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御書と青年 12 不軽の不屈の精神

池田名誉会長が語る青春勝利の指針
御書と青年 12 不軽の不屈の精神
      (2010.6.30付 聖教新聞)

英知と情熱で歴史の大転換を!
民衆奉仕の指導者に
「どうせ無駄だ」の決めつけは無慈悲
我らは不軽の勇者!
粘り強く 真剣に 誠実に語れ
不軽菩薩の実践
人間尊敬の哲学の復興へ
「断じて戦い続ける」
「人の振る舞い」こそが仏法実践の肝要です。相手の生命を変える力です


佐藤青年部長 「広布に走れ」──池田先生からいただいた歌のままに、青年部は勇んで戦い、走っています。
 この6月30日は、学生部の結成記念日です。今年で結成53周年。創価の知性のスクラムは五大州に広がりました。
 男子部も、女子部も、「池田大学」に学ぶ誇りを胸に前進しています。
池田名誉会長 若き地涌の英知光る君たちの成長が、世界の希望です。
 「一切の法は皆是れ仏法なり」(御書564㌻)と説かれています。
 学問の探究においても、社会への貢献においても、わが創価の英才たちは、世界中で、勝利の実証を堂々と示している。これほど、うれしいことはない。
 私が世界の大学と友情を結び、交流を進めているのも、君たちが胸を張って活躍しゆく平和の大道を開くためなのです。
大山女子学生部長 ありがとうございます。
 私たち女子学生部は、先生の弟子として、世界中に知性と正義の連帯を広げてまいります。
名誉会長 戸田先生が学生部を結成された目的は何か。それは、真に民衆に奉仕し、人々を幸福と勝利へリードする、力ある指導者を育成することにあります。
 指導者と権力者の違いは、どこにあるか。権力者は民衆を見下し、青年を利用する。それに対し、真の指導者は民衆を敬い、青年のために手を打ち、青年を育成する。
 本来、民衆の幸福を第一義とすべき指導者たちが、権力の魔性に狂って、傲り高ぶり、多くの人々の幸福を踏みにじってしまった。軍国主義の日本が、その最たるものだった。
 この顛倒が、これまでの痛恨の歴史です。その大転換を、戸田先生は妙法の学徒に託されたのです。
宮尾学生部長 今でも、口では立派そうなことを言いながら、結局、自分たちの保身ばかりを考え、庶民を愚弄し、利用するエリートが多く見受けられます。

尊き婦人部に感謝
大山 アメリカ建国の指導者ジョージ・メイソンも「すべての権力はもとより民衆に授けられており、ひいては、民衆から生じている」と述べています。
名誉会長 どこまでも民衆が根本です。御書には、「王は民を親とし」(同1554㌻)と仰せです。
 指導者は、民衆を父と思い、母と思って、大切にし、尽くしていくべきだと教えておられるのです。
 さらに、指導的立場にありながら「民の嘆きを知らなければ悪の報いを受ける」(同36㌻、趣意)という厳しい戒めもあります。
 社会的な地位があるから、有名な大学を出たから偉いのか。そうではない。
 一番偉いのは、友の幸福のため、地域の繁栄のため、平和のために、来る日も来る日も行動を貫いている庶民です。広宣流布のために戦っている皆さんのお父さん、お母さん方です。学会の大先輩方です。
 この尊き方々の一心不乱の戦いで、世界的な創価学会ができあがった。
 若き皆さんは、その大恩を忘れず、庶民に尽くし抜く大指導者に成長してもらいたい。そのための学問です。信心です。青春の薫陶です。
宮尾 私には、忘れられない一つの原点があります。
 私はアメリカ創価大学に入学する前、モンタナ州の大学で学びましたが、授業についていけず、友人もできず、散々でした。悩んで帰国さえ考えていた時、草創から戦ってこられたアメリカの婦人部の方に激励されました。
 「だらしないわね!
 あなたは日本にいた時は、両親の信心で守られてきたのよ。今度は自分の信心で、しっかり立ちなさい!」と。
 強烈でした(笑い)。そこから本気になって信心と勉学に挑戦しました。アメリカ創価大学へ入学を志し、弘教も実らせることができました。
名誉会長 ありがたいね。婦人部が強く、偉大なのは、万国共通だ(笑い)。
 婦人部には深い信心の体験がある。だから確信の深さが違う。
 私とともに、幾多の三障四魔を乗り越え、広宣流布の道なき道を開いてきてくださった尊い宝の方々です。
 どんなに悪口を言われようと、雨の日も風の日も、炎天下の日も、健気に対話に駆けてこられた。
 その姿は、まさしく法華経に説かれる「不軽菩薩」の行動と重なります。
 御聖訓に「法門の故に人にも・あだまれさせ給ふ女人、さながら不軽菩薩の如し」(同1419㌻)と仰せの通りです。
 今回は、この不軽菩薩をテーマに語らいを進めたら、どうだろうか。青年部の目指すべき言論戦の原点も、この不軽の精神にあるからです。

自ら歩み寄って
佐藤 不軽菩薩といえば、常不軽菩薩品第20に登場する菩薩ですね。一切衆生に仏性があるとして、会う人ごとに「二十四文字の法華経」を唱えて礼拝しました。
 それは「私は深く、あなた方を敬います。決して軽んじたりしません。その理由は、あなた方は皆、菩薩道の実践をして、必ず仏になることができるからです」という内容の経文です。
名誉会長 そうだね。ここには、根本的な対話のあり方が示されています。
 不軽菩薩は、万人の生命に内在する仏性を礼拝し、「二十四文字の法華経」を語った。遠くにいる人に対しても、自分から歩み寄って、語りかけていった。
宮尾 じつにバイタリティーあふれる行動力です(笑い)。
名誉会長 しかし、増上慢の衆生は、この不軽菩薩に反発し嘲笑する。
 法華経の「万人が仏である」との絶対尊厳の哲学が、信じられなかったからです。
 人々は不軽菩薩に対して杖木瓦石をもって迫害する。それでも不軽は、決して礼拝行をやめない。皆を決して軽んじない──ゆえに「不軽」「常不軽」というのです。
宮尾 どんなに非難され、迫害されても、修行をやめなかったのですね。
名誉会長 そこが不軽の偉大さです。増上慢の人々の所に勇敢に飛び込んでいく。絶対にあきらめない。戦いをやめない。粘り強いのです。
 これは「受け身」で、できる行動ではありません。
 大聖人は「彼(=不軽)は初随喜の行者」(同1277㌻)と仰せです。
 「初随喜」とは、仏の滅後に法華経を聞いて随喜の心を起こした人の位です。
 そこには、最極の正義にめぐりあった、真実の喜びがあった。だからこそ「不退」だった。いうなれば、青年部であり、学生部・女子学生部の君たちに通じます。

絶対無事故で進め
佐藤 私たちは、常に「初心忘るべからず」で行動を貫いてまいります。
 それにしても、不軽は実に賢明です。相手が、杖木瓦石で迫害してこようとすれば、いったん走って避ける。そして遠くから、「二十四文字の法華経」を大きな声で叫びます(笑い)。
名誉会長 そうです。揺るぎない正義の信念に徹しているからこそ、快活であり、柔軟なのです。
 今は五濁悪世の時代です。ずる賢い悪人も増えている。騙されてはならない。悪事に巻き込まれてもならない。
 決して悪縁を近づけさせない聡明さを、青年は鋭く持たねばならない。強く賢くなることだ。
 「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(同1169㌻)と御書にも仰せです。特に女性は、心に隙をつくらないで、絶対無事故をお願いしたい。
大山 はい。常にご指導をいただいている帰宅時間などについても、皆で注意し合って気をつけてまいります。
宮尾 池田先生と対談されたネパールの著名な仏教学者シャキャ博士は、こう語られました。
 「不軽品に登場する常不軽菩薩は、すべての人に仏性ありとして、礼拝行を貫きました。あらゆる生命存在の仏性を確信し、それを開いていく行動──。人格完成のための最高の哲学が、ここにあります」と。
 そして、この菩薩道を現代に展開しているのが、池田先生の指導されるSGI(創価学会インタナショナル)であると指摘されています。
名誉会長 博士は、釈尊生誕の国ネパールを代表する知性です。博士と語りあったことは忘れられません。
大山 不軽菩薩は、なぜ迫害にあいながらも不屈の実践を貫いたのでしょうか。
名誉会長 不軽菩薩が活躍したのは、威音王仏の像法時代の終わりです。仏の真実の教えが忘れ去られ、「増上慢の比丘」が充満していた。
 不軽菩薩は、混沌とした社会にあって、「仏の教え」の肝要に自ら歓喜し、人々にもそれを蘇らせようとしたと考えられる。
 「仏の教えを隠没させてなるものか!」「仏の教えの通り、あらゆる人を救い切っていくのだ!」――この人間としての切なる思いが、不屈の実践の原動力となったのではないだろうか。
 シャキャ博士が言われていたように、不軽菩薩の実践には「人間復権」の大哲学があります。
 創価の師弟の運動も、末法という濁世にあって「人間尊敬の大哲学」を復興しゆく戦いです。
宮尾 だから、「人間を軽賤する」「生命の尊厳を軽んじる」勢力との闘争が必然になるのですね。
名誉会長 そうです。正しいからこそ、圧迫される。中傷される。
 これに打ち勝ってこそ、真の「立正安国」が実現できる。民衆の団結の力で平和と共生の世界を築いていくことができるのです。
佐藤 学生部結成の日、先生は北海道の地から、祝福の電報を打ってくださいました。「夕張炭労事件」の渦中でした。
 この結成の日に、大阪府警は、まったく無実の先生に出頭の命令をしてきたのです。「大阪事件」の勃発です。
宮尾 かつて先生は関西の学生部の代表に「出獄と 入獄の日に 師弟あり」「七月の 三日忘れじ 富士仰ぐ」と贈ってくださいました。
 学生部の永遠の根本精神としてまいります。

「振る舞い」で決まる
名誉会長 正義の革命児は、怒濤の人生を恐れなく、まっしぐらに進むのです。
 不軽菩薩は、増上慢の勢力にも怯まず、非暴力を貫いた。それは、人間としての最高の行動である「人を敬う振る舞い」にほかなりません。
大山 この「一人を大切にする」振る舞いが、法滅の時代を変えていったのですね。
名誉会長 大聖人は、「不軽菩薩の人を敬いしは・いかなる事ぞ教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(同1174㌻)と断言されています。
 「人の振る舞い」こそ、仏法実践の肝要です。この振る舞いが相手の生命を変える。
 どこまでも「誠意」です。
 全身全霊の「情熱」です。
 ひたむきな「真剣」です。
 その根本は「勇気」です。
 それでこそ、人々の心を大きく動かしていくことができる。不軽菩薩も、信念と誠実を貫いて、最後は勝利した。
佐藤 はい。不軽菩薩自身は、「六根清浄」という大功徳を得て、寿命を「二百万億那由他歳」という長きにわたって延ばします。そしてこの不軽が後に釈尊となります。
 さらに御書には「不軽菩薩を罵打し人は始こそ・さありしかども後には信伏随従して不軽菩薩を仰ぎ尊ぶ」(同1125㌻)とあります。
 最終的には、迫害した側も、自分たちの誤りに気づいていくのです。
名誉会長 勇気と誠実と忍耐の勝利です。
 「御義口伝」には「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(同769㌻)とあります。上慢の四衆の仏性は、実は不軽菩薩を礼拝していると仰せなのです。
 私たちが、相手の仏性を尊敬して対話をした時、たとえ、その時は反発されたとしても、相手の仏性は実は私たちの仏性を礼拝しています。
 私たちが誠実に語った分だけ、仏種が植えられ、必ず相手の生命も変革への一歩を始めているのです。
 勇気をもって語れば、こちらの仏性も強く現れる。相手の仏性も薫発される。
 私たちの対話は、お互いが心豊かになり、「自他共の幸福」を開き、「皆が勝者」へと前進しゆく行動なのです。
 「広宣流布」即「世界平和」の推進も、私たちのたゆみない対話の繰り返しの中にしかありません。

祈りを込めた対話を
大山 本当に地道な戦いだと思います。
名誉会長 そう。地道といえば、これほど地道な労作業もない。しかし着実に、そして確実に相手の生命は変革されます。それが「下種仏法」の対話の力です。
 大聖人は仰せです。
 「少しも恐れなく法華経を弘め続けたので、今は日本国の人びとの中にも、『日蓮の言うことが道理かもしれない』と言う人もあろう」(同1138㌻、通解)と。
 君たちの若き対話の力が、広宣流布を大きく前進させることは間違いありません。
宮尾 はい。私たちは、ますます自信満々と対話に邁進してまいります。
名誉会長 人間は必ず変わる。それを「どうせ話しても無駄だ」と決めつけてはいけない。決めつけは無慈悲に通じてしまう。これが不軽の精神なのです。
 戸田先生は言われました。
 「祈りを込めた対話には、必ず強い強い仏の力がこもる」「折伏すれば信用が残る」
 さらに先生は、青年に、「一人の強き生命力が、多くの人の生命に影響を与え、よりよく変えることができる。この働きを最も確実に推進する力が妙法なのである」と語られました。
 君たちの勇気の声は、清々しい波動を広げる。そして、信頼を深めるのです。
佐藤 はい。広宣流布の対話の渦のなかで、断じて勝利を開いてまいります。
名誉会長 それでこそ、現代の不軽菩薩です。
 あらためて言えば、「万人が尊極の存在である」という真実が見失われ、増上慢の勢力が充満している時代に不軽菩薩は出現した。そして、「人間尊敬の哲学」の力で人々の生命を変えていった。
 現代にあって、友の幸福のために生き抜く学会員の姿は不軽菩薩と同じです。その不軽の勇気を青年部は受け継いでいってもらいたい。
 21世紀の勝利はすべて、青年の手にかかっている。君たちの「不軽の不屈の精神」で、民衆凱歌の新時代を威風堂々と勝ち開いていってもらいたいのです。
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2010-07-01 : 御書と青年 :
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ジョージ・メイソン大学「名誉人文学博士号」称号授与式

ジョージ・メイソン大学「名誉人文学博士号」称号授与式                        (2010.6.28 創価大学本部棟)

 アメリカ・バージニア州に立つ名門学府ジョージ・メイソン大学から、創価大学創立者の池田SGI(創価学会インタナショナル)会長に「名誉人文学博士号」が授与された。平和の世界の建設と、青年の可能性を開く教育、文化事業への貢献を讃えるものである。授与式は28日、東京・八王子市の創大本部棟で挙行され、ピーター・スターンズ首席副学長、視覚・舞台芸術学部のウィリアム・リーダー学部長、紛争解析解決研究所のアンドレア・バルトリ所長が出席。席上、池田博正創大理事に名誉博士の学位記が託された。

ピーター・スターンズ首席副学長の授与の辞

正義の情熱燃やし 一級の識者と対話

 「何もしなければ、何も変わらない」「一歩を踏み出して、行動を起こしていくところから、すべてが始まる。智慧が生まれ、状況も好転していく」
 これは、池田大作博士が「人生の一瞬たりとも無駄にすまい」との確固たる決意をもって書きつづった言葉ですが、博士ご自身は、すでに青年のころに、この言葉を体現されていました。
 池田博士は、日本が第2次世界大戦へと突き進んでいった時代に東京で育ち、戦争への激しい憤りを覚え、戦争に絶対反対の立場をとりました。
 17歳で終戦を迎えた博士と同様、当時の青年の多くは安堵ではなく、混乱と苦悩の中にいました。しかし、幸運にも博士は、戸田城聖氏という師匠に巡り会い、約10年にわたって薫陶を受けました。
 今日の博士の見識の多くは、戸田氏に帰するものであります。
 軍部政府に声を上げて反対し、2年間、弾圧・投獄された戸田氏は「自身が終生、燃やし続け、投獄にあっても怯まなかった平和への断固たる情熱」を池田博士に教えられました。そして博士は「対話こそ平和の根本」との揺るぎない信念を掲げ、愛する日本および世界のために長年、粘り強い努力を重ね、戦ってこられたのです。
 池田博士は、自身の功績はすべて師匠のおかげと謙遜していますが、博士ご自身も、数限りない青年の師匠であられます。
 博士は価値創造を意味する「創価」の学舎《まなびや》の創立者として、平和と尊敬の心、社会貢献の精神、グローバルな意識を育てる環境の中で一人一人の生徒や学生がもつ創造的な可能性を開いてこられました。
 また、数多くの著作をもつ作家でもある博士は、政治・文化・教育・学術など、各界を代表する世界の識者と対談を推進。さらに、多岐にわたる問題群について、異文化間の学際的協力を進める幾つかの機関も創立されました。
 本日、平和を愛する皆様とご一緒させていただき、池田大作博士に名誉博士号を授与させていただけることは、ジョージ・メイソン大学にとって最大の栄誉であります。
 長年にわたり、文化交流への多大な貢献をされ、教育と平和を促進され、平和のために世界中に研究機関をつくられた池田博士は、本学の名誉学位のみならず、これまで博士に贈られたすべての栄誉と賞讃に最もふさわしい受章者であることを、改めて申し上げたいと思います(大拍手)。

池田名誉会長の謝辞(代読)

自由と平等の声高らかに
信頼と友情の大連帯を!


一人の勇気が歴史を変える
バージニア権利章典の起草者ジョージ・メイソン
未来を決めるのは青年の英知と情熱


 一、教育の連帯は「国」を越え、広々と「世界」へ開かれていきます。
 教育の結合は「時」を超え、限りなく「未来」へ広がっていきます。
 きょうは、私たちが模範と学ぶ最高峰の名門ジョージ・メイソン大学の皆様方をお迎えできました。21世紀の地球社会の建設へ、「世界市民」の友情と信頼の大いなる一歩を、共々に踏み出すことができ、これほどの喜びはございません。私は、何よりも意義深き貴大学の「名誉人文学博士」の栄誉を、最大の感謝を込めて拝受きせていただきます。
 まことに、まことに、ありがとうございました(大拍手)。

信念に生きよ
 一、天座に輝く北極星の如く、人生においても、社会においても、不動の指標と仰ぐべき先哲の存在があります。
 貴大学が、その名に冠するジョージ・メイソンは、まきに人類が決して忘れてはならぬ大偉人であり、大恩人であります。
 貴大学の愛唱歌には、高らかに謳われております。
 「ジョージ・メイソン、ジョージ・メイソン/今日《きょう》 ここに君を讃える……/人類は皆が“等しく自由”と宣言した君よ/君の真実は 今日も生き続ける/我らが学府の 心と魂の中で生き続ける」
 本日、名誉ある貴大学の一員ときせていただいた私の胸にも、ジョージ・メイソンの偉大な獅子吼が響いてくるのであります。
 奇しくも、この6月29日は、1776年、ジョージ・メイソンたちが起草した、バージニア州の憲法が採択された記念の日であります。
 その「権利章典」には、「すべて人は生来ひとしく自由かつ独立しており、一定の生来の権利を有するものである」、そして「すべて権力は人民に存し、したがって人民に由来するものである」(ともに斎藤真訳『人権宣言集』岩波文庫)と、おごそかに宣言きれております。
 これこそ、ジョージ・メイソンの手によって、近代の基本的人権の思想が、世界で初めて成文化きれた画期的な「権利宣言」なのであります(大拍手)。
 一人の勇気ある叫びが、歴史を変えます。ジョージ・メイソンの基本的人権に対する断固たる信念が、どれほど深い波動を広げていったか。
 のちにアメリカ合衆国憲法に、「信教の自由」「言論・出版の自由」など、国民の基本的人権を保障する条項が、修正第一条から第十条として加えられたことも、このジョージ・メイソンたちの一貫した働きかけがあればこそでありました。
 彼は若き日からの親友であるワシントン初代大統領に対しても、この人権の条項については、決して妥協しなかったのであります。
 “たとえ、世界のすべての人から賞讃を受けようとも、わが心の賞讃を受けないようなことを私はしたくない”──ここに、ショージ・メイソンの誇り高き真情がありました。
 かくして「信教の自由」等を厳然と謳い上げた合衆国憲法が、以後、世界に広がりゆく成文憲法の規範となり、最重要の起点となったことは、不滅の歴史であります。

恩を忘れるな
 一、この貴国への恩義を、日本は絶対に忘れてはならない──これが、私の恩師・戸田城聖先生の教えでありました。
 わが師は、創価教育の父である牧口常三郎先生とともに、第2次世界大戦中、日本の軍部政府に弾圧され、投獄されました。牧口先生は獄死であります。
 狂った国家主義による人権の蹂躙に、正義の師子として、真っ向から立ち向かっていったのであります。
 それだけに戦後、アメリカの施策によって、希代の悪法であった治安維持法が撤廃され、「信教の自由」がもたらされた意義の重さを、恩師は深く噛みしめておりました。
 アメリカには、いつの日か、その恩返しを果たしたい」と、師は私によく語っていたのであります。
 崇高なる「人権」の理想を高く掲げるアメリカの天地に、人類の平和に貢献しゆく世界市民の大学を創立することは、この恩師の悲願を果たしゆく道でもありました。
 きょうは、うれしいことに、わがアメリカ創価大学の代表をはじめ世界の俊英も、 駆けつけてくれております。
 「人権の大功労者」ジョージ・メイソンの精神を、私たちはさらに強く広く継承していきたいと思うのであります。
 一、ジョージ・メイソンは訴えました。
 「アメリカの“自由”と“独立”は、“幸福”と“繁栄”を私たちの手の届くものとした。しかし、それを獲得し維持できるかどうかは、ひとえに、私たち自身の“英知”と“徳”に、かかっているのだ」と。
 まことに、その通りであります。人類の未来を決するのは「青年」であります。
 その青年たちの“英知”と“徳(人格)”を、時代の変化と要請に応えながら錬磨しゆく、優れた教育こそが、一切の根幹であります。
 一、貴大学は、地域に聞かれた知性の学城として、社会貢献の卓越した人材を陸続と輩出し、さらにはグローバル時代に先駆する大学として、目覚ましい大発展を遂げてこられました。
 その見事な大前進を担い立ってこられたのが、本日、ここにお迎えした、スターンズ首席副学長はじめ貴大学の先生方なのであります(大拍手)。
 高名な歴史学者であられるスターンズ首席副学長は、近著の中で、世界市民としての重要な資質の一つは、グローバルな“視野”と“思考性”──すなわち“自身のいる地域と世界を比較し、結びつけることのできる能力である”と、鋭く洞察されております。
 そして、その「世界市民教育」の壮大なネツトワークを積極果敢に築き広げてくださっていることに、私たちは心からの敬意を表したいのであります(大拍手)。

不屈の巌窟王 マンデラ氏との対話から20年
団結こそ偉大! 多様性の調和を


桜梅桃李の輝き
 一、スターンズ首席副学長も敬愛される
 「アフリカの人権の闘士」ネルソン・マンデラ氏と私は、20年前、熱く語り合いました。
 その中で、「多様な人々のチームワークが創造性を生み、団結が柔軟な知恵を生む。多様な個性の総合による創造的な運動こそ、多くの民衆の心をとらえ、大きな波を起こしていくことができる。ゆえに、自由ほど尊いものもなく、団結ほど偉大なものもない」との信念を確認し合いました。
 そして、教育を根幹として、創造と平和の多彩な「人華」を、人類の大地に咲き薫らせていこうと、マンデラ氏と私は約し合ったのであります。
 東洋の哲理では「桜梅桃李の己己の当体を改めずして」と説き、多様性に富む創造的な調和の世界を、百花繚乱の花園に譬えております。
 私たちは、活発な教育交流を積み重ねながら、新たな地球文明をリードしゆく若き世界市民たちの生命を一段と啓発し、爛漫と開花させていきたいと思うのであります(大拍手)。

民衆詩人ホイットマン
前へ! そして前へ‼


最も幸福な人
 一、貴大学の聳えるバージニア州の天地を讃えてやまなかった民衆詩人ホイットマンは語っておりました。
 「より大きな改革を必要とするなら、その達成のためには、より偉大なる“人格”を築合あげねばならない」
 「人類の偉大な行動原理は、前進することにある。前へ! そして前へ!」と。
 光栄にも、貴大学から差し伸べていただいた、人類のために働き続ける雄々しき手を、今、私は尽きせぬ深謝を込めて、握り返しております。
 昨日(27日)も、スターンズ首席副学長ご一行が、わが創価学園生に「世界市民の要件」を明快に示してくださり、皆、心からの感銘を語っておりました。
 先生方のご厚情にお応えするためにも、ジョージ・メイソンが目指した人類の真の“自由”と“平等”の理想を、これからの若い世代に深く伝えながら、貴大学の皆様方とご一緒に前進しゆくことを、固くお誓い申し上げます(大拍手)。
 この私の決心を、スターンズ首席副学長の尊敬される、アメリカの女性人権運動の先駆者エリザベス・スタントンの言葉に託させていただきます。
 「私の知る最も幸福な人とは、自己の魂の救済など気にもかけず、他の人の苦しみを和らげることに、全力を尽くす人である」
 貴大学の無窮の栄光を、心よりお祈り申し上げます。
 サンキュー・ベリー・マッチ!(大拍手)
2010-07-01 : スピーチ・メッセージ等 :
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