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「原水爆禁止宣言」発表60周年記念「青年不戦サミット」へのメッセージ

「原水爆禁止宣言」発表60周年記念「青年不戦サミット」へのメッセージ   (2017年9月2日 神奈川文化会館)

 第2代会長・戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」発表60周年を記念する「青年不戦サミット」が2、3の両日にわたり開催された。横浜市の神奈川文化会館で行われた初日は、多数の来賓、30カ国・地域の青年ら540人が出席。池田大作先生がメッセージを贈り、民衆の連帯と青年の行動こそ不可能を可能にする力であると強調。一人一人の人間革命を起点としながら、世界平和の波動を広げていこうと呼び掛けた。また、サミットに先立つ2日午後には、研修会で来日中の海外メンバーが、宣言発表の舞台となった三ツ沢の競技場を見学。3日午前には、東京・信濃町の学会本部別館で第26回「青年平和連絡協議会」が行われた。

メッセージ

青年の連帯と行動こそ不可能を可能にする力

 一、「平和の世紀」を開きゆく青春には、澄み切った青空のような清新なる希望がある。
 「人道の世界」を築きゆく人生には、どこまでも広がる大海原のような金波銀波の連帯がある。
 常に新時代の暁鐘を打ち鳴らす神奈川の天地で、初の開催となる「青年不戦サミット」、誠におめでとう!
 ご来賓の先生方、ご多忙のところ、私どもの神奈川文化会館へようこそお越しくださいました。
 地元・神奈川、また広島・長崎・沖縄をはじめ、各方面の男女青年部のリーダー、そしてSGI青年部の代表の皆さん、本当にありがとう!
 我らの恩師・戸田城聖先生が1957年の9月8日、「原水爆禁止宣言」を発表した横浜・三ツ沢の競技場へ、先ほど、SGIの皆さんが足を運び、60周年の意義を深く刻んでくれたことも、うれしく伺っております。
 〝世界の民衆の生存の権利を断じて守らねばならない!〟との恩師の叫びを胸に、時代変革の行動を巻き起こしてきた、若き世界市民の尊き奮闘とスクラムを、戸田先生がどれほどお喜びでありましょうか。
 このサミットの開催を記念して、日本と世界の各地から勇んで集った、わが青年部の全員の名前を「創価21世紀不戦グループ」としてとどめ、次の70周年、また80周年、さらには100周年へ、平和の新潮流を私は託したいと思いますが、皆、どうだろうか!(大拍手)
 一、本年7月、国連で「核兵器禁止条約」がついに採択されました。
 核兵器の使用や威嚇はもとより、開発から保有に至るまで、いかなる例外も認めることなく禁止する画期的な条約です。
 この成立の最大の推進力となったのは、被爆者の方々の切なる訴えであり、市民社会が粘り強く声を上げ続けてきたことにほかなりませんでした。
 国連での交渉会議で、市民社会の参加者が座った席は、後方でした。しかし、ある国の代表が称賛したように、〝尊敬の最前列にある〟と言われるほどの貢献を果たしてきたのです。
 戸田先生の宣言を原点に、私たちも、被爆者証言集の出版や、世界各地での〝核の脅威展〟の開催をはじめ、青年部の皆さんが2010年に取り組んだ「核兵器禁止条約」の制定を求める227万人の署名や、2014年に推進した「核兵器廃絶」を求める512万人の署名など、若き力で、たゆまぬ挑戦を続けてきました。
 そして時を経て、世界の市民社会による力強い後押しによって、「核兵器禁止条約」が成立を見たのであります。
 条約の実現へリーダーシップを担ってこられた、市民社会のネットワーク組織である「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のベアトリス・フィン事務局長は深い理解の声を寄せてくださっております。
 すなわち、「たとえ希望が見いだせず、人々が諦めそうになった困難な時代にあっても、SGIが立ち上がるエネルギーと勇気を発揮し続けてきたことに多大な啓発を受けるのです」と。
 核兵器の廃絶を目指して、尊き青春の大情熱を注いでこられたフィン事務局長は、「人々が一緒になれば、本当に多くのことが可能となり、本当に素晴らしいことができるのです」とも語られていました。
 まさしく、民衆が連帯し、青年の力で行動の波を起こしていけば、必ず〝不可能を可能にする力〟が生み出されるのです。
 一、いよいよ今月20日から、核兵器禁止条約への署名が始まります。条約の早期発効を導き、核兵器廃絶の流れを大きく前進させるためにも、民衆の連帯をさらに広げていくことを、私は念願してやみません。
 「人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができる」
 これは、私が対談した大歴史学者トインビー博士の一つの結論でありました。すなわち、「人間革命」を起点として「世界平和」への波動を起こしていくのであります。
 この中核を担い、世界の民衆の「生存の権利」を揺るぎなく確立する、歴史的な使命を果たし抜く存在こそ、皆さん方、青年であります。
 今回のサミットが、互いの尊き使命を確認し合い、「核兵器のない世界」への偉大な挑戦への新たな出発の場となることを念願し、私のメッセージといたします。(大拍手)
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2017-09-07 : スピーチ・メッセージ等 :
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「世界広布新時代第27回本部幹部会」「SGI青年研修会」「全国学生部大会」へのメッセージ

「世界広布新時代第27回本部幹部会」「SGI青年研修会」「全国学生部大会」へのメッセージ   (2017年9月2日 神奈川池田記念講堂)

 「世界広布新時代第27回本部幹部会」が2日午後、「SGI(創価学会インタナショナル)青年研修会」「全国学生部大会」の意義を込め、横浜市鶴見区の神奈川池田記念講堂で晴れやかに開催された。これには原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長が各部の代表、研修会で来日した55カ国・地域280人の友と出席した。池田大作先生はメッセージを贈り、心から祝福。日本中、世界中で青年たちが目覚ましい成長を遂げ、人間革命している姿を喜びつつ、「大法弘通」の時を迎えた今こそ「生命の太陽」を昇らせ、新たな地涌の友を誕生させながら、「慈折広宣流布」という幸福と平和の大潮流を起こそうと呼び掛けた。

メッセージ


「大法弘通」の時は来た

 一、世界へ、未来へ、広々と開かれた「正義」と「平和」の港・神奈川での本部幹部会、おめでとう!
 「SGIの青年研修会」、さらに「全国学生部大会」も誠におめでとう!
 広宣流布の行動は、最も地道でありながら、最も壮大な夢を広げゆく、究極のロマンであります。
 ここ鶴見をはじめ、横浜、さらに神奈川は、わが草創の同志との忘れ得ぬ師弟共戦の天地です。
 66年前の9月より、私は戸田先生から鶴見支部市場地区の御書講義の担当に任じられ、この地に通いました。愛すべき同志は、経済苦や病などとの闘いを抱えていた。私は一軒一軒、家庭訪問に回り、「苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経」(御書1143㌻)等の御文を一緒に拝しつつ、折伏に走りました。
 その折々に励まし合ったことは、「今は散々、悪口を言われているけれども、いずれ世界中から地涌の菩薩が続々と集い、世間があっと驚く時が必ず来る」ということです。まさしく今、その通りになっているではありませんか!(大拍手)
 私は、生死を超えて結ばれた共戦の宝友たちを偲びながら、ここに颯爽と集ってくれた世界55カ国・地域の青年リーダーを、全国の同志と共に熱烈に大歓迎したい。若い皆さん方が、万難を排して、よくぞ広布のために来日してくれました。ありがとう! 本当にありがとう!(大拍手)
 一、60年前の9月、戸田先生が、神奈川を選んで「原水爆禁止宣言」を発表する準備を進められている折、先生と二人で拝した御聖訓があります。
 それは、「大悪は大善の来るべき瑞相なり、一閻浮提うちみだすならば閻浮提内広令流布はよも疑い候はじ」(同1467㌻)との仰せであります。
 すなわち末法の濁り切った悪世には、人々の心の貪欲(貪り)と瞋恚(瞋り)と愚癡(愚かさ)が増大する一方で、善なる生命力は衰弱してしまう。
 しかし、その救い難い時代の危機さえも本源的に打開できる哲理が、妙法である。ゆえに、妙法を受持し、流布しゆく我らには、臆するものなどない。 
 戸田先生は、「この御書は、御本仏が、我ら創価学会を一閻浮提広宣流布のために、地球上に呼び出してくださった御金言だよ」と言われました。
 「一閻浮提」、すなわち全世界が打ち乱れ、核兵器という最大の魔性の産物まで生み出された「大悪」の時だからこそ、我らは、民衆の大地から一人また一人と、地涌の菩薩を涌出させるのだ。どんな不幸の無明も照らし晴らす「元品の法性」という生命の太陽を赫々と昇らせていくのだ。そして「一閻浮提広宣流布」即「世界平和」という「大善」の道を、断固として切り開こうではないか。ここに、創価の師弟が貫き通してきた大誓願があります。
 私は、この御聖訓を、新出発のわが男女学生部、また、日本さらに世界のわが青年部に託します。
 どうか、広布と青春の途上に何が競い起ころうとも、「大悪は大善の来るべき瑞相なり」と大確信に燃え、いやまして勇敢に立ち向かってください。

体験に勝るものなし
 一、大悪を乗り切るだけではない。さらには、大善にまで転ずることができる。いな、断じて転じてみせる。これが、他の思想哲学の次元を遥かに凌駕した、日蓮仏法の正義のダイナミズムであります。
 創立の父・牧口先生も、「たとえば病気が治るだけではない。以前よりももっと健康になるのが、変毒為薬の妙法である」と弟子を激励されました。
 「現証」「実証」「体験」に勝るものはありません。
 うれしいことに今、日本中、世界中で青年たちが仏法を実践し、目覚ましい成長を遂げ、人間革命してくれている晴れ姿こそ、何よりの希望の光です。
 「一人の人間における偉大な人間革命は、やがて一国の宿命の転換をも成し遂げ、さらに全人類の宿命の転換をも可能にする」
 この創価の師弟が掲げた主題に連なって、わが後継の友は一人ももれなく、自らの誓いの舞台で「歓喜の中の大歓喜」(同788㌻)の題目を唱え、いよいよ人間革命の実証を勝ち飾っていただきたい。
 そして、不思議なる「大法弘通」の時を迎えた今、一人でも多くの新たな地涌の友を誕生させながら、「慈折広宣流布」という幸福と平和の大潮流を起こしていっていただきたい。
 そう私は、強く祈り、念じつつ、小説『新・人間革命』の総仕上げとなる第30巻を、日々、書き進めています。
 一、さあ、共々に「地よりか涌きたる我なれば この世で果たさん使命あり」と胸を張り、人間革命の栄光の暁鐘を打ち鳴らしていこうではないか! 
 愛する皆さんのご家族に、また各国・各地に、安穏あれ! 繁栄あれ!と申し上げ、私のメッセージといたします。
 題目を送ります。皆、お元気で!(大拍手)
2017-09-07 : スピーチ・メッセージ等 :
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未来対話 夢の翼 第1回〜第5回

未来対話 夢の翼

第1回 夢は青年の特権なり
   (2017年5月1日付 未来ジャーナル)

必ず開ける! 君の使命の舞台が

 ──新しい「未来対話」、本当にありがとうございます。未来部の友から、喜びの声が数多く届いています。

池田先生 みんなのためだったら、何でもしてあげたい。未来部の皆さんの前進こそが、私の希望だからです。
 さあ、大いに語り合おう!

 ──今年度は「夢の翼」と題し、「仕事」や「職業」をテーマに、お話を伺いたいと思います。

池田先生 いいね! とても重要なテーマだね。
 「あの仕事がしたい」「この職業に就きたい」と、夢に向かって挑戦する青春は、春の太陽のような朗らかな輝きがあります。
 今、みんなは、どんな「夢」を描いているかな。
 私の恩師•戸田城聖先生は、よく「青年は夢が大きすぎるくらいでいい」と言われました。
 夢は「翼」です。世界のどこにだって、羽ばたていける。
 夢は「スイッチ」です。自分の眠っていた力を目覚めさせてくれる。
 夢は「灯台」です。苦しい暗闇の時も、進むべき道を示してくれる。
 そして、夢は「青年の特権」です。夢に挑む限り、永遠に成長できるのです。
 もちろん、夢は叶っていないからこそ夢です。実現するためには、現実の上で努力する以外にありません。
 まだ、なかなか夢を持てないという人もいるでしょう。でも、焦らなくていいんです。大事なことは、目の前の一つ一つの課題に一生懸命、取り組むことです。その人には、自分らしい夢と出あうチャンスが必ず巡ってくるからです。

 ──伝統の夏季研修会では、 各分野で活躍される先輩方を講師に、未来部時代の体験や、仕事のやりがいなどを学ぶ「ドリームブース」が大好評です。
「海外留学なんて、諦めていた。でも、お話を聞いて、もう一度、本気で英語を勉強して、 世界の人と話してみたいと決意しました」「仕事への見方が変わり、将来への期待が膨らみました。必ず夢を叶えます」などの声が寄せられています。

池田先生 未来部のために尽くしてくださっている全て方々に、あらためて心から御礼を申し上げます。
 社会には、たくさんの仕事があります。皆さんの身の回りの物を見ても、多くの「仕事」でできていることが分かります。
 洋服を手に取れば、原材料を作る仕事、生地を作る仕事、デザインをする仕事、裁縫の仕事、完成した服を運ぶ仕事、店で売る仕事……どれか一つが欠けても、私たちは服を着ることができません。
 どの仕事も、楽しいばかりではない。それぞれに大変な苦労があります。でも、その仕事を通して、人々の笑顔を広げ、自分も笑顔になる。「仕事」とは、皆の幸福を創り、自分も幸福になる「喜びの源泉」なのです。
 「はたらく」とは、「はた (=そばにいる人)を楽にすること」と言った人がいます。そこには、「人の役に立つ」喜び があり、誇りがあります。
 また、「働」という字は「にんべん(人)」に「動」と書きます。悩んでいる人、苦しんでいる人のために信念を持って行動することが、どれほど尊いか。
 ゆえに、人々の幸福のために、より良き社会のためにと動き、 尽くし抜いている、皆さんのお父さんや、お母さん、おじいさんや、おばあさん、皆さんを支えてくれる学会のおじさん、おばさん、お兄さん、お姉さんは、一番、偉大な人たちであると、私は断言したいのです。

 ──挑戦する前から、「自分には無理だ」「できっこない」 と考えてしまい、夢を広げられない友もいます。

マータイ博士の言葉
ささやかな行動でも 何度も繰り返せば 世界を変えられる

池田先生 今は、情報があまりに溢れているから、あれこれ考えすぎて、一歩、踏みだせないこともあるだろう。
 でもね、何でも、やってみないと分からないものだよ。
 私も若き日、ある尊敬する先輩から、「池田君、何があっても、青春は、『当たって砕けろ』の勇気でいこうよ!」と励まされたことがあります。今でも思い出す言葉です。
 たとえ、君が、貴女が、自身を持てな くても、私は皆さんを信じます。皆さんの無限の可能性を信じます。皆さんの無敵の勇気を信じます。
 「できない」理由を探すよりも、「できる」と決めて、努力した方がいい。困難は多 いけれど、その分、「できた」 時の喜びはひとしおです。仮に思った迎りの結果が出なかったとしても、努力したことは、必ず生きます。そこから新たな希望の道が絶対に開けます。
 ともあれ、皆さんは若い。若さは、どんな財産にも勝る、最高の生命の宝です。だから、失敗しても、くよくよしないで、 朗らかに粘り強く挑戦し抜いてほしい。
 苦労しながら学び、使命の道を開いた一人として、私は、ワンガリ•マータイさんを思い起こします。「もったいない(MOTTAINAI)という日本語を世界に広めた、アフリカの環境の母です。2005年2月、聖教新聞社で1時間にわたって語り合いました。太陽のように明るい笑顔と、人間への慈愛に満ちた姿は、今も脳裏に焼き付いて離れません。

 ──マータイさん は、ケニアの出身です。アメリカ留学をへて、母国のナイロビ大学で博士号を取得。アフリカの大地に木を植える「グリーンベルト運動」をしました。独裁権力と戦い、逮捕・投獄されたこともあります。
 2004年、「持続可能な開発、民主主義と平和への貢献」で、アフリカ人女性初のノーベ ル平和賞を受賞しました。

池田先生 マータイさんたちが推進した植樹は、開始以来、約30年間で、実に3000万本に上りました。「木を植える」 ことは、地味に見えるかもしれない。しかし、その小さな行動の執念の積み望ねが、やがて世界をも動かしたのです。
 「行動の人」「信念の人」であったマータイさんは語っています。
 「私たちは、自分たちのささやかな行動がよい変化をもたらしていることを知っています。 私たちがこれを数百万回繰り返せば、世界を変えられるんです」
 この不屈の精神は、幼少時代から、働きながら学び続けた努力に支えられていました。
 マータイさんが生まれた頃、 ケニアでは、女性に教宵は必要がないと思われていたのです。 彼女も幼い日から、農作業や家事を手伝ってきました。
 懸命に働きながら向学心を燃やし続けたマータイさんは、中学を卒業した後、全寮制の女子高校に進学します。そこで、先生方から、大切な信念を教わりました。
 「社会は本来善きもので、人は最善を目指して行動する」
 私も 、強く深く共感します。
  どんなに悲惨な事件が続こうとも、どんなに悲観主義に覆われようとも、世界は、そして未来は、必ずより良く変えていける。
 日蓮大聖人は、「仏の住む浄土といっても、汚れた国土を意味する穢土といっても、二つの別々の国土があるのではなく、そこに住む私たちの心の善悪によって違いが現れる」(御書384㌻)と教えてくださいました。
 社会を、未来を、明るく、楽しく、希望に満ちあふれた世界に! その変化は、私たちの「心」からスタートするのです。
 マータイさんは、未来を信じ、自身の可能性を信じて、挑戦に挑戦を重ねました。結局は、心が負けなかったからこそ、世界を変え、現実社会で勝利を開くことができたのです。
 私が出会い重ねてきた世界の一流の方々も、皆、不屈の楽観主義の闘士です。
 環境がどうあれ、現状がどうあれ、〝絶対に乗り越えてみせる!〟〝必ず変えてみせる!〟という気概を持って、戦ってきた。そして、〝世界はもっと良くなるはずだ!〟 と信じ、行動し抜いてきたのです。
 いわんや、若くして仏法を持ち、日々の唱題で希望の太陽を胸中に昇ららせゆく、わが後継の皆さんは、どうか確信してほしい。
 君が縦横無尽に活躍する使命の舞台が、必ず開けることを!
 貴女の未来は、前途洋々と広がっていることを!

 ──若き日の池田先生も、戸田先生の事業が苦境に立たされていた日々に、未来を見つめ、奮闘されました。どんな思いで 仕事に励まれたのでしょうか。

池田先生 ただ「戸田先生のために」──その一点です。私は肺病を患っていて、医師からは「30歳まで生きられない」と言われた体でした。でも、「師匠のために」と決め、真剣に祈りながら働くと、勇気も希望も、智慧も力も、そして、生命力も湧いてきました。大きく活路を開くことができたのです。
 先生が経営する出版社に入社し、少年雑誌の編集に携わった時は「正義を伝え、勇気を贈る記者になりたい」という、子どもの時の夢が叶ったようで、とてもうれしかった。でも、戦後の不況で、先生の事業が思うようにいかなくなり、それまでと全く違う仕事することになりました。私にとっては、苦手な仕事でした。
 しかし、私は決めていました。どんな仕事でも、世界一の哲学を持ち、世界一の師匠に薫陶を受けいるのだから、世界一の仕事をするのだ。世界一の戸田先生を、仕事で絶対に宣揚してみせるのだ、と。日々、阿修羅のように働き、勉強も望ねました。戸田先生の夢をわが夢として、一つ一つ実現してきました。これが私の誇りです。
 大聖人は「御みやづかいを法華経とをぼしめせ」(御書1295㌻)と仰せになられました。仕事を「法華経の修行」と思いなさいということです。社会で奮闘する皆さんの先輩の指針にもなっている、希望の御金言です。
 皆、「自分がいる場所が、わが使命の舞台だ」「仕事を通して人間して、社会に実証を示そう」と心を定め、会社や職場の発展を祈り、真剣に、誠実に、努力しています。負けじ魂に燃えて働 く学会員には、経営者や識者からも、多くの称賛と信頼が寄せられています。
 英語の「Work」とという言葉には「仕事」のほかに「勉強」「努力」といろ意味があります。夢を持って一生懸命、働き、学び、努力できる人は、すでに勝利者です。誰が何と言おうと、私は皆さんの未来の大勝利を確信しています。
 右手にも左手にも勝利のVサイン、合わせれば「Work」のWサインになります。この努力と栄光のサインを掲げて、日本中、世界中の同志と共に、私は、皆さんの成長を楽しみに待つています。


参考文献はワンガリ•マータイ著『UNBOWED へこたれない』小池百合子訳(小学館)、同著『モッタイナイで地球は緑になる』福岡伸一訳(木楽舎)、筑摩書房編集部著『ワンガリ•マータイ「MOTTAINAI」で地球を救おう』(筑摩書房)


第2回 語学は「互学」   (2017年6月1日付 未来ジャーナル)

相手の側に立つ国際人たれ

 ──前回は、夢を持つことの素晴らしさや、働く意義などについて語っていただきました。
未来部の友から、「自分にしか果たせない夢を見つけます」「夢は大きく! そのために目の前の課題にベストを尽くします」など、数多くの決意の声が 寄せられています。

池田先生 うれしいね。未来は「待つ」ものではなく、「創る」ものです。みんなの心に描かれる夢や理想こそが、将来の自分を築く力であり、未来を照らす光です。

 ──今回のテーマは「語学」です。グローバル化が進む今、語学の力は、ますます重要になっています。

池田先生 みんな、語学が大事だということは、十分、分かっているよね。だけど、いざ教材を開くと眠くなってしまうこともある……(笑い)。

 ──英語の勉強について「苦手意識がある」「なかなか成績が伸びない」という悩みも、よく聞きます。

池田先生 壁に直面していると感じるのは、前進している証拠です。そこで、あきらめないことだ。自転車だって、みんな初めから乗れたわけではないでしょう。乗れるまで練習を続けたから乗れたのです。転んでも手足をすりむいても、歯を食いしばって。
 でも、いったん乗れるようになってしまえば、体が覚えてくれる。勉強も同じではないだろうか。
 私がお会いした世界的な学者の方が言われていたことがあります。学んでいくと、「ここは越えられない」という壁にぶつかる。その時が勝負だ。そこで踏みとどまって、もう一歩、また一歩と挑戦すると、パッと開けてくる、というのです。
 とくに語学は〝世界へのパスポート〟です。習得すべき時を逃したら、もったいない。うまくいかなくても、体当たりでぶつかれば、必ず身に付きます。「若い今がチャンス!」と、学び抜いてほしいのです

 ──現在、日本では2020年の東京五輪へ向けて、外国人の観光客や留学生の倍増が目指されています。英語を社内公用語とする企業もあります。社会に出てからも、英語の勉強は欠かせなくなっています。

池田先生 国際化の流れは、 あらゆる次元で進んでいるね。
 今はインターネットの普及によって、〝いつでも〟〝どこでも〟世界とつながる環境に暮らしています。世界のインターネット情報は、ほとんどが外国語であり、半分以上が英語だともいう。その意味からも、語学力があれば、自身の世界をそれだけ大きく楽しく広げていくことができます。
 皆さんがリーダーとして踊り出る時代には、さらに社会は国際化、多様化、IT化が進み、 想像を超える変化が起きているでしょう。
 その中で、世界中の人々と手を携えて、幸福と平和の方向へ社会をリードしていくのが、皆さんだ。だから、語学は、ぜひとも自在に使いこなしてもらいたいんだよ。

 ──日本人は、英語を使う〝楽しさ〟よりも〝恥ずかしさ〟の方が先立ってしまうとい 指摘があります。

池田先生 これは、語学に限った話ではありません。気を付けたい〝心のクセ〟です。
 よく「プラス思考」「マイナス思考」と言ううでしょう? ここでは、分かりやすく、「足し算思考」「引き算思考」と言い換えてみよう。
 足し算思考では、自分が今いるところを〝ゼロ地点〟と見る。だから、英単語を一つ覚えれば〝プラス1〟です。一言でも外国人と会話ができたら、大きなプラスだ。上手に話せなくても、良い経験としてプラスにとらえればよい。挑戦する限り、失敗はない。全てを向上の糧にできるからです。
 一方で、引き算思考では、〝100点満点〟と比べて、自分がどれだ劣っているかを考えてしまう。英単語を一つ覚えても、〝まだ一つ〟と感じる。 外国人と会話できても、うまく話せなかったことを気にして、クヨクヨする。やっぱり語学は苦手だなと、気持ちが重くなる。引き算思考は、そういう傾向があるんじゃないかな。
 そもそも、語学を身に付ける上でも、頭がいいとか、悪いとか、大したした違いなんか、ないんです。
 私の師匠である戸田城聖先生は天才的な数学者でした。でも、「頭がいいのと悪いのと、 どのくらいの差があるか」と質問されると、筆をとって半紙にサッと一本の線を引いて、「この線の『上』と『下』くらいの差しかないんだよ」とニッコリされました。その「線一本」とは、何だろうか。
 「やってみよう」「学んでみよう」という「挑戦する勇気」 だと、私は思う。勇気ならば、 いくらでも出せる。いわんや、 皆さんには、勇気の源泉となる勤行•唱題があるじゃないか。
 まずは一歩を踏み出してみよう。単語帳を開くことも、学校の先生に質問することも、勇気の一歩です。英語の歌を聴くことだって、大きな前進だよ。
 御書には「一は万が母」(498㌻)とあります。全ては最初の一歩から始まる。地道な一歩また一歩の積み重ねがあって、万里の先のゴールに到達できるのです。

 ──ある未来部の先輩は、英語の教科書の音読•暗唱に挑戦したところ、成績がぐんぐん伸びたと語っています。

池田先生 努力の勝利だね。人間は、生まれた時から、言葉 のシャワーを浴びながら、その言葉をまねる中で、言語を習得していきます。この点からも、 正しい英文を繰り返し聞き、音読し、体で覚えていくことは、 大事な基本なんだね。
 中国の外国語大学の先生方に、「人は何カ国語ぐらいまで、しゃべれるようになります か」と聞いたことがあります。
 答えは、「7、8カ国語」です。若いみんなは英語力を、いくらだって伸ばせるし、さらに幾つもの言語を習得できる。
 マレーシア創価幼稚園では、かわいらしい世界市民たちが、マレー語と中国語と英語の3つの言語で学んでいます。
 未来部の先輩の中からも、通訳をはじめ、数多くの語学のエキスパートが誕生しています。
 今から45年前の5月、世界的な歴史学者アーノルド・J•トインビー博士と、ロンドンにある博士の自宅で対談を開始しました。翌年もロンドンでお会いし、対談集を発刊しました。
 ある日、トインビー博士が、バッキンガム宮殿の近くにある格式高いクラブの昼食に招待してくださったことがあります。
 食事後、通訳がつかないで、博士と二人きりで話すことにな りました。いや、この時ほど、もっともっと英語を勉強しておけばよかったと悔やまれたことはありません(笑い)。
 それでも、博士は、ゆっくりと簡単な英語で話してくださいました。私は、博士のお気遣いに感謝しつつ、身ぶり手ぶりを交えて語り、なんとか意思の疎通ができました。
 「思いを伝えよう」という誠意は、必ず相手に伝わります。
 それはそれとして、若い後継の皆さんには、私の分まで語学を磨いて、世界のどこへ行っても、堂々と自らの信念を語り、友情の輪を広げられる人になってほしいんです。

 ──東京•関西の創価中学校では毎年、アメリカ創価大学(SUA)での英語研修を実施しています。同じ時期にブラジル創価学園の生徒もSUAを訪れ、合同の研修や交流会を行っています。

池田先生 うれしいね。これから、創価教育のネットワークを軸に青年の大交流時代が到来します。その主役は皆さんだ。
 「百聞は一見にしかず」です。今は、いろいろな奨学金制度や、語学の研修プログラムなども充実しているから、学校の先生や、先輩に相談して、大いに活用してほしい。
 世界のどこへ行っても、SGIの同志がいます。勤行と唱題を実践し、「ザダンカイ」を明るくにぎやかに開いています。この世界広布の息吹を、心広々と呼吸してください。
 地球は丸いのだから、皆さんがいる場所が「地球の真ん中」です。だから、自分らしく、今いる場所で輝くことが、世界広布につながります。
 何より、真の国際人のモデルは、皆さんのお母さんやお父さん、おじいさんやおばあさんです。自分中心ではなく、世界の人々のため、平和のために、智慧と慈悲と勇気を発揮して行動している。「人のため」「社会のため」という大きな心こそ、国際人の根本の要件なのです。
 一次元からいえば、語学の習得は、「相手の側に立つ練習」ともいえます。言語には、国や地域の文化•思想•歴史も詰まっていて、丸ごと学ぶことができるからです。
 私も、SGIの同志を迎える時や、海外の方との会見の際には、相手の言語や文学などを事前に学び、その言葉であいさつし、その国の心を語り合おうと心掛けてきました。
 「相手の側に立とう」「相手から学ぼう」という〝生き方〟を培うことが、語学を磨く醍醐 味です。それは、お互いに学び合い、共に成長しゆく〝互学〟の道なのです。

 ──創価大学、SUAは今、 世界から留学生を迎え、心豊かな国際人を育成するキャンパスとして大きく発展しています。

池田先生 創大は、やがて希望できる全ての日本人学生が、卒業までに留学・研修など海外 で学びを経験できる時代になります。国際教養学部の学生も頼もしく成長している。私も視察に伺った男子の滝山国際寮、女子の万葉国際寮にも、世界中から最優秀の学生を迎えていま す。また、SUAでは、3年生になると、全ての学生がアメリカ国外へ留学することになっています。全米でも、全学生が留学する大学は珍しいと言われています。
 「世界民(世界市民)」を唱えられた牧口先生、「地球民族主義」を訴えられた戸田先生も、今の創価教育の発展の様子をご覧になられたら、どれほど喜ばれるだろうか。
 世界に誇る創価教育の学びやも、そして世界の友との創価の大連帯も、一切、皆さんに託しゆく〝師弟の大城〟です。私が世界に道を開いてきたのは、全て、皆さんのためです。
 皆さんが、世界平和の大空へ、勢いよく雄飛する日を、私は楽しみに待っています。さ あ、今こそ語学の翼を鍛えに鍛えよう! 朗らかに挑戦だ!
 「The wise will rejoice while the foolish will retreat(賢者はよろこび愚者は退く)」。
 これが我らの合言葉なり!


第3回 法律家 民衆を守る勇者
  (2017年7月1日付 未来ジャーナル)

抜苦与楽の専門家《スペシャリスト》たれ

創価の人権闘争
「誰もが人間らしく幸福に生きる権利」が最も尊重される社会を

 ──みんなで「夢の翼」を広 ける連載は、今回からいよいよ、具体的な仕事や職業に光を当てていきたいと思います。

池田先生 愛する未来部の皆さんが、夢に向かって努力し、夢をかなえていくことほど、私にとってうれしいロマンはありません。
 どの仕事にも、かけがえのない使命とやりがいがあります。仕事を通して、自分の生命を輝かせ、人々と社会に貢献していくことができるからです。
 だから皆さんが、この「夢の翼」で取り上げていく仕事に就かないとしても、それぞれの道で働いている人たちのことを学ぶ意義は大きい。人知れぬ舞台で、世のため、人のために尽くしている偉い人が、いずこにもいます。
 そうした意味でも、「夢の翼」では、その職業に徹して、尊い責任を果たしている人たちへの敬意と感謝を忘れずに語り合っていきたいと思うが、どうだろうか。

 ──はい! よろしくお願いします。
 まず最初に取り上げる職業は、弁護士や検事、裁判官など、「法律に関わる仕事です。ニュースやドラマなどでも目にする場面があります。

池田先生 「法律」と聞くと、みんな、何を思い浮かべるかな。「難しい」「堅苦しい」「近づきがたい」といったイメージがあるかもしれない。
 けれど、法律は、私たちの暮らしを、見えないところでしっかり守り、支えてくれている。 日々の当たり前の暮らしは、法律があるからこ成り立っています。
 例えば、未来部の会合を行い、自由に皆で集まって、学び合い、語り合うことができる。 これは今の日本の憲法で、言論や集会の自由が保障されているからです。
 皆さんが毎日、学校で学べるのも、誰もが差別されることなく等しく教育を受けられることが「教育基本法」で定められているからです。
 残念ながら、まだ世界には、十分に教育を受けられない子どもたちが、数多くいます。

 ──「いじめ」を防ぐための法律もあります。最近まで、いじめは、①弱いものに対して一方的に、②継続的になされ、③相手に深刻な苦痛が生じた、④それを学校が事実確認した、という条件がそろって初めて認められていました。これでは、誰かが苦しい思いをしているのに、いじめと認められないケースが出てきてしまいます。
 そこで「いじめ防止対策推進法」が制定(2013年)されて、いじめられた側が心身の苦痛を感じているなら、インターネットでの行為も含めて「いじめ」と認定されるようになったのです。

池田先生 被害者が泣き寝入りせず、すぐに対策が取れるようになったんだね。いじめの多くは「犯罪」です。絶対にしてはならないし、させてもならない。また、いじめを受けたら、我慢しないで声を上げるべきです。人間の権利を軽んじてはなりません。
 法律とは、「人権を守る」ものであり、「暮らしを守る」ものです。だから、とても身近で、なくてはならない存在なんです。

 ──法律に関する仕事も、たくさんあります。弁護士や検察官、裁判官をはじめ、行政書士、司法書士、弁理士、社会保険労務士……まだまだあります。どれも重みのある名前です。

池田先生 みんなは「六法全書」という、分厚い本を見たことはあるかな。「憲法」「民法」「商法」「民事訴訟法」「刑法」「刑事訴訟法」という六つの基本的な法律をはじめ、さまざまな法令を集めた本です。
 法律のスペシャリスト(専門家)になることは、そうした膨大な法律を学び、使いこなしていく挑戦です。
 未来部の皆さんの先輩で、弁護士になる夢をかなえたメンバーが、「法律家」とは、どんな仕事ですか?」と聞かれて、誇り高く 答えています。
 「事件など、さまざまな問題にぶつかった時に、人の悩みを軽くしてあげる仕事です。人の生活を守る事です」と。
 仏法で説く「抜苦与楽」すなわち「苦を抜き、楽を与える」という精神にも通じます。
 法律は「剣」です。人をだます悪や、人間を不当に苦しめる原因を断ち切ります。
 法律は「盾」です。襲い掛かってくる苦難や、思いも寄らないトラブルから厳然と守ってくれます。
 法律は「地図」です。私たちの現状を知らせ、次に進むべき造を示します。
  ゆえに、人生という〝冒険〟に臨む上で、法律を知ることは大いなる力です。
 たとえ法律家にならなくても、法律を学ぶことは大切です。その学びを通して、人の意見に振り回されたり、その場の雰囲気に流されたりせずに、「自分の頭でじっくりと考える」という、未来を切り開いて いく力がつきます。

  ──弁護士を目指しているメンバーから、「創価の法律家の使命は?」「正義の法律家とはどういう人ですか?」と質問がありました。

池田先生 素晴らしい質問だね。
 私が確信を持って言えるのは、「創価とは、母と子の幸福を創る闘争なり」「正義とは、邪悪を許さない庶民の心なり」 ということです。
 21世紀に入って間もない2002年、私は、フィリピンのヒラリオ•ダビデ最高裁判所長官と会見しました。巌の如き信念光る大指導者でした。その際、 私は、長官が法律家を志したきっかけを尋ねました。
 長官は、幼い日々を思い出すように原点を語ってくださいました。
 田舎の生まれで、家庭が貧しかったこと。そのために周囲から差別され、軽蔑され、 心ない言葉を何度も何度も浴びせられてきたこと。まるで、押しつぶされるような思いで生きていたこと
 「そのなかで、私は考えました 貧しい人々が虐げられ、 バカにされるような社会は、まちがっている、と。それが、きっかけでした」
 偉大な負けじ魂が、偉大な人生をつくるのです。
 さらに、長官は言われました。
 「『裁判官は、ピースメーカー(平和の創造者)であるべきだ』というのが私の持論なんです。平和を促進すること──これこそ裁判官の本当の役割だと思います」と。
 「創価の正義の法律家」の信念と響き合っています。

 ──7月6日は、戦争中の1943年に、悪法である治安維持法違反と不敬罪容疑で、牧口常三郎先生と戸田城聖先生が軍部政府に逮捕された日です。

池田先生 峻厳なる創価の人権闘争の歴史です。当時の軍部政府は、国民に対し、自由に信仰することすら許さなかった。 人間が人間として生きていく最も根本の権利である、思想•信教の自由を押しつぶしてしまった。悪法は、正義の人を弾圧する凶器となります。
 牧口先生は牢獄にあって一歩も退くことなく信念を貫き、殉教されました。牧口先生の獄中闘争は、まさに、「信教の自由」を守るための偉大な人権闘争だったのです。
 戦争が終わり、憲法で「信教の自由」が保障されました。そして戸田先生は、牧口先生の遺志を継がれ、苦しむ庶民のため、日蓮大聖人の仏法を弘め、 人々を幸福へと導いていかれました。皆さんが日々、勤行•唱題ができるのは、何よりも尊く、 価値のある「権利」なのです。
 戸田先生は、よく言われていた。「世法(世間法)は評判」「国法は賞罰」「仏法は勝負」である、と。
 皆さんのお父さん、お母さんは、よき隣人、よき社会人として世法•国法を尊重し、日々、仏法を実践して自他共の幸福の社会を築いています。それは、人類が長い時間をかけて命がけで獲得してきた「人権」を、最も輝き光らせていく戦いです。 誰もが人間らしく幸福に生きる権利が尊重される、勝利の歴史を開いているのです。これ以上、尊い人生はありません。

 ──7月3日は、1945年、戸田先生が出獄された日です。さらに池田先生が、1957年、無実の選挙違反の容疑によって大阪府警に不当逮捕された日です(「大阪事件」)。本年はちょうど60年の節目です。

池田先生 15日間、勾留され、取り調べけました。当時の検察は横暴でした。私に「罪を認めなければ、戸田会長を逮捕する」と迫ったのです。悪いことなど、何一つしていないにもかかわらず、です。
 苦悩しました。やっていないことを認めるわけにはいかない。しかし、戸田先生の身に、もしものことがあれば……。
 そして私は、戸田先生を守るため、いったんは罪を認め、裁判で正義を示し切ることを決意したのです。
 戸田先生は、「裁判長は、必ずわかるはずだ」「最後は勝つ」と言われました。
 弁護士は、私に、〝無実であっても、検察の主張を覆すことは難しい。有罪は覚悟してほしい〟と告げました。裁判では、 検事が事実を曲げてでも、私に罪をかぶせようとしました。権力の魔性の底知れない恐ろしさです。
 4年半に及んだ裁判で、私は堂々と真実を語り抜きました。 裁判長の判決は「無罪」──。 正義を満天下に示すことができました。
 私は自らに言い聞かせました。どれほど多くの罪なき市民が、不当な権力に苦しめられてきたことか、と。そして、一生涯、信頼する青年たちと共に、 民衆を守り、民衆に尽くしゆくことを、誓ったのです。

 ──創価大学には、開学(71年)と同時に法学部が設立され、2004年には、法科大学院が開設。以来、昨年までで300人以上が司法試験に合格しています。

池田先生 頼もしいね! 卒業後の大活躍の様子も伺っています。
 私は、創価大学の法科大学院に、「邪悪を正す冷徹な知性」「人間を愛する温かな慈愛」「勝利を決する強靭な魂」との3指針を贈りました。この精神を胸に、皆さんの先輩方が、社会に雄飛しています。
 日運大聖人は、「智者とは、世間の法から離れて仏法を行ずるのではない。世間において、世を治める法を十分に心得ている人を智者というのである」(御書1466㌻、通解)と仰せになられました。
 大聖人ご自身も、凶暴な権力から、民衆の正義を守るために、「問注」という当時の裁判を通して戦われ、見事なる勝利の歴史を刻まれています。
 ともあれ、人間のため、民衆のため、正義のため──ここに真の法律家の魂がある。皆さんの中から、そうした力ある法律家が一人でも現れれば、社会は必ず、変わっていきます。
 未来と世界平和の扉を大きく開くのは、君たち、貴女たちの正義のスクラムなのです。


第4回 言論人──希望を贈る賢者  (2017年8月1日付 未来ジャーナル)

言葉の力で友を笑顔に!

 ──「未来部躍進月間が明るくスタートしました(8月31日まで)。メンバーは夏の太陽のように元気いっぱい、勉学に、部活動等に努力を重ねています。中学•高校の3年生は、 進路を決める重要な時期を迎えています。

池田先生 みんな、よく頑張っているね。活躍の様子は、いつも聞いています。本当にうれしい!
 受験生の皆さん、ご苦労さま! ここからが勝負です。これまで思い通りに勉強が進んでいなくても、今から、いくらでも実力を伸ばしていける。
 どうか、健康第一で、「きょうもベストを尽くそう」と、自分らしく思い切り挑戦していってください。私も妻と、朝な夕な、皆さんの前進と勝利を真剣に祈っています。

 ──伝統の「読書感想文コンクール」「E1ランプリ」も始まりました。毎年、全国や海外から寄せられる力作に、担当者が感動しながら審査に当たっています。

池田先生 私も毎年、とても楽しみにしているよ。皆さんの力作を拝見すると、希望が広がります。美しい心、新鮮な発想、あふれんばかりの想像力、豊かな表現力……。いつも感心しています。
 何より「応募してみよう」「やってみよう」との、心自体が尊い。チャレンジする一人一人の頭に、私は〝青春勝利の月桂冠〟をかぶせてあげたいんです。

 ──そこで今回は、「書く」ことに携わる職業を取り上げていただきたいと思います。
 新聞記者や雑誌編集者、ジャーナリスト、作家等々、「書く」職業はたくさんあります。 また、どんな仕事に就いても、 企画書や報告書をまとめるなど、文章力は必要不可欠です。

池田先生 その通りだね。
 幸福な人生とは何か—それは、使命に生きることだ。我が使命を果たすために戦い抜くことだ。その戦いを勝ち抜く非暴力の武器が「言葉の力」であり、「書く力」です。
 私が少年時代になりたいと思った職業は、新聞記者でした。
 19歳の夏、戸田城聖先生と出会い、やがて師弟の語らいから聖教新聞が生まれました。
 そして私は、先生と共に、書いて、書いて、書きまくり、夢がかないました。全て恩師のおかげです。
 言葉には力がある。思いを伝え、心を動かし、共々に人間革命していくパワーが、文字にはあります。
 日蓮大聖人は「仏は文字によって人々を救っていく」(御書153㌻、通解)と仰せです。
 言葉は、どんな距離も超えて、人と人を結びます。空間も時間もやすやすと超えて、過去を今に伝え、今を未来へと伝えます。なかんずく文字には、永遠性の力があります。
 一方で、人を傷つける言葉や嘘の言葉もある。人々の心を引き裂き、惑わす卑劣な言葉も少なくない。社会を混乱させる言論が存在するのは、まぎれもない事実です。ゆえに、正義の走者たる皆さんは、邪論を鋭く見破っていく眼を培ってほしい。
 戸田先生は、「広宣流布は言論戦」と言われました。人々を幸福に導く言論、邪悪を喝破していく言論を広げていことが、そのまま世界平和につながっていくのです。

 ──いざ原稿用紙を前にすると、「何を書けばよいか思い付きません」と語るメンバーもいます。「どうしたら上手に文章が書けますか」との質問もありました。

池田先生 いきなり原稿用紙に向かわなくても、携帯電話でもパソコンでも、メモ用紙でも、何を使って書き始めてもいいんだよ。堅苦しく考える必要はありません。また、たとえ短くとも、想いを込めた文章は伝わります。短歌は31文字だし、 俳句は17文字です。最初から、うまく、長く書こうなんて思わなくていいんだ。
 考えすぎないで、まず手を動かして書いてみる。書いていくうちに、考えも深まる。自分の新しい一面を発見することだってできる。文章は、書けば書くほど、うまくなります。
  大事なことは一点、心が光っていることです。文を書こうとすることは、すでに偉大な挑戦なんです。皆さんが書く文章には、テス卜のような「不正解」はありません。それぞれが「正解」です。だから人と比ベる必要もないんです。
 もし、何も思い浮かばなかったら、本を読んで心に響いた一文を「書き写す」ことから始めてみてはどうかな。「これはいいな」と思った言葉や文章を、ノートに書き写してみる。
 若き日のナポレオンは、「読書の鬼」でした。絶えず本を開き、大切なところはノートに書き写したそうです。私も青春時代から、日本や世界の名著を読んでは、「書き写し」を実践してきました。
 日記を書くことも、良い練習になるよ。その日にあった出来事や感じたことを、素直に記していけばいい。自分との対話です。世界中で読まれている『アンネの日記』も「キティー」という自らの分身との語らいでした。一日を振り返って一言でもつづっていけば、それが自らの黄金の記録になります。文章を書くことは、自分を励まし、自信を深める力なんだね。

 ──池田先生は若き日、戸田先生のもとで、編集者として働かれました。

池田先生 懐かしい原点です。戸田先生が経営していた出版社「日本正学館」で、雑誌 「冒険少年」(後に「少年日本」と改題)の編集を担当しました。若き編集長として〝日本一の少年雑誌を!〟と、全力で取り組んだのです。
 連載の企画や、原稿の依頼・受け取り、挿絵の依頼、レイアウトなど、一人で何役もやりました。作家の都合がつかない時には、「山本伸一郎」のペンネームで、自ら偉人の伝記を執筆したこともありました。
 みんなが今、何を読み、求めているのか、直接、子どもたちの意見も聞いて回りました。未来に生きる子どもたちに、少しでも勇気と希望を送りたい! どんなに疲れていても、子どもたちのことを思えば、カと知恵が湧いてきました。
 うれしいことに、「鉄腕アトム」や「火の鳥」などで知られる大漫画家の手塚治虫先生も、「この本(『冒険少年』)からは、何か特別な情熱みたいなものを感じたよ」「『冒険少年』 は、ぜひ描きたい雑誌だった」 と述べてくださいました。
 やがて、戦後の経済の混乱の中で、会社が経営不振となって、雑誌は休刊を余儀なくされましたが、この時の経験は、私の文筆活動の礎です。
 青春の労苦に、何一つとして無駄はありません。

 ──将来、ジャーナリストを目指すメンバーから「さまざまな情報があふれる現代にあって言論人に大切なことは何でしょぅか」との質問がありました。

池田先生 鋭い質問だね。
 何より大切なのは「信念」です。戸田先生は、「信なき言論、煙のごとし」、すなわち信念のない言論は、所詮、煙のように消え去っていくと喝破されました。
 最高の信念は、妙法の信仰です。広宣流布に生きる以上の信念はありません。ゆえに、若くしてこの信仰を持った皆さんは、たとえ自分自身は書くのが不得意だと思っていたとしても、生命の奥底からは、「言葉の泉」が、こんこんと湧き出てくるんです。
 そして皆さんが真摯に書き、 語った本物の言論は、必ず時代を動かしていきます。
 忘れ得ぬ〝ペンの闘士〟に、 中国の大文豪・巴金先生がいます。私も4度、語り合いました。先生は世の毀誉褒貶にも揺るがず、幾多の困難をを耐え抜き、勝ち越えました。
 作家活動は、70年間に及びました。晩年は、けがや病気で、 握ったボールペンが何キロもの重さに感じたこともあったといいます。
 それでも、「私はペンに火をつけて、わが身をを燃やします」と、命懸けの言論闘争を貫き、 一日に200字、300子字ずつでも、毎日、書き続けました。著者の秘訣は「心を読者に捧げることです」と。
 誰のために畜くのか、民衆のため、人々の幸福のため、そして全ての母が、全ての子どもが、 笑顔になるために書く。これ以上の正義の言論はありません。
 牧ロ先生、戸田先生の言論は、まさに真の正義でした。苦悩に沈む友を、断じて不幸にしてなるものかという烈々たる信念に貫かれ、どこまでも温かく、慈愛に満ちていました。だからこそ、悪に対しては鋭く、厳しかったのです。この両先生に、私も続きました。
 涼やかな瞳の未来部の友から、「どうして、そんなに、たくさん小説などを書かれるのですか?」と質問を受けたことがあります。
 私は、こう答えました。
 「それは、人を励ますためです。一人でも読んだ人が励まされるならと思い、私は書くのです」と。
 皆さんのお父さん、お母さんのため、そして、君のため、貴女のため、読んでくれる「一人」 のために、その顔を思い浮かべれば、ペンを執らずにはいられません。後継の皆さんは、この師弟の言論戦に続いていってください。
 創価の父母たちは、どれほど、いわれのない悪口を浴びせられ、悪らつな嘘を書き立てられたことか。そうした悪口罵詈など、未来永遠に圧倒していく正義と真実の言論を放っていただきたいのです。

 ──8月24日は「聖教新聞創刊原点の日」です。1950年のこの日、戸田先生と池田先生の語らいで、聖教新聞の構想は生まれました。そして、師弟の闘争で事業の苦境を勝ち越え、 翌51年4月20日、創刊されました。

池田先生 「聖教新聞を日本中、世界中の人々に読ませたい」それが戸田先生の願いでした。その願いの通り、聖教新聞は世界の〝セイキョウ〟として愛され、デジタル時代を迎えて地球のすみずみにまで読者を広げています。
 今、私は愛する未来部の皆さんに真実の歴史を伝え残すために、小説『新・人間革命』を、 毎日、書きつづっています。
 未来部員の中からも、立派な言論人が続々と育ち、世界的な大文豪もか必ずや誕生することを、私は大確信しています。
 これからのリーダーは、ますます「書く力」が大切になります。21世紀のの大指導者に育ちゆく皆さんは、この夏も、夢に向かって、実力を磨いていってください。
 日本中、世界中に、皆さんがつづり、語る、希望の言葉を、 今か今かと待ち望む人たちが大勢いることを、心に刻み、思い描きながら!

第5回 「科学の時代」をリード      (2017年9月1日付 未来ジャーナル)

「生命の世紀」の開拓者《パイオニア》たれ!

 ──先月、創価大学で「全国未来部夏季研修会」「首都圏中等部夏季研修会」が行われました。未来部の研修会では、さまざまな分野で活躍する先輩方が講演する「ドリームブース」が大好評でした。

池田先生 うれしいね。忙しい中、後輩のために駆け付けてくれた先輩の皆さん方に、心から感謝します。本当にありがとう! 宇宙開発に携わる創大出身の先輩も来てくれたんだね。

 ──はい。未来部メンバーは、宇宙科学の最前線を走る先輩の講義に、胸を膨らませていました。

池田先生 ロマンが光っているね。私も、恩師・戸田城聖先生から天文学を教わりました。忘れ得ぬ「戸田大学」での一こまです。先生は万般の学問を個人教授してくださり、教材も当時の最新のものが選ぱれました。
 『新科学大系』というシリーズもそうです。新刊が出た数日後に、早朝の講義で取り上げられたこともありました。〝これからの指導者は、何でも知っておかなければならない。学会は時代の最先端をいくのだ〟との先生の訓練でした。
 科学は日進月歩です。新たな発見や技術が次々と誕生していきます。だからこそ皆さんも探究心を燃やし、いつも生き生きと学んで、時代をリードする力をつけていただきたいのです。
 アメリカ創価大学では2020年を目指し、新しい校舎である「科学棟」の建設と、新たな集中コースである「生命科学」などの開設へ、本格的な準備が始まっています。生命の可能性を開花させゆく科学の新時代へ、哲学と人格を兼ね備えた世界市民を育む、希望の一歩です。

 ──今回のテーマは「科学」です。現代では、科学技術と無関係の職業はないといえます。人工知能(AI)の発達が仕事にどう影響していくかなども、注目されています。

池田先生 「科学」と聞くと、難解そうな数式や専門用語が浮かんでくるかもしれない。しかし、私たちの周りは科学の果実であふれています。
 身近なスマートフォンも、そうでしょう。昔なら考えられなかったようなことが、手のひらで、簡単にできる時代になりました。
 車の自動運転が発達して交通事故がなくなることも期待されています。夢物語だった月旅行や海底探検が、簡単にできる時代も来るでしょう。すでに、コンピューターの世界を通して、その場にいながらにして地球のどこにでも行ったような体験ができるようになってきました。目を見張る未来が、皆さんの前に広がっているのです。

 ──世界的な環境学者のヴァイツゼッカー博士が、池田先生をとの対談で、地球的な課題を克服する科学技術の役割を強調されていました。

池田先生 私は、世界の各分野の科学者と語り合うことを大切にしてきました。戸田先生から学んだ時のように、科学の最先端や基本的な原理を、どんどん質問しました。聖教新聞を通して、多くの人に分かりやすく伝えられるようにと心掛けてきました。民衆が科学の知識を深めることが、平和の力になるからです。
 科学の力、科学の可能性は本当に大きい。
 とともに、科学には〝両面〟があります。スマートフォンだって、あらゆる人とつながりやすくなった一方で、誰かを簡単に傷つけてしまう場合がある。
 科学の発展が、そのまま人間の「幸福」につながるわけではない。良い影響を及ぼすこともあれば、悪い影響を与える存在にもなるのです。
 その最悪の例が、核兵器です。
 多くの尊い生命を一瞬のうちに奪い、一人一人が幸福な人生を歩むために積み重ねてきた努力も、皆で長い時間をかけて育んできた貴重な文化や歴史の宝も、全て破壊してしまう──この理不尽さに、核兵器の残酷な非人道性が表れています。科学の進歩が行き着いた先に、なぜこのような「人間の生存を否定する悪魔の兵器」を生み出してしまったのか。
 大歴史学者のトインビー博士は、私との対談集の最終章で、科学技術の水準が急速に上昇してきたのに、人間の心は少しも向上してこなかったことを指摘されました。
 大事なのは人間の心です。その心が、どこに向いているかです。科学が進歩すればするほど、それを扱う人間自身も進歩しなければならない。心を鍛え、人間性を磨かなければならない。そうでないと、協調は排他へ、創造は破壊へと、いとも簡単に転じてしまう──これが20世紀の教訓だったといえるでしょう。
 科学の力を、人間の幸福のために正しく位置づけ、リードする哲学が今こそ求められています。この時代の要請に応えゆくのは、仏法の生命尊厳の哲学を若くして実践する未来部の皆さんであると、私は声を大にして宣言したいのです。

 ──20世紀は「科学の爆発」の時代だと強調したのは、世界的な物理学者・平和活動家であり、池田先生と対談集を発刊した、ロートブラット博士です。「私と池田会長は、異なる立場から出発して、同じ結諭に達しました」と博士が言われていたのが印象的でした。

池田先生 博士と私が達した結論もまた〝一切の根本は人間である〟〝人間の心の変革に、平和を築く鍵がある〟という点です。博士は、核兵器廃絶を目指す科学者の組織「パグウォッシュ会議」で、初代事務局長、会長などの要職を歴任した〝行動する科学者〟です。
 1908年、ポーランドのワルシャワで生まれ、戦時下の貧困に苦しむ中、〝科学を通して戦争のない世界を創ろう〟と、夢を広げました。学費を払う余裕がないため、「高等学校に行けないならば、自分で勉強すればよい」と、15歳の時から、昼は電気技師として働き、夜は本を読んで猛勉強を重ねました。
 御聖訓には、「鉄《くろがね》は炎打《きたいう》てば剣《つるぎ》となる」(御書958㌻)と仰せです。偉大な人は皆、どんな逆境にあっても、くじけない。それを成長へのバネとして、徹して学び鍛えて、自分を磨き上げていくのです。

 ──博士は、アメリカの原爆開発プロジェクト「マンハッタン計画」に参加した一人ですね。〝ヒトラーが先に原爆を開発すれば恐ろしいことになる〟というのが参加を決めた理由でした。しかし、ナチスが原爆を製造していないことを知ると、完成前に離脱しました。

池田先生 平和の信念の選択をした博士に対し、周囲は〝敵国の協力者〟との悪口を浴びせました。しかし博士には、〝科学を平和のために〟との少年時代の誓いがありました。だから、勇気をもって行動したのです。
 しかし、結局、広島、長崎に原爆が投下されました。博士は、大地が崩れ落ちるほどの衝撃を受けたそうです。
 その後、博士は核物理学から放射線医療の研究に転進しました。それは、自分が行った研究が人々のためにどう役立っているかを、自分の目で見える所で使われてほしいという切なる願いからでした。
 人任せにしない。結果に責任を持つ──博士の姿勢は、科学者だけではなく世界の指導者の模範です。未来を担う皆さんにも大切にしてほしい心です。
 博士は、核兵器の廃絶を世界に訴え続け、連帯を広げてきました。沖縄で博士とお会いした時、来日の長旅を気遣い、「お疲れになったでしょう」と声を掛けました。
 91歳の博士は、ほほ笑みながら、「私は疲れることを、自分に許さないのです」と言われました。博士は述懐しています。「使命を果たすには、あまりにもなすべきことが多くありすぎまて、とても疲れている暇などなかったのです」と。
 人は、自らの使命を自覚したとき、最も強く、最も正しく、自分自身の英知と力を思う存分にに発揮していくことができる。皆さんも、博士のように、青春時代の誓いと使命に生き抜く勇者であってください。

 ──かつて池田先生は、「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」との指針を創大生に贈られました。科学の探究においても、重要な指針です。

池田先生 〝私は学ぶ! 学び続ける! 父母のため、友のため、民衆の幸福のために! 世界の平和のために!〟──創価教育の根本精神です。
 人間の幸福を忘れてしまえば、〝学問のための学問〟〝人間を手段とする学問〟になって しまう。科学を人間の幸福に奉仕する学問にするには、常に「何のため」と問い続けていく以外にありません。「何のため」との問いこそ、偉大な探究と創造の道を開くキーワードです。
 「科学の世紀」を「戦争の世紀」にしてしまった20世紀──皆さんは、その終幕から希望の21世紀を先導する転換期に生まれた不思議な世代です。
 21世紀を「生命の世紀」「平和の世紀」へと転じていく。それが、皆さんの深き深き使命なのです。

 ──本年は戸田先生の原水爆禁止宣言から60周年。その重要な佳節に、国連で「核兵器禁止条約」が採択されました(7月)。

池田先生 人類の大きな転機です。核兵器を「絶対悪」と断じ、その全面禁止を求めた戸田先生の精神が、いよいよ国際社会の規範となりつつあります。核兵器廃絶への民衆の連帯を、いや増して強めていかねばなりません。
 1957年の9月8日、先生は5万人の青年を前に、神奈川の天地で、「原水爆禁止宣言」を発表されました。原爆は、人間の心の中にある悪が生み出した魔物です。ゆえに先生は、〝人間の生命の魔性の爪〟をもぎ取ろうと、青年に「遺訓の第一」として託されたのです。
 以来、60星霜、私は、この恩師の師子吼を、片時も忘れたことはありません。世界の指導者と対談を重ね、毎年、平和提言などを通し、恩師の精神を訴えてきました。創価学会・SGIも、世界で平和の展示活動やシンポジウムなどに積極的に取り組んできました。
 核兵器廃絶という平和の闘争に生きたロートブラット博士が、最も信頼したのも青年でした。私も今、全く同じ気持ちです。世界の友と手を携え、この地球に平和の大潮流を起こしていってください。
 さあ、君も、貴女《あなた》も、「生命の世紀」の英知光る開拓者《パイオニア》として、共に立ち上がろう!
2017-09-07 : 未来対話 夢の翼 :
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光の星のメッセージ 第1回〜第5回

光の星のメッセージ

第1回 ハワイの「砂の白馬」   (2017年5月1日付 少年少女きぼう新聞)

平和をつくる「アロハの心」

 地球は、命の星です。
 私たちが生きる世界には、たくさんの命が満ちています。
 鳥も虫も魚も、花や木も、生きています。道ばたを見れば、コンクリートのすき間からも、たくましく草が伸びています。
 そして、どの国でも、元気な少年少女たちが育っています。
 この世界を、生命かがやく平和な「光の星」にしたい。私は、この願いをこめて、いろんな国へ行って、多くの人と友情を結び、未来を語り合ってきました。
 その旅の中で、私が時間を見つけては、続けてきたことがあります。それは、写真をとることです。
 〝日本でがんばっている友人たちにも見せて、いっしょに旅をしたような、楽しい気持ちになってもらいたい。他の国の人たちとも、美しい景色を共に味わい、友情を深めたい〟──そんな思いからでした。
 写真は「光のまほう」であり、「心の窓」です。この光で照らせば、「今」という 〝しゅんかん〟を「永遠」にとどめることができます。この窓を開ければ、世界のどこの国にでも行けます。
 さあ、少年少女部のみなさん!  いっしょに、この「光の窓」から 〝世界旅行〟に出かけよう!
 この命の星に生き生きとかがやく、花や草木、山や海、家や街、 公園や港などの風景から、にぎやかなメッセージを聞きとろうよ!
        ★ ★ ★ ★ ★
 見わたす限りの、海、海、海。
 どこまでも広がる青い海原に白い波が立つ、太平洋の真ん中に、 火山のふん火でできた島々があります。
 アメリカの島、ハワイです。
 1960年、私が世界への第一歩を踏み出したのは、ハワイでした。師匠である戸田城聖先生の夢を受け継いで、平和の仏法を地球全体へひろめる旅を、私はハワイから始めたのです。
 うれしいことに、その後、たくさんのメンバーが増えていきまし た。初めての訪問から25年たった1985年7月には、みんなで平和をちかう文化の祭典が、盛大に行われました。
 晴れわたる空とまぶしい太陽。 エメラルドグリーンの海。
 しお風にゆれるヤシの木。
 滞在していた宿舎で会合の準備をしていた時です。外から、楽しそうな声が聞こえてきます。
 窓の外を見ると、白い砂浜の上を駆け回る、子どもたちの姿がありました。
 未来っ子の明るい元気な声こそ、みんなの希望です。平和の力です。私も、とってもうれしくなりました。
 バルコニーの真下の砂浜に目がとまりました。そこに、すてきな白い馬がいたからです。まるで今にも走りだしそうな、砂でつくられた白馬でした。
 私は、思わず手元のカメラのシャッターを切りました。そして、心の耳をすましたのです──。
        ★ ★ ★ ★ ★
 砂浜に打ちよせる波の音が、ひびいています。
 「やあ、元気かい? 気持ちのいい日だね!」
  波くんが、砂浜の白馬くんに話しかけました。
 「こんにちは! すばらしい天気だね。散歩にでも、出かけたいな」
 砂の白馬くんは、そう言って起き上がり、みぶるいをして、動きだそうとしています。
 波くんは、白馬くんの近くまで来ては、「またね」と海に帰っていきます。砂でできた白馬くんの体にさわって、こわしてしまわないように気づかっているのです。
 やさしい波くんと白馬くんとは、同じ浜辺で楽しくお話しする、仲のいい友だちなのです。
 「ハワイは、いいところだね」
白馬くんは言いました。
 「あたたかくて、気持ちいいね。こんな平和な日が、いつまでも続けばいいのにな」
 すると、そばで聞いていたヤシの木さんも、そよそよとうなずいて、おしやべりに参加します。
 「そのとおりよね。でも……」
 ヤシの木さんは、少し悲しそうに、広げた葉をふるわせました。
 「楽園のようなこの島でも、私のおじいさんが生まれたころ、ひどい戦争があったのよ。
 ばくだんを落とされ、建物や船がこわされて、何人も、命を失ってしまったの」
 それを聞いていた波くんも、言いました。
 「戦争で、しずめられた船が、今でも海の底に、横たわっているんだよ。
 戦争が終わってから、もう何十年もたっているのに、今も船からは、油がもれ出しているんだ。
 人間が二度とそんな戦争をくり返さないように、教え、ちゅういしているんだ」
 波くんとヤシさんのお話を聞いていた白馬くんが言いました。
 「人間は、なぜ、戦争なんかしてしまうんだろう。
 なぜ、敵と味方に分かれて、争ってしまうんだろう。みんな地球の仲間なのにね」
波くんは答えます。
 「そうだよね。ぼくたちみたいに、みんなちがって、いろいろだから、いいのに。砂だけの地球でも、波やヤシの木だけの地球でも、全然おもしろくないよ」
 するとヤシさんは言いました。
 「だから私たちは、ずっと仲良しでいきましよう!
 もちろん、ヤシの実を砂にぶつけてしまうこともあるし、砂が風にあおられて暴れることもあるけど、すぐに仲直りよ。
 それが、ハワイの『アロハ』の心だもの」
        ★ ★ ★ ★ ★
 「アロハ」とは、「こんにちは」「ようこそ」など、いろいろな意味を持つ、あいさつの言葉です。
 さらに「おはよう」や「さようなら」「大好きだよ」という意味まであるのです。
 だから、「アロハ」とあいさつされた人は、心があたたかくなり ます。「アロハ」と言った人も元気になります。私も、ハワイの友と何度も「アロハ」とあいさつをかわしてきました。
 ハワイの友人たちは、どんな人とでも家族のように仲良くなり、はげまし合い、平和をつくる「アロハの心」を大切にしています。
 それは、どんなにひどい戦争や暴力にも負けず、自分と人とのちがいをみとめ合い、相手を大切にしていこうとする心なのです。
 私は、ハワイの人たちが伝えてきた、相手を思いやる「平和の心」を世界中に仏げる思いで、これまで、54カ国・地域を訪問してきました。みなさんのお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさん、近所の学会のおじさん、おばさんたちも、私と同じ思いでまわりの人をはげましてくれました。
 そして、きょうも、平和のために、行動してくれています。ハワイでも、今、多くのSGIのメンバーが、活やくしています。
 みなさんも、白馬に乗って、さっそうと世界中に平和の友情を結ぶような人になってください。
 いつか、お父さんやお母さんをハワイなど世界に連れて行っていただきたいとも願っています。
 では、また来月、お会いしましよう!  アロ丨ハ!
                  
第2回 ロサンゼルスの「花かご」   (2017年6月1日付 少年少女きぼう新聞)

自分の良さを光らせよう

 どこまでも広がる青空のもと、色あざやかな花が咲いています。
 ここは、アメリカ•カリフォルニア州のロサンゼルスです。映画の都ハリウッドがあることで有名な、とても大きな都市です。
 「晴れの日」が1年間に300日もあり、「太陽の街」と呼ばれています。
 近くのサンタモニカには、アメリカSGIの本部があります。そしてロサンゼルス南東のオレンジ郡には、わがアメリカ創価大学のキャンパスが広がっています。この5月、13回目となる卒業式が行われ、世界国々から集った英才たちが、使命の舞台へ羽ばたいていきました。
 みんなもいつか行ってみてね。
 アメリカ創価大学が開学したのは、2001年の5月3日です。 21世紀とともに出発しました。その5年前の1996年6月、私は、開学の準備などのため、ロサンゼルスを訪れていました。
 車から降りると、きりっとした街灯に、美しいゼラニウムの花々が、かごに入ってかざられていました。赤い色はお姉さん、ピンク色は妹さんみたいでした。街灯が、明るい姉妹の花と、楽しく話し合っているように見えました。
 私はカメラを取り出して、シャッターを切りました。すると、その楽しそうなおしゃべりが聞こえてきたのです──。
        ★ ★ ★ ★ ★
 「こんにちは! すばらしい天気ね」
 ゼラニウムの姉妹が、街灯くんを見上げながら声をかけました。
 「ああ、気持ちのいい青空だよ。みんなもきれいに咲いたね」と、街灯くんが答えました。 「ありがとう。うれしいわ」
 姉のレッドさんが、ほほえみました。
 「さっき、歩いていた人も、私たちを見て、思わず笑顔になっていたわ」
 妹のピンクさんも、ほこらしそうです。
 街灯くんは言いました。
 「2人はいいね。人を笑顔にできるから」
 レッドさんは、しばらく考えた後、やさしく語りました。
 「でも、私たちも最初から、みんなを笑顔にできたわけじゃないわ。まだ『種』だった時は、だれも見てくれなかったもの」
 ピンクさんも語り始めました。
 「種の時は小さくて、色も決して『きれい』とは言えないし……。『君が花になるなんて信じられないよ』と笑われたこともあったわ」
 レッドさんが続けます。
 「それでも私たちは信じてたの。『必ず花を咲かせられる』って。でも1人でがんばったわけじゃないわ。水やりをしてくれる人がいたり、恵みの雨が降ったり、太陽が光のエネルギーをいっぱいくれたりしたの。『負けないで!』って」
 街灯くんは、つぶやきました。
 「そうだったんだね。今では想像もつかないなあ。君たちが咲いてくれたおかげで、ぼくも鼻が高いよ。いつもは全然、見向きもされないからね」
 レッドさんが、花びらをふるわせました。「そんなことはないわ。街灯くんにしかできないことが、あるじやないの!」
 街灯くんは「何のこと?」と、 首をひねりました。
 ピンクさんが答えました。
 「街灯くんは、夜になると、明かりがつくでしょ? その明かりがあるから、みんな、ほっと安心できるのよ」
 レッドさんは「そうね。それに、街灯くんが、私たちを高くつり上げてくれるから、みんなが見くれるんですもの」と。
 ちょうど日が暮れてきました。
 街灯くんの表情が、パッと明るくなり、ランプに明かりがともりました。
 花の姉妹は、声をはずませました。「わあ、とっても明るいわ。 やっぱり、かがやく笑顔が、街灯くんにはぴったりだわ!」
 夕暮れのロサンゼルスの空に、3人の笑い声がひびきました。
        ★ ★ ★ ★ ★
 花には、花の色や咲き方などに合わせた「花言葉」があります。
 ゼラニウムの花言葉の1つは、「尊敬」です。「尊敬」とは、どんな相手にも、良いところを見つけて、大切にしていく心です。
 お父さんやお母さんや家族、学校の先生方や仲良しの友だちは、 みなさんにとって大切な人たちです。クラスを見まわすと、いつもみんなを明るくする子もいれば、 ふだんは目立たないけど、いざという時に光る子もいるね。それぞれに、必ず良いところがあります。
 そう思って、まわりの人を見て大切にしていくと、今度はまわりの人が、みなさんの良いところを発見してくれるようになります。
 人を尊敬できる人が、やがて人から尊敬される人になるのです。
 人に向かって「あなたを尊敬しています」とは、なかなか言えませんね。でも、大丈夫です。だれにも言えて、相手に尊敬の心を伝える2つの言葉があります。
 1つは、「おはよう」です。 朝、起きて、お父さん、お母さんに言えば、尊敬の心が伝わります。笑顔をそえれば、最高の親孝行です。「おはよう!」と元気に朝を出発すれば、学校の先生やクラスのみんなにも「おはよう」「こんにちは」「さようなら」と、 その日一日あいさつができます。
 私も、少年時代、朝の新聞配達をしている時、会う人ごとに「おはようございます!」と、元気にあいさつをしました。すると、みんなニコニコして、声をかけてくれました。あいさつは、最高の尊敬の言葉なのです。
 もう1つは「ありがとう」です。感謝を伝えることは、最高の尊敬の心を伝えることです。ごはんを 作ってくれて「ありがとう」、知らないことを教えてくれて「ありがとう」、温かいはげましの声をかけてくれて「ありがとう」……。
 「ありがとう」は、相手に尊敬の心が伝わるとともに、言えば言うほど自分も元気になっていく、とてもふしぎな言葉です。
 私は、広宣流布という、世界に平和と幸福の花を広げていく運動を私といっしょに進めてくださっている、みなさんのお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、一人一人にお会いして、「ありがとう」と申し上げたい気持ちでいっぱいです。私の後をつぐ少年少女部のみなさんは、どうか私にかわって「ありがとう」をたくさん言ってください。
 みなさん、今回も続んでくれて、ありがとう!
 みなさんが伸び伸びと、自分らしく成長することが、私にとっても、世界の創価家族にとっても、1番の希望です。ありがとう!
                           

第3回 カナダ「ナイアガラの滝」   (2017年7月1日付 少年少女きぼう新聞)

続けることは偉大な力

 私たちは、いくらでも大きくできる、ふしぎな宝物を持っています。いったい、何だと思います か? それは、「心」です!
 心は大海原よりも深く、大空よりも広々と、大宇宙さえも包みこんでいける大きさがあります。
 それなのに、小さなことにとらわれて、友だちとけんかばかりしたり、終わったことにいつまでもクヨクヨしたりしていては、もったいない。
 大きな大きな心で、みんなと仲良く前へ進んでいこう! 新しいことを、どんどん学び合っていこう! そう決めると元気がわき、笑顔にもなります。
 私には、大きな自然に恵まれた国で、大きな心をもって、仲良く楽しく前進している友人たちがいます。そんな国の1つが、アメリ力のとなりにあるカナダです。日本の約27倍もの面積です。
 1960年の秋10月、私は初めてカナダを訪れました。飛行機の窓から見わたす限りの大地に木々の葉が広がり、あざやかな赤や黄色のじゅうたんのようでした。
 すばらしい「ナイアガラの滝」にも出あいました。
 この滝はアメリカとカナダの間を流れる川にあり、3つの滝が並んでいます。1番大きなものは、水が50メートル以上も下に落ち、幅は675メートルもあります。 世界一の東京スカイツリーの高さが634メートルだから、それよりもさらに広いんだね。
 近づくと、ものすごい量の川の水が真っ逆さまに落ちて、地鳴りのような音がとどろいてきます。
 私は1981年の6月にも、青年たちと、ナイアガラの滝に行きました。巨大な滝は、20年以上をへても、まったく変わることなく流れ続けていました。
 まるで、川が大きな口を開けて、ごうかいに笑っているようにも見えました。数え切れないほどの水しぶきは、楽しそうに、はしゃいでいる子どもたちのようです。
 私は、そのにぎやかな語らいを聞く思いで、カメラを向けました。
        ★ ★ ★ ★ ★
 ざざざー、ざざざー。
 ごごー、ごごごー。
 「わっはっはー。やあー、こんにちはー。気持ちいい日だねえ」
 ナイアガラおじいさんは、きょうも元気に笑っています。その笑い声は、ずっと昔から変わることなく、おおらかで、明るく、力強いのです。
 ナイアガラおじいさんのまわりには、いつも、数えきれないほどの水しぶきが、太陽に照らされてキラキラと光っています。みんな、この川で生まれた子どもたちです。
 「きゃっ、きゃっ!」
 「わーい、わーい!」
 「ナイアガラおじいさん、こんにちは!」
 子どもたちは、とびはねて遊ぶと、また、滝の中に帰っていきま す。ナイアガラおじいさんが、大きな声で言いました。
 「みんなー、この先には、大きな湖があるよー。そして、さらに川を下っていくと、広い広い海に出るぞー。さあ、手をつないでー。わっはっはー」
 水の子どもたちは大はしゃぎ。
 「わー、とびこむぞー!」
 「高いよー!」
 子どもたちの中には、おとなしい子も、ちよっとこわくて泣いている子もいます。
 「大丈夫だよ!」「心配ないよ!」
 ナイアガラおじいさんは、やさしく笑いながら、すべての子をしっかりとだきかかえ、川下の湖へと送り出すのです。
 水しぶきの子どもの1人が聞きました。「おじいさんは、いつから、ここにいるの?」
 「そうだねえ」と、ナイアガラおじいさんは、少し考えました。
 「1万2000年くらい前からかな。実は昔は、11キロも川下の方にいたんだ。でも、こうして、ずーっと水が流れ続けるうちに、 岩でできた川の底が、少しずつけずれてきて、だんだん上流にうつってきたんだ。みんなが、力を合わせて流れ続けてくれたからなんだよ」
 「へえ—、すごい。ずっと流れ続けていれば、さらさらした水でも、かたい岩だって、けずることができるんだね!」
 子どもたちは、新しい発見に大喜びです。ナイアガラおじいさんは、にっこりして言いました。
 「どんなことでも、やり続ければ、思ってもみないような自分になれるんだ。それに、1つのことを一生けんめいにがんばっていると、だれかが見ていてくれるものさ。私もこうやって大きな声を出して、みんなと対話しているから、今では、たくさんの人が世界中から来てくれるようになったんだよ—」
 水しぶきの子どもたちは、いっせいにうなずきました。
 「ぼくたちも、挑戦だ!」「私たちも努力を続けましょう!」「さあ、みんなで海を目指して、仲良く出発だよ!」
 子どもたちが太陽の下で、勢いよとびはねると、大きな大きな虹があらわれました。
        ★ ★ ★ ★ ★
 ナイアガラの滝が、長い時間をかけて岩をけずったように、自分が決めたことを一生けんめい、やり続ければ、必ず成長できます。 願った以上の自分自身になれます。その「やり続けるパワー」を 引き出してくれるのが、題目なのです。
 だから、題目を唱えて、挑戦を始めてみよう。たとえば——
 早寝早起きをする。
 元気な声であいさつをする。
 部屋をかたづける。
 進んで歯みがきをする。
 勉強•宿題の時間を決めてやる。
 読書の時間をとる。
 毎日、「いつやるか」を自分で決めて、リズムをつくるといいね。 ちゃんとできたら、カレンダーなどに丸をつけるのも楽しいよ。
 できないときがあっても、また、挑戦すればいい。やった分だけ、自分の力になるんだから。へこたれないで、何度でも挑戦し続ける。この努力が大事だよ。
みなさんのお父さんやお母さんも、身近な人はもちろん、世界中の人たちを幸せにしたいという大きな心で、流れ続ける滝のように、毎日、祈り、はげましを送り続けています。本当に偉大です。
 そして、だれよりも、何よりも、みなさんの成長を願い、がんばってくれているのです。
 私たちは、世界中の人が明るく、楽しく、平和に生きていけるよう、大きな大きな心で祈り続けよう! 語り続けよう!
 そしてきょうも、自分のできることから挑戦を続けよう!
 とうとうと流れ続ける、ナイアガラの滝のように、たゆまず、おそれず、朗らかに!

池田先生とカナダ
 池田先生は、カナダを3度、訪れています。初訪問は1960年10月。信心をしていない1人の女性が、日本にいるお母さんからの依頼を受け、空港で出むかえてくれました。その女性が後に入会し、メンバーが全土に広がっていったのです。
 3度目は、93年9月から10月。7日間の旅の中で先生は、すばらしい人を生きるための5項目として、「懸命の生きる人生は美しい」「余裕ある人生は内実が豊か」「快活に生きる人生は強い」「 仲良く生きる人生は明るい」「誇りに生きる人生は崇高」と語りました。
 また、名門モントリオール大学の元学長で、「がん」という病気の研究で有名なシマー博士、同大学のブルジョ博士とともに『健康と人生』と題する本を刊行しています。
 本年は、先生がカナダの友に、長編詩 「ナイアガラにかかる虹」をおくられて30周年。記念の集いがが、各地で盛大に開催されました。


第4回 ブラジル「クワレズメイラの木」   (2017年8月1日付 少年少女きぼう新聞)

胸を張れ! 君も私も一番だ

 待ちに待った夏休み。みんな、元気にすごしているかな? 事故には気をつけて、楽しい思い出をつくってね!
 地球は広い。北半球の日本が夏の今は、南半半球では冬なんだよ。
 ちょうど去年の今ごろ、オリンピック•パラリンピックの大会が、ブラジルのリオデジャネイロという場所でおこなわれたのを、みんなは、おぼえているかな。
 ブラジルは、私の大切な友だちがいっぱいいる大好きな国です。
 ブラジルといえば、サッカーやサンバのおどりも有名だね。日本から見ると地球の反対側で、時差は12時間。夜、日本の私たちが一日の行動を終えようとする時、バトンタッチするように、ブラジルの友人たちが朝、はつらつと一日の行動をスタートするんだよ。
 面積は円本の約23倍。南米大陸の実に約半分にあたる、広大なスケールです。アマゾンのように熱帯林におおわれた地域があるかと思えば、大草原や大湿原も広がり、砂漠のような地域もあります。
 私はこれまで4度、ブラジルに行きました。4回目となった1993年2月から3月にかけての訪問で、サンパウロという南半球で最も大きな都市の近くにある、ブラジルSGIの自然文化センターを訪れました。
 日本は寒い季節でしたが、ブラジルは夏まっさかり。センターにはスイレンやハイビスカス、ヒマワリなど、SGIのみなさんが真心こめて育ててくれた花々が、色とりどりに咲き薫っていました。
 サンパウロを代表する木で、むらさき色とピンク色の花をつけた「クワレズメイラ」も満開でした。日本でいう、野ボタンの仲間で、英語では「むらさきの栄光の木」と呼ばれます。
 見とれていると、青空に、どこからともなく大きなわたあめのような雲があらわれました。さわやかな風が吹きわたり、まるで大自然が一体となって、みんなとおしゃべりしているかのようです。私は手元のカメラをかまえ、その声に耳をかたむけました──。
        ★ ★ ★ ★ ★
 おひさまの陽光さんが、ニコニコとかがやいています。その光をめいっぱい浴びているクワレズメイラの木のメイラさんは、とっても気持ちよさそうです。メイラさんは、陽光さんに語りかけました。
 「陽光さん、いつもありがとう。 毎日毎日、世界を明るくして、み んなを元気にしてくれる陽光さんは、本当にすごいわ。私は、陽光さんが『世界で1番』だと思うの。私も、陽光さんみたいになりたいな」
 陽光さんが、やさしく答えました。「そう言ってくれて、うれしいわ。でも白雲《しらくも》くんのほうが、もっとすごいと思うのよ。だって白雲くんは、いつも大空で伸び伸びしていて、いろんな形に変身できる。私をかくしてしまうことだってできるし、雨をふらせて草花の成長を助けたりもできる。白雲くんこそ、『世界で1番』よ」
 メイラさんは、大きくうなずきました。その時、地平線の向こうから、ちようど白雲くんがもくもくとやってきたので、メイラさん は声をかけました。
 「ねえねえ。陽光さんから、白雲くんが世界で1番だって聞いたの。だから私も、白雲くんみたいになりたい。どうすれば、なれるかしら?」
 白雲くんは言いました。「うわー、照れるなあ。でもやっぱり1番は薫風くんじゃないかな。薫風くんのおかげで、ぼくはいろいろな形に変身できるし、遠いところまで飛んでいけるんだから」
 メイラさんは、「なるほど」と思いました。すると、ちようどそこに、長旅をしてきた薫風くんが、元気いっぱい、ぴゅーっとかけぬけていこうとします。
 メイラさんは、大きな声で呼びとめました。「ねえねえ、薫風くん、薫風くん。私を薫風くんのようにしてください。私も1番になりたいんです」
 薫風くんは、おどろいたような顔をして答えました。「ぼくが、1番だって? いやいや、それなら、ぼくじゃないよ。だって、どんな風に吹かれても、ぜんぜん、 びくともしない木が、ブラジルにはあるというんだ。ぼくは、その木に会いに来たんだよ」
メイラさんが聞きました。
 「なんていう名前なの?」
 薫風くんは、ちよっと考えてから言いました。
 「たしか、『クワレズメイラ』 と言ったかな。なんでも、大地にしっかり根を張って、とっても美しい花を咲かせるらしいんだ。そう! 君みたいに!」
 「え?」。メイラさんはびっくりして、顔をピンク色にそめました。
 「私が……1番……?」
 陽光さんが、ほほえみました0「たしかに! 私も、いつだって、メイラさんの姿に勇気をもらっているのよ。だから毎日、いっぱい光を送ろうと、がんばれるの」
 白雲くんも言いました。
 「うん。ぼくは何にでも変身できるけれど、メイラさんみたいに、きれいな花は咲かせられない。メイラさんはずっと同じ場所でがんばって、みんなに喜びを広げている。 すごいことだよ」
 薫風くんが、そよそよと、さわやかな風を、みんなに送りました。
 「みんながみんな、だれかを喜ばせているんだ。みんながみんな、何かの1番なんだね」  どこまでも広がる夏の空に、楽しくにぎやかなおしゃべりの声が、いつまでもひびいていました。
        ★ ★ ★ ★ ★
 陽光さんは1番、明るい。
 白雲くんは1番、伸びやか。
 薫風くんは1番、元気。
 メイラさんは1番、がんばりやさんです。世界には、いろいろな 「1番」が、かがやいています。
 みなさんのまわりにも、いろんな1番の友だちがいるでしょう?
 勉強が得意な人もいれば、読書が好きな人もいます。スポーツで光っている人もいれば、絵や歌が上手な人もいるでしょう。
 時には、ほかの人をうらやましく思ったり、自分に自信が持てなくなったりすることもあるかもしれません。
 でも、落ちこむ必要なんてありません。なぜなら、君もあなたも、何かの「1番」になれるからです。だから、胸を張ろう!
 〝1番、親孝行をするぞ〟
 〝1番、友だちを大切にしよう〟
 〝1番、本を読もう〟
 〝1番、勉強をがんばるぞ〟
 〝1番、体をきたえるぞ〟
 自分が好きなことでも、興味があることでも、何でもいい。
 1番をめざし、努力していけば、何かの1番に必ずなれます。
 題目をあげれば、みんなの中にある「1番の力」が、どんどん引き出されていくのです。
 さあ、「挑戦の夏」がやってきました。自分の「1番」を光らせる冒険へ、元気に出かけよう!

池田先生とブラジル連邦共和国
 池田先生が初めてブラジルを訪問したのは、1960年10月のことでした。
 アメリカ、カナダを訪れた先生は、途中、体調をくずしてしまいました。心配したまわりの人たちは、次の訪問地であったブラジルへわたることに反対しました。しかし先生は、「私は行きます。私を待っている同志がいる」と、10月19日にブラジルのサンパウロへ。翌20日、海外初の支部である「ブラジル支部」が結成されたのです。
 メンバーは「良き市民」として、地域の発展に尽くしてきました。こうしたSGIの行動に信頼が広がり、池田大作博士環境公園など、創価の3代会長の名前がついた公園や通り、橋などが次々と誕生。先生には、ブラジルの最高勲章である「南十字国家勲章」、また150にのぼる名誉州民•市民証がおくられています。
 また、サンパウロには、ブラジル創価学園が創立され、みなさんの仲間が元気いっぱいに学んでいます。


第4回 ドイツ「二重の虹」
     (2017年9月1日付 少年少女きぼう新聞)

負けない心は 七色にかがやく

 この夏、台風や水害などで大変な思いをされた地域のみなさんに心よりお見舞いを申し上げます。
 「心に太陽を持て、そうすれば何ごとも良くなる!」
 これは、ドイツの有名な詩です(フライシュレン作)。
 大変であればあるほど、心に太陽を強く明るく、かがやかせていこうという、はげましです。
 どんなことがあっても、みなさんは、お父さんやお母さん、また地域の方々と力を合わせ、題目をあげて、乗り越えていってください。1番苦労した人が、1番幸福にかがやいていけるのが、題目という、何ものにも負けない希望と勇気の太陽の光なのです。
        ★ ★ ★ ★ ★
 ドイツで見た、忘れられない虹の思い出があります。
 それは、1994年5月、大都市フランクフルトの近く、ゼーリゲンシュタットという町に行った時のことです。
 ドイツは、第2次世界大戦の後、東と西の2つの国に分断されて、約30年もの間、自由に行き来ができなくなっていました。当時は、それがようやく1つになり、新しい国づくりが始まって4年後のことです。みんな期待と不安が入りまじっていました。
 私はドイツ、そしてヨーロッパのSGIのみなさんと、未来へ希望をつくりながら進もうと語り合ったのです。
 そのうち、急に空がくもり、やがて激しい雨が降り始めました。雨つぶが建物の屋根にぶつかり、大きな音を立てました。
 しばらくして、〝天の音楽〟がやんだので外を見ると、雨は上がり、太陽の光がさしていました。するとそこに、美しい虹が現れたのです。
 それは、大きな二重の虹でした。
 虹は、私たちがいた建物の前を流れるマイン川の船着き場から、天に向かって勢いよく伸びていました。
 ヨーロッパの友人たちのスクラムをたたえ、はげますような、希望と勝利の虹に、私は持っていたカメラを向けました。
        ★ ★ ★ ★ ★
 雨上がりの空に、仲良くならんで、きょうだいの虹がかかりはじめました。しっかりもののお姉さん「虹代さん」と、おっとりしている、弟の「虹太くん」です。
 あざやかにかがやく虹代さんにくらべて、虹太くんは、あまり元気がありません。「きょうは、調子が悪いなあ」と、つぶやいています。
 「虹太くん、どうしたの?」
 虹代さんが心配して声をかけると、虹太くんが答えました。
 「だって、とつぜんの雨だったんだもの。全然、準備ができていなかったんだ。姉さん、先に帰っていいかな?」
 虹代さんは、「出番にはいつでも飛び出していけるようにって、言っておいたでしょ!」と、少しあきれ顔です。
 「でも、おなかもすいちゃったし……」
 くじけそうな虹太くんを、虹代さんは笑顔ではげまします。
 「このマイン川は、すばらしいところよ。
 川のそばでは、おいしいブドウが作られているし、お城やきれいな町があって、観光船も、大変なにぎわい。そのみんなが私たちを見ているのよ。
 近くのフランクフルトの街だって、マイン川がそばを流れていたから、世界中の人に知られる豊かな街に発展したの。
 フランクフルトで生まれた大詩人ゲーテは、うたっているわ。
 『虹は晴れた空にかがやくものでしょうか? 雨を降らせてごらんなさい すぐに新しい虹が現れます』って。みんな、私たちが出てくるのを楽しみに待ってくれているんだもの」
 すると、「その通りじゃ」と、大きな声がしました。マイン川おじいさんです。
 「虹太くん、きょうは思った通りにいかなくて、ヘソを曲げているね。でも、こういう時が大事なんだ。苦しい時にがんばると、いつも以上に、いい仕事ができるものだ。わしの長い経験から、まちがいない」
 その言葉に、虹太くんは言い返しました。「どうせ、ぼくたちは消えてしまうじゃないか!」
 「ええ、そうよ!」と、虹代さんはきっぱり言いました。「たしかに私たちは、消えてしまうわ。でも、見た人たちの心に、勇気と希望を残していくことができる。とくに、こういう急な雨の後には、大喜びしてくれるじゃないの」
 「そうだね、その通りだね。じゃあ、ぼくも、もうひとふんばりするよ」
 元気になった虹太くんに船着き場のフナおじさんや、パラソルのパラおばさんたちも、声をかけます。
 「虹太くん、がんばれ!」
 「自信をもって! とってもきれいに見えているよ!」
 さらに、緑の森の木々たちも大きな拍手を送ってくれたのです。
 虹太くんは、ほこらしく胸をは張りました。
 「いやなことがあっても、投げ出さないで乗り切れば、必ずいいことが待っているね」
 マイン川の水面にも、2本の虹の七色が、晴れ晴れと美しく映っていきました。
        ★ ★ ★ ★ ★
 勉強の秋、スポーツの秋、読書の秋です。2学期は、音楽会や運動会、学習発表会などに向けて、新しい挑戦が始まりますね。
 がんばっても、うまくいかないことがあるかもしれない。なかなか気分がのらないこともある。でもそんな時が、逆にチャンスなのです。思い切って一歩ふみ出せば、必ず前進できます。
 たとえ失敗しようと、何度でも負けじ魂で立ち上がることです。
 「次は、もう5分長く勉強しよう」「今度は0・1秒、走るタイムをちぢめよう」「あしたは、もう1ページ多く本を読もう」と。必ず必ず、新しい道が開かれます。
 勤行や題目は、この負けじ魂を心の中につくってくれます。
 どんなことがあっても、自分に負けずに進む人の心には、希望の七色の虹が、かがやくのです。
 みんなは全員、負けじ魂をもった「ししの子」です。この2学期も元気いっぱい、挑戦しよう!

フライシュレンの詩は、『ドイツの名詩名句鑑賞』高橋健二編訳(郁文堂)から。ゲーテの言葉は内藤道雄訳、『ゲーテ全集1 新装普及版』(潮出版社)から

池田先生とドイツ
 池田先生が、初めてドイツを訪問した1961年10月は、東西冷戦と呼ばれる、世界が2つに分かれて対立する状態が続いていました。先生の訪問は、首都ベルリンが「ベルリンの壁」という壁によって真っ二つに分けられた、わずか2カ月後の事。先生はその前に立って、「30年後には、きっと、このベルリンの壁は取り払われているだろう」と語りました。
 ドイツSGIのメンバーは、池田先生と共に、世界の平和のために努力を続け、89年には先生の言葉通り、ベルリンの壁はなくなりました。今、ドイツはヨーロッパと世界の平和をリードする国です。
 池田先生は今まで、7回にわたってドイツを訪問しています。美しいライン川沿いの都市ビンゲンには、「ヴィラ・ザクセン」という白壁のお城のような会館があり、市の行事なども開かれる、平和と文化の発信地になっています。
2017-09-07 : 光の星のメッセージ :
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御書と歩む 51〜81

御書と歩む 51 池田先生が贈る指針   (2017・2・2付 聖教新聞)

仏縁の拡大は幸福の拡大

 されば此の経文をよみて見候へば此の経をきく人は一人もかけず仏になると申す文なり(千日尼御返事、1319㌻)

通解 (法華経の一字一句を読めば、一切経を読むことになる)それゆえ、この経文(方便品の「若有聞法者 無一不成仏」)を読んでみると、この法華経を聞く人は、一人も欠けることなく仏になるという文なのである。

同志への指針
 一字一句でも耳にした人は一人も残らず成仏に至る──これが法華経の偉大な力だ。
 妙法を聞いた人が、すぐに発心しなくても、決して落胆することはない。妙法を語れば、必ず仏縁は結ばれ、相手の生命の仏性は、既に揺り動かされているからだ。
 私たちが対話した分だけ、幸と希望のスクラムは大きく広がる。さあ、勇気凜々と行動を! 楽しく朗らかに!


御書と歩む 52 池田先生が贈る指針   (2017・2・9付 聖教新聞)

家族を照らす「太陽」に

 浄蔵・浄眼は父の妙荘厳王・外道の法に著して仏法に背き給いしかども二人の太子は父の命に背いて雲雷音王仏の御弟子となり終に父を導いて沙羅樹王仏と申す仏になし申されける(聖愚問答抄、1492㌻)

通解 浄蔵・浄眼は、父の妙荘厳王が外道の法に執着して仏法に背かれていた。けれどもこの二人の王子は、父の命に背いて雲雷音王仏の御弟子となり、ついに父を導いて沙羅樹王仏という仏に成したのである。

同志への指針
 法華経に説かれる浄蔵・浄眼の二人の王子は、仏法で得た歓喜の功徳の姿を見せることで父親を正法に導いた。まさしく「人間革命」の力だ。
 一人の「希望の太陽」が昇れば、必ず一家和楽を実現できる。妙法を持った人間性の輝きが、皆を明るく照らし、幸福家族を創るのだ。焦る必要はない。日々、太陽の如く、わが使命の軌道を朗らかに進み抜こう、勝利の春へ!


御書と歩む 53 池田先生が贈る指針   (2017・2・16付 聖教新聞)

生命の宝塔を林立させよ

 末法に入って法華経を持つ男女の・すがたより外には宝塔なきなり、若し然れば貴賤上下をえらばず南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり(阿仏房御書、1304㌻)

通解 末法に入って、法華経を持つ男女の姿よりほかには宝塔はないのである。もしそうであれば、身分の貴さや賤しさ、立場の上と下は関係なく、南無妙法蓮華経と唱える人は、その人自身が宝塔であり、また、その人自身が多宝如来なのである。

同志への指針
 〝あなたの生命こそ最極の宝塔なり〟と御本仏は語り掛けられた。妙法は、生命を蹂躙する魔性を打ち破り、宝塔を自他共に輝かせる哲理だ。
 65年前、東西冷戦の渦中、二月闘争に走りゆく私たち青年に、恩師は「地球民族主義」を提唱された。開かれた対話で差異を超え、生命の宝塔を林立させていく。地道にして最も力強く、幸と平和の連帯を拡大する道が、ここにある。


御書と歩む 54 池田先生が贈る指針   (2017・2・24付 聖教新聞)

一遍の唱題に無量の福徳


 釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足す我等此の五字を受持すれば自然に彼の因果の功徳を譲り与え給う(観心本尊抄、246㌻)

通解 釈尊の因行果徳の二法は妙法蓮華経の五字に具足している。私たちは、この妙法蓮華経の五字を受持すれば自然に釈尊の因果の功徳を譲り与えられるのである。

同志への指針

 私たちの唱える題目の力は無量無辺である。釈尊はじめ一切の仏の修行の功徳も、仏の威徳も、全部この妙法五字に具わっている。
 ただ一遍の唱題でも、功徳力は絶対である。ましてや、自行化他にわたる誓願の唱題行の福徳は、三世永遠に、わが生命とわが眷属を包んでいくのだ。「歓喜の中の大歓喜」の題目を、今日も朗々と唱えゆこう!


御書と歩む 55 池田先生が贈る指針   (2017・3・2付 聖教新聞)

「師子王の心」で勝ち進め!

 願くは我が弟子等は師子王の子となりて群狐に笑わるる事なかれ(閻浮提中御書、1589㌻)

通解 願わくは、わが弟子等は師子王の子となって、群狐に笑われることがあってはならない。

同志への指針
 師子王は百獣を恐れない。
 大聖人の正統として、我ら壮年部は広宣流布と立正安国の誓願に走り抜いている。「師子王の心」を取り出せないわけがない。いかなる険難も悠然と乗り越えゆくのだ。
 信頼する勇猛精進のわが戦友よ、厳然と皆を守りゆく創価家族の父たちよ、「忍辱の鎧」をまとい、混迷の社会に断固と勝利の大道を開きゆこうではないか!


御書と歩む 56
 池田先生が贈る指針   (2017・3・14付 聖教新聞)

後継の魂を明々と燃やせ

 ただ世間の留難来るとも・とりあへ給うべからず、賢人・聖人も此の事はのがれず(四条金吾殿御返事、1143㌻)

通解 ただ、世間の種々の難が襲ってきても、とりあってはいけない。賢人や聖人であっても、このことは逃れられないからである。

同志への指針
 偉大な使命の青春なればこそ、苦難は大きい。悪口罵詈は正義の誉れである。
 地涌の若人として、労苦をいとわず誓願を貫く一日一日は、最も誇り高い。
 試練が偉大な生命を鍛える。「苦楽ともに思い合せて」題目を唱え、強く朗らかに進むのだ。必ず道は開ける。
 「3・16」は、永遠に青年の出発の日だ。恐れなく、わが最高峰へ挑みゆけ!


御書と歩む 57 池田先生が贈る指針   (2017・3・22付 聖教新聞)

学会活動が最高の回向に

 今日蓮等の類い聖霊を訪う時法華経を読誦し南無妙法蓮華経と唱え奉る時・題目の光無間に至りて即身成仏せしむ、廻向の文此れより事起るなり(御義口伝、712㌻)

通解 今、日蓮およびその門下が、故人を追善する時、法華経を読誦し、南無妙法蓮華経と唱えたならば、題目の光が無間地獄に至って、即身成仏させることができる。回向の文はこのことから事起こるのである。

同志への指針
 題目の大功力は亡くなった方々の生命にも厳然と届く。悲しい別れであったとしても、妙法の光明で赫々と照らし、必ず成仏の境涯へ導いていける。
 なかんずく自行化他の題目を唱え、広布に邁進しゆく学会活動には、「生も歓喜、死も歓喜」という永遠の生命の凱歌が轟く。この偉大な功徳を故人に回らし向けるのだ。ここに回向の本義がある。


御書と歩む 58 池田先生が贈る指針   (2017・3・31付 聖教新聞)

未来部員は世界の宝

 経王御前を儲させ給いて候へば現世には跡をつぐべき孝子なり後生には又導かれて仏にならせ給うべし(経王御前御書、1123㌻)

通解 経王御前をもうけられたので、現世には、必ず跡を継ぐ孝子である。また、後生には、この子に導かれて仏に成られるであろう。

同志への指針
 御本仏は、門下の後継の誕生を、これほどまでに喜ばれている。未来部が、いかに偉大な「令法久住」の宝か。一人の未来っ子の生命から、明日の希望の世界が広がる。人類を仏の境涯へ高めゆく使命を帯びているのだ。
 だからこそ、一人一人の声に耳を傾け、最大に褒め讃えたい。入学・進級など新たな出発の春。はつらつたる前進と成長を皆で応援しよう!


御書と歩む 59 池田先生が贈る指針   (2017・4・6付 聖教新聞)

妙法の女性に福徳あれ

 日月は地におち須弥山はくづるとも、彼の女人仏に成らせ給わん事疑いなし、あらたのもしや・たのもしや(松野殿御返事、1390㌻)

通解 たとえ、日や月が地に落ち、須弥山が崩れることがあったとしても、かの女性が仏に成られることは疑いない。まことに、頼もしいことである。

同志への指針
 妙法を持った女性が幸福にならないわけがない! 尊きヤング・ミセスの皆さんを、御本仏がどれほど御賞讃されていることか。
 目まぐるしい変化と慌ただしい毎日の中で、学会活動に励む挑戦の一歩一歩は、自身と一家眷属の永遠の「心の財」を積む黄金の足跡である。
 未来を創りゆく宝友の皆さんに健康と幸あれ! 妻と題目を送っています。


御書と歩む 60 池田先生が贈る指針   (2017・4・14付 聖教新聞)

人格の光で社会を照らせ

 御みやづかいを法華経とをぼしめせ、「一切世間の治生産業は皆実相と相違背せず」とは此れなり(檀越某御返事、1295㌻)

通解 主君に仕えることが、法華経の修行であると思いなさい。「あらゆる一般世間の生活を支える営み、なりわいは、全て実相(妙法)と相反することはない」と、経文に説かれているのは、このことである。

同志への指針
 新出発の春だ。心機一転、新しい環境に飛び込む友も多い。壁にぶつかることもあろう。それは前進しているゆえだ。失敗することもある。次に成功するためだ。
 「太陽の仏法」を行ずる青年は、何があっても、明るく賢く逞しくあれ! 我らは、仕事で価値を創造し、社会に貢献し、自身の人間革命をしていけるのだ。勇気で進め! 誠実で開け! 粘りで勝て!


御書と歩む 61 池田先生が贈る指針   (2017・4・20付 聖教新聞)

剣豪の如く教学を磨け

 この御文は大事の事どもかきて候、よくよく人によませて・きこしめせ(上野殿御返事、1510㌻)

通解 このお手紙には大事のことを書き記している。よくよく人に読ませて、お聞きになりなさい。

同志への指針

 〝剣豪の修行の如き鍛錬〟──65年前、御書全集の「発刊の辞」で、恩師は学会伝統の行学の姿勢を厳と示された。
 教学は生命の宝剣だ。剣豪が基本の素振りを怠らぬように、たゆまず御書を開くのだ。教学を磨き深めれば、境涯が広がる。友に希望と勇気の励ましを送ることができる。
 どこまでも御書根本に、「広宣流布」と「立正安国」の確信の対話を!


御書と歩む 62 池田先生が贈る指針   (2017・4・26付 聖教新聞)

父母に最高の親孝行を

 法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり、我が心には報ずると思はねども此の経の力にて報ずるなり(上野殿御消息、1528㌻)

通解 法華経(御本尊)を持つ人は、父と母の恩を報じているのである。自分の心には父母の恩を報じているとは思わなくても、この経の力によって報じているのである。

同志への指針
 正しい信仰は最高の親孝行である。「成仏」という永遠の幸福の光を、大恩ある父母に送ることができるからだ。
 青年に、背伸びなどいらない。ありのままの自分で、題目を唱えながら、学び鍛え、前進していけばよいのだ。ここに、わが生命を最大に充実させ、皆に希望と喜びを広げゆける青春がある。
 未来を創る君たちよ、朗らかに育ちゆけ!


御書と歩む 63 池田先生が贈る指針   (2017・5・13付 聖教新聞)

広布の勝利劇を綴りゆけ

 世間の浅き事には身命を失へども大事の仏法なんどには捨る事難し故に仏になる人もなかるべし(佐渡御書、956㌻)

通解 世間の浅いことには、命を失うことはあっても、大事な仏法のために命を捨てることは難しい。それ故に仏になる人もいないのである。

同志への指針
 人間として生を受けたことが、いかに尊貴な福運か。ゆえに「浅き事」に流されて、悔いを残してはならない。
 恩師は私に〝若き命を「大事の仏法」に懸けてみよ。絶対に正しき人生を歩める〟と約束くださった。この70年の軌跡が、その証明である。
 私も叫びたい。〝地涌の若人よ、広宣流布という壮大なロマンの勝利劇を、思う存分に綴りゆけ!〟と。


御書と歩む 64 池田先生が贈る指針   (2017・5・20付 聖教新聞)

全世界の誓願の友と出発

 諸天善神並びに地涌千界等の菩薩・法華の行者を守護せん此の人は守護の力を得て本門の本尊・妙法蓮華経の五字を以て閻浮提に広宣流布せしめんか(顕仏未来記、507㌻)

通解 諸天善神ならびに地涌の菩薩などは、法華経の行者を守護するだろう。この人はそれらの守護の力によって、本門の本尊である妙法蓮華経の五字を閻浮提に広宣流布させていくだろう。

同志への指針
 御本仏の未来記の通り、妙法を閻浮提に流布したのは創価学会だ。今、日本中、世界中の尊き友が「大法弘通」の誓願を掲げ、祈り行動してくれている。
 「太陽の仏法」が、赫々と人類を照らす時を迎えた。
 我らは日蓮大聖人の正統として、「慈折広宣流布」という平和と幸福の大道を勝ち開くのだ。仏天の守護の力をいよいよ湧き立たせながら!


御書と歩む 65 池田先生が贈る指針   (2017・5・23付 聖教新聞)

大確信の名指揮を頼む

 一つ船に乗りぬれば船頭のはかり事わるければ一同に船中の諸人損じ・又身つよき人も心かひなければ多くの能も無用なり(乙御前御消息、1220㌻)

通解 一つの船に乗り合わせた時、船頭の舵取りが悪ければ、船に乗った人々は一斉に命を落としてしまう。また、体が強い人でも、心が弱ければ多くの才能も役に立たない。

同志への指針
 ひとたび船出したからには舵取りの責任は重大だ。リーダーは、いかなる嵐にも決して揺らいではならない。
 断じて皆を守り、幸と勝利の港へ導いてみせると、強盛に祈り抜くのだ。その信力・行力の強さによって、仏力・法力も必ず強くなる。
 苦労が大きい分、福徳もまた大きい。一人一人の力を引き出しながら、一切の波濤を越えゆく名指揮を頼む!


御書と歩む 66 池田先生が贈る指針   (2017・6・2付 聖教新聞)

どこまでも信心が根本

 ただ心こそ大切なれ、いかに日蓮いのり申すとも不信ならばぬれたる・ほくちに・火をうちかくるが・ごとくなるべし、はげみをなして強盛に信力をいだし給うべし(四条金吾殿御返事、1192㌻)

通解 ただ心こそ大切である。いかに日蓮が祈っても、あなた自身が不信ならば、濡れている火口に火を打ちかけるようなものである。勇んで強盛に信力を出しなさい。

同志への指針
 我らには最強無敵の「法華経の兵法」がある。その真髄の力を発揮する極意は、「心こそ大切」の一点である。
 妙法への大確信と師弟不二の勇気があれば、必ず祈りは成就する。困難な時こそ、互いに励まし合いながら、いよいよ強盛に信力を奮い起こすのだ。
 共々に「絶対勝利の信心」で壁を破り、輝く歴史を創りゆこうではないか!


御書と歩む 67 池田先生が贈る指針   (2017・6・7付 聖教新聞)

迅速こそ責任感の表れ

 貴辺此の病を受くるの理或人之を告ぐ予日夜朝暮に法華経に申し上げ朝暮に青天に訴う除病の由今日之を聞く喜悦何事か之に過ぎん(除病御書、1298㌻)

通解 あなたがこの病気にかかったことを、ある人から伺った。病気平癒を日夜朝暮、法華経に申し上げ、青天に訴えていたが、病が治ったことをきょう聞き、これ以上喜ばしいことはない。

同志への指針
 門下が病から回復したことを聞かれて、即座に送られたお手紙である。この大慈大悲に、究極の「人の振舞」が拝される。
 「心」は即「行動」に移してこそ伝わる。「迅速さ」に誠実が表れる。学会は、このスピードで勝ってきた。根本は友を思う「祈り」である。
 日々、同志・友人の健康福徳を祈り、人間主義の黄金のスクラムを広げゆこう!


御書と歩む 68 池田先生が贈る指針   (2017・6・18付 聖教新聞)

「信」強き行動の知性たれ

 今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と信受領納する故に無上宝聚不求自得の大宝珠を得るなり信は智慧の種なり(御義口伝、725㌻)

通解 いま日蓮と弟子檀那が南無妙法蓮華経と信じ唱えるが故に、自ずから求めずして、これ以上ない大宝珠を得るのである。信は智慧の種である。

同志への指針
 今日の世界広布を築いたのは誰か。悪口罵詈にも怯まず、大法弘通に生き抜いてきた無名の庶民である。
 部結成60周年を迎える地涌の学徒は、この民衆凱歌の尊き信仰の真髄を誇り高く受け継いでいただきたい。
 わが後継の学生部よ、勇気凜々と「立正安国」の対話に打って出るのだ。祈り学び、走り語り、普賢の知性をいよいよ光らせてくれ給え!


御書と歩む 69 池田先生が贈る指針   (2017・6・21付 聖教新聞)

創価の女性は「幸の太陽」

 妙の文字は月なり日なり星なりかがみなり衣なり食なり花なり大地なり大海なり、一切の功徳を合せて妙の文字とならせ給う、又は如意宝珠のたまなり(妙心尼御前御返事、1484㌻)

通解 「妙」の文字は、月である。太陽である。星である。鏡である。衣服である。食物である。花である。大地である。大海である。一切の功徳を合わせて「妙」の文字となられたのである。または如意宝珠(意のままに何でも取り出すことができる宝の珠)である。

同志への指針
 夫に先立たれ、幼子を抱えて毅然と信仰を貫く母への御聖訓である。妙法は、どんな闇も晴らす希望の光源だ。
 自行化他の題目を唱えゆく女性に行き詰まりはない。日々の生活を色心ともに豊かに照らし、進むべき未来に功徳の花を咲かせていける。
 創価の女性こそ、幸の太陽だ。大地のように、大海のように、心広々と平和のスクラムを勝ち光らせていくのだ。


御書と歩む 70 池田先生が贈る指針   (2017・6・24付 聖教新聞)

人間の価値は哲学と行動に

 法華経の行者は川流・江河の中の大海・衆山の中の須弥山・衆星の中の月天・衆明の中の大日天、転輪王・帝釈・諸王の中の大梵王なり(妙心尼御前御返事、1484㌻)

通解 法華経の行者は、全ての川や大河の中の大海であり、多くの山の中の須弥山であり、多くの星の中の月天であり、多くの光の中の大日天であり、転輪聖王・帝釈天・そのほかの王たちの中の大梵天王である。

同志への指針
 法華経の行者は、どこまでも世間で仏法の力を証明し抜いていくのだ。
 その境涯は、聳え立つ須弥山の如く、王者の中の大王者の風格である。それは、持つ哲学が第一であり、信念の行動が尊貴なるゆえである。
 仏法は勝負だ。勇敢な大音声を地域・社会に響き渡らせてこそ、広布は前進する。
 不二の壮年部よ、勝利を決する師子吼を頼む!


御書と歩む 71 池田先生が贈る指針   (2017・6・26付 聖教新聞)

「一人立つ」拡大の歴史を

 日本国の中に但一人・南無妙法蓮華経と唱えたり、これは須弥山の始の一塵大海の始の一露なり(妙密上人御消息、1241㌻)

通解 日蓮は、日本国の中でただ一人、南無妙法蓮華経と唱えた。これは須弥山となった始めの一塵であり、大海となった始めの一露である。

同志への指針
 広宣流布は、人類の宿命を転換し、恒久平和を開きゆく大事業だ。この最極の挑戦に連なる我らの誇りは高い。
 一人の生命を揺さぶる対話は、難事中の最難事である。だからこそ、命は磨かれ、心の財が積まれる。
 突破口を開くのは、青年の勇気だ。「一人立つ」若人の誠実と確信の声こそ、「黄金の一塵」であり、「福徳の一露」なのである。


御書と歩む 72 池田先生が贈る指針   (2017・6・29付 聖教新聞)

苦難を恐れずいよいよ前へ!

 いかなる事ありとも・すこしもたゆむ事なかれ、いよいよ・はりあげてせむべし(兵衛志殿御返事、1090㌻)

通解 どのようなことがあっても、少しも弛んではならない。いよいよ声を張り上げてせめていきなさい。

同志への指針
 壁に突き当たった時が、まことの勝負である。苦難を勝ち越えた東京の大先達・池上兄弟のように、たゆまず団結して挑み抜くのだ。
 我らには題目の師子吼がある。勇気の一念が、状況を一変させる。学会精神に燃える勇者の声から、勝利の反転攻勢が始まるのだ。
 「いよいよ・はりあげて」攻め抜け!──これが「法華経の兵法」の極意である。



御書と歩む 73
 池田先生が贈る指針   (2017・7・14付 聖教新聞)

励ましとは「祈り」から

 尼ごぜんの御所労の御事我身一身の上とをもひ候へば昼夜に天に申し候なり(富木殿御返事、978㌻)

通解 尼御前(富木常忍の夫人)のご病気のことは、わが身の上のことと思っているので、昼も夜も(健康を)諸天に祈っている。

同志への指針
 大聖人は、門下の病気をわが事として受け止め、題目を送ってくださった。この大慈大悲を拝し、友の悩みに寄り添い、一緒に祈り、打開してきたのが創価家族である。
 「一人を徹して大切に」――これが御本仏に直結する学会精神だ。
 変毒為薬の妙法である。離れていても題目の功力は必ず届く。真心の祈りから迸る励ましを、今日も友の生命へ!


御書と歩む 74 池田先生が贈る指針   (2017・7・20付 聖教新聞)

行学錬磨の光の道を


 日は赫赫たり月は明明たり・法華経の文字はかくかく・めいめいたり・めいめい・かくかくたり、あきらかなる鏡にかををうかべ、すめる水に月のうかべるがごとし(南条殿御返事、1529㌻)

通解 日が赫々と照り、月が明々と輝くように、法華経の文字も赫々明々、明々赫々と照り輝いている。明鏡に顔を映し、澄んだ水に月の影を浮かべているようなものである。

同志への指針
 法華経、そして御書の文字は、万年までも照らす黄金の光だ。民衆の幸福と平和への道を映し出す明鏡である。
 日蓮仏法の根幹たる「広宣流布の信心」の血脈は、創価学会にのみ流れ通っている。この尊き和合僧の中に、真実の行学の錬磨があるのだ。
 一緒に御書を拝し、大聖哲の太陽の魂に触れながら、赫々・明々たる人間革命の光の道を進みゆこう!



御書と歩む 75
 池田先生が贈る指針   (2017・7・27付 聖教新聞)

若き生命に触発を

 一切の草木は地より出生せり、是を以て思うに一切の仏法も又人によりて弘まるべし(持妙法華問答抄、465㌻)

通解 一切の草木は大地から生ずる。このことから考えると、一切の仏法もまた、人によって弘まるのである。

同志への指針
 全ては「人」で決まる。創価学会は壮大な人間錬磨の大地である。地涌の人材を限りなく育て、人類の輝かしい未来を開いていくのだ。
 21世紀使命会、未来本部長はじめ未来部を激励してくださる方々に感謝は尽きない。
 若き生命を触発するのは、真心の祈りと誠実の励ましだ。生き生きと信仰の大確信を語り伝えよう。未来の大樹を大いに伸ばしながら!


御書と歩む 76 池田先生が贈る指針   (2017・8・3付 聖教新聞)

家族で生命を磨き合う夏に

 深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり(一生成仏抄、384㌻)

通解 深く信心を起こして、日夜朝暮に怠らず、わが心を磨くべきである。どのように磨くべきか。ただ南無妙法蓮華経と唱えることが磨くことになる。

同志への指針
 誰人にも開かれた、生命を磨く最極の方途。それが唱題行である。夏は親子一緒に勤行をする好機だ。家族一同で題目を唱える場は、何よりの希望と和楽の会座である。
 ある時は親が子に信心の確信を伝え、ある時は子が善知識となって親を導く。たとえ離れていても祈りは通ずる。
 我らは、皆が学会家族だ。共々に張りのある勤行で、生命錬磨の夏を!


御書と歩む 77
 池田先生が贈る指針   (2017・8・11付 聖教新聞)

友情こそ人生の宝

 周公旦と申せし人は沐する時は三度握り食する時は三度はき給いき、たしかに・きこしめせ我ばし恨みさせ給うな仏法と申すは是にて候ぞ(崇峻天皇御書、1174㌻)

通解 周公旦という人は(客人が来れば)沐浴して髪を洗っている時でも三度、水を絞り落とした。また食事中でも三度、吐いて食事を中断した(客人を待たせなかった)。しっかりお聞きなさい。(私〈日蓮〉の言うことを聞かずに失敗しても)私を恨まないようにしなさい。仏法というのは、このことをいうのである。

同志への指針

 短気な四条金吾を戒められた御聖訓である。礼儀と誠実、真心の配慮――常識豊かな、人間性あふれる振る舞いにこそ、仏法の精神は脈動する。
 「良き市民」として、わが地域に心の交流を広げる。懐かしい旧友と語らいを深め、新しい友と縁を結ぶ。友情こそ人生の宝であり、信頼こそ生命の誉れである。
 他者を尊敬し、聡明に「善の交友録」を綴りゆこう!


御書と歩む 78 池田先生が贈る指針   (2017・8・17付 聖教新聞)

使命の青春に栄光あれ

 竜馬につきぬる・だには千里をとぶ、松にかかれる・つたは千尋をよづと申すは是か、各各主の御心なり(九郎太郎殿御返事、1553㌻)

通解 (故・上野殿は、ただ南無妙法蓮華経の七字を信じて仏に成られた。あなた方もその一族なので、同じように志を果たされるであろう)竜馬(駿馬)についたダニは千里を飛び、松に懸かった蘿は千尋をよじ登るというのは、このことであろう。あなた方は、故・上野殿と同心である。

同志への指針
 正しき信仰を受け継いでいけば、どれほど偉大な境涯が開かれるか――大聖人が後継に贈られた御聖訓である。
 妙法と共に、使命の大空を自在に舞い飛ぶ青春となり、同志と共に、福徳の大地に幸の連帯を広げる人生となる。
 創価班・牙城会の大学校生や白蓮グループの乙女が生命尊厳の大哲学を探究し、実践してくれている。若き地涌の友に健康と団結と勝利あれ!


御書と歩む 79 池田先生が贈る指針   (2017・8・21付 聖教新聞)

妙法は幸福と勝利への智慧

 普とは諸法実相・迹門の不変真如の理なり、賢とは智慧の義なり本門の随縁真如の智なり(御義口伝、780㌻)

通解 (普賢菩薩の)「普」とは諸法実相を意味するから、迹門の不変真如の理を表す。「賢」とは智慧の義であるから、本門の随縁真如の智を表すのである。

同志への指針
 私が学生部の精鋭に「御義口伝」の講義を開始してから55年。いよいよ、人類を照らす生命尊厳の哲学の太陽は輝きを増している。
 未来を担い立つ若き地涌の英才は、不変真如の理も、随縁真如の智も、究め磨き、普く賢い大指導者へと、力をつけていただきたい。
 平和と安穏の社会を築く、新時代の「普賢」の陣列を世界が待っている。


御書と歩む 80 池田先生が贈る指針   (2017・8・30付 聖教新聞)

求道のドラマを共々に

 法華経を余人のよみ候は口ばかり・ことばばかりは・よめども心はよまず・心はよめども身によまず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ(土籠御書、1213㌻)

通解 他の人が法華経を読むのは口ばかりで、言葉の上だけでは読んでも、心では読まない。また、心で読んでも身で読まない。あなたが色心の二法にわたって法華経を読まれたことは尊いことである。

同志への指針
 信心は観念ではない。現実をよりよく変えゆく挑戦であり、実践である。
 広宣流布への行動の中で御書を拝するのだ。学会は御書を身で読み切ってきたからこそ、大発展したのである。
 この誉れの「行学の二道」に今、世界中の求道の同志が取り組んでいる。共に祈り、共に学び、共に成長する――日々、御書を繙き、人間革命のドラマを綴りゆこう!

御書と歩む 81 池田先生が贈る指針             (2017・9・7付 聖教新聞)

朗らかに人間革命の劇を

 法華経を持ち奉る処を当詣道場と云うなり此を去って彼に行くには非ざるなり、道場とは十界の衆生の住処を云うなり(御義口伝、781㌻)

通解 (法華経の行者が)法華経を受持する所を「当詣道場」というのである。この娑婆世界を去って、極楽浄土等のほかの国土へ行くことではない。「道場」とは十界の衆生の住所である娑婆世界をいうのである。

同志への指針
 仏道修行の道場は遠くではない。「今」「ここ」にある。わが地域である。
 60年前の9月、私は、東京・葛飾区に初代の総ブロック長として立った。一人一人に「信心してよかった」という喜びを味わわせてほしいとの師の心を体し、人情あふれる友と地域広布へ走った。
 我らの地域よ、十界互具の衆生の朗らかな「人間革命」の劇で輝き光れ!
2017-09-07 : 御書と歩む :
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