメリカ創価大学(オレンジ郡)の開学10周年(5月)でもある。
 なんと希望に燃えた、明るくにぎやかな、創価の平和・文化・教育の行進であろうか。
 ともどもに、生まれ変わった息吹で、励まし合い、見違えるような「躍進」の歴史を残したい(大拍手)。

若き友に春風の励ましを

青年育成の4点
 一、一切は、「人材」を育てることから始まる。
 私は今、中華文化促進会の高占祥主席と対談を進めている。
 その語らいの焦点も、「青年の育成」である。
 高主席自身、中国最大の青年団体・全青連(中華全国青年連合会)のリーダーとして活躍されてきた。その日々を原点として、今度は自らが、青年の育成に全力を挙げておられる。
 この高主席は、青年に接する際、4点を心がけておられるという。それは、「温暖」「尊重」「信任」、そして「責任」である。
 まず、「温暖」とは、青年に人間的な温かさをもって接することである。硬直した、冷たい態度では、青年には受け入れられない。
 続いて「尊重」とは、青年の人格を尊重することである
 決して、下に見たりしない。青年を尊重する人が、青年から尊敬される。
 さらに「信任」とは、青年を信じることである。信頼こそが、青年の自信と力を湧き出す源となる。
 そして「責任」とは、青年を断固として育て上げるという責任感を持つことである。
 高主席は強調されている。
 「青年は、未来へ向かって伸びゆく種のような存在です。春風のような暖かさを与えることで、花が咲き、実を結ぶことができるのです」と。
 まったく同感である。私たちは、これまでにも増して、青年たちへ春風の励ましを贈りたい。

花作りのポイントは「こまやかな心遣い」

黄色い蘭の花
 一、今、うれしいことに、女子部の華陽姉妹が、さわやかに人華のスクラムを広げてくれている。
 花といえば、今年も黄色いカトレアの花が2輪、明るく咲いた。
 美しい洋蘭の中でも「女王」と呼ばれるカトレアは、ひときわ芳しい。
 3年前の2月、シンガポール国立植物園が、新種の蘭に“香峯子蘭”(デンドロビューム・カネコ・イケダ)と命名してくださった。妻は、全世界の婦人部・女子部の代表として、その栄誉を謹んで受けさせていただいた。
 その折、私は記念の意味も込め、近くの花屋さんで、黄色いカトレアを一鉢買ってきてもらって、妻の誕生日に贈った。
 そのままでは一年限りとなるところを、花が終わったあとも、管理者の方が真心こめて、大切に育ててくれた。以来、毎年、この時期に、清々しく花を咲かせ続けている。
 年に1度、咲く花は、その丹精の結晶なのである。
 とくに、カトレアを育てる上で、大事なポイントは、太陽の光をできるだけ長く浴びさせることであるという。それも、ただ日なたに置くのではなく、真夏の日光などで焼けてしまわないよう、日差しを弱める工夫も必要なようだ。
 また「水やり3年」といわれるように、水のあげ方も難しい。カトレアなどは、水をあげすぎると根腐れを起こしてしまうからだ。
 しかし、初心者でも基本を学んで、上手に育て上げる人がいる。そのカギは、1日5分でも、花への心遣いができるかどうかにある、とうかがった。
 花を育て咲かせることは、人材育成に通ずる面が多々あるといってよい。
 ともあれ、人材の花咲く創価の城は、多くの功労者の方々の深き真心に支えていただいている。
 とりわけ、各地の会場提供者の皆様方の尊き献身に心から御礼申し上げたい。
 また会館守る会、壮年部王城会、婦人部香城会、創価宝城会、そして会館管理者、香城グループ(クリーンメイト)、マスターメイトなど、会館を支えてくださる皆様方に、最大の感謝を捧げたい。
 私も妻も、懸命に題目を送らせていただいている。いつもいつも、本当にありがとう!(大拍手)

我が地域を繁栄の都に

 一、戸田先生のもとで、私が直々に講義を受けた「当体義抄」には仰せである。
 「所詮、妙法蓮華の当体とは、法華経を信ずる日蓮の弟子檀那等の、父母から生じた肉身そのものをいうのである。
 正直に方便の教えを捨て、ただ法華経を信じ、南無妙法蓮華経と唱える人は、煩悩・業・苦の三道が、法身(仏が証得した真理)・般若(真理を悟る智慧)・解脱(生死の苦悩から脱却した真の自由な境地)の三徳と転じて、三観(三つの観点から法を観ずること)・三諦(究極の真理を三つの側面から捉えたもの)が、そのまま一心にあらわれ、その人が住するところは常寂光土となるのである」(御書512㌻、通解)
 日蓮仏法の真髄を明かされた甚深の法門である。
 どんなに、煩悩や業苦が渦巻く現実社会にあっても、妙法を唱え、広宣流布に生きゆく人は、このわが身を「妙法蓮華」の当体と光り輝かせて、決して崩れない幸福境涯を開いていくことができる。
 これが、御本仏の御約束である。
 わが創価学会は、この日蓮大聖人の仰せ通りに実践し、そして一人一人が宿命との戦いに打ち勝って、妙法の大功力を実証してきたのである。

声高らかに大仏法を語れ
 一、どんな厳しい試練にあったとしても、断じて負けない。絶対に変毒為薬できる。
 その「百発百中」の現証を厳然と示し切ってきたのが、創価の80年であるといってよい。
 仏法には「教行証」が説かれている。
 つまり、仏の教えである「教」、その教えによって立てた修行の「行」、その修行によって得られる果徳の「証」である。
 末法の時代において、「教行証」を兼ね備えているのは、結論すれば、日蓮大聖人の大仏法しかない。
 すなわち、大聖人に直結の創価学会だけが、今、現実の上で、「教行証」を完璧に兼備している。全国、全世界の座談会で生き生きと語られる歓喜の体験こそ、その何よりの証明である。
 時代は乱れている。悩める友は多い。
 だからこそ、いよいよ声高らかに、大仏法を語り、妙法の功徳を咲き薫らせてまいりたい(大拍手)。

百年、千年の「平和の大計」を
 一、わが師・戸田先生は叫ばれた。
 「百年の大計、いな、何千年の平和の大計をたて、もって、日蓮大聖人の御恩に報ずるとともに、民衆万年の幸福を確立することが、創価学会の使命である」
 創価学会は1930年(昭和5年)──第1次世界大戦(1914~18年)と第2次世界大戦(1939~45年)の間に誕生した。
 当時、宗門は、大聖人が御一代をかけて戦い抜かれた「立正安国」の魂を忘れ去り、かえって国家主義に加担する体たらくであった。
 その時に、民衆の大地から、仏意仏勅の創価学会が出現したのである。
 創立の父・牧口先生は、「立正安国」の精神を体し、殉教なされた。正義の殉教は、人間として究極の道であり、学会の運動の永遠の原点となった。
 創価学会は、大聖人の本義に立ち返って、妙法による人間革命を、一切の根本とした。一人また一人と、民衆自身が声をあげた。「人類の幸福」のため、「社会の繁栄」のため、「世界の平和」のために、何ものも恐れぬ地涌の菩薩の対話を開始したのである。
 戸田先生が展望された「百年の大計」──。
 まさに創立100周年は、目覚めた地涌の民衆による「立正安国」の揺るぎなき基盤の完成の時といってもよい。
 そこから、人類の幸福境涯を築きゆく広宣流布の大河が、さらに滔々と「万年の外」「未来までも」流れ通いゆくのだ。
 ゆえに、これからの一年一年が「真剣勝負」である。その出発が、明年である。なかんずく、わが足元の地域から、信頼と友好を広げながら、「立正安国」の盤石なる土台を固めていきたい。
 大聖人は仰せである。「其の国の仏法は貴辺にまか(任)せたてまつり候ぞ、仏種は縁に従って起る是の故に一乗を説くなるべし」(御書1467㌻)
 皆、大聖人から、直接、使命の国土をまかせられた、地域の幸福責任者である。楽しく賢く対話を重ね、仏縁を結びながら、わが天地に、「立正安国」の楽土を築き広げてまいりたい(大拍手)。

ポーランドの女性作家

海のような忍耐力で粘り強く困難に挑め

奇跡の復興を遂げたワルシャワの民衆
不可能を可能に 正義 連帯 執念が力


 一、おかげさまで、「ポーランドの至宝」展も、深い感動を広げながら、東京、大阪、北九州で大盛況を収め、今、広島で開催されている。〈広島県立美術館で、明年1月12日まで開催〉
 この至宝展は、16年前、来日されたワレサ大統領と私の会見が出発点である。
 かつて、東欧の民主化を開いた闘士ワレサ氏は語られた。
 「真理と正義こそがこの世で最も重要なものだ」
 「人は自分が正しいと信じていたら、そのために闘わなければいけない」「俺はライオンのように闘うぞ」
 「一人の人間にも事態を変える力がある」「われわれは勝つ!」
 ワレサ氏が、非暴力の民衆運動によって社会を大きく変革するために、先頭に立って獅子のごとく戦い、勝ったことは、有名である。
 この心意気をわが胸に燃え上がらせよと、特に青年部のリーダーに申し上げたい。
 さらに、氏は指摘していた。
 「私たちが達成したことは、私たちが連帯して共に闘ったからこそ、可能だったのです」
 「この連帯ということを忘れてしまえば、私たちは敗北してしまうでありましょう」
 私たちの強さも、連帯にある。
 大聖人は「自他彼此の心なく水魚の思を成して異体同心にして」と仰せである。〈御書1337㌻〉
 この御聖訓を、皆で心肝に染め、各方面、各地域で一丸となって協力し、「人材・躍進の年」の完勝を飾ってもらいたい(大拍手)。
〈ワレサの言葉は、「真理……」「人は……」「俺は……」「私たち……」「この連帯……」がユーレ ガッター・クレンク菩、池田芳一・栗山次郎・土屋洋二・新家一誠・森田明訳『ワレサとの対話』自由都市社から。「一人の……」「われわれは……」が筑紫哲也・水谷驍訳『ワレサ自伝』社会思想社から〉

勝利の劇を!
 一、第2次世界大戦中、あの独裁者ヒトラーの“ワルシャワを壊滅せよ”との命令のもと、ポーランドは残虐な攻撃を受けた。
 今回のポーランドの至宝展で紹介されている美術品は、その破壊のなかを、命がけで守り抜かれた、まさに宝の中の宝である。
 戦後、破壊されたワルシャワの王宮や市街は、市民一人一人の執念の努力によって完璧に復元された。そして、奇跡の蘇生を遂げた市街は、ユネスコの世界遺産の指定を受けたのである。
 女性の作家マリア・ドンブロフスカは、「困難にめげない」で、断固、励まし合い、復興に立ち上がっていく人々を描き残した。
 「ここに踏みとどまらなければなりません。ここで働かなければいけないのです」
 「楽なところに逃げださない。困難な場所に留まるのよ」
 「ワルシャワは生きています!」
 「世界で最も生命に溢れた都市よ」
 「海のような忍耐力を持ち、粘り強く働いて、今のこの困難を抜け出し……」と。〈佐藤昭裕訳「ワルシャワ巡礼記」、『文学の贈物』所収、未知谷〉
 忍耐強く、断固として、わが地域を繁栄の都に!──創価の女性たちの心とも、深く響き合う歴史である。
 この幾多の戦乱と苦難を乗り越えてきたポーランドにも、今、妙法という平和と幸福の種子が植えられ、広がっている。ポーランドSGIは、本年、1支部3地区から、1本部3支部の新体制となり、昨年の6倍の新入会の友を加えることができたとの、うれしい報告もあった。
 明年は、欧州広布50周年。尊き欧州の同志が、それぞれの国や地域で、良き国民、良き市民として貢献し、ますます偉大な人生の勝利の劇を綴り残されることを祈りたい。

生老病死の苦を越えて常楽我浄の歓喜の曲を

妙法は大良薬
 一、日蓮大聖人は、夫の病と闘う婦人に仰せである。
 「この仏は不死の薬を説かれたのである。今の妙法蓮華経の五字がこれである。しかも、この五字こそ閻浮提の人の病の良薬と説かれている」(御書1479㌻、通解)
 妙法は、一閻浮提の人々の生老病死の苦悩を打開する第一の良薬である。
 生身の体である。体調を崩す時もあろう。
 不況の乱世である。経済苦に直面する時もあろう。
 しかし、この妙法の大良薬を抱いた人生に、恐れるものはない。いかなることがあっても、より強盛な信心を奮い起こせば、永遠不滅の仏の境涯へと上昇していけるのだ。
 牧口先生は、戦時中、私の妻の実家での座談会にも、足を運ばれ、特高刑事の監視のもとで、毅然と常楽我浄の大哲学を語り抜かれた。妻の実家も、明年で入信70周年を迎える。
 牧口先生は、仏の境涯である「常楽我浄」の四徳について、わかりやすく「常に楽しく我浄《われきよ》し」という心であると教えてくださっていた。
 「生老病死」という人類の本源的な苦悩を、「常楽我浄」へと転じゆく開拓者が創価の我らである。妙法とともに、同志とともに、三代の師弟とともに、「常に楽しく我浄し」との心で、この人生を生き抜き、戦い切っていくのだ。
 明年も、「常楽我浄」という生命の希望と歓喜の曲を、朗らかに世界中に奏でてまいりたい。

一緒に連戦連勝

 一、終わりに、戸田先生のご指導を申し上げたい。
 「どのような状況にあっても、自分自身が、深く『偉大な信心』に立てば、すべてを開いていける。自分が『変わり』、自分が『成長』し、自分が『責任』を持てば、一切に『勝利』できるのだ。要は自分だ」
 「一緒に連戦連勝の人生を生き抜こう!」
 全国の同志の皆さん、この1年、重ねて、大変にご苦労さま!
 創価学会は勝ちました。皆さんの功徳は大きい。
 私も、いよいよ威光勢力を増して、広宣流布の戦いを進めます。
 皆も一緒に戦おう!
 一緒に勝とう!
 お帰りになりましたら、各地の大切な同志に、くれぐれもよろしくお伝えください。
 ともに、ともどもに、 「人材」の大城を! 「躍進」の金字塔を!
 昇りゆく元初の太陽のように、ますます元気で戦い、朗らかに勝っていきましょう。
 どうか、よいお正月をお迎えください。
 ありがとう!
 ご苦労さま!(大拍手)
2010-12-26 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

韓国 建陽大学「名誉経営学博士号」授与式

韓国 建陽《コニャン》大学「名誉経営学博士号」授与式
        (2010.12.23 創価大学本部棟)

 韓国の名門私立大学である建陽大学から、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉経営学博士号」が贈られた。国際的な学術交流を進め、世界平和と人類の幸福のために尽力してきたことを讃えたもの。授与式は23日、東京・八王子市の創価大学本部棟で盛大に挙行され、建陽大学の金熺洙《キムヒス》総長、常任理事の金榮伊《キムヨンイ》総長夫人、申肅媛《シンスクウォン》副総長、金容夏《キムヨンハ》副総長ら27人の教職員の代表が出席。韓国SGIの呂相洛《ヨサンナク》理事長が祝福した。金総長から代理の池田博正創大理事に学位記と記念牌が託された。
                       
金熺洙《キムヒス》総長の祝辞

未来を開く人材を育成
偉大な碩学を迎える喜び


 尊敬する創価大学創立者の池田大作博士と池田香峯子夫人、そしてご多忙の中、私たち建陽大学一行を温かく歓迎してくださった池田博正創大理事、山本学長をはじめ関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
 中国の思想家である孔子は『論語』において、人生の有益な楽しみとして、「礼儀と雅楽をおりめ正しく行なうのを楽しみ、人の美点を口にするのを楽しみ、すぐれた友だちの多いのを楽しむ」(金谷治訳注)という三つを挙げました。
 この言葉に照らして、今日、私は生涯で最高の喜びと感動を覚えながら、この場に立っています。
 世界的な人権の闘士であり、人類の平和の先駆者であられる池田博士のご功績を讃える光栄な機会をいただくと同時に、このような偉大な碩学と生涯にわたる友愛を結ぶことができたからです(大拍手)。
 日本をはじめ、世界各地で多大な業績を積み重ねておられる池田博士は、青年時代に大きな志を抱いて創価学会に入会され、1960年に第3代会長に就任して以来、50年にわたり、人類の共栄と平和の潮流を全世界に定着させるために一生を捧げてこられました。
 また、文化・学術交流、人権運動、イデオロギーと国家の壁を超えた行動と対話を通して、人々の不信の壁を破り、相互理解の精神と共存共栄の重要性を全人類に指し示してこられました。
 私たち建陽大学は、「真理探究」「歴史創造」「人類奉仕」という建学理念に基づき、アジア・太平洋地域の新たな名門大学として飛躍的に発展しています。特に今年は、教育科学技術部(日本の文部科学省に相当)が定めた「学部教育の先進化先導大学支援事業」に選ばれた全国11大学の一つとして、大学の力と可能性を堂々と証 明することができました(大拍手)。
 1991年の創立以来、建陽大学が急速な成長と発展を遂げることができた原動力は、「学生を入学させたら、卒業だけではなく就職まで責任を持つ」という姿勢で、全教職員が努力したことであります。
 これは、単に就職を目的にすることではなく、学生一人一人が持っている最高の力を引き出して、社会の中で認められるように、それぞれの教職員が責任を持って、励まし合いながら導いていくことを意味します。
 教職員と固い絆で結ばれた師弟関係の中でこそ、学生たちは正しい人間性が育まれ、人生のさまざまな苦難に立ち向かい、堂々たる勝利者になっていくことができます。
 池田博士もまた、創価学会の初代・第2代会長との峻厳な師弟関係を通して、創価教育の思想と世界平和の念願を堂々と守りきってこられました。それだけでなく、創価大学の学生たちもまた、創立者である池田博士と生涯にわたる師弟の絆を結び、地域と社会で讃えられる人材へと成長しています。
 池田博士は「今、世界が必要としているのは、グローバルな視野に立ち、人類益に貢献しゆく『世界市民』であり、その大いなる連帯であります。そして、そのための『教育革命』こそが、まさに要請されているのです」と述べられました。
 私もまた、このことに、全面的に共感と賛同の声を送らせていただきます。
 いくら知識と情報が飛び交い、科学技術の発達する社会であっても、国と世界のためにそれを正しく発展させていく人材がいなければ、人類の未来は暗いといえます。
 したがって、今、私たちが最も重点を置かなければならないことは「人間教育」です。これは「人生経営」や「人類経営」という言葉に相通じると思います。
 真実の眼で正義を見極め、人間尊敬の正しい価値観を持つ人材の育成を通して、世界を平和へと導いていかれる池田博士こそ、「人類最高の経営者」であると確信します。
 このような方に建陽大学の名誉経営学博士の学位を授与させていただけることは、私たちの大学にとっても大きな光栄であり、慶事です(大拍手)。
 一人一人の個性の確立において、その基礎となる歴史観に至るまでこまやかに配慮され、正しい人材育成に死力を尽くしておられる池田博士に心から尊敬の念を抱いております。とともに、私もまた、今までと同様に、「わが子に教える思い」で学生たちを正しく教育し、「わが子の面倒を見るように」学生たちの日常生活と進路に対して接していく決心です。
 立派な師匠を人生の師匠と仰ぎ、成長していける創価大学の学生の皆さんの活躍が大変に楽しみです。また、今回の授与式を通じて、建陽大学の学生も池田博士の信念と哲学を学ぶことで、世界をリードしていく人材になっていくことができると確信しています。
 あらためて、建陽大学の名誉経営学博士にご就任される池田博士にお祝いと感謝を申し上げ、祝辞とさせていただきます。
 本日は、大変にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

苦難に雄々しく立ち挑む勇気 負けじ魂こそ「教育の宝」

教育の力で創り広げたい
戦争のない平和の世界を


 一、大学にとって、傑出した世界の知性をお迎えできることは、何ものにも勝る喜びであります。
 仏法では「人の身の五尺・六尺のたましひ(神)も一尺の面《かお》にあらはれ・一尺のかほ(顔)のたましひも一寸の眼《まなこ》の内におさまり」(御書1402㌻)と説かれます。
 「目は命」であります。慈愛の大名医として民衆の目を癒やし、信念の大教育者として青年の眼を開いてこら れた方こそ、貴・建陽大学の創立者、金熺洙総長であられます(大拍手)。
 貴国の偉大な医学と教育の「眼目」であられる金総長にご来学いただき、創価大学にとりまして、歴史に輝きわたる不滅の一日となりました。
 心から御礼を申し上げます(大拍手)。
 一、壮麗な校歌に歌われるごとく、貴大学は誇らしき「真理と奉仕の根拠地」であり、力強く伸びゆく「創造の殿堂」であります。
 その貴大学から授与いただきました「名誉経営学博士」の学位ほど、尊く、ありがたい栄誉はございません。
 貴大学の高邁なる精神を生命に刻み、私は世界の模範の社会貢献を貫いている韓国SGI(創価学会インタナショナル)の尊き友と、この栄誉を謹んで拝受させていただきます。
 誠にありがとうございました(大拍手)。

「師匠の国」
 一、今、私は、貴大学が立つ忠清南道《チュンチョンナム》・論山《ノンサン》市との悠久1500年に及ぶ縁《えにし》に思いを馳せております。
 日蓮仏法では、貴国を「師匠の国」と仰ぎ、「百済《くだら》国より始めて仏法渡る」(同1392㌻)と、貴国への恩義を厳然と留められております。
 6世紀、日本に仏法を伝えてくださった文化大恩の百済の要衝こそ、貴・論山市であります(大拍手)。
 金総長は、文化と学芸の薫り高き、この論山市を故郷とされ、歴史上、錚々たる巨人を生み出してこられた光山金《クヮンサンキム》氏を本貫《ほんがん》(源流の氏族)とされております。その先哲の一人である金長生《キムジャンセン》は16世紀、「朝鮮礼学《れいがく》」の泰斗として、不朽の足跡を残されました。幾多の若き門弟を薫陶して、大いに民衆を啓発していかれました。
 それは、「すべての人が正しい心で助け合い、共に生きていけるように」との願いを込め、調和のとれた人間社会を建設しゆく智慧の発露であり、価値創造の波動であったといえましょう。
 1617年、第2回の「朝鮮通信使」にあつて、金長生の門下が中心的な存在として、韓日友好を開いてくださったことも、忘れ得ぬ宿縁であります。
 こうした最高峰の人間主義の精神を脈々と継承され、体現なされた学府こそ、貴大学であられると、私は最大の敬意を表したいのであります(大拍手)。

力強く伸びゆく「創造の殿堂」建陽大学

金総長
不可能はない! ピンチをチャンスに変える不屈の建陽精神があれば

学生を護り抜く創立者の死闘

 一、首都ソウルに東洋一の規模の眼科院を設立された大名医の金総長は、私財を抛《なげう》たれて論山市に建陽学園、そして建陽大学を創立していかれました。
 総長は、大学を陰で支える警備や清掃の方々、さらに下宿の大家さんのもとにも足を運ばれ、対話を重ねて、学生のための教育環境の向上に尽くし抜いてこられました。
 学園を創り、大学を創り、護り抜くことが、どれほどの死闘であるか。
 「創立者として、総長として、学生一人一人、草木の一本一本までも、愛おしく大切に思っている」との総長の言葉に、私は同じ創立者として感涙を禁じ得ないのであります。

励ましが青年の勝利の道を開く
 一、法華経には「慈眼もて衆生を視る 福聚の海は無量なり」(妙法蓮華経並開結638㌻)と説かれております。
 人間教育に敷衍するならば、青年は、自らを信じ、励ましてくれる教育者の眼に見守られるなかで、幸福勝利の人生を広々と開いていくことができるのではないでしょうか。
 私には、総長の気高き人間教育の戦いが胸に迫ってまいります。
 総長が、新入生の全員、そして社会に巣立ちゆく4年生の全員と懇談を重ね、直々に励ましを送っておられることも、よく存じ上げております。
 総長は、厳として、学生を励まされています。
 「我々に、不可能はない。ピンチをチャンスに転換する、不屈の『建陽精神』を身に纏うならば、皆さんの前途は洋々であり、夢は必ず叶う。必ず『やればできる』『なせばなる』との精神で、挑戦の日々を送ってください」と。
 苦難に雄々しく挑みゆく勇気、そして不屈の負けじ魂こそ、教育の宝でありましょう。

学生第一の伝統
 一、金総長とご一緒に、慈母のごとく、貴大学を建設してこられた令夫人の金榮伊《キムヨンイ》先生は造形家としても著名であり、キャンパスの随所に心を配られ、見事なデザインで清々しく彩っておられます。清く澄んだ心の結晶であります。
 私には、16世紀の芸術の母・申師任堂《シンサイムダン》の次の言葉が思い起こされます。
 「清く澄んだ心は、太陽の光に包まれる。その心こそ、善行の源泉であり、徳行の根本である」と。
 教職員の方々も、総長ご夫妻の心を我が心とされ、「学生第一」を貫き、「学生を入学させたならば、就職まで責任を持つ」と就職指導にも全力で取り組まれ、毎年、貴国でトップクラスの就職率を勝ち取っておられるのです。
 その背景には、貴大学の卒業生の方々が、現実社会の中で、実力ある人間主義を発揮して、信頼を勝ち取っておられるからでもある──と指摘されております。
 創立者にとりまして卒業生の活躍ほど、誇り高く、うれしいものはありません。

先師の夢を実現
 一、私どもの「創価教育」の父である牧口常三郎先生は、第2次世界大戦中、大恩ある貴国に蹂躙の限りを尽くした日本の軍国主義と戦い抜き、獄死いたしました。
 実は、牧口先生は、80年前に発刊した『創価教育学体系』に続いて、創価教育を学んだ弟子や青年たちの実践記録を、いつの日か、集大成することを構想しておりました。
 今、貴国をはじめ、世界に広がった創価教育同窓の活躍は、まさに、殉教の先師の夢を実現するものなのであります。
 一、金総長と私は共に、戦争の残酷さ、悲惨さを、若き生命に焼きつけた世代であります。
 だからこそ、正しい教育の力で、戦争のない、平和の世界を創り広げていきたいとの決意を深く共有しております。
 総長は「教育とは、(青年のために)心と人生の光を見出すことなり」と洞察されております。
 まったく同感であります。
 私は、きょうより、尊敬申し上げる総長と、さらに強く手を携えて、貴大学の校章に描かれた「旭日」のごとく、教育の勝利の太陽を昇りゆかせる決心であります。

新しき春へ!
 一、韓国からお迎えしている留学生をはじめ、創大生・短大生の皆さんも、本当にありがとう!(大拍手)
 愛する君たちに、韓国の独立の闘士であった大詩人・韓龍雲《ハンヨウウン》の獅子吼を申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 「私たちは、新しい春を迎えるため、すべてのものを、自分の力で創造する勇者になろう」と。
 尊敬してやまぬ金総長ご夫妻はじめ、ご列席の先生方の益々のご健勝を、心からお祈り申し上げます。
 敬愛する大韓民国に無窮の栄光あれ!
 偉大なる建陽大学に永遠の勝利あれ!
 テダニ・カムサハムニダ!(韓国語で、「誠に、ありがとうございました!」)(大拍手)
2010-12-25 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

台湾 虎尾科技大学「名誉工学博士号」授与式

台湾 虎尾科技大学「名誉工学博士号」授与式
        (2010.12.22 創価大学本部棟)

 台湾の科学技術の名門・虎尾科技大学から、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉工学博士号」が贈られた。人類の福祉向上に対するSGI会長の貢献を讃えるもの。授与式は22日、東京・八王子市の創大本部棟で挙行され、同大学の林振徳学長らが出席。代理の山本創大学長に学位記とローブが託された。またSGI会長から林学長に漢詩が贈られた。

林振徳学長の受章の辞

池田先生の理念は全人教育を掲げるわが大学の精神と一致

 池田大作先生は、創価学会の名誉会長、SGIの会長であり、世界的に著名な仏教思想家、哲学者、教育家、社会活動家、作家、桂冠詩人、写真家としても活躍されています。
 また、多くの人々に深遠な影響を与える宗教指導者であり、平和の提唱者でもあられます。
 こうした活動の功績により、先生には「国連平和賞」、国連難民高等弁務官事務所からの「人道賞」、「アインシュタイン平和賞」などが贈られております。
 国際間の理解と世界平和を推進するべく、池田先生は、幼稚園から大学までの教育機関を創立されました。また、戸田記念国際平和研究所、東洋哲学研究所、池田国際対話センターなどの学術機関、東京富士美術館、民主音楽協会を創立され、国際交流を幅広く進めてこられました。
 このように、池田先生は生涯にわたって、国際平和と文化・教育の発展に尽力してこられました。その成果は稀有なものであり、国際社会と人類の福祉のための多大な貢献は、世界的に評価されております(大拍手)。
 一方、台湾SGIは、池田先生の精神を受け継ぎ、教育・文化・平和主義を実践されています。
 それは、わが大学が推進する人格陶冶の全人教育、そして「誠・正・精・勤」との校訓と趣旨を同じくするものです。
 「子どもたちのための幸福社会の建設」との理念を掲げ、未来の主役たちの生活が、非暴力と平和と幸福の環境になるよう、台湾SGIはわが大学において、2007年5月に「世界児童平和文化展」と「地域友好文化祭」を行いました。
 また、2008年10月には、池田先生のご配慮のもと、「核兵器廃絶への挑戦と人間精神の変革」展をわが大学で開催させていただきました。
 それは、展示を観賞する学生たちに、平和を追求する勇気と行動を喚起し、社会に平和の理念を広げ、ダイナミックに平和の文化を探求するものとなりました。
 さらに本年10月には、本学において、深い教育的意義を刻む、環境展示「希望の種子──持続可能性のビジョンと変革へのステップ」を開催。
 その優れた展示内容は、「地球憲章」の「人間と環境は共存するべきである」との精神を、全教職員と学生に認識させ、環境保護への意識啓発に大きく貢献をしたのであります。
 本学は、1980年に創立されました。
 当時の台湾では唯一の、機械分野を中心に多種にわたる専門分野を有する科学技術学校でした。
 以来、発展を続け、現在では工学部、電信技術学部、経営学部、文理学部の4学部、19学科、17の修士課程、9の社会人修士課程、二つの博士課程を擁し、1万人以上の学生が学んでおります。
 創立から30年間、本学は基礎科目を強化し、一般教養及び理論と実務の両輪を重視するとの建学の理念のもと、科学技術分野に、専門性と人間性を兼ね備えた多くの優れた人材を輩出してきました。
 卒業生たちはそれぞれの専門領域で根を張り、工業における草分けの存在として、台湾の発展のために、その基礎を築き上げてきました。近年では、さらに全教職員と学生が力を合わせ、研究開発と産学協力の分野で、目覚ましい成果を発揮するに至っております。
 今後は、台湾SGIをはじめとする文化諸団体と関係を深めながら、文化の力によって、国境、民族などの壁を乗り越える交流をしてまいりたい。そして大学本来の目的である教育、研究、社会奉仕を柱に、品格と文化的素養を身につける豊かな学生生活を送れるよう、学生たちを導いていきたいと願っております。
 ここに、あらためまして、池田先生の国際社会での文化、教育、芸術交流ならびに世界平和への偉大なご貢献に、感謝申し上げます。私は本学の規定に則り、虎尾科技大学を代表し、無上の尊敬と喜びをもって、池田先生に名誉博士号を授与するものであります(大拍手)。
 結びに、池田先生ならびにご来賓の皆様方の、ますますのご健康とご活躍をお祈り申し上げます。本日は、大変にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

世界の混沌の闇を破る「新たな人材」の希望の大光を

恩師
「現代人の不幸の一つは知識と智慧の混同」

情報、技術を幸福に生かす
根源の力こそ智慧と人格


 一、最先進の科学の探究者であり、最高峰の人間教育の実践者であられる林振徳学長をはじめ、英邁なる先生方を、再び、創価大学にお迎えすることができ、これに勝る光栄はございません。
 ご多忙のところ、寒い師走の日本に、本当にようこそお越しくださいました(大拍手)。
 本日、名門の誉れも高き貴・虎尾科技大学から、「名誉工学博士号」を賜りました。
 どれほど深き意義を込めてくださった称号であるか。私は崇高なる貴大学の建学の理念を、命に刻みつけながら、厳粛に拝受させていただきます。
 誠に誠に、ありがとうございます(大拍手)。
 貴大学は英語名に「フォルモサ(美麗《びれい》島)」との台湾の美称を冠しておられます。
 本日は、この「フォルモサ(美麗島)」の天地で社会貢献の模範を示されている、わが台湾SGI(創価学会インタナショナル)の代表も出席してくれております。
 貴大学からの栄誉を、この良き同志たちと分かち合わせていただけることは、私にとりまして、何ものにも代え難い喜びであります。
 貴大学が、常日ごろから、台湾SGIの平和・文化・教育運動に会場を提供してくださるなど、温かなご理解とご支援をいただいておりますことにも、この席をお借りして、重ねて深く御礼申し上げます。

恩師が敬愛した風光明媚な天地
 一、私の人生の師匠であり、天才的な数学者でもあった戸田城聖先生は、台湾を深く敬愛しておりました。その美しき自然の景観についても、しばしば思いをめぐらして語り合ったことが懐かしく蘇ります。
 貴大学のキャンパスを擁する虎尾鎮《こびちん》も、虎尾渓《こびけい》の清流が走り、緑豊かな田園が広がる風光明媚な天地として有名であります。
 その景勝の地に聳え立ち、「民衆のための科学技術」の大発展に、大いなる貢献を果たしてこられた殿堂こそ、貴大学であられます。
 貴大学は、時代の最先端を切り開き、オプトメカトロニクス(「光」「機械」「電子」工学の融合化技術)などの新分野をはじめ、台湾社会の目覚ましい躍進の原動力となってこられました。
 教育部から「最優秀の科学技術大学」との評価を受けられたことも、よく存じ上げております。
 さらに本年には、発明の国際コンテストで8つの金賞を受賞されました。
 今月、韓国で行われた発明展でも、3つの金賞を獲得されるなど、その見事なる実績は、世界から高く広く評価されているところであります。
 まさしく貴大学は、「先端技術の光の城」そして「英才逸材の光の城」として、アジアにそして世界に燦然たる輝きを送っておられるのであります(大拍手)。

生涯学び続ける学問の基礎を!
 一、私がひときわ深く感銘を受けるのは、貴大学が、林学長の卓抜なるリーダーシップのもと、高度な技術や知性の錬磨とともに、全体人間教育の推進に、大きな力を注がれている点であります。
 貴大学は、学生の思考や創造性の啓発とともに、生涯にわたって学び続けていける盤石なる学問の基礎を築き上げることを目指されております。
 そして、「高尚な人格、奉仕の精神、正しき人生の価値観」を持つ青年の育成を、大学の理念として誇り高く掲げられているのであります。
 学長は、新入生たちに力強く呼びかけられました。
 「地球環境の保護と人類の永続的な発展に関心を持ち、自己を鍛え、専門知識を習得し、人間性と創造力を兼ね備えた学生となってほしい」──。
 まさに、「新たな21世紀文明のリーダーに求められる要件が、ここに明確に示されているのではないでしょうか。

現代の焦点は科学と倫理

孫文先生
「人生の目的は奉仕」
学問即貢献の一念を定めよ!


 一、貴大学においては、学長の提唱によって新入生のボランティア活動を必修課程にされるなど、地域社会に貢献する新たな人間教育のプログラムにも取り組まれております。
 かの孫文先生は、「人生は奉仕を目的とすべきであり、奪取を目的としてはならない」と叫ばれました。
 その魂を受け継ぎ、貴大学の俊英たちは、若き一念に民衆への「奉仕」という大目的を定めて、学び、行動されている。
 なんと清々しい「学問即貢献」の模範でありましょうか。
 私は、現代化学の父・ポーリング博士や、核兵器廃絶の闘士・ロートブラット博士など、世界の多くの科学者と対談を重ねてまいりました。
 その大きな焦点は「科学」と「倫理」の問題であります。
 現代科学の急速な進歩は、世界に大きな恩恵をもたらした一方で、人類の生存を脅かす「核兵器」をも生み出してしまいました。
 こうした悲劇の歴史は、絶対に二度と繰り返してはなりません。
 第2次世界大戦後、日本の軍国主義による2年間の投獄を勝ち越えた私の恩師は、「地球民族主義」の理念を提唱し、「原水爆禁止宣言」を、青年への遺訓として残しました。
 その恩師は鋭く、「現代人の不幸の一つは、知識と智慧を混同していることだ」と喝破しておりました。
 「知識が即、智慧ではない。知識は智慧を開く門にはなるが、知識自体が決して智慧ではない」と。
 知識や情報や技術を、いかにして人々の幸福のために役立て、社会の平和と繁栄のために生かしていくか。その根源の力こそ、智慧であります。
 また、その支えとなるものが、人格であります。
 この強靭なる「智慧」をいかにして磨き、この確固たる「人格」をいかにして鍛え上げていくか。ここに、これからの「教育の世紀」の挑戦があるといっても決して過言ではないでありましょう。
 その先頭に立つ大学こそ、貴大学であられます。
 今、私の胸には、貴大学の校歌の一節が高らかに響いてくるのであります。
 「徳と智をともに修め
 奮い立ち 努力し
 社会のために奉仕する」と。
 世界の前途は、いまだ深い混沌の闇にあります。だからこそ、「新たなる人材」の鮮烈な光が放たれねばなりません。
 それは、どんな局面であっても、柔軟にして大胆に活路を開く価値創造の智慧の光であります。
 それは、いついかなる時も、快活にして聡明に民衆へ希望と勇気を贈りゆく人格の光であります。
 私も、貴大学の誉れある一員として、先生方とご一緒に、この「新たなる人材」の希望の大光を、いやまして強め、広げていく決心であります(大拍手)。

自分らしく学ベベストを尽くせ
 一、きょうは、台湾からお迎えしている留学生をはじめ、創大生の代表も列席してくれました。
 特に工学部の友は、8000人の少年少女の夢を乗せて、地球を500周した人工衛星「Negai☆″」の大成功をはじめ、大健闘が光る一年でした。
 皆、一年間の真剣な学究、本当にご苦労様でした(大拍手)。
 愛する皆さん方に、尊敬する林学長の座右の銘を伝えさせていただきたい。
 「世に処し、身を立てるにおいては、心を込め、力を尽くせ」と。
 誠実と正義の心ほど、強いものはありません。
 自分らしく学び続け、ベストを尽くす青春には、必ず勝利と栄光の太陽が昇りゆくのであります。
 一、終わりに、貴大学の名前に冠せられた「虎」にちなんだ名句を思い起こしたい。
 すなわち「龍騰虎躍」(龍が飛び立ちい虎が躍り上がるように)、そして「生龍活虎」(生気溢れる龍や活力漲る虎のように)と。
 若き竜虎のごとく、共々に生き生きと躍進しゆくことを誓い合って、私の謝辞とさせていただきます。
 貴大学の永遠のご隆盛、そして林学長はじめ諸先生方の益々のご健勝を、心よりお祈り申し上げます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました!」) (大拍手)

SGI会長 漢詩を贈る

誠正精勤衆妙通
學林卓爾振徳風
率先科技出才俊
教育堪為第一功


〈大意〉

 「誠正精勤《せいしょうせいきん》」は天地万物の道理に通ずる。
貴大学はその卓越したリーダーシップで
 徳育の気風を振興せしめておられる。
科学技術の学問を率先して推し進め
 数多の人材を送り出されている。
教育を興して社会のために貢献することは
 最大の功労というに相応《ふさわ》しいものである。

※文中に、学長の名前(林振徳)と校訓の「誠・正・精・勤」が織り込まれている。
2010-12-23 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

ブラジル アマゾナス教育科学技術連邦大学「名誉博士号」称号授与式

ブラジル アマゾナス教育科学技術連邦大学「名誉博士号」称号授与式
 (2010.11.28 アマゾナス教育科学技術連邦大学 中央キャンパス)

【リオデジャネイロ11月29日】ブラジルのアマゾナス教育科学技術連邦大学はアマゾン川を守り、アマゾン地域の発展をリードする最高学府である。創立100年の歴史を誇る同大学の初の「名誉博士号」が、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長夫妻に贈られた。平和・文化・教育への世界的な貢献と、アマゾンの発展への尽力を讃え、大学の最高審議会の満場一致で決議されたものである。授与式は11月28日午後4時(日本時間29日午前5時)、アマゾナス州マナウス市内の中央キャンパスで行われ、ジョアン・ジアス総長、ジョゼ・フェイトーザ学長らが列席。ブラジル訪問団の池田博正SGI副会長に、名誉博士の学位記と、同大学の創立100周年を記念して特別に製作されたメダルとプレートが託された。アマゾンの詩人チアゴ・デ・メロ氏が祝福した。SGI会長に世界の大学・学術機関から贈られた名誉学術称号は「301」となった。

フェイトーザ学長の推挙の辞


100年を超えるブラジルと日本の交流
夫妻が植えた慈愛の種は必ず世界で大きく開花


 近年、大変に著名なある民衆詩人が平和を叫びました。
 その詩人──池田大作博士の声は、私たちが高邁な目的のために、本日ここに集いあう、きっかけとなったのです。
 ブラジルと日本の交流の歳月は、100年を超えました。出自や経歴にとらわれず、人類が渇仰してやまない平和と友愛、民衆の共同体を、さらに堅固にしたいのです。
 池田博士ご夫妻を顕彰申し上げることには、より大きな意義があります。
 博士ご夫妻を讃えることによって、人道主義と普遍的哲学を賞讃することにもなるからです。
 ゆえに、本日はアマゾナス教育科学技術連邦大学、アマゾナス州、そしてブラジルにとっても特別な日であります(大拍手)。
 博士ご夫妻の人道的業績と連帯の行動は、異なる社会、国家、大陸の垣根を超えて、地球上で最も遠い場所の人々にまで広がっています。
 その功績にふさわしい正当なる今回の顕彰によって、アマゾナス教育科学技術連邦大学は、友愛と自由を展望し、文明的な大使命を有する世界の大学に連なることができたといえます。
 わが大学もまた、幾千年にも及ぶ文化と文明を持つ日本という国の友人によって、栄誉にあずかっていると感じるのです。
 私たちのアマゾンに、池田博士ご夫妻が訪問団を派遣していただいたことに対して、感謝に堪えません(大拍手)。
 名誉博士号は、池田博士ご夫妻の永遠不滅の功績を讃える顕彰であることを強調せねばなりません。
 50年以上にわたり、ご夫妻は世界平和という最も崇高な目的のために、誠実に貢献し、慈愛の心で人生を捧げてこられました。
 その利他の行動は、良き模範となっております。
 創価学会は池田博士をはじめ歴代会長の「師弟」の絆によって発展してきました。
 池田博士は前世紀、また今世紀における最も輝かしい思想家であり、その哲学は東洋の枠を超えて、生き生きと西洋でも花開いています。
 またブラジルSGI自然環境保護センターを通じて、ブラジルの発展のために、この上ない貢献をされたことも忘れてはなりません。
 そして池田博士は、香峯子夫人とともに、社会変革という理想の種を、識者との対話によって、蒔いてこられました。
 香峯子夫人は、すべての母の模範となる、偉大な女性の鑑であります(大拍手)。
 ご夫妻は、世界のために、さまざまな問題を乗り越え、平和の道を開く方途を提示してくださっています。
 私たちはご夫妻を名誉博士にお迎えすることによって、アマゾンの偉大さを世界に示すことができます。
 ご夫妻が世界に、そしてアマゾンに植えられた慈愛の種が、必ず大きな花となって咲き薫っていくことを確信しています。
 池田博士ご夫妻ほど、アマゾナス教育科学技術連邦大学の初めての「名誉博士号」受章者として、ふさわしい人物はいないと確信いたします(大拍手)。
 ご夫妻はアマゾナス州に脈打つ偉大さ、魅力、素朴さをそなえた模範の方であり、偉大な倫理的、道徳的価値を体現されています。
 人道的な目的のために、これほどまでに顕著かつ不可欠な業績を築いておられる方はいません。大陸、そして地球規模の賞讃に値する偉人です。
 世界の反対側で、連帯の力を信じ、共に分かち合う心情を養い、平和と不滅の慈愛を確信し、光を照らし、光を強めている偉人が存在する。このことは、私たちにとって何よりの喜びであります。
 まことに、ありがとうございました(大拍手)。

ジアス総長の授章の辞


多様性が輝いてこそ人類はより豊かに

池田博士の夢は私達の夢
教育は闇を破る希望の光


 何世紀もの長きにわたり、人類は不和と争いという「漆黒の闇」に包まれてきました。
 そこに灯された小さな光──すなわち「希望」こそが、よりよき現実を確かなものにする光なのです。
 日々の惰性によって心の奥深くに隠された高貴なる感情を、この小さな「希望」の光が人間の中に再び目覚めさせるのです。
 「希望」とは、一人一人が、その生命自体にそなえている光であります。
 マハトマ・ガンジーや仏陀、イエスやムハンマド(マホメット)、キング博士など、多くの偉人たちが、平和と協和、そして繁栄への道標となる光で、多くの男性や女性を導いてきました。
 平和を生み出すことは、決して容易ではない。そう彼らは示唆しています。なぜなら、自意識や名誉を犠牲にして、他の人に自分の場所を分かち与える痛みを伴うからです。
 善意という対話の場を他者に与えないからこそ、突発的に戦争は起こるのです。
 私たちは、教育と文化、そして個の多様性から平和が生まれることを学びました。
 生命のための教育によって、私たちは一人一人が異なるからこそ、人類はより豊かになることを知りました。民衆の文化遺産に価値を見出すことが必要なのです。
 私たちの眼前には、善と平和のきら星のごとく輝く池田大作博士が現れました。池田博士は日出づる国から、仏陀の平和主義を体現し、人種や信条の異なるきょうだいたちに教えを示しています。
 博士は教育を、民衆の連帯と調和ある成長の確かな手段としておられる。博士の平和の詩は、祖国・日本を超えて、各大陸に広がっています。
 池田博士から、私たちは「他者の声に耳を傾けること」「熟慮すること」「夢を描くこと」「対話すること」を学びました。
 この素晴らしき教育者は、私たちの天地をも訪れ、友情を育み、平和と喜びと希望を愛する民衆に出会いました。青年のために、身を粉にして、人類は大きな家族であること、形は違えども皆の願いは「恒久平和」ただ一つであることを教えてくださったのです(大拍手)。
 アマゾナス教育科学技術連邦大学は100年という佳節に、池田博士をわが学舎にお迎えする栄誉に浴しました。博士の平和と教育、社会の連帯へのメッセージに喜びもひとしおです。博士の真情にお応えするとともに、平和のために成し遂げられたすべての功績に、心から感謝申し上げたい。
 ご列席の皆さん! どうか、これからも決して挫けず、夢をあきらめないでください。
 博士の夢は、すなわち私たちの夢です。教職員の、学生たちの、そして地上の人々の夢であります。
 本学の最高審議会は、東部キャンパスのジョゼ・フェイトーザ学長の要請により、名誉博士号の授与を決定しました。私は、本学の総長として、博士に名誉学位を授与いたします。池田博士への授与は、わが大学の大いなる栄誉であります。
 博士は、現代の世代だけでなく、未来の世代にとっても偉大な模範であり、偉大な師匠なのです!
 どうか、アマゾナス教育科学技術連邦大学をわが家と思い、いつでもお越しください。そして私たちも、博士の平和の戦いに連なってまいります。
 大変にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

アマゾンのごとく
人類を結ぶ平和の大河を
使命の根を張る人材の連帯を


他人の不幸の上に自分の幸福を築くな!
人間革命の大道を進め


詩人のメロ氏
アマゾンは調和の智慧光る“生命の家”

 一、この青き地球にあって「宝の中の宝」と光るアマゾンの輝きは、私と妻にとりましても、若き日からの憧れであります。その天地を支える、黄金の英知の柱としてそびえ立つ貴・アマゾナス教育科学技術連邦大学より、無上の栄誉をいただきました。これはどの喜びはありません。
 私は今、貴大学が切り開いてこられた、100年にわたる崇高な教育の足跡に思いをはせております。
 まだ校舎の定まらぬ草創期には、学びの場所を苦心して確保されながら、青年たちの熱き向学心と就労意欲に応え、教育の灯火《ともしび》を赫々と燃え上がらせてこられたとうかがっております。大学を創立した人間として、私の胸には、貴大学の建学の死闘が痛いほど伝わってまいります。
 最高最善の教育環境とは、教育者自身の一念です。教育者の学生を思う慈愛であり、人格であります。貴大学には、先生方の大情熱が結合して、いかなる苦難も乗り越え、地域と民衆に尽くす有為な人材群を育成してこられた歴史が輝いております(大拍手)。

ブラジルの教育者
対話から交流が生まれる
語り合え! 民衆と共に


師に捧げる宝冠
 一、「対話がなければ交流はなく、交流がなければ真の教育もありえない」──これは、貴国ブラジルの大教育者パウロ・フレイレ先生の信念でありました。〈小沢有作・楠原彰・柿沼秀雄・伊藤周訳『被抑圧者の教育学』亜紀書房〉
 フレイレ先生は、真の教育者には、民衆に一方的に語りかけるというよりも、民衆と共に語り合うことが求められると促されております。
 それは、私たちの創価教育の創始者である、初代・牧口常三郎会長、2代・戸田城聖会長の人生そのものでもありました。
 二人は共に、「博大なる人物」と「博大なる事業」の揺藍たる貴国に、深き敬愛を寄せておりました。それだけに、貴大学からの教育の宝冠を、二人の師匠も、どれほど喜ばれることでありましょうか(大拍手)。
 とともに、私と妻は、アマゾンをこよなく愛し、貴国の興隆のために、日々、対話を広げ、行動している、わがブラジルSGIの親友と、貴大学からの真心の顕彰を分かち合わせていただきます。
 一、貴大学は、建学の精神として、アマゾンの発展に貢献しゆくことを高く掲げておられます。
 天下第一のアマゾン川の淡水量は、世界の5分の1を誇ります。その流域には、世界最大の熱帯雨林が広がり、世界の3分の1にも及ぶ生物種が存在すると言われます。遺伝子の供給源としての重要性も計り知れません。
 多様性に満ち、限りなき可能性を秘めた「生命の宝庫」アマゾンを守る貴大学は、まさしく地球環境を守る英知のフォートレス(要塞)であります。
 そして、全人類の未来を開く希望の電源地なりと、私は満腔の感謝を表したいのであります(大拍手)。

全て人で決まる
 一、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁は、アマゾンについて語り合った折、強調されました。
 「“人間こそが大切である″──これが、私の変わらざる信念です。環境問題においても同じです。人間がどうあるべきか、です。人間は地球の主体者としての責任、自覚がなければなりません」(『21世紀の人権を語る』潮出版社)と。まったく同感であります。
 一切の問題は、根本的には「人間」の問題です。
 自然環境を蹂躙する暴力も、社会に紛争や貧困をもたらす暴力も、その根底には、生命の尊厳を踏みにじり、他者の犠牲の上に自分の幸福を築こうとする利己的な欲望が渦巻いております。
 その貪欲に打ち勝つためには、確かな人間観」「生命観」が必要であります。
 敬愛してやまぬアマゾンの大詩人チアゴ・デ・メロ氏は、「自然を破壊し、軽視することは、私たち人間自身の生き方の原形を破壊していることにほかならない」と鋭く喝破されておりました。
 私は、心からの共鳴を禁じ得ません。
 自然環境と人間生命の一体性について、仏法においても、「此の身の中に具《つぶ》さに天地に倣《なら》うことを知る」と明かされております。例えば、「鼻の息の出入《しゅつにゅう》は山沢《さんたく》渓谷の中の風に法《のっ》とり口の息の出入は虚空の中の風に法とり」「脈は江河に法とり」等と、説かれているのであります。
 わが生命と万物との妙なる連関性を深く自覚して、汝自身の生き方の変革、すなわち「人間革命」に挑んでいくならば、どれほど心広々と、壮大にして豊かな人生の道が開かれることでしょうか。
 一、人類を新たな共生と創造の軌道へと導いてくれる英知の光は、アマゾンから惜しみなく発信されております。
 チアゴ・デ・メロ氏も、「アマゾンは、すべての生命をはぐくみ、また生物の調和ある生き方の智慧を豊かに内包した“生命の家”なのです」と明言されておりました。
 アマゾンに学ぶことは、人類の尽きせぬ可能性を薫発することです。アマゾンを栄えさせゆくことは、地球の繁栄の未来を創出することです(大拍手)。

青年を信じる!
 一、ブラジルの詩心の母コラ・コラリーナは歌いました。
 「私は青年たちを信じる、彼らの確信や寛大さ、理想を持って戦う姿を賞讃する」
 「人生に新たな舞台を広げ、新しい道を希求する青年を信じよう!」
 躍動するアマゾンの生命の呼吸は、永遠に若々しい青年の息吹であります。
 本日より、私も妻も、栄えある貴大学の一員として、貴国をはじめ世界192カ国・地域の愛する青年たちとともに、いっそう生き生きと前進を開始してまいります。
 多くの流れが合流する大アマゾン川のごとく、多様な人類を結ぶ「平和の大河」を創りたい。
 また揺るぎなく大地に根差したアマゾンの森林のごとく、自らの使命の天地に根を張って、貢献し、勝ち栄えさせていく「人材の大運帯」を築きたいと、深く決意しております。
 結びに、アマゾンを象徴するオオオニバスの花のように、貴大学が「勝利」の大輪を咲き薫らせてゆかれることをお祈り申し上げます。
 そして貴国が、大いなる栄光を勝ち取られながら、生命の共生と調和を根本とする、新しい21世紀文明のモデルを、全世界に晴れ晴れと示しゆかれんことを願い、謝辞とさせていただきます。
 偉大なる貴大学、万歳!
 偉大なるブラジル、万歳!(大拍手)
2010-12-23 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

随筆 我らの勝利の大道 No.34/35

随筆 我らの勝利の大道 No.34/35
             (2010.12.15/16付 聖教新聞)

青年よ 快活に対話の波を

会って語って共々に成長!
伸びゆく若人こそ100周年を照らす光


 青春を
  無限の大法
    世界へと
  弘めむ使命の
   君らに幸あれ

 フランスの哲人デカルトの『方法序説』の扉絵に記されたモットーがある。
 「行動せよ、そして希望を持て」
 今、創価の我らは、新しい歴史の扉を開け、希望に燃えて出発した。
 創立80周年から100周年へ! さらには民衆勝利の万年へ!
 その旅立ちを、世界の知性も寿いでくれている。
 先月・創立の月には、米国の名門マサチューセッツ大学ボストン校からモトリー学長ご一行が来日して、創価教育の師弟3代の80年を祝賀してくださった。
 そして初代・牧口常三郎先生、2代・戸田城聖先生の精神を継承しゆく恩師記念会館で、意義深き名誉博士の称号を拝受した。
 何より嬉しかったのは、モトリー学長が学園生や創大生をはじめ、創価の青年たちとの出会いを、2メートルを超す長身に情熱を漲らせ、感動込めて語ってくださったことだ。
 また、学長は、学園生に“皆さんがいる限り、私たちの未来は明るい。一人ひとりが自分の持つ力を最大限に発揮することが、社会への最大の贈り物になります”とも励まされた。
 わが後継の青年たちを、世界の識者が讃え、心から期待してくださる。これに勝る喜びと誉れはない。
 100周年への私たちの出発は、「青年の成長」という未来への大いなる希望からスタートしたといってよい。
 愛する青年たちよ、わが後継の弟子たちよ、本当にありがとう!

満月も笑顔で祝福
 その授与式のあった11月21日の晩、「先生の300番目の“知性の宝冠”を寿ぐように、今夜は美事な満月でした!」と、聖教新聞の斎藤亨君たちカメラマンの友が写真を届けてくれた。
 月氏の国・インドでは、80歳は「1千回の満月」の佳節を迎える年と祝福される。誕生から80歳を超えるまでに、ほぼ1000回の満月が訪れるからである。
 創価学会の80歳を祝って、月天子が英知の光を冴えわたらせながら、所願満足の笑みを浮かべているように見えた。
 牧口先生が線を引かれて大切にされた御聖訓には、「深く信ずる者は満月の闇夜を照すが如し」(御書1501㌻)と仰せである。
 わが創価の同志が、いやまして円融円満の智慧と歓喜と和楽の大光に包まれゆくことを、私は祈りたい。
        ◇ 
 モトリー学長には大変尊敬する方がおられる。今は亡きエドワード・ケネディ米上院議員である。
 エドワード氏とは、私も親交を結んだ。1978年(昭和53年)の1月、わざわざ聖教新聞社へ訪ねてきてくださった。会見の予定があった兄君のケネディ大統領の思い出や、米中関係、核廃絶などをめぐって、率直に意見を交換し合ったことが、懐かしい。
 このエドワード氏が語っておられた。
 「未来は、我々の人生を超えて続いていく。しかし、自らが創る未来と共に、我々は生き続けていくと私は信ずる」
 未来のために尽くす人は未来と共に生き続ける。
 青年のために尽くす人は青年と共に生き続ける。
 ゆえに、創価の世界は、常に若く、不滅である。
 年の瀬を迎え、社会には課題が山積している。政治、経済、雇用……青年たちを取り巻く環境は依然として厳しい。病気や家庭、人間関係等で悩む友もいる。
 しかし、若々しい生命は負けない力を持っている。
 仏法は「本因妙」だ。現在から未来を開いていくダイナミックな宗教である。試練をはね返す逞しい心のバネを持てるのだ。
 先月、聖教新聞(土曜日付の6・7面)で始まった、青年向けの新企画「ターニングポイント」「スタートライン」が好評だと伺った。青年らしい思い切ったチャレンジが清々しい。
 誰人であれ、自分の人生の「ターニングポイント」(転換点)がある。いかなる逆境にあっても、「今ここ」を、新たな自分の躍進勝利への「スタートライン」にすることができる。
 仏法の「変毒為薬」の法理に則るならば、いかなる苦難の現実に直面しようが、悠然たる楽観主義で挑んでいける。
 「大悪をこ(起)れば大善きたる」(同1300㌻)と、達観して進めばよい。
 混沌と揺れ動く社会だからこそ、堂々と胸を張り、「私はこう生きる」と、自身の信念と正義の道を貫くことだ。ここにこそ、日蓮仏法を持つ、誇り高き我らの生き方がある。

信仰を実践へ開く
 今、私が対談を進める米国の歴史学者ハーディング博士は語ってくださった。
 「信仰を持っても、それを自分の世界だけにとどめておいたのでは、大きな波動は起こせません」
 「創価学会の運動は、信仰を実践へと開きゆく運動であり、私たちすべてが共感でき、支持できる運動であります」
 人間は、対話の中でこそ、真の人間に成長する。
 対話とは、相手から学ぶことである。そこには相手への尊敬がある。だから語り合う言葉が生まれる。
 相手から学べば、自分も豊かになる。だから豊かな対話には喜びがある。幸福がある。平和がある。
 対話それ自体が、人間の勝利の証なのだ。
        ◇ 
 御聖訓には、「末法に入て今日蓮が唱る所の題目は前代に異り自行化他に亘りて南無妙法蓮華経なり」(同1022㌻)と仰せである。
 この1年、わが青年部は、題目を朗々と唱えながら、“友のために! 地域のために!”と動きに動いた。語りに語り抜いた。
 なかでも、創価班、牙城会、また白蓮グループ、さらに音楽隊、鼓笛隊、合唱団の皆さんは、拡大の対話に勇んで先駆したと伺っている。
 「数年来の対話が実りました」「初めての折伏ができました」等、心躍る報告を毎日いただいている。
 戦う青年の報告ほど、大樹を仰ぐが如く、頼もしいものはない。新しき青年力の躍動ほど、皆に勇気を贈るものはない。次代を切り開くのは、青年にほかならないからだ。
 もちろん、友人と真剣な対話を重ねても、感情的に反発されたり、なかなか仏法を理解してもらえないと悩む友もいるだろう。
 折伏は、御書に仰せ通りの如説修行であり、“難事中の難事”である。そして正法を聞かせる「聞法下種」も、相手が決意する「発心下種」も、功徳は同じである。最高に尊い「如来の事」を行じているのだ。
 たとえ、思うような結果が出なくとも、くよくよする必要は全くない。
 私も同じであった。どうすれば思いが伝わるのか、相手の心に届くのか──その繰り返しだった。
 ある時には、誠意を尽くして書いた友への手紙が、全部、送り返されてきたこともあった。唇を噛んだ悔しさも、今は懐かしい。
 「心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ他をも勧んのみこそ今生人界の思出なるべき」(同467㌻)との仰せは、人生の年輪とともに深く強く拝される。
 祈って動いた一日一日は、もがくような葛藤でさえも、すべて自分自身を鍛える、最高の生命錬磨である。胸中に燦然と輝く“信心の土台”となる。

他者を敬う菩薩行

 会う人ごとに、「あなた方を敬います、あなた方は皆、菩薩道を行じて必ず成仏するからです」と深く礼拝した不軽菩薩は、皆から猛反発を受け、悪口罵詈、杖木瓦石を浴びせられた。
 相手を敬っているのに、反発される。生命の大地を破って眠れる仏性を呼び覚ます精神革命には、それだけ根強い抵抗があるのだ。
 しかし、最初は反発があっても、偉大な妙法を説き聞かせたことは、必ず仏性を薫発する縁となる。相手の成仏の因を作ったのである。これが「毒鼓の縁」という法理である。
 広宣流布の戦いに無駄なものなど、何一つない。友人の反応に一喜一憂し、前進を止めてしまうことこそが、無慈悲である。
 「仏種は縁に従って起る是の故に一乗を説くなるべし」(同1467㌻)との御聖訓通り、縁を結んだ分だけ、広宣流布の裾野は広がるのだ。
 「友のために」と真剣に悩む、その心こそ仏の心である。それ自体、大いなる人間革命の光なのである。

 勝ちまくれ
  君の生命《いのち》は
     仏なば
  三世に悔いなき
    勝利の王者と

デカルトの本の扉絵の言葉は『平静の心──オスラー博士講演集』日野原重明・仁木久恵訳(医学書院)。エドワード・ケネディの言葉は「ニューヨーク・タイムズ」電子版、2009年8月26日付から。

確信の声で響け 希望の哲学
「勇気」は慈悲に通ず 「真心」は必ず伝わる
創価家族の温かき励ましを社会へ!


 大功徳
  無量無辺に
    築きつつ
  今日の舞台に
   負けず舞いゆけ

 日蓮大聖人は、厳然と仰せである。
 「法華経を一字一句も唱え又人にも語り申さんものは教主釈尊の御使なり」(御書1121㌻)
 今、女子部の尊き“華陽”の天使たちが、溌剌と仏法を語り、幸福のスクラムを広げている。
 ある友は長年の友人に、ある友は地域の知人に、ある友は未入会の家族に……と、誠心誠意の対話を実らせた体験を、妻と心を熱くしながら伺っている。
 「使命の華」と舞いゆく青春は、なんと尊く、美しく、そして明るいことか。
 「我もいたし人をも教化候へ」(同1361㌻)──真剣に題目を唱え、一人、また一人と仏縁を結ぶ。この偉大で崇高な乙女の信心が、幸福と希望のスクラムを広げているのだ。
        ◇ 
 折伏の根本は「祈り」である。そのうえで、友に仏法を語り、幸せの種を植えていく折伏行の中で大事な点を幾つか確認したい。
 第1に「勇気」である。
 折伏を実践すれば、一人の生命と真摯に向き合い、一人の人生に関わらざるをえない。長年にわたり、大勢の人を折伏してきた人でも、新しき友情を広げゆく対話には勇気がいる。
 勇気がないと、その弱い心が壁になる。しかし、まず、相手の人の幸福を真剣に祈る。これほど強いことはない。折伏の闘士は「慈悲の祈り」という勇気の出し方を知っているから、決して負けないのだ。
 戸田先生は語られた。
 「仏法の真髄は慈悲であるが、凡夫においては、勇気をもって仏法を実践していくことが慈悲に通じる。
 仏は『慈悲』で、凡夫は『勇気』で人を救っていくのだ」と。
 ゆえに、相手がすぐに理解できなくとも、確信ある声の響きで、希望の哲学を語り切っておくことだ。
 ドイツの哲学者ヘーゲルは、「人間は自分が何であるかを自分の声で現わす」と指摘していた。
 折伏の声は、最高の「仏事(仏の仕事)」を為す仏の声なのである。
 第2に「真心」である。
 19歳で信心した私もそうだったが、広大深遠なる仏法を完璧に理解して入会する人などいない。
 「宿命転換」等の哲理を語る学会員の言葉の端々に溢れる確信に、心を動かされた人もいる。何よりも、紹介者の誠実な振る舞いへの信頼や、自分を思ってくれる真心への感動に、背中を押されるものだ。
 近年、興味がない、悩みがないなどと、無関心で無気力な反応をする若者も多いといわれる。だが、その人を思う、こちらの真心は必ず伝わっている。
 現在、私が鼎談を重ねている世界的なジャズ音楽家で、SGI(創価学会インタナショナル)メンバーのウェイン・ショーターさんも、体験を語ってくれた。
 ショーターさんが入会して間もない頃、ヨーロッパで演奏していた時、ある駆け出しの若い女性ドラマーと会った。人生の道に迷っている様子で、大変に心配だった。ただ、ゆっくり話をする時間もなかったので、題目をカードに書いて手渡した。
 その後、会う機会がないまま案じていたところ、今から10年ほど前、見違えるほど立派な、幸福に輝く姿で報告に来てくれたのだ。あの題目のカードのおかげで、SGIメンバーとなることができた──と。
 「閉ざされた心」を開くのは、相手の幸せを願う「開かれた心」である。
 開かれた心で率直に語る──その力は実に大きい。
 欧州の統合に尽力した、フランスの社会事業家ジャン・モネも述懐している。
 「信頼感情を作り上げるということは、考えている以上に簡単なことであると思う。『率直さ』、これがまさにその秘けつなのである」

青年学会を大きく
 第3に「団結」である。
 創価家族ほど、人間味あふれる温かな心の世界はない。その世界にふれて、皆、発心できるのである。
 折伏に懸命に戦う友を、皆で応援していきたい。異体同心の団結ありてこそ、広宣流布の折伏は進む。
 私自身、自らの対話に、“折伏の大将軍”であられた戸田先生に応援していただいたこともあった。
 私もまた、時間の許す限り、同志の折伏の応援をさせていただいた。
 青年部の諸君も、壮年・婦人の信心の先輩たちに、大いに応援していただくことだ。そして、学ぶことだ。
 ブロックや地区、支部をあげて、青年の挑戦を全力で応援し、皆で祈り、励ましていく。そこに、青年学会が一回りも二回りも、大きく広がる道がある。
        ◇ 
 昭和26年秋、戸田先生は、聖教新聞に発表された「班長に告ぐ」(後の「青年訓」)で、青年の心を乱打してくださった。
 「奮起せよ! 青年諸氏よ。闘おうではないか! 青年諸氏よ」
 今のように、毎朝、聖教新聞が届く時代ではない。当時は、全国どこでも学会員がいるわけでもない。県内の青年部員は一けたという地域も珍しくなかった。
 だが、「班長に告ぐ」を謄写版で刷ったワラ半紙は、青年の手から手に、津波のように渡っていった。組織は“タテ線”の時代である。遠方で苦闘する同志のもとにも、ワラ半紙は届けられていった。
 2年後に入会した新潟のある青年は、そのワラ半紙を手に、一人立ち上がった。十数人に同志を拡大し、東京での第2回男子部総会に駆けつけてくれたのだ。
 「撰時抄」に曰く──
 「日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一《たい》・一微塵のごとし、法華経を二人・三人・十人・百千万億人・唱え伝うるほどならば妙覚の須弥山ともなり大涅槃の大海ともなるべし仏になる道は此れよりほかに又もとむる事なかれ」(御書288㌻)
 広宣流布とは、一人から一人への「対話拡大」「仏縁拡大」に実質がある。
 戸田先生は言われた。
 「われ自ら南無妙法蓮華経なりと決めきって、妙法を流布していくんだよ」
 わが青年部の諸君よ、私と共にもう一度、“青年学会”を創るのだ。さらにさらに強く大きく、広宣流布を推し進めていただきたい。
 未来は青年の「熱」と「力」で決まる。いや、断固として決めるのだ!
        ◇ 
 大聖人は、若き南条時光に、中国の「竜門の滝」の故事を引かれ、成長を望んでおられた(同1560㌻参照)。
 この「竜門の滝」には、多くの魚が集まって登ろうとする。だが、激しい水の抵抗や、鳥や漁師からも狙われ、容易に登り切ることができない。しかし、その困難を突き抜けて登り切った魚は竜となる。
 「登竜門」の語源となった話である。
 この故事を通し、大聖人は、成仏がいかに困難かを示してくださっている。
 堅忍不抜の執念を持ち、戦い続ける人、信心し切った人こそ、真実の勝利を手にできることを、若き門下に教えられたのであろう。
 学会の組織は、この大聖人の仰せ通りに、皆が一生成仏の信心を全うするためにある。最高の善知識だ。
 大聖人は、時光に対し、「たが(違)ふ事あらば・いよいよ(弥)悦びとこそおもひて」(同1542㌻)とも仰せである。
 思うようにいかないことがあればあるほど、喜び勇んで立ち向かっていくのだ。何があっても強気で、思い切り戦い抜いていくのだ。これが、創価の青年である。学会精神である。
 ひとたび、戦いを起こしたからには、「能忍(能く忍ぶ)」という仏の大力を発揮して、勝利するまで、前へ前へと進むのだ。
 明年で青年部の結成より60周年。いやまして切磋琢磨し合いながら、“青春の登竜門”を堂々と勝ち登っていただきたい。

若き力で心を結べ
 地球一体化の時代だ。躍進する青年の波動も、国境を超えて地球を巡る。
 2008年の9月、埼玉青年部総会の意義を込めた3万6000人の大会が盛大に開催された。ここに参加したブラジルの青年リーダーは大きな触発を受けた。
 翌2009年5月、今度はブラジルの青年たちが、新時代を我らの手で開くのだとの「誓願」を高く掲げて、2万人の文化総会を行ったのである。
 会場は四半世紀前(1984年)、念願叶って18年ぶりに訪伯した私とブラジルの同志が師弟の再会を果たした、あの忘れ得ぬ「大文化祭」と同じ体育館であった。
 私も、「インターネット中継」で、凛々しきブラジルの若人を見守りながら、何度も万歳を叫ぶ思いで、励ましを贈った。

 賑やかに
  世界一なる
   ブラジルは
  来る年来る年
    勝利の行進

 そして「師弟不二の正義グループ」と命名された、この誓願の青年たちは、1年後の今年、皆が「勇気の対話」を実らせたのだ!
 その勝利と歓喜の波動は、本年の10月、広布の旗が翻る大埼玉の「師弟常勝大会」(青年部総会)に返ってきたのである。
 まさしく若き地涌の菩薩たちが、全地球を舞台に、威風堂々と、対話の大波を起こしゆく時代となった!
 本当に嬉しい。私には、青年こそが燃え輝く「希望の光」である。
 広布の新時代は、未来を生き抜く青年が創るのだ。青年が照らし、晴れ晴れと勝ち開くのだ。
 ドイツの思想家ニーチェは叫んだ。
 「おまえはおまえ自身をのりこえて登らなければならない。──上へ、上方へ、おまえがおまえの星々をも眼下に見おろすようになるまで!」
 青年よ、わが対話の英雄たちよ、勇んで民衆の大地へ飛び込め! 友情光る対話の旋風を起こしゆけ!

 恐るるな
  何も恐れず
    断固立て
  正義のスクラム
    我らの時代と

 ヘーゲルの言葉は『ヘーゲル全集3 精神哲学』船山信一訳(岩波書店)。モネは『ECメモワール』黒木壽時編訳(共同通信社)。ニーチェは『ツァラトゥストラはこう言った』氷上英廣訳(岩波書店)。
2010-12-23 : 随筆 我らの勝利の大道 :
Pagetop

哲学ルネサンスの対話

哲学ルネサンスの対話  ルー・マリノフ(アメリカ実践哲学協会会長)対談
  潮出版社 2011.1.2刊 ¥1429+税

第1章「内なる力」に目覚めよ!
 「哲学の不在」で生き詰まる現代世界
 「哲学カウンセリング」とは
 誰もが「生きる意味」を求めている
 苦難を乗り越えて、価値を創造する人生を
 哲学の本質は「問いを発する」こと
 
第2章 父母の思い出と家庭教育
 勤勉で読書家だった父
 青年たちは親孝行であれ
 独創性を伸ばしてくれた母
 戦争ほど残酷なものはない
 女性がもっと活躍できる社会へ
 
第3章 「励ましの心」と哲学
 教員と学生が学び合う理想の大学
 よき問いかけが、よき解答を引き出す
 一流の指導者ほど「ほめて」伸ばす
 悩める人々の中にある「内なる哲学者」
 真理は最後に必ず勝利する
 リーダーこそ人々に奉仕せよ

第4章 逞しき楽観主義の人生を!
 楽観主義とは「希望」のこと
 どんな物事でも前向きにとらえられる
 偉大な人物に備わる楽観主義
 苦悩の「毒」を成長への「薬」に変える
 現代の「無力感」を打ち破るために

第5章 「人間に還れ!」「人間から始めよ!」
 テクノロジーの進歩と人間の幸福
 失われゆく家族の絆
 「生」と「死」は哲学の根本問題
 医学が目指すべき目的
 苦悩を乗り越えるなかに「良き人生」はある
 生命の「無明」の克服を説く仏法

第6章 「一人」の心に太陽の輝きを!
 人を元気にする「励ましの哲学」
 「いじめ」は世界的な問題
 子どもに規範を示すのは大人の責務
 自己と他者の尊厳に「気づくこと」

第7章 「癒し」とは全体性の回復
 「癒し」の言葉の意味
 何をもって「健康」と定義するか
 生命は測りがたい可能性を秘めている
 「生命の均衡」を保つこと

第8章 個人と社会の「癒すべき傷」
 仏法の「十界論」をめぐって
 「癒しの力」は自身の生命のなかにある
 「全体としての社会」に立ち返る必要性
 人間が人間らしく生きるために
 自身の「今の状態」をいかに深く認識できるか
 「対話」から「癒し」は始まる

第9章 対話こそ「癒し」
 ニューヨークと「バラ」の詩
 「同苦」することが「癒し」の出発点
 「治療上の同盟関係」とは
 人間は、対話によって人間になる
 「声」が仏の仕事をする

第10章 平和と人間主義の語らい
 広大な宇宙に思いを馳せる
 「同じ人間」という共通の大地に立つ
 忘れ得ぬ恩師の薫陶
 仏法の「対話精神」の真髄

第11章 哲学の知恵は「人類の宝」
 「問い続ける」ことで人は向上できる
 「非人間化」が蔓延する現代社会
 今こそ求められる「古典の知恵」
 東洋と西洋で同時期に生まれた「思想」
 「自然との共生」の基盤となる哲学

第12章 時代を創造する哲学
 「徳」は困難な時代の中で創造される
 哲学は身近なところから始められる
 自分が変われば環境が変わる
 仏法が説く「中道」の本義
 人間的触発に重きを置く仏教の智慧

第13章 芸術の探究と師弟の絆
 芸術は人間の光、生命の光
 宇宙に脈打つ生命のリズム
 困難を乗り越える力の源泉は「師弟」
 学校の価値は卒業生で決まる
 大学の使命は「全体人間」をつくること

第14章 歓喜の人生を開く生死観
 デンマーク繁栄の原動力は「文化力」
 「意志」を善の方向に働かせるために
 「九識論」からみた生死観

第15章 「生も歓喜」「死も歓喜」の哲学
 今こそ求められる「生死観の再考」
 死を直視するのを避ける現代文明
 “開かれた心”と“学ぶ意志”をもち続けること
 深き生命観あってこそ歓喜の人生は開かれる

第16章 女性こそ「平和の文化」の創造者
 女性たちこそ「平和の哲学」の探究者
 現代人にとって重要性を増す「共感力」
 女性は文化の創出者であり社会の基盤
 「戦争の文化」から「平和の文化」へ
 女性は社会変革に偉大な貢献をなす存在
 個性と最良の人間性を発揮するための哲学

第17章 「人間革命」こそ「世界市民」の哲学

 『赤毛のアン』が贈る希望のメッセージ
 カナダの雄大な自然と人々の温かさ
 相手を尊重することで心を開くことができる
 人間として同じ基盤に立つこと
 一人ひとりの個性と尊厳性を輝かせる
 「地球文明」創造に果たす宗教の役割
 哲学とは“勇気”ある実践
2010-12-19 : 文明間対話 :
Pagetop

随筆 出発(たびだち)の光

随筆 出発(たびだち)の光
  聖教新聞社 2011.1.2刊 ¥1238+税込

まえがき

源流の魂
我らの「大座談会運動」 ここに人間共和の故郷が!(2009.12.11)
哲学の光 求道の炎 太陽よ昇れ! 日蓮仏法を人類は渇仰(2009.10.17)
師弟こそ「創価の魂」 一切は弟子の誓願と戦いで決まる(2009.11.14)
崇高なる信心の継承 後継の君ありて 広宣流布は永遠(2009.11.6)

友情の道
友情の道 信頼の城(上) 「人の振舞」こそ近隣友好の大道(2009.9.20)
友情の道 信頼の城(下) 共生・共栄は世界平和への第一歩(2009.9.21)
離島の同志 万歳!(上) 歓喜の幸福島は ここにあり!(2008.10.6)
離島の同志 万歳!(下) 心は一つ! 創価の師弟の旗高く(2008.10.7)
人類の平和の大道 一人立て! 世界広布へ誉れの前進(2009.10.3)

勝利の誓願
「青年創価学会」の息吹(上) 若き君よ! 広布の決戦場で断固勝て(2009.7.8)
「青年創価学会」の息吹(下) 勝ちまくれ! 若き生命を燃やせ(2009.7.9)
「師弟共戦」の八月(上) 広宣流布は前進 また前進(2009.8.6)
「師弟共戦」の八月(下) 常勝不敗の「師子王の心」は わが胸に(2009.8.7)
華陽の誓い 創価の姉妹よ 使命の華と舞え!(2009.6.3)
創価の正義のスクラム 「異体同心」の信心に 勝利あり(2009.12.29)
2010-12-19 : 随筆集 :
Pagetop

魂の人間讃歌 第6/7回 生命の歓喜の目覚め

魂の人間讃歌  ジャズと人生と仏法を語る

第6回 生命の歓喜の目覚め               (2010.11.27/28付 聖教新聞)

人生は人間革命するためにある

ショーター氏
創造とは自己流から一流への挑戦

ハンコック 池田先生、小説『人間革命』と『新・人間革命』の連載6000回、誠におめでとうございます! 毎日毎日、全世界の友の心に、惜しみなく希望と勇気のメッセージを発信してくださり、いくら感謝してもし尽くせません。
ショーター 世界の同志と共に、深く感謝申し上げます。
 本当にありがとうございます!
 実は、私も、青年時代から『人間革命』のタイトルを心に留めておりました。かつて、入会する前のことですが、日本へ演奏で行った際、ホテルの書架で、最初に目に入った本が『ザ・ヒューマン・レボリューション』(『人間革命』の英語版)だったのです。
 その時は必要に迫られて、隣にあった「漢字の書き方」の本を手にとったのですが(笑い)、『人間革命』というタイトルは、なぜか深く記憶に残りました。とても鮮烈で印象に残るものがありました。
池田 仏法の哲理に基づく「人間革命」を提唱されたのは、私の恩師・戸田城聖先生です。戸田先生は軍国主義と戦い、2年間、投獄されました。その大難を勝ち越えて「人間革命」の哲学を確立されたのです。
 歴史上、青年を犠牲にし、民衆を失望させた革命が、あまりにも多かった。そうではなく、一人一人が自他共に生命の尊厳に目覚め、万人が幸福勝利の劇を飾っていけるのが、「人間革命」です。
 今、「人間革命」が、21世紀の世界の確かな思潮となってきたことは、弟子として、この上ない喜びです。
 お二人をはじめ、「スーパーサウンズ」の皆さんが、ニューヨークで「人間革命の歌」をジャズの極致の編曲で演奏してくださったことも懐かしい(1996年6月、世界青年平和文化祭)。
 芸術も人生も、一日また一日、生まれ変わった生命の息吹で、新たな創造を成し遂げていく。これが「人間革命」です。
        ♫
ショーター 一般に我々男性は、30代で自分の型にはまりがちだといわれます(笑い)。傲慢や不遜ゆえに、他人の言うことを真摯に受け入れられないのです。特に、生き方や人生観が異なる場合は、なおさらです。そうした頑固な考え方により、自己流の生き方から抜け出せなくなるのです。
 でも、私は40歳になる直前に、この仏法について多くのことを学び始めました。ギリシャ神話のプロメテウスが鎖につながれたように、知らぬ間に、巧妙で、目には見えない、さまざまな束縛の鎖につながれている自分に気づきました。そして自分の心を開き、「人間革命」への挑戦を開始したのです。
池田 30代、40代で成長が止まってしまうかどうか。大きな分岐点です。そうした時に自分自身の人生をさらに加速し、いよいよ上昇させていける力が、この信心なのです。
 日蓮大聖人は、門下一同に、「権威を恐るること莫れ、今度生死の縛を切って仏果を遂げしめ給え」(御書177㌻)と教えられました。「人間革命」を勝ち開く宝剣は、恐れなき勇気です。鎖を断ち切る勇気です。
 ところで今年は、ポーランドが生んだ「ピアノの詩人」ショパンの生誕200周年にあたります。試練に苦しむ祖国の民衆のために、音楽を武器として戦った文化の英雄です。今、日本各地で反響を広げている「ポーランドの至宝」展(東京富士美術館の企画・協力)でも、ショパンの直筆文書などが展示されています。このショパンが、ピアノの才能を発揮し始めたのは、6、7歳のころ。ハンコックさんがピアノのレッスンを受け始めたのも、同じ年代でしたね。
        ♫
ハンコック 7歳の誕生日に母よりピアノをプレゼントしてもらってから、数カ月後だったと記憶しています。
 この1947年は、池田先生が、19歳で仏法に巡り合われて、信仰を始められた年でしたね。
 兄と姉と私で、3人揃ってピアノのレッスンを受け始めました。兄と姉は数年後にやめ、私だけがレッスンを続けました。楽器の選択においては、私がピアノを選んだというより、ピアノが私を選んでくれたといったほうがいいかもしれません(笑い)。
 私が弾き続けた大きな動機──それは、ピアノ演奏なら兄にもひけをとらなかったからです。私は、兄姉や彼らの友人たちよりも上手に演奏できるとは思いませんでしたが、演奏の上達のためには、誰よりも熱心に取り組もうと思いました。
ショーター 小さい時は、ピアノより、外で他の子どもたちと遊びたいと思ったことはなかったかい?
ハンコック もちろん、あったよ(笑い)。一時期、ずるをして、練習をさぼったこともありました。それで、とうとう母が「ハービー、いいですか。レッスンが嫌なら、もうやめさせますよ。続けたいのなら、しっかり練習に励みなさい。すべてはあなた次第ですよ」と言ったのです。私は練習したくなかったので、母に「いいよ、やめさせたって」と答えました。母は「わかりました」と、レッスンをやめさせました。
 でも一年ほどたった時、私はたまらず「ピアノをもう一度習わせて! しっかり練習するから」と頼みました。レッスンのない日々が、さびしくてならなかったのです。母は、もう一度チャンスを与えてくれ、レッスンを受けられるようになったのです。私は自身を“調律”して(笑い)、すっかり態度を改めたのです。

ハンコック氏
音楽は人格 音から心が聴こえる

池田 ハンコックさんの「学びたい」「上達したい」という自発の力が目覚めていくように、忍耐強く流れを作ってくれたのですね。ハンコックさんも、ショーターさんも、偉大な人間教育の母に育まれました。
ハンコック ええ。母が私に受けさせてくれたのは、クラシック音楽のレッスンでした。
 そこでは最初に、身体を痛めないよう、また、力強く、より正確に指を使えるよう、ピアノに対する正しい座り方、正しい両手の置き方などを教えられました。年齢につれて背中とか首、指とか腕に問題を抱える音楽家もいますが、私は、少年時代に受けた基本的な指導のおかげで、そうした問題で悩んだことは一度もありません。
 また、クラシック音楽の基礎によって、私は楽曲中の緊張感の高まりと緩和や、音楽を彩る多くの重要な特性についての感覚を培うことができました。これは、今なお学び続けている事柄です。
 母は正しかったですね。母が、私にクラシック音楽の教育を受けさせる決断をしてくれたおかげで、実に多くのものを得ることができたと思います。
        ♫
池田 「母に感謝する心」と「基本を大切にする心」は、人間が大きく羽ばたくための二つの翼といってよいでしょう。 
 両親の愛情や兄姉の励ましに包まれて、ハンコックさんが早くから才能を開花させ、11歳で「シカゴ交響楽団」と共演したことも有名です。
ハンコック 当時、シカゴには「若者のコンサートシリーズ」という演奏会がありました。楽器ごとのそれぞれのオーディションの入賞者に、「シカゴ交響楽団」と一緒に演奏するチャンスが与えられたのです。
 このコンテストに入賞したわけですが、交響楽団との演奏の当日は、とても緊張しました。シカゴの「オーケストラ・ホール」(「シカゴ・シンフォニーセンター」)という大舞台で演奏するのですから。まだ背の低い、小さな少年だった私は、足がピアノのペダルに届くのがやっとでした(笑い)。演奏した曲目は、モーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」の第1楽章でした。
池田 モーツァルトといえば、民音音楽博物館には、ハンコックさんに寄贈していただいたピアノとともに、モーツァルトが愛用した古典ピアノと同型の「アントン・ワルター」も展示されています。私が親しく語り合ったブラジルの大詩人であり、人権の闘士でもあるチアゴ・デ・メロ氏も、自らを奮い立たせる時は、モーツァルトを聴かれるそうです。
 そのモーツァルトが、煌びやかな技巧にのみこだわる音楽家を「一介の機械にすぎない」と厳しく断じたことはよく知られる逸話です(吉田秀和著『モーツァルトの手紙』講談社)
 確かに同じ楽器、同じ曲でも、演奏者のいかなる魂の響きが込められているか。それが、技巧を超えて、感動を伝える不思議な力になりますね。
ハンコック おっしゃる通りです。
 サックス奏者についても、ただ楽器を演奏していて、私たちが、ただそれを聞いている場合も少なくありません。ウェイン・ショーターがサックスを演奏する時は、私たちは、サックスを聴いているのではありません。ウェインその人を聴いているのです。サックスは、あくまでもウェインその人を聴く媒体となります。それは、単に演奏されたサックスの音を聴くのとは、まったく違うのです。演奏者が楽器を超越する時、その楽器は演奏者自身の声を発するのです。
ショーター ありがとう! サックスの発明者アドルフ・サックスは言いました。「私が発明したこのサックスは、人間の声、バイオリンの音、金管楽器、木管楽器がすべて溶け合い、複合的な音を出すのです。この新しい楽器には、いわばオーケストラのすべての音が盛り込まれているのです」と。
 サックスは、単に人間の声を真似ただけでなく、さまざまな音を複合的に出します。吹奏楽器の音色はとても複雑で、多面的です。それは、未来のメッセージを運んでくるかのような音色です。
 サックスは、ある種の神秘的な意味で私の友人です。演奏する時、私は、サックスと溶け合い、一体化しています。これは、人間が人と知り合い、友人として溶け合うことと、よく似ています。
        ♫
池田 含蓄深い言葉です。仏法には「境智の二法」という法門があります。敷衍して申し上げれば、「境」とは外にある一切の対象、「智」とは対象の本質を照らし出す人間自身の智慧です。この「境」と「智」が一体になると説くのです。それを、今のお話に即して言えば、サックスが「境」、そのサックスから妙なる音色を紡ぎ出すショーターさんの心は「智」です。ショーターさんの磨き上げた心が、サックスという楽器の深遠な泉と融合し、尽きることのない音を流れ通わせているともいえるでしょう。
ハンコック ウェインのサックスからは、時にはフレンチ・ホルンの音、チェロの音、バイオリンの音が聞こえ、時にはオーケストラ全体の音が聞こえます。しかし、最も肝心なことは、聴き手は、そこにウェインの心を聴くのです。感じるのです。私は、これが究極の楽器演奏だと思います。そこでは、楽器が、演奏者と、楽器から生まれる表現とを切り離すことはなく、すべてが渾然一体になっているのです。
池田 「心を聴く」とは、いい表現です。聴衆もまた、演奏者の心の深さを聴き取りながら、心を深めていくことができます。中国の古典(礼記)にも「楽は徳の華なり」と記され、壮麗なる音楽の響きに、偉大な人間性の開花を見出していました。
ショーター その通りだと思います。ジャズの演奏で難しいのは「創造的」「独創的」であることと、単純なストーリーを、多種多彩な形で表現することです。そのために、私たちは、ジャズを通して、音楽表現の法則をさまざまなレベルで理解していくことができます。そして、私たちは、人生の法則の本質とは何かを、より強く肌身で感ずることができるのです。モダンジャズの演奏は、より「人間的」になるための努力でもあります。
 モダンジャズの創始者の一人であるチャーリー・パーカーが、サックスを演奏するのを聴いた時、皆がびっくりしました。その音色は、まるで、多くの小鳥が自由を求めて鳥かごを打ち破り、大空へ飛び立つような音だったのです。彼のニックネームは「バード(鳥)」でした。
        ♫
池田 妙法の音律の力を鳥に譬えられた御書の一節を思い起こします。
 「譬えば籠の中の鳥なけば空とぶ鳥のよばれて集まるが如し、空とぶ鳥の集まれば籠の中の鳥も出でんとするが如し口に妙法をよび奉れば我が身の仏性もよばれて必ず顕れ給ふ、梵王・帝釈の仏性はよばれて我等を守り給ふ、仏菩薩の仏性はよばれて悦び給ふ」(御書557㌻)
 妙法の音声は、自分自身の内なる尊極の生命を解き放つとともに、宇宙に遍在するあらゆる善性を解き放っていく響きです。
 民衆が互いに生命を高め合いながら、生きる喜びの連帯を現実の社会に広げていくのが、広宣流布の文化運動です。妙法の音楽家には、その陣頭に躍り出て、生命尊厳の妙音を奏でていく偉大な使命があるのです。
 お二人は、その模範を堂々と示されています。
ハンコック ありがとうございます。師匠から、このような評価の言葉をいただくと、何よりも勇気づけられます。私たちは、生命の尊厳を守る文化活動に、世界の芸術部の同志と共に尽力していきます。

すべては「一人」から始まる

ハンコック氏
信ずるものを表現するのが芸術
ショーター氏
祈りとは自分の慢心との戦い!

池田 ブラジルの著名なピアニストで、青年部の音楽指導にも当たってくださっているアマラウ・ビエイラ氏との語らいを思い起こします。ピアノ教育においては、指の器用さなど「技量面の向上」とともに、弾く人の「精神面の成長」こそ重要であると強調されていました。
 また「ド」から「シ」の7つの音階について、「一つ一つ上がっていく音階。それは、あたかも一人の人間が、さまざまな体験を経ながら人生の坂を上っていく姿を思わせます」と語られていました。
 ハンコックさんが奏でるピアノも、限られた鍵盤から、自由自在に、妙なるメロディーが生まれ、不可思議な生命の律動が響きわたります。まさに、音楽とは「生命の語らい」ともいえますね。
ハンコック ピアノ固有の特徴をあげれば、まさにピアノは、オーケストラを一つの楽器にしたようなものだということです。ピアノは、人間の両手の10本の指で88の鍵を叩き、さまざまな音や和音を出します。ピアノを弾く時、機械的な仕組みを通じて弾き手の個性が表現されるのは、驚嘆すべきことです。
        ♫
池田 ところで、これは多くの読者の質問なので、うかがいたい。今でも舞台に立つ時に、緊張して、あがるようなことはありますか(笑い)。
ハンコック 今では、本番で緊張することはありません。自分のベストを尽くそうという気持ちの方が、強いのです。ニューヨークのカーネギーホールやリンカーンセンター、ロサンゼルスのハリウッドボウルやディズニーホールといった、アメリカを代表する大会場で演奏する時は、ベストを尽くす気持ちが、さらに強くなります。昔のようには緊張しません。自分の演奏に確信をもち、ミスを恐れなくなっています。
池田 自分を信頼して、恐れを乗り越えていく。ありのままの自分で飾らず、前へ前へと勇敢に進んでいく──人生万般に通じる生き方です。それは、見えないところでの不断の努力があってこそでしょう。
ハンコック たとえ楽器を使って演奏していても、私は、ミュージシャンである前に、「人間」であることを忘れないようにしています。私が、楽器を手にして聴衆の前に出る時、目の前にいるのは「人間」であり、自分自身も「人間」なのです。ミュージシャンとしてではなく、一人の「人間」として聴衆に接するべきなのです。
 この仏法に巡り合うまでは、そうは考えませんでした。あるがままの一人の人間としての自分を表現することよりも、一人のミュージシャンとして、「どんな演奏をするか」ということばかりに、心が向いていたのです。
 今はこう思います。演奏者が心にかけるのは、ただ一つ、「ジャズが真に伝えるべきものは何か、自分が心から信じるものを、どう表現するか」だけである、と。
 ジャズが、真に伝えるべきものは、音楽そのものに関することではなく、「人間の精神」に関することなのです。
ショーター 同感です。私はステージに上がる前の準備として、勤行をするようにしています。そして、いつも自分に言い聞かせます。「何事も感謝を忘れて、当たり前だと思ってはならない」「こうして勤行ができるのも当然と思ってはいけない」「聴衆がいるのは当然だなどと思ってはならない」「これからやるのは、単なる音楽演奏ではない。コンサート以上のことをするのだ」と。
 偉大なジャズドラマーで、バンドリーダーだったアート・ブレイキーは語っていました。「たった一人でも座席にいたら、決してステージを立ち去ってはならない。たった一人しかいないのだから、とびっきりリラックスして、その一人を心に思い描いて、自分にとって、これが、その一人のための最後の瞬間と思って演奏するのだ」
池田 学会精神も同じです。どこまでも「一人のために」です。それが、仏法の人間主義の真髄です。
 戸田先生は、「一対一の膝詰め談判によって、広宣流布は成し遂げられる」と宣言し、一対一の対話、そして少人数の座談会を最重視されました。人が集まらなくても、「いいよ、いいよ。しんみりやろうよ」と笑われながら、その場の一人一人とじっくり語り合われた。すべては「一人」の人間革命から始まるからです。その一人から一人へと、生命の歓喜の目覚めが広がり、拡大の波動は広がっていったのです。
 釈尊が悟りを開いた後に行った初めての説法は、旧友5人への数日間に及ぶ対話であったと伝えられます。法華経方便品では、舎利弗に「汝が為めに説くべし」と告げています。仏法では、仏が法を説く相手である「対告衆」も、極めて重要な存在です。
ハンコック 音楽のコンサートでも、聴衆が重要な役割を演じています。聴衆と演奏者に分け隔てはありません。演奏会場にいる人全員が同じ経験を共有し、誰もが同じ感動を経験するのです。
 私たちが演奏を終え、ステージから立ち去ろうとすると、聴衆の誰かが、「君たちの演奏は素晴らしかった!」と讃えてくれることがあります。私が「あなた方も素晴らしいのですよ」と言うと、聴衆は一様に「いや、我々は何もしていないよ」と答えるのです。
 仏法者として、また演奏家として、演奏に対する私の価値観が変わったことに気づきました。演奏は、私だけのため、つまり、自らの喜びや自分の意気を高めるためだけにするのではない、と考え始めました。演奏は確かに楽しいし、意気を高めてもくれる。だが、聴衆それぞれが自分自身の素晴らしさに気づくために演奏することの方が、私にとって、より重要だと思えるようになりました。
 そんなある日、コンサートの後に、楽団員の1人が、「化粧室でこんな会話を耳にしたよ」と言ってきました。2人の男がやって来て、「今夜の演奏は凄かったね」「ああ、自分がすっかり生まれ変わったような気持ちだよ」と話し合っていたというのです。それを聞いて私は、まさに「勝った!」と思いました。そのために私は祈っているのですから。
        ♫
ショーター 私も、ハービーと同じように、聴衆に一種の“目覚め”をもたらす演奏であるように願っています。ステージでは、いつも、聴衆が人間としての“目覚め”を生み出す触発となる演奏を目指しています。
池田 高邁な心に感動しました。
 仏がこの世に出現したのは、なぜか。法華経では、「衆生に仏の智慧を開かせるため」と説かれています。
 仏法は万人に開かれた民衆宗教です。わが心にも、人々の心にも尊極の仏の生命が具わっている。このことに目覚め、皆を幸福にするために大地から躍り出るのが、地涌の菩薩です。
 私は、この“大いなる人間の目覚め”を、こう歌いました。

 地よりか涌きたる
 我なれば 我なれば
 この世で果たさん 使命あり

 この「人間革命」の誉れ高き歓喜の舞を、さらに楽しく賑やかに広げていきましょう!
2010-12-06 : 音楽を語る :
Pagetop

ブラジル「リオデジャネイロ市の鍵」授与式

ブラジル「リオデジャネイロ市の鍵」授与式
          (2010.11.30 リオデジャネイロ文化会館)

【サンパウロ1日】ブラジルの歴史と文化の中心都市リオデジャネイロ市から池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に、「リオデジャネイロ市の鍵」が授与された。同市の最高栄誉であり、SGI会長の世界的な平和行動を讃えたもの。
 さらに市議会の満場一致の決議により、「特別顕彰」も贈られた。
 授与式は11月30日(現地時間)、ブラジルSGIのリオデジャネイロ文化会館で挙行され、エドアルド・パエス市長、ロベルト・モンテイロ市議らが列席。「市の鍵」と記念プレート、「特別顕彰」の証書が、ブラジル訪問団の池田博正SGI副会長に託された。
 SGI会長と対談したブラジルの天文学者モウラン博士も式典に駆けつけた。


SGI会長の謝辞(代読)

ブラジル文学アカデミー アタイデ総裁
力を合わせ人類の歴史の変革を

全人種と異文化の共生を

リオの文化人
苦闘した民衆に一番幸せな文明
最高の人間性こそ最良の文明


 心より尊敬申し上げるエドアルド・パエス市長、ロベルト・モンテイロ市議会議員、ロナウド・モウラン博士、そしてご出席の皆様方。
 私は、この50年間、貴国をはじめ世界54カ国・地域を駆け巡ってまいりました。
 それぞれの国のそれぞれの都市に、忘れ得ぬ友との出会いが光り、懐かしい思い出が刻まれております。
 その中にあっても、格別の友人と格別の思い出が、常に私の心に輝きわたっているのが、貴リオデジャネイロ市であります。
 もしも、この地球上にリオという都《みやこ》がなければ、人々は、どれほど「美」も「歓喜」も「希望」も「活力」も失って、侘しい思いをすることでしょうか。
 大好きな大好きなりオ市から、意義深き「市の鍵」を賜り、これほどの光栄はございません。
 わが親愛なるブラジルSGIをはじめ、リオを敬愛してやまぬ世界192カ国・地域の友とともに、拝受させていただきます(大拍手)。
 ナチスの暴虐と戦った、欧州の信念の知性ツヴァイクも、このリオには「地球上で最高の風景美」(宮岡成次訳『未来の国ブラジル』河出書房新社刊)があり、「どの方向に眼を向けても、必ず新しい幸福感を味わう」(同)と激賞しました。
 さらにツヴァイクは、ここリオにあって「文明の全く新しい様式」(同)を見出すことができたという感激も綴っております。
 私も1966年に初めてこの地を訪れて以来、常に感じてきたことと、まったく同じであります。
 「世界第一の美の都」たるリオ市が栄えゆく限り、人々は新たなる生命力を汲み上げ続けることができます。
 リオは、「アミーゴ(友情)の都」でもあります。
 1993年の2月、私は、リオの空の玄関「ガレオン国際空港」(現在は“ボサノヴァの父”の名を冠した「アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港」)に降り立ちました。その時、何時間も前から空港で待っていてくださったのが、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁であります。
 当時94歳の総裁が、獅子のごとく烈々たる気迫で、「力を合わせて、人類の歴史を変えていきましょう」と語られた雄姿は、今もって、私の胸から離れません。
 共に発刊した対談集『21世紀の人権を語る』において、総裁は、1925年にリオを訪れたアインシュタイン博士との思い出を語ってくださいました。
 アインシュタイン博士は、ブラジルでは、「人種・民族間の差別がない」と洞察し、「種々の人種が平和に共存している」ことへの深い感銘を語られた。
 アタイデ総裁たちは、それは「寛容に基づく教育によって形成された民衆の特質です」と答えられたといいます。

2016年リオ・オリンピックを開催
世界市民の大河を更に


 新時代の希望の祭典である2016年のリオ・オリンピックの開催を、リオを愛する一人として心より喜び、期待しております。
 リオに脈打つ、広々と開かれた世界市民の友情の精神を、人々が共に分かち合う千載一遇の好機となる事でしょう(大拍手)。
 「リオ」には、「川」という意義がある。
 私も、本日、賜りました、名誉あるリオ市の鍵を高く掲げて、これからも世界市民の大河の流れをさらに強く深く開いてまいる決心であります(大拍手)。
 ブラジルの国旗には、リオデジャネイロから見上げた、11月の満天の星空が描かれております。
 天座の星とともに、地上の人材の星を一段と輝かせながら、愛するリオが、無窮の大発展を遂げゆかれることを、心から祈ります。
 終わりに、リオゆかりの大文化人リべイロ博士の言葉を紹介し、私の御礼のごあいさつとさせていただきます。
 「最も苦労した民衆ゆえ一番幸せな文明。最高の人間性を掲げるゆえ最良の文明。
 地球の最も美しき、そして輝かしき地域にあって、すべての人種と異文化との共生に心を開くゆえ最も寛大な文明──ブラジルよ」
 「幸福と平和の都」リオデジャネイロに、永遠の栄光あれ!
 ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「大変にありがとうございました!」)(大拍手)
2010-12-05 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

新時代第45回本部幹部会/全国地区部長・地区婦人部長大会/池田華陽会大会へのメッセージ 

新時代第45回本部幹部会/全国地区部長・地区婦人部長大会/池田華陽会大会へのメッセージ                         (2010.12.2 創価国際友好会館)

 皆が青年の心で! 創立100周年へ、師とともに!──新時代第45回本部幹部会が2日、「全国地区部長・地区婦人部長大会」「池田華陽会大会」の意義を込め、東京・千駄ケ谷の創価国際友好会館で盛大に開催された。
 これには原田会長、正木理事長、杉本婦人部長をはじめ全国の代表が、20カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)の友と出席。
 池田名誉会長は地区部長、地区婦人部長に祝福の和歌を贈るとともに記念のメッセージを寄せ、この1年の全同志の広宣流布の大前進に心から感謝した。


名誉会長のメッセージ

わが地区から大歓喜の題目を! 地涌の人材を! 勝利の旗を!

地区こそ広宣の大地
共に祈り励まし合い幸福の花を満開に!


 一、皆様方の「勇気ある信心」と「真剣な努力」によって、わが創価家族は、この1年も大勝利で飾ることができました。
 広宣流布のために「忍辱の鎧」を着て、粘り強く戦い抜いてくださっている皆さんを、日蓮大聖人は涙され讃えておられるでありましょう。ありがとう!
 世界20カ国・地域の同志の皆さん、ようこそお越しくださいました。
 欧州の青年部の皆さん、台湾の皆さん、シンガポールの皆さん、そして韓国の皆さん、寒い中の尊き研修、本当に本当にご苦労さまです。
 御聖訓には「一切の草木は地より出生せり、是を以て思うに一切の仏法も又人によりて弘まるべし」(御書465㌻)と仰せであります。
 まさしく、創価学会の「地区」こそ、広宣流布にとって一番大切な大地であります。
 きょうは、全国の地区部長・地区婦人部長大会、本当におめでとう!(大拍手)

「南無妙法蓮華経は師子吼の如し」

 一、新たな100周年への出発に当たり、私は3点、申し上げたい。
 第1に、「わが地区から大歓喜の題目を!」と確認し合いたい。
 今、経済苦と闘う同志もいる。病魔に立ち向かう友もいる。しかし、「南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さは(障)りをなすべきや」(同1124㌻)であります。
 一遍の題目にも、どれはどの力があるか。題目は「歓喜の中の大歓喜」の音律であり、大宇宙の根源の法則であります。
 学会には、自行化他の題目を唱え抜いてきた大福運が満ちています。
 苦しい時も辛い時も題目を朗々と唱え、共に励まし合いながら、地区に大功力を漲らせ、変毒為薬の体験の花を満開に咲かせていってください。

一人また一人と
 一、第2に、「わが地区から地涌の人材を!」と申し上げたい。
 約60年前、戸田先生が第2代会長に就任して、75万世帯の大折伏を宣言された時、皆、夢物語と聞いていた。しかし23歳の私は、師匠の誓願を実現するために、自らの地区から猛然と拡大の炎を燃え上がらせました。
 地区の全員が、偉大な使命を帯びた地涌の菩薩です。
 地区は、一人また一人、地涌の菩薩を現実に呼び出していく最も尊い会座です。
 地球上のいずこにも、地涌の菩薩は未来永遠に「二人・三人・百人と次第に」(同1360㌻)必ず躍り出る。これは御本仏の揺るぎない御約束であります。

勝つための信心
 一、第3に、「わが地区から勝利の旗を!」と決意し合いたい。
 「仏法と申すは勝負をさきとし」(同1165㌻)です。仏法は勝負。人生も勝負。絶対に勝つための信心です。正義が勝つことが広宣流布です。
 私も、戸田先生の弟子として闘諍言訟の末法を戦い抜いて、世界に勝利の旗を打ち立てました。師弟は不二なる故に、全地区にこの「絶対勝利の信心」を奮い起こして、「人材・躍進の年」を痛烈に勝って勝って勝ちまくっていただきたい。
 私は妻と共に、世界192カ国・地域の全同志の幸福勝利を、いやまして強盛に祈り抜いてまいります。

この1年も大勝利ありがとう
白蓮グループ 創価班 牙城会万歳


女子部を讃えよ
 一、きょうは「池田華陽会」の大会も、おめでとう!
 「女子部、万歳!」と、皆で最大に讃えたい。白蓮グループも、いつも、ありがとう!
 白蓮グループ、そして創価班、牙城会の誉れの歴史を、私は、『新・人間革命』の「母の詩」に続く「厳護」の章で書き残していきます(大拍手)。
 終わりに、「勇気の道が創価の道」と申し上げ、私のメッセージといたします。
 どうか、最高に晴れ晴れと、よいお年をお迎えください(大拍手)

地区部長への和歌

 使命ある
   君よ 勝ち抜け
     勝ちまくれ
  広宣流布の
   大城《しろ》を担いて

 尊き地区の
   大発展と勝利を祈りつつ


地区婦人部長への和歌

 幸福と
  正義の道を
    朗らかに
   勝利で飾れや
    貴女の歴史を
 
 尊き 広宣流布に
  笑顔で 真剣に
  はつらつと 進みゆく
     大切な婦人部に感謝
2010-12-04 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

中国 大連海事大学「名誉教授」称号授与式

中国 大連海事大学「名誉教授」称号授与式
        (2010.12.1 創価大学本部棟)

 中国・遼寧省大連市に立つ「大連海事大学」(王祖温学長)から、創価大学創立者の池田名誉会長に「名誉教授」称号が贈られた。これは、名誉会長の日中友好と世界平和、さらに青年の育成への卓越した功績を讃えたもの。授与式は1日、東京・八王子市の創大本部棟で行われ、来日した大連海事大学の王昭翮校務委員会主任から、代理の山本創大学長に証書が託された。また、名誉会長の自作の漢詩が王主任に贈られた。

王昭翮《おうしょうかく》校務委員会主任の「授与の辞」

池田先生は中日友好の先駆者
ともに友情と英知の大航海へ


 紅葉が燃える美しい創価大学を訪問し、池田大作先生に「大連海事大学名誉教授」の称号を授与させていただくことを、私ども一行は大変にうれしく思います。これは私にとって、この上ない光栄であります。
 大連海事大学を代表し、池田先生に心からのお祝いを申し上げます(大拍手)。
 また、私たちを温かく迎えてくださった創価大学の皆様に対し、深く感謝の意を表したいと思います。
 池田先生は、中国人民の古き友人であり、私たちの最も尊敬する人物であります。
 中日民間外交の先駆者として、池田先生は長年、両国の友好交流を進めるために大いに尽力され、中日友好および世界平和を促進する上で、傑出した貢献をなされてきました。
 著名な思想家、教育家、社会活動家であられる池田先生に「名誉教授」の学術称号を授与させていただくことは、本学にとって大変に光栄なことであり、大きな誇りでもあります。
 この11月18日、創価学会は創立80周年を迎えられました。
 80年前、初代会長・牧口先生は『創価教育学体系』を発刊し、「人格価値の創造」「子どもの幸福のため」という教育理念を確立されました。
 池田先生はこの理念のもと、一連の創価教育機関を創立され、創価大学は「人間教育の最高学府たれ」「新しき大文化建設の揺藍たれ」「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」という建学の精神を掲げて、有為な青年を輩出し、各界に大きな影響を与えました。
 また、創価大学は、日本で初めて新中国の留学生を受け入れてくださった大学であり、中日友好と世界平和を担う優秀な人材を育み、社会に卓越した貢献をなされました。
 大連海事大学は、100年の歴史を有する高等海洋学府であります。また、国際海事機関が認定した、世界でも数少ない「名門海洋学府」の一つに数えられております。
 建学以来、大運海事大学は、「学匯百川 徳済四海」の校訓のもと、幅広く学問を身につけ、立派な人徳で人類に尽くす人材を育ててきました。また「堅定、厳謹、勤奮、開拓(固い意志力、真剣な姿勢、勤勉な態度、開拓の精神)」との建学理念を受け継ぎ、「人格者になれ、高い志を立て、感謝の心を持て」との学風を宣揚してきました。
 これまで、中国と世界の70以上の国・地域のために、海洋および各専門のハイレベルの人材を数多く送り出しています。
 これからの交流と協力の中で、名誉教授となられた池田大作先生から新しい知恵と創造の源泉をご教示いただけると確信いたします。
 そして、池田先生の激励のもと、私たちは、いよいよ友情と英知の大航海をスタートし、ともに輝かしい未来を開拓していく決意であります。
 互いに手を携えて、中日友好と世界平和のために貢献していきたいと思います。
 最後に、池田先生と香峯子夫人の、ますますのご健康を祈念するとともに、池田先生と創価大学の皆様を本学でお迎えしたいと願っております。
 両大学が一緒に新たな未来をつくり、友情が末永く続くよう、念ずるものであります。
 本日は誠にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

海事大学の草創の精神「教育こそ立国の命綱」「民衆を裏切るな」
ダイナミックに新時代を開け
荒波に挑み平和共生の活路を


 一、わが憧れの大連は、希望の未来性に漲り、経済発展の牽引力であるとともに、緑光る環境都市のモデルであります。この世界の模範都市・大連から、人間教育の模範と輝く先生方をお迎えできました。
 公務ご多忙のなか、寒い日本へ、本当にようこそ、お越しくださいました。私たちは熱烈に歓迎申し上げます(大拍手)。
 本日、私は、世界的な航海教育の学府である貴・大連海事大学より、最高に栄えある知性の称号を賜りました。
 洋々たる大海原へ、心も新たに船出しゆくような決意を込めて、謹んで拝受させていただきます(大拍手)。
 一、思えば、創価教育の創始者である初代・牧口常三郎先生、2代・戸田城聖先生も、3代の私も、海辺に生まれ、潮風を呼吸しながら育ちました。
 誉れ高き中国の海事の名門からの栄誉を、貴国を敬愛してやまなかった先師と恩師も、どれほど喜ばれていることでしょうか。誠に誠に、ありがとうございました(大拍手)。
 なお貴大学においては、3年前、私が信頼する波涛会の友による写真展「波涛を越えて」を、盛大に開催していただきました。
 貴大学をはじめ、大連の諸大学、また大連中日教育文化交流協会の皆様方との友情も、年々歳々、爛漫と咲き誇っております。
 大海の如く広々としで深き友誼の真心に、この席をお借りして、私は厚く感謝を申し上げます(大拍手)。

思う存分雄飛を
 一、さて、貴大学の校歌には、雄渾なる海大人《かいだいじん》(大連海事大学人)の魂が歌われております。

♪ああ海大 ああ大海
 伸び伸びと
  理想を解き放ち
 思う存分 雄飛する
 雄飛 雄飛
  雄飛の青春──

 なんと気宇壮大な青春の讃歌でありましょうか。
 前人未到の海路を切り開いて、世界を結び、新時代を創造しゆく若き息吹が躍動しているのです(大拍手)。
 本日は、雄飛の大志に燃ゆる貴国の留学生の英才たちも出席してくれており、うれしい限りです。
 風邪をひかないよう、元気に有意義な留学生活を祈ります。

6万人の世界的人材群を育成
 一、貴大学の庭園にその名が冠せられている、明の英雄・鄭和《ていわ》は、15世紀の初頭、30代にして南海への大遠征に打って出ました。
 西洋の大航海時代に先駆けて、アフリカ大陸にまで及んだ不滅の旅路も、若々しい勇気のリーダーシップによって成し遂げられたであります。
 いかに人材を育て、いかに青年を糾合して、ダイナミックな創造の活力と智慧を引き出していくか。その根本の力こそ、教育でありましょう。
 かの辛亥革命に先立って創立された貴大学は、昨年、晴れ晴れと100周年の佳節を飾られました。
 その源流である上海高等実業学堂の校長を務められた唐文治《とうぶんち》先生は、「国を立たせるには、教育を命綱としなければならない」との断固たる信念で、青年の育成を開始されました。
 学堂の栄光の1期生を、「実際に役に立つ学問を身につけ、民衆の期待を裏切ってはならない。しっかりと学び給え!」と励まされた事跡も蘇ります。
 民衆のため、社会のために──貴大学は、この高邁な精神が光る6万人もの世界的な航海・技術者を、澎湃と育成してこられました。
 貴大学は、そして大連は教育で勝利したのであります(大拍手)。
 その卓越した母校の人間教育の伝統を継承され、今、新たな100年へ、さらなる躍進の指揮を執られる指導者こそ、きょうお迎えした王昭翮主任であられるのです(大拍手)。

王主任の学生への励まし
「理想の帆を高く掲げ輝く未来へ船出せよ」


 一、王主任は、貴大学の最優秀の卒業生であられます。自ら世界を航海しゆく雄大な夢も抱き、傑出した実力も磨き上げておられました。
 しかし祖国のため、母校のため、後進の育成のために、勇んで教壇に残られました。
 そして、一人一人の学生と心通わせ、その特質を伸ばしゆかれるとともに、人知れず、学生たちの健康で無事故の探究の日々を厳然と守り抜いてこられたのであります。
 この「無私の教育実践」「学生第一の精神」に貫かれた、四半世紀にわたる偉大な人間教育の軌跡に、私たちは最大の敬意と賞讃をお送りしたいのであります(大拍手)。
 一、先日、貴大学で行われた式典で、王主任は学生に呼びかけられました。
 「学ぶことの楽しさを知ってください。勝利の喜びを実感してください」
 「母校が目覚ましく発展する勢いに乗じて、理想の帆を高く掲げて、最も輝かしく素晴らしい未来に向かって船出しよう!」と。
 貴国で記念すべき第1号となった貴大学の遠洋実習船には、「育鯤《いくこん》号」と命名されております。
 その大きさは幾千里説の北海大魚・鯤《こん》の如く、スケールの大きな有為の逸材が、貴大学から21世紀の大海原へ躍り出ることを、私は強く確信してやみません。
 一、時代の荒波は高い。だからこそ、貴大学の校歌に歌われるように、私たちは、いやまして「大海の魂を結合させ/気概も高く/精神を奮い立たせ」、平和と文化と教育の連帯を力強く広げてまいりたい。
 仏典には、「大海へ衆流入る・されども大海は河の水を返す事ありや」「諸河の水入る事なくば大海あるべからず」と説かれております。
 それと同じく、正義の信念の行動者には、数多《あまた》の試練が諸河の如く押し寄せる。しかし、大海原の如く悠然と受け入れて、いよいよ喜び勇んで、大きく未来を開いていくというのであります。
 これが、1968年、諸々の風波が吹き荒れるなか、貴国との国交正常化を提言して以来、一貫して変わらざる私の信条であり、今、若き創価の友が受け継いでくれているのです(大拍手)。

島国根性でなく海国気風を持て
 一、貴大学の優れた校風の一つに、「同舟共済」という精神があります。
 同じ舟に乗っている人々は互いに助け合うように、同じことに当たっている人々が互いに力を合わせてこそ、難関を切り抜けることができる。
 これは、大連をこよなく愛され、貴大学の発展を深く念願された周恩来総理が体現されていた、貴国の「大同」の精神にも通じるでありましょう。
 幾多の地球的問題群が待ちかまえる荒海に挑みゆく人類は、「宇宙船地球号」という同じ舟に乗り合わせた認識を、一段と深め、衆知を結集して、平和共生の活路を見出していくべきであります。
 かねてより、周総理は、地球上の10分の7を占める海洋を最重視されておりました。
 先見的な地理学者でもあり、平和の信念に殉じた創価教育の父・牧口先生もまた、こう叫んでやみませんでした。
 “偏狭な島国根性ではなく、快活で進取の気性に富んだ、開かれた「海国気風」を持て!”
 “水鳥の如く大海の波風をしのぎ、先へ進め!”──と。
 一、貴大学の校訓は素晴らしい。
 「学は百川《ひゃくせん》を匯《あつ》め、徳は四海を済《すく》う」
 この精神を、私も心に刻み、尊敬する貴・大連海事大学の先生方と手を携えて、両国そして、世界の青年の往来する大航路を、創り残していく決心であります。
 歴史に勲功を立てゆく貴大学のますますの栄光を心から念願するとともに、敬愛する大連に永遠の繁栄あれと叫んで、私の謝辞とさせていただきます。
 謝謝!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)

池田名誉会長 漢詩を贈る

大海連天事業成
百年歳月新前程
踏平波浪結鄰好
風雨去時萬里晴

〈大意〉
大海原が天に連なる環境において
 事業を成就され
貴大学は、百年の歴史を経て
 今まさに
 新たな出航をされようとしている。
大海を跨ぎ、波浪を踏み均《なら》して
 日本をはじめ
 世界と友好を結びながら
風雨を乗り越えて、万里に晴れわたる
 未来を迎えようとされている。

※文中には、大学名「大連海事」が織り込まれている。
2010-12-04 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop

ブラジル アマゾナス教育科学技術連邦大学「名誉博士号」称号授与式

ブラジル アマゾナス教育科学技術連邦大学「名誉博士号」称号授与式
 (2010.11.28 アマゾナス教育科学技術連邦大学 中央キャンパス)

【リオデジャネイロ11月29日】ブラジルのアマゾナス教育科学技術連邦大学はアマゾン川を守り、アマゾン地域の発展をリードする最高学府である。創立100年の歴史を誇る同大学の初の「名誉博士号」が、池田SGI(創価学会インタナショナル)会長夫妻に贈られた。平和・文化・教育への世界的な貢献と、アマゾンの発展への尽力を讃え、大学の最高審議会の満場一致で決議されたものである。授与式は11月28日午後4時(日本時間29日午前5時)、アマゾナス州マナウス市内の中央キャンパスで行われ、ジョアン・ジアス総長、ジョゼ・フェイトーザ学長らが列席。ブラジル訪問団の池田博正SGI副会長に、名誉博士の学位記と、同大学の創立100周年を記念して特別に製作されたメダルとプレートが託された。アマゾンの詩人チアゴ・デ・メロ氏が祝福した。SGI会長に世界の大学・学術機関から贈られた名誉学術称号は「301」となった

フェイトーザ学長の推挙の辞

100年を超えるブラジルと日本の交流
夫妻が植えた慈愛の種は必ず世界で大きく開花


 近年、大変に著名なある民衆詩人が平和を叫びました。
 その詩人──池田大作博士の声は、私たちが高邁な目的のために、本日ここに集いあう、きっかけとなったのです。
 ブラジルと日本の交流の歳月は、100年を超えました。出自や経歴にとらわれず、人類が渇仰してやまない平和と友愛、民衆の共同体を、さらに堅固にしたいのです。
 池田博士ご夫妻を顕彰申し上げることには、より大きな意義があります。
 博士ご夫妻を讃えることによって、人道主義と普遍的哲学を賞讃することにもなるからです。
 ゆえに、本日はアマゾナス教育科学技術連邦大学、アマゾナス州、そしてブラジルにとっても特別な日であります(大拍手)。
 博士ご夫妻の人道的業績と連帯の行動は、異なる社会、国家、大陸の垣根を超えて、地球上で最も遠い場所の人々にまで広がっています。
 その功績にふさわしい正当なる今回の顕彰によって、アマゾナス教育科学技術連邦大学は、友愛と自由を展望し、文明的な大使命を有する世界の大学に連なることができたといえます。
 わが大学もまた、幾千年にも及ぶ文化と文明を持つ日本という国の友人によって、栄誉にあずかっていると感じるのです。
 私たちのアマゾンに、池田博士ご夫妻が訪問団を派遣していただいたことに対して、感謝に堪えません(大拍手)。
 名誉博士号は、池田博士ご夫妻の永遠不滅の功績を讃える顕彰であることを強調せねばなりません。
 50年以上にわたり、ご夫妻は世界平和という最も崇高な目的のために、誠実に貢献し、慈愛の心で人生を捧げてこられました。
 その利他の行動は、良き模範となっております。
 創価学会は池田博士をはじめ歴代会長の「師弟」の絆によって発展してきました。
 池田博士は前世紀、また今世紀における最も輝かしい思想家であり、その哲学は東洋の枠を超えて、生き生きと西洋でも花開いています。
 またブラジルSGI自然環境保護センターを通じて、ブラジルの発展のために、この上ない貢献をされたことも忘れてはなりません。
 そして池田博士は、香峯子夫人とともに、社会変革という理想の種を、識者との対話によって、蒔いてこられました。
 香峯子夫人は、すべての母の模範となる、偉大な女性の鑑であります(大拍手)。
 ご夫妻は、世界のために、さまざまな問題を乗り越え、平和の道を開く方途を提示してくださっています。
 私たちはご夫妻を名誉博士にお迎えすることによって、アマゾンの偉大さを世界に示すことができます。
 ご夫妻が世界に、そしてアマゾンに植えられた慈愛の種が、必ず大きな花となって咲き薫っていくことを確信しています。
 池田博士ご夫妻ほど、アマゾナス教育科学技術連邦大学の初めての「名誉博士号」受章者として、ふさわしい人物はいないと確信いたします(大拍手)。
 ご夫妻はアマゾナス州に脈打つ偉大さ、魅力、素朴さをそなえた模範の方であり、偉大な倫理的、道徳的価値を体現されています。
 人道的な目的のために、これほどまでに顕著かつ不可欠な業績を築いておられる方はいません。大陸、そして地球規模の賞讃に値する偉人です。
 世界の反対側で、連帯の力を信じ、共に分かち合う心情を養い、平和と不滅の慈愛を確信し、光を照らし、光を強めている偉人が存在する。このことは、私たちにとって何よりの喜びであります。
 まことに、ありがとうございました(大拍手)。

ジアス総長の授章の辞


多様性が輝いてこそ人類はより豊かに

池田博士の夢は私達の夢
教育は闇を破る希望の光


 何世紀もの長きにわたり、人類は不和と争いという「漆黒の闇」に包まれてきました。
 そこに灯された小さな光──すなわち「希望」こそが、よりよき現実を確かなものにする光なのです。
 日々の惰性によって心の奥深くに隠された高貴なる感情を、この小さな「希望」の光が人間の中に再び目覚めさせるのです。
 「希望」とは、一人一人が、その生命自体にそなえている光であります。
 マハトマ・ガンジーや仏陀、イエスやムハンマド(マホメット)、キング博士など、多くの偉人たちが、平和と協和、そして繁栄への道標となる光で、多くの男性や女性を導いてきました。
 平和を生み出すことは、決して容易ではない。そう彼らは示唆しています。なぜなら、自意識や名誉を犠牲にして、他の人に自分の場所を分かち与える痛みを伴うからです。
 善意という対話の場を他者に与えないからこそ、突発的に戦争は起こるのです。
 私たちは、教育と文化、そして個の多様性から平和が生まれることを学びました。
 生命のための教育によって、私たちは一人一人が異なるからこそ、人類はより豊かになることを知りました。民衆の文化遺産に価値を見出すことが必要なのです。
 私たちの眼前には、善と平和のきら星のごとく輝く池田大作博士が現れました。池田博士は日出づる国から、仏陀の平和主義を体現し、人種や信条の異なるきょうだいたちに教えを示しています。
 博士は教育を、民衆の連帯と調和ある成長の確かな手段としておられる。博士の平和の詩は、祖国・日本を超えて、各大陸に広がっています。
 池田博士から、私たちは「他者の声に耳を傾けること」「熟慮すること」「夢を描くこと」「対話すること」を学びました。
 この素晴らしき教育者は、私たちの天地をも訪れ、友情を育み、平和と喜びと希望を愛する民衆に出会いました。青年のために、身を粉にして、人類は大きな家族であること、形は違えども皆の願いは「恒久平和」ただ一つであることを教えてくださったのです(大拍手)。
 アマゾナス教育科学技術連邦大学は100年という佳節に、池田博士をわが学舎にお迎えする栄誉に浴しました。博士の平和と教育、社会の連帯へのメッセージに喜びもひとしおです。博士の真情にお応えするとともに、平和のために成し遂げられたすべての功績に、心から感謝申し上げたい。
 ご列席の皆さん! どうか、これからも決して挫けず、夢をあきらめないでください。
 博士の夢は、すなわち私たちの夢です。教職員の、学生たちの、そして地上の人々の夢であります。
 本学の最高審議会は、東部キャンパスのジョゼ・フェイトーザ学長の要請により、名誉博士号の授与を決定しました。私は、本学の総長として、博士に名誉学位を授与いたします。池田博士への授与は、わが大学の大いなる栄誉であります。
 博士は、現代の世代だけでなく、未来の世代にとっても偉大な模範であり、偉大な師匠なのです!
 どうか、アマゾナス教育科学技術連邦大学をわが家と思い、いつでもお越しください。そして私たちも、博士の平和の戦いに連なってまいります。
 大変にありがとうございました(大拍手)。

SGI会長の謝辞(代読)

アマゾンのごとく
人類を結ぶ平和の大河を
使命の根を張る人材の連帯を


他人の不幸の上に自分の幸福を築くな!
人間革命の大道を進め


詩人のメロ氏
アマゾンは調和の智慧光る“生命の家”


 一、この青き地球にあって「宝の中の宝」と光るアマゾンの輝きは、私と妻にとりましても、若き日からの憧れであります。その天地を支える、黄金の英知の柱としてそびえ立つ貴・アマゾナス教育科学技術連邦大学より、無上の栄誉をいただきました。これはどの喜びはありません。
 私は今、貴大学が切り開いてこられた、100年にわたる崇高な教育の足跡に思いをはせております。
 まだ校舎の定まらぬ草創期には、学びの場所を苦心して確保されながら、青年たちの熱き向学心と就労意欲に応え、教育の灯火《ともしび》を赫々と燃え上がらせてこられたとうかがっております。大学を創立した人間として、私の胸には、貴大学の建学の死闘が痛いほど伝わってまいります。
 最高最善の教育環境とは、教育者自身の一念です。教育者の学生を思う慈愛であり、人格であります。貴大学には、先生方の大情熱が結合して、いかなる苦難も乗り越え、地域と民衆に尽くす有為な人材群を育成してこられた歴史が輝いております(大拍手)。

ブラジルの教育者
対話から交流が生まれる
語り合え!民衆と共に


師に捧げる宝冠
 一、「対話がなければ交流はなく、交流がなければ真の教育もありえない」──これは、貴国ブラジルの大教育者パウロ・フレイレ先生の信念でありました。〈小沢有作・楠原彰・柿沼秀雄・伊藤周訳『被抑圧者の教育学』亜紀書房〉
 フレイレ先生は、真の教育者には、民衆に一方的に語りかけるというよりも、民衆と共に語り合うことが求められると促されております。
 それは、私たちの創価教育の創始者である、初代・牧口常三郎会長、2代・戸田城聖会長の人生そのものでもありました。
 二人は共に、「博大なる人物」と「博大なる事業」の揺藍たる貴国に、深き敬愛を寄せておりました。それだけに、貴大学からの教育の宝冠を、二人の師匠も、どれほど喜ばれることでありましょうか(大拍手)。
 とともに、私と妻は、アマゾンをこよなく愛し、貴国の興隆のために、日々、対話を広げ、行動している、わがブラジルSGIの親友と、貴大学からの真心の顕彰を分かち合わせていただきます。
 一、貴大学は、建学の精神として、アマゾンの発展に貢献しゆくことを高く掲げておられます。
 天下第一のアマゾン川の淡水量は、世界の5分の1を誇ります。その流域には、世界最大の熱帯雨林が広がり、世界の3分の1にも及ぶ生物種が存在すると言われます。遺伝子の供給源としての重要性も計り知れません。
 多様性に満ち、限りなき可能性を秘めた「生命の宝庫」アマゾンを守る貴大学は、まさしく地球環境を守る英知のフォートレス(要塞)であります。
 そして、全人類の未来を開く希望の電源地なりと、私は満腔の感謝を表したいのであります(大拍手)。

全て人で決まる
 一、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁は、アマゾンについて語り合った折、強調されました。
 「“人間こそが大切である″──これが、私の変わらざる信念です。環境問題においても同じです。人間がどうあるべきか、です。人間は地球の主体者としての責任、自覚がなければなりません」(『21世紀の人権を語る』潮出版社)と。まったく同感であります。
 一切の問題は、根本的には「人間」の問題です。
 自然環境を蹂躙する暴力も、社会に紛争や貧困をもたらす暴力も、その根底には、生命の尊厳を踏みにじり、他者の犠牲の上に自分の幸福を築こうとする利己的な欲望が渦巻いております。
 その貪欲に打ち勝つためには、確かな人間観」「生命観」が必要であります。
 敬愛してやまぬアマゾンの大詩人チアゴ・デ・メロ氏は、「自然を破壊し、軽視することは、私たち人間自身の生き方の原形を破壊していることにほかならない」と鋭く喝破されておりました。
 私は、心からの共鳴を禁じ得ません。
 自然環境と人間生命の一体性について、仏法においても、「此の身の中に具《つぶ》さに天地に倣《なら》うことを知る」と明かされております。例えば、「鼻の息の出入《しゅつにゅう》は山沢《さんたく》渓谷の中の風に法《のっ》とり口の息の出入は虚空の中の風に法とり」「脈は江河に法とり」等と、説かれているのであります。
 わが生命と万物との妙なる連関性を深く自覚して、汝自身の生き方の変革、すなわち「人間革命」に挑んでいくならば、どれほど心広々と、壮大にして豊かな人生の道が開かれることでしょうか。
 一、人類を新たな共生と創造の軌道へと導いてくれる英知の光は、アマゾンから惜しみなく発信されております。
 チアゴ・デ・メロ氏も、「アマゾンは、すべての生命をはぐくみ、また生物の調和ある生き方の智慧を豊かに内包した“生命の家”なのです」と明言されておりました。
 アマゾンに学ぶことは、人類の尽きせぬ可能性を薫発することです。アマゾンを栄えさせゆくことは、地球の繁栄の未来を創出することです(大拍手)。

青年を信じる!
 一、ブラジルの詩心の母コラ・コラリーナは歌いました。
 「私は青年たちを信じる、彼らの確信や寛大さ、理想を持って戦う姿を賞讃する」
 「人生に新たな舞台を広げ、新しい道を希求する青年を信じよう!」
 躍動するアマゾンの生命の呼吸は、永遠に若々しい青年の息吹であります。
 本日より、私も妻も、栄えある貴大学の一員として、貴国をはじめ世界192カ国・地域の愛する青年たちとともに、いっそう生き生きと前進を開始してまいります。
 多くの流れが合流する大アマゾン川のごとく、多様な人類を結ぶ「平和の大河」を創りたい。
 また揺るぎなく大地に根差したアマゾンの森林のごとく、自らの使命の天地に根を張って、貢献し、勝ち栄えさせていく「人材の大運帯」を築きたいと、深く決意しております。
 結びに、アマゾンを象徴するオオオニバスの花のように、貴大学が「勝利」の大輪を咲き薫らせてゆかれることをお祈り申し上げます。
 そして貴国が、大いなる栄光を勝ち取られながら、生命の共生と調和を根本とする、新しい21世紀文明のモデルを、全世界に晴れ晴れと示しゆかれんことを願い、謝辞とさせていただきます。
 偉大なる貴大学、万歳!
 偉大なるブラジル、万歳!(大拍手)
2010-12-04 : スピーチ・メッセージ等 :
Pagetop
ホーム

プロフィール

Author:fmiokun
FC2ブログへようこそ!

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。